JP3366426B2 - 易スルホン化繊維 - Google Patents
易スルホン化繊維Info
- Publication number
- JP3366426B2 JP3366426B2 JP08589594A JP8589594A JP3366426B2 JP 3366426 B2 JP3366426 B2 JP 3366426B2 JP 08589594 A JP08589594 A JP 08589594A JP 8589594 A JP8589594 A JP 8589594A JP 3366426 B2 JP3366426 B2 JP 3366426B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fiber
- sulfonated
- polystyrene
- component
- easily sulfonated
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01M—PROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
- H01M50/00—Constructional details or processes of manufacture of the non-active parts of electrochemical cells other than fuel cells, e.g. hybrid cells
- H01M50/40—Separators; Membranes; Diaphragms; Spacing elements inside cells
- H01M50/409—Separators, membranes or diaphragms characterised by the material
- H01M50/44—Fibrous material
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01M—PROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
- H01M50/00—Constructional details or processes of manufacture of the non-active parts of electrochemical cells other than fuel cells, e.g. hybrid cells
- H01M50/40—Separators; Membranes; Diaphragms; Spacing elements inside cells
- H01M50/409—Separators, membranes or diaphragms characterised by the material
- H01M50/411—Organic material
- H01M50/414—Synthetic resins, e.g. thermoplastics or thermosetting resins
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01M—PROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
- H01M50/00—Constructional details or processes of manufacture of the non-active parts of electrochemical cells other than fuel cells, e.g. hybrid cells
- H01M50/40—Separators; Membranes; Diaphragms; Spacing elements inside cells
- H01M50/489—Separators, membranes, diaphragms or spacing elements inside the cells, characterised by their physical properties, e.g. swelling degree, hydrophilicity or shut down properties
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Electrochemistry (AREA)
- General Chemical & Material Sciences (AREA)
- Artificial Filaments (AREA)
- Multicomponent Fibers (AREA)
- Cell Separators (AREA)
- Chemical Or Physical Treatment Of Fibers (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は容易にスルホン化できる
易スルホン化繊維に関する。
易スルホン化繊維に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、ポリオレフィン系繊維をスル
ホン化して、親水性を付与した繊維を使用した電池用セ
パレータが知られている。しかしながら、ポリオレフィ
ン系繊維はスルホン化されにくく、しかもスルホン化す
るためには、発煙硫酸を使用するという、苛酷な条件下
で処理する必要があるため、繊維強度が低下するという
問題があった。
ホン化して、親水性を付与した繊維を使用した電池用セ
パレータが知られている。しかしながら、ポリオレフィ
ン系繊維はスルホン化されにくく、しかもスルホン化す
るためには、発煙硫酸を使用するという、苛酷な条件下
で処理する必要があるため、繊維強度が低下するという
問題があった。
【0003】この問題を解決するため、スルホン化ポリ
スチレンとポリオレフィンとの混合物からなる繊維を使
用した電池用セパレータが提案されている(特開平4−
174964号)。この繊維はポリスチレンのスルホン
化されやすい性質を利用したものであるが、この繊維で
あっても、発煙硫酸より温和な濃硫酸では、十分にスル
ホン化できないか、できたとしても、長時間を要し、製
造効率の悪いものであった。
スチレンとポリオレフィンとの混合物からなる繊維を使
用した電池用セパレータが提案されている(特開平4−
174964号)。この繊維はポリスチレンのスルホン
化されやすい性質を利用したものであるが、この繊維で
あっても、発煙硫酸より温和な濃硫酸では、十分にスル
ホン化できないか、できたとしても、長時間を要し、製
造効率の悪いものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題点
を解決するためになされたものであり、温和な条件下で
十分にスルホン化できる易スルホン化繊維を提供するこ
とを目的とする。
を解決するためになされたものであり、温和な条件下で
十分にスルホン化できる易スルホン化繊維を提供するこ
とを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の易スルホン化繊
維は、シンジオタクチック構造を有するポリスチレン
に、可塑剤を添加、他の分子を共重合、或いは他の分子
を側鎖に導入してガラス転移温度を70〜95℃とした
成分を含むものである。前記成分が易スルホン化繊維表
面の40%以上を占めているのが好ましい。易スルホン
化繊維の繊維断面が芯鞘型であるのが好ましい。易スル
ホン化繊維は電池用セパレータの素材として使用するこ
とができる。
維は、シンジオタクチック構造を有するポリスチレン
に、可塑剤を添加、他の分子を共重合、或いは他の分子
を側鎖に導入してガラス転移温度を70〜95℃とした
成分を含むものである。前記成分が易スルホン化繊維表
面の40%以上を占めているのが好ましい。易スルホン
化繊維の繊維断面が芯鞘型であるのが好ましい。易スル
ホン化繊維は電池用セパレータの素材として使用するこ
とができる。
【0006】
【0007】
【0008】
【作用】本発明は、シンジオタクチック構造を有するポ
リスチレンに、可塑剤を添加、他の分子を共重合、或い
は他の分子を側鎖に導入してガラス転移温度を70〜9
5℃とした成分を含む繊維は、温和な条件下で十分にス
ルホン化できることを見出したものである。より好まし
くはガラス転移温度を80〜95℃とする。
リスチレンに、可塑剤を添加、他の分子を共重合、或い
は他の分子を側鎖に導入してガラス転移温度を70〜9
5℃とした成分を含む繊維は、温和な条件下で十分にス
ルホン化できることを見出したものである。より好まし
くはガラス転移温度を80〜95℃とする。
【0009】
【0010】ポリスチレンは50%以上がシンジオタク
チック構造を有するのが好ましく、より好ましくは、7
0%以上、最も85%以上がシンジオタクチック構造を
有していれば良い。なお、このシンジオタクチック構造
はIRスペクトルや13C−NMRスペクトルによって
容易に確認できる。
チック構造を有するのが好ましく、より好ましくは、7
0%以上、最も85%以上がシンジオタクチック構造を
有していれば良い。なお、このシンジオタクチック構造
はIRスペクトルや13C−NMRスペクトルによって
容易に確認できる。
【0011】また、シンジオタクチック構造を有するポ
リスチレンの重量平均分子量は、1〜400万であるの
が好ましく、1万未満では繊維形成性に劣り、400万
を越えると、粘度が高く、紡糸性に劣るためであり、よ
り好ましくは、10〜100万である。
リスチレンの重量平均分子量は、1〜400万であるの
が好ましく、1万未満では繊維形成性に劣り、400万
を越えると、粘度が高く、紡糸性に劣るためであり、よ
り好ましくは、10〜100万である。
【0012】
【0013】前記のガラス転移温度を70〜95℃とす
る方法の中でも、可塑剤を添加する方法は、シンジオタ
クチック構造を有するポリスチレンとシンジオタクチッ
ク構造を有するポリスチレンに可塑剤を添加してガラス
転移温度を70〜95℃とした成分との物性差が生じに
くく、操作も簡単なため、好適な方法である。この可塑
剤としては、例えば、エチレングリコール、プロピレン
グリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタン
ジオール、1,5ペンタンジオールなどのアルキレング
リコール、ヒドロベンゾイン、ベンズピコールなどの芳
香族グリコール、シクロペンタン1,2−ジオール、シ
クロヘキサン1,2−ジオールなどの炭素環状グリコー
ル、フタル酸ジメチルやフタル酸ジエチルなどのフタル
酸エステル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシルやアジ
ピン酸ジ−n−デシルなどの脂肪族二塩基酸エステル、
或いはリン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキ
シルなどのリン酸エステルなどを使用できる。これらの
中でも、アルキレングリコールはシンジオタクチック構
造を有するポリスチレンとの相溶性が良く、可塑化効率
が良いため好適に使用でき、これらの中でもエチレング
リコールが最も好適に使用できる。
る方法の中でも、可塑剤を添加する方法は、シンジオタ
クチック構造を有するポリスチレンとシンジオタクチッ
ク構造を有するポリスチレンに可塑剤を添加してガラス
転移温度を70〜95℃とした成分との物性差が生じに
くく、操作も簡単なため、好適な方法である。この可塑
剤としては、例えば、エチレングリコール、プロピレン
グリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタン
ジオール、1,5ペンタンジオールなどのアルキレング
リコール、ヒドロベンゾイン、ベンズピコールなどの芳
香族グリコール、シクロペンタン1,2−ジオール、シ
クロヘキサン1,2−ジオールなどの炭素環状グリコー
ル、フタル酸ジメチルやフタル酸ジエチルなどのフタル
酸エステル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシルやアジ
ピン酸ジ−n−デシルなどの脂肪族二塩基酸エステル、
或いはリン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキ
シルなどのリン酸エステルなどを使用できる。これらの
中でも、アルキレングリコールはシンジオタクチック構
造を有するポリスチレンとの相溶性が良く、可塑化効率
が良いため好適に使用でき、これらの中でもエチレング
リコールが最も好適に使用できる。
【0014】この可塑剤の添加量は、特に限定するもの
ではなく、ガラス転移温度が70〜95℃となるように
適宜設定すれば良い。例えば、シンジオタクチック構造
を有するポリスチレンに対して、エチレングリコールを
0.5〜10重量%、より好ましくは1〜6重量%添加
する。
ではなく、ガラス転移温度が70〜95℃となるように
適宜設定すれば良い。例えば、シンジオタクチック構造
を有するポリスチレンに対して、エチレングリコールを
0.5〜10重量%、より好ましくは1〜6重量%添加
する。
【0015】本発明の易スルホン化繊維は、シンジオタ
クチック構造を有するポリスチレンに、可塑剤を添加、
他の分子を共重合、或いは他の分子を側鎖に導入してガ
ラス転移温度を70〜95℃とした成分を含む繊維であ
るが、スルホン化しやすいように、シンジオタクチック
構造を有するポリスチレンに、可塑剤を添加、他の分子
を共重合、或いは他の分子を側鎖に導入してガラス転移
温度を70〜95℃とした成分が易スルホン化繊維表面
の40%以上、より好ましくは70%以上占めている。
クチック構造を有するポリスチレンに、可塑剤を添加、
他の分子を共重合、或いは他の分子を側鎖に導入してガ
ラス転移温度を70〜95℃とした成分を含む繊維であ
るが、スルホン化しやすいように、シンジオタクチック
構造を有するポリスチレンに、可塑剤を添加、他の分子
を共重合、或いは他の分子を側鎖に導入してガラス転移
温度を70〜95℃とした成分が易スルホン化繊維表面
の40%以上、より好ましくは70%以上占めている。
【0016】なお、シンジオタクチック構造を有するポ
リスチレンに、可塑剤を添加、他の分子を共重合、或い
は他の分子を側鎖に導入してガラス転移温度を70〜9
5℃とした成分以外の樹脂成分としては、繊維形成性の
ものであれば良く、特に限定するものではないが、アル
カリ電池用のセパレータの素材として使用する場合に
は、6−ナイロン、66−ナイロンなどのナイロンや、
エチレン−ビニルアルコール共重合体や、ポリプロピレ
ン、ポリエチレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン、
エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン−プ
ロピレン共重合体などのポリオレフィン系のものを好適
に使用できる。これらの中でも、耐アルカリ及び耐酸化
性に優れるポリオレフィン系のものがより好適に使用で
き、これらの中でも、ポリプロピレンが最も好適に使用
できる。
リスチレンに、可塑剤を添加、他の分子を共重合、或い
は他の分子を側鎖に導入してガラス転移温度を70〜9
5℃とした成分以外の樹脂成分としては、繊維形成性の
ものであれば良く、特に限定するものではないが、アル
カリ電池用のセパレータの素材として使用する場合に
は、6−ナイロン、66−ナイロンなどのナイロンや、
エチレン−ビニルアルコール共重合体や、ポリプロピレ
ン、ポリエチレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン、
エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン−プ
ロピレン共重合体などのポリオレフィン系のものを好適
に使用できる。これらの中でも、耐アルカリ及び耐酸化
性に優れるポリオレフィン系のものがより好適に使用で
き、これらの中でも、ポリプロピレンが最も好適に使用
できる。
【0017】また、これら樹脂成分の配置状態は、例え
ば、繊維断面において、同心状又は偏心状の芯鞘型、或
いは図1(a)〜(d)に示すような、一成分1を他成
分2の間に配した菊花型、図1(e)に示すような、一
成分1と他成分2とを交互に2層以上に積層した多層型
のものを使用でき、シンジオタクチック構造を有するポ
リスチレンに、可塑剤を添加、他の分子を共重合、或い
は他の分子を側鎖に導入してガラス転移温度を70〜9
5℃とした成分をスルホン化しやすいように、繊維表面
に配置するのが好ましい。これらの中でも、同心状又は
偏心状の芯鞘型は繊維表面全部をシンジオタクチック構
造を有するポリスチレンに、可塑剤を添加、他の分子を
共重合、或いは他の分子を側鎖に導入してガラス転移温
度を70〜95℃とした成分が占めるため、好適に使用
できる。
ば、繊維断面において、同心状又は偏心状の芯鞘型、或
いは図1(a)〜(d)に示すような、一成分1を他成
分2の間に配した菊花型、図1(e)に示すような、一
成分1と他成分2とを交互に2層以上に積層した多層型
のものを使用でき、シンジオタクチック構造を有するポ
リスチレンに、可塑剤を添加、他の分子を共重合、或い
は他の分子を側鎖に導入してガラス転移温度を70〜9
5℃とした成分をスルホン化しやすいように、繊維表面
に配置するのが好ましい。これらの中でも、同心状又は
偏心状の芯鞘型は繊維表面全部をシンジオタクチック構
造を有するポリスチレンに、可塑剤を添加、他の分子を
共重合、或いは他の分子を側鎖に導入してガラス転移温
度を70〜95℃とした成分が占めるため、好適に使用
できる。
【0018】また、菊花型や多層型の繊維断面を有する
易スルホン化繊維が分割できる場合には、分割し、細繊
維化することにより、表面積が広く、しかも緻密な構造
を採ることができるので、電池用セパレータの素材とし
て使用する場合には、より好適である。
易スルホン化繊維が分割できる場合には、分割し、細繊
維化することにより、表面積が広く、しかも緻密な構造
を採ることができるので、電池用セパレータの素材とし
て使用する場合には、より好適である。
【0019】このような易スルホン化繊維は、常法の複
合紡糸法によって得ることができる。例えば、図1
(a)に示す繊維断面形状を有する易スルホン化繊維を
得る場合、図2に示すような横断面を有する内部オリフ
ィス5を用いて、溝3の部分からシンジオタクチック構
造を有するポリスチレンに、可塑剤を添加、他の分子を
共重合、或いは他の分子を側鎖に導入してガラス転移温
度を70〜95℃とした成分又は他の樹脂成分を押し出
すと共に、小孔4から他の樹脂成分又はシンジオタクチ
ック構造を有するポリスチレンに、可塑剤を添加、他の
分子を共重合、或いは他の分子を側鎖に導入してガラス
転移温度を70〜95℃とした成分を押し出して、これ
ら押し出した樹脂を複合し、円形断面の紡糸オリフィス
を通して紡出した後、延伸して得ることができる。な
お、紡糸オリフィスは円形断面であっても、異形断面で
あっても良く、この紡糸オリフィスの断面形状により、
様々な断面形状を有する易スルホン化繊維を得ることが
できる。
合紡糸法によって得ることができる。例えば、図1
(a)に示す繊維断面形状を有する易スルホン化繊維を
得る場合、図2に示すような横断面を有する内部オリフ
ィス5を用いて、溝3の部分からシンジオタクチック構
造を有するポリスチレンに、可塑剤を添加、他の分子を
共重合、或いは他の分子を側鎖に導入してガラス転移温
度を70〜95℃とした成分又は他の樹脂成分を押し出
すと共に、小孔4から他の樹脂成分又はシンジオタクチ
ック構造を有するポリスチレンに、可塑剤を添加、他の
分子を共重合、或いは他の分子を側鎖に導入してガラス
転移温度を70〜95℃とした成分を押し出して、これ
ら押し出した樹脂を複合し、円形断面の紡糸オリフィス
を通して紡出した後、延伸して得ることができる。な
お、紡糸オリフィスは円形断面であっても、異形断面で
あっても良く、この紡糸オリフィスの断面形状により、
様々な断面形状を有する易スルホン化繊維を得ることが
できる。
【0020】易スルホン化繊維の繊維径は、各種用途に
よって適宜設定すれば良く、特に限定するものではない
が、電池用のセパレータの素材として使用する場合に
は、電解液の保持性、及び樹枝状の金属の析出や電極活
物質の移動による短絡を防ぐために、1〜18μmであ
るのが好ましく、より好ましくは1〜7μmである。な
お、繊維が異形断面を有する場合には、円形断面に換算
した値をこの繊維の繊維径とする。また、易スルホン化
繊維が分割性を有している場合には、分割後の繊維径が
上記範囲内にあれば良い。
よって適宜設定すれば良く、特に限定するものではない
が、電池用のセパレータの素材として使用する場合に
は、電解液の保持性、及び樹枝状の金属の析出や電極活
物質の移動による短絡を防ぐために、1〜18μmであ
るのが好ましく、より好ましくは1〜7μmである。な
お、繊維が異形断面を有する場合には、円形断面に換算
した値をこの繊維の繊維径とする。また、易スルホン化
繊維が分割性を有している場合には、分割後の繊維径が
上記範囲内にあれば良い。
【0021】また、繊維長も特に限定するものではない
が、不織布の形成方法によって、適宜設定する。例え
ば、湿式法によって不織布を形成する場合には、3〜3
0mmであるのが好ましく、カード法やエアレイ法などの
乾式法によって不織布を形成する場合には、20〜11
0mmであるのが好ましい。
が、不織布の形成方法によって、適宜設定する。例え
ば、湿式法によって不織布を形成する場合には、3〜3
0mmであるのが好ましく、カード法やエアレイ法などの
乾式法によって不織布を形成する場合には、20〜11
0mmであるのが好ましい。
【0022】本発明の電池用セパレータは、以上のよう
な易スルホン化繊維をスルホン化した繊維を主体として
形成した繊維シート状物からなる。易スルホン化繊維を
スルホン化した繊維は電解液の保持性に優れるように、
繊維シート状物中、50重量%以上であるのが好まし
く、より好ましくは70重量%以上である。なお、易ス
ルホン化繊維のスルホン化は、繊維シート状物の形成前
であっても、形成後であっても良いが、形成後である
と、製造上、取り扱いやすい。
な易スルホン化繊維をスルホン化した繊維を主体として
形成した繊維シート状物からなる。易スルホン化繊維を
スルホン化した繊維は電解液の保持性に優れるように、
繊維シート状物中、50重量%以上であるのが好まし
く、より好ましくは70重量%以上である。なお、易ス
ルホン化繊維のスルホン化は、繊維シート状物の形成前
であっても、形成後であっても良いが、形成後である
と、製造上、取り扱いやすい。
【0023】なお、易スルホン化繊維以外の繊維として
は、6−ナイロン、66−ナイロンなどのナイロン系の
樹脂や、エチレン−ビニルアルコール共重合体や、ポリ
プロピレン、ポリエチレン、ポリブテン、ポリメチルペ
ンテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブ
テン−プロピレン共重合体などのポリオレフィン系の樹
脂を単独で、又は、繊維断面において、同心状又は偏心
状の芯鞘型、或いは図1(a)〜(d)に示すような、
一成分1を他成分2の間に配した菊花型、図1(e)に
示すような、一成分1と他成分2とを交互に2層以上に
積層した多層型に組み合わせた繊維が使用できる。これ
らの中でも、耐アルカリ性及び耐酸化性に優れるポリオ
レフィン系の樹脂からなる繊維が好適に使用でき、これ
らの中でも、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチ
ルペンテンを含む繊維は繊維強度に優れているため、よ
り好適に使用できる。
は、6−ナイロン、66−ナイロンなどのナイロン系の
樹脂や、エチレン−ビニルアルコール共重合体や、ポリ
プロピレン、ポリエチレン、ポリブテン、ポリメチルペ
ンテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブ
テン−プロピレン共重合体などのポリオレフィン系の樹
脂を単独で、又は、繊維断面において、同心状又は偏心
状の芯鞘型、或いは図1(a)〜(d)に示すような、
一成分1を他成分2の間に配した菊花型、図1(e)に
示すような、一成分1と他成分2とを交互に2層以上に
積層した多層型に組み合わせた繊維が使用できる。これ
らの中でも、耐アルカリ性及び耐酸化性に優れるポリオ
レフィン系の樹脂からなる繊維が好適に使用でき、これ
らの中でも、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチ
ルペンテンを含む繊維は繊維強度に優れているため、よ
り好適に使用できる。
【0024】なお、易スルホン化繊維又はそれ以外の繊
維が熱融着性の樹脂成分を含んでいると、その樹脂成分
で融着することにより、繊維シート状物の形態安定性を
向上させることができるので、好適である。
維が熱融着性の樹脂成分を含んでいると、その樹脂成分
で融着することにより、繊維シート状物の形態安定性を
向上させることができるので、好適である。
【0025】この繊維シート状物としては、例えば、織
物、編物、不織布などがあるが、不織布は三次元的な繊
維構造を容易に形成でき、電解液の保持性に優れている
ため、好適に使用できる。以下、不織布をもとにして説
明する。
物、編物、不織布などがあるが、不織布は三次元的な繊
維構造を容易に形成でき、電解液の保持性に優れている
ため、好適に使用できる。以下、不織布をもとにして説
明する。
【0026】繊維ウエブ(不織布の絡合又は結合前のも
の)の形成方法としては、例えば、カード法やエアレイ
法などの乾式法、湿式法、スパンボンド法、メルトブロ
ー法などがあり、これらの中でも、湿式法やメルトブロ
ー法によって得られる繊維ウエブは緻密で、均一な表面
状態を有し、電池用セパレータとして使用すると、樹枝
状の金属の析出や電極活物質の移動を防止できるため、
好適な繊維ウエブの形成方法である。
の)の形成方法としては、例えば、カード法やエアレイ
法などの乾式法、湿式法、スパンボンド法、メルトブロ
ー法などがあり、これらの中でも、湿式法やメルトブロ
ー法によって得られる繊維ウエブは緻密で、均一な表面
状態を有し、電池用セパレータとして使用すると、樹枝
状の金属の析出や電極活物質の移動を防止できるため、
好適な繊維ウエブの形成方法である。
【0027】なお、カード法により繊維ウエブを形成す
る場合、配向方向が交差した繊維を含んでいると、たて
方向とよこ方向の強度差が小さくなるので、好適な繊維
ウエブが得られる。
る場合、配向方向が交差した繊維を含んでいると、たて
方向とよこ方向の強度差が小さくなるので、好適な繊維
ウエブが得られる。
【0028】このような繊維ウエブから不織布を形成す
る方法としては、例えば、繊維ウエブを水流やニードル
などの作用によって絡合させる方法、繊維の熱融着性成
分を融着して結合する方法、バインダーによって結合す
る方法、或いはこれらの方法を組み合わせる方法などが
ある。これらの中でも、水流の作用によって絡合させる
方法は、緊密に絡合して、微細な空隙を形成するので、
電解液の保持性に優れ、しかも油剤や界面活性剤などを
除去できるので、繊維シート状物を形成した後にスルホ
ン化する場合には、スルホン化を効率的に行なうことが
できるため、好適な不織布の形成方法である。
る方法としては、例えば、繊維ウエブを水流やニードル
などの作用によって絡合させる方法、繊維の熱融着性成
分を融着して結合する方法、バインダーによって結合す
る方法、或いはこれらの方法を組み合わせる方法などが
ある。これらの中でも、水流の作用によって絡合させる
方法は、緊密に絡合して、微細な空隙を形成するので、
電解液の保持性に優れ、しかも油剤や界面活性剤などを
除去できるので、繊維シート状物を形成した後にスルホ
ン化する場合には、スルホン化を効率的に行なうことが
できるため、好適な不織布の形成方法である。
【0029】なお、スパンボンド法、メルトブロー法に
よって得られた繊維ウエブをそのまま不織布として使用
しても構わない。
よって得られた繊維ウエブをそのまま不織布として使用
しても構わない。
【0030】この水流による絡合方法としては、例え
ば、ノズル径0.05〜0.3mm、より好ましくは、0.
10〜0.18mm、ピッチ0.2〜3mm、より好ましく
は、0.4〜1.2mmで一列に配列したノズルプレート
や、ノズルを格子状、千鳥状などの二列以上に配列した
ノズルプレートを使用し、水圧10〜300kg/cm2の水
流で、繊維ウエブの片面又は両面から処理する。
ば、ノズル径0.05〜0.3mm、より好ましくは、0.
10〜0.18mm、ピッチ0.2〜3mm、より好ましく
は、0.4〜1.2mmで一列に配列したノズルプレート
や、ノズルを格子状、千鳥状などの二列以上に配列した
ノズルプレートを使用し、水圧10〜300kg/cm2の水
流で、繊維ウエブの片面又は両面から処理する。
【0031】また、樹枝状の金属の析出や電極活物質の
移動による短絡が生じないように、水流で処理する際
に、50メッシュ以上の細かいネットや、1個当りの孔
面積が0.06mm2以下の多孔板を使用するのが好まし
い。
移動による短絡が生じないように、水流で処理する際
に、50メッシュ以上の細かいネットや、1個当りの孔
面積が0.06mm2以下の多孔板を使用するのが好まし
い。
【0032】以上のようにして得られる繊維シート状物
の厚さは、0.05〜0.3mmであるのが好ましい。0.
05mm未満であると、電解液の保持性が低下しやすく、
0.3mmを越えると、活物質を多く充填できなくなるた
めである。より好ましい厚さは0.06〜0.25mmであ
る。
の厚さは、0.05〜0.3mmであるのが好ましい。0.
05mm未満であると、電解液の保持性が低下しやすく、
0.3mmを越えると、活物質を多く充填できなくなるた
めである。より好ましい厚さは0.06〜0.25mmであ
る。
【0033】本発明における易スルホン化繊維又は繊維
シート状物のスルホン化は、濃硫酸で行なうことができ
るため、繊維強度が低下するという問題を生じることな
く、効率的に、しかも十分に行なうことができる。具体
的には、濃硫酸でスルホン化して導入される硫黄濃度が
5ppmまでスルホン化する場合に、ガラス転移温度が
100℃程度のポリスチレンからなる繊維と、本発明の
易スルホン化繊維とでは、本発明の易スルホン化繊維の
方が、スルホン化時間を半分以下に短縮できるようにな
った。また、従来、濃硫酸によるスルホン化では得るこ
とのできなかった、導入される硫黄濃度が270ppm
までスルホン化できるようになった。
シート状物のスルホン化は、濃硫酸で行なうことができ
るため、繊維強度が低下するという問題を生じることな
く、効率的に、しかも十分に行なうことができる。具体
的には、濃硫酸でスルホン化して導入される硫黄濃度が
5ppmまでスルホン化する場合に、ガラス転移温度が
100℃程度のポリスチレンからなる繊維と、本発明の
易スルホン化繊維とでは、本発明の易スルホン化繊維の
方が、スルホン化時間を半分以下に短縮できるようにな
った。また、従来、濃硫酸によるスルホン化では得るこ
とのできなかった、導入される硫黄濃度が270ppm
までスルホン化できるようになった。
【0034】なお、易スルホン化繊維が、ポリオレフィ
ン系などのスルホン化しにくい樹脂成分とシンジオタク
チック構造を有するポリスチレンに、可塑剤を添加、他
の分子を共重合、或いは他の分子を側鎖に導入してガラ
ス転移温度を70〜95℃とした成分とが共に、繊維表
面に露出した複合繊維であると、複合繊維表面に、スル
ホン化されて親水性に優れた部分と、親水性に劣る部分
とが形成されるので、親水性に優れた部分では電解液の
保持性に優れ、親水性に劣る部分では、気体の透過性に
優れるため、密閉型の電池用セパレータとして使用する
場合には、好適である。
ン系などのスルホン化しにくい樹脂成分とシンジオタク
チック構造を有するポリスチレンに、可塑剤を添加、他
の分子を共重合、或いは他の分子を側鎖に導入してガラ
ス転移温度を70〜95℃とした成分とが共に、繊維表
面に露出した複合繊維であると、複合繊維表面に、スル
ホン化されて親水性に優れた部分と、親水性に劣る部分
とが形成されるので、親水性に優れた部分では電解液の
保持性に優れ、親水性に劣る部分では、気体の透過性に
優れるため、密閉型の電池用セパレータとして使用する
場合には、好適である。
【0035】また、本発明の易スルホン化繊維又は繊維
シート状物は、発煙硫酸によりスルホン化することもで
きるが、繊維強度が低下しないように、短時間で行なっ
ても、十分にスルホン化できる。なお、繊維強度の低下
を容認できるのであれば、従来では得ることのできなか
った、導入される硫黄濃度が800ppmまでスルホン
化可能となった。
シート状物は、発煙硫酸によりスルホン化することもで
きるが、繊維強度が低下しないように、短時間で行なっ
ても、十分にスルホン化できる。なお、繊維強度の低下
を容認できるのであれば、従来では得ることのできなか
った、導入される硫黄濃度が800ppmまでスルホン
化可能となった。
【0036】なお、本発明におけるスルホン化により導
入される硫黄濃度は、易スルホン化繊維を酸素燃焼フラ
スコ法により吸収させた吸収液を、イオンクロマトグラ
フィー装置(DIONEX社製、2000i/SP)に
より分析して得られる硫黄濃度をいう。
入される硫黄濃度は、易スルホン化繊維を酸素燃焼フラ
スコ法により吸収させた吸収液を、イオンクロマトグラ
フィー装置(DIONEX社製、2000i/SP)に
より分析して得られる硫黄濃度をいう。
【0037】また、本発明の易スルホン化繊維は繊維表
面のみがスルホン化されており、繊維内部(繊維断面の
中心から繊維半径の60%を半径とする円内)はスルホ
ン化されていないため、繊維内部のみを示差熱分析測定
によりガラス転移温度を分析して、本発明の易スルホン
化繊維であるかどうかを確認できる。
面のみがスルホン化されており、繊維内部(繊維断面の
中心から繊維半径の60%を半径とする円内)はスルホ
ン化されていないため、繊維内部のみを示差熱分析測定
によりガラス転移温度を分析して、本発明の易スルホン
化繊維であるかどうかを確認できる。
【0038】以上のように、本発明のセパレータは親水
性に優れているため、一次又は二次電池用として使用で
きる。この電池は開放型でも密閉型でも良く、形状も円
筒形、扁平形、角形でも良い。より具体的には、アルカ
リマンガン電池、水銀電池、酸化銀電池、空気電池など
の一次電池、ニッケル−カドミウム電池、銀−亜鉛電
池、銀−カドミウム電池、ニッケル−亜鉛電池、ニッケ
ル−水素電池などの二次電池のセパレータとして好適に
使用できる。
性に優れているため、一次又は二次電池用として使用で
きる。この電池は開放型でも密閉型でも良く、形状も円
筒形、扁平形、角形でも良い。より具体的には、アルカ
リマンガン電池、水銀電池、酸化銀電池、空気電池など
の一次電池、ニッケル−カドミウム電池、銀−亜鉛電
池、銀−カドミウム電池、ニッケル−亜鉛電池、ニッケ
ル−水素電池などの二次電池のセパレータとして好適に
使用できる。
【0039】以下に、本発明の実施例を記載するが、以
下の実施例に限定されるものではない。なお、樹脂成分
の溶融粘度は、300℃、シェアレート103S-1にお
けるもので、フローテスター(島津製作所製、フローテ
スター CFT−500)で、直径1.0mm、長さ10.
0mmのノズルを用いて測定した。
下の実施例に限定されるものではない。なお、樹脂成分
の溶融粘度は、300℃、シェアレート103S-1にお
けるもので、フローテスター(島津製作所製、フローテ
スター CFT−500)で、直径1.0mm、長さ10.
0mmのノズルを用いて測定した。
【0040】また、加圧保液率は加圧時の電解液保持率
で、次のようにして測定した。つまり、直径30mmに裁
断したセパレータを、温度20℃、相対湿度65%の状
態下で、水分平衡に至らせた後、重量(W0、mg)を測
定した。次に、セパレータ中の空気を水酸化カリウム溶
液で置換するように、比重1.3(20℃)の水酸化カ
リウム溶液中に1時間浸漬し、水酸化カリウム溶液を保
持させた。次に、このセパレータを上下3枚づつのろ紙
(No.2、直径30mm)で挟み、加圧ポンプにより、21
kgf/cm2の圧力を30秒間作用させた後、セパレータの
重量(W1、mg)を測定した。そして、下記の式によ
り、加圧保液率を求めた。なお、この測定は1つのセパ
レータに対して4回行ない、その平均を加圧保液率とし
た。
で、次のようにして測定した。つまり、直径30mmに裁
断したセパレータを、温度20℃、相対湿度65%の状
態下で、水分平衡に至らせた後、重量(W0、mg)を測
定した。次に、セパレータ中の空気を水酸化カリウム溶
液で置換するように、比重1.3(20℃)の水酸化カ
リウム溶液中に1時間浸漬し、水酸化カリウム溶液を保
持させた。次に、このセパレータを上下3枚づつのろ紙
(No.2、直径30mm)で挟み、加圧ポンプにより、21
kgf/cm2の圧力を30秒間作用させた後、セパレータの
重量(W1、mg)を測定した。そして、下記の式によ
り、加圧保液率を求めた。なお、この測定は1つのセパ
レータに対して4回行ない、その平均を加圧保液率とし
た。
【0041】
【実施例】(実施例1)
溶融粘度270ポイズのポリプロピレンと、溶融粘度6
40ポイズ、重量平均分子量15万で、可塑剤としてエ
チレングリコールを4重量%添加し、100℃のガラス
転移温度を90℃に低下させた、シンジオタクチック構
造(85%以上)を有するポリスチレンとを1:1の重
量比率で、別々に溶融させた後、300℃に加熱され
た、芯鞘型の横断面を有する内部オリフィスの芯部分か
らポリプロピレン融液を、鞘部分からポリスチレン融液
を押し出した後、これら融液を複合し、円形断面の紡糸
オリフィスから紡出した後、速度500m/分で巻き取
った。次いで、3倍延伸し、10個/インチの巻縮を付
与して、芯成分がポリプロピレンで、鞘成分がポリスチ
レンからなる、断面円形の易スルホン化繊維(繊維径1
6μm、繊維長51mm)を得た。
40ポイズ、重量平均分子量15万で、可塑剤としてエ
チレングリコールを4重量%添加し、100℃のガラス
転移温度を90℃に低下させた、シンジオタクチック構
造(85%以上)を有するポリスチレンとを1:1の重
量比率で、別々に溶融させた後、300℃に加熱され
た、芯鞘型の横断面を有する内部オリフィスの芯部分か
らポリプロピレン融液を、鞘部分からポリスチレン融液
を押し出した後、これら融液を複合し、円形断面の紡糸
オリフィスから紡出した後、速度500m/分で巻き取
った。次いで、3倍延伸し、10個/インチの巻縮を付
与して、芯成分がポリプロピレンで、鞘成分がポリスチ
レンからなる、断面円形の易スルホン化繊維(繊維径1
6μm、繊維長51mm)を得た。
【0042】この易スルホン化繊維70重量%と、ポリ
プロピレン(芯)−ポリエチレン(鞘)からなる同心円
状の芯鞘型複合繊維(繊維径20μm、繊維長51mm、
鞘成分の融着温度110℃)30重量%とを混綿し、カ
ーディングし、クロスレイヤーにより繊維の配向方向を
交差させて繊維ウエブを形成した後、温度130℃、線
圧80kg/cmでカレンダー処理して、目付65g/m2、厚
さ0.2mmの不織布を得た。次いで、この不織布を80
℃、97%硫酸溶液中に、20分間浸漬した後、水洗
し、60℃で乾燥して、スルホン化により導入された硫
黄濃度9.0ppm、加圧保液率12.5%のセパレータ
を得た。
プロピレン(芯)−ポリエチレン(鞘)からなる同心円
状の芯鞘型複合繊維(繊維径20μm、繊維長51mm、
鞘成分の融着温度110℃)30重量%とを混綿し、カ
ーディングし、クロスレイヤーにより繊維の配向方向を
交差させて繊維ウエブを形成した後、温度130℃、線
圧80kg/cmでカレンダー処理して、目付65g/m2、厚
さ0.2mmの不織布を得た。次いで、この不織布を80
℃、97%硫酸溶液中に、20分間浸漬した後、水洗
し、60℃で乾燥して、スルホン化により導入された硫
黄濃度9.0ppm、加圧保液率12.5%のセパレータ
を得た。
【0043】(比較例)
溶融粘度760ポイズ、重量平均分子量18万、ガラス
転移温度100℃(低下させていない)のシンジオタク
チック構造を有するポリスチレンを使用した以外は、実
施例1と全く同様にして、スルホン化により導入された
硫黄濃度3.0ppm、加圧保液率8.3%のセパレータ
を得た。
転移温度100℃(低下させていない)のシンジオタク
チック構造を有するポリスチレンを使用した以外は、実
施例1と全く同様にして、スルホン化により導入された
硫黄濃度3.0ppm、加圧保液率8.3%のセパレータ
を得た。
【0044】(実施例2)
実施例1と同じポリプロピレンと、ポリスチレンとを
1:1の重量比率で、別々に溶融させた後、図1に示す
ような8つの小孔4を溝3で分割した横断面を有する、
300℃に加熱された内部オリフィス5の小孔4からポ
リプロピレン融液を、他方、溝3からポリスチレン融液
を押し出した後、これら融液を複合し、円形断面の紡糸
オリフィスから紡出した後、速度600m/分で巻き取
った。次いで、3倍延伸し、10個/インチの巻縮を付
与して、ポリスチレンが繊維の中心から伸びるポリプロ
ピレンで8分割された、断面円形の易スルホン化繊維
(繊維径20μm、繊維長10mm、図1(a)参照)を
得た。この易スルホン化繊維は、ポリスチレンが繊維表
面の47.8%を占めており、また、機械的に分割可能
であり、分割後の繊維径はポリプロピレンが2.1μm、
ポリスチレンが2.0μmであった。
1:1の重量比率で、別々に溶融させた後、図1に示す
ような8つの小孔4を溝3で分割した横断面を有する、
300℃に加熱された内部オリフィス5の小孔4からポ
リプロピレン融液を、他方、溝3からポリスチレン融液
を押し出した後、これら融液を複合し、円形断面の紡糸
オリフィスから紡出した後、速度600m/分で巻き取
った。次いで、3倍延伸し、10個/インチの巻縮を付
与して、ポリスチレンが繊維の中心から伸びるポリプロ
ピレンで8分割された、断面円形の易スルホン化繊維
(繊維径20μm、繊維長10mm、図1(a)参照)を
得た。この易スルホン化繊維は、ポリスチレンが繊維表
面の47.8%を占めており、また、機械的に分割可能
であり、分割後の繊維径はポリプロピレンが2.1μm、
ポリスチレンが2.0μmであった。
【0045】この易スルホン化繊維70重量%と、ポリ
プロピレン(芯)−ポリエチレン(鞘)からなる同心円
状の芯鞘型複合繊維(繊維径20μm、繊維長10mm、
鞘成分の融着温度110℃)30重量%とを、湿式抄造
法により繊維ウエブを形成した後、この繊維ウエブを8
0メッシュの平織ネット上に載置し、ノズル径0.13m
m、ピッチ0.6mmのノズルプレートを用いて、水圧13
0kg/cm2の水流で、両面から2回ずつ処理して、繊維ウ
エブを絡合すると同時に易スルホン化繊維を分割して、
絡合繊維ウエブを得た。その後、実施例1と同様に、カ
レンダー処理及びスルホン化処理を行ない、目付67g/
m2、厚さ0.2mm、スルホン化により導入された硫黄濃
度9.5ppm、加圧保液率14.1%のセパレータを得
た。
プロピレン(芯)−ポリエチレン(鞘)からなる同心円
状の芯鞘型複合繊維(繊維径20μm、繊維長10mm、
鞘成分の融着温度110℃)30重量%とを、湿式抄造
法により繊維ウエブを形成した後、この繊維ウエブを8
0メッシュの平織ネット上に載置し、ノズル径0.13m
m、ピッチ0.6mmのノズルプレートを用いて、水圧13
0kg/cm2の水流で、両面から2回ずつ処理して、繊維ウ
エブを絡合すると同時に易スルホン化繊維を分割して、
絡合繊維ウエブを得た。その後、実施例1と同様に、カ
レンダー処理及びスルホン化処理を行ない、目付67g/
m2、厚さ0.2mm、スルホン化により導入された硫黄濃
度9.5ppm、加圧保液率14.1%のセパレータを得
た。
【0046】
【発明の効果】本発明の易スルホン化繊維は、濃硫酸に
よって十分にスルホン化できる繊維である。なお、シン
ジオタクチック構造を有するポリスチレンに、可塑剤を
添加、他の分子を共重合、或いは他の分子を側鎖に導入
してガラス転移温度を70〜95℃とした成分が易スル
ホン化繊維表面の40%以上を占めていると、スルホン
化しやすい。また、易スルホン化繊維の繊維断面が芯鞘
型であると、スルホン化しやすい。本発明の易スルホン
化繊維は電池用セパレータの素材として好適に使用でき
る。
よって十分にスルホン化できる繊維である。なお、シン
ジオタクチック構造を有するポリスチレンに、可塑剤を
添加、他の分子を共重合、或いは他の分子を側鎖に導入
してガラス転移温度を70〜95℃とした成分が易スル
ホン化繊維表面の40%以上を占めていると、スルホン
化しやすい。また、易スルホン化繊維の繊維断面が芯鞘
型であると、スルホン化しやすい。本発明の易スルホン
化繊維は電池用セパレータの素材として好適に使用でき
る。
【0047】
【0048】
【図1】(a) 易スルホン化繊維の断面図の一例
(b) 易スルホン化繊維の断面図の他例
(c) 易スルホン化繊維の断面図の他例
(d) 易スルホン化繊維の断面図の他例
(e) 易スルホン化繊維の断面図の他例
【図2】図1(a)の易スルホン化繊維を紡糸する際に
使用できる内部オリフィス断面図
使用できる内部オリフィス断面図
1 一成分
2 他成分
3 溝
4 小孔
5 内部オリフィス
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 昭52−77222(JP,A)
特開 昭49−25223(JP,A)
特開 平2−53909(JP,A)
特開 平4−257310(JP,A)
特開 昭63−77905(JP,A)
特公 昭41−4287(JP,B1)
特表 平6−500369(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
D01F 6/20 - 6/22
D01F 6/54
D01F 8/10
D06M 11/55
Claims (4)
- 【請求項1】 シンジオタクチック構造を有するポリス
チレンに、可塑剤を添加、他の分子を共重合、或いは他
の分子を側鎖に導入してガラス転移温度を70〜95℃
とした成分を含むことを特徴とする易スルホン化繊維。 - 【請求項2】 前記成分が易スルホン化繊維表面の40
%以上を占めていることを特徴とする、請求項1記載の
易スルホン化繊維。 - 【請求項3】 繊維断面が芯鞘型であることを特徴とす
る、請求項1又は請求項2に記載の易スルホン化繊維。 - 【請求項4】 電池用セパレータの素材として使用する
ことを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれかに記
載の易スルホン化繊維。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08589594A JP3366426B2 (ja) | 1994-03-30 | 1994-03-30 | 易スルホン化繊維 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08589594A JP3366426B2 (ja) | 1994-03-30 | 1994-03-30 | 易スルホン化繊維 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07278963A JPH07278963A (ja) | 1995-10-24 |
JP3366426B2 true JP3366426B2 (ja) | 2003-01-14 |
Family
ID=13871623
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP08589594A Expired - Fee Related JP3366426B2 (ja) | 1994-03-30 | 1994-03-30 | 易スルホン化繊維 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3366426B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6403265B1 (en) | 1999-04-02 | 2002-06-11 | Toyo Boseki Kabushiki Kaisha | Battery separator, process for producing the same, and alkaline battery |
JP5106178B2 (ja) * | 2008-02-29 | 2012-12-26 | テイカ株式会社 | イオン交換体およびその製造方法 |
-
1994
- 1994-03-30 JP JP08589594A patent/JP3366426B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07278963A (ja) | 1995-10-24 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6444367B1 (en) | Durable hydrophilic nonwoven mat for rechargable alkaline batteries | |
KR101413349B1 (ko) | 개선된 미세 섬유 세퍼레이터를 포함하는 배터리 | |
EP1377704B1 (en) | Laminated battery separator material | |
US20010008965A1 (en) | Durable hydrophilic nonwoven webs and articles formed therefrom | |
JPWO2004073094A1 (ja) | セパレータ材料とその製造方法及びアルカリ二次電池用セパレータ | |
KR20040040471A (ko) | 납축전지용 강화 다층 격리판 | |
JPH1140129A (ja) | 極細複合繊維不織布からなる電池用セパレータ及びその製造方法 | |
JP5337599B2 (ja) | 電池セパレータ、電池および分割型複合繊維 | |
JP2001207362A (ja) | 耐突き刺し性に優れた不織布、その製造方法および電池用セパレータ | |
JP3366426B2 (ja) | 易スルホン化繊維 | |
JP3678081B2 (ja) | 電池用セパレータおよびこれを用いた電池 | |
JPS61281454A (ja) | 電池用セパレ−タ | |
KR100679660B1 (ko) | 배터리용 스펀본드 부직포 격리막 및 그 제조방법 | |
JP2960284B2 (ja) | 電池セパレータおよびその製造方法 | |
JP4139454B2 (ja) | アルカリ電池用セパレータ及びその製法 | |
JP3277186B2 (ja) | 繊維シート状物及びこれを用いた電池用セパレータ | |
JP3383823B2 (ja) | 電池用セパレータとその製造方法及びこれを用いた電池 | |
KR100533124B1 (ko) | 전지 세퍼레이터와 그 제조방법 및 전지 | |
JP3107174B2 (ja) | 電池用セパレータ | |
JP4601748B2 (ja) | 電池用セパレータ | |
JP7313163B2 (ja) | 電気化学素子用セパレータ | |
GB2140610A (en) | Separator for an alkaline battery | |
JP3219819B2 (ja) | 電池用セパレータ | |
JP4511019B2 (ja) | 電池用セパレータ | |
JP3361390B2 (ja) | 分繊性複合繊維、及びこれを用いた繊維シート |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081101 Year of fee payment: 6 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |