JPH07278963A - 易スルホン化繊維、これを用いた電池用セパレータ、及びその製造方法 - Google Patents

易スルホン化繊維、これを用いた電池用セパレータ、及びその製造方法

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JPH07278963A
JPH07278963A JP6085895A JP8589594A JPH07278963A JP H07278963 A JPH07278963 A JP H07278963A JP 6085895 A JP6085895 A JP 6085895A JP 8589594 A JP8589594 A JP 8589594A JP H07278963 A JPH07278963 A JP H07278963A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 温和な条件下で十分にスルホン化できる易ス
ルホン化繊維、これを用いた電池用セパレータ、及びそ
の製造方法を提供すること。 【構成】 ガラス転移温度が70〜95℃で、シンジオ
タクチック構造を有する変性ポリスチレンを主体とする
易スルホン化繊維である。また、この易スルホン化繊維
をスルホン化した繊維を主体として形成した繊維シート
状物からなる電池用セパレータであり、この易スルホン
化繊維を主体として形成した繊維シート状物を、濃硫酸
溶液中に浸漬してスルホン化する、電池用セパレータの
製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は容易にスルホン化できる
易スルホン化繊維、これを用いた電池用セパレータ、及
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、ポリオレフィン系繊維をスル
ホン化して、親水性を付与した繊維を使用した電池用セ
パレータが知られている。しかしながら、ポリオレフィ
ン系繊維はスルホン化されにくく、しかもスルホン化す
るためには、発煙硫酸を使用するという、苛酷な条件下
で処理する必要があるため、繊維強度が低下するという
問題があった。
【0003】この問題を解決するため、スルホン化ポリ
スチレンとポリオレフィンとの混合物からなる繊維を使
用した電池用セパレータが提案されている(特開平4−
174964号)。この繊維はポリスチレンのスルホン
化されやすい性質を利用したものであるが、この繊維で
あっても、発煙硫酸より温和な濃硫酸では、十分にスル
ホン化できないか、できたとしても、長時間を要し、製
造効率の悪いものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題点
を解決するためになされたものであり、温和な条件下で
十分にスルホン化できる易スルホン化繊維、これを用い
た電池用セパレータ、及びその製造方法を提供すること
を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の易スルホン化繊
維は、ガラス転移温度が5℃以上低下した変性スチレン
系重合体成分を含むものである。なお、この変性スチレ
ン系重合体成分がシンジオタクチック構造を有している
のがより好ましい。
【0006】本発明の電池用セパレータは、上記の易ス
ルホン化繊維をスルホン化した繊維を主体として形成し
た繊維シート状物からなるものである。
【0007】本発明の電池用セパレータの製造方法は、
ガラス転移温度が5℃以上低下した変性スチレン系重合
体成分を含む易スルホン化繊維を主体として形成した繊
維シート状物を、濃硫酸溶液中に浸漬してスルホン化す
る方法である。
【0008】
【作用】本発明は、ガラス転移温度が5℃以上低下した
変性スチレン系重合体成分(以下、単に「変性スチレン
系重合体成分」ということがある)を含む繊維は、温和
な条件下で十分にスルホン化できることを見出したもの
である。
【0009】本発明の変性スチレン系重合体成分として
は、例えば、ポリスチレンや、ポリメチルスチレン、ポ
リエチルスチレン、ポリイソプロピルスチレンなどのポ
リアルキルスチレンや、ポリクロロスチレン、ポリブロ
モスチレン、ポリフルオロスチレンなどのポリハロゲン
化スチレンや、ポリメトキシスチレン、ポリエトキシス
チレンなどのポリアルコキシスチレンや、ポリビニル安
息香酸エステルなどがあり、これらを単独で、混合し
て、或いは共重合したものを使用できる。これらの中で
も、ポリスチレン、ポリアルキルスチレン、或いはポリ
アルコキシスチレンは、スルホン化しやすく、安価であ
るため、好適に使用でき、これらの中でも、ポリスチレ
ンが最も好適である。
【0010】なお、この変性スチレン系重合体成分の5
0%以上が、シンジオタクチック構造を有していると、
繊維強度に優れ、変性スチレン系重合体成分のみで繊維
化できるため、好適に使用でき、より好ましくは、70
%以上、最も好ましくは85%以上がシンジオタクチッ
ク構造を有していれば良い。なお、このシンジオタクチ
ック構造はIRスペクトルや13C−NMRスペクトルに
よって、容易に確認できる。
【0011】また、この変性スチレン系重合体成分の重
量平均分子量は、1〜400万であるのが好ましく、1
万未満では繊維形成性に劣り、400万を越えると、粘
度が高く、紡糸性に劣るためであり、より好ましくは、
10〜100万である。
【0012】このような変性スチレン系重合体成分は、
スチレン系重合体成分に対して、例えば、可塑剤を添加
する、他の分子を共重合する、或いは他の分子を側鎖に
導入するなどの方法により、ガラス転移温度を5℃以上
低下させることにより、スルホン化しやすくしたもので
ある。一方、ガラス転移温度が30℃を越えて低下した
のでは、変性スチレン系重合体成分のスチレン系重合体
成分との物性差が著しいので、ガラス転移温度の低下は
30℃以下に抑えるのが好ましく、より好ましくは、5
〜20℃の低下にする。例えば、スチレン系重合体成分
がガラス転移温度100℃程度のポリスチレンの場合に
は、ガラス転移温度を70〜95℃に低下させた変性ポ
リスチレンとし、より好ましくはガラス転移温度を80
〜95℃に低下させた変性ポリスチレンとする。
【0013】前記のガラス転移温度を低下させる方法の
中でも、可塑剤を添加する方法は、変性スチレン系重合
体成分のスチレン系重合体成分との物性差が生じにく
く、操作も簡単なため、好適な方法である。この可塑剤
としては、例えば、エチレングリコール、プロピレング
リコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジ
オール、1,5ペンタンジオールなどのアルキレングリ
コール、ヒドロベンゾイン、ベンズピコールなどの芳香
族グリコール、シクロペンタン1,2−ジオール、シク
ロヘキサン1,2−ジオールなどの炭素環状グリコー
ル、フタル酸ジメチルやフタル酸ジエチルなどのフタル
酸エステル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシルやアジ
ピン酸ジ−n−デシルなどの脂肪族二塩基酸エステル、
或いはリン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキ
シルなどのリン酸エステルなどを使用できる。これらの
中でも、アルキレングリコールはスチレン系重合体成分
との相溶性が良く、可塑化効率が良いため好適に使用で
き、これらの中でもエチレングリコールが最も好適に使
用できる。
【0014】この可塑剤の添加量は、特に限定するもの
ではなく、ガラス転移温度が5℃以上低下するように適
宜設定すれば良い。例えば、ポリスチレンに対して、エ
チレングリコールを0.5〜10重量%、より好ましく
は1〜6重量%添加する。
【0015】本発明の易スルホン化繊維は、変性スチレ
ン系重合体成分を含む繊維であるが、スルホン化しやす
いように、変性スチレン系重合体成分が易スルホン化繊
維表面の40%以上、より好ましくは70%以上占めて
いる。なお、易スルホン化繊維表面全部を変性スチレン
系重合体成分が占める場合には、繊維形成性のあるシン
ジオタクチック構造を有しているのが好ましい。
【0016】なお、変性スチレン系重合体成分以外の樹
脂成分としては、繊維形成性のものであれば良く、特に
限定するものではないが、アルカリ電池用のセパレータ
の素材として使用する場合には、6−ナイロン、66−
ナイロンなどのナイロンや、エチレン−ビニルアルコー
ル共重合体や、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブ
テン、ポリメチルペンテン、エチレン−プロピレン共重
合体、エチレン−ブテン−プロピレン共重合体などのポ
リオレフィン系のものを好適に使用できる。これらの中
でも、耐アルカリ及び耐酸化性に優れるポリオレフィン
系のものがより好適に使用でき、これらの中でも、ポリ
プロピレンが最も好適に使用できる。
【0017】また、これら樹脂成分の配置状態は、例え
ば、繊維断面において、同心状又は偏心状の芯鞘型、或
いは図1(a)〜(d)に示すような、一成分1を他成
分2の間に配した菊花型、図1(e)に示すような、一
成分1と他成分2とを交互に2層以上に積層した多層型
のものを使用でき、変性スチレン系重合体成分をスルホ
ン化しやすいように、繊維表面に配置するのが好まし
い。これらの中でも、同心状又は偏心状の芯鞘型は繊維
表面全部を変性スチレン系重合体成分が占めるため、好
適に使用できる。
【0018】また、菊花型や多層型の繊維断面を有する
易スルホン化繊維が分割できる場合には、分割し、細繊
維化することにより、表面積が広く、しかも緻密な構造
を採ることができるので、電池用セパレータの素材とし
て使用する場合には、より好適である。なお、この場合
には、変性スチレン系重合体成分として、シンジオタク
チック構造を有するものを使用し、分割後の繊維に強度
をもたせるのが好ましい。
【0019】このような易スルホン化繊維は、常法の複
合紡糸法によって得ることができる。例えば、図1
(a)に示す繊維断面形状を有する易スルホン化繊維を
得る場合、図2に示すような横断面を有する内部オリフ
ィス5を用いて、溝3の部分から変性スチレン系重合体
又は他の樹脂成分を押し出すと共に、小孔4から他の樹
脂成分又は変性スチレン系重合体を押し出して、これら
押し出した樹脂を複合し、円形断面の紡糸オリフィスを
通して紡出した後、延伸して得ることができる。なお、
紡糸オリフィスは円形断面であっても、異形断面であっ
ても良く、この紡糸オリフィスの断面形状により、様々
な断面形状を有する易スルホン化繊維を得ることができ
る。
【0020】易スルホン化繊維の繊維径は、各種用途に
よって適宜設定すれば良く、特に限定するものではない
が、電池用のセパレータの素材として使用する場合に
は、電解液の保持性、及び樹枝状の金属の析出や電極活
物質の移動による短絡を防ぐために、1〜18μmであ
るのが好ましく、より好ましくは1〜7μmである。な
お、繊維が異形断面を有する場合には、円形断面に換算
した値をこの繊維の繊維径とする。また、易スルホン化
繊維が分割性を有している場合には、分割後の繊維径が
上記範囲内にあれば良い。
【0021】また、繊維長も特に限定するものではない
が、不織布の形成方法によって、適宜設定する。例え
ば、湿式法によって不織布を形成する場合には、3〜3
0mmであるのが好ましく、カード法やエアレイ法などの
乾式法によって不織布を形成する場合には、20〜11
0mmであるのが好ましい。
【0022】本発明の電池用セパレータは、以上のよう
な易スルホン化繊維をスルホン化した繊維を主体として
形成した繊維シート状物からなる。易スルホン化繊維を
スルホン化した繊維は電解液の保持性に優れるように、
繊維シート状物中、50重量%以上であるのが好まし
く、より好ましくは70重量%以上である。なお、易ス
ルホン化繊維のスルホン化は、繊維シート状物の形成前
であっても、形成後であっても良いが、形成後である
と、製造上、取り扱いやすい。
【0023】なお、易スルホン化繊維以外の繊維として
は、6−ナイロン、66−ナイロンなどのナイロン系の
樹脂や、エチレン−ビニルアルコール共重合体や、ポリ
プロピレン、ポリエチレン、ポリブテン、ポリメチルペ
ンテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブ
テン−プロピレン共重合体などのポリオレフィン系の樹
脂を単独で、又は、繊維断面において、同心状又は偏心
状の芯鞘型、或いは図1(a)〜(d)に示すような、
一成分1を他成分2の間に配した菊花型、図1(e)に
示すような、一成分1と他成分2とを交互に2層以上に
積層した多層型に組み合わせた繊維が使用できる。これ
らの中でも、耐アルカリ性及び耐酸化性に優れるポリオ
レフィン系の樹脂からなる繊維が好適に使用でき、これ
らの中でも、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチ
ルペンテンを含む繊維は繊維強度に優れているため、よ
り好適に使用できる。
【0024】なお、易スルホン化繊維又はそれ以外の繊
維が熱融着性の樹脂成分を含んでいると、その樹脂成分
で融着することにより、繊維シート状物の形態安定性を
向上させることができるので、好適である。
【0025】この繊維シート状物としては、例えば、織
物、編物、不織布などがあるが、不織布は三次元的な繊
維構造を容易に形成でき、電解液の保持性に優れている
ため、好適に使用できる。以下、不織布をもとにして説
明する。
【0026】繊維ウエブ(不織布の絡合又は結合前のも
の)の形成方法としては、例えば、カード法やエアレイ
法などの乾式法、湿式法、スパンボンド法、メルトブロ
ー法などがあり、これらの中でも、湿式法やメルトブロ
ー法によって得られる繊維ウエブは緻密で、均一な表面
状態を有し、電池用セパレータとして使用すると、樹枝
状の金属の析出や電極活物質の移動を防止できるため、
好適な繊維ウエブの形成方法である。
【0027】なお、カード法により繊維ウエブを形成す
る場合、配向方向が交差した繊維を含んでいると、たて
方向とよこ方向の強度差が小さくなるので、好適な繊維
ウエブが得られる。
【0028】このような繊維ウエブから不織布を形成す
る方法としては、例えば、繊維ウエブを水流やニードル
などの作用によって絡合させる方法、繊維の熱融着性成
分を融着して結合する方法、バインダーによって結合す
る方法、或いはこれらの方法を組み合わせる方法などが
ある。これらの中でも、水流の作用によって絡合させる
方法は、緊密に絡合して、微細な空隙を形成するので、
電解液の保持性に優れ、しかも油剤や界面活性剤などを
除去できるので、繊維シート状物を形成した後にスルホ
ン化する場合には、スルホン化を効率的に行なうことが
できるため、好適な不織布の形成方法である。
【0029】なお、スパンボンド法、メルトブロー法に
よって得られた繊維ウエブをそのまま不織布として使用
しても構わない。
【0030】この水流による絡合方法としては、例え
ば、ノズル径0.05〜0.3mm、より好ましくは、0.
10〜0.18mm、ピッチ0.2〜3mm、より好ましく
は、0.4〜1.2mmで一列に配列したノズルプレート
や、ノズルを格子状、千鳥状などの二列以上に配列した
ノズルプレートを使用し、水圧10〜300kg/cm2の水
流で、繊維ウエブの片面又は両面から処理する。
【0031】また、樹枝状の金属の析出や電極活物質の
移動による短絡が生じないように、水流で処理する際
に、50メッシュ以上の細かいネットや、1個当りの孔
面積が0.06mm2以下の多孔板を使用するのが好まし
い。
【0032】以上のようにして得られる繊維シート状物
の厚さは、0.05〜0.3mmであるのが好ましい。0.
05mm未満であると、電解液の保持性が低下しやすく、
0.3mmを越えると、活物質を多く充填できなくなるた
めである。より好ましい厚さは0.06〜0.25mmであ
る。
【0033】本発明における易スルホン化繊維又は繊維
シート状物のスルホン化は、濃硫酸で行なうことができ
るため、繊維強度が低下するという問題を生じることな
く、効率的に、しかも十分に行なうことができる。具体
的には、濃硫酸でスルホン化して導入される硫黄濃度が
5ppmまでスルホン化する場合に、ガラス転移温度が
100℃程度のポリスチレンからなる繊維と、本発明の
易スルホン化繊維とでは、本発明の易スルホン化繊維の
方が、スルホン化時間を半分以下に短縮できるようにな
った。また、従来、濃硫酸によるスルホン化では得るこ
とのできなかった、導入される硫黄濃度が270ppm
までスルホン化できるようになった。
【0034】なお、易スルホン化繊維が、ポリオレフィ
ン系などのスルホン化しにくい樹脂成分と変性スチレン
系重合体成分とが共に、繊維表面に露出した複合繊維で
あると、複合繊維表面に、スルホン化されて親水性に優
れた部分と、親水性に劣る部分とが形成されるので、親
水性に優れた部分では電解液の保持性に優れ、親水性に
劣る部分では、気体の透過性に優れるため、密閉型の電
池用セパレータとして使用する場合には、好適である。
【0035】また、本発明の易スルホン化繊維又は繊維
シート状物は、発煙硫酸によりスルホン化することもで
きるが、繊維強度が低下しないように、短時間で行なっ
ても、十分にスルホン化できる。なお、繊維強度の低下
を容認できるのであれば、従来では得ることのできなか
った、導入される硫黄濃度が800ppmまでスルホン
化可能となった。
【0036】なお、本発明におけるスルホン化により導
入される硫黄濃度は、易スルホン化繊維を酸素燃焼フラ
スコ法により吸収させた吸収液を、イオンクロマトグラ
フィー装置(DIONEX社製、2000i/SP)に
より分析して得られる硫黄濃度をいう。
【0037】また、本発明の易スルホン化繊維は繊維表
面のみがスルホン化されており、繊維内部(繊維断面の
中心から繊維半径の60%を半径とする円内)はスルホ
ン化されていないため、繊維内部のみを示差熱分析測定
によりガラス転移温度を分析して、本発明の易スルホン
化繊維であるかどうかを確認できる。
【0038】以上のように、本発明のセパレータは親水
性に優れているため、一次又は二次電池用として使用で
きる。この電池は開放型でも密閉型でも良く、形状も円
筒形、扁平形、角形でも良い。より具体的には、アルカ
リマンガン電池、水銀電池、酸化銀電池、空気電池など
の一次電池、ニッケル−カドミウム電池、銀−亜鉛電
池、銀−カドミウム電池、ニッケル−亜鉛電池、ニッケ
ル−水素電池などの二次電池のセパレータとして好適に
使用できる。
【0039】以下に、本発明の実施例を記載するが、以
下の実施例に限定されるものではない。なお、樹脂成分
の溶融粘度は、300℃、シェアレート103-1にお
けるもので、フローテスター(島津製作所製、フローテ
スター CFT−500)で、直径1.0mm、長さ10.
0mmのノズルを用いて測定した。
【0040】また、加圧保液率は加圧時の電解液保持率
で、次のようにして測定した。つまり、直径30mmに裁
断したセパレータを、温度20℃、相対湿度65%の状
態下で、水分平衡に至らせた後、重量(W0、mg)を測
定した。次に、セパレータ中の空気を水酸化カリウム溶
液で置換するように、比重1.3(20℃)の水酸化カ
リウム溶液中に1時間浸漬し、水酸化カリウム溶液を保
持させた。次に、このセパレータを上下3枚づつのろ紙
(No.2、直径30mm)で挟み、加圧ポンプにより、21
kgf/cm2の圧力を30秒間作用させた後、セパレータの
重量(W1、mg)を測定した。そして、下記の式によ
り、加圧保液率を求めた。なお、この測定は1つのセパ
レータに対して4回行ない、その平均を加圧保液率とし
た。
【0041】
【実施例】
(実施例1)溶融粘度270ポイズのポリプロピレン
と、溶融粘度640ポイズ、重量平均分子量15万で、
可塑剤としてエチレングリコールを4重量%添加し、1
00℃のガラス転移温度を90℃に低下させた、シンジ
オタクチック構造(85%以上)を有するポリスチレン
とを1:1の重量比率で、別々に溶融させた後、300
℃に加熱された、芯鞘型の横断面を有する内部オリフィ
スの芯部分からポリプロピレン融液を、鞘部分からポリ
スチレン融液を押し出した後、これら融液を複合し、円
形断面の紡糸オリフィスから紡出した後、速度500m
/分で巻き取った。次いで、3倍延伸し、10個/イン
チの巻縮を付与して、芯成分がポリプロピレンで、鞘成
分がポリスチレンからなる、断面円形の易スルホン化繊
維(繊維径16μm、繊維長51mm)を得た。
【0042】この易スルホン化繊維70重量%と、ポリ
プロピレン(芯)−ポリエチレン(鞘)からなる同心円
状の芯鞘型複合繊維(繊維径20μm、繊維長51mm、
鞘成分の融着温度110℃)30重量%とを混綿し、カ
ーディングし、クロスレイヤーにより繊維の配向方向を
交差させて繊維ウエブを形成した後、温度130℃、線
圧80kg/cmでカレンダー処理して、目付65g/m2、厚
さ0.2mmの不織布を得た。次いで、この不織布を80
℃、97%硫酸溶液中に、20分間浸漬した後、水洗
し、60℃で乾燥して、スルホン化により導入された硫
黄濃度9.0ppm、加圧保液率12.5%のセパレータ
を得た。
【0043】(比較例)溶融粘度760ポイズ、重量平
均分子量18万、ガラス転移温度100℃(低下させて
いない)のシンジオタクチック構造を有するポリスチレ
ンを使用した以外は、実施例1と全く同様にして、スル
ホン化により導入された硫黄濃度3.0ppm、加圧保
液率8.3%のセパレータを得た。
【0044】(実施例2)実施例1と同じポリプロピレ
ンと、ポリスチレンとを1:1の重量比率で、別々に溶
融させた後、図1に示すような8つの小孔4を溝3で分
割した横断面を有する、300℃に加熱された内部オリ
フィス5の小孔4からポリプロピレン融液を、他方、溝
3からポリスチレン融液を押し出した後、これら融液を
複合し、円形断面の紡糸オリフィスから紡出した後、速
度600m/分で巻き取った。次いで、3倍延伸し、1
0個/インチの巻縮を付与して、ポリスチレンが繊維の
中心から伸びるポリプロピレンで8分割された、断面円
形の易スルホン化繊維(繊維径20μm、繊維長10m
m、図1(a)参照)を得た。この易スルホン化繊維
は、ポリスチレンが繊維表面の47.8%を占めてお
り、また、機械的に分割可能であり、分割後の繊維径は
ポリプロピレンが2.1μm、ポリスチレンが2.0μmで
あった。
【0045】この易スルホン化繊維70重量%と、ポリ
プロピレン(芯)−ポリエチレン(鞘)からなる同心円
状の芯鞘型複合繊維(繊維径20μm、繊維長10mm、
鞘成分の融着温度110℃)30重量%とを、湿式抄造
法により繊維ウエブを形成した後、この繊維ウエブを8
0メッシュの平織ネット上に載置し、ノズル径0.13m
m、ピッチ0.6mmのノズルプレートを用いて、水圧13
0kg/cm2の水流で、両面から2回ずつ処理して、繊維ウ
エブを絡合すると同時に易スルホン化繊維を分割して、
絡合繊維ウエブを得た。その後、実施例1と同様に、カ
レンダー処理及びスルホン化処理を行ない、目付67g/
m2、厚さ0.2mm、スルホン化により導入された硫黄濃
度9.5ppm、加圧保液率14.1%のセパレータを得
た。
【0046】
【発明の効果】本発明の易スルホン化繊維は、濃硫酸に
よって十分にスルホン化できる繊維である。なお、変性
スチレン系重合体成分がシンジオタクチック構造を有し
ていると、変性スチレン系重合体成分のみで易スルホン
化繊維を形成できるため、この易スルホン化繊維は親水
性により優れている。
【0047】本発明の電池用セパレータは、上記の易ス
ルホン化繊維をスルホン化した繊維を主体として形成し
た繊維シート状物であるため、親水性に優れ、しかも強
度的にも優れたものである。
【0048】本発明の電池用セパレータの製造方法は、
ガラス転移温度が5℃以上低下した変性スチレン系重合
体成分を含む易スルホン化繊維を主体として形成した繊
維シート状物を、濃硫酸溶液中に浸漬してスルホン化す
る方法であるため、繊維強度の低下を引き起こすことな
く、製造できる方法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a) 易スルホン化繊維の断面図の一例 (b) 易スルホン化繊維の断面図の他例 (c) 易スルホン化繊維の断面図の他例 (d) 易スルホン化繊維の断面図の他例 (e) 易スルホン化繊維の断面図の他例
【図2】図1(a)の易スルホン化繊維を紡糸する際に
使用できる内部オリフィス断面図
【符号の説明】
1 一成分 2 他成分 3 溝 4 小孔 5 内部オリフィス

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス転移温度が5℃以上低下した変性
    スチレン系重合体成分を含むことを特徴とする易スルホ
    ン化繊維。
  2. 【請求項2】 ガラス転移温度が5℃以上低下した変性
    スチレン系重合体成分がシンジオタクチック構造を有す
    ることを特徴とする請求項1記載の易スルホン化繊維。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載の易スルホン
    化繊維をスルホン化した繊維を主体として形成した繊維
    シート状物からなることを特徴とする電池用セパレー
    タ。
  4. 【請求項4】 ガラス転移温度が5℃以上低下した変性
    スチレン系重合体成分を含む易スルホン化繊維を主体と
    して形成した繊維シート状物を、濃硫酸溶液中に浸漬し
    てスルホン化することを特徴とする電池用セパレータの
    製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009203393A (ja) * 2008-02-29 2009-09-10 Tayca Corp イオン交換体およびその製造方法

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