JPH09289005A - アルカリ電池セパレーターおよびその製造法 - Google Patents

アルカリ電池セパレーターおよびその製造法

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JPH09289005A
JPH09289005A JP8099860A JP9986096A JPH09289005A JP H09289005 A JPH09289005 A JP H09289005A JP 8099860 A JP8099860 A JP 8099860A JP 9986096 A JP9986096 A JP 9986096A JP H09289005 A JPH09289005 A JP H09289005A
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JP
Japan
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polymer
nonwoven fabric
sheath
fiber
melting point
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JP8099860A
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English (en)
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Yoshiyuki Okui
良幸 奥井
Hisao Ishibe
久雄 石部
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
Original Assignee
Nippon Glass Fiber Co Ltd
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Publication date
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来困難であったセパレーターの薄肉化を行
い、セパレーターの製造コストを引き下げ、且つ、セパ
レーターに必要である活物質の絶縁機能、強度、保液性
および通気性を維持したセパレーターを提供する。 【解決手段】 低融点の鞘部ポリマーと高融点の芯部ポ
リマーからなる芯鞘複合繊維を互いに融着させてなる乾
式不織布の両側に極細繊維不織布を重ねて接着した積層
不織布からなり、15〜45g/m2 の目付、50〜8
0%の空隙率、および0.05〜0.12mm厚みを有
することを特徴とするアルカリ電池セパレーターであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ニッケルカドミウ
ム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池などのア
ルカリ電池に使用される電池用セパレーターおよびその
製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、携帯電話機のような携帯機器に用
いられる電池として単位体積当たりもしくは単位重量当
たりのエネルギー密度の高いアルカリ電池に対する需要
が高まっている。そのため、アルカリ電池の高容量化が
益々求められるようになってきており、その一つの試み
として、アルカリ電池の中で電池の正極と負極の絶縁お
よびそれぞれの極の粉末状活物質の移行防止と電池反応
に預かる電解液の保持を受け持つセパレーターの厚みを
薄くして全体の電池容積を減少させる試みが行われてい
る。
【0003】従来、アルカリ二次電池用セパレーターと
してナイロン繊維、ポリプロピレン繊維等からなる乾式
法の短繊維不織布(適当な長さに切断した繊維を多数積
み重ねてウェブを形成し、その繊維を互いに接着した不
織布)が用いられてきた。前記のごとく、セパレーター
の薄肉化が求められるようになり、従来の乾式法による
短繊維不織布では、単純にその厚みを薄くするのみで
は、円滑な電池反応を行わせるに必要な電解液量を保持
する機能(この機能を保液性と呼ぶ)が維持できなくな
ってきた。また、乾式法による短繊維不織布は、不織布
を構成する繊維の繊維径が通常10μm以上であり、繊
維間の空孔径が大きく、電池の正、負極を構成する粉末
状の活物質の移行を防止する機能(この機能を絶縁性と
呼ぶ)が、セパレーターを薄くすることにより低下する
問題があった。
【0004】乾式法により、この問題を解決するにはセ
パレーターを構成する繊維の径を細くすれば良いが、1
0μm以下の短繊維は、かさ高く、繊維同士の絡みが強
いため、繊維をほぐして均一な厚みのウェブを形成する
ことが難しくなり、コストの高いセパレーターとなって
しまう欠点がある。
【0005】これらの問題を解決する方法として、溶融
ポリマーを高速気流中に押し出し、溶融ポリマーを牽引
細化し、移動するスクリーン上に捕集して不織布とする
方法の中で、複数のポリマーノズルが直線上に配置さ
れ、そのポリマーノズル列の両側に高速気流を形成する
一対の気体スリットノズルが配置されているメルトブロ
ー法を用いたメルトブロー不織布によりセパレーターを
構成する方法が提案されている。メルトブロー不織布は
極細繊維から構成されているため、空隙率を高くするこ
とができるため、単位体積当たりの電解液量をより多く
保持できる。また、繊維間の空孔径を小さくできるた
め、セパレーターを薄くしても絶縁性が確保でき、前記
の問題を解決するために有効である。
【0006】しかし、メルトブロー不織布は繊維径が細
化されているものの、分子配向と結晶化はそれほど進ま
ず、通常法で紡糸延伸された繊維に比べると、低分子配
向、低結晶性となり繊維自体の強度が低くなってしまう
欠点を持っている。また、不織布としても繊維配向が比
較的ランダムであるためさらに機械強度が低くなってし
まうという欠点も合わせて持っている。アルカリ電池の
組立工程において、正極板と負極板に電池セパレーター
を挟んで、渦巻き状に巻き込む工程があるが、強度の低
いメルトブロー不織布のみで構成されているアルカリ電
池セパレーターは、この工程でセパレーターに対して巻
き込み方向に張力が加わり、セパレーターが切断してし
まう不都合があった。
【0007】一般に、不織布の強度を向上させるには目
付を増やせばよいが、セパレーターの厚みを一定にした
場合、目付の増加はセパレーター内部の空隙率を低下さ
せることとなり、電池セパレーターの性能として重要な
保液性、通気性(電池の充電時、正極で発生した酸素ガ
スを負極へ円滑に移動させる機能)を損なってしまう。
また、目付のアップは製造コストのアップにつながり、
特に製造コストの高いメルトブロー不織布においては問
題である。このようにメルトブロー不織布を用いて厚み
の薄いセパレーターを作ると極板間の絶縁性、電解液の
保液性は維持することはできるが、反面、引張強度、通
気性については低下させてしまう欠点がある。
【0008】このメルトブロー不織布の欠点を解決する
ため、他の不織布又は織布等と積層することが特開昭6
0−9056号公報、特開昭61−281454号公
報、特開平2−49350号公報、特開平5−1748
06号公報、特開平5−314961号公報等で提案さ
れている。
【0009】特開昭60−9056号公報ではポリプロ
ピレン極細繊維不織布(0.01〜0.05d)と耐ア
ルカリ性合成繊維不織布(0.5〜5d)を張り合わせ
た2層構造にすることにより保液性に優れ、強度が維持
できるセパレーターを提案しているが通気性の改善につ
いてはほとんどなされていない。特開昭61−2814
54号公報では単独又は積層した極細繊維不織布に織物
等を張り合わせることにより絶縁性と通気性に優れたセ
パレーターを提案しているが、セパレーターの厚みは
0.3mm以上であり肉厚の薄いセパレーターを前提と
していない。特開平2−49350号公報では親水性ポ
リマーを使用したメルトブロー極細繊維不織布と耐アル
カリ性合成繊維不織布を張り合わせた2層構造にするこ
とにより保液性の偏在化を防ぎ、強度を維持したセパレ
ーターを提案しているが通気性の改善についてはなされ
ていない。
【0010】特開平5−174806号公報ではメルト
ブロー極細繊維不織布とメルトブロー極細繊維不織布に
水流絡合処理を施したものとを熱圧着より張り合わせた
2層構造にすることによりメルトブロー極細繊維不織布
に絶縁性を担わせ、水流絡合不織布に通気性を担わせた
セパレーターを提案しているが、メルトブロー極細繊維
不織布はエネルギーコストが高く、生産性も合成繊維不
織布に比べ圧倒的に劣るため、コスト的には非常に高く
なるという課題を有している。特開平5−314961
公報ではナイロン系メルトブロー極細繊維不織布と平均
繊維径の太い(1.5d〜2d)不織布を積層一体化す
ることにより通気性、ドライアウト現象(セパレーター
内に保持されている電解液が隣接する多孔質構造の電極
に毛管現象により吸い取られてしまう現象)を改善した
セパレーターを提案しているが、セパレーター材質にナ
イロン系を使用しているため、特にニッケル水素電池に
おいて自己放電が多くなるという課題を有している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述のように従来の乾
式不織布においては、絶縁性、保液性を確保しようとす
ると、どうしても厚みを薄くすることができなかった。
また上述のように絶縁性、保液性を確保するために提案
されたメルトブロー不織布は、強度、通気性において極
端に劣り、また製造コストにおいても劣るためほとんど
実用化されていない。また両者の長所のみを生かすため
に上述のように提案されたメルトブロー不織布と乾式不
織布の積層一体化は性能、製造コストの面でまだ不十分
である。
【0012】本発明は極細繊維不織布と乾式不織布の積
層一体化をさらに押し進め、上記従来技術では成し得な
かったセパレーターの薄肉化を行い、セパレーターの製
造コストを引き下げ、且つ、セパレーターに必要である
活物質の絶縁機能、強度、保液性、通気性を維持したセ
パレーターを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、低融点の鞘部
ポリマーと高融点の芯部ポリマーからなる芯鞘複合繊維
を互いに融着させてなる乾式不織布の両側に極細繊維不
織布を重ねて接着した積層不織布からなり、15〜45
g/m2 の目付、50〜80%の空隙率、および0.0
5〜0.12mmの厚みを有することを特徴とするアル
カリ電池セパレーターである。
【0014】本発明はセパレーターに必要な強度を補強
用不織布に受け持たせ、活物質の絶縁性を極細繊維不織
布に受け持たせている。また保液性については補強用不
織布の両側を極細繊維不織布で挟み込むことにより補強
用不織布が持つ保液性の欠点を補っている。通気性につ
いては絶縁性と相反することになるが、使用する極細繊
維不織布の目付、繊維径等、及び総合的なセパレーター
の空隙率により調整を行い、セパレーターに必要な機能
を維持させようとするものである。
【0015】本発明において、補強用不織布としては乾
式不織布、湿式不織布、スパンボンド不織布等が考えら
れるが、スパンボンド不織布は目付の局部的低下が目立
ち、セパレーター用としては適さない。また湿式不織布
は繊維を水等に分散させる関係から繊維長の長いものは
分散しにくく、また抄紙工程、乾燥工程等の工程が複雑
であり、製造コストも乾式不織布に比べて高くなる。従
って上述のように本発明においては、品質、製造コスト
等においてバランスがとれている乾式不織布が適してい
る。本発明では乾式不織布の中でも特に適した芯鞘複合
繊維からなる不織布が用いられる。補強用不織布に要求
される強度は、繊維径、目付が一定ならば構成される繊
維自身の強度と繊維同士が交接する箇所の接着強度に依
存する。特に本発明のようにセパレーターの厚みを0.
05〜0.12mmに薄くした状態で保液率を確保しよ
うとするとセパレーターの総合的な目付量を下げなけれ
ばならない。その状態下でセパレーター強度を確保する
ためには、補強用不織布の全交接点を確実に接着するこ
とが極めて重要になる。かかる理由から芯鞘複合繊維よ
りなる不織布を使用する。
【0016】この芯鞘複合繊維としては、鞘部を形成す
るポリマーの融点よりも20〜50℃高い融点のポリマ
ーの芯部を使用し、繊維径としては10〜30μm(好
ましくは10〜20μm)、繊維長としては30〜80
mm(好ましくは35〜65mm)の繊維が好ましい。
繊維径が細くなりすぎたり、繊維長が短すぎたり長すぎ
ると不織布化しにくく、生産コストも高くなってしま
う。また繊維径が太いと活物質の絶縁性、電解液の保液
性が悪くなるため、繊維径は繊維コスト、不織布化の生
産性から考えて許される範囲であれば細い方がよい。芯
部の直径は繊維径の40〜85%であることが好まし
い。さらに芯鞘複合繊維の接着方法としては、レジンボ
ンド法(樹脂槽浸漬により接着)、サーマルボンド法
(熱により繊維を融着)、ニードルパンチ法(針により
繊維を交絡)等があるが、本発明では好ましくはサーマ
ルボンド法が用いられる。本発明者によればサーマルボ
ンド法の中でもエアースルー法(繊維を多数積重してウ
ェブを形成し、そのウェブに加熱空気を通過させ繊維表
面を熱で溶かし繊維交接点を融着する方法)で接着した
不織布が最も適していることを見いだした。エアースル
ー法によれば、複合繊維の鞘部ポリマーの融点より高い
温度に加熱した空気を使用することにより、繊維が交接
するすべての点において鞘部のポリマーが溶けて融着す
るため、極めて接着効率が高く強度が飛躍的に向上す
る。サーマルボンド法の中のカレンダー法による全面接
着法(表面がフラットな熱ロールでウエブを挟み、熱と
圧力により繊維を接着する方法)においてはカレンダー
ロールと接する不織布表面の鞘部ポリマーが溶け、圧接
によりフィルム化しやすく、このフィルム化は通気性を
阻害するので好ましくない。またフィルム化しない温度
までロール温度を下げると不織布断面中央部の接着が悪
くなり、不織布の強度が低下する。カレンダー法による
スポット接着法(表面に凹凸を有する熱ロールでウエブ
を挟み、凸部のみ熱と圧力で繊維を接着する方法)にお
いてはスポット部分以外は繊維同士は全く接着せず、ま
たスポット部分はフィルム化してしまうため不織布の強
度は弱く、またフィルム化したスポット部分の通気性が
なくなってしまうので好ましくない。
【0017】セパレーターの厚みを0.05〜0.12
mmにして強度を確保するためには、補強用不織布の目
付は10〜40g/m2 にする必要があり、目付量が低
すぎると強度が確保できなく、また高すぎると強度は十
分確保できるようになるが、空隙率が小さくなりすぎ通
気性等に悪影響を及ぼす。上記範囲内において、使用す
る電池の種類、用途を考慮して目付量や繊維径等が選ば
れる。
【0018】補強用乾式不織布の両面に設ける極細繊維
不織布の繊維材料としては、後述の補強用乾式不織布と
の重ね加熱融着のために、補強用不織布に使用されてい
る芯鞘複合繊維の鞘部ポリマーの融点より20℃以上高
い融点を持つポリマーを使用することが好ましい。極細
繊維不織布の繊維径、目付は電池の種類,用途等からセ
パレーターに要求される品質(活物質の絶縁性、電解液
の保液性、通気性等)及び極細繊維不織布の生産性を考
慮に入れて決定するべきものであるが、繊維径は1.0
〜8μm、目付は2〜10g/m2の範囲が適当であ
る。
【0019】これら補強用不織布、極細繊維不織布の積
層に際しては補強用不織布の両側を極細繊維不織布で挟
み込むように重ねて配置させることが重要であり、加熱
したカレンダーロールの間に、上記極細繊維不織布−補
強用不織布−極細繊維不織布の順に重ねたものを通過さ
せて加熱加圧して融着させて0.05〜0.12mmの
厚みに熱圧着成形させる。補強用不織布と極細繊維不織
布の接着において、補強用不織布を構成している複合繊
維の鞘部ポリマーがカレンダーロールの熱により溶融し
て接着剤の役割を果たすことになり、新たな接着剤を必
要としない。このことは生産性を向上することにつなが
る。
【0020】カレンダーロールの表面温度は接触する極
細繊維不織布のポリマー溶融開始温度より低い温度(一
般的にはポリマー融点より10〜50℃低い温度)に設
定する。この設定温度がポリマー融点より低くてもポリ
マー溶融開始温度より高ければ、ポリマーは部分的に溶
解を始め、カレンダーロールに付着し始め、生産を阻害
するようになる。設定温度は成形速度、及び成形雰囲気
温度によっても影響され、生産量あるいは季節によって
も微調整を要する場合がある。ここでいうポリマー融点
とは示差走査熱量計(DSC)において吸熱量がピーク
を示すときの温度であり、ポリマー溶融開始温度とは吸
熱量に変化が現れるときの温度である。そしてカレンダ
ーロールの表面温度は、上記温度でかつ、補強用不織布
と極細繊維不織布とを接着(融着)させるために、乾式
不織布の鞘部ポリマーの溶融開始温度よりも高い温度、
例えば鞘部ポリマーの溶融開始温度よりも5〜20℃高
い温度に設定する。補強用不織布の両側に張り合わせる
極細繊維不織布のそれぞれは必ずしも同等の不織布であ
る必要はなく、それぞれポリマーの種類、目付、繊維径
等の異なる不織布であってもよい。特に電池の種類、極
板のタイプによっては正極側と負極側において目付、繊
維径を変えた方がよい場合がある。
【0021】前記複合繊維の鞘部ポリマーおよび前記極
細繊維不織布のポリマー繊維に使用するポリマーは親水
性であることが好ましいが、電解液が強アルカリ液であ
るため耐アルカリ性であることはいうまでもなく、また
充放電に伴う強烈な電気化学反応を伴うため、ポリマー
はポリオレフィン系であることが好ましい。ポリオレフ
ィン系樹脂は疎水性を有するので、これらの繊維、不織
布は濃硫酸浸漬によるスルホン化処理などの公知の親水
化処理をおこなうことが好ましい。
【0022】補強用不織布と極細繊維不織布の重量比は
1:1〜10:1(好ましくは1:1〜5:1)である
ことが好ましく、セパレーターの総合目付は15〜45
g/m2であることが好ましい。
【0023】また本発明のセパレーターは、セパレータ
ーの品質である絶縁性、保液性、通気性、強度等を高い
水準で維持するために、50〜80%(好ましくは55
〜75%)の空隙率を有する。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、実施例を挙げて本発明を説
明する。尚、本明細書中に示されている物性値の測定法
又は定義は下記の通りである。 (強度)不織布の流れ方向(マシン方向)の引張強度で
あり、流れ方向の長さ20cmで5cm幅の測定試料に
ついて測定した強度でありkgの単位で表す。
【0025】(空隙率) 空隙率(%)=(ρ0−ρ)/ρ×100 ここで ρ :不織布の目付と厚みから算出される見掛
け密度 ρ0:不織布を構成している合成繊維の密度 である。
【0026】(保液率) 保液率(%)=(W1−W)/W×100 ここで W :セパレーターの元の重量 W1:試料を30%KOH溶液に1時間浸し、引き上げ
て自由に吊り下げた状態で10分間放置した後の重量 である。
【0027】(通気性)フラジール型試験器を用いて測
定し、cc/cm2/秒 を単位として表す。(JIS
L 1096)
【0028】(最大孔径)バブルポイント法に基づく方
法で測定しμmを単位として表す。(ASTMF316
−86)
【0029】実施例1 芯ポリマー材料がポリプロピレン(融点167℃)、鞘
ポリマー材料がポリエチレン(融点128℃、溶融開始
温度118℃)であり、繊維径2デニール(外側直径約
18μm、芯直径約13μm)、繊維長51mmである
芯鞘複合繊維(宇部日東化成(株)製UCファイバー)
をランダムに配置して積重したウェブに、エアースルー
法により138℃のホットエアーを通過させ繊維表面
(ポリエチレン鞘)を加熱溶融して繊維交接点を融着す
るにより繊維交接点が接着された目付20g/m2 の乾
式不織布を得た。この不織布の強度は7.0kg/5c
m幅であった。また材料がポリプロピレン(融点165
℃、溶融開始温度144℃、MFR=100g/10
分)であり、平均繊維径4μm、目付6g/m2 である
極細繊維不織布をメルトブロー法によって得た。ここで
「MFR」とはJISK7210で規定されたポリマー
の流動性を示し、230℃の加熱されたポリマーが一定
の圧力により標準ダイ(直径0.2095cm)から1
0分間に流れ出る重量で表す。
【0030】上記乾式不織布を補強用不織布とし、その
両側に上記極細繊維不織布をそれぞれ重ね合わせ、それ
らを表面温度125℃に設定したカレンダーロールによ
り厚み0.10mmに圧着成形し、目付32g/m2
積層一体化した不織布を得た。この積層一体化不織布を
120℃の濃硫酸に60分間浸すことによりスルホン化
処理を行い親水化してアルカリ蓄電池用セパレーターを
得た。
【0031】実施例2、3 実施例1と同等の乾式不織布を作製し、また実施例1と
同等の方法で平均繊維径が2μmであり、目付2g/m
2(実施例2)および4g/m2(実施例3)の2種の極
細繊維不織布を作製した。それらを実施例1と同等の方
法で積層、スルホン化処理して厚み0.10mmで、目
付が24g/m2 (実施例2)および28g/m2(実
施例3)のアルカリ蓄電池用セパレーターを得た。
【0032】実施例4 実施例1と同等の乾式不織布を作製し、また実施例1と
同等の方法で平均繊維径が6μmで目付6g/m2 であ
る極細繊維不織布を作製した。それらを実施例1と同等
の方法で積層、スルホン化処理して厚み0.10mm、
目付32g/m2のアルカリ蓄電池用セパレーターを得
た。
【0033】実施例5 実施例1と同等の乾式不織布を作製し、また実施例1と
同等の方法で平均繊維径が8μmで目付10g/m 2
ある極細繊維不織布を作製した。それらを実施例1と同
等の方法で積層、スルホン化処理して厚み0.10m
m、目付40g/m2のアルカリ蓄電池用セパレーター
を得た。
【0034】実施例6 実施例1と同等の複合繊維を実施例1よりも多量に配置
して積重したウェブをエアースルー法により実施例1と
同等の方法で目付30g/m2 の乾式不織布を作製し、
また実施例1と同等の方法で平均繊維径が2μmで目付
5g/m2 である極細繊維不織布を作製した。それらを
実施例1と同等の方法で積層、スルホン化処理して厚み
0.10mm、目付40g/m2 のアルカリ蓄電池用セ
パレーターを得た。
【0035】実施例7 実施例1と同等の複合繊維を実施例1よりも少量に配置
して積重したウェブをエアースルー法により実施例1と
同等の方法で目付15g/m2 の乾式不織布を作製し、
また実施例1と同等の方法で平均繊維径が2μmで目付
4g/m2 の極細繊維不織布を作製した。それらを実施
例1と同等の方法で積層、スルホン化処理して厚み0.
07mm、目付23g/m2 のアルカリ蓄電池用セパレ
ーターを得た。
【0036】実施例8 実施例1と同等の複合繊維を用い、カレンダー法による
スポット接着方法で目付20g/m2 の乾式不織布を作
製し、また実施例1と同等の方法で平均繊維径が2μm
で目付6g/m2 極細繊維不織布を作製した。それらを
実施例1と同等の方法で積層、スルホン化処理して厚み
0.10mm、目付32g/m2 のアルカリ蓄電池用セ
パレーターを得た。
【0037】比較例1 メルトブロー法により実施例1と同等の材料および方法
で目付32g/m2 の極細繊維不織布を作製した。それ
を表面温度125℃にセットしたカレンダーロールによ
り厚み0.1mmに圧着成形し、実施例1と同等の方法
で親水化処理を行い、アルカリ蓄電池用セパレーターを
得た。
【0038】比較例2 実施例1と同等の複合繊維を実施例1よりも多量に配置
して積重したウェブをエアースルー法により実施例1と
同等の方法で目付32g/m2 の乾式不織布を作製し
た。それを表面温度110℃にセットしたカレンダーロ
ールにより厚み0.1mmに圧着成形し、実施例1と同
等の方法で親水化処理を行い、アルカリ蓄電池用セパレ
ーターを得た。
【0039】比較例3 実施例1と同等の複合繊維を実施例1よりも少量に配置
して積重したウェブをエアースルー法により実施例1と
同等の方法で目付16g/m2 の乾式不織布を作製し、
またメルトブロー法により実施例1と同等の材料および
方法で目付16g/m2 の極細繊維不織布を作製した。
乾式不織布1枚と極細繊維不織布1枚を重ね合わせ、そ
れを乾式不織布が接するロールの表面温度を110℃に
保ち、極細繊維不織布が接するロールの表面温度を12
5℃に保ったカレンダーロールにより厚み0.1mmに
圧着成形し、実施例1と同等の方法で親水化処理を行
い、アルカリ蓄電池用セパレーターを得た。
【0040】
【表1】 =================================== 補強用 極細用 補強用 極細用 厚み 空隙 強度 通気性 最大 保液率 目付 目付 繊維径 繊維径 率 孔径 (g/m2) (g/m2) (μm) (μm) (mm) (%) (kg (cc/cm2 (μm) (%) /5cm) /秒) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実施例1 20 6/6 18 4/4 0.1 65 11.6 12.0 21 171 実施例2 20 2/2 18 2/2 0.1 74 10.3 15.3 18 233 実施例3 20 4/4 18 2/2 0.1 69 10.9 6.2 11 192 実施例4 20 6/6 18 6/6 0.1 65 11.9 23.4 66 163 実施例5 20 10/10 18 8/8 0.1 56 11.3 22.6 61 147 実施例6 30 5/5 18 2/2 0.1 56 15.4 5.1 10 153 実施例7 15 4/4 18 2/2 0.07 64 7.8 5.9 11 186 実施例8 20 6/6 18 2/2 0.1 65 8.1 6.1 11 176 比較例1 − 32/- − 2/- 0.1 65 4.8 1.2 5> 206 比較例2 32 − 18 − 0.1 65 13.6 82.5 100< 66 比較例3 16 16/- 18 2/- 0.1 65 7.9 2.8 6 125 ===================================
【0041】上記実施例1〜8と比較例1〜3を表1の
記載により比較すると、引張強度については、実施例が
7.0kg以上の高い強度を有するのに対して、比較例
1の引張強度は4.8kgの低い値を示す。また通気性
については、実施例が5.0cc/cm2/秒 以上の高
い値を示すのに対して、比較例1および3はそれぞれ
1.2および2.8の低い値を示している。保液率(保
液性)については、実施例が140%以上の高い値を示
すのに対して、比較例2および3ではそれぞれ66%お
よび125%の低い値を示している。
【0042】
【発明の効果】本発明のアルカリ電池セパレーターは電
解液をセパレーター内に保持する保液性、電池の正極と
負極を構成する粉末状の活物質の移行を防止する絶縁
性、正極で発生したガスをセパレーターを通して負極側
に移動させる通気性、電池の製造工程中で必要な引張強
度等のセパレーター品質を維持しつつ、セパレーターの
厚みを薄くすることが可能になり、アルカリ電池のエネ
ルギー密度のアップに寄与できると共に、セパレーター
の製造コストの低減をはかることができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低融点の鞘部ポリマーと高融点の芯部ポ
    リマーからなる芯鞘複合繊維を互いに融着させてなる乾
    式不織布の両側に極細繊維不織布を重ねて接着した積層
    不織布からなり、15〜45g/m2 の目付、50〜8
    0%の空隙率、および0.05〜0.12mm厚みを有
    することを特徴とするアルカリ電池セパレーター。
  2. 【請求項2】 前記複合繊維が10〜30μmの直径を
    有し、前記乾式不織布が10〜40g/m2 の目付を有
    し、前記極細繊維不織布を構成するポリマー繊維が1.
    0〜8μmの直径を有し、前記極細繊維不織布が2〜1
    0g/m2 の目付を有し、かつ前記乾式不織布と前記極
    細繊維不織布の重量比が1:1〜10:1である請求項
    1記載のアルカリ電池セパレーター。
  3. 【請求項3】 前記複合繊維が30〜80mmの長さを
    有し、前記複合繊維の芯部ポリマーが鞘部ポリマーの融
    点よりも20〜50℃高い融点を有し、かつ前記極細繊
    維不織布を構成するポリマー繊維が前記鞘部ポリマーの
    融点より20℃以上高い融点を持つものである請求項1
    または2記載のアルカリ電池セパレーター。
  4. 【請求項4】 前記複合繊維の鞘部ポリマーおよび芯部
    ポリマーならびに前記極細繊維不織布のポリマー繊維が
    ともにポリオレフィン系樹脂からなる請求項1〜3のい
    ずれかに記載のアルカリ電池セパレーター。
  5. 【請求項5】 ポリオレフィン系樹脂の鞘部ポリマーと
    その鞘部ポリマーの融点よりも20〜50℃高い融点を
    有するポリオレフィン系樹脂の芯部ポリマーからなり、
    30〜80mmの長さと10〜30μmの直径を有する
    芯鞘複合繊維を多数積重してウェブを形成し、そのウェ
    ブに、高温度の気体を通過させて芯鞘複合繊維の鞘部ポ
    リマーを加熱溶融して繊維の交接点を融着した乾式不織
    布を得る工程と、1.0〜8μmの直径を有し、前記鞘
    部ポリマーの融点より20℃以上高い融点を有するポリ
    オレフィン系樹脂の極細繊維の不織布を前記乾式不織布
    の両面に重ねた状態で加熱融着する工程を有することを
    特徴とするアルカリ電池セパレーターの製造法。
  6. 【請求項6】 前記極細繊維不織布は、ポリオレフィン
    系樹脂の溶融物を高速気流中に押し出し、溶融ポリマー
    を牽引細化し、移動するスクリーン上に捕集して得たも
    のである請求項5記載のアルカリ電池セパレーターの製
    造法。
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