JP5094729B2 - アルカリ電池用セパレータ、その製造方法及びアルカリ電池 - Google Patents

アルカリ電池用セパレータ、その製造方法及びアルカリ電池 Download PDF

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Description

本発明はアルカリ電池用セパレータ、その製造方法及びアルカリ電池に関する。
従来から、電池の正極と負極とを分離して短絡を防止すると共に、電解液を保持して起電反応を円滑に行なうことができるように、正極と負極との間にセパレータが使用されている。
近年、電子機器の小型軽量化に伴って、電池の占めるスペースも狭くなっているにもかかわらず、電池には従来と同程度以上の性能が必要とされるため、電池の高容量化が要求されている。そのためには、電極の活物質量を増やす必要があるため、必然的に前記セパレータの占める体積が小さくならざるを得ない。
このようなセパレータの占める体積の小さいセパレータとして、本願出願人は「実質的に一層構造の不織布から実質的になる電池用セパレータであって、前記不織布の面密度あたりにおける繊維の見掛総表面積が20m以上であり、前記不織布の厚さが0.1mm以下であり、前記不織布の地合指数が0.15以下であり、しかも前記不織布が繊維径4μm以下の極細繊維を含んでいることを特徴とする電池用セパレータ」を提案した(特許文献1)。
また、「構成する全繊維質量に対して熱接着性繊維(A)が質量比で0.1以上含有し、前記熱接着性繊維(A)により構成繊維を熱接着した湿式不織布の少なくとも片面に、湿式抄紙ウェブからなり、湿式抄紙ウェブを構成する全繊維質量に対して熱接着性繊維(B)が質量比で0.1以上含有している湿式抄紙ウェブ層が積層され、前記湿式不織布と前記湿式抄紙ウェブ層との層間が熱接着性繊維(A)および熱接着性繊維(B)から選ばれる少なくとも一つの繊維により熱接着されて結合一体化しており、JIS−L−1086の6.19.1におけるはく離強さが0.1〜5Nの範囲であることを特徴とする電池用セパレータ。」が提案されている(特許文献2)。
更に、本願出願人は、「疎な部分が混在した絡合繊維ウエブの、少なくとも疎な部分に繊維状物が付着した、平均孔径が12μm以下である不織布。」を提案した(特許文献3)。
特開2002−124239号公報(請求項1、実施例など) 特開2002−124242号公報(請求項1など) 特開平7−272709号公報(請求項1、段落番号0037など)
特許文献1における電池用セパレータは実施例において開示しているように、湿式法により厚さが0.1mm程度の電池用セパレータを製造すれば、緻密性や強度的に問題がなかったため、電池作製時に短絡を発生させることなく、電池を製造することができるものであったが、更なる薄型化の市場の要求に応えるために、更に厚さを薄くすると、緻密性や強度的に問題が生じ、電池作製時に短絡を発生させやすい傾向があった。また、薄型化するためには低目付化が必要となるが、低目付化すると、不織布の前駆体である繊維ウエブの強度が低いために、搬送時に破断してしまい、非常に生産性が悪くなるという問題もあった。更に、緻密性を上げるために、極細繊維の配合量を多くすると、湿式法により繊維ウエブを形成する際、抄造ワイヤーへの極細繊維の入り込みが起こり、繊維ウエブを抄造ワイヤーから剥離するのが困難で、生産できなくなるという問題もあった。
特許文献2における電池用セパレータはある程度緻密で強度のあるものであったが、湿式不織布層と湿式抄紙ウェブ層との層間で電解液の偏りが生じやすく、電気抵抗の高いものであった。
特許文献3における電池用セパレータは、繊維状物としてフィブリル状分岐構造を有するものを使用しているため、繊維状物と絡合繊維ウエブとの一体化が不十分で、繊維状物の層と絡合繊維ウエブとの層間で電解液の偏りが生じやすく、電気抵抗の高いものであった。
本発明は上述のような問題点を解決するためになされたもので、厚さが0.1mmより薄くても緻密性、強度に優れており、しかも電気抵抗の低いアルカリ電池を製造することのできるアルカリ電池用セパレータを提供すること、アルカリ電池用セパレータ製造時に破断したりすることなく、生産性良く製造することのできるアルカリ電池用セパレータの製造方法、及びアルカリ電池を提供することを目的とする。
本発明は、
[1]第1融着繊維が融着した融着繊維層と、融着繊維層に隣接して、平均繊維径が5μm以下の極細繊維と第2融着繊維とを含み、第2融着繊維が融着した極細繊維層とを有し、前記極細繊維の一部は融着繊維層に入り込んでおり、前記融着繊維層と極細繊維層との層間剥離強度を測定しようとしても、極細繊維層内で剥離してしまい、前記層間剥離強度の測定が不可能であることを特徴とする、アルカリ電池用セパレータ、
[2]極細繊維の平均繊維径が2μm以下である、[1]のアルカリ電池用セパレータ、
[3]融着繊維層の目付が5〜30g/m、かつ極細繊維層の目付が1〜50g/mである、[1]又は[2]のアルカリ電池用セパレータ、
[4]単位目付あたりの引張り強さが2N/5cm幅以上である、[1]〜[3]のアルカリ電池用セパレータ、
[5]地合指数が0.1以下である、[1]〜[4]のアルカリ電池用セパレータ、
[6]第1融着繊維及び第2融着繊維の融着と、極細繊維の融着繊維層への入り込みのみによって形態を維持している、[1]〜[5]のアルカリ電池用セパレータ、
[7]最大孔径/平均流量孔径の比が1.7以下である、[1]〜[6]のアルカリ電池用セパレータ、
[8]第1融着繊維が融着した融着繊維シートを製造する工程、
平均繊維径が5μm以下の極細繊維と第2融着繊維とを含むスラリーを形成する工程、
前記融着繊維シート上に、前記スラリーを抄き上げて、極細繊維の一部を融着繊維シート内に入り込ませる工程、
前記スラリーを抄き上げた融着繊維シートの第2融着繊維を融着して、極細繊維を固定する工程、
を含むことを特徴とする、アルカリ電池用セパレータの製造方法、
[9]融着繊維シートが湿式不織布からなる、[8]のアルカリ電池用セパレータの製造方法、
[10]極細繊維の平均繊維径が2μm以下である、[8]又は[9]のアルカリ電池用セパレータの製造方法、
[11]融着繊維シート上にスラリーを抄き上げる際に、融着繊維シートの抄き上げる面の反対面から吸引する、[8]〜[10]のアルカリ電池用セパレータの製造方法、
[12]前記[1]〜[7]のアルカリ電池用セパレータを備えたアルカリ電池
に関する。
本発明の前記[1]のアルカリ電池用セパレータによれば、融着繊維層によって強度を保持しているとともに、極細繊維層によって緻密性を確保している。また、極細繊維層を構成する極細繊維の一部は、融着繊維層と極細繊維層との層間で剥離させようとしても剥離することができない程に、融着繊維層に入り込んで一体化していることによって、融着繊維層と極細繊維層との層間における電解液の偏りが生じにくく、電池の電気抵抗を低くすることができる。
本発明の前記[2]のアルカリ電池用セパレータによれば、極細繊維の平均繊維径が2μm以下であるため、更に緻密性に優れている。
本発明の前記[3]のアルカリ電池用セパレータによれば、所望の強度と緻密性を有することができる。
本発明の前記[4]のアルカリ電池用セパレータによれば、引張り強さに優れ、電池作製時に短絡が発生しにくい。
本発明の前記[5]のアルカリ電池用セパレータによれば、緻密性に優れ、短絡防止性に優れている。
本発明の前記[6]のアルカリ電池用セパレータによれば、緻密性に優れ、短絡防止性に優れている。
本発明の前記[7]のアルカリ電池用セパレータによれば、緻密性に優れ、短絡防止性に優れている。
本発明の前記[8]の製造方法によれば、強度、緻密性に優れ、電池の電気抵抗を低くすることのできるアルカリ電池用セパレータ、つまり、前記[1]のアルカリ電池用セパレータを製造することができる。また、既にある程度の強度を有する融着繊維シート上に極細繊維を含むスラリーを抄き上げているため、搬送時に破断したり、極細繊維が抄造ワイヤーに絡みつくことなく、生産性良く製造することができる。
本発明の前記[9]の製造方法によれば、緻密性に優れているアルカリ電池用セパレータを製造することができる。
本発明の前記[10]の製造方法によれば、緻密性に優れているアルカリ電池用セパレータを製造することができる。
本発明の前記[11]の製造方法によれば、極細繊維を融着繊維シートへ深く入り込ませることができ、融着繊維層と極細繊維層との層間における電解液の偏りが更に生じにくいアルカリ電池用セパレータを製造することができる。
本発明の前記[12]のアルカリ電池は、短絡が生じにくく、電気抵抗の低いアルカリ電池である。
本発明のアルカリ電池用セパレータ(以下、単に「セパレータ」と表記することがある)は、セパレータに強度を付与することができるように、第1融着繊維が融着した融着繊維層を備えている。この融着繊維層は、セパレータを用いてアルカリ電池を製造するのに必要な強度をセパレータに付与できるものであれば良く、特に限定するものではないが、セパレータの単位目付あたりの引張り強さが2N/5cm幅以上となるような融着繊維層であるのが好ましい。
この融着繊維層を構成する第1融着繊維は、単一樹脂成分からなる単一型第1融着繊維であっても良いし、融点の異なる2種類以上の樹脂成分からなる、繊維断面における配置がサイドバイサイド型、芯鞘型、或いは海島型などの複合型第1融着繊維であっても良い。後者のように複合型第1融着繊維であると、融着しない樹脂成分によって繊維形態を維持でき、強度的に優れているため好適である。
なお、第1融着繊維は耐アルカリ性に優れているように、ポリオレフィン系樹脂及び/又はポリアミド系樹脂から構成されているのが好ましい。より具体的には、前者の単一型第1融着繊維として、例えば、ポリプロピレン系繊維、ポリエチレン系繊維、ポリ4−メチルペンテン−1繊維などのポリオレフィン系繊維、6ナイロン繊維、66ナイロン繊維などのポリアミド系繊維を挙げることができ、後者の複合型第1融着繊維の高融点/低融点の組み合わせとして、ポリプロピレン/高密度ポリエチレン、ポリプロピレン/低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン/低密度ポリエチレン、ポリ4−メチルペンテン−1/ポリプロピレン、ポリ4−メチルペンテン−1/高密度ポリエチレン、ポリ4−メチルペンテン−1/低密度ポリエチレン、66ナイロン/6ナイロン、66ナイロン/6−12共重合ナイロン、66ナイロン/ポリ4−メチルペンテン−1、66ナイロン/ポリプロピレン、66ナイロン/高密度ポリエチレン、66ナイロン/低密度ポリエチレン、ポリ4−メチルペンテン−1/6ナイロン、6ナイロン/ポリプロピレン、6ナイロン/高密度ポリエチレン、6ナイロン/低密度ポリエチレン、6ナイロン/6−12共重合ナイロンなどの組み合わせを挙げることができる。これらの中でも耐アルカリ性の高いオレフィン系樹脂の組み合わせからなるのが好ましく、特に、ポリプロピレン/高密度ポリエチレンの組み合わせが好ましい。
特に、第1融着繊維として、繊維強度が5.7cN/dtex以上の高強度第1融着繊維を含んでいると、強度的に更に優れ、アルカリ電池製造時に、電極によって切断したり、バリが突き抜けることによって、短絡が生じにくいため好適である。繊維強度が強ければ強い程、前記効果に優れているため、第1融着繊維の繊維強度は6.0cN/dtex以上であるのがより好ましく、6.5cN/dtex以上であるのが更に好ましい。上限は特に限定するものではないが、20cN/dtex程度が適当である。なお、繊維強度はJIS L 1013に規定する方法により、つかみ間隔が100mmで、引張速度が300mm/分の条件下、定速伸長形で測定した値をいう。
この高強度第1融着繊維は上述の第1融着繊維と同様の樹脂成分から構成することができるが、電解液によって劣化せず、しかもアルカリ電池内における電気化学反応によって劣化しないポリオレフィン系樹脂から構成されているのが好ましい。より具体的には、プロピレン単独重合体、プロピレンとα−オレフィン(例えばエチレン、ブテン−1など)との共重合体、高密度、中密度、低密度ポリエチレンや直鎖状低密度ポリエチレンなどのエチレン系重合体、ポリ4−メチルペンテン−1など1種類、又は2種類以上から構成されているのが好ましい。特に、融点の点で異なる2種類以上の樹脂(融点差は10℃以上あるのが好ましく、20℃以上あるのがより好ましい)からなり、繊維表面に最も融点の高い樹脂以外の樹脂が存在しているのが好ましい。なお、2種類以上の樹脂からなる高強度第1融着繊維の横断面における樹脂の配置状態は、例えば、芯鞘状、サイドバイサイド状、オレンジ状、海島状、多層積層状などを挙げることができ、特に融着に関与できる樹脂の多い芯鞘状又は海島状であるのが好ましい。このような高強度第1融着繊維は第1融着繊維の10mass%以上を占めているのが好ましく、15mass%以上を占めているのがより好ましい。
このような高強度第1融着繊維は、絶対圧が2.0kg/cm以上の加圧飽和水蒸気を充填した延伸槽に未延伸繊維を導き、未延伸繊維の表面に水分が付着した状態下で延伸して製造することができる。例えば、特開2002−180330号に開示の方法により製造することができる。
本発明の第1融着繊維(高強度第1融着繊維も含む、以下、単に「第1融着繊維」と表現した場合は高強度第1融着繊維も含む)の平均繊維径は特に限定するものではないが、セパレータに強度を付与することができるように、5μm以上であるのが好ましく、10μm以上であるのがより好ましい。他方で、薄いセパレータとすることができるように、20μm以下であるのが好ましく、14μm以下であるのがより好ましい。また、第1融着繊維の繊維長は、厚さが薄く、しかも緻密なセパレータを製造できるように、湿式不織布であるのが好ましいため、1〜15mmであるのが好ましく、3〜10mmであるのがより好ましい。
本発明における「繊維径」は、繊維の横断面形状が円形である場合はその直径をいい、円形以外の場合はその横断面積と同じ面積をもつ円の直径を繊維径とみなす。また、「平均繊維径」は10本の繊維の繊維径の算術平均値をいう。
本発明の融着繊維層は第1融着繊維が融着しているが、セパレータに十分な強度を付与できるように、第1融着繊維は融着繊維層の60mass%以上を占めているのが好ましく、80mass%以上を占めているのがより好ましく、最も好ましくは100mass%第1融着繊維からなる。なお、融着繊維層は第1融着繊維以外に、第1融着繊維の低融点成分よりも10℃以上高い融点をもち、平均繊維径が5μmを超える繊維を含んでいることができる。
本発明のセパレータは前述のような融着繊維層に隣接して極細繊維層を備えていることによって、セパレータの緻密性を確保し、短絡を防止できるようになっている。また、融着繊維層と極細繊維層との層間剥離強度を測定しようとしても、極細繊維層内で剥離してしまい、層間剥離強度の測定が不可能である程度に、極細繊維の一部が融着繊維層に入り込んでいるため、融着繊維層と極細繊維層との層間における電解液の偏りが生じにくく、電池の電気抵抗を低くすることができるものである。
この極細繊維層は緻密性に優れるセパレータであり、短絡防止性に優れているように、更には電解液の保持性に優れているように、平均繊維径が5μm以下の極細繊維を含んでいる。極細繊維の平均繊維径が小さければ小さい程、前記性能に優れているため、極細繊維の平均繊維径は3μm以下であるのが好ましく、2μm以下であるのがより好ましい。他方、極細繊維の平均繊維径の下限は特に限定するものではないが、0.1μm以上であるのが好ましい。
本発明の極細繊維はアルカリ電解液によって浸されないものであれば良く、特に限定するものではないが、第1融着繊維と同様のポリオレフィン系樹脂及び/又はポリアミド系樹脂1種類以上からなるのが好ましい。
なお、融点の点で異なる(好ましくは10℃以上異なる)2種類以上の樹脂からなる極細繊維は融着することによって、極細繊維が極細繊維層から脱落しにくい。このような2種類以上の樹脂からなる極細繊維の横断面における樹脂の配置状態としては、例えば、芯鞘状(偏芯状も含む)、貼り合せ状、海島状、オレンジ状、多層積層状であることができ、融着面積の広い芯鞘状又は海島状であるのが好ましい。
この極細繊維の繊維長は特に限定するものではないが、緻密なセパレータとしやすいように、1〜15mmであるのが好ましく、2〜10mmであるのがより好ましい。
このような極細繊維は緻密性に優れ、短絡防止性に優れているように、極細繊維層中、10mass%以上を占めているのが好ましく、20mass%以上を占めているのがより好ましい。一方で、極細繊維の脱落を防止できるように、第2融着繊維を含んでいるため、90mass%以下であるのが好ましく、80mass%以下であるのがより好ましく、70mass%以下であるのが更に好ましく、60mass%以下であるのが更に好ましい。
なお、本発明の極細繊維は常法の溶融紡糸法により得ることができるし、常法の複合紡糸法又は混合紡糸法により海島型複合繊維を紡糸した後に、海島型複合繊維の海成分を除去することによっても得ることができる。後者の方法によれば、繊維径が5μm以下の極細繊維を得やすい。特に、複合紡糸法によって紡糸した海島型複合繊維の海成分を除去することによって得た極細繊維は、繊維径が揃っており、より緻密性に優れるセパレータを製造できるため好適である。
本発明のセパレータにおいては、融着繊維層と極細繊維層との層間剥離強度を測定しようとしても、極細繊維層内で剥離してしまい、層間剥離強度の測定が不可能である程度に、上述のような極細繊維の一部が融着繊維層に入り込んで一体化しているため、融着繊維層と極細繊維層との層間における電解液の偏りが生じにくく、電池の電気抵抗を低くすることができる。
なお、「融着繊維層と極細繊維層との層間剥離強度の測定」はJIS L 1086−1999「接着しん地試験方法」7.19はく離強さa)前処理をしない状態、に則って行う試験方法であり、「極細繊維層内で剥離してしまい、前記層間剥離強度の測定が不可能」とは、剥離した後に融着繊維層の極細繊維層側表面を顕微鏡等によって拡大して観察した時に、極細繊維の一部が融着繊維層内に入り込み、融着繊維層の極細繊維層側表面に残っていることから、実際には融着繊維層と極細繊維層との層間剥離強度を測定していないことをいう。
本発明の極細繊維層は上述のような極細繊維を含んでいることに加えて、第2融着繊維を含み、第2融着繊維が融着していることによって極細繊維の極細繊維層からの脱落が防止されている。第2融着繊維の存在により、セパレータ全体の構造が均一となり、電解液の分布が一様となる結果、電気抵抗が低くなるという効果を奏する。
この第2融着繊維は単一型第1融着繊維と同様の単一型第2融着繊維であっても良いし、複合型第1融着繊維と同様の複合型第2融着繊維であっても良い。また、第1融着繊維と同様の樹脂1種類、又は2種類以上の組み合わせからなることができる。なお、第2融着繊維も第1融着繊維と同様の樹脂及び樹脂配置からなる、繊維強度が5.7cN/dtex以上の高強度第2融着繊維を含んでいても良い。第2融着繊維の平均繊維径は第1融着繊維と同様に、5〜20μmであるのが好ましく、10〜14μmであるのがより好ましい。また、第2融着繊維の繊維長は、1〜15mmであるのが好ましく、3〜10mmであるのがより好ましい。第2融着繊維はセパレータ全体の構造を均一にできるように、第1融着繊維と繊維径が同じであるのが好ましい。
このような第2融着繊維は樹脂組成、樹脂配置、繊維強度、平均繊維径、及び/又は繊維長の点で、第1融着繊維と同じ繊維からなっていても良いし、異なる繊維からなっていても良い。なお、第2融着繊維は融着時に極細繊維までも溶融させて極細繊維による緻密性や電解液保持性を損なうことがないように、第2融着繊維の融着する樹脂は、極細繊維の最も融点の低い樹脂よりも10℃以上、好ましくは20℃以上融点が低いのが好ましい。
本発明の極細繊維層においては、第2融着繊維が融着しているが、その量は極細繊維の脱落を防止できれば良く、特に限定するものではないが、第2融着繊維は極細繊維層の10mass%以上を占めているのが好ましく、20mass%以上を占めているのがより好ましく、30mass%以上を占めているのが更に好ましく、40mass%以上を占めているのが更に好ましい。他方で、極細繊維による緻密性を損なわないように、極細繊維層の90mass%以下を占めているのが好ましく、80mass%以下を占めているのがより好ましく、70mass%以下であるのが更に好ましく、60mass%以下であるのが更に好ましい。
本発明のセパレータの融着繊維層の目付はセパレータに強度を付与できるように、また、薄いセパレータであることができるように、5〜30g/m(好ましくは5〜20g/m、より好ましくは5〜10g/m)で、しかも極細繊維層の目付はセパレータに緻密性を付与できるように、1〜50g/mであるのが好ましく、5〜20g/mであるのがより好ましい。本発明における「目付」はJIS P 8124(紙及び板紙−坪量測定法)に規定されている方法に基づいて得られる坪量を意味する。
なお、本発明のセパレータは融着繊維層に隣接して極細繊維層を有しているが、極細繊維層は融着繊維層の片面のみに有していても良いし、融着繊維層の両面に有していても良い。セパレータの厚さを薄くするという意味では一般的に極細繊維層は融着繊維層の片面のみに有している。
本発明のセパレータは電池の高容量化に対応できるように薄いものであることができ、より具体的には、100μm未満であることができ、より好ましくは90μm以下であることができ、更に好ましくは80μm以下である。しかしながら、100μm以上でも良い。他方で、あまり薄くなり過ぎると、強度を確保するのが難しくなり、電池作製時に短絡する傾向があるため、30μm以上であるのが好ましい。本発明における「厚さ」は、JIS B 7502:1994に規定されている外側マイクロメーター(0〜25mm)を用いて、JIS C2111 5.1(1)の測定法で、無作為に選んで測定した10点の算術平均値をいう。
本発明のセパレータは電池作製時に短絡することのない程度の強度を有するものであるように、単位目付あたりの引張り強さが2N/5cm幅以上であるのが好ましい。より好ましくは3N/5cm幅以上であり、更に好ましくは4N/5cm幅以上である。強度が高ければ高い程、短絡させることなく電池を作製できるため、単位目付あたりの引張り強さの上限は特に限定するものではない。この「引張り強さ」は、セパレータを幅50mmの短冊状に切断した試料を、引張強さ試験機(オリエンテック製、テンシロンUTM−III−100)に固定(チャック間距離:100mm)し、速度300mm/min.で引張り、切断時の強さの測定を3回行い、その算術平均値をいい、「単位目付あたりの引張り強さ」は前記引張り強さを目付で除した商をいう。
本発明のセパレータの目付は厚さによって異なり、特に限定するものではないが、前述のような薄いセパレータであるように、15〜50g/mであるのが好ましく、15〜40g/mであるのがより好ましい。
本発明のセパレータは薄いにもかかわらず、緻密性に優れ、短絡が生じにくく、しかも電解液の均一保持性に優れるように、地合いの指標である地合指数が0.1以下であるのが好ましい。より好ましい地合指数は0.09以下である。この地合指数は下記手順により得られる値をいう。つまり、次のようにして得られる値をいう。
(1)光源からセパレータに対して光を照射し、照射された光のうち、セパレータの所定領域において反射された反射光を受光素子によって受光して輝度情報を取得する。
(2)セパレータの所定領域を画像サイズ3mm角、6mm角、12mm角、24mm角に等分割して、4つの分割パターンを取得する。
(3)得られた各分割パターン毎に等分割された各区画の輝度値を輝度情報に基づいて算出する。
(4)各区画の輝度値に基づいて、各分割パターン毎の輝度平均(X)を算出する。
(5)各分割パターン毎の標準偏差(σ)を求める。
(6)各分割パターン毎の変動係数(CV)を次の式により算出する。
変動係数(CV)=(σ/X)×100
(7)各画像サイズの対数をX座標、当該画像サイズに対応する変動係数をY座標とした結果得られる座標群を、最小二乗法により一次直線に回帰させ、その傾きを算出し、この傾きの絶対値を地合指数とする。
本発明のセパレータは緻密性に優れ、短絡防止性に優れているように、第1融着繊維及び第2融着繊維の融着と、極細繊維の融着繊維層への入り込みのみによって形態を維持しているのが好ましい。つまり、第1融着繊維及び第2融着繊維の融着と極細繊維の入り込み以外に水流などによる絡合作用を受けていると、平均流量孔径が大きい、つまり緻密性が悪いためである。また、エマルジョン型接着剤などによる接着作用を受けていると、接着剤が皮膜化して電気抵抗が高くなったり、通気性が悪くなり、例えば、密閉型アルカリ電池のセパレータとして使用すると内圧が高くなる傾向があるためである。
本発明のセパレータは緻密性に優れ、短絡防止性に優れているように、平均流量孔径が8μm以下であるのが好ましく、7μm以下であるのがより好ましく、5μm以下であるのが更に好ましい。平均流量孔径の下限は電気抵抗や通気性に優れているように、1μm以上であるのが好ましく、3μm以上であるのがより好ましい。また、短絡防止性に優れているように、セパレータの最大孔径は13μm以下であるのが好ましく、10μm以下であるのがより好ましく、8μm以下であるのが更に好ましい。最大孔径の下限は平均流量孔径以上である。更に、孔径が揃っており、緻密性に優れ、短絡防止性に優れているように、最大孔径/平均流量孔径の比が1.7以下であるのが好ましく、1.5以下であるのがより好ましい。最大孔径/平均流量孔径の比の下限は全部同じ孔径である1である。なお、最大孔径はポロメータ(Porometer、コールター(Coulter)社製)を用い、バブルポイント法により測定される値をいい、平均流量孔径はASTM−F316に規定されている方法により得られる値をいい、例えば、ポロメータ(Porometer、コールター(Coulter)社製)を用いて、ミーンフローポイント法により測定される値をいう。
このような本発明のセパレータは、例えば、(1)第1融着繊維が融着した融着繊維シートを製造する工程、(2)平均繊維径が5μm以下の極細繊維と第2融着繊維とを含むスラリーを形成する工程、(3)前記融着繊維シート上に、前記スラリーを抄き上げて、極細繊維の一部を融着繊維シート内に入り込ませる工程、(4)前記スラリーを抄き上げた融着繊維シートの第2融着繊維を融着して、極細繊維を固定する工程、によって製造することができる。
まず、(1)第1融着繊維が融着した融着繊維シートを製造する工程は、常法により実施することができる。融着繊維シートも地合いが優れ、緻密性に優れているように、湿式不織布からなるのが好適である。この好適である湿式不織布は、例えば、第1融着繊維を含む繊維ウエブを湿式法(例えば、水平長網方式、傾斜ワイヤー型短網方式、円網方式、又は長網・円網コンビネーション方式など)により形成した後、ドライヤーにより第1融着繊維を融着させたり、ニップロールなどによって第1融着繊維を融着させて製造することができる。このように第1融着繊維を融着させることにより、セパレータ製造時における搬送によっても破断せず、また、セパレータの強度を高めることができる。なお、第1融着繊維がフィルム化してしまうと電気抵抗が高くなるため、第1融着繊維として融点の異なる2種類以上の樹脂からなる複合型第1融着繊維を使用したり、加熱条件及び/又は加圧条件を適宜調節し、第1融着繊維がフィルム化しないようにするのが好ましい。
次いで、(2)平均繊維径が5μm以下の極細繊維と第2融着繊維とを含むスラリーを形成する工程を実施する。この工程は常法の湿式法におけるスラリーの形成方法と同様にすることができる。例えば、平均繊維径が5μm以下の極細繊維と第2融着繊維を準備した後、パルパー、ビーター、或いはリファイナー等によって個々の繊維とした後、水中に分散させてスラリーを形成することができる。
なお、平均繊維径が5μm以下の極細繊維は、例えば、直接紡糸した繊維、海島型複合繊維の海成分を除去した島成分繊維、樹脂組成の異なる2種類以上の樹脂からなる分割型複合繊維をビーターやリファイナー等によって分割した極細繊維、メルトブロー法により製造したメルトブロー不織布をビーターやリファイナー等によって分割した極細繊維、などを使用することができる。これらの中でも繊維径が揃っている直接紡糸した繊維や海島型複合繊維の海成分を除去した島成分繊維を用いるのが好ましく、繊維径のより小さい、海島型複合繊維の海成分を除去した島成分繊維を使用するのがより好ましく、繊維径の揃っている、複合紡糸法により製造した海島型複合繊維の海成分を除去した島成分繊維を使用するのが更に好ましい。なお、極細繊維はセパレータの緻密性に優れるように、平均繊維径が2μm以下であるのが好ましい。
次いで、(3)前述の融着繊維シート上に、前述のスラリーを抄き上げて、極細繊維の一部を融着繊維シート内に入り込ませる工程を実施する。この工程は、傾斜ワイヤー型短網方式の湿式法により繊維ウエブを形成するのと同様にして実施できる。つまり、通常はネット等の支持体上に繊維を抄き上げて繊維ウエブを形成するが、ネット等の支持体上に融着繊維シートを積層し、この融着繊維シート上に極細繊維及び第2融着繊維を含むスラリーを抄き上げると、極細繊維の一部は白水の支持体からの排出(脱水)と一緒に融着繊維シート内に入り込むため、通常の湿式法と同様に本工程を実施できる。特に、融着繊維シート上にスラリーを抄き上げる際に、融着繊維シートの抄き上げる面の反対面から吸引すると、極細繊維を融着繊維シートへ深く入り込ませることができ、融着繊維層と極細繊維層との層間における電解液の偏りを生じさせにくく、電気抵抗を低くすることができる。このような吸引は、例えば、減圧タンクを使用して実施することができる。減圧吸引は10〜100kPaであるのが好ましく、30〜70kPaであるのがより好ましく、40〜60kPaであるのが更に好ましい。このような減圧吸引は丸網、長網によっては困難である。
そして、(4)前記スラリーを抄き上げた融着繊維シートの第2融着繊維を融着して、極細繊維を固定する工程、を実施して、本発明のセパレータを製造することができる。この第2融着繊維の融着による極細繊維の固定は、例えば、ドライヤーによる第2融着繊維の融着やニップロールなどによる第2融着繊維の融着により固定するのが好ましい。この場合も、第2融着繊維として融点の異なる2種類以上の樹脂からなる複合型第2融着繊維を使用したり、加熱条件及び/又は加圧条件を適宜調節するなどしてフィルム化しないようにするのが好ましい。なお、第2融着繊維に加えて融着繊維層を構成する第1融着繊維も融着させると、融着繊維層に入り込んだ極細繊維を確実に固定することができるため、第1融着繊維も融着するのが好ましい。なお、第1融着繊維による固定と第2融着繊維による固定とは同時に行っても良いし、別々に行っても良いが、いずれかの融着繊維を過度に溶融させてフィルム化させ、電気抵抗や通気性を悪くしないように、溶融する樹脂が同じである第1融着繊維と第2融着繊維を使用し、同時に融着により固定するのが好ましい。
以上のように、本発明の製造方法によれば、融着繊維層に相当する融着繊維シートを予め作製した後に、極細繊維を含むスラリーを抄き上げているため、薄型化するために低目付化したとしても、搬送時に破断することなく製造できる、生産性に優れる方法である。また、緻密性を上げるために、スラリー中における極細繊維の配合量を多くしても、融着繊維シート上に極細繊維を抄き上げているため、支持体(ネット等)への極細繊維の入り込みが起こらないか、起こったとしても容易に剥離できる程度に入り込んでいるに過ぎないため、この点からも生産性良く、セパレータを製造できる方法である。
また、融着繊維層に相当する融着繊維シートの存在によってセパレータの引張り強さを高めることができ、融着繊維シートの製造条件を適宜調整して引張り強さを高めることによって、単位目付あたりの引張り強さが2N/5cm幅以上であるセパレータを製造することができる。
更に、地合指数が0.1以下である緻密なセパレータ、又は最大孔径/平均流量孔径の比が1.7以下である緻密なセパレータは、極細繊維のスラリー中における配合率を高くすることによって可能である。具体的には、スラリー中における極細繊維配合率を10%以上、好ましくは20%以上、より好ましくは30%以上、更に好ましくは40%以上とすることによって、緻密なセパレータを製造するのが容易である。
本発明のセパレータは耐電解液性に優れているように、ポリオレフィン系樹脂からなる第1融着繊維、第2融着繊維、及び/又は極細繊維から構成されているのが好ましいが、これらポリオレフィン系繊維の比率が高い場合、電解液の保持性が悪い傾向があるため、公知の親水化処理、例えば、スルホン化処理、フッ素ガス処理、ビニルモノマーのグラフト重合処理、放電処理、界面活性剤処理、或いは親水性樹脂付与処理を実施するのが好ましい。
本発明のアルカリ電池は上述のようなセパレータを備えたものであるため、高容量、かつ短絡が生じにくく、電気抵抗の低い電池であることができる。
本発明のアルカリ電池は上述のようなセパレータを備えていること以外は、従来のアルカリ電池と全く同様であることができる。
例えば、円筒型ニッケル−水素電池は、ニッケル正極板と水素吸蔵合金負極板とを、前述のようなセパレータを介して渦巻き状に巻回した極板群を金属のケースに挿入した構造を有する。前記ニッケル正極板としては、例えば、スポンジ状ニッケル多孔体に水酸化ニッケル固溶体粉末からなる活物質を充填したものを使用することができ、水素吸蔵合金負極板としては、例えば、ニッケルメッキ穿孔鋼板、発泡ニッケル、或いはニッケルネットに、AB系(希土類系)合金、AB/AB系(Ti/Zr系)合金、或いはAB(Laves相)系合金を充填したものを使用することができる。なお、電解液として、例えば、水酸化カリウム/水酸化リチウムの二成分系のもの、或いは水酸化カリウム/水酸化ナトリウム/水酸化リチウムの三成分系のものを使用することができる。また、前記ケースは安全弁を備えた封口板により、絶縁ガスケットを介して封口されている。更に、正極集電体や絶縁板を備えており、必要であれば負極集電体を備えている。
なお、本発明のアルカリ電池は円筒形である必要はなく、角型、ボタン型などであっても良い。角型の場合には、正極板と負極板との間にセパレータが配置された積層構造を有する。また、密閉型でも開放型でもよい。
本発明のアルカリ電池は、例えば、アルカリマンガン電池、水銀電池、酸化銀電池、又は空気電池などの一次電池、或いはニッケル−カドミウム電池、銀−亜鉛電池、銀−カドミウム電池、ニッケル−亜鉛電池、ニッケル−水素電池又は鉛蓄電池などの二次電池であることができ、特にニッケル−カドミウム電池、ニッケル−水素電池であるのが好ましい。
以下に、本発明の実施例を記載するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
芯成分がポリプロピレン(融点:168℃)からなり、鞘成分が高密度ポリエチレン(融点:135℃)からなる高強度芯鞘型第1融着繊維(繊維強度:6.5cN/dtex、平均繊維径:10μm、繊維長:5mm)のみを使用し、傾斜ワイヤー型短網湿式法により湿式繊維ウエブを形成した。
次いで、この湿式繊維ウエブをコンベアで支持し、コンベアの下方から吸引して湿式繊維ウエブをコンベアと密着させた状態で搬送しながら、湿式繊維ウエブを温度138℃に設定した熱風貫通式乾燥機により熱処理して、高強度芯鞘型第1融着繊維の鞘成分のみを融着させて、融着不織布(=融着繊維シート、目付:8g/m)を製造した。なお、高強度芯鞘型第1融着繊維はフィルム化していなかった。
他方、複合紡糸法により紡糸した海島型複合繊維の海成分を除去した島成分からなるポリプロピレン極細繊維(平均繊維径:2μm、繊維長:2mm、融点:168℃)と、高強度芯鞘型第1融着繊維と同じ高強度芯鞘型第2融着繊維を準備した後、ポリプロピレン極細繊維80mass%と高強度芯鞘型第2融着繊維20mass%とを混合したスラリーを作製した。
次いで、前記融着不織布をネットで搬送しながら、この融着不織布上に前記スラリーを抄き上げて、ウエブ抄造融着不織布(抄造繊維量:7g/m)を得た。なお、スラリーを抄き上げる際に、ネットの融着不織布担持面の反対面から減圧タンクによりスラリーを吸引(減圧吸引:45kPa)して、極細繊維の一部を融着不織布内へ入り込ませた。
続いて、このウエブ抄造融着不織布をコンベアで温度138℃に設定した熱風貫通式乾燥機へ搬送し、熱処理を実施して、融着不織布の高強度芯鞘型第1融着繊維の鞘成分、及び抄造ウエブを構成する高強度芯鞘型第2融着繊維の鞘成分を融着させて、極細繊維及び高強度芯鞘型第2融着繊維を融着不織布に固定するとともに極細繊維層を形成した、積層不織布を製造した。このウエブ抄造融着不織布は破断することなく搬送することができ、また、繊維をコンベアに絡ませることなく積層不織布を製造することができた。
そして、この積層不織布を線圧9.8N/cmでカレンダー処理(温度:60℃)して厚さを調整した後、積層不織布を温度60℃の発煙硫酸溶液(15%SO溶液)中に2分間浸漬した後、十分に水洗し、乾燥してスルホン化処理を実施して、融着繊維層(融着不織布に由来)の片面に極細繊維層を備えたセパレータ(目付:15g/m、厚さ:30μm)を製造した。このセパレータにおいては、高強度芯鞘型第1融着繊維、高強度芯鞘型第2着繊維ともにフィルム化していなかった。なお、このセパレータの物性は表1に示す通りであった。
(実施例2)
スラリー中におけるポリプロピレン極細繊維と高強度芯鞘型第2融着繊維との質量比率を50対50としたこと、及び融着不織布上への抄造繊維量を17g/mとしたこと以外は実施例1と同様にして、セパレータ(目付:25g/m、厚さ:52μm)を製造した。このセパレータにおいては、高強度芯鞘型第1融着繊維、高強度芯鞘型第2着繊維ともにフィルム化していなかった。なお、このセパレータの物性は表1に示す通りであった。
(実施例3)
スラリー中におけるポリプロピレン極細繊維と高強度芯鞘型第2融着繊維との質量比率を60対40としたこと、及び融着不織布上への抄造繊維量を32g/mとしたこと以外は実施例1と同様にして、セパレータ(目付:40g/m、厚さ:77μm)を製造した。このセパレータにおいては、高強度芯鞘型第1融着繊維、高強度芯鞘型第2着繊維ともにフィルム化していなかった。なお、このセパレータの物性は表1に示す通りであった。
(実施例4)
ナイロン66を芯成分(融点:255℃)とし、ナイロン6とナイロン12とのナイロン共重合体(モル比;(ナイロン6):(ナイロン12)=35:65)を鞘成分(融点:139℃)とするナイロン第1融着繊維(繊維強度:4.6cN/dtex、繊維径:14μm、繊維長:5mm)のみを使用し、傾斜ワイヤー型短網湿式法により湿式繊維ウエブを形成した。
次いで、この湿式繊維ウエブをコンベアで支持し、コンベアの下方から吸引して湿式繊維ウエブをコンベアと密着させた状態で搬送しながら、湿式繊維ウエブを温度155℃に設定した熱風貫通式乾燥機により熱処理して、ナイロン第1融着繊維の鞘成分のみを融着させて、融着不織布(=融着繊維シート、目付:10g/m)を製造した。なお、ナイロン第1融着繊維はフィルム化していなかった。
他方、複合紡糸法により紡糸した海島型複合繊維の海成分を除去した島成分からなるナイロン66極細繊維(平均繊維径:2μm、繊維長:2mm、融点:255℃)と、ナイロン第1融着繊維と同じナイロン第2融着繊維を準備した後、ナイロン66極細繊維60mass%とナイロン第2融着繊維40mass%とを混合したスラリーを作製した。
次いで、前記融着不織布をネットで搬送しながら、この融着不織布上に前記スラリーを抄き上げて、ウエブ抄造融着不織布(抄造繊維量:30g/m)を得た。なお、スラリーを抄き上げる際に、ネットの融着不織布担持面の反対面から減圧タンクによりスラリーを吸引(減圧吸引:45kPa)して、極細繊維の一部を融着不織布内へ入り込ませた。
続いて、このウエブ抄造融着不織布をコンベアで熱風貫通式乾燥機へ搬送し、温度155℃で熱処理したのに続いて、温度90℃に設定した2本のプレスロール(圧力:5N/mm)により圧着させて、融着不織布のナイロン第1融着繊維の鞘成分、及び抄造ウエブを構成するナイロン第2融着繊維の鞘成分を融着させて、極細繊維及びナイロン第2融着繊維を融着不織布に固定するとともに極細繊維層を形成した、積層不織布を製造した。このウエブ抄造融着不織布は破断することなく搬送することができ、また、繊維をコンベアに絡ませることなく積層不織布を製造することができた。
そして、この積層不織布を線圧9.8N/cmでカレンダー処理(温度:60℃)して厚さを調整した後、シリコーンゴムを担持した平板状電極により積層不織布を挟持した状態(シリコーンゴムが積層不織布と当接)で、大気圧下、空気(湿度:60RH%)の存在下で、両電極間に交流電圧を印加(電圧:24kVp、出力:2.8kW、単位面積あたりの出力:1.83W/cm、周波数:25KHz、波形:正弦波)し、積層不織布内部で放電を発生させ、親水化して、融着繊維層(融着不織布に由来)の片面に極細繊維層を備えたセパレータ(目付:40g/m、厚さ:80μm)を製造した。このセパレータにおいては、ナイロン第1融着繊維、ナイロン第2着繊維ともにフィルム化していなかった。なお、このセパレータの物性は表1に示す通りであった。
(実施例5)
融着不織布上への抄造繊維量を32g/mとしたこと以外は実施例1と同様にして、セパレータ(目付:40g/m、厚さ:84μm)を製造した。このセパレータにおいては、高強度芯鞘型第1融着繊維、高強度芯鞘型第2着繊維ともにフィルム化していなかった。なお、このセパレータの物性は表2に示す通りであった。
(比較例1)
実施例1と同じ高強度芯鞘型第1融着繊維80mass%と、実施例1と同じポリプロピレン極細繊維20mass%とからなるスラリーを、傾斜ワイヤー型短網湿式法により湿式繊維ウエブを形成した。
次いで、この湿式繊維ウエブをコンベアで支持し、コンベアの下方から吸引(減圧吸引:45kPa)して湿式繊維ウエブをコンベアと密着させた状態で搬送しながら、湿式繊維ウエブを温度138℃に設定した熱風貫通式乾燥機により熱処理して、高強度芯鞘型第1融着繊維の鞘成分のみを融着させて、融着不織布(目付:40g/m)を製造した。
そして、この融着不織布を線圧9.8N/cmでカレンダー処理(温度:60℃)して厚さを調整した後、融着不織布を温度60℃の発煙硫酸溶液(15%SO溶液)中に2分間浸漬した後、十分に水洗し、乾燥してスルホン化処理を実施して、セパレータ(目付:40g/m、厚さ:92μm)を製造した。このセパレータの物性は表1に示す通りであった。
(比較例2)
実施例1と同じ高強度芯鞘型第1融着繊維70mass%と、実施例1と同じポリプロピレン極細繊維30mass%とからなるスラリーを使用したこと以外は比較例1と同様にして、セパレータ(目付:25g/m、厚さ:72μm)を製造した。このセパレータの物性は表1に示す通りであった。なお、湿式繊維ウエブを形成した際に、抄造ワイヤーへの極細繊維の入り込みが起こり、湿式繊維ウエブを抄造ワイヤーから剥離しにくいものであった。
(比較例3)
比較例1と同様にして、融着不織布(目付:20g/m)を製造した。そして、融着不織布を2枚重ねあわせた状態で温度138℃に設定した熱風貫通式乾燥機へ供給し、乾燥機から出た直後に熱カレンダーロール(温度:90℃)を通過させて、積層一体化した。
その後、2枚積層不織布を線圧9.8N/cmでカレンダー処理(温度:60℃)して厚さを調整した後、2枚積層不織布を温度60℃の発煙硫酸溶液(15%SO溶液)中に2分間浸漬した後、十分に水洗し、乾燥してスルホン化処理を実施して、2枚積層不織布からなるセパレータ(目付:40g/m、厚さ:90μm)を製造した。このセパレータの物性は表1に示す通りであった。このセパレータにおける高強度芯鞘型第1融着繊維の一部はフィルム化していた。
(比較例4)
芯成分がポリプロピレン(融点:168℃)からなり、鞘成分が高密度ポリエチレン(融点:135℃)からなる芯鞘型第1融着繊維(繊維強度:4cN/dtex、繊維径:10μm、繊維長:10mm)を40mass%、第1成分をポリプロピレン(融点:165℃)とし、第2成分をエチレン−ビニルアルコール共重合体(融点:175℃)とする、オレンジ状で16分割型の繊維断面を有する分割型複合繊維(繊維径:21μm、分割後のポリプロピレン繊維の繊維径:5μm、分割後のエチレン−ビニルアルコール共重合体繊維の繊維径:5μm、繊維長:6mm)を20mass%、高強度ポリプロピレン繊維(融点:163℃、繊維強度:8cN/dtex、繊維径:12μm、繊維長:10mm)を40mass%配合してスラリーを調製し、パルパーにて30分間攪拌して、繊維の分散と分割型複合繊維の分割処理を同時に行った。
その後、このスラリーを用いて傾斜ワイヤー型短網湿式法により湿式繊維ウエブを形成し、この湿式繊維ウエブをコンベアで支持し、コンベアの下方から吸引(減圧吸引:45kPa)して湿式繊維ウエブをコンベアと密着させた状態で搬送しながら、湿式繊維ウエブを温度135℃に設定した熱風貫通式乾燥機により熱処理して、乾燥及び芯鞘型第1融着繊維の鞘成分のみを融着させて、融着不織布(目付:15g/m)を製造した。
他方、上述と同じ繊維の分散と分割型複合繊維の分割処理とを施した、上述と同様のスラリーを別途調製し、傾斜ワイヤー型短網湿式法により含水状態の湿式繊維ウエブを形成した。
次いで、前記融着不織布をコンベアで搬送しながら、この融着不織布上に、前記含水状態の湿式繊維ウエブを積層した後、この積層体をコンベアで搬送し、水分率を下げるためにコンベアの下から吸引脱水ボックスによって吸引脱水した。続いて、この積層体を温度135℃に設定したシリンダードライヤーへ供給し、乾燥すると同時に芯鞘型第1融着繊維の鞘成分のみを融着させ、積層不織布(目付:40g/m)を製造した。
そして、この積層不織布を線圧9.8N/cmでカレンダー処理(温度:60℃)して厚さを調整した後、積層不織布を温度60℃の発煙硫酸溶液(15%SO溶液)中に2分間浸漬した後、十分に水洗し、乾燥してスルホン化処理を実施して、セパレータ(目付:40g/m、厚さ:95μm)を製造した。このセパレータの物性は表1に示す通りであった。このセパレータは層間の接着性が低く、また繊維の入り込みも少ないため、層間剥離しやすいものであった。
(比較例5)
芯成分がポリプロピレン(融点:168℃)からなり、鞘成分が高密度ポリエチレン(融点:135℃)からなる芯鞘型融着繊維(繊維強度:4cN/dtex、繊維径:10μm、繊維長:10mm)を30mass%と、第1成分をポリプロピレン(融点:160℃)とし、第2成分を高密度ポリエチレン(融点:130℃)とする、オレンジ状で16分割型の繊維断面を有する分割型複合繊維(繊維径:18μm、分割後のポリプロピレン繊維の繊維径:4μm、分割後の高密度ポリエチレン繊維の繊維径:4μm、繊維長:6mm)を70mass%配合したスラリーを調製し、パルパーにて30分間攪拌して、繊維の分散と分割型複合繊維の分割処理を同時に行った。
その後、このスラリーを用いて傾斜ワイヤー型短網湿式法により湿式繊維ウエブを形成し、この湿式繊維ウエブをコンベアで支持し、コンベアの下方から吸引(減圧吸引:45kPa)して湿式繊維ウエブをコンベアと密着させた状態で搬送しながら、湿式繊維ウエブを温度135℃に設定した熱風貫通式乾燥機により熱処理して、乾燥及び芯鞘型融着繊維の鞘成分のみを融着させて、融着不織布(目付:39g/m)を製造した。
次いで、この融着不織布を、ワイヤー径0.132mm、100メッシュの平織りワイヤー上に載せ、速度10m/分で移動させながら、ノズル径0.15mm、ピッチ0.7mmのノズルプレートから圧力12.7MPaの水流を融着不織布の両面交互に2回ずつ噴出して、分割型複合繊維の分割及び繊維を絡合させて融着絡合不織布を製造した。
他方、低密度ポリエチレン樹脂(融点:110℃)からなる、最大太さ3.5μm、長さ2.9mm以下の合成パルプをパルパーにより分散させたスラリーを調製した。
次いで、前記融着絡合不織布をネットで搬送しながら、この融着絡合不織布上に前記スラリーを抄き上げて、ウエブ抄造融着絡合不織布(抄造繊維量:1g/m)を得た。なお、スラリーを抄き上げる際に、ネットの融着絡合不織布担持面の反対面から減圧装置を用いてスラリーを吸引し、合成パルプの一部を融着絡合不織布内へ入り込ませた。
続いて、このウエブ抄造融着絡合不織布をコンベアで支持し、コンベアの下方から吸引してウエブ抄造融着絡合不織布をコンベアと密着させた状態で搬送しながら、ウエブ抄造融着絡合不織布を温度115℃に設定した熱風貫通式乾燥機により熱処理して、乾燥及び合成パルプのみを軽く融着させて、積層融着不織布を製造した。
そして、この積層融着不織布を線圧9.8N/cmでカレンダー処理(温度:60℃)して厚さを調整した後、積層融着不織布を温度50℃の発煙硫酸溶液(15%SO溶液)中に2分間浸漬した後、十分に水洗し、乾燥してスルホン化処理を実施して、セパレータ(目付:40g/m、厚さ:95μm)を製造した。
(比較例6)
ポリプロピレン極細繊維100%からなるスラリーを使用したこと、及び融着不織布上への抄造繊維量を32g/mとしたこと以外は実施例1と同様にして、セパレータ(目付:40g/m、厚さ:80μm)を製造した。このセパレータの物性は表2に示す通りであった。
(比較例7)
実施例1と同じポリプロピレン極細繊維100%からなるスラリーを使用したこと以外は比較例4と同様にして、セパレータ(目付:40g/m、厚さ:92μm)を製造した。このセパレータの物性は表2に示す通りであった。
(比較例8)
スラリー中におけるポリプロピレン極細繊維と高強度芯鞘型第2融着繊維との質量比率を60対40としたこと、融着不織布上への抄造繊維量を32g/mとしたこと、及び減圧吸引を5kPaとしたこと以外は実施例1と同様にして、セパレータ(目付:40g/m、厚さ:81μm)を製造した。このセパレータの物性は表2に示す通りであった。
(サイクル特性の評価)
まず、電極の集電体として、発泡ニッケル基材を用いたペースト式ニッケル正極(幅41mm、70mm長)とペースト式水素吸蔵合金負極(ミッシュメタル系合金、幅40mm、100mm長)とを製作した。
次いで、42mm幅、176mm長に裁断した実施例1〜4及び比較例1〜5の各セパレータを、それぞれ正極と負極との間に挟み、渦巻状に巻回して電極群を作製した。
次いで、これら電極群を外装缶に収納し、電解液として5N水酸化カリウム及び1N水酸化リチウムを外装缶に注液し、封緘して、容量がAA1600mAhの円筒型ニッケル−水素電池をそれぞれ作成した。
次いで、それぞれの円筒型ニッケル−水素電池の活性化を行った後、充電率0.1Cで120%充電し、15分間休止し、終止電圧0.8Vになるまで放電率0.2Cで充電させることを1サイクルとする充放電を繰り返し、放電容量が初期容量の80%未満となるまでに要する充放電サイクル数を測定した。この充放電サイクル数の測定は、それぞれ10個の電池について行い、その算術平均値をサイクル数とした。これらの結果は表1及び表2に示す通りであった。
(電気抵抗の測定)
実施例1〜4及び比較例1〜5の各セパレータを35mm角に切断して試験片を作製し、各試験片の質量(W)を測定した。次いで、各試験片を電解液(1.3d−KOH)に浸漬して質量(W)を測定し、次の式から電解液の保液率(Rr、単位:%)を算出した。
Rr=(W−W)/W
次に、ろ紙を用いて各試験片の電解液を吸い取り、各試験片の保液率が100%となるように調整した。
その後、各試験片を40mm角のニッケル板に挟み、上部から49Nの加重をかけ、ミリームメータで抵抗値(単位:Ω)を測定した。これらの結果は表1及び表2に示す通りであった。
Figure 0005094729
Figure 0005094729
表中、Aは目付(単位:g/m)、Bは厚さ(単位:μm)、Cは長手方向における引張り強さ(単位:N/50mm幅)、Dは単位目付あたりの引張り強さ(単位:N/50mm幅)、Eは平均流量孔径(単位:μm)、Fは最大孔径(単位:μm)、Gは(最大孔径/平均流量孔径)比、Hは地合指数、Iは層間剥離強度(単位:N)、Jはサイクル特性(単位:サイクル)、Kは保液率100%時の電気抵抗(単位:Ω)をそれぞれ意味する。なお、I(層間剥離強度)における×は極細繊維層内で剥離してしまい、測定不可能であることを意味し、−−は一層構造であることを意味する。
この表1及び表2の結果から、融着不織布を貼り合わせた比較例3のセパレータを使用した電池、融着不織布上に湿式繊維ウエブを積層した比較例4のセパレータを使用した電池、融着絡合不織布上に合成パルプを抄き上げた比較例5のセパレータを使用した電池のいずれも、セパレータが層構造であることがはっきりしており、層間を境として電解液が偏在し、電池内部の充放電時におけるセパレータの抵抗に相当する、保液率を100%と下げた時の電気抵抗が高く、サイクル特性が悪いものであった。
これに対して、本発明のセパレータを使用した電池は、極細繊維が融着繊維層に入り込んでいることによって層間の境がなく、電解液の偏在が生じにくいため、保液率を100%と下げた時の電気抵抗は若干高くなる程度で、サイクル特性に影響を与えない、電池寿命の長いものであった。
また、本発明のセパレータである実施例1〜4と一層構造である比較例1〜2との比較から、本発明のセパレータは薄いにもかかわらず、平均流量孔径及び最大孔径が小さく、地合指数の小さい地合いの優れるものであることによって、サイクル特性の優れるものであった。
実施例3と比較例6との比較から、第2融着繊維の存在により、単位目付あたりの引張り強さが向上するとともに、電解液の偏在が生じにくいため、電気抵抗が低くなり、サイクル特性に優れることがわかった。
実施例3と比較例8との比較から、極細繊維層内で剥離する程に、極細繊維が融着繊維層に入り込んでいることによって、電解液の偏在が生じにくいため、電気抵抗が低くなり、サイクル特性に優れることがわかった。
以上、本発明を特定の態様に沿って説明したが、当業者に自明の変形や改良は本発明の範囲に含まれる。

Claims (12)

  1. 第1融着繊維が融着した融着繊維層と、融着繊維層に隣接して、平均繊維径が5μm以下の極細繊維と第2融着繊維とを含み、第2融着繊維が融着した極細繊維層とを有し、前記極細繊維の一部は融着繊維層に入り込んでおり、前記融着繊維層と極細繊維層との層間剥離強度を測定しようとしても、極細繊維層内で剥離してしまい、前記層間剥離強度の測定が不可能であることを特徴とする、アルカリ電池用セパレータ。
  2. 極細繊維の平均繊維径が2μm以下である、請求項1に記載のアルカリ電池用セパレータ。
  3. 融着繊維層の目付が5〜30g/m、かつ極細繊維層の目付が1〜50g/mである、請求項1又は2に記載のアルカリ電池用セパレータ。
  4. 単位目付あたりの引張り強さが2N/5cm幅以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のアルカリ電池用セパレータ。
  5. 地合指数が0.1以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のアルカリ電池用セパレータ。
  6. 第1融着繊維及び第2融着繊維の融着と、極細繊維の融着繊維層への入り込みのみによって形態を維持している、請求項1〜5のいずれか一項に記載のアルカリ電池用セパレータ。
  7. 最大孔径/平均流量孔径の比が1.7以下である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のアルカリ電池用セパレータ。
  8. 第1融着繊維が融着した融着繊維シートを製造する工程、
    平均繊維径が5μm以下の極細繊維と第2融着繊維とを含むスラリーを形成する工程、
    前記融着繊維シート上に、前記スラリーを抄き上げて、極細繊維の一部を融着繊維シート内に入り込ませる工程、
    前記スラリーを抄き上げた融着繊維シートの第2融着繊維を融着して、極細繊維を固定する工程、
    を含むことを特徴とする、アルカリ電池用セパレータの製造方法。
  9. 融着繊維シートが湿式不織布からなる、請求項8に記載のアルカリ電池用セパレータの製造方法。
  10. 極細繊維の平均繊維径が2μm以下である、請求項8又は9に記載のアルカリ電池用セパレータの製造方法。
  11. 融着繊維シート上にスラリーを抄き上げる際に、融着繊維シートの抄き上げる面の反対面から吸引する、請求項8〜10のいずれか一項に記載のアルカリ電池用セパレータの製造方法。
  12. 請求項1〜7のいずれか一項に記載のアルカリ電池用セパレータを備えたアルカリ電池。
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