JP2003031200A - セパレータ材料とその製造方法およびこれを組み込んだ電池 - Google Patents

セパレータ材料とその製造方法およびこれを組み込んだ電池

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Abstract

(57)【要約】 【課題】湿式抄紙ウェブ作製時の離解処理におけるファ
イバーボール現象を引き起こすことなく分割処理するこ
とができ、不織布の緻密性および地合の均一性が良く電
解液やガスの通過を阻害することもなく、保液性にも優
れ、高い電池特性を有するセパレータ材料およびこれを
組み込んだ電池を提供する。 【解決手段】複数成分の異なるポリオレフィン系樹脂で
構成された分割型複合繊維5mass%以上75mass%以下
の範囲と、繊度を0.1dtex以上3dtex以下の範囲とす
る他のポリオレフィン系繊維95mass%以下25mass%
以上の範囲含有する湿式不織布からなり、前記分割型複
合繊維のうち少なくとも一部の繊維が分割されて略台形
形状の繊維断面を有する繊度0.5dtex未満の極細繊維
1を形成しており、かつ親水化処理されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリオレフィン系
分割型複合繊維を含有した不織布であって、アルカリ二
次電池、リチウムイオン二次電池、あるいは電気二重層
キャパシタ、コンデンサーなどの電気素子、あるいはイ
オン交換セパレータ(イオンキャッチャー)に用いられ
るセパレータ材料に関するものであって、特には、ニッ
ケル−カドミウム電池、ニッケル−亜鉛電池、ニッケル
−水素電池等のアルカリ二次電池用途において、優れた
耐ショート性能を有しつつ、且つ電池内部での内部抵
抗、内圧の抑制を可能にし、優れた充放電サイクル寿命
を有するセパレータ材料およびそれを用いた電池に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、セパレータ材料として、液保持
性、緻密性、耐ショート性の向上を図るため、複数のポ
リオレフィン系樹脂を構成単位とし、非相溶性の組み合
わせでその繊維断面において2種の異なる紡糸成分を環
の円周に沿って多数の構成部分を形成する如く放射線状
に交互に配置した分割型複合繊維を極細繊維に分割させ
たセパレータ材料が多数提案されている。例えば、特開
平7−153441号公報では、ポリオレフィン重合体
/エチレンビニルアルコール共重合体からなる分割型複
合繊維を水中で離解機を用いて分割し極細繊維を発生さ
せた後、湿式抄紙法によりウェブを形成し、コロナ放電
処理と常温カレンダー処理を施した電池セパレータ用不
織布が提案されている。特開平10−312786号公
報では、ポリオレフィン重合体/エチレンビニルアルコ
ール共重合体およびポリエチレン/ポリプロピレンから
なる繊維断面がオレンジ状(楔形)あるいは多重バイメ
タル型の2種類の分割型複合繊維を用い、湿式処理法に
よりウェブを作製した後、水流交絡処理により分割させ
て極細繊維を形成させた電池セパレータが提案されてい
る。特開平10−284042号公報では、ポリオレフ
ィン系極細繊維を発生可能な繊維断面がオレンジ状(楔
形)あるいは多重バイメタル型の分割型複合繊維を用
い、湿式処理法によりウェブを作製した後、水流交絡処
理により分割させて極細繊維を形成させた電池セパレー
タが提案されている。特開平11−350396号公報
では、少なくとも2本以上の楔状、略楕円状、円状、楕
円状、扁平状等の断面形状を有する極細繊維に分割可能
な分割型複合繊維からなる湿式抄造ウェブに熱融着処理
を施した後、融点以下の凹凸を有する線状加圧体によっ
て加圧処理を施して分割処理する電池セパレータ用不織
布が提案されている。特開2000−328367号公
報では、繊維外周弧の平均長さと中空部から繊維外周部
までの平均厚みとの比を規定したポリオレフィン系中空
分割型複合繊維からなるバッテリーセパレータ等に好適
な不織布が提案されている。特開2000−32834
8号公報では、繊維断面が屈曲、湾曲、もしくは扁平形
状であり、断面の長軸と短軸の比を規定したポリオレフ
ィン系異形断面分割型複合繊維からなるバッテリーセパ
レータなどに好適な不織布が提案されている。さらに、
特開平9−302563号公報では、繊維断面がオレン
ジ状(楔形)あるいは多重バイメタル型の分割型複合繊
維、あるいは海島型複合繊維を用い、含水状態下で超音
波照射して不織布表面の極細繊維を分散させ、不織布内
部に極細繊維束を混在させている電池セパレータ用不織
布が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記セ
パレータ材料には、以下のような問題がある。例えば、
特開平7−153441号公報では、ポリオレフィン重
合体/エチレンビニルアルコール共重合体からなる分割
型複合繊維が分割性に優れており、水中で離解機を用い
るとほとんどが分割して極細繊維を発現し分散されるの
で、極細繊維が不織布中に分散されて電解液及びガス通
過性には優れるものの、不織布内部まで緻密となった構
造となるため、電解液保持性が不十分であるとともに、
前記分割型複合繊維の構成繊維に占める割合が80重量
%以上であるため、スラリーでの分割後の極細繊維の絡
みつき(ファイバーボール現象)を引き起こし湿式抄紙
工程性に劣り、不織布の地合が乱れて均一な不織布が得
られなかったりする恐れがある。さらに、常温カレンダ
ー処理により厚み調整を行うだけなので、不織布幅方向
での厚み斑が生じたり、厚み調整後の不織布の厚みが復
元する(厚み回復)現象を引き起こし、不織布として一
定の品質が得られないなどの問題がある。
【0004】特開平10−312786号公報や特開平
10−284042号公報では、ポリオレフィン系のオ
レンジ状(楔形)あるいは多重バイメタル型の分割型複
合繊維を用いているので、分割性が他の構成の分割型複
合繊維に比べ低く、水流交絡処理において10MPa以上
の高水圧を噴射して分割させて極細繊維を形成させる必
要があり、高水圧になればなるほどウォーターマーク
(ノズルの筋跡)が形成されやすく、ウォーターマーク
により不織布の最大孔径を大きくなるため、均一な不織
布が得られず、耐ショート性に劣る恐れがある。さら
に、分割後の繊維断面形状が横長な形状となり、不織布
の進行方向に横たわる傾向があり、繊維間空隙を閉塞す
る問題がある。
【0005】特開平11−350396号公報では、融
点以下の凹凸を有する線状加圧体によって加圧処理を施
し分割処理を試みているが、不織布が凹凸模様となるの
で、厚みが不均一となって耐ショート性に劣る問題があ
る。
【0006】特開2000−328367号公報や特開
2000−328348号公報では、バッテリーセパレ
ータ等に好適なポリオレフィン系中空分割型複合繊維あ
るいはポリオレフィン系異形断面分割型複合繊維を提案
しているが、いずれも分割性を向上させるために繊維形
状を規定するものであって、電池セパレータとしてはい
まだ改良の必要がある。
【0007】特開平9−302563号公報では、超音
波照射による分割処理では、分割性が不十分であり、分
割を促進させるために照射を多くすると繊維表面の油剤
が脱落してしまい抄紙時の分散性が悪くなり、均一な不
織布が得られない問題がある。
【0008】本発明は、前記従来の問題を解決するた
め、湿式抄紙ウェブ作製時の離解処理におけるファイバ
ーボール現象を引き起こすことなく分割処理することが
でき工程性に優れ、不織布の緻密性および地合の均一性
に優れるとともに、電解液やガスの通過を阻害すること
がなく、保液性にも優れているので、高い耐ショート性
を有しつつ、電池内部での内部抵抗、内圧の抑制を可能
にし、長期の充放電サイクル寿命を有するセパレータ材
料およびこれを組み込んだ電池を提供することを目的と
する。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記課題を
克服するセパレータ材料につき鋭意検討した結果、セパ
レータ材料に用いる分割型複合繊維の分割後の断面形状
に着目し、湿式抄紙ウェブ作製時の離解処理、水流交絡
処理、およびプレス処理のうち少なくとも1つの処理に
より分割型複合繊維を分割させて略台形形状の極細繊維
を発現させ、他のポリオレフィン系繊維とを所望の範囲
で分散させることにより上記課題を解決することを見出
した。
【0010】すなわち、本発明のセパレータ材料は、複
数成分の異なるポリオレフィン系樹脂で構成された分割
型複合繊維5mass%以上75mass%以下の範囲
と、繊度を0.1dtex以上5dtex以下の範囲と
する他のポリオレフィン系繊維95mass%以下25
mass%以上の範囲含有する湿式不織布からなり、前
記分割型複合繊維のうち少なくとも一部の繊維が分割さ
れて略台形形状の繊維断面を有する繊度0.5dtex
未満の極細繊維を形成しており、かつ前記湿式不織布が
親水化処理されていることを特徴とする。かかる構成と
することにより、湿式抄紙ウェブ作製時の離解処理にお
いて、分割し発現した極細繊維同士、および極細繊維と
他の繊維による絡みつきに伴うファイバーボール現象を
引き起こすことなく分割処理することができ工程性に優
れ、不織布の緻密性および地合の均一性に優れるととも
に、電解液やガスの通過を阻害することがなく、保液性
にも優れているので、優れた耐ショート性を有しつつ、
電池内部での内部抵抗、内圧の抑制を可能にし、優れた
充放電サイクル寿命を有するセパレータ材料を得ること
ができる。
【0011】前記分割型複合繊維は、繊維断面の中央部
が中空部分である中空分割型複合繊維であることが好ま
しい。かかる形態を採ることにより、湿式抄紙ウェブ作
製時の離解処理、水流交絡処理、およびプレス処理のう
ち少なくとも1つの処理により容易に分割させることが
できる。
【0012】前記ポリオレフィン系樹脂は、ポリメチル
ペンテン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン
系樹脂、およびエチレン−ビニルアルコール系樹脂から
選ばれた異なる2成分であることが好ましい。
【0013】前記他のポリオレフィン系繊維は、分割型
複合繊維を構成する成分の融点よりも10℃以上低い融
点を持つポリオレフィン系樹脂を1成分とし、前記1成
分が少なくとも繊維表面の20%を占める熱接着性繊維
を含有することが好ましい。かかる構成を採ることによ
り、極細繊維と他のポリオレフィン系繊維とで形成され
た不織布の繊維間空隙を維持しつつ、繊維同士を熱接着
することができる。
【0014】前記親水化処理がスルホン化処理である
と、電池セパレータとして用いたとき、電池の自己放電
性を改良することができ、好ましい。
【0015】次に本発明のセパレータ材料の製造方法
は、複数成分の異なるポリオレフィン系樹脂で構成され
た繊維長2mm以上、20mm以下の範囲からなる分割
型複合繊維5mass%以上75mass%以下の範囲
と、繊度を0.1dtex以上5dtex以下の範囲と
し、繊維長3mm以上25mm以下の範囲からなる他の
ポリオレフィン系繊維95mass%以下25mass
%以上の範囲で含有する繊維ウェブを湿式抄紙して得ら
れる湿式不織布に親水化処理する製造方法であって、湿
式抄紙前に離解処理する工程、および湿式抄紙後に水流
交絡処理する工程から選ばれる少なくとも1つの工程を
施した後、親水化処理を施し、その後、プレス処理を施
して、前記分割型複合繊維のうち少なくとも一部の繊維
を分割させて略台形形状の繊維断面を有する繊度0.5
dtex未満の極細繊維を形成することを特徴とする。
【0016】前記方法においては、プレス処理が、40
℃より高く、前記構成繊維の溶融する温度より30℃以
上低い温度の一対のカレンダーロールを用いて、前記不
織布を線圧150N/cm以上、150N/cm以下の
範囲で加圧するカレンダーロール処理であることが好ま
しい。
【0017】次に本発明の電池は、前記のいずれかのセ
パレータ材料、または前記のいずれかの方法で得られた
をセパレータ材料を組み込んだことを特徴とする。
【0018】前記セパレータ材料を組み込んだ電池は、
特にニッケル−カドミウム電池、ニッケル−亜鉛電池、
ニッケル−水素電池等のアルカリ二次電池用途におい
て、優れた耐ショート性能を有しつつ、且つ電池内部で
の内部抵抗、内圧の抑制を可能にし、優れた充放電サイ
クル寿命を有する。
【0019】以下、本発明の内容を具体的に説明する。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる分割型複合繊
維は、分割後の繊維断面が略台形形状を有する繊度0.
5dtex未満の極細繊維を発現させるものであれば特に限
定されない。分割後の繊維断面が略台形形状とすること
により、従来のオレンジ状あるいは多層バイメタル状の
繊維断面に比べ、繊維間空隙を大きくすることができ、
電解液保持性や電解液及びガスの通過性を妨げることが
ない。また、海島型複合繊維により得られる円形形状の
繊維断面ほど繊維間空隙が小さくないので、異物による
セパレータの破損を抑制し、耐ショート性を向上させる
ことができる。ここでいう略台形形状を有する極細繊維
とは、図1に示すように、極細繊維1の繊維断面におい
て、少なくとも2辺以上の長さが異なる四角形状の繊維
断面のものを指し、辺がラウンドしていたり、細かな凹
凸があったり、また角が丸まっていたり、尖っていたり
したものであっても全体形状が台形状であるものも含む
概念である。分割後の極細繊維の繊度を0.5dtex未満
とすることにより、不織布の緻密化を可能とし、耐ショ
ート性を向上させることができるだけでなく、繊維の比
表面積を向上させて、スルホン化処理やコロナ放電処理
などの親水化処理において比較的弱い条件で処理して
も、十分な親水性を得ることができ、電池のサイクル寿
命を向上させ、内圧、内部抵抗の上昇を抑制することが
できる。また、親水化処理による不織布の強力劣化を抑
制することができる。より好ましい分割後の繊度の下限
は、0.03dtex以上である。より好ましい分割後の繊
度の上限は、0.4dtex以下である。
【0021】上記を満たす分割型複合繊維としては、例
えば、図2に示すような第1成分2と第2成分3とから
なる分割型複合繊維の繊維断面が中空部分4を有するも
の、図3に示すような第1成分2と第2成分3とからな
る分割型複合繊維の繊維断面がC型断面のもの等が挙げ
られる。なかでも、繊維断面において複数成分のうち少
なくとも1成分は2個以上に区分されており、各成分は
各々が繊維断面の構成単位となっており、各構成単位は
互いに異なる成分の構成単位と隣接し、且つ全ての各構
成単位はその1部を繊維表面に露出しており、その中心
部に空間を有している構造からなる中空分割型複合繊維
であることが好ましい。中空分割型複合繊維によれば、
従来の図4(a)に示すオレンジ状、あるいは図4
(b)に示す多層バイメタル状の繊維断面の分割型複合
繊維に比べ、分割性に優れており、湿式抄紙ウェブ作製
時の離解処理、水流交絡処理、およびプレス処理のうち
少なくとも1つの処理により容易に分割させることがで
き、特に好ましい。前記中空分割型複合繊維の最も好ま
しい分割処理は、離解処理および水流交絡処理から選ば
れる少なくとも1処理を施した後、プレス処理を施すこ
とである。また、分割型複合繊維の分割数は、分割発現
後の極細繊維の断面形状や紡糸性を考慮すると、4〜2
0であることが好ましい。
【0022】前記分割型複合繊維を分割発現させること
により得られる極細繊維の形状としては、図3または図
4に示すように、略台形形状における4つの角を直線で
結び四角形を作成したとき、辺の長さの最も短いものを
短辺5とし、辺の長さの最も長いものを長辺6とし、短
辺5と長辺6との比(短辺/長辺)は、0.1以上、
0.9以下であることが好ましい。より好ましい短辺/
長辺の比の下限は、0.2以上である。より好ましい短
辺/長辺の比の上限は、0.6以下である。短辺/長辺
の比が0.1未満であると、分割型複合繊維を構成する
一方の成分が他方の成分にほとんど被覆されたようにな
り、分割性に劣ったり、繊維断面形状が従来のオレンジ
型分割型複合繊維を分割させた楔形形状、あるいは多重
バイメタル型分割型複合繊維を分割させた略長方形形状
に近くなるため、繊維自体が不織布の進行方向に横たわ
り易い傾向にあるため、電極等のバリや充放電の繰り返
しにより発生するデンドライドなど異物によるセパレー
タを破損を抑制し、耐ショート性を向上するものの、不
織布の厚み方向への連続孔が少なくなり、電解液及びガ
ス通過性が得られない。短辺/長辺の比が0.9を超え
ると、繊維断面が正方形に近づくので、略台形形状の極
細繊維に比べ、繊維の比表面積が減少し、後述する親水
化処理による改質度合いに劣る傾向である。なお、辺の
長さは、電子顕微鏡を用い、500倍以上に拡大して確
認することができる。
【0023】前記分割型複合繊維に用いられる複数成分
の異なるポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリ
メチルペンテン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエ
チレン系樹脂、エチレン-ビニルアルコール系樹脂など
の重合体あるいは共重合体を挙げることができる。特に
は、融点が100℃以上、好ましくは110℃以上のポ
リオレフィン系樹脂を用いると、耐熱性の面で優れ都合
が良い。
【0024】前記ポリメチルペンテン系樹脂としては、
4−メチルペンテン−1と例えばエチレン、プロピレ
ン、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、デカン
−1、テトラデカン−1、オクタデカン−1等の炭素数
2〜20、好ましくは8〜18のα−オレフィンの1種
または2種との共重合体が挙げられ、通常4−メチルペ
ンテン−1を85モル%以上含んでいれば良い。
【0025】前記ポリプロピレン系樹脂としては、ホモ
ポリプロピレン、エチレン含有量が1〜20mol%のエ
チレン-プロピレン共重合体などの炭素数2〜8のα−
オレフィンとプロピレンとの共重合体などが挙げられ
る。ASTM−D−1238(230℃、21.18
N)に準ずるメルトフローレート(MFR)が5g/10mi
n以上、60g/10min以下の樹脂を用いると、紡糸性に優
れ都合がよい。より好ましいMFRの下限は10g/10mi
n以上である。より好ましいMFRの上限は40g/10min
以下である。
【0026】前記ポリエチレン系樹脂としては、高密度
ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエ
チレン、メタロセン触媒を用いたポリエチレンなどが挙
げられるが、高密度ポリエチレンが不織布強力、耐突き
刺し性、あるいは電池内部での温度上昇への対応力の点
で好ましい。ASTM−D−1238(190℃、2
1.18N)に準ずるメルトフローレート(MFR)が
5g/10min以上、60g/10min以下の樹脂を用いると、紡
糸性に優れ都合がよい。より好ましいMFRの下限は1
0g/10min以上である。より好ましいMFRの上限は4
0g/10min以下である。
【0027】前記エチレン-ビニルアルコール系樹脂と
しては、エチレン含有量が30mol%以上、70mol%以
下であることが好ましい。より好ましいエチレン含有量
は、35mol%以上である。より好ましいエチレン含有
量は、50mol%以下である。エチレン含有量が30mol
%未満であると、繊維製造時の延伸性に劣り、エチレン
含有量が70mol%を超えると、繊維自体の親水性に劣
るからである。ASTM−D−1238(210℃、2
1.18N)に準ずるメルトフローレート(MFR)が
1g/10min以上、50g/10min以下の樹脂を用いると、紡
糸性に優れ都合がよい。より好ましいMFRの下限は1
0g/10min以上である。より好ましいMFRの上限は3
0g/10min以下である。
【0028】前記ポリオレフィン系樹脂を組み合わせと
しては、ポリ4−メチルペンテン−1/ポリプロピレ
ン、ポリ4−メチルペンテン−1/高密度ポリエチレ
ン、ポリプロピレン/高密度ポリエチレン、ポリプロピ
レン/エチレン-ビニルアルコール共重合体が挙げられ
る。なかでも、ポリ4−メチルペンテン−1/ポリプロ
ピレン、ポリプロピレン/高密度ポリエチレンの組み合
わせが、後述するスルホン化処理において高度にスルホ
ン化できるとともにスルホン化後の繊維強度の低下を極
力抑えることができ好ましい。また、前記ポリオレフィ
ン系樹脂には、分割促進剤、滑剤、核剤などを必要に応
じて添加してもよい。また、前記分割型複合繊維の各成
分の容積比率も、特に限定するものではないが、1つの
成分を少なくとも2分割できるだけの量があればよく、
例えば2成分なら8/2〜2/8、好ましくは6/4〜
4/6である。
【0029】前記中空分割型複合繊維における繊維断面
中央部分の中空率は、特に限定されないが、5〜35vo
l.%であることが好ましい。より好ましくは10〜30
vol.%であり、さらに好ましくは15〜25vol.%であ
る。中空率が5vol.%未満であると弱い物理的衝撃での
分割性に劣り、セパレータ材料としての十分な電解液保
持性、緻密性、及び耐ショート性が得られない。中空率
が35vol.%を超えると、分割型複合繊維の生産性の点
から困難となる。
【0030】例えば、前記中空分割型複合繊維は、以下
の方法で製造することができる。前記2成分は公知の溶
融紡糸機で、中空分割型複合ノズルを用いて溶融紡糸す
ることができる。このとき中空分割型複合繊維の中空
率、分割後の極細繊維の繊維断面形状、及び分割性を考
慮し、それぞれの樹脂の溶融粘度を押出機のせん断力や
紡糸温度などを調整して、繊維断面において中空率が小
さくなったり、1方の成分が他成分を巻き込んだりしな
いようにセクションを調整することが好ましい。次い
で、紡糸フィラメント(未延伸糸)は、必要に応じて延
伸され、熱媒中にて80〜150℃、延伸倍率1.5〜
10倍程度の条件で延伸される。
【0031】得られた延伸フィラメントは、必要に応じ
て繊維処理剤が付与され、捲縮付与処理が施され、所定
の繊維長に切断されて得られる。繊維長は、得ようとす
る繊維ウェブの形態によって調整するとよいが、特に後
述する湿式抄紙法による繊維ウェブを用いることが好ま
しく、2mm以上、20mm以下とすることが好ましい。さ
らに、不織布形成時の抄紙性、地合いの確保、分割型複
合繊維の離解機による分割性などを考慮すると、繊維長
の下限は3mm以上であることがより好ましい。繊維長の
上限は10mm以下とすることがより好ましい。
【0032】本発明のセパレータ材料における前記分割
型複合繊維の含有量は、5mass%以上、75mass%以下
である。より好ましい含有量の下限は、20mass%以上
である。より好ましい含有量の上限は、50mass%以下
である。分割型複合繊維の含有量が5mass%未満である
と、繊維間空隙によって得られる不織布の平均孔径が大
きくなり緻密性が損なわれるので、セパレータ材料とし
て耐ショート性が劣る傾向にある。分割型複合繊維の含
有量が75mass%を超えると、湿式抄紙工程のスラリー
調製時の離解処理において、未分割の分割型複合繊維が
スラリー表面に浮遊して(浮き種現象)工程性に劣るだ
けでなく、分割し発現した極細繊維同士および極細繊維
と他の繊維とが絡みつき、ファイバーボール現象を引き
起こしたりして、地合の均一な不織布が得られないばか
りか、必要以上に緻密な不織布となるため、電池内部で
の充放電時に電解液及びガスの通過性が悪くなり、内
圧、内部抵抗が上昇しサイクル寿命が悪くなる傾向とな
る。
【0033】次に、前記分割型複合繊維以外に含有する
他のポリオレフィン系繊維としては、繊度を0.1dtex
以上、5dtex以下とするものが用いられる。より好まし
い繊度の下限は0.4dtex以上である。より好ましい繊
度の上限は2dtex以下である。繊度が0.1dtex未満で
あると、溶融紡糸での繊維化が困難となり、湿式抄紙工
程での離解時に単繊維が切断したり、ファイバーボール
となったり工程性に劣る傾向となる。繊度が5dtexを超
えると、不織布の緻密性が損なわれ、電池に組み込んだ
ときのショート率が高くなる傾向となる。
【0034】前記分割型複合繊維における分割発現した
略台形形状の繊維断面を有する極細繊維の繊度をD1と
し、他のポリオレフィン系繊維を構成する繊維群のうち
最も繊度の大きいポリオレフィン繊維の繊度をD2とし
たとき、D2とDlとの比(D2/D1)が4以上、6
0以下の範囲を満たすことが好ましい。より好ましいD
2/D1の下限は8以上である。より好ましいD2/D
1の上限は30以下である。本発明によれば、不織布が
極細繊維で構成しているため、不織布に緻密な内部空間
を得ることができるが電解液及びガス通過性が低下する
恐れのある場合に、略台形形状の繊維断面を有する極細
繊維と他のポリオレフィン系繊維との間に所望の繊度差
を設けることにより、極細繊維間に適度な空間を確保す
ることができ、優れた電解液及びガス通過性、及び保液
性を得ることができる。D2とD1との比(D2/D
1)が4未満であると、不織布自体が緻密になりすぎて
極細繊維間に適度な空間を確保することができず、電解
液及びガス通過性、あるいは保液性を調整することが困
難となる恐れがある。D2とD1との比(D2/D1)
が60を超えると、不織布の内部空聞の大きさに隔たり
を生じる恐れがあり、安定した電解液及びガス通過性が
得にくい恐れがあるだけでなく、極細繊維の繊度が小さ
くなりすぎた場合、湿式抄紙時にファイバーボールを形
成する恐れがあり、逆にポリオレフィン系繊維の繊度が
大きくなりすぎた場合、電池に組み込んだ際にショート
を引き起こす恐れがある。
【0035】他のポリオレフィン系繊維として、分割型
複合繊維を構成する成分の融点よりも10℃以上低い融
点を持つポリオレフィン系樹脂を1成分とし、前記1成
分が少なくとも繊維表面の20%を占める熱接着性繊維
を含有すると、不織布の引張強力を向上、あるいは異物
に対する耐突き刺し性を向上させることができ、しかも
繊度の異なった繊維で不織布が形成されるので、繊維間
空隙のランダム度合いが向上するとともに、不織布の緻
密性をも維持することができ、好ましい。熱接着性繊維
としては、前記分割型複合繊維を構成する樹脂が実質的
に溶融しない温度で溶融可能なポリオレフィン系樹脂を
採用すればよく、ポリプロピレン、エチレン−プロピレ
ン共重合体、エチレン−ブテン−1−プロピレン共重合
体、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、エチレ
ン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル
共重合体などが挙げられ、その繊維形態としては、単一
形態、鞘芯型、偏心鞘芯型、並列型、分割型、海島型な
どの複合形態、形状も円形、異形、中空などいずれであ
ってもよい。なかでも、鞘成分を分割型複合繊維を構成
する樹脂が実質的に溶融しない温度で溶融可能な低融点
ポリオレフィン系樹脂とし、芯成分を鞘成分の融点より
10℃以上高い融点を有する高融点ポリオレフィン系樹
脂とした繊維表面を鞘成分で完全に覆った鞘芯型複合繊
維が好ましく、具体的には、エチレン−プロピレン共重
合体/ポリプロピレン、高密度ポリエチレン/ポリプロ
ピレン、低密度ポリエチレン/ポリプロピレンの組み合
わせが挙げられ、高密度ポリエチレン/ポリプロピレン
の組み合わせが熱接着強力に優れ、好ましい。なお、融
点はJIS−K−7122(DSC法)に準じ測定した
ものをいう。
【0036】前記ポリオレフィン系熱接着性繊維の繊度
としては、0.4dtex以上、5dtex以下であることが好
ましい。繊度が0.4dtex未満であると、接着点が増え
すぎて繊維間空隙を閉塞してしまう恐れがあり、繊度が
5dtexを超えると、繊維間空隙が大きくなりすぎ、電解
液保持性、電池特性の低下を引き起こす恐れがあるから
である。また、繊維長としては、3mm以上、25mm以下
のものを用いることが好ましい。
【0037】前記熱接着性繊維以外にも、電極等のバリ
やデントライドなど異物によるショートを抑制するとい
う観点から、繊維強度が4cN/dtex以上の高強度ポリオ
レフィン系繊維を含有させることが好ましく、繊維強度
が7cN/dtex以上の高強度ポリオレフィン系繊維を含有
させることがより好ましい。繊維強度を4cN/dtex以上
とすることにより、不織布の耐突き刺し性および引張強
さが向上させることができる。前記繊維強度を満たすポ
リオレフィン系繊維としては、ポリプロピレン、超高分
子量ポリエチレンなどが挙げられる。前記高強度ポリオ
レフィン系繊維の繊度としては、0.1dtex以上、1.
5dtex以下であることが好ましい。繊度が0.1dtex未
満であると、溶融紡糸での繊維化が困難となり、湿式抄
紙工程での離解時に単繊維が切断したり、ファイバーボ
ールとなったり工程性に劣る傾向となる。繊度が1.5
dtexを超えると、繊維間空隙が大きくなりすぎ、電解液
保持性、電池特性の低下を引き起こす恐れがあるからで
ある。前記高強度ポリオレフィン系繊維の繊維形態とし
ては、繊維強度を満たしていれば単一形態、複合形態、
形状も円形、異形、中空などいずれであってもよい。ま
た、繊維長としては、3mm以上、25mm以下のものを用
いることが好ましい。
【0038】前記他のポリオレフィン系繊維の含有量
は、95mass%以下、25mass%以上である。より好ま
しい含有量の上限は、80mass%以下である。より好ま
しい含有量の下限は、50mass%以上である。他のポリ
オレフィン系繊維の含有量が95mass%を超えると、略
台形形状を有する極細繊維の含有量が少なくなるので、
繊維間空隙が大きくなり過ぎ、電解液保持性および電池
特性の低下を引き起こす恐れがある。含有量が25mass
%未満であると、略台形形状を有する極細繊維の含有量
が多くなるので、必要以上に緻密な不織布となり、電池
内部での充放電時に電解液及びガスの通過性が悪くな
り、内圧、内部抵抗が上昇しサイクル寿命が低下する恐
れがある。
【0039】また、他のポリオレフィン系繊維として
は、ポリオレフィン系熱接着性繊維または高強度ポリオ
レフィン系繊維の単独であってもよいが、併用するとセ
パレータ材料として縦方向(機械方向)及び横方向(幅
方向)の引張強力、破断伸度を所望の範囲で得ることが
でき、好ましい。熱接着性繊維と高強度ポリオレフィン
系繊維との混合比(熱接着性繊維/高強度ポリオレフィ
ン系繊維)は、1/10以上、10/1以下であること
が好ましい。より好ましい混合比の下限は、1/2以上
である。より好ましい混合比の上限は、5/1以下であ
る。ポリオレフィン系熱接着性繊維の割合が多くなる
と、接着点が多くなり過ぎ、繊維間空隙を閉塞してしま
う恐れがあり、ポリオレフィン系熱接着性繊維の割合が
少なくなると、不織布縦方向の引張強力が低下し、電池
作製時の巻回性に劣る傾向にある。
【0040】前記湿式不織布は、以下の方法で製造する
ことができる。まず、前記繊維からなる繊維ウェブの形
態としては、湿式抄紙法による湿式抄紙ウェブが不織布
の緻密性や均一性、分割型複合繊維の分割性などの観点
で用いられる。そして、湿式抄紙法によれば前記分割型
複合繊維を含有する水分散スラリーを調整する際に、離
解機を用いて分割型複合繊維の少なくとも一部を分割さ
せて、繊度0.5dtex未満の極細繊維を発現させること
ができる。前記離解機としては、パルパー、チェスト、
リファイナー等が挙げられる。なかでも、パルパーが撹
拌時間、回転数で制御することによって分割型複合繊維
の分割性を調整することができ、好ましい。湿式抄紙段
階での分割率は、50%以上、90%以下であることが
好ましい。分割率が50%未満であると、最終的に得ら
れる不織布全体の緻密性が損なわれ、後述する親水化処
理において均一な処理が困難となる。特に中空分割型複
合繊維であれば、未分割の繊維がスラリーに大量に浮遊
するため、抄紙工程性にも劣る。分割率が90%を超え
ると、分割が促進され過ぎて、ファイバーボールとなり
易く、均一な不織布が得られない恐れがある。
【0041】湿式抄紙法により得られた湿式抄紙ウェブ
は、シリンダードライヤーなどの熱処理機を用いて乾燥
して不織布となす。このとき、構成繊維の一部を溶融さ
せて接着させると、不織布強力が向上し、取り扱い性に
優れ、好ましい。
【0042】次いで、前記不織布を形成した後、必要に
応じて水流交絡処理が施される。水流交絡処理を施すこ
とにより、未分割の分割型複合繊維を分割させて極細繊
維を発現させるとともに繊維同士の交絡を向上させるこ
とができる。水流交絡処理は、孔径0.05〜0.5mm
のオリフィスが0.5〜1.5mmの間隔で設けられたノ
ズルから、水圧10MPa未満の柱状水流を不織布の表裏
にそれぞれ1回以上噴射するとよい。水圧が10MPaを
超えると、ウォーターマークが形成される恐れがある。
得られた交絡不織布は、乾燥と同時に熱接着性繊維の低
融点成分を軟化、溶融させて構成繊維同士を熱接着させ
るとよい。
【0043】次いで、40℃より高く、不織布を構成す
る繊維の溶融する温度より30℃以上低い温度の1対の
プレス機を用いて、前記不織布を厚みが50μm以上、
250μm以下となるようにプレスされることが好まし
い。かかる処理を施すことにより、未分割の分割型複合
繊維を分割させて極細繊維を発現させるとともに所望の
厚みに調整することができる。1対のプレス機として
は、ロール型、平板型などが挙げられるが、生産性を考
慮すると平ロール型のカレンダー加工機を用いることが
好ましい。より好ましい加工温度の下限は、50℃より
高い温度である。より好ましい加工温度の上限は、不織
布を構成する繊維の溶融する温度より50℃以上低い温
度である。加工温度が低すぎると、不織布の幅方向で厚
み斑が生じたり、加工後不織布の厚みが復元する(厚み
回復)現象を引き起こしたりする恐れがある。加工温度
が構成繊維の溶融する温度より30℃低い温度を超える
と、不織布表面の繊維間空隙が閉塞され、電解液及びガ
ス通過性を低下させる恐れがあるだけでなく、後述する
スルホン化処理などの親水化処理により付与された親水
基の劣化して、減衰する恐れがある。
【0044】また、プレス処理における線圧は、150
N/cm以上、1500N/cm以下であることが好ましい。よ
り好ましい線圧の下限は、200N/cmである。さらに好
ましい線圧の下限は、300N/cmである。より好ましい
線圧の上限は、1000N/cmである。さらに好ましい線
圧の上限は、800N/cmである。線圧が150N/cm未満
であると、厚み加工が不安定になる恐れがあり、線圧が
1500N/cmを超えると、不織布表面がフィルム化し易
い傾向となり、ガス及び電解液通過性に支障をきたす恐
れがある。
【0045】このようにして得られた湿式不織布におけ
る分割型複合繊維の分割率は、80%以上であることが
好ましい。より好ましくは、85%以上である。分割率
が80%未満であると、未分割の分割型複合繊維が多数
存在することとなり、繊維間空隙が大きく、電解液の保
持性、電池特性の低下を引き起こす恐れがある。
【0046】さらに、不織布の厚みは、50μm以上、
250μm以下であることが好ましく、より好ましい厚
みの下限は、80μm以上である。より好ましい厚みの
上限は、150μm以下である。厚みが50μm未満と
する場合、例えば目付の大きい不織布から得ようとする
と、電解液及びガス通過性が悪くなり、内部抵抗、内圧
が上昇する傾向にある。目付の小さい不織布から得よう
とすると、耐ショート性に劣るだけでなく、不織布の伸
度が大きくなり厚み加工時の工程性や電池組み込み時で
の工程性に劣る。厚みが250μmを超えると、電極間
距離が大きくなり、十分な充放電特性が得られなくなる
からである。
【0047】さらに、前記プレス処理を施す前に不織布
に親水化処理を施してもよい。親水化処理方法として
は、例えば、スルホン化処理、コロナ放電やプラズマ放
電などの放電処理、グラフト重合処理、フッ素ガス処理
などが挙げられるが、特にスルホン化処理が電池の自己
放電を抑制するのに寄与し、好ましい。スルホン化処理
は、繊維表面にスルホン基を導入する表面処理であっ
て、無水硫酸処理、発煙硫酸処理、フッ素/亜硫酸ガス
処理、熱濃硫酸処理などで特に限定するものではない。
また、スルホン化処理のみで、初期の電解液の親和性が
不十分であれば、フッ素ガス処理、コロナ放電処理、界
面活性剤処理、オゾンガス処理などの他の親水化処理を
スルホン化処理前後に施してもよい。
【0048】かくして得られた本発明のセパレータ材料
は、目付が20〜70g/m2であることが好ましく、より
好ましくは30〜60g/m2の範囲である。目付が20g/
m2未満であると、所望の耐ショート性、緻密性を得るの
が困難になり、70g/m2を超えると、通気度が小さくな
り内部抵抗、内圧が上昇してしまう傾向にある。
【0049】以下、本発明のセパレータ材料の製造方法
における具体的な1例を示す。まず、前記中空分割型複
合繊維と、鞘成分を低融点オレフィン系重合体として、
芯成分を高融点オレフィン系重合体とした熱接着性複合
繊維と、必要に応じて高強度ポリオレフィン系繊維とを
所望の範囲で混合して、0.01〜0.6mass%の濃度
になるように水に分散させ、水分散スラリーを調製す
る。そして、前記中空分割型複合繊維は、弱い衝撃力に
おいても分割性に優れているため、スラリー調整時にパ
ルパーなど離解機を用いて分割させる。次いで、水分散
スラリーは、短網式、円網式、長網式、あるいはいずれ
かを組み合わせた湿式抄紙機を用いて湿式抄紙される。
次いで、含水状態の湿式抄紙ウェブをシリンダードライ
ヤーなどの熱処理機を用いて、乾燥と同時に熱接着性複
合繊維の鞘成分を溶融させて熱接着処理を施した後、ワ
インダーで紙管に巻き取り、目付が20〜70g/m2の不
織布を得る。このとき分割型複合繊維の分割率が50%
未満であれば、さらに水流交絡処理を施して分割率を向
上させることができる。
【0050】次いで、前記不織布には、スルホン化処理
が施される。例えば、無水硫酸処理であれば、10%以
下の低濃度の無水硫酸ガス雰囲気下に不織布を通過さ
せ、表面の残留硫酸成分をアルカリ溶液中で中和処理
し、温水洗浄、乾燥させて処理するとよい。フッ素/亜
硫酸ガス処理であれば、低濃度のフッ素、亜硫酸ガスの
混合ガス中に通過させ、同じくアルカリ中和、温水洗
浄、乾燥させて処理するとよい。また、初期の電解液の
親和性を高めるためスルホン化処理前後に他の親水化処
理を施してもよい。例えば、界面活性剤処理であればノ
ニオン系活性剤の溶液中に不織布を浸漬したり、この溶
液を不織布に塗布して付着させるとよい。
【0051】しかる処理を施した後、40℃より高く、
構成する繊維が溶融する温度より30℃以上低い温度で
カレンダーロール処理を施して、厚みを50μm以上、
250μm以下となるように線圧を150N/cm以上
1500N/cm以下の範囲で加圧し調整するととも
に、不織布中に未分割の分割型複合繊維が残存していれ
ば、同時に分割させて本発明のセパレータ材料が得られ
る。
【0052】
【実施例】以下、本発明の具体例を実施例により説明す
る。なお、各種性能は以下の方法により測定した。
【0053】[厚み]175kPa荷重(JIS−B−7
502に準じたマイクロメーターによる測定)により、
3枚の試料のそれぞれ異なる10箇所で厚みを測定し、
計30箇所の平均値を求めた。
【0054】[通気度]フラジール型試験機を用いて、
JIS−L−1096に準じて測定した。
【0055】[円筒型密閉ニッケル水素電池の製造]負
極は、水素吸蔵合金、カルボニルニッケル、カルボキシ
メチルセルロース(CMC)、ポリテトラフルオロエチ
レン(PTFE)に水を加え混練りしスラリーを調整し
た。このスラリーをニッケルメッキしたパンチングメタ
ルに浸漬塗りした後80℃で乾燥し、加圧成型して水素
吸蔵合金負極を作成した。正極は、公知の焼結式ニッケ
ル極を使用した。上記の負極、正極間に各セパレータを
挟み電槽缶に挿入し、電解液を注液することで、円筒形
密閉ニッケル水素電池を作成した。
【0056】[内部抵抗]3225ミリオーム計(日置
電気(株)製)を使用し、周波数1KHzのインピーダン
ス抵抗で円筒形密閉ニッケル水素電池の抵抗値を測定し
た。
【0057】[サイクル寿命]前記作成した円筒型密閉
ニッケル水素電池を、充電0.1C率で12時間、休止
0.5時間、放電0.1C率で終止電圧1.0Vとし、
10サイクル充放電を繰返し、電池初期活性を行った。
初期活性を行った。
【0058】次いで、円筒型密閉ニッケル水素電池を、
充電1.0C率で、1.1時間、休止1.0時間、放電
1.0C率(終止電圧1.0V)で理論容量に対する利
用率が80%以下になったときのサイクル数を求めた。
充放電は25℃で行った。
【0059】[実施例1]4−ポリメチルペンテン−1
を第1成分、MFR32の結晶性ポリプロピレンを第2
成分として、紡糸温度を第1成分を300℃、第2成分
を260℃、引取速度600m/minで溶融紡糸し、未延
伸繊度5.5dtexの中空未延伸糸フィラメントを得た。
その中空未延伸糸フィラメントを延伸温度110℃、延
伸倍率3.5倍で繊度1.8dtex、分割後繊度約0.2
3dtex、繊維長6mm、中空率22.2%、短辺/長辺の
比が約0.47の中空8分割型複合繊維を得た(図1参
照)。
【0060】さらに、ポリオレフィン系熱接着性繊維と
して、芯成分を結晶性ポリプロピレン、鞘成分を高密度
ポリエチレンとした繊度2.2dtex、繊維長6mm、鞘成
分の融点132℃の複合繊維(大和紡績(株)製、NB
F(H))を準備し、高強度ポリオレフィン系繊維とし
て、繊度1.1dtex、繊維長10mm、繊維強度8cN/dte
xのポリプロピレン繊維(大和紡績(株)製、PZ)を
準備し、中空分割型複合繊維40mass%、熱接着性繊維
40mass%、高強度ポリオレフィン系繊維20mass%の
混合比とした。なお、前記分割型複合繊維における分割
後の繊度をD1とし、ポリオレフィン系繊維を構成する
繊維群のうち最も繊度の大きいポリオレフィン系熱接着
性繊維の繊度をD2としたときD2とD1との比(D2
/D1)は2.2/0.23=9.6であった。
【0061】そして、前記3繊維を混合して、0.5ma
ss%の濃度になるように水分散スラリーを調製し、パル
パーを用い撹拌時間60min、回転数1000rpmで分割
型複合繊維の分割処理を施した。得られた水分散スラリ
ーを短網式湿式抄紙機及び円網湿式抄紙機を用いて抄き
合わせで湿式抄紙して湿式抄紙ウェブを作製し、シリン
ダードライヤーを用いて135℃で乾燥とともに、熱接
着性複合繊維の鞘成分を溶融させて構成繊維同士を接着
させ、目付50g/m2の不織布を得た。しかるのち、孔径
0.1mmのオリフィスが0.6mmの間隔で設けられたノ
ズルから水圧6MPaの柱状水流をそれぞれ3回ずつ噴射
して、未分割の中空分割型複合繊維を分割させるととも
に繊維同士を交絡させ、次いでシリンダードライヤーを
用いて135℃で乾燥とともに、熱接着性複合繊維の鞘
成分を溶融させて構成繊維同士を接着させ、目付50g/
m2の湿式不織布を得た。得られた湿式不織布は、分割型
複合繊維は90%が分割して略台形形状の極細繊維が発
現していた。なお分割率は、不織布の長手方向が断面と
なるように束ねて1mm径の穴のあいた金属プレートに通
し、電子顕微鏡を用いて400倍に拡大して、分割され
た繊維の割合を算出して求めた。
【0062】得られた湿式不織布を無水硫酸ガス雰囲気
下でスルホン化処理を施し、水酸化ナトリウム5%溶液
で中和、60℃の温水で洗浄後、70℃のドラム式乾燥
機で乾燥後、ワインダーで巻とってスルホン化不織布を
得た。さらに得られたスルホン化不織布をロール温度6
0℃、線圧650N/cmのカレンダーロールを用いて
カレンダー処理を施して、厚みを調整した。得られた不
織布の両面にそれぞれ4回ずつ、放電量1.0kw・min/
m2でコロナ放電処理を施し(総放電量8kw・min/m2)、
目付53g/m2、厚み123μm、通気度15ccsのセパ
レータ材料を得た。得られたセパレータの分割率は95
%であった。
【0063】[実施例2]MFR20の高密度ポリエチ
レンを第1成分、MFR32の結晶性ポリプロピレンを
第2成分として、紡糸温度を第1成分を260℃、第2
成分を280℃、引取速度340m/minで溶融紡糸し、
未延伸繊度10dtexの中空未延伸糸フィラメントを得
た。その中空未延伸糸フィラメントを延伸温度95℃、
延伸倍率6倍で繊度1.7dtex、分割後繊度約0.1dt
ex、繊維長6mm、中空率19.8%、短辺/長辺の比が
約0.32の中空16分割型複合繊維を用いた以外は、
実施例1と同様の方法で、目付52g/m2、厚み119μ
m、通気度13ccsのセパレータ材料を得た。なお、前
記分割型複合繊維における分割後の繊度をD1とし、ポ
リオレフィン系繊維を構成する繊維群のうち最も繊度の
大きいポリオレフィン系熱接着性繊維の繊度をD2とし
たとき、D2とD1との比(D2/D1)は2.2/
0.1=22であった。湿式抄紙後の分割型複合繊維
は、65%が分割して略台形形状の極細繊維が発現して
いた。得られたセパレータの分割率は95%であった。
【0064】[実施例3]水流交絡処理を施さなかった
以外は、実施例1と同様の方法で目付53g/m2、厚み1
23μm、通気度17ccsのセパレータ材料を得た。得
られたセパレータの分割率は95%であった。
【0065】[実施例4]水流交絡処理を施さなかった
以外は、実施例2と同様の方法で目付52g/m2、厚み1
19μm、通気度15ccsのセパレータ材料を得た。得
られたセパレータの分割率は95%であった。
【0066】[比較例1]実施例1の中空分割型複合繊
維の混抄率を80mass%とし、ポリオレフィン系熱接着
繊維を20mass%の混抄率とした以外は、実施例1と同
様の方法で、目付52g/m2、厚み120μm、通気度1
3ccsのセパレータ材料を得た。得られたセパレータの
分割率は90%であった。
【0067】[比較例2]実施例1の中空分割型複合繊
維の代わりに、分割後の極細繊維の断面形状が楔形を形
成する繊度1.8dtex、分割後繊度約0.23dtex、繊
維長6mmのオレンジ状分割型複合繊維(大和紡績(株)
製、DF−3)を用い、パルパーでの撹拌時間を10mi
nとした以外は、実施例3と同様の方法で、目付52g/m
2、厚み120μm、通気度23ccsのセパレータ材料を
得た。得られた湿式不織布は、分割型複合繊維は約20
%が分割して極細繊維が発現していた。また、セパレー
タの分割率は30%であった。
【0068】[比較例3]湿式抄紙ウェブに孔径0.1
mmのオリフィスが0.6mmの間隔で設けられたノズルか
ら水圧13MPaの柱状水流をそれぞれ3回ずつ噴射して
水流交絡処理を施した以外は比較例2と同様の方法で、
目付51g/m2、厚み124μm、通気度18ccsのセパ
レータ材料を得た。得られた交絡不織布は、分割型複合
繊維は約80%が分割して極細繊維が発現していた。ま
た、セパレータの分割率は85%であった。
【0069】実施例1〜4及び比較例1〜3のセパレー
タ材料を密閉型円筒型ニッケル水素電池に組み込み、ア
ルカリ蓄電池を得た。それらの測定結果を表1に示す。
【0070】
【表1】
【0071】実施例1〜4において、分割後繊度が0.
5dtex未満であり、分割後の繊維断面形状が略台形の形
状を有する中空分割型複合繊維の含有量を40mass%と
し、他のポリオレフィン系繊維として、繊度が2.2dt
exの結晶性ポリプロピレン/高密度ポリエチレンの熱接
着性複合繊維と、繊度が1.1dtexの繊維強度8cN/dte
x以上の高強度ポリプロピレン繊維を用いたことによ
り、比較例1〜3のセパレータ材料に比べ、同程度の通
気度であっても電池内部での電解液及びガスの通過性が
優れているので、内部抵抗が低く、サイクル寿命に優れ
たセパレータ材料が得られた。比較例1では、中空分割
型複合繊維の含有量が80mass%であったため、不織布
が緻密になり過ぎ、内部抵抗が高く、サイクル寿命も不
十分であった。また比較例2では、水流交絡処理を施し
ていないので、通気度は確保されるものの、分割型複合
繊維の分割性に劣り不織布全体の平均繊度が大きくなっ
ていたため、スルホン化処理される繊維の有効面積が少
なくなり、内部抵抗が高く、サイクル寿命も不十分であ
った。比較例3では、水流交絡処理を施しているので、
分割率は向上しているものの、分割後の1成分の断面形
状が楔型であるため、電池内部での電解液及びガスの通
過性が悪くなり、初期の内部抵抗が高く、サイクル寿命
が不十分であった。さらに、不織布の表面部分が高圧水
流によるウォーターマークによる貫通孔が発生してお
り、均一な不織布が得られず、引張強力も低下してい
た。不織布の緻密性が損なわれ、サイクル寿命が不十分
となった。
【0072】
【発明の効果】本発明のセパレータ材料は、湿式抄紙ウ
ェブ作製時の離解処理におけるファイバーボール現象を
引き起こすことなく分割処理することができ工程性に優
れ、不織布の緻密性および地合の均一性に優れるととも
に、電解液やガスの通過を阻害することがなく、保液性
にも優れているので、高い耐ショート性を有しつつ、電
池内部での内部抵抗、内圧の抑制を可能にし、長期の充
放電サイクル寿命を有するセパレータ材料を得ることが
できる。
【0073】前記分割型複合繊維として繊維断面の中央
部が中空部分である中空分割型複合繊維を用いることに
より、湿式抄紙ウェブ作製時の離解処理、水流交絡処
理、およびプレス処理のうち少なくとも1つの処理によ
り容易に分割させることができる。
【0074】そして、本発明のセパレータ材料は、アル
カリ二次電池、リチウムイオン二次電池、あるいは電気
二重層キャパシタ、コンデンサーなどの電気素子、ある
いはイオン交換セパレータ(イオンキャッチャー)に用
いられるセパレータとして好適であり、特にニッケル−
カドミウム電池、ニッケル−亜鉛電池、ニッケル−水素
電池等のアルカリ二次電池用途に好適であり、本発明の
セパレータ材料を組み込んだ電池は、内部抵抗が低く、
充放電時におけるサイクル寿命が長いので、長期間安定
した電池性能を与えることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いられる極細繊維の繊維断面の一例
を示す。
【図2】本発明に用いられる分割型複合繊維の繊維断面
の一例を示す。
【図3】本発明に用いられる分割型複合繊維の繊維断面
の一例を示す。
【図4】(a)〜(b)は従来の分割型複合繊維の繊維
断面の一例を示す。
【符号の説明】
1 極細繊維 2 第1成分 3 第2成分 4 中空部分 5 短辺 6 長辺
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成14年8月13日(2002.8.1
3)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項7
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】前記方法においては、プレス処理が、40
℃より高く、前記構成繊維の溶融する温度より30℃以
上低い温度の一対のカレンダーロールを用いて、前記不
織布を線圧150N/cm以上、1500N/cm以下
の範囲で加圧するカレンダーロール処理であることが好
ましい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // H01M 10/30 H01M 10/30 Z 10/40 10/40 Z (72)発明者 山本 博之 兵庫県加古郡播磨町古宮877番地 ダイワ ボウポリテック株式会社播磨研究所内 (72)発明者 青木 延夫 兵庫県加古郡播磨町古宮877番地 ダイワ ボウポリテック株式会社播磨研究所内 (72)発明者 田中 智文 兵庫県加古郡播磨町古宮877番地 ダイワ ボウポリテック株式会社播磨研究所内 (72)発明者 木田 達宣 兵庫県加古郡播磨町古宮877番地 ダイワ ボウポリテック株式会社播磨研究所内 (72)発明者 上笹 利夫 兵庫県加古郡播磨町古宮877番地 ダイワ ボウポリテック株式会社播磨研究所内 Fターム(参考) 4L055 AF15 AF16 AF17 AF21 AF39 AF46 AF47 AG07 AG08 AH50 BE20 EA01 EA04 EA16 EA20 EA23 FA09 FA11 FA30 GA01 GA31 GA39 GA50 5H021 BB02 BB05 BB08 BB09 CC13 EE04 EE05 EE15 HH01 HH03 HH06 5H028 AA06 BB04 BB10 EE06 HH01 HH05 HH08 5H029 AJ05 CJ03 CJ11 DJ04 DJ15 HJ04 HJ05 HJ07 HJ14

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数成分の異なるポリオレフィン系樹脂
    で構成された分割型複合繊維5mass%以上75ma
    ss%以下の範囲と、繊度を0.1dtex以上5dt
    ex以下の範囲とする他のポリオレフィン系繊維95m
    ass%以下25mass%以上の範囲含有する湿式不
    織布からなり、前記分割型複合繊維のうち少なくとも一
    部の繊維が分割されて略台形形状の繊維断面を有する繊
    度0.5dtex未満の極細繊維を形成しており、かつ
    前記湿式不織布が親水化処理されていることを特徴とす
    るセパレータ材料。
  2. 【請求項2】 分割型複合繊維が、繊維断面の中央部が
    中空部分である中空分割型複合繊維である請求項1記載
    のセパレータ材料。
  3. 【請求項3】 ポリオレフィン系樹脂が、ポリメチルペ
    ンテン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系
    樹脂、およびエチレン−ビニルアルコール系樹脂から選
    ばれた異なる2成分である請求項1または2に記載のセ
    パレータ材料。
  4. 【請求項4】 他のポリオレフィン系繊維が、分割型複
    合繊維を構成する成分の融点よりも10℃以上低い融点
    を持つポリオレフィン系樹脂を1成分とし、前記1成分
    が少なくとも繊維表面の20%を占める熱接着性繊維を
    含有する請求項1〜3のいずれかに記載のセパレータ材
    料。
  5. 【請求項5】 親水化処理が、スルホン化処理である請
    求項1〜4のいずれかに記載のセパレータ材料。
  6. 【請求項6】 複数成分の異なるポリオレフィン系樹脂
    で構成された繊維長2mm以上、20mm以下の範囲か
    らなる分割型複合繊維5mass%以上75mass%
    以下の範囲と、繊度を0.1dtex以上5dtex以
    下の範囲とし、繊維長3mm以上25mm以下の範囲か
    らなる他のポリオレフィン系繊維95mass%以下2
    5mass%以上の範囲で含有する繊維ウェブを湿式抄
    紙して得られる湿式不織布に親水化処理する製造方法で
    あって、 湿式抄紙前に離解処理する工程、および湿式抄紙後に水
    流交絡処理する工程から選ばれる少なくとも1つの工程
    を施した後、 親水化処理を施し、その後、プレス処理を施して、前記
    分割型複合繊維のうち少なくとも一部の繊維を分割させ
    て略台形形状の繊維断面を有する繊度0.5dtex未
    満の極細繊維を形成することを特徴とするセパレータ材
    料の製造方法。
  7. 【請求項7】 プレス処理が、40℃より高く、前記構
    成繊維の溶融する温度より30℃以上低い温度の一対の
    カレンダーロールを用いて、前記不織布を線圧150N
    /cm以上、150N/cm以下の範囲で加圧するカレ
    ンダーロール処理である請求項6に記載のセパレータ材
    料の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1〜5のいずれかに記載のセパレ
    ータ材料、または請求項6もしくは7に記載の方法で得
    られたをセパレータ材料を組み込んだ電池。
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