JP4620968B2 - 有機電解液電池用セパレータ及びその製造方法 - Google Patents

有機電解液電池用セパレータ及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、有機電解液電池、特にリチウムイオン二次電池に好適に用いることができる不織布で構成される有機電解液電池用セパレータ及びその製造方法に関する。
近年のIT(インフォメーション・テクノロジー)化、及び資源、環境に対する問題からアルカリ二次電池及び有機電解液二次電池に代表される二次電池の開発が盛んに行われている。特に、有機電解液を用いるリチウムイオン二次電池は、高電圧、高容量、高出力でありながら質量が軽いため、製品の小型軽量化等の要求に伴い大きな市場を築いている。さらに、ハイブリッド自動車(HEV)や電気自動車(PEV)のバッテリーとしても開発が進められている。リチウムイオン二次電池は、リチウムイオンを吸蔵及び放出することが可能な複合金属酸化物からなる正極と、リチウムイオンを吸蔵及び放出することが可能な炭素材料等からなる負極と、セパレータと、有機電解液とからなる。特に、リチウムイオン二次電池において、電池性能を向上させるためにリチウムと他の金属とを電解液の存在下で電気化学的に合金化させた電極を用いることがある。しかし、この合金化させた電極は、合金化の際にリチウム合金が微粉末化し、この微粉末化した合金がセパレータを通り抜け、もう一方の電極に達し短絡を引き起こす(以下、微粉末短絡という)という問題がある。このため、微粉末短絡を防止するために、特に孔径の小さいセパレータが要求されている。一方、電池の充放電を繰り返すうちに前記微粉末が電極上に針状に成長し、ついにはセパレータを突き破り短絡を生じさせる(以下、デンドライト短絡という)という問題もある。したがって、セパレータには、突き破りに対する耐強力(以下、突き刺し強力という)の大きいシートが要求されている。
さらに、二次電池の電池寿命を決定する要因の1つとして、電池体積当たりの電極枚数又は電極総面積があり、電極の厚みを薄くするとともにセパレータの厚みも薄くして電極枚数又は電極総面積を増やして電池寿命の向上が図られている。そのため、セパレータは厚みの薄いものも要求されている。
そして、これらを同時に満たすものとして現在は微多孔膜が使用されている。しかし、微多孔膜は、製造工程が複雑であり高価である。そのため、微多孔膜に代わる安価で、且つ突き刺し強力と厚みを同時に満たす不織布の検討がなされている。
有機電解液電池用のセパレータに用いられる不織布として種々の検討がなされてきた。例えば、分割型複合繊維を含有する湿式不織布を用いた有機電解液電池用のセパレータとして、下記特許文献1には、エチレン−ビニルアルコール共重合体を少なくとも1成分とした分割型複合繊維と、熱融着繊維を混合し、分割型複合繊維を分割した湿式不織布に、ポリアルキレン変性ポリシロキサンを化学結合によって担持させた非水電解液電池用セパレータが提案されている。下記特許文献2には、分割型複合繊維を分割させた板状極細繊維を主体として構成される湿式不織布からなる非水電解液電池用セパレータが提案されている。
一方下記特許文献3〜6には、エチレン−ビニルアルコール共重合体を湿熱接着した不織布からなるセパレータが提案されている。
特開2000-285895号公報 特開2001-283821号公報 特開平3-257755号公報 特開昭63-235558号公報 特開平5-109397号公報 特開平8-138645号公報
前記特許文献1のセパレータは、分割型複合繊維を含有する12〜14g/m2という低目付で一定の厚みを有する湿式不織布を一旦作製した後、ポリアルキレン変性ポリシロキサン水溶液に含浸して不織布の細孔径を小さくしようと試みている。しかし、このような低目付の不織布は、不織布の平均孔径及び最大孔径を均一にすることは困難であり、孔径のばらつきが大きい不織布となり、ひいては安定した突き刺し強力が得られなかった。さらに、エチレン−ビニルアルコール共重合体を少なくとも1成分とした分割型複合繊維と、熱融着繊維を混合した湿式不織布を用い、熱融着繊維が接着力を発現する温度まで加工温度を上げて乾式で熱カレンダー処理を施すため、熱融着繊維のみの接着力に依存しており、突き刺し強力が不十分であった。特許文献2のセパレータは、ポリプロピレン/ポリエステル、ナイロン66/ポリエステル、及びポリプロピレン/ポリエチレンの2成分からなる分割型複合繊維を分割させて板状極細繊維を発現させた後、低融点成分の融点よりも低い温度で乾式にて熱カレンダー処理を施したのみである。そのため、不織布の平均孔径及び最大孔径を均一にすることは困難であり、孔径のばらつきが大きい不織布となるため、安定した突き刺し強力が得られなかった。また、層状断面構造を有する分割型複合繊維を分割させて2つの長辺が平行な板状極細繊維を用いているが、層状断面は放射状断面に比べて分割後の繊維断面が扁平ではあるが、分割前の繊維断面の中央付近と表面付近で板状部分の表面積が異なるので、平均孔径、最大孔径にバラツキが生じる。層状断面構造を有する分割型複合繊維からより細い極細繊維を得ようとすると、層数(分割数)を多くすればよいが、各層の厚みが薄くなるため紡糸が困難となり、8分割、あるいは11分割程度のものしか得られず、細繊度化に限界がある。加えて、最大細孔径は、14〜18μm程度であり、有機電解液電池用セパレータとしては、十分とは言えない。
特許文献3〜6では湿熱接着繊維を使用したセパレータが開示されているが、いずれもアルカリ電池用のセパレータを目的としたものであり、有機電解液電池に要求されるような孔径の小さいセパレータを得ることは困難である。
以上のとおり、従来技術のセパレータの最大細孔径は14〜18μm程度であり、有機電解液電池用セパレータとしては、十分とは言えない。
本発明はかかる実情に鑑みなされたものであって、平均孔径、最大孔径を小さくし、引張強力及び突き刺し強力が高く、電池に組み込む場合に破れにくく、圧延したときに電極のバリ等で突き破り短絡の発生を防止可能な有機電解液電池用セパレータ及びその製造方法を提供する。
本発明の有機電解液電池用セパレータは、水分存在下で加熱することによってゲル化し得る湿熱ゲル化樹脂を含む極細繊維と、プロピレン系繊維を含んで構成される不織布からなる有機電解液電池用セパレータであって、前記プロピレン系繊維は、繊度1.1dtex以下のプロピレン系共重合樹脂を熱融着成分とする熱溶融性繊維を含み、前記プロピレン系共重合樹脂が融着して前記不織布の構成繊維を接着しており、前記湿熱ゲル化樹脂は、加圧加工により湿熱ゲル化され押し拡げられた膜状のゲル化物に形成され、かつ前記不織布の構成繊維を固定しており、平均孔径が、0.3μm以上5μm以下の範囲であることを特徴とする。
本発明の有機電解液電池用セパレータの製造方法は、水分存在下で加熱することによってゲル化し得る湿熱ゲル化樹脂を含む極細繊維と、繊度1.1dtex以下のプロピレン系共重合樹脂を熱融着成分とする熱溶融性繊維を含む不織シートを作製する工程と、
前記熱溶融性繊維のプロピレン系共重合樹脂により前記不織シートの構成繊維を熱接着させる工程と、前記不織シートを湿熱加圧加工することにより、前記湿熱ゲル化樹脂の極細繊維をゲル化して押し拡げられた膜状のゲル化物とし、かつ前記不織シートの構成繊維を固定する工程とを含み、前記湿熱加圧加工が、熱ロールによる加圧加工であり、前記熱ロールの線圧が350N/cm以上15000N/cm以下であり、平均孔径が、0.3μm以上5μm以下の範囲である本発明の有機電解液電池用セパレータを得ることを特徴とする。
本発明は、湿熱ゲル化樹脂を含む極細繊維と、繊度1.1dtex以下のプロピレン系共重合樹脂を熱融着成分とする熱溶融性繊維とを用いることにより、平均孔径、最大孔径を適正化しつつ、引張強力及び突き刺し強力が高い不織布が得られるので、歩留まりを高くでき、電池の不良品率を低減することができる。
また、湿式抄紙後のウェブを接着力が高いプロピレン系共重合樹脂で接着した後、加圧加工により湿熱ゲル化処理する2段階熱処理を施すことにより、不織布の収縮を伴わずして湿熱ゲル化樹脂を膜状化することができるので、歩留まり、電池の不良品率を低減することができる。
本発明者らは、鋭意研究を進めた結果、微粉末短絡しにくい不織布からなるセパレータを得るには、孔径を単に小さくするだけではなく、平均孔径と最大孔径のそれぞれの範囲を適正化すればよいことを着想した。そのためには、不織布を熱加工して細孔径化する時の収縮を小さく、バインダー樹脂を不織布の厚み方向へも略均一に固定させるとよいことが判明した。このような不織布を得るのに、特定の熱加工方法を用いて、湿熱ゲル化樹脂をゲル化させて他の繊維を固定することによって、目付及び厚みムラが小さくなり、さらに突き刺し強力が大きく、突き刺し強力のバラツキが抑制されるため、セパレータの生産における歩留まりに優れ、且つ電池の不良品率の低い、特にデンドライト短絡防止性にも優れたセパレータが得られることが判明し、さらに従来の微多孔膜に比べ安価なセパレータが得られることを見出した。
加えて、不織布を構成する繊維の繊度を細くすればするほど平均孔径及び最大孔径を小さくすることができるが、その反面、不織布の突き刺し強力が低下する傾向にある。そこで低融点熱溶融性繊維を湿熱ゲル化極細繊維と組み合わせて、細繊度化することにより、平均孔径と最大孔径を小さくするとともに、低融点熱溶融性繊維で不織布を構成する繊維を接着させることにより、低融点熱溶融性繊維の接着強力と膜状のゲル化物の固定強力とが相俟って不織布の突き刺し強力を相乗的に向上できることを見出した。
さらに、湿熱ゲル化極細繊維の出発材料が分割型複合繊維であり、他の成分がプロピレン系樹脂成分であると、低融点熱溶融性繊維との接着強力がより向上し、突き刺し強力及び引っ張り強力を向上できることを見出した。
以下、本発明の有機電解液電池用セパレータについて詳細に説明する。
本発明においては、水分存在下でゲル化膨潤する湿熱ゲル化樹脂を用いる。湿熱ゲル化樹脂成分を1成分とし、各々の成分が放射状に複数に区分されてなる分割型複合繊維を20以上に放射状に割繊して得られる略楔形断面形状を有する湿熱ゲル化極細繊維を用いるのが好ましい。これにより、湿熱ゲル化したときに押し拡げられた膜状のゲル化物を形成し易い。そして、押し拡げられた膜状のゲル化物により、不織布を構成する他の繊維を固定して、平均孔径と最大孔径の範囲を適正化した。不織布を構成する他の繊維をゲル化物で固定することによって、セパレータの突き刺し強力が大きくなり、電池組み立て時にセパレータが破れにくく、デンドライト短絡防止性に優れたものとなる。さらに、平均孔径と最大孔径の範囲を適正化することで微粉末短絡防止性に優れたものとなる。本発明でいうゲル化物とは、湿熱ゲル化樹脂が湿熱によってゲル化したのち固化した樹脂(固化物)のことを示し、本発明の有機電解液電池用セパレータは、セパレータを構成する他の繊維がこのゲル化物で固定されている。本発明において、「略楔形断面形状」とは、各々の成分が放射状に複数に区分されてなる分割型複合繊維を20以上に放射状に割繊して得られる断面形状であれば、変形も許容されることを意味する。
本発明の有機電解液電池用セパレータに使用する、水分存在下で加熱することによってゲル化し得る樹脂(湿熱ゲル化樹脂)とは、水分存在下で、60℃以上の温度でゲル化膨潤しゲル化物となって不織布を構成する他の繊維を固定可能な樹脂のことを示す。電池は様々な環境下で使用されるため、60℃未満でゲル化してしまうと、電池での安定性が悪くなる。このような性質を持つ樹脂であればどのようなものでも良いが、中でも特定の組成をもつエチレン−ビニルアルコール共重合体が、湿熱ゲル加工性、耐水性及び不織布加工時の寸法安定性の点で特に好ましい。
エチレン−ビニルアルコール共重合体とは、エチレン−酢酸ビニル共重合体を鹸化することによって得られる共重合体である。その鹸化度は、95%以上であることが好ましい。より好ましい鹸化度の下限は、98%である。鹸化度が95%未満であると、繊維化の際、曳糸性が悪くなる傾向にある。また、低温でもゲル化しやすくなるため、繊維製造及び不織布加工工程でトラブルが発生し易くなる。さらに、電池に組み込んだとき、電解液中での化学的安定性が悪く、あるいは高温下での安定性が悪くなる。
前記エチレン−ビニルアルコール共重合体におけるエチレン含有量は、20モル%以上50モル%以下の範囲内にあることが好ましい。より好ましいエチレン含有量の下限は、25モル%である。より好ましいエチレン含有量の上限は、45モル%である。エチレン含有量が20モル%未満であると、曳糸性が悪く、また軟化しやすくなるため、繊維製造及び不織布加工工程でトラブルが発生し易くなる。さらに、電池に組み込んだとき、電解液中での化学的安定性が悪く、あるいは高温下での安定性が悪くなる。一方、エチレン含有量が50モル%を超えると、湿熱ゲル化温度が高くなり、所望の平均孔径及び最大孔径を得るには、加工温度を融点近傍まで上げざるを得なくなり、その結果不織布の寸法安定性に悪影響を及す可能性がある。
湿熱ゲル化樹脂を含む極細繊維(以下、湿熱ゲル化極細繊維という)の繊度は、0.01dtex以上0.1dtex以下であることが好ましい。より好ましい湿熱ゲル化極細繊維の繊度は、0.08dtex以下である。湿熱ゲル化極細繊維の繊度を上記範囲とすることにより、湿熱ゲル化極細繊維が膜状のゲル化物となした時に、均一な孔径を得ることができる。
湿熱ゲル化樹脂は、他の樹脂とを組み合わせた複合繊維などであっても構わない。不織布の製造工程性の点からして、湿熱ゲル化樹脂は繊維形態であることが好ましい。その断面形状は、円形、中空、異型、楕円形、星形、偏平形等こだわらない。繊維製造の容易さからして、円形であることが好ましい。また、複合繊維の場合、その複合形態は、同心円鞘芯型、偏心鞘芯型、並列型、分割型、海島型等何れであっても構わない。複合繊維としたとき、湿熱ゲル化樹脂のゲル加工時に、湿熱ゲル化樹脂は繊維表面の少なくとも一部を占めていることが重要である。特に、湿熱ゲル化樹脂と、湿熱ゲル化樹脂以外の他の樹脂とが相互に隣接して配置されてなる分割型複合繊維であることが好ましい。その断面形状は、放射状型、櫛型、碁盤型、層状型等互いが独立して存在しているものが、分割性の点で好ましい。
そして、前記湿熱ゲル化樹脂と、他の樹脂との分割型複合繊維である場合、その他の樹脂は、湿熱ゲル化樹脂と相溶性の良いものであっても構わないが、非相溶性の樹脂が好ましい。なぜならば、非相溶性の樹脂であれば、剥離分割が可能であるため、湿熱ゲル化樹脂を含む湿熱ゲル化繊維は極細繊維化されて、より均一な構成繊維間の固定を可能とし、平均孔径及び最大孔径の範囲の適正化に寄与するからである。他の樹脂としては、湿熱ゲル化樹脂と非相溶性の樹脂であれば特にこだわらないが、中でもポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン、また、それらの共重合体等が好ましく、特にポリプロピレンが繊維製造及び電池電解液に対する安定性の点から好ましい。
本発明に使用する湿熱ゲル化樹脂は、湿熱ゲル化樹脂成分と、湿熱ゲル化樹脂以外の他の樹脂成分の2成分以上からなり、各々の成分が放射状に複数に区分されてなる分割型複合繊維の形態を採る。各々の成分が放射状に複数に区分されてなる分割型複合繊維は、割繊されて略楔形形状の断面形状を有する湿熱ゲル化極細繊維及び他の極細繊維を得ることができる。得られる極細繊維が略楔形形状であるので、表面積が均一であるとともに、不織布の面方向に沿って平行に集積された略楔形形状の極細繊維を湿熱ゲル化するので、押し拡げられた膜状のゲル化物を形成し易く、不織布の平均孔径、最大孔径を適正化し易いという利点を有する。
前記分割型複合繊維は、複合繊維1本あたり合計で20以上に放射状に割繊されるのが好ましい。とくに好ましい割繊数は、22以上である。複合繊維の割繊数が多くなると、略楔形形状がより扁平化するとともに、細繊度化することができ、膜状のゲル化物を形成し易くなる傾向にある。複合繊維の割繊数の上限は、繊維製造性を考慮すると、40以下である。
前記分割型複合繊維が割繊された湿熱ゲル化極細繊維及び他の極細繊維の繊度は、0.01dtex以上0.08dtex以下の範囲であることが好ましい。より好ましい極細繊維は、0.02dtex以上である。より好ましい極細繊維は、0.06dtex以下である。極細繊維の繊度を上記範囲とすることにより、湿熱ゲル化極細繊維がゲル化物となしたときに、必要以上に繊維間の空隙を閉塞することなく膜状に押し拡げて他の繊維を固定することができる。さらに、他の極細繊維は、湿熱ゲル化することなく残存するので、不織布内に空隙を維持することができる。例えば、20〜30分割、好ましくは22〜26分割程度の分割型紡糸ノズルを使用して0.5〜1.5dtexの分割型複合繊維を得て、これを割繊し発現させるとよい。
また湿熱ゲル化極細繊維及び他の極細繊維の短軸厚み(楔形断面の最大厚み)は、0.7μm以上2.2μm以下の範囲であることが好ましい。不織布に形成したときに前記繊維の扁平方向が不織布の面方向に配向するからである。同様な理由から、楔形断面の長さは、楔形断面の最大厚みの2倍以上であるのが好ましい。
前記湿熱ゲル化樹脂は、セパレータ全体に対して10mass%以上50mass%以下の範囲内で含まれていることが好ましい。ここで湿熱ゲル化樹脂の含有量としたのは、前記分割型複合繊維が完全に割繊した湿熱ゲル化極細繊維以外に、分割型複合繊維が完全に割繊せず残存した場合、全く割繊しなかった場合であっても湿熱ゲル化してゲル化物を得ることが可能だからである。より好ましい湿熱ゲル化樹脂の含有量は、15mass%以上であり、さらにより好ましくは、20mass%以上である。より好ましい湿熱ゲル化樹脂の含有量は、45mass%以下であり、さらにより好ましくは、40mass%以下である。湿熱ゲル化樹脂の含有量が10mass%未満であると、湿熱ゲル化してもゲル化物が不織布内に均一に拡がり、構成する繊維間に十分に浸透することが困難となる。その結果、平均孔径と最大孔径の範囲が適正化しにくくなり、突き刺し強力にバラツキが生じ易くなる傾向にある。特に、最大孔径を小さくすることが困難となる。さらに、不織布を構成する他の繊維の固定箇所が少なくなるため、突き刺し強力も小さくなる可能性がある。一方、湿熱ゲル化樹脂の含有量が50mass%を超えると、不織布表面がフィルム化し易くなり、電解液保持性が低下し、電池の内部抵抗が上昇する可能性がある。さらに、ゲル加工の際、湿熱ゲル化樹脂がロール等へ粘着し易くなり、不織布製造工程性が悪くなる傾向にある。
前記分割型複合繊維におけるその他の樹脂は、湿熱ゲル化樹脂と相溶性の良いものであっても構わないが、割繊性を考慮すると非相溶性の樹脂が好ましい。湿熱ゲル化樹脂と非相溶性の樹脂としては、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン、また、それらの共重合体等が好ましく、特にポリプロピレンが熱溶融性繊維の熱融着成分であるプロピレン系共重合体樹脂との接着性が高く、繊維製造及び電池電解液に対する安定性の点から好ましい。
前記他の極細繊維は、セパレータ全体に対して10mass%以上50mass%以下の範囲内で含まれていることが好ましい。より好ましい他の極細繊維の含有量は、15mass%以上であり、さらにより好ましくは、20mass%以上である。より好ましい他の極細繊維の含有量は、45mass%以下であり、さらにより好ましくは、40mass%以下である。他の極細繊維の含有量が10mass%未満であると、湿熱ゲル化極細繊維以外で構成される不織布の繊度が大きくなり、適正な平均孔径及び最大孔径が得られない場合がある。他の極細繊維の含有量が50mass%を超えると、湿熱ゲル化樹脂の含有量が少なくなり、適正な平均孔径及び最大孔径が得られない場合がある。
前記分割型複合繊維は、セパレータ全体に対して30mass%以上90mass%以下の範囲内で含まれていることが好ましい。より好ましい分割型複合繊維の含有量は、40mass%以上80mass%以下である。分割型複合繊維の含有量を上記範囲とすることにより、湿熱ゲル化極細繊維及び他の極細繊維の含有量を所望の範囲とすることができる。
また、前記分割型複合繊維における湿熱ゲル化樹脂成分及び他の樹脂成分の複合比(容積比)は、30:70〜70:30であることが好ましい。
本発明に使用する不織布を構成する前記分割型複合繊維以外の他の繊維は、繊度が0.1dtex以上1.1dtex以下であることが好ましい。より好ましい他の繊維の繊度は、0.9dtex以下である。他の繊維の繊度が0.1dtex未満であると、不織布の突き刺し強力が低下して、微粉末短絡及びデンドライト短絡を抑制することができない場合がある。他の繊維の繊度が1.1dtexを超えると、湿熱ゲル化樹脂でゲル化しても不織布の平均孔径及び最大孔径を適正化するのが困難となり、その結果、微粉末短絡が発生しやすくなる傾向にある。
本発明において、「他の繊維」とは、前記湿熱ゲル化樹脂成分を含む分割型複合繊維が割繊されて得られる繊維、及び前記熱溶融性繊維の芯成分繊維を含む繊維をいう。
前記他の繊維としては、ゲル化物によって不織布を構成する繊維を固定しているため、湿熱ではゲル化しない他の熱溶融性繊維は含まなくても構わないが、不織布製造工程の簡便化、又は不織布の引張強力、突き刺し強力向上の目的等で添加してもよい。熱溶融性繊維の含有量は、セパレータ全体に対して10mass%以上70mass%以下であることが好ましい。より好ましい含有量は、20mass%以上60mass%以下である。熱溶融性繊維の含有量が70mass%を超えると、湿熱ゲル化極細繊維及び他の極細繊維の割合が少なくなるので、不織布の孔径の低減が困難となり、その結果微粉末短絡が発生しやすくなる傾向にある。
前記熱溶融性繊維は、水分存在下でゲル化せず融点(融解ピーク温度)付近で溶融し、繊維間を結合させる働きをする繊維を指し、湿熱ゲル化樹脂と区別するものである。そして、湿熱ゲル化樹脂がゲル化してゲル化物となす温度(以下、ゲル加工温度という)では、実質的に収縮しない繊維であることが好ましい。ここで、実質的に収縮しないとは、ゲル加工の際の不織布面積収縮率が7%以下となるような繊維を示す。なお、上記のように熱溶融性繊維を定義したのは、水分を含んだ不織シートをゲル加工した場合、熱処理機の設定温度を100℃以上にしたときに実温度は設定温度よりも低くなる傾向にあり、実温度(ゲル加工温度)を正確に測定するのが困難な場合があるためであり、ゲル加工温度とは区別して表現し、ゲル加工温度では実質的に収縮しないとした。
前記熱溶融性繊維は、繊度が1.1dtex以下のプロピレン系共重合樹脂を熱溶融成分とする熱溶融繊維であればどのようなものでもよい。例えば、熱溶融性繊維の繊維形態は、鞘成分が低融点樹脂、芯成分が鞘樹脂よりも高融点である樹脂で構成された鞘芯型複合繊維を使用する。鞘成分と芯成分の好ましい割合は、鞘成分:芯成分=30:70〜70:30(容積比)程度が好ましい。繊維断面形状は、同心円鞘芯型、偏心鞘芯型、海島型等何れであっても構わないが、同心円鞘芯型が特に好ましい。この場合、ポリプロピレン樹脂との接着性及び接着後の突き刺し強力を考慮して、プロピレン系共重合体/ポリプロピレンの組み合わせからなる同心円鞘芯型複合繊維を用いることが好ましい。上記プロピレン系共重合体としては、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン−1−プロピレン共重合体が挙げられる。特に、繊度が1.1dtex以下の繊維を安定して得るには、メタロセン触媒で重合されたエチレン−プロピレン共重合体を鞘成分に用いることが好ましい。メタロセン触媒で重合されたエチレン−プロピレン共重合体によれば、熱加工温度領域が広く、不織布にした時の取り扱い性が高いだけでなく、エチレン−プロピレン共重合体特有のゴム的性質が少なく、溶融紡糸した時の融着糸または密着糸の発生が少なくより細繊度化が可能だからである。
前記熱溶融性繊維の繊維長に対する繊維径の比(L/D)が500以上1000以下であることが好ましい。これにより、引張強力をさらに向上できる。繊維径は、繊維断面が円形の場合、直接的にその直径を測定した値を単繊維の直径とする。繊維断面が異形の場合、単繊維の繊度を測定し、この単繊維が円形と仮定して下記式で得られる直径で表すことができる。
繊維径(μm)=(√4×√D×103)/(√π×√100000×√ρ)
D:単繊維の繊度(dtex)
ρ:単繊維を構成する樹脂の密度(g/cm3
前記熱溶融性繊維におけるプロピレン系共重合樹脂の融点は、120℃以上145℃以下の範囲が好ましい。融点が120℃未満であると、ゲル加工温度に近くなって収縮を伴うおそれがある。融点が145℃を超えると、他の極細繊維も軟化、溶融するおそれがある。
前記他の繊維としては、不織布の突き刺し強力を大きくしてデンドライト短絡防止性をより高める目的で、単繊維強度が4.5cN/dtex以上の高強度繊維は、必要に応じて含ませてもよい。前記高強度繊維の単繊維強度は、5cN/dtex以上がより好ましく、更に好ましくは5.5cN/dtex以上である。単繊維強度が4.5cN/dtex未満であると、突き刺し強力の向上に寄与しにくくなり、デンドライト短絡が発生しやすい傾向にある。また、前記高強力繊維の融点は、湿熱ゲル化樹脂の融点よりも20℃低い温度以上であることが好ましい。より好ましい高強力繊維の融点は、湿熱ゲル化樹脂の融点よりも15℃低い温度以上である。高強力繊維の融点の上限は、特に限定されるものではない。例えば、高強力繊維がポリオレフィン系繊維である場合、250℃以下であることが好ましい。高強力繊維の融点が湿熱ゲル化樹脂の融点よりも20℃低い温度未満であると、ゲル加工の際に前記高強力繊維を構成する樹脂の軟化又は溶融に伴う収縮が発生し易くなる傾向にあり、不織布の目付、厚み、孔径等のムラが発生し易い。その結果、セパレータの歩留まりが低下する、あるいは微粉末短絡、デンドライト短絡が発生する可能性がある。
前記高強度繊維を構成する樹脂は、上記の性質を有するものから選ばれ、ポリプロピレン、ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、ポリエステル、ナイロン、ポリパラフェニレンベンズビスオキサゾール、カーボン等、何れでも良い。上記樹脂のうち、ポリオレフィン系樹脂が、湿熱ゲル化樹脂としてエチレン−ビニルアルコール共重合体を使用した場合に取り扱い性に優れるとともに、所望の電池特性が得られる点で、好ましい。特に、ポリプロピレンは、繊維製造、電解液安定性、コスト等の点からも好ましい。また高強度繊維の繊維形態は、単一繊維及び複合繊維等いずれであってもかまわない。その断面形状は、円形、中空、異型、楕円形、星形、偏平形等こだわらない。繊維製造の容易さからして、断面形状は円形であることが好ましい。
前記高強度繊維の含有量は、セパレータ全体に対して70mass%以下であることが好ましい。より好ましい含有量は、60mass%以下である。高強度繊維の含有量が70mass%を超えると、湿熱ゲル化極細繊維及び他の極細繊維の割合が少なくなるので、不織布の孔径の低減が困難となり、その結果微粉末短絡が発生しやすくなる傾向にある。
また、本発明に用いる不織布には、上記で述べた繊維以外の繊維も含んでいてもよい。この場合の繊維形態も、特に限定されない。例えば、前記不織布を構成する分割型複合繊維及び他の繊維以外に、不織布の平均孔径及び最大孔径を小さくするために、合成パルプを含んでもよい。合成パルプとは、繊維表面が多数に分枝された、いわゆるフィブリル化された天然パルプ様の合成樹脂からなる繊維状物であり、本発明では、前記他の繊維とは区別して表現することとする。合成パルプを構成する樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。合成パルプの平均繊維長は、0.5mm以上2mm以下の範囲内にあることが好ましい。合成パルプの平均繊維長は、合成パルプの形態を表す指標として用いられるものであり、平均繊維長が0.5mm未満であると、不織シートを湿式抄紙法で作製した時、抄紙工程で脱落する合成パルプ量が多くなる可能性がある。平均繊維長が2mmを超えると、湿式抄紙時の分散性が低下する可能性がある。上記を満たす合成パルプとしては、例えば、三井化学社製、商品名「SWP」EST−8、E400等が挙げられる。
また、前記不織布を構成する繊維には、必要に応じて、本発明の効果を妨げない範囲で、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、造核剤、滑剤、帯電防止剤、顔料、可塑剤、親水化剤などの添加剤を適宜添加しても良い。
本発明の有機電解液電池用セパレータは、その平均孔径が0.3μm以上5μm以下の範囲内であり、且つ最大孔径が3μm以上20μm以下の範囲内であることが重要である。より好ましい平均孔径は、0.4μm以上であり、さらにより好ましくは、0.5μm以上である。より好ましい平均孔径は、4μm以下であり、さらにより好ましくは、3μm以下である。一方、より好ましい最大孔径は、4μm以上である。より好ましい最大孔径は、15μm以下であり、さらにより好ましく、10μm以下である。これらを同時に満たすことによって、微粉末短絡防止性及びデンドライト短絡防止性に優れたセパレータを得ることができるのである。平均孔径が0.3μm未満、又は最大孔径が3μm未満であると、電解液保持性が悪くなり、電池の内部抵抗が大きくなる傾向にある。一方、平均孔径が5μmを超える、又は最大孔径が20μmを超えると、微粉末短絡、及びデンドライト短絡が発生する傾向にある。
本発明の有機電解液電池用セパレータにおいて、湿熱ゲル化樹脂のゲル加工による加工後の不織布の平均孔径をXBとし、ゲル加工前の不織シートの平均孔径をXとしたとき、下記式で得られる値を平均孔径低下率(%)としたとき、平均孔径低下率は、60%以上であることが好ましい。
平均孔径低下率(%)={(X−XB)/X}×100
前記平均孔径低下率は、湿熱ゲル化樹脂を含む不織シート(ゲル加工前の出発材料)をゲル加工したときに、湿熱ゲル化樹脂がどの程度押し拡げられてゲル化物を形成したか、そのゲル化度合いの指標である。より好ましい平均孔径低下率の下限は、70%である。平均孔径低下率の上限は、95%であることが好ましい。平均孔径低下率が60%未満であると、湿熱ゲル化樹脂が十分に、略均一にゲル化しておらず、所望の突き刺し強力が得られない可能性がある。平均孔径低下率が95%を超えると、セパレータの空隙が小さくなり、その結果、電解液通過性が低下し、電池の内部抵抗が上昇する可能性がある。
本発明の有機電解液電池用セパレータは、湿熱ゲル化極細繊維が湿熱によってゲル化しながら押し拡げられて不織布を構成する繊維間を埋めながら膜状のゲル化物となって他の繊維が固定される。その際、膜状のゲル化物は、不織布表面を部分的に被覆するとよい。この膜状のゲル化物の不織布全表面に対する割合(膜状度)は、50%以上95%以下の範囲内にあることが好ましい。より好ましい膜状度は、60%以上である。この膜状度は、ゲル化物の拡がり度合い、つまり、繊維間への浸透度を表す指標であり、この値が大きいほどこのゲル化物が不織布表面及び内部に略均一に拡がっていることを示す。膜状度が50%未満であると、ゲル化物の繊維間への浸透が不十分であるため平均孔径と最大孔径の範囲が適正化しにくく、特に最大孔径が大きくなる傾向にあり、その結果、微粉末短絡が生じやすくなる可能性がある。一方、膜状度が95%を超えると、不織布がフィルム化されて孔が存在しない領域が大きくなり易く、その結果、電解液通過性が悪くなり、電池の内部抵抗が上昇する可能性がある。
本発明の有機電解液電池用セパレータの突き刺し強力は、2N以上であることが好ましい。より好ましい突き刺し強力は、4N以上であり、さらにより好ましくは、5N以上である。この突き刺し強力はデンドライト短絡防止性の程度を表す代用特性であり、この値が大きいほどデンドライト短絡が発生しにくいことを示す。そして、この突き刺し強力が2N未満であるとデンドライト短絡が発生しやすくなる。また、突き刺し強力の標準偏差は1.1N以下であることが好ましい。より好ましくは0.8N以下であり、さらに好ましくは0.5N以下である。この突き刺し強力の標準偏差は、突き刺し強力のバラツキを表す指標であり、この値が大きいほど部分的に突き刺し強力の小さい部分が存在するためデンドライト短絡が発生しやすくなる。そして、この標準偏差が1.1Nを超えると、前述したようにデンドライト短絡が発生しやすくなる傾向にある。
本発明の有機電解液電池用セパレータの厚みは、15μm以上70μm以下の範囲内であることが好ましい。より好ましい厚みは、60μm以下であり、さらにより好ましくは、35μm以下である。セパレータの厚みが15μm未満であると、セパレータの孔径、特に最大孔径が大きくなる傾向にあり、微粉末短絡防止性及びデンドライト短絡防止性が低下する場合がある。一方、セパレータの厚みが70μmを超えると、電解液通過性が悪くなり、電池の内部抵抗が上昇する場合がある。また、電池体積当たりの電極板数が減少することになるため、電池性能も劣る傾向にある。
また本発明の有機電解液電池用セパレータにおける不織布の比容積は、1.05cm3/g以上1.5cm3/g以下の範囲内にあることが好ましい。より好ましい比容積は、1.1cm3/gである。より好ましい比容積は、1.3cm3/gである。比容積が1.05cm3/g未満であると、不織布が緻密になりすぎて電解液保持性が悪くなり、その結果電池の内部抵抗が上昇する可能性がある。一方、比容積が1.5cm3/gを超えると、不織布の嵩が大きくなりすぎ、セパレータの孔径を小さくすることが困難となり、その結果、微粉末短絡が発生しやすくなる傾向にある。
本発明の有機電解液電池用セパレータにおける不織布の目付は、10g/m2以上50g/m2以下の範囲内にあることが好ましい。より好ましい不織布の目付は、15g/m2以上である。より好ましい不織布の目付は、35g/m2以下である。不織布の目付が上記した範囲を外れると、目的とするセパレータの厚み及び孔径を得るのが困難となるからである。
次に、本発明の有機電解液電池用セパレータを製造方法で示しながら説明する。
本発明の有機電解液電池用セパレータを製造する際に、前記湿熱ゲル化樹脂を不織シート内に均一に分散させることによって、平均孔径と最大孔径の範囲が適正化しやすくなる。また、ゲル加工前に、前記不織シート内に均一に水分を保持させることによって、前記不織シート内に存在する湿熱ゲル化樹脂を略均一にゲル化させることが可能となり、より均一に、構成する繊維間をゲル化物で固定させることが可能となる。そのため、平均孔径と最大孔径の範囲が適正化しやすくなる。さらに、ゲル加工を水分存在下で、湿熱ゲル化樹脂のゲル化温度以上、湿熱ゲル化樹脂の[融点−20℃]以下の範囲内にある温度で実施することによって、前記湿熱ゲル化樹脂及び構成する他の繊維が実質的に収縮しない温度で加工することが可能になり、前記湿熱ゲル化樹脂及び構成する他の繊維の溶融に伴う収縮現象が発現しにくくなる。そのため、不織布加工時の寸法変化が小さく、目付及び厚み等のバラツキの小さい、ひいては歩留まりに優れ、電池の不良品率の小さいセパレータを得ることができる。
特に、このような性質の湿熱ゲル化樹脂を使用し、熱ロール等によって高圧力下で加圧加工すると、湿熱により不織シート全体の湿熱ゲル化樹脂が瞬時にゲル化しながら押し拡げられて不織シート内に浸透させることができる。そのため、不織布を構成する繊維をゲル化物で不織布の平面方向及び厚み方向いずれにおいても略均一に固定させることが可能となる。その結果、引張強力、突き刺し強力が大きく、不織布の平均孔径と最大孔径の範囲が適正化され、突き刺し強力のバラツキの小さいセパレータを得ることができる。
加えて、不織シートとして湿式抄紙法により形成される湿式不織布を用いることにより、前記分割型複合繊維から割繊した略楔形形状の断面形状を有する湿熱ゲル化極細繊維及び他の極細繊維は、繊維の扁平方向が不織布の面方向に配向するので、不織布の面方向に沿って平行に集積されて湿熱ゲル化極細繊維を湿熱ゲル化したときに、不織布の面方向に押し拡げられた膜状のゲル化物を形成し易く、他の極細繊維が不織布の面方向の孔径を調整して、不織布の平均孔径、最大孔径を適正化することができる。
なお、ここでいう不織シートとは、ウェブ及び不織布のことを示し、ゲル加工するまでの形態を示す。ウェブとは、カードウェブ、エアレイウェブ、湿式抄紙ウェブ等の構成繊維同士が接合していないものを示す。また、不織布は、前記ウェブを熱溶融等による接着処理や、水流交絡、ニードルパンチ等の絡合処理等を施し、構成繊維同士が接合したものを示す。以下においても同様である。
前記不織シートは、まず、上述した分割型複合繊維及び他の繊維を準備し、公知の方法で作製する。前記不織シートの形態としては、より均一な不織布を得るという理由から、湿式抄紙法による湿式抄紙ウェブ又は湿式不織布(以下、湿式不織シートという)が好ましい。
前記湿式不織シートに用いられる繊維の繊維長は、1mm以上20mm以下の範囲内にあることが好ましい。より好ましい繊維長は、2mm以上であり、さらにより好ましくは、3mm以上である。より好ましい繊維長は、15mm以下であり、さらにより好ましくは、12mm以下である。繊維長が1mm未満であると、突き刺し強力に劣り、その結果、デンドライト短絡が発生しやすくなる傾向にある。また、繊維長が20mmを超えると、スラリー中における繊維の分散性が悪くなり、地合の均一な不織布を得ることが困難となる。その結果、特に最大孔径が大きくなりやすく、微粉末短絡が発生しやすくなる傾向にある。
湿式不織シートの場合は、通常の方法で行えば良く、それぞれの繊維を所望の範囲となるように混合して、0.01〜0.6mass%の濃度になるように水に分散させ、スラリーを調整する。このとき少量の分散剤を加えても良い。前記分割型複合繊維は、スラリーの離解、叩解処理時に前記繊維を分割発現させておくと、抄紙したときに割繊した極細繊維が不織布中により均一に分散されるとともに、繊維の扁平方向が不織布の面方向に配向し、不織布の面方向に沿って平行に集積されるので、ゲル加工したときにゲル化物が略均一に押し拡げられて、より緻密で平均孔径と最大孔径が適正化された突き刺し強力のバラツキが小さいセパレータを得ることができる。特に、湿熱ゲル化樹脂を含む分割型複合繊維を使用して、スラリーの離解、叩解処理時に前記繊維を分割発現させておくと、抄紙したときに極細繊維化した湿熱ゲル化繊維を不織布中により均一に分散させることができる。これにより、湿熱ゲル化繊維がゲル化したときに、押し拡げられながら繊維間に浸透しゲル化物となって構成する繊維を略均一に固定することができ、より平均孔径と最大孔径が適正化され、突き刺し強力が大きく、突き刺し強力のバラツキが小さいセパレータが得やすくなる。その結果、微粉末短絡防止性及びデンドライト短絡防止性により優れたセパレータを得ることができる。前記スラリーは短網式、円網式、長網式あるいはそれらを組み合わせた抄紙機等を用いて所望の目付に抄紙される。
湿式抄紙されたウェブは、熱溶融性繊維のプロピレン系共重合樹脂により構成する繊維を接着させるとよい。湿熱ゲル化極細繊維及びプロピレン系繊維との接着性が高いプロピレン共重合樹脂を熱溶融成分とし、接着することにより、ゲル加工前の不織シートの構成繊維は強固に接着され、繊維の自由度を拘束することができ、均一な孔径を維持することができる。その結果、ゲル加工時の強力な加圧加工においても、繊維が自由に動いて不織布の孔径が乱れるようなことがなく、均一な孔径の不織布を得ることができる。
湿式抄紙されたウェブを熱処理する条件は、シリンダードライヤー、熱ロール等公知の熱処理機を用いて、プロピレン系共重合樹脂が軟化又は溶融する温度で熱処理するとよい。具体的には、120℃以上145℃以下の温度で、20N/cm以上100N/cm以下の範囲にある線圧で処理するのが好ましい。
また、必要に応じて、本発明の効果を妨げない範囲で、ウェブ又は不織布へ水流交絡処理を施しても構わない。水流交絡処理を施すことによって、前記分割型複合繊維の割繊を促進させる、並びに繊維同士の交絡度を高めることができる。
本発明のように平均孔径と最大孔径の範囲が適正化されたセパレータを得るには、ゲル加工の際、不織シート全体に存在する湿熱ゲル化樹脂をより均一にゲル化させることが重要である。そのためには、ゲル加工前に水分を不織シート内部まで全体に均一に付与させることが重要であり、不織シートがより均一な水濡れ性を有していることが重要である。
上述した水濡れ性を表す指標としては、脱塩水による接触角が挙げられる。接触角が小さいほど水に濡れやすいため、不織シートにより均一に水分を付与することができる。具体的には、ゲル加工前の脱塩水による不織シート表面の接触角が脱塩水滴下5秒後、60度以下であることが好ましい。より好ましい接触角は、55度以下である。さらにより好ましい接触角は、50度以下である。脱塩水による不織シート表面の接触角が60度を超えると、この水濡れ性が不足しやすくなるため、均一に水分を付与させることが困難となるからである。
本発明のセパレータにポリオレフィン樹脂のような疎水性を示す繊維を使用した場合は、この水濡れ性が不足しやすく均一に水分を付与させることが困難となる。そのため、不織シートに親水処理を施すことが好ましい。親水処理を施すことにより、前記接触角を満足する親水不織シートを作製するとよい。親水処理としては、コロナ放電処理、プラズマ処理、電子線処理、フッ素雰囲気に晒す処理(以下、フッ素処理という。)、グラフト処理、スルホン化処理及び界面活性剤処理等が挙げられる。
例えば、コロナ放電処理であれば、不織シートの両面にそれぞれ1〜20回処理するとよく、処理した総放電量が0.05〜10kW・分/m2の範囲で処理するとよい。フッ素処理であれば、不織シートに不活性ガスで希釈したフッ素ガスと、酸素ガスや亜硫酸ガス等との混合ガスに接触させ親水基を導入する方法が挙げられる。グラフト重合処理であれば、ビニルモノマーと重合開始剤とを含む溶液中に不織シートを浸漬して加熱する方法、不織シートにビニルモノマーを塗布した後に放射線を照射する方法等を用いるとよく、さらに、ビニルモノマー溶液と不織シートとを接触させる前に、紫外線照射、コロナ放電、プラズマ放電などにより、不織シート表面を改質処理すれば、効率的にグラフト重合でき好ましい。スルホン化処理としては、濃硫酸処理、発煙硫酸処理、クロロスルホン酸処理、無水硫酸処理などが挙げられる。界面活性剤処理であれば、親水性能を有するアニオン系界面活性剤又はノニオン系界面活性剤の溶液中に不織シートを浸漬し、あるいは塗布して付着させる方法等がある。なお、上述した親水処理は、ゲル加工後の不織布に施しても全く構わない。処理方法は、上述したいかなる方法であっても、また、二種以上組み合わせても構わない。
前記親水処理のうち、特にフッ素処理は、ゲル加工時に不織シート内部までより均一に水分を付与させることができ、好ましい。さらに、フッ素処理は、樹脂表面のより深くまで親水基を導入させることができるため、ゲル加工後にも親水性の低下が小さく、ゲル加工後も不織布の親水性を保つことができる。フッ素処理の具体的な条件としては、フッ素処理での混合ガス中のフッ素の濃度は、0.01〜80体積%の範囲が好ましい。より好ましいフッ素の濃度の下限は、0.1体積%である。さらにより好ましいフッ素の濃度の下限は、0.5体積%である。より好ましいフッ素の濃度の上限は、30体積%である。さらにより好ましいフッ素の濃度の上限は、10体積%である。また、反応温度は10℃以上50℃以下の範囲内にあることが好ましい。また、反応時間は特に限定されないが、1秒以上30分以下の範囲にあることが好ましい。
そして、本発明で得られた有機電解液電池用セパレータにおいて、脱塩水による前記不織布表面の接触角も脱塩水滴下5秒後、60度以下であることが好ましい。より好ましい接触角は55度以下である。さらに好ましい接触角は50度以下である。この接触角は、ゲル加工による濡れ性の低下度合いを表す指標となる。ゲル加工後の接触角も60度以下に維持できるような親水処理が、本発明のゲル加工前の不織シートの内部まで均一に水分を付与することができるため好ましい。このようなゲル加工後の接触角も60度以下に維持できるような親水処理は上述したように、フッ素処理が挙げられるが、同様な効果を有する処理方法であればどのような方法であっても構わない。
次いで、前記不織シート又は前記親水不織シートには、水分が付与されて、含水シートが作製される。本発明のセパレータを得るには、湿熱ゲル化樹脂の内部まで水分を吸収させる必要はなく、その周囲に水分が付着している状態であればよい。このような状態にある含水シートを下記の方法で加熱体に挟持すれば、瞬間的に発生する水蒸気は加熱体により不織シート内に封じ込められ、湿熱ゲル化樹脂を瞬時に、不織シート内部までゲル化させることができる。
前記不織シート又は前記親水不織シートに付与される水分率は、20mass%以上300mass%以下の範囲内にあることが好ましい。より好ましい水分率の下限は、50mass%である。さらにより好ましい水分率の下限は、80mass%である。より好ましい水分率の上限は、200mass%である。さらにより好ましい水分率の上限は、150mass%である。水分率が20mass%未満であると、湿熱ゲル化極細繊維のゲル化が十分に起こらず、膜状のゲル化物を形成しにくくなる傾向にあり、平均孔径と最大孔径の範囲の適正化に寄与するのが困難となる場合がある。一方、水分率が300mass%を超えると、ゲル加工の際、不織シート表面と内部に均一に熱がかかりにくくなる傾向にあり、不織布表面のみがフィルム化する場合がある。その結果、得られるセパレータの厚み方向のゲル化度合いは、均一でなくなり、構成する他の繊維の固定が不均一となり、厚み方向の孔径ムラが大きくなる可能性がある。この水分の付与方法としては、スプレー、水槽へのディッピング等いずれであっても構わない。
そして、前記含水シートは、前記湿熱ゲル化樹脂のゲル化する温度以上、前記湿熱ゲル化樹脂の[融点−20℃]以下の範囲内にある温度に設定された熱処理機で湿熱処理(ゲル加工)されることにより、湿熱ゲル化樹脂がゲル化するとともに、ゲル化した湿熱ゲル化樹脂によって他の繊維が固定されて、有機電解液電池用セパレータを得ることができる。ゲル加工時の設定温度は、60℃以上、湿熱ゲル化樹脂の融点−20℃以下が好ましい。より好ましい設定温度の下限は、80℃である。さらにより好ましい設定温度の下限は、85℃である。より好ましい設定温度の上限は140℃である。最も好ましい加圧加工温度は、90℃以上140℃以下の範囲である。ゲル加工の設定温度が80℃未満であると、十分にゲル化させることが困難であり、構成する他の繊維の固定が十分でなく、あるいは平均孔径と最大孔径の範囲を適正化することが難しくなる可能性がある。一方、ゲル加工の設定温度が湿熱ゲル化樹脂の融点−20℃を超えると、ゲル加工に熱ロールを使用した場合、ロールに前記湿熱ゲル化樹脂が粘着しやすい、あるいは不織布に収縮が発生し寸法安定性が悪くなる等して、歩留まりが低下しやすく、電池の不良品率が大きくなりやすくなる傾向にある。なお、ゲル加工の温度を設定温度としたのは、水分を含んだ不織シートをゲル加工した場合、熱処理機の設定温度を100℃以上にしたとき、まず不織シート内の水分が蒸発する。そのとき湿熱ゲル化樹脂のゲル化が進行するので、ゲル加工の実温度は設定温度よりも低くなる傾向にある。そのため、厳密にゲル加工温度を特定するのが困難な場合があるからである。したがって、他の繊維の融点が熱処理機の設定温度よりも低い場合でも、実質的に溶融しない、あるいは実質的に収縮しないことがあり、ゲル加工温度は他の繊維が実質的に収縮しない温度で処理することが好ましい。
前記ゲル加工は、熱ロール、熱プレス等の加圧圧縮加工であることが好ましい。加圧加工によれば、湿熱ゲル化樹脂が湿熱ゲル化したときに、押し拡げられた膜状のゲル化物が繊維間に浸透し易く、平均孔径及び最大孔径を適正化することができる。特に、加圧加工が熱ロールによる加圧加工であると、生産性に優れるのでより好ましい。
前記熱ロールの線圧は、350N/cm以上15000N/cm以下の範囲内にあることが好ましい。より好ましい線圧の下限は、400N/cmである。より好ましい線圧の上限は、10000N/cmである。線圧が350N/cm未満であると、湿熱ゲル化樹脂を不織布内部まで十分に浸透させることが難しく、また、膜状のゲル化物を形成しにくくなる。その結果、平均孔径と最大孔径の範囲の適正化に寄与しにくく、微粉末短絡が生じやすくなる傾向にある。一方、線圧が15000N/cmを超えると、圧力が大きすぎるため、繊維の切断が起こりやすく、貫通孔が孔きやすくなり、その結果、微粉末短絡が生じやすくなる、あるいはセパレータの突き刺し強力が低下する可能性がある。上記熱ロールによる加圧加工は、1度でもよいし、2度以上加工してもかまわない。
また、ゲル加工時熱ロールへの湿熱ゲル化樹脂による粘着が発生する場合、必要に応じて界面活性剤等の離型剤等を使用しても構わない。また、ゲル加工後の不織布に本発明の効果を損なわない範囲で、油剤、糊剤等を添加しても構わない。
なお、本発明に用いられる不織布は、単独で使用する以外に、必要に応じて他のシート、例えば微多孔膜、他の不織布等を積層して使用することができる。
本発明の有機電解液電池用セパレータは、前記湿熱ゲル化樹脂と他の繊維を含む不織シートを、含水させて湿熱ゲル化樹脂がゲル化する温度以上湿熱ゲル化樹脂の[融点−20℃]以下の範囲内でゲル加工する製造方法を採ることにより、所望の平均孔径及び最大孔径を満足するセパレータを得ることができる。前記湿熱ゲル化樹脂と他の繊維を含む不織シートをゲル加工の前に親水処理することにより、不織シート全体が均一に水分を保持することができ、ひいては略均一に湿熱ゲル化樹脂をゲル化することができる。さらに、ゲル加工として加熱加圧加工を採ることによって、略均一に分散した前記湿熱ゲル化樹脂がゲル化し押し拡げられ、膜状のゲル化物となって構成する他の繊維を不織布内部まで略均一に固定することができる。
図1は本発明の一実施例の複合繊維である。この複合繊維10は、湿熱ゲル化極細繊維11と他の極細繊維12から構成され、24区分に割繊可能な繊維である。中心点から放射状に割繊可能である。図2は湿熱ゲル化極細繊維11の断面図を示し、短軸厚み(楔形断面の最大厚み)Dは、0.7μm以上2.2μm以下が好ましく、長さLは、楔形断面の最大厚みDの2倍以上であるのが好ましい。
[実施例]
以下、本発明について実施例を挙げて具体的に説明する。なお融点、単繊維繊度、単繊維強度、厚み、突き刺し強力、突き刺し強力の標準偏差、平均孔径、最大孔径、不織布表面の膜状度、不織布表面の接触角、及び不織布面積収縮率(以下、「加工時収縮率」という)は以下の方法により測定した。
(1)融点:JIS K 7121(DSC法)に準じ測定した。
(2)単繊維繊度:JIS L 1013に準じて測定した。
(3)単繊維強度:JIS L 1015に準じ、引張試験機を用いて、試料の掴み間隔を20mmとし、繊維が切断したときの荷重値を測定し単繊維強度とした。
(4)厚み:175kPa荷重(JIS−B−7502に準じたマイクロメーターによる測定)により、3枚の試料のそれぞれ異なる10箇所で厚みを測定し、計30箇所の平均値を求めた。
(5)突き刺し強力:カトーテック社製「KES−G5 ハンディー圧縮試験機」を用いて、縦30mm、横100mmの大きさに裁断した不織布を準備し、試料の上に縦46mm、横86mm、厚み7mmのアルミ板の中央部に直径11mmの孔を有する押さえ板を載置した後、先端部が1mmφの球状部、軸の部分が底面直径2.2mm、高さ18.7mmの円錐状になった針を、2mm/秒の速度で押さえ板の孔の中央に垂直に突き刺した時の最大荷重(N)を測定し、突き刺し強力とした。なお、この突き刺し強力は4枚の試料のそれぞれ異なる15箇所で厚みを測定し、計60箇所の平均値とした。
(6)突き刺し強力の標準偏差:上記で測定したn=60の標準偏差を求めた。
(7)平均孔径・最大孔径:パームポロメータ(Porous Materials Inc.製)を使用し、ASTM F 316 86に準じ、バブルポイント法によって測定した。
(8)不織布表面の膜状度:不織布の任意の10箇所の表面を200倍の倍率で電子顕微鏡にて撮影する。この不織布表面において、各繊維が隣接する繊維同士が連続して固定されている面積の不織布全面積に対する百分率を算出した。
(9)不織シート表面の接触角:協和界面化学社製、接触角計(洗浄度評価システム)、型式:CA−X150を用いて、図3に示すように、ガラス板1の上に、縦1cm,横5cmの試料2をのせてテープで固定する。次に、試料2の上にマイクロシリンジで正確に純水3を2マイクロリットル滴下する。5秒間放置後、図3で示す水滴の直径a及び高さhを測定する。前記直径a及び高さhから、次の算式を用いて接触角θを求める。
tan(θ/2)=h/(a/2)
(10)加工時収縮率(%):下記式の通り算出する。
[1−(ゲル加工後不織布面積/ゲル加工前不織シート面積)]×100
実施例及び比較例に用いられる繊維原料を以下のとおり準備した。
[繊維1]
第一成分を湿熱ゲル化樹脂として、エチレン含有量38モル%、鹸化度99%のエチレンービニルアルコール共重合体(EVOH、日本合成化学社製、ソアノールK3835BN、融点170℃)を使用し、第二成分をポリプロピレン(PP、日本ポリケム社製、SAO3B、融点163℃)とした、放射状に24に区分された分割断面形状を有する、第一成分/第二成分の面積比が50/50、繊度が1.2dtex、繊維長4mmの分割型複合繊維を準備した。
[繊維2]
第一成分を湿熱ゲル化樹脂として、エチレン含有量38モル%、鹸化度99%のエチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH、日本合成化学社製、ソアノールK3835BN、融点170℃)を使用し、第二成分をポリプロピレン(PP、日本ポリプロ社製、SA03B、融点163℃)とし、公知の方法によって溶融紡糸し、150℃の空気中にて3倍に延伸した、放射状の16分割断面形状を有し、第一成分/第二成分の面積比が50/50、繊度が1.4dtex、繊維長6mmの分割型複合繊維を準備した。
[繊維3]
第一成分を高密度ポリエチレン(HDPE、日本ポリプロ社製、HE490、融点132℃)、第二成分をポリプロピレン(日本ポリプロ社製、SA03B、融点163℃)であって、公知の方法によって溶融紡糸し、90℃の温水中にて5倍に延伸した、放射状の16分割断面形状を有し、第一成分/第二成分の面積比が50/50、繊度が1.4dtex、繊維長6mmの分割型複合繊維を準備した。
[繊維4]
鞘成分(熱融着成分)をメタロセン触媒により重合されたエチレンープロピレン共重合体(EP、日本ポリプロ社製、OX1066A、融点136℃)、芯成分をポリプロピレン(日本ポリプロ社製、SAO3A、融点163℃)とした芯成分/鞘成分の面積比が50/50、繊度が0.9dtex繊維長4mmの同芯円鞘芯型複合繊維を準備した。
[繊維5]
繊維4の繊維長を10mmとした同芯円鞘芯型複合繊維を準備した。
[繊維6]
鞘成分を高密度ポリエチレン(日本ポリプロ社製、HE490、融点132℃)、芯成分をポリプロピレン(日本ポリプロ社製、SA03B、融点163℃)とし、公知の方法によって溶融紡糸し、90℃の温水中にて4倍に延伸した、芯成分/鞘成分の面積比が50/50、繊維長10mmの同芯円鞘芯型複合繊維を準備した。
[繊維7]
ポリプロピレン(日本ポリプロ社製、SA03B、融点163℃)を公知の方法によって溶融紡糸し、150℃の空気中にて3倍に延伸した、単繊維強度5.8cN/dtex、繊維長10mmの丸断面ポリプロピレン単一繊維を準備した。

[実施例1]
繊維1を50mass%、繊維4を50mass%混合して、0.5mass%の濃度になるように、離解、叩解処理して水分散スラリーを調製した。得られた水分散スラリーを、円網式湿式抄紙機及び短網式湿式抄紙機からそれぞれ目付12.5g/m2の湿式抄紙ウェブを作製して抄き合わせた。次いでシリンダードライヤー機を用いて137℃で熱処理し、乾燥させるとともに、繊維1の湿熱ゲル化樹脂及び繊維4の鞘成分により仮接着させ、目付約25g/m2の湿式不織シートをロールにて巻き取った。得られた湿式不織シートにおいて、繊維1はほぼ100%分割し、不織布中に略均一に分散していた。繊維1の割繊後の極細繊維における短軸厚みは、約1.6μmであった。なお分割率は、不織布の長手方向が断面となるように束ねて1mm径の穴のあいた金属プレートに通し、電子顕微鏡を用いて400倍に拡大して、分割された繊維の割合を算出して求めた。
次いで、前記湿式不織シートを、ガス組成がフッ素1体積%、酸素73体積%、窒素26体積%からなる混合ガスを処理器に導入し、室温(25℃)において1分間処理した。その後、60℃の湯で洗浄し、熱風乾燥機で70℃にて乾燥し、親水不織シートとした。得られた親水不織シートの脱塩水による接触角は0度であった。
前記親水不織シートに水分を前記シートに対してスプレーにて180mass%含浸させ、120℃に加熱した一対のプレーンロールからなる熱ロールにて線圧8000N/cm、加工速度7m/分の条件下でゲル加工を施し、さらに上記と同条件で厚み調整を施して、本発明の有機電解液電池用セパレータを得た。
図4は本実施例のゲル加工前の湿式不織シートの断面SEM写真(300倍)である。分割型複合繊維と熱溶融性繊維を含み、分割型複合繊維が割繊されて略楔状の極細繊維を形成している。ます(実施例1相当)。略楔状の極細繊維は、繊維の扁平方向が不織布の面方向に配向して集積されてシートを形成している。
図5は、本実施例のゲル加工後のセパレータの表面SEM写真(300倍)である。湿熱ゲル化極細繊維が湿熱ゲル化して押し拡げられた膜状のゲル化物を形成している。
図6はゲル加工後のセパレータの断面SEM写真(1000倍)である。湿熱ゲル化極細繊維が湿熱ゲル化して押し拡げられて、膜状のゲル化物を形成して、構成する他の繊維を固定しているのが判る。
[実施例2]
円網式湿式抄紙機及び短網式湿式抄紙機からそれぞれ目付9g/m2の湿式抄紙ウェブを作製して抄き合わせた。次いでシリンダードライヤー機を用いて137℃で熱処理し、乾燥させるとともに、繊維1の湿熱ゲル化樹脂及び繊維4の鞘成分により仮接着させ、目付約18g/m2の湿式不織シートとした以外は、実施例1と同様の処理をし、有機電解液電池用セパレータを得た。
[実施例3]
繊維4の代わりに、繊維5を用いて、湿式抄紙後のシリンダードライヤー機の温度を141℃とした以外は、実施例1と同様の方法で、有機電解液電池用セパレータを得た。
[比較例1]
繊維2を50mass%、0.8dtexの繊維6を30mass%、0.6dtexの繊維7を20mass%混合して、0.5mass%の濃度になるように水分散スラリーを調製した。得られた水分散スラリーを、円網式湿式抄紙機及び短網式湿式抄紙機からそれぞれ目付15g/m2の湿式抄紙ウェブを作製して抄き合わせた。次いでシリンダードライヤー機を用いて135℃で熱処理し、乾燥させるとともに、繊維2の湿熱ゲル化樹脂及び繊維6の鞘成分により仮接着させ、目付30g/m2の湿式不織シートをロールにて巻き取った。得られた湿式不織シートにおいて、繊維2はほぼ100%分割し、不織布中に略均一に分散していた。繊維2の割繊後の極細繊維における短軸厚みは、約2.6μmであった。
次いで、前記湿式不織シートを、ガス組成がフッ素1体積%、酸素73体積%、窒素26体積%からなる混合ガスを処理器に導入し、室温(25℃)において1分間処理した。その後、60℃の湯で洗浄し、熱風乾燥機で70℃にて乾燥し、親水不織シートとした。得られた親水不織シートの脱塩水による接触角は0度であった。
そして、水分を含浸せずに前記親水不織シートを130℃に加熱した一対のプレーンロールからなる熱ロールにて線圧500N/cm、加工速度3.3m/分の条件下で加圧加工を施しセパレータ用不織布を得たが、厚み加工時に収縮しロール巻き取りが困難であった。
[比較例2]
繊維6を2.0dtex、繊維7を2.0dtexとした以外は、比較例1と同様の方法で湿式不織シートを作製した。
次いで、前記湿式不織シートを、ガス組成がフッ素1体積%、酸素73体積%、窒素26体積%からなる混合ガスを処理器に導入し、室温(25℃)において1分間処理した。その後、60℃の湯で洗浄し、熱風乾燥機で70℃にて乾燥し、親水不織シートとした。得られた親水不織シートの脱塩水による接触角は0度であった。
前記親水不織シートに水分を前記シートに対してスプレーにて100mass%含浸させ、130℃に加熱した一対のプレーンロールからなる熱ロールにて線圧500N/cm、加工速度3.3m/分の条件下でゲル加工を施し、セパレータ用不織布を得た。
[比較例3]
繊維2を20mass%、0.8dtexの繊維6を50mass%、0.6dtexの繊維7を30mass%とした以外は、比較例2と同様の処理をし、セパレータ用不織布を得た。
[比較例4]
比較例1で作製した湿式不織シートに、親水化処理を施すことなく、水分を前記シートに対してスプレーにて100mass%含浸させ、130℃に加熱した一対のプレーンロールからなる熱ロールにて線圧500N/cm、加工速度3.3m/分の条件下でゲル加工を施し、セパレータ用不織布を得たが、ゲル加工前の脱塩水による接触角が105度であったため、水分が均等に浸透せず均一にゲル化できなかった。
[比較例5]
繊維2に代えて、繊維3を用いた以外は、比較例1と同様の処理をしたが、厚み加工時不織布の収縮が大きく、ロール巻き取りが不可能であった。
以下の表1及び表2に、実施例1−4及び比較例1−5の条件と結果をまとめる。
表1〜2から明らかな通り、実施例1〜3のいずれにおいても、繊度が1.1dtex以下のプロピレン系共重合体樹脂を熱融着成分とする熱溶融性繊維を用いることにより、良好なゲル加工性を維持しながら、孔径が小さく、平均孔径と最大孔径の範囲が適正化され、突き刺し強力の標準偏差及びゲル化物の膜状度の割合が所望の範囲である不織布が得られることが確認できた。これを用いたセパレータは、電池の不良品率が低く、短絡が発生しなかった。特に、放射状で24に区分された分割型複合繊維を出発原料とし、割繊して略楔状形状の極細繊維を含むことにより、不織布の厚みを20〜30μmにまで低減することができた。
一方、比較例1では、水分を含浸させなかったため湿熱ゲル化樹脂がゲル化せずセパレータの孔径及び厚みが低減できなかった。また、水分を付与させていないため熱ロールの温度が直接不織布にかかり、その結果、繊維6の鞘樹脂の融点以上となったため不織布の収縮も大きかった。これをセパレータとして用いると微粉末短絡が発生した。比較例2では、繊維径が大きいため孔径が小さくならなかったため、セパレータとして用いると、微粉末短絡が発生した。比較例3では、湿熱ゲル化樹脂の含有率が少なかったため、湿熱ゲル化樹脂が十分に繊維間へ拡がらず孔径、特に最大孔径が小さくならなかった。これをセパレータとして用いると微粉末短絡が発生した。また、比較例4では、ゲル厚み加工前に親水処理を施さなかったため、不織布に水分を均一に付与することができず最大孔径が小さくならず、また突き刺し強力バラツキが大きくなった。これをセパレータとして用いると微粉末短絡が発生した。比較例5では、湿熱ゲル化樹脂を使用しなかったために、厚み加工時、不織布の収縮が大きくロールへの巻き取りが不可能であった。
本発明の有機電解液電池用セパレータは、有機電解液電池、特にリチウムイオン二次電池に好適に用いることができる。また、電気二重層キャパシタ、コンデンサー等の電気化学素子に用いられる。さらに、本発明のセパレータは、電池の自己放電性能が改良されており、一般民生用電池等に用いられ、特に電気自動車(PEV)やハイブリッド車(HEV)用に好適である。
本発明の一実施例における複合繊維の斜視図である。 同、湿熱ゲル化極細繊維の断面図である。 同、不織シート表面の接触角を測定する説明図である。 本発明の実施例1におけるゲル加工前の湿式不織シートの断面SEM写真(300倍)である。 同、ゲル加工後のセパレータの表面SEM写真(300倍)である。 同、ゲル加工後のセパレータの断面SEM写真(1000倍)である。
符号の説明
10 複合繊維
11 湿熱ゲル化極細繊維
12 他の極細繊維

Claims (8)

  1. 水分存在下で加熱することによってゲル化し得る湿熱ゲル化樹脂を含む極細繊維と、プロピレン系繊維を含んで構成される不織布からなる有機電解液電池用セパレータであって、
    前記プロピレン系繊維は、繊度1.1dtex以下のプロピレン系共重合樹脂を熱融着成分とする熱溶融性繊維を含み、前記プロピレン系共重合樹脂が融着して前記不織布の構成繊維を接着しており、
    前記湿熱ゲル化樹脂は、加圧加工により湿熱ゲル化され押し拡げられた膜状のゲル化物に形成され、かつ前記不織布の構成繊維を固定しており、
    平均孔径が、0.3μm以上5μm以下の範囲であることを特徴とする有機電解液電池用セパレータ。
  2. 前記不織布は湿式抄紙されており、前記熱溶融性繊維の繊維長に対する繊維径の比(L/D)が500以上1000以下である請求項1に記載の有機電解液電池用セパレータ。
  3. 前記湿熱ゲル化樹脂を含む極細繊維は、湿熱ゲル化樹脂成分と、他の樹脂成分の2成分以上からなる分割型複合繊維が割繊されて得られる繊維である請求項1又は2に記載の有機電解液電池用セパレータ。
  4. 前記熱溶融性繊維は、芯鞘型であり、鞘成分が前記プロピレン系共重合樹脂、芯成分が鞘成分よりも融点が高い樹脂で構成されている請求項1に記載の有機電解液電池用セパレータ。
  5. 前記膜状のゲル化物の不織布全表面に対する割合(膜状度)は、50%以上95%以下である請求項1に記載の有機電解液電池用セパレータ。
  6. 水分存在下で加熱することによってゲル化し得る湿熱ゲル化樹脂を含む極細繊維と、繊度1.1dtex以下のプロピレン系共重合樹脂を熱融着成分とする熱溶融性繊維を含む不織シートを作製する工程と、
    前記熱溶融性繊維のプロピレン系共重合樹脂により前記不織シートの構成繊維を熱接着させる工程と、
    前記不織シートを湿熱加圧加工することにより、前記湿熱ゲル化樹脂の極細繊維をゲル化して押し拡げられた膜状のゲル化物とし、かつ前記不織シートの構成繊維を固定する工程とを含み、
    前記湿熱加圧加工が、熱ロールによる加圧加工であり、前記熱ロールの線圧が350N/cm以上15000N/cm以下であり、
    平均孔径が、0.3μm以上5μm以下の範囲である請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機電解液電池用セパレータを得ることを特徴とする有機電解液電池用セパレータの製造方法。
  7. 前記湿熱加圧加工の前に、前記不織シートを親水化処理する工程を含む請求項6に記載の有機電解液電池用セパレータの製造方法。
  8. 前記加圧加工温度は、90℃以上140℃以下の範囲である請求項6又は7に記載の有機電解液電池用セパレータの製造方法。
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