JP4659187B2 - 電池用セパレータ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この出願発明は電池用セパレータに関し、特に電池の短絡を防止し、電池不良率を低減させることのできるセパレータに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、アルカリ電池の正極と負極とを分離して短絡を防止すると共に、電解液を保持して起電反応を円滑に行なわせるために、正極と負極との間にセパレータが使用されている。
【0003】
近年、電子機器の小型軽量化に伴って、電池の占めるスペースも小さくなっているにもかかわらず、電池には従来と同程度以上の性能が必要とされるため、電池の高容量化が要求されている。そのためには電極の活物質量を増やす必要があるため、必然的に前記セパレータの占める体積が少なくならざるを得ない。つまり、セパレータの厚さを薄くする必要がある。しかしながら、従来のセパレータを単に薄くしたのでは、電池(極板群構成)を製造する段階の張力によって破断したり、極板のバリがセパレータを突き抜けたり、或は極板のエッジによりセパレータが引き裂かれてショートすることがあるため、歩留まりが悪くなるという問題があった。
【0004】
このような問題を解決するために、例えば、特開平10−284042号公報には、単繊維強度が5g/d以上の高強度繊維を使用したセパレータが開示されている。このセパレータは前記の問題点を改善できるものではあるが、前記の問題を更に生じにくいセパレータが待ち望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
この出願発明は上記の問題点を解決するためになされたものであり、この出願発明の目的は電池製造時に破断したり、極板のバリがセパレータを突き抜けたり、或は極板のエッジによりセパレータが引き裂かれてショートしにくいため、安定して電池を製造できる電池用セパレータを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この出願発明の電池用セパレータ(以下、単に「セパレータ」ということがある)は、引張強さが10g/d(デニール)以上、かつヤング率が800kg/mm以上のポリプロピレン系繊維(以下、「高ヤング率ポリプロピレン繊維」という)を含む繊維シートを備えており、かつエッジ式耐貫通力が585gf以上のものである。この出願発明者等は、この高ヤング率ポリプロピレン繊維を含む繊維シートを備えており、エッジ式耐貫通力が585gf以上であるセパレータは、電池(極板群構成)を製造する段階の張力によって破断したり、極板のバリがセパレータを突き抜けたり、或は極板のエッジによってセパレータが引き裂かれてショートが生じにくく、安定して電池を製造できることを見い出したのである。
【0007】
この出願発明の別のセパレータは、引張強さが10g/d(デニール)以上、かつヤング率が800kg/mm以上のポリプロピレン系繊維(高ヤング率ポリプロピレン繊維)を10mass%以上含む繊維シートを備えたものである。この出願発明者等は、この高ヤング率ポリプロピレン繊維は優れた強さ及び弾性率を有するため、この高ヤング率ポリプロピレン繊維を10mass%以上含む繊維シートを備えたセパレータは、電池(極板群構成)を製造する段階の張力によって破断したり、極板のバリがセパレータを突き抜けたり、或は極板のエッジによってセパレータが引き裂かれてショートが生じにくく、安定して電池を製造できることを見い出したのである。
【0008】
融着繊維を20mass%以上含む繊維シートであると、セパレータの引張強さや剛軟度が向上し、電池(極板群構成)を製造する段階の張力によって破断したり、極板のバリがセパレータを突き抜けたり、或は極板のエッジによってセパレータが引き裂かれてショートがより生じにくい。
特に、融着繊維の引張強さが3g/d(デニール)以上であると、更に電池(極板群構成)を製造する段階の張力によって破断したり、極板のバリがセパレータを突き抜けたり、或は極板のエッジによってセパレータが引き裂かれてショートがより生じにくい。
また、高ヤング率ポリプロピレン繊維が融着繊維よりも太いと、高ヤング率ポリプロピレン繊維が骨組みを形成し、この骨組みを融着繊維が融着して結合した状態にあるため、仮に変形したとしても融着繊維の変形に留めることができるため、電池内においてセパレータの厚さを維持することができ、空隙が確保され、気体の透過性が良好であるため、密閉型電池用のセパレータとして使用した場合には、電池の内圧が低くなる。また、セパレータの厚さを維持できることによって電解液が絞り出されにくく、液枯れを抑制できるため、電池を長寿命にできるという効果もある。
更に、融着樹脂の低融点成分が高密度ポリエチレンであると、強固に融着でき、しかも引張強さも優れているため、電池(極板群構成)を製造する段階の張力によって破断したり、極板のバリがセパレータを突き抜けたり、或は極板のエッジによってセパレータが引き裂かれてショートがより生じにくい。
【0009】
ポリオレフィン系極細繊維を10mass%以上、より好ましくは20mass%以上含む繊維シートであると、電解液の保持性を高めることができ、液枯れを抑制できるため、電池を長寿命にできるという効果がある。
【0010】
前記ポリプロピレン系繊維(高ヤング率ポリプロピレン繊維)の温度140℃における熱収縮率が8%以下であることが好ましい。熱収縮率が8%以下であると、セパレータの製造時に熱が加わったとしても、セパレータの寸法変化が少ないため、繊維の均一分散性に優れ、前記のような性能のより優れるセパレータである。
また、前記ポリプロピレン系繊維(高ヤング率ポリプロピレン繊維)の繊維断面形状が非円形であることが好ましい。繊維断面形状が非円形であると、前記のような性能により優れている。これは、極板のバリやエッジがこの高ヤング率ポリプロピレン繊維に当接したとしても、高ヤング率ポリプロピレン繊維が滑りにくく、繊維接点の目ズレが抑制されるため、バリやエッジからの力を分散して受け止めることができるためであると考えられる。また、高ヤング率ポリプロピレン繊維の断面形状が非円形であることによって、繊維シートが緻密な構造を採ることができるため、厚さのより薄いセパレータとすることができる。
更に、前記ポリプロピレン系繊維(高ヤング率ポリプロピレン繊維)がフィブリル化可能であることが好ましい。フィブリル化可能であると、前記のような性能により優れている。これは、極板のバリやエッジがこの高ヤング率ポリプロピレン繊維に当接した際に、高ヤング率ポリプロピレン繊維がフィブリル化してバリやエッジからの力を受け止めることができ、エッジやバリによる切断力が作用しにくいためであると考えられる。
【0011】
電池用セパレータのニードル式耐貫通力が700gf以上であると、更に極板のバリがセパレータを突き抜けにくく、耐ショート性に優れている。
電池用セパレータの地合指数が0.2以下であると、繊維(特に高ヤング率ポリプロピレン繊維)が均一に分散した状態にあるため、極板のバリがセパレータを突き抜けたり、或は極板のエッジによってセパレータが引き裂かれてショートがより生じにくい。
電池用セパレータの厚さ保持率が86%以上であると、電池内においてセパレータの厚さを維持することができ、空隙が確保され、気体の透過性が良好であるため、密閉型電池用のセパレータとして使用した場合には、電池の内圧が低くなる。また、セパレータの厚さを維持できることによって電解液が絞り出されにくく、液枯れを抑制できるため、電池を長寿命にできるという効果もある。
【0012】
【発明の実施の形態】
この出願発明のセパレータは、電池(極板群構成)を製造する際の張力によって破断したり、極板のバリがセパレータを突き抜けたり、或は極板のエッジによりセパレータが引き裂かれてショートすることがないように、高ヤング率ポリプロピレン繊維を含んでいる。なお、高ヤング率ポリプロピレン繊維は耐薬品性にも優れており、電解液によっても侵されないので、長期にわたって安定した性能を発揮することができる。
【0013】
この高ヤング率ポリプロピレン繊維は、電池(極板群構成)を製造する際の張力によって破断したり、極板のバリがセパレータを突き抜けたり、或は極板のエッジによりセパレータが引き裂かれてショートすることがないように、引張強さが10g/d(デニール)以上かつヤング率が800kg/mm以上である必要がある。前者の引張強さは11g/d以上であることがより好ましく、上限は特に限定するものではない。後者のヤング率は850kg/mm以上であることがより好ましく、上限は特に限定するものではない。
この出願発明における「引張強さ」はJIS L 1015(化学繊維ステープル試験法、定速緊張形)により測定した値をいい、ヤング率はJIS L 1015により測定した初期引張抵抗度から算出した見掛けヤング率の値をいう。
【0014】
この高ヤング率ポリプロピレン繊維の温度140℃における熱収縮率(以下、熱収縮率は温度140℃の時の値をいう。)が8%以下であると、セパレータの製造時に熱が加わったとしても、セパレータの寸法変化が少ないため、繊維の均一分散性に優れ、前記のような性能により優れている。より具体的には、高ヤング率ポリプロピレン繊維以外に融着繊維を含んでおり、この融着繊維によって引張強さや剛軟度を向上させるために、融着繊維の融着熱処理を実施したとしても、高ヤング率ポリプロピレン繊維が収縮しにくいため、セパレータの寸法変化が生じにくい。したがって、繊維の均一分散性が損なわれにくいため、前記のような性能により優れている。より好ましい熱収縮率は7%以下である。この熱収縮率はJIS L 1015に基づき、温度140℃のオーブン乾燥機を用いて測定した乾熱収縮率の値をいう。
【0015】
また、高ヤング率ポリプロピレン繊維の繊維断面形状が非円形であると、極板のバリがセパレータを突き抜けたり、極板のエッジによりセパレータが引き裂かれにくいため好適である。これは、極板のバリやエッジがこの高ヤング率ポリプロピレン繊維に当接したとしても、高ヤング率ポリプロピレン繊維が滑りにくく、繊維接点の目ズレが抑制されるため、バリやエッジからの力を分散して受け止めることができるためであると考えられる。また、高ヤング率ポリプロピレン繊維の断面形状が非円形であることによって、繊維シートが緻密な構造を採ることができるため、厚さのより薄いセパレータとすることもできる。より具体的な断面形状としては、例えば、長円状、多角形状(例えば、三角形状、四角形状、五角形状、六角形状など)、アルファベット形状(例えば、X形状、Y形状、I形状、V形状など)などを挙げることができる。これらの中でも五角形状、六角形状などの多角形状であることが好ましい。
【0016】
更に、高ヤング率ポリプロピレン繊維がフィブリル化可能であると、極板のバリがセパレータを突き抜けたり、極板のエッジによりセパレータが引き裂かれにくいため好適である。これは、極板のバリやエッジがこの高ヤング率ポリプロピレン繊維に当接した際に、高ヤング率ポリプロピレン繊維がフィブリル化してバリやエッジからの力を受け止めることができ、エッジやバリによる切断力が作用しにくいためであると考えられる。なお、高ヤング率ポリプロピレン繊維は既に一部又は全部がフィブリル化していても良いし、フィブリル化していなくても良い。前者のように一部又は全部がフィブリル化していると、極板のバリやエッジが高ヤング率ポリプロピレン繊維に当接したとしても、高ヤング率ポリプロピレン繊維が滑りにくく、繊維接点の目ズレを起すことなく更にフィブリル状に細繊化して、バリやエッジによる短絡を防止することができると考えられるため好適である。また、高ヤング率ポリプロピレン繊維の一部又は全部がフィブリル化していることによって、電解液の保持性がより向上するという効果もある。なお、この「フィブリル化可能」とは、外力によって、一端が自由な状態にあり、他端が高ヤング率ポリプロピレン繊維とつながった状態のフィブリルを発生可能であることをいい、このフィブリル化した状態は電子顕微鏡写真によって容易に確認することができる。
【0017】
この高ヤング率ポリプロピレン繊維の繊度は、電解液の保持性に優れるように、0.1〜2デニール程度であることが好ましく、0.1〜1.5デニール程度であることがより好ましい。また、高ヤング率ポリプロピレン繊維の繊維長は、繊維シートの態様によって異なるが、繊維シートが好適である不織布からなる場合には、1〜160mmであることが好ましい。
【0018】
このような高ヤング率ポリプロピレン繊維は、極板のバリがセパレータを突き抜けたり、極板のエッジにより引き裂かれないように、10mass%以上含まれており、多いほど短絡しにくいため、20mass%以上含まれていることが好ましい。
【0019】
なお、このような高ヤング率ポリプロピレン繊維は、例えば、アイソタクチックペンタッド分率(IPF)が95〜100%で、重量平均分子量/数平均分子量の比(Q値)が4未満であるアイソタクチックポリプロピレンを溶融紡糸した繊維を用い、被延伸物導入部及び該延伸物引き出し部に加圧水槽を配置し、高温加圧水蒸気をその内部に充填した延伸槽を用いた延伸装置により、延伸槽温度120℃以上、延伸倍率7倍以上で延伸することにより得ることができる。引き続き油剤処理、巻縮加工、乾燥、カットなど、常法の加工を行うことによりチョップ、ステープルファイバーなどの繊維形態にすることができる。このような方法で得られた繊維は繊維軸方向に高度に配向結晶化しており、特願平10−154242号に示されている通り、繊維側面を偏光下、クロスニコルの状態で観察した時、繊維軸方向に屈折率の異なる、断続的な線状の暗部と明部とからなる特有の縞模様を有するものである。
【0020】
この出願発明のセパレータは前述のような高ヤング率ポリプロピレン繊維を含む繊維シートを備えたものであるが、高ヤング率ポリプロピレン繊維以外に、電解液の保持性に優れるように、また耐電解液性に優れるように、繊度0.5デニール以下(好ましくは0.3デニール以下、0.01デニール以上)のポリオレフィン系極細繊維を含んでいることが好ましい。このポリオレフィン系極細繊維は、例えば、ポリエチレン(例えば、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンなど)、エチレン系共重合体(例えば、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン−プロピレン共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体など)、ポリプロピレン、プロピレン系共重合体、ポリメチルペンテン、メチルペンテン系共重合体などの樹脂成分1種類以上から構成されていることが好ましく、とくにポリエチレン及び/又はポリプロピレンが好ましい。
【0021】
このようなポリオレフィン系極細繊維は、メルトブロー法により、物理的作用により分割可能な分割繊維を分割することにより、或いは化学的作用により分割可能な分割繊維を分割することにより得ることができる。この物理的作用としては、例えば、水流などの流体流、ニードル、カレンダー、或はフラットプレスなどがある。他方、化学的処理としては、例えば、溶剤による樹脂成分の溶解除去や溶剤による樹脂成分の膨潤などがある。この分割繊維として、2種類以上の樹脂成分からなり、例えば図1〜図4に示すような繊維断面がオレンジ状の繊維、図5に示すような繊維断面が多重バイメタル型の繊維を使用できる。なお、この分割繊維は2種類以上の樹脂成分からなるが、ポリオレフィン系極細繊維を発生できるように、少なくとも1種類はポリオレフィン系樹脂成分からなる。ポリオレフィン系樹脂成分からなる極細繊維のみを発生できるように、ポリオレフィン系樹脂成分のみからなることが好ましい。
【0022】
この分割繊維、つまりポリオレフィン系極細繊維の繊維長も繊維シートの態様によって異なるが、繊維シートが好適である不織布からなる場合には、1〜160mmであることが好ましい。なお、メルトブロー法によりポリオレフィン系極細繊維を形成する場合には、特に限定されない。
【0023】
このようなポリオレフィン系極細繊維は電解液の保持性に優れるように、繊維シート中、10mass%以上含まれていることが好ましく、20mass%以上含まれていることがより好ましい。
【0024】
この出願発明のセパレータは引張強さや剛軟度に優れるように、融着繊維を含んでいることが好ましい。この融着繊維は高ヤング率ポリプロピレン繊維の強度を低下させないように、高ヤング率ポリプロピレン樹脂成分の融点よりも低い融点を有する樹脂成分(以下、「低融点成分」ということがある)を、少なくとも繊維表面に有する融着繊維であることが好ましい。この融着繊維を構成する低融点成分の融点は高ヤング率ポリプロピレン樹脂成分の融点よりも、5℃以上低いことが好ましく、10℃以上低いことがより好ましい。なお、ポリオレフィン系極細繊維も含んでいる場合、融着繊維の低融点成分の融点はポリオレフィン系極細繊維を構成する樹脂成分の融点よりも低いことが好ましい。具体的には、5℃以上低いことが好ましく、10℃以上低いことがより好ましい。
この出願発明における「融点」は示差熱量計を用い、昇温速度10℃/分で室温から昇温して得られる融解吸熱曲線の極大値を与える温度をいう。
【0025】
この融着繊維も耐電解液性に優れるように、前述のポリオレフィン系極細繊維と同様の樹脂成分1種類以上から構成されていることが好ましい。なお、分割繊維を構成する樹脂成分として、ポリエチレンとポリプロピレンとを含むことが好ましいため、分割繊維を構成するポリエチレンとして高密度ポリエチレンを使用し、融着繊維の低融点成分として低密度ポリエチレンを使用することが好ましい。なお、融着繊維は単一成分から構成されていても良いし、2種類以上の樹脂成分から構成されていても良いが、後者の方が、セパレータの引張強さをより向上させることができるため好適である。融着繊維が2種類以上の樹脂成分からなる場合、繊維断面形状は、例えば、芯鞘型、偏芯型、サイドバイサイド型、海島型、多重バイメタル型、或いはオレンジ型であることができる。
【0026】
この融着繊維の繊維長も繊維シートの態様によって異なるが、繊維シートが好適である不織布からなる場合には、1〜160mmであることが好ましい。また、融着繊維の繊度は電解液の保持性に優れるように、0.6〜5デニールであることが好ましく、0.6〜1.5デニールであることがより好ましく、0.6〜1デニールであることが更に好ましい。
【0027】
なお、融着繊維の引張強さが3g/d以上であると、セパレータのエッジ式及びニードル式耐貫通力を更に向上させることができるため、電池(極板群構成)を製造する段階の張力によって破断したり、極板のバリがセパレータを突き抜けたり、或は極板のエッジによってセパレータが引き裂かれてショートがより生じにくいため好適である。より好ましい引張強さは4g/d以上である。このような融着繊維として、例えば、低融点成分が高密度ポリエチレンからなる繊維を挙げることができ、より具体的には、高密度ポリエチレンのみからなる繊維や、芯成分がポリプロピレンからなり、鞘成分(低融点成分)が高密度ポリエチレンからなる芯鞘型繊維を挙げることができる。このように融着樹脂の低融点成分が高密度ポリエチレンであると、強固に融着でき、しかも引張強さも優れているため、電池(極板群構成)を製造する段階の張力によって破断したり、極板のバリがセパレータを突き抜けたり、或は極板のエッジによってセパレータが引き裂かれてショートがより生じにくいため好適である。
【0028】
更に、融着繊維が高ヤング率ポリプロピレン繊維よりも細い、つまり高ヤング率ポリプロピレン繊維が融着繊維よりも太いことが好ましい。この場合、高ヤング率ポリプロピレン繊維が骨組みを形成し、この骨組みを融着繊維が融着して結合した状態になるため、圧力が加わったとしても、変形量は融着繊維の太さ未満であるため、電池内においてセパレータの厚さを維持することができ、空隙が確保され、気体の透過性が良好であるため、密閉型電池用のセパレータとして使用した場合、電池の内圧が低くなる。また、セパレータの厚さを維持できることによって電解液が絞り出されにくく、液枯れを抑制できるため、電池を長寿命化できるという効果もある。なお、融着繊維と高ヤング率ポリプロピレン繊維との太さの差は特に限定するものではないが、繊維径において3μm以上あることが好ましい。
この「繊維径」は繊維の断面形状が円形である場合には、その直径をいい、繊維の断面形状が非円形である場合には、円形断面に換算した時の直径をいう。
このような融着繊維は引張強さや剛軟度が向上するように、20mass%以上含まれていることが好ましい。
【0029】
この出願発明のセパレータを構成する繊維が、前述のような高ヤング率ポリプロピレン繊維と融着繊維からなる場合、その質量比率は(高ヤング率ポリプロピレン繊維):(融着繊維)=10〜80:90〜20であることが好ましく、(高ヤング率ポリプロピレン繊維):(融着繊維)=10〜50:90〜50であることがより好ましく、(高ヤング率ポリプロピレン繊維):(融着繊維)=20〜50:80〜50であることが更に好ましい。また、セパレータを構成する繊維が、前述のような高ヤング率ポリプロピレン繊維、融着繊維及びポリオレフィン系極細繊維からなる場合、その質量比率は(高ヤング率ポリプロピレン繊維):(融着繊維):(極細繊維)=10〜70:20〜70:10〜70であることが好ましく、(高ヤング率ポリプロピレン繊維):(融着繊維):(極細繊維)=10〜60:20〜70:20〜70であることがより好ましく、(高ヤング率ポリプロピレン繊維):(融着繊維):(極細繊維)=30〜45:30〜50:20〜35であることが更に好ましく、(高ヤング率ポリプロピレン繊維):(融着繊維):(極細繊維)=30〜40:35〜45:20〜30であることが最も好ましい。
【0030】
この出願発明のセパレータは、前述のような高ヤング率ポリプロピレン繊維を含み、好適には融着繊維を含み、更に好適にはポリオレフィン系極細繊維も含むものであるが、場合によりこれら繊維以外に、例えば、引張強さが10g/d未満及び/又はヤング率が800kg/mm未満の繊維、未分割の分割繊維などを含んでいても良い。
【0031】
この出願発明のセパレータは前述のような高ヤング率ポリプロピレン繊維を含む繊維シートを備えたものである。この繊維シートの態様としては、例えば、不織布、織物、編物、或いはこれらの複合体であることができる。これらの中でも、構造的に電解液の保持性に優れている不織布を含んでいることが好ましい。なお、この出願発明のセパレータは繊維シートのみから構成することもできるし、繊維シートに加えて微孔フィルムやネットなどと複合されていても良い。微孔フィルムと繊維シートとを複合化することによって、セパレータを更に薄くすることができる。
【0032】
この出願発明のセパレータは上述のような構成からなり、エッジ式耐貫通力が585gf以上のものである。エッジ式耐貫通力が585gf未満であると、電池(極板群構成)を製造する段階の張力によって破断したり、極板のバリがセパレータを突き抜けたり、或は極板のエッジによってセパレータが引き裂かれてショートが生じやすい傾向にあるためで、600gf以上であることがより好ましい。
このエッジ式耐貫通力は次のようにして得られる値をいう。
セパレータを重ねて合計約2mmの厚さとし、その一番上のセパレータに対して、ハンディー圧縮試験機(カトーテック製、KES−G5)に取り付けられたステンレス製ジグ(厚さ:0.5mm、先端の刃先角度:60°)を、0.01cm/sの速度で垂直に突き刺し、一番上のセパレータを切断するのに要する力を測定し、この力をエッジ式耐貫通力とする。
【0033】
この出願発明のセパレータは、ニードル式耐貫通力が700gf以上であることが好ましい。ニードル式耐貫通力が700gf未満であると、極板のバリなどによってセパレータを構成する繊維がより分けられて、ショートしやすい傾向があるためで、750gf以上であることがより好ましい。
このニードル式耐貫通力は次のようにして得られる値をいう。
円筒状貫通孔(内径:11mm)を有する支持台上に、円筒状貫通孔を覆うようにセパレータを1枚載置し、更にセパレータ上に、円筒状貫通孔(内径:11mm)を有する固定材を、前記支持台の円筒状貫通孔の中心と一致するように載置してセパレータを固定した後、このセパレータに対して、ハンディー圧縮試験機(カトーテック製、KES−G5)に取り付けられたニードル(先端部における曲率半径:0.5mm、直径:1mm、治具からの突出長さ:2cm)を、0.01cm/sの速度で垂直に突き刺し、ニードルが突き抜けるのに要する力を測定し、この力をニードル式耐貫通力とする。
【0034】
また、この出願発明のセパレータの地合指数が0.2以下であると、繊維(特に高ヤング率ポリプロピレン繊維)が均一に分散した状態にあるため、極板のバリがセパレータを突き抜けたり、極板のエッジによって切断されにくいため好適である。より好ましい地合指数は0.15以下である。
この「地合指数」は特願平11−152139号に記載されている方法により得られる値をいう。つまり、次のようにして得られる値をいう。
(1)光源から被測定物(セパレータ)に対して光を照射し、照射された光のうち、被測定物の所定領域において反射された反射光を受光素子によって受光して輝度情報を取得する。
(2)被測定物の所定領域を画像サイズ3mm角、6mm角、12mm角、24mm角に等分割して、4つの分割パターンを取得する。
(3)得られた各分割パターン毎に等分割された各区画の輝度値を輝度情報に基づいて算出する。
(4)各区画の輝度値に基づいて、各分割パターン毎の輝度平均(X)を算出する。
(5)各分割パターン毎の標準偏差(σ)を求める。
(6)各分割パターン毎の変動係数(CV)を次の式により算出する。
変動係数(CV)=(σ/X)×100
ここで、σは各分割パターン毎の標準偏差を示し、Xは各分割パターン毎の輝度平均を示す。
(7)各画像サイズの対数をX座標、当該画像サイズに対応する変動係数をY座標とした結果得られる座標群を、最小二乗法により一次直線に回帰させ、その傾きを算出し、この傾きの絶対値を地合指数とする。
【0035】
更に、電池用セパレータの厚さ保持率が86%以上であると、電池内においてセパレータの厚さを維持することができ、空隙が確保され、気体の透過性が良好であるため、密閉型電池用のセパレータとして使用した場合には、電池の内圧が低くなる。また、セパレータの厚さを維持できることによって電解液が絞り出されにくく、液枯れを抑制できるため、電池を長寿命化できるという効果もあるため好適である。より好ましい厚さ保持率は90%以上である。
この厚さ保持率は次のようにして得られる値をいう。
まず、マイクロメーター(心棒の直径:6.35mm)により、セパレータの200g荷重時における厚さ(通常の厚さ)を測定する。次いで、セパレータの1000g荷重時における厚さをマイクロメーターにより測定する。そして、1000g荷重時における厚さの200g荷重時における厚さに対する百分率を厚さ保持率という。
【0036】
この出願発明のセパレータは前述のような高ヤング率ポリプロピレン繊維を使用して、常法により製造することができる。不織布の場合には、例えば次のようにして製造することができる。
【0037】
まず、前述のような高ヤング率ポリプロピレン繊維を10mass%以上含む繊維ウエブ(好ましくは融着繊維を20mass%以上含む、更に好ましくは分割繊維も10mass%以上含む)を、カード法やエアレイ法などの乾式法や湿式法により繊維ウエブを形成した後、繊維ウエブ単独で、又は繊維ウエブを積層した後に、絡合処理及び/又は融着処理(融着繊維を含む場合)を実施して製造することができる。特に、絡合処理と融着処理の両方を実施した不織布は引張強さ、引き裂き強度、剛性及び耐ショート性に優れているため好適である。なお、繊維ウエブを湿式法により形成すると、地合いの均一なセパレータを製造することができるため好適である。また、乾式法により形成した繊維ウエブと湿式法により形成した繊維ウエブとを積層すると、強度と緻密さとを兼ね備えたセパレータを製造できるため好適である。
なお、融着繊維として、引張強さが3g/d以上のものを使用したり、融着繊維の低融点成分が高密度ポリエチレンからなるものを使用したり、或いは高ヤング率ポリプロピレン繊維が融着繊維よりも太いように組み合わせることが好ましい。
【0038】
この絡合処理と融着処理とを併用する場合、絡合処理及び融着処理はどのような順序で行なっても良く、また、何度行なっても良い。例えば、絡合処理、融着処理の順に、又は融着処理、絡合処理の順に1回づつ行なっても良いし、融着処理、絡合処理、融着処理の順に融着処理を2回と絡合処理を1回行なっても良い。
【0039】
この出願発明で適用できる絡合処理としては、例えば、流体流、特に水流による処理がある。この流体流による絡合処理は繊維ウエブ全体を均一に絡合することができるため好適である。この流体流による絡合条件としては、例えば、ノズル径0.05〜0.3mm、ピッチ0.2〜3mmで一列又は二列以上にノズルを配置したノズルプレートから、圧力1MPa〜30MPaの流体流を噴出すれば良い。このような流体流は1回以上、繊維ウエブの片面又は両面に対して噴出する。
【0040】
この出願発明における融着処理は無圧下で行なっても良いし、加圧下で行なっても良いし、或は無圧下で融着繊維の低融点成分を溶融させた後に加圧しても良いが、厚さを調整するために、同時又は融着繊維の低融点成分を溶融させた後に加圧することが好ましく、特に無圧下で融着繊維の低融点成分を溶融させた後、直ちに加圧すると、エッジ式耐貫通力が585gf以上で、ニードル式耐貫通力が700gf以上のセパレータを製造しやすいため好適である。この加熱温度としては、加熱と加圧を同時に行なう場合には、融着繊維の低融点成分の軟化温度から融点までの範囲内の温度であることが好ましく、加熱後に加圧を行なう場合には、融着繊維の低融点成分の軟化温度から融点よりも20℃以上高い温度までの範囲内で行なうことが好ましい。また、加圧はいずれの場合も、線圧力1〜30N/cmであることが好ましく、線圧力5〜30N/cmであることがより好ましい。
なお、この出願発明における「軟化温度」は示差熱量計を用い、昇温速度10℃/分で室温から昇温して得られる融解吸熱曲線の開始点を与える温度をいう。
【0041】
なお、分割繊維を使用した場合、分割処理が必要となるが、前述の流体流により絡合処理を実施した場合、同時に分割することができるため、工程上、好適である。なお、流体流による分割処理とは別に分割する場合には、例えば、ニードル、カレンダー、或はフラットプレスにより分割できる。
【0042】
この出願発明のエッジ式耐貫通力が585gf以上のセパレータは、引張強さの高い高ヤング率ポリプロピレン繊維を使用したり、高ヤング率ポリプロピレン繊維量を多くしたり、高ヤング率ポリプロピレンを均一に分散させたり、融着繊維によって強固に融着したり、融着繊維として引張強さが大きいものを使用したり、融着繊維の低融点成分を溶融させた後に直ちに加圧するなどの諸条件を調節することによって得ることができる。
【0043】
この出願発明のニードル式耐貫通力が700gf以上のセパレータは、ヤング率の大きい高ヤング率ポリプロピレン繊維を使用したり、高ヤング率ポリプロピレン繊維量を多くしたり、高ヤング率ポリプロピレンを均一に分散させたり、融着繊維によって強固に融着したり、融着繊維を溶融させた後直ちに加圧して融着するなどの諸条件を調節することによって得ることができる。
【0044】
この出願発明の地合指数が0.2以下のセパレータは、湿式法により繊維ウエブを形成したり、繊維同士が圧着していない繊維を使用して均一に分散させたり、繊維として繊維径が0.1〜30μm程度のものを使用したり、繊維として繊維長が1〜20mm程度のものを使用するなど、各種条件を調節することによって得ることができる。
【0045】
この出願発明の厚さ保持率が86%以上のセパレータは、融着繊維として引張強さが大きいものを使用したり、ヤング率の大きい高ヤング率ポリプロピレン繊維を使用したり、高ヤング率ポリプロピレン繊維を細い融着繊維により融着したり、融着繊維によって強固に融着したり、融着繊維を溶融させた後直ちに加圧して融着するなどの諸条件を調節することによって得ることができる。
【0046】
この出願発明のセパレータは電解液の保持性により優れているように、親水化処理が施されていることが好ましい。この親水化処理としては、例えば、スルホン化処理、フッ素ガス処理、ビニルモノマーのグラフト重合処理、界面活性剤処理、放電処理、或は親水性樹脂付与処理などがある。この親水化処理は、繊維シートで行ってもよいし、繊維シートの形成前に行ってもよい。以下は繊維シートの処理について説明しているが、繊維シートの形成前にも同様にして行うことができる。
【0047】
スルホン化処理としては、例えば、発煙硫酸、硫酸、クロロ硫酸又は塩化スルフリルなどからなる溶液中に、前述のような繊維シートを浸漬してスルホン酸基を導入する方法、三酸化硫黄ガスに前述のような繊維シートを接触させてスルホン酸基を導入する方法、或いは一酸化硫黄ガスや二酸化硫黄ガスなどの存在下で放電を作用させてスルホン酸基を導入する方法等がある。
【0048】
フッ素ガス処理としては、例えば、不活性ガス(例えば、窒素ガス、アルゴンガスなど)で希釈したフッ素ガスと、酸素ガス、二酸化炭素ガス及び二酸化硫黄ガスなどの中から選ばれる少なくとも1種類のガスとの混合ガスに、繊維シートをさらすことにより、繊維シートを親水化することができる。
【0049】
ビニルモノマーのグラフト重合処理としては、例えば、ビニルモノマーと重合開始剤を含む溶液中に繊維シートを浸漬して加熱する方法、繊維シートにビニルモノマーを塗布した後に放射線を照射する方法、繊維シートに放射線を照射した後にビニルモノマーと接触させる方法、増感剤を含むビニルモノマー溶液を繊維シートに塗布した後に紫外線を照射する方法、などがある。このビニルモノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ビニルピリジン、ビニルピロリドン或いはスチレンを使用することができる。なお、スチレンをグラフト重合した場合には、電解液との親和性に優れるように、スルホン化することが好ましい。なお、ビニルモノマー溶液と繊維シートとを接触させる前に、紫外線照射、コロナ放電、プラズマ放電などにより、繊維シートを改質すると、ビニルモノマー溶液との親和性が高くなるため、効率的にグラフト重合できる。
【0050】
界面活性剤処理としては、例えば、アニオン系界面活性剤(例えば、高級脂肪酸のアルカリ金属塩、アルキルスルホン酸塩、もしくはスルホコハク酸エステル塩など)、又はノニオン系界面活性剤(例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、もしくはポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテルなど)の溶液中に繊維シートを浸漬したり、この溶液を繊維シートに塗布又は散布して付着させることができる。
【0051】
放電処理としては、例えば、コロナ放電処理、プラズマ処理、グロー放電処理又は電子線処理などがある。なお、空気中の大気圧下で、それぞれが誘電体を担持する一対の電極間に、これら両方の誘電体と接触するように繊維シートを配置し、これら両電極間に交流電圧を印加して、繊維シートの内部空隙で放電を発生させる方法であると、繊維シートの内部における繊維表面の親水化を実施することができるため、内圧特性に優れるセパレータを製造することができる。
【0052】
親水性樹脂付与処理としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、架橋可能なポリビニルアルコール又はポリアクリル酸などの親水性樹脂を付着させることができる。これらの親水性樹脂は適当な溶媒に溶解又は分散させた後、この溶媒中に繊維シートを浸漬したり、この溶媒を繊維シートに塗布又は散布し、乾燥して付着させることができる。
【0053】
この架橋可能なポリビニルアルコールとしては、例えば、水酸基の一部を感光性基で置換したポリビニルアルコールがあり、より具体的には、感光性基としてスチリルピリジニウム系のもの、スチリルキノリニウム系のもの、スチリルベンゾチアゾリウム系のもので水酸基の一部を置換したポリビニルアルコールがある。この架橋可能なポリビニルアルコールも他の親水性樹脂と同様にして繊維シートに付着させた後、光照射することによって架橋させることができる。このような水酸基の一部を感光性基で置換したポリビニルアルコールは耐アルカリ性に優れ、しかもイオンとキレートを形成できる水酸基を多く含んでおり、放電時及び/又は充電時に、極板上に樹枝状の金属が析出する前のイオンとキレートを形成し、電極間の短絡を防止できるため好適に使用できる。
【0054】
この出願発明のセパレータの面密度は20〜100g/mであることが好ましく、30〜100g/mであることがより好ましく、40〜80g/mであることが更に好ましい。面密度が20g/m未満であると、引張強さが不足する場合があり、100g/mを越えると、厚さが厚くなり過ぎるためである。
【0055】
この出願発明のセパレータは電池(極板群構成)を製造する段階の張力によって破断したり、極板のバリがセパレータを突き抜けたり、或は極板のエッジによってセパレータが引き裂かれてショートが生じにくく、安定して電池を製造できるものである。そのため、この出願発明のセパレータは、例えば、アルカリマンガン電池、水銀電池、酸化銀電池、空気電池などの一次電池、ニッケル−カドミウム電池、銀−亜鉛電池、銀−カドミウム電池、ニッケル−亜鉛電池、ニッケル−水素電池などの二次電池のセパレータとして好適に使用できるものである。
【0056】
以下に、この出願発明のセパレータの実施例を記載するが、この出願発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0057】
【実施例】
実施例1
IPFが97%、Q値が3.6、メルトインデックス(MI)が22であるアイソタクチックポリプロピレンを原料として用い、細孔紡糸ノズルを備えた溶融紡糸装置によって、紡糸温度280℃、紡糸速度450m/分の条件下で溶融紡糸を行い、単糸デニール10デニールの紡出糸を得た。
【0058】
被延伸物導入部及び該延伸部引き出し部に絶対圧が4.4kg/cmの加圧水を配置し、延伸槽部に絶対圧が4.2kg/cmの加圧飽和水蒸気(温度:145℃)を充填した延伸槽と、この延伸槽へ被延伸物を定速で送り出すローラー、及び該延伸を延伸槽から定速で引き出すローラーを備えた延伸装置を用いて、前記紡出糸を延伸倍率8.5倍で延伸した。引き続き、油剤処理及び定長カットし、繊度1.2デニール(繊維径:13.7μm)、繊維長10mm、引張強さ12g/d、ヤング率850kg/mm、熱収縮率7%の高ヤング率ポリプロピレン繊維(融点:174℃)を製造した。なお、この高ヤング率ポリプロピレン繊維の断面形状はほぼ五角形状であり、フィブリル化可能なものであった。
【0059】
他方、融着繊維として、芯成分がポリプロピレンからなり、鞘成分(低融点成分)が高密度ポリエチレン(融点:135℃)からなる、繊度1.1デニール(繊維径:13.1μm)、繊維長5mm、引張強さ3.5g/dの芯鞘型融着繊維を用意した。次いで、前記高ヤング率ポリプロピレン繊維30mass%と前記芯鞘型融着繊維70mass%とを混合分散させたスラリーを、常法の湿式抄造法により繊維ウエブを形成した。
【0060】
次いで、この繊維ウエブを温度135℃に設定されたオーブンにより10秒間加熱して、芯鞘型融着繊維の鞘成分のみを溶融させた後、線圧9.8N/cmのカレンダーロール間を通して、融着不織布を製造した。
【0061】
次いで、フッ素ガス(3vol%)、酸素ガス(5vol%)、二酸化硫黄ガス(5vol%)及び窒素ガス(87vol%)からなる混合ガスに、前記融着不織布を120秒間接触させることにより親水化処理を実施し、面密度60g/m、厚さ0.15mmのセパレータを製造した。
【0062】
実施例2
実施例1と同様にして製造した繊度1.2デニール(繊維径:13.7μm)、繊維長10mm、引張強さ12g/d、ヤング率850kg/mm、熱収縮率7%の高ヤング率ポリプロピレン繊維(融点:174℃)40mass%と、実施例1と同じ芯成分がポリプロピレンからなり、鞘成分(低融点成分)が高密度ポリエチレン(融点:135℃)からなる、繊度1.1デニール(繊維径:13.1μm)、繊維長5mm、引張強さ3.5g/dの芯鞘型融着繊維60mass%とを混合分散させたスラリーから、常法の湿式抄造法により繊維ウエブを形成したこと以外は、実施例1の操作を繰り返して、面密度60g/m、厚さ0.15mmのセパレータを製造した。
【0063】
実施例3
温度39℃の発煙硫酸溶液(15%SO溶液)に融着不織布を10分間浸漬して親水化処理を実施したこと以外は実施例1の操作を繰り返して、面密度60g/m、厚さ0.15mmのセパレータを製造した。
【0064】
実施例4
実施例1と同様にして製造した繊度1.2デニール(繊維径:13.7μm)、繊維長10mm、引張強さ12g/d、ヤング率850kg/mm、熱収縮率7%の高ヤング率ポリプロピレン繊維(融点:174℃)30mass%と、芯成分がポリプロピレンからなり、鞘成分(低融点成分)が高密度ポリエチレン(融点:135℃)からなる、繊度0.7デニール(繊維径:10.4μm)、繊維長5mm、引張強さ3.5g/dの芯鞘型融着繊維70mass%とを混合分散させたスラリーから、常法の湿式抄造法により繊維ウエブを形成した。
次いで、この繊維ウエブを温度135℃に設定されたオーブンにより10秒間加熱した後、直ちに水冷式冷却ロールで加圧(2.5N/cm)して、芯鞘型融着繊維の鞘成分で融着した融着不織布を製造した。
次いで、温度39℃の発煙硫酸溶液(15%SO溶液)に融着不織布を10分間浸漬して親水化処理を実施して、面密度62g/m、厚さ0.15mmのセパレータを製造した。
【0065】
実施例5
実施例4と全く同様にして、繊維ウエブの形成、融着不織布の形成、及び親水化処理を実施して、面密度55g/m、厚さ0.12mmのセパレータを製造した。
【0066】
実施例6
高ヤング率ポリプロピレン繊維20mass%と、芯鞘型融着繊維80mass%とを使用したこと以外は、実施例4と全く同様にして繊維ウエブを形成し、融着処理を実施して、融着不織布を製造した。
他方、次の配合成分(1)〜(6)からなるグラフト重合用液を調製した。
(1)アクリル酸モノマー 30mass%
(2)ベンゾフェノン 0.1mass%
(3)硫酸鉄 0.4mass%
(4)ノニオン系界面活性剤 0.1mass%
(5)ポリエチレングリコール(重合度:400) 10mass%
(6)水 59.4mass%
次いで、前記融着不織布を上記グラフト重合用液に含浸した後(融着不織布の面密度に対して、0.8の割合でグラフト重合用液を含有)、融着不織布の両側に1個ずつ配置したメタルハライド水銀灯から180mW/cmの照度で、365nm中心の紫外線を空気中で20秒間照射して、第1のグラフト重合を実施した。
次いで、この第1グラフト重合処理した融着不織布の内部空間及び外側表面近傍の空間における空気を排除しないように、2枚の非通気性ポリプロピレンフィルムでサンドイッチ状に覆い、この第1グラフト重合処理した融着不織布の両側に1個ずつ配置したメタルハライド水銀灯から180mW/cmの照度で、365nm中心の紫外線を10秒間照射して、第2のグラフト重合を実施した。
次いで、第2のグラフト重合処理した融着不織布を充分に水洗いし、乾燥した後、線圧10N/cmでカレンダー処理して、面密度55g/m、厚さ0.12mmのアクリル酸がグラフト重合したセパレータ(グラフト率:9.6%)を製造した。
【0067】
実施例7
分割繊維として、図3に示す型の断面構造を有し、極細繊維(繊度:0.08デニール、繊維径:3.5μm、融点:160℃)を発生することが可能なポリプロピレン成分(図3の12)と、極細繊維(繊度:0.08デニール、繊維径:3.5μm、融点:132℃)を発生することが可能な高密度ポリエチレン成分(図3の11)とが、横断面の中心部から放射状に伸びて、互いに8分割し、しかも極細繊維(繊度:0.02デニール、繊維径:1.8μm、融点:160℃)を発生することが可能な円形状のポリプロピレン成分を中心部に有するオレンジ状横断面を有する繊維(繊度:1.3デニール、繊維径:14.2μm、繊維長:15mm)を用意した。
他方、融着繊維として、芯成分がポリプロピレンからなり、鞘成分(低融点成分)が低密度ポリエチレン(融点:115℃)からなる芯鞘型融着繊維(繊度:1.1デニール(繊維径:13.1μm)、繊維長:10mm、引張強さ:2g/d)、及び実施例1と同様にして製造した繊度1.2デニール(繊維径:13.7μm)、繊維長10mm、引張強さ12g/d、ヤング率850kg/mm、熱収縮率7%の高ヤング率ポリプロピレン繊維(融点:174℃)とを用意した。
次いで、前記分割繊維50mass%、前記芯鞘型融着繊維20mass%、及び前記高ヤング率ポリプロピレン繊維30mass%とを混合し、分散させたスラリーから湿式法により湿式繊維ウエブ(面密度:40g/m)を形成した。
また、繊維長が25mmであること以外は前記分割繊維と全く同じ分割繊維40mass%、繊維長が38mmであること以外は前記高ヤング率ポリプロピレン繊維と全く同じ高ヤング率ポリプロピレン繊維35mass%、及び繊度が1.5デニール(繊維径:15.3μm)で繊維長が51mmであること以外は前記芯鞘型融着繊維と全く同じ芯鞘型融着繊維25mass%とをカーディングして、乾式繊維ウエブ(面密度:20g/m)を形成した。
次いで、湿式繊維ウエブと乾式繊維ウエブとを積層し、この積層体を温度120℃で10秒間熱処理(仮融着)した後、目の開きが0.175mmの平織ネット上に載置し、ノズルピッチが0.6mmでノズル径が0.13mmのノズルプレートから圧力12MPaの水流を積層体の両面に対して、交互に2回づつ噴出して、分割繊維を分割し、同時に繊維を絡合して分割絡合不織布を形成した。
次いで、この分割絡合不織布を温度120℃に設定された熱風循環式ドライヤー中に10秒間熱処理した後、直ちに水冷式冷却ロールで加圧(2.5N/cm)して、芯鞘型融着繊維の鞘成分で融着した融着不織布を製造した。
次いで、温度39℃の発煙硫酸溶液(15%SO溶液)に融着不織布を10分間浸漬して親水化処理を実施して、面密度60g/m、厚さ0.15mmのセパレータを製造した。
【0068】
比較例1
繊度1.2デニール(繊維径:13.7μm)、繊維長10mm、引張強さ9g/d、ヤング率400kg/mm、熱収縮率10%のポリプロピレン繊維(大和紡(株)製、PNHC)を用意した。なお、このポリプロピレン繊維の断面形状は円形であり、フィブリル化可能なものではなかった。このポリプロピレン繊維30mass%と実施例1と同じ芯鞘型融着繊維70mass%とを混合分散させたスラリーから、常法の湿式抄造法により繊維ウエブを形成したこと以外は、実施例1の操作を繰り返して、面密度60g/m、厚さ0.15mmのセパレータを製造した。
【0069】
比較例2
芯成分がポリプロピレンからなり、鞘成分が高密度ポリエチレン(融点:135℃)からなる、繊度1.1デニール(繊維径:13.1μm)、繊維長5mmの芯鞘型融着繊維を100mass%分散させたスラリーから、常法の湿式抄造法により繊維ウエブを形成した。
次いで、この繊維ウエブを温度135℃に設定されたオーブンにより10秒間加熱した後、直ちに水冷式冷却ロールで加圧(2.5N/cm)して、芯鞘型融着繊維の鞘成分で融着した融着不織布を製造した。
次いで、温度39℃の発煙硫酸溶液(15%SO溶液)に融着不織布を10分間浸漬して親水化処理を実施して、面密度62g/m、厚さ0.15mmのセパレータを製造した。
【0070】
比較例3
比較例2と全く同様にして繊維ウエブを形成した後、温度135℃に設定されたオーブンにより10秒間加熱(水冷式冷却ロールによる加圧なし)して、芯鞘型融着繊維の鞘成分で融着した融着不織布を製造した。
次いで、温度39℃の発煙硫酸溶液(15%SO溶液)に融着不織布を10分間浸漬して親水化処理を実施して、面密度62g/m、厚さ0.15mmのセパレータを製造した。
【0071】
比較例4
芯成分がポリプロピレンからなり、鞘成分が高密度ポリエチレン(融点:135℃)からなる、繊度1.1デニール(繊維径:13.1μm)、繊維長38mmの芯鞘型融着繊維100mass%をカーディングして、繊維ウエブを形成した。
次いで、この繊維ウエブを温度135℃に設定されたオーブンにより10秒間加熱(水冷式冷却ロールによる加圧なし)して、芯鞘型融着繊維の鞘成分で融着した融着不織布を製造した。
次いで、温度39℃の発煙硫酸溶液(15%SO溶液)に融着不織布を10分間浸漬して親水化処理を実施して、面密度62g/m、厚さ0.15mmのセパレータを製造した。
【0072】
(エッジ式耐貫通力)
セパレータを各々重ねて合計約2mmの厚さとし、その一番上のセパレータに対して、ハンディー圧縮試験機(カトーテック製、KES−G5)に取り付けられたステンレス製ジグ(厚さ:0.5mm、先端の刃先角度:60°)を、0.01cm/sの速度で垂直に突き刺し、一番上のセパレータを切断するのに要する力を測定した。この結果は表1に示す通りであった。この結果から、この出願発明のセパレータは極板のバリがセパレータを突き抜けたり、極板のエッジによってセパレータが引き裂かれにくいものであることが予測された。また、比較例1のセパレータを切断するために要する力を基準(100)とした時の、各セパレータを切断するために要する力の比率を、そのセパレータの耐貫通指数(%)として併記した。
【0073】
【表1】
Figure 0004659187
【0074】
(ニードル式耐貫通力)
円筒状貫通孔(内径:11mm)を有する支持台上に、円筒状貫通孔を覆うように各セパレータを1枚載置し、更に各セパレータ上に、円筒状貫通孔(内径:11mm)を有する固定材を、前記支持台の円筒状貫通孔の中心と一致するように載置して各セパレータを固定した後、各セパレータに対して、ハンディー圧縮試験機(カトーテック製、KES−G5)に取り付けられたニードル(先端部における曲率半径:0.5mm、直径:1mm、治具からの突出長さ:2cm)を、0.01cm/sの速度で垂直に突き刺し、ニードルが突き抜けるのに要する力を測定した。この結果は表1に示す通りであった。この結果から、この出願発明のセパレータは極板のバリがセパレータを突き抜けにくく、短絡しにくいものであることが予測できた。
【0075】
(地合指数の測定)
(1)光源から各セパレータに対して光を照射し、照射された光のうち、セパレータの所定領域において反射された反射光を受光素子によって受光して輝度情報を取得した。
(2)セパレータの所定領域を画像サイズ3mm角、6mm角、12mm角、24mm角に等分割して、4つの分割パターンを取得した。
(3)得られた各分割パターン毎に等分割された各区画の輝度値を輝度情報に基づいて算出した。
(4)各区画の輝度値に基づいて、各分割パターン毎の輝度平均(X)を算出した。
(5)各分割パターン毎の標準偏差(σ)を求めた。
(6)各分割パターン毎の変動係数(CV)を次の式により算出した。
変動係数(CV)=(σ/X)×100
ここで、σは各分割パターン毎の標準偏差を示し、Xは各分割パターン毎の輝度平均を示す。
(7)各画像サイズの対数をX座標、当該画像サイズに対応する変動係数をY座標とした結果得られる座標群を、最小二乗法により一次直線に回帰させ、その傾きを算出し、この傾きの絶対値を地合指数とした。
この結果は表1に示す通りであった。この結果から明らかなように、この出願発明のセパレータは地合が優れているため、極板のエッジにより切断されたり、極板のバリが突き抜けて短絡を発生しにくいものであることが予測できた。
【0076】
(厚さ保持率の測定)
マイクロメーター(心棒の直径:6.35mm)により、各セパレータの200g荷重時における厚さ(通常の厚さ)を測定した。次いで、各セパレータの1000g荷重時における厚さをマイクロメーターにより測定した。次いで、1000g荷重時における厚さの200g荷重時における厚さに対する百分率を算出し、この値を厚さ保持率とした。この結果は表1に示す通りであった。この表1からこの出願発明のセパレータは厚さを保持することができるため、内圧特性が優れ、しかも液枯れを防止できるため、長寿命の電池を製造できるものであることが予測できた。
【0077】
(長手方向における引張強さの測定)
幅50mmに裁断した各々のセパレータを、引張強さ試験機(オリエンテック製、テンシロンUTM−III−100)のチャック間(チャック間の距離:100mm)に固定し、引張速度300mm/minの条件下で、各々のセパレータの長手方向における引張強さを測定した。この結果は表1に示す通りであった。
このようにこの出願発明のセパレータは引張強さに優れているため、電池を製造する際の張力によっても破断しないものであった。
【0078】
(長手方向における伸度の測定)
幅50mmに裁断した各々のセパレータを、引張強さ試験機(オリエンテック製、テンシロンUTM−III−100)のチャック間(チャック間の距離:100mm)に固定し、引張速度300mm/minの条件下で、各々のセパレータを引っ張り、各々のセパレータの長手方向における破断時の伸びを測定した。
次いで、チャック間距離(100mm)に対する伸びの百分率を算出し、この値をセパレータの伸度とした。この結果は表1に示す通りであった。このようにこの出願発明のセパレータは伸度が低いため、作業性良く電池を製造できるものであった。
【0079】
(ショート率)
各セパレータを使用して、実際に極板群を形成する際に、極板のバリによってショートしてしまい、電池を製造することができなかった割合をショート率とした。この結果は表1に示す通りであった。この結果から、この出願発明のセパレータは極板のバリによってショートすることなく、安定して電池を製造できるものであることがわかった。
【0080】
(電池寿命試験)
電極の集電体として、発泡ニッケル基材を用いたペースト式ニッケル正極(33mm幅、182mm長)と、ペースト式水素蔵合金負極(メッシュメタル系合金、33mm幅、247mm長)とを作成した。
次いで、各セパレータを33mm幅、410mm長に裁断した後、それぞれを正極と負極との間に挟み込み、渦巻き状に巻回して、SC(sub−C)型対応の電極群を作成した。この電極群を外装缶に収納し、電解液として5N水酸化カリウム及び1N水酸化リチウムを外装缶に注液し、封緘して、円筒型ニッケル−水素電池を作成した。
次いで、それぞれの円筒型ニッケル−水素電池について、(1)0.2Cでの150%充電と、(2)1Cで終止電圧1Vまで放電することからなる充放電サイクルを繰り返し、放電容量が初期容量の50%となった時点で、電池寿命が尽きたと判断し、電池寿命が尽きるまでのサイクル数を測定した。比較例1のセパレータを使用した電池のサイクル数を基準(100)とした時の比率を、表1に示す。この結果から、この出願発明のセパレータを使用した電池は電池寿命が長いことがわかった。
【0081】
(電池内圧試験)
前記電池寿命試験で用いたものと同様に形成した円筒型ニッケル−水素電池を、0.5Cで20℃にて充電を行い、容量の150%での電池内圧を測定した。比較例1のセパレータを使用した電池の内圧を基準(100)とした場合の比率を表1に示す。この結果から、この出願発明のセパレータを使用した電池は内圧が低いことがわかった。
【0082】
【発明の効果】
この出願発明の引張強さが10g/d(デニール)以上、かつヤング率が800kg/mm以上のポリプロピレン系繊維を含む繊維シートを備えており、かつエッジ式耐貫通力が585gf以上である電池用セパレータは、電池(極板群構成)を製造する段階の張力によって破断したり、極板のバリがセパレータを突き抜けたり、或は極板のエッジによってセパレータが引き裂かれてショートが生じにくく、安定して電池を製造できるものである。
【0083】
この出願発明の引張強さが10g/d(デニール)以上、かつヤング率が800kg/mm以上のポリプロピレン系繊維を10mass%以上含む繊維シートを備えた電池用セパレータは、電池(極板群構成)を製造する段階の張力によって破断したり、極板のバリがセパレータを突き抜けたり、或は極板のエッジによってセパレータが引き裂かれてショートが生じにくく、安定して電池を製造できるものである。
【0084】
融着繊維を20mass%以上含む繊維シートであると、セパレータの引張強さや剛軟度が向上し、電池(極板群構成)を製造する段階の張力によって破断したり、極板のバリがセパレータを突き抜けたり、或は極板のエッジによってセパレータが引き裂かれてショートがより生じにくい。
特に、融着繊維の引張強さが3g/d(デニール)以上であると、更に電池(極板群構成)を製造する段階の張力によって破断したり、極板のバリがセパレータを突き抜けたり、或は極板のエッジによってセパレータが引き裂かれてショートがより生じにくい。
また、高ヤング率ポリプロピレン繊維が融着繊維よりも太いと、高ヤング率ポリプロピレン繊維が骨組みを形成し、この骨組みを融着繊維が融着して結合した状態にあるため、仮に変形したとしても融着繊維の変形に留めることができるため、電池内においてセパレータの厚さを維持することができ、空隙が確保され、気体の透過性が良好であるため、密閉型電池用のセパレータとして使用した場合には、電池の内圧が低くなる。また、セパレータの厚さを維持できることによって電解液が絞り出されにくく、液枯れを抑制できるため、電池を長寿命にできるという効果もある。
更に、融着樹脂の低融点成分が高密度ポリエチレンであると、強固に融着でき、しかも引張強さも優れているため、電池(極板群構成)を製造する段階の張力によって破断したり、極板のバリがセパレータを突き抜けたり、或は極板のエッジによってセパレータが引き裂かれてショートがより生じにくい。
【0085】
ポリオレフィン系極細繊維を10mass%以上、より好ましくは20mass%以上含む繊維シートであると、電解液の保持性を高めることができ、液枯れを抑制できるため、電池を長寿命にできるという効果がある。
【0086】
前記ポリプロピレン系繊維(高ヤング率ポリプロピレン繊維)の熱収縮率が8%以下であることが好ましい。熱収縮率が8%以下であると、セパレータの製造時に熱が加わったとしても、セパレータの寸法変化が少ないため、繊維の均一分散性に優れ、前記のような性能のより優れるセパレータである。
また、前記ポリプロピレン系繊維(高ヤング率ポリプロピレン繊維)の繊維断面形状が非円形であることが好ましい。繊維断面形状が非円形であると、前記のような性能により優れている。これは、極板のバリやエッジがこの高ヤング率ポリプロピレン繊維に当接したとしても、高ヤング率ポリプロピレン繊維が滑りにくく、繊維接点の目ズレが抑制されるため、バリやエッジからの力を分散して受け止めることができるためであると考えられる。また、高ヤング率ポリプロピレン繊維の断面形状が非円形であることによって、繊維シートが緻密な構造を採ることができるため、厚さのより薄いセパレータとすることができる。
更に、前記ポリプロピレン系繊維(高ヤング率ポリプロピレン繊維)がフィブリル化可能であることが好ましい。フィブリル化可能であると、前記のような性能により優れている。これは、極板のバリやエッジがこの高ヤング率ポリプロピレン繊維に当接した際に、高ヤング率ポリプロピレン繊維がフィブリル化してバリやエッジからの力を受け止めることができ、エッジやバリによる切断力が作用しにくいためであると考えられる。
【0087】
電池用セパレータのニードル式耐貫通力が700gf以上であると、更に極板のバリがセパレータを突き抜けにくく、耐ショート性に優れている。
電池用セパレータの地合指数が0.2以下であると、繊維(特に高ヤング率ポリプロピレン繊維)が均一に分散した状態にあるため、極板のバリがセパレータを突き抜けたり、或は極板のエッジによってセパレータが引き裂かれてショートがより生じにくい。
電池用セパレータの厚さ保持率が86%以上であると、電池内においてセパレータの厚さを維持することができ、空隙が確保され、気体の透過性が良好であるため、密閉型電池用のセパレータとして使用した場合には、電池の内圧が低くなる。また、セパレータの厚さを維持できることによって電解液が絞り出されにくく、液枯れを抑制できるため、電池を長寿命にできるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この出願発明の分割繊維の模式的な断面図
【図2】 この出願発明の他の分割繊維の模式的な断面図
【図3】 この出願発明の他の分割繊維の模式的な断面図
【図4】 この出願発明の他の分割繊維の模式的な断面図
【図5】 この出願発明の他の分割繊維の模式的な断面図
【符号の説明】
1 分割繊維
11 一成分
12 他成分

Claims (14)

  1. 引張強さが10g/d(デニール)以上、かつヤング率が800kg/mm以上のポリプロピレン系繊維を含む繊維シートを備えており、かつエッジ式耐貫通力が585gf以上であることを特徴とする電池用セパレータ。
  2. 引張強さが10g/d(デニール)以上、かつヤング率が800kg/mm以上のポリプロピレン系繊維を10mass%以上含む繊維シートを備えていることを特徴とする電池用セパレータ。
  3. 融着繊維を20mass%以上含む繊維シートであることを特徴とする、請求項1又は2記載の電池用セパレータ。
  4. 融着繊維の引張強さが3g/d(デニール)以上であることを特徴とする、請求項3記載の電池用セパレータ。
  5. ポリプロピレン系繊維が融着繊維よりも太いことを特徴とする、請求項3又は請求項4記載の電池用セパレータ。
  6. 融着繊維の低融点成分が高密度ポリエチレンであることを特徴とする、請求項3〜5のいずれかに記載の電池用セパレータ。
  7. ポリオレフィン系極細繊維を10mass%以上含む繊維シートであることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の電池用セパレータ。
  8. ポリオレフィン系極細繊維を20mass%以上含む繊維シートであることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の電池用セパレータ。
  9. ポリプロピレン系繊維の温度140℃における熱収縮率が8%以下であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の電池用セパレータ。
  10. ポリプロピレン系繊維の繊維断面形状が非円形であることを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載の電池用セパレータ。
  11. ポリプロピレン系繊維がフィブリル化可能であることを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載の電池用セパレータ。
  12. 電池用セパレータのニードル式耐貫通力が700gf以上であることを特徴とする、請求項1〜11のいずれかに記載の電池用セパレータ。
  13. 電池用セパレータの地合指数が0.2以下であることを特徴とする、請求項1〜12のいずれかに記載の電池用セパレータ。
  14. 電池用セパレータの厚さ保持率が86%以上であることを特徴とする、請求項1〜13のいずれかに記載の電池用セパレータ。
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