JP2001192936A - 分割型複合繊維、その製造方法およびそれを用いた極細繊維不織布 - Google Patents
分割型複合繊維、その製造方法およびそれを用いた極細繊維不織布Info
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Abstract
繊が可能であり、安価に製造が可能である分割型複合繊
維に関するものであり、衛生材料、フィルター、ワイパ
ー、電池セパレータなどに好適な極細繊維不織布を得る
ことを目的とする。 【解決手段】 ポリプロピレン系ポリマーを第一成分と
し、ポリエチレン系ポリマーを第二成分として分割型ノ
ズルを用いて溶融紡糸し、5倍以上に多段延伸して複合
繊維中の第一成分のQ値(重量平均分子量/数平均分子
量の比)が少なくとも5となるように調整することによ
り、容易に割繊が可能な分割型複合繊維を得る。そし
て、前記分割型複合繊維を分割することにより、繊度
0.5dtex以下の極細繊維を含有する極細繊維不織布を
得る。
Description
理的手段によって容易に割繊が可能であり、安価に製造
が可能である分割型複合繊維に関するものであり、衛生
材料、フィルター、ワイパー、電池セパレータなどに好
適な極細繊維不織布に関する。
ど同族系ポリマー同士を組み合わせた分割型複合繊維
は、相溶性がよいため、非相溶性のポリマーの組み合わ
せた分割型複合繊維に比べ、分割性に劣っている。これ
を解消するため、分割性を向上させようとする様々な試
みがなされている。例えば、本出願人において、特公平
6−63129号公報には、ロックウェル硬度が60以
上からなるポリオレフィン系ポリマー同士からなるポリ
オレフィン系分割型複合繊維を提案し、特開平4−28
9222号公報には、少なくとも1成分にオルガノポリ
シロキサンなどからなる溶融紡糸温度では液相となる耐
熱性化合物を混合したポリオレフィン系分割型複合繊維
を提案している。また、特開平8−311717号公報
には、少なくとも1成分に親水成分を混合したポリオレ
フィン系分割型複合繊維が開示されている。
リオレフィン系分割型複合繊維においても分割性は十分
とはいえず、特開平4−289222号公報および特開
平8−311717号公報では、第三成分を混合するた
め、工程性に劣るだけでなく、不経済である。したがっ
て、高圧水流などの物理的手段によって容易に割繊が可
能であり、安価に製造が可能であるポリオレフィン系分
割型複合繊維が得られていないのが実情である。
フィラメントを高倍率で延伸し、得られたポリプロピレ
ンのQ値を所望の数値以上とすることにより、高度に分
割することを見いだした。すなわち、本発明の分割型複
合繊維は、ポリプロピレンよりなる第一成分とポリエチ
レンよりなる第二成分とからなる分割型複合繊維であっ
て、複合繊維中の第一成分のQ値(重量平均分子量/数
平均分子量の比)を少なくとも5とすることを特徴とす
る。
(以下、Q1)と第二成分のQ値(以下、Q2)との比
(Q1/Q2)が少なくとも1.0であることが望まし
い。さらに、複合繊維の単繊維伸度が20〜100%で
あることが望ましい。
とも5であるポリプロピレン系ポリマーを第一成分と
し、ポリエチレン系ポリマーを第二成分として分割型複
合ノズルを用いて溶融紡糸し、5倍以上に多段延伸する
ことにより製造できる。さらに、前記多段延伸した後、
100〜120℃の緊張雰囲気下で熱処理を施すことが
望ましい。
られる繊度0.5dtex以下の極細繊維を含有する極細繊
維不織布は、衛生材料、フィルター、ワイパー、電池セ
パレータなどに好適である。以下、本発明の内容を説明
する。
プロピレンよりなる第一成分とポリエチレンよりなる第
二成分とからなり、繊維断面において構成成分のうち少
なくとも1成分が2個以上に区分し、構成成分の少なく
とも一部が繊維表面に露出し、その露出部分が繊維の長
さ方向に連続的に形成されている構造を有する。図1〜
図3に本発明の分割型複合繊維の繊維断面の一例を示
す。符号1がポリプロピレンよりなる第一成分、符号2
がポリエチレンよりなる第二成分である。また、繊維断
面形状は、円形、楕円形、異形断面のいずれであっても
よい。そして、1つの構成成分の繊維表面に露出してい
る部分は、全繊維表面に対して5〜95%であることが
好ましい。上記範囲から外れると、高圧水流などの物理
的手段を用いても高度な分割性が得られないからであ
る。また、分割数は、工程性および分割性の面から考慮
すると4〜24分割が好適であり、1成分の全体に対す
る複合比(体積比)は、繊維の分割性および工程性の面
から30〜70%が好ましく、特に40〜60%が好適
である。
リプロピレンは、紡糸、延伸後の製品時でのQ値(重量
平均分子量/数平均分子量の比)が少なくとも5となる
ポリマーが用いられる。より好ましいQ値は、少なくと
も5.5である。ポリプロピレンのQ値は、溶融紡糸前
のポリマーのQ値に比べ、製品時に若干低くなる傾向に
あるので5より若干Q値の高いポリマーを選択し、調整
するとよい。また、Q値が少なくとも5となるように、
Q値の異なるポリマーを混合してもよい。そして、ポリ
プロピレンのQ値が5未満であると、第二成分であるポ
リエチレンに比べ延伸性に劣るので2成分間の延伸性が
不均一となり、ひいては高度な分割性を有する繊維が得
られないからである。
ト(MFR:JIS−K−7210、230℃)は、1
0〜40g/10minであることが好ましい。MFRが10g
/10min未満であると、樹脂の流動性、紡糸時の延展性が
悪くなり、細繊度の繊維を紡糸し難くなり、40g/10mi
nを超えると、紡糸が不安定となるだけでなく、得られ
た繊維自体もコシが弱く、カード等の工程性も悪いから
である。
ンは、できるだけ第一成分のポリプロピレンのQ値(以
下、Q1)に近いQ値(以下、Q2)を得るように調整す
るとよく、Q2は少なくとも4であることが好ましい。
より好ましくは少なくとも4.5である。ポリエチレン
のQ値も、溶融紡糸前のポリマーのQ値に比べ、製品の
Q値は低くなる傾向にあるが、その減少の割合はポリプ
ロピレンより大きいことを留意して4より高いQ値のポ
リマーを選択し、調整するとよい。また、Q値が少なく
とも4となるように、Q値の異なるポリマーを混合して
もよい。そして、第一成分のQ値(以下、Q1)と第二
成分のQ値(以下、Q2)との比(Q1/Q2)が少なく
とも1.0であるように調整することが好ましい。より
好ましくは、1.1〜2.0である。Q1/Q2が1.0
未満であると、2成分間の延伸性が不均一となり、高度
な分割性を有する繊維が得られないからである。
繊維は以下のように製造することができる。公知の溶融
紡糸機に所定の繊維断面を得る分割型複合ノズルを装着
し、引取速度100〜1000m/min、かつドラフト率
のあまり高くない条件下で、1成分の繊維表面に露出し
ている部分が全繊維表面に対して5〜95%となるよう
に、2成分の溶融粘度を調整し溶融紡糸される。このと
き、得られた紡糸フィラメントの繊度は、4〜12dtex
であることが好ましい。紡糸フィラメントの繊度が4dt
ex未満であると、紡糸工程での糸切れが生じ易くなり、
繊度が12dtexを超えると、分割後の繊維の繊度が大き
くなり、通常の繊度を持つ繊維を用いた不織布と大差が
ないからである。そして、本発明においては、分割型複
合繊維の分割後の繊度が0.5dtex以下になるように調
整することが好ましい。より好ましい分割後の繊度は、
0.1〜0.3dtexである。分割後の繊度が0.5dtex
を超えると、分割型複合繊維を分割させたときに発現す
る異形断面を有する極細繊維独特の緻密さ、風合い、強
力、機能性が損なわれるからである。
用いて延伸処理されるが、本発明においては特に、延伸
温度80〜120℃の温水あるいは蒸気中で延伸させる
ことが好ましい。延伸温度が80℃未満であると、延伸
性が不十分であり、分割性に優れた分割型複合繊維を得
ることができず、延伸温度が120℃を超えると、繊維
の融着が起こり易く、不織布にしたときの地合斑とな
る。また、加熱空気や熱ロールなどを用いる乾式延伸
は、繊維の融着が起こり易い点で好ましくない。さら
に、延伸方法も一度に所定の延伸倍率まで延伸する一段
延伸よりも、二段延伸以上の多段延伸にて徐々に紡糸フ
ィラメントを延伸することが、均質に紡糸フィラメント
を引き伸ばすことができ、分子配向による結晶化が促進
される点で好ましい。特に、多段延伸(n回に分けて延
伸した)の場合、1段目〜n段目にかけて徐々に延伸倍
率を高めて延伸すると、第一成分のポリプロピレンの結
晶性が向上し、分割性に優れた分割型複合繊維を得るこ
とができる。延伸倍率においては、5倍以上の延伸する
ことが好ましい。より好ましくは、6倍以上である。延
伸倍率が5倍未満であると、第一成分の分子配向による
結晶化が低く、十分な分割性が得られないからである。
例えば、2段延伸であれば、1段目を1.5〜3倍延伸
し、2段目を2〜6倍延伸して、全体として延伸倍率6
倍以上とすることができる。
状態を保ったままの状態で、100〜120℃に加熱さ
れた熱水、蒸気、乾熱などの雰囲気下で熱処理すると、
特に第一成分のポリプロピレンの結晶化が促進されて、
分割性が向上する点で好ましい。ここでいう緊張状態と
は、おおよそ1.1〜1.2倍でフィラメントが引き揃
えられた状態のことをいう。熱処理温度が100℃未満
であると、その効果は大差がなく、120℃を超える
と、繊維の融着が起こり易くなり好ましくない。そし
て、上記熱処理は、繊維処理剤付与前あるいは後のいず
れであってもよく、その後必要に応じて捲縮付与、乾燥
処理され、所定の繊維長に切断されて分割型複合繊維を
得る。このようにして得られた分割型複合繊維の繊度
は、0.5〜4dtexであることが好ましく、より好まし
くは、繊度0.8〜2dtexである。
Q値(重量平均分子量/数平均分子量の比)が少なくと
も5とすることにより、分割性に優れ、安価に製造が可
能である分割型複合繊維を得ることができる。また、繊
維製造工程において、延伸倍率を高くして2成分の結晶
化を高めることにより、分割性がさらに向上する。前記
分割型複合繊維において複合形態で2成分の結晶化度を
測定することは困難であるため、単繊維伸度、単繊維強
度、単繊維ヤング率の数値で代用すると、得られた分割
型複合繊維の単繊維伸度は、20〜100%であること
が好ましい。より好ましくは、25〜70%であり、さ
らに好ましくは25〜50%である。単繊維伸度が20
%未満であると、延伸工程での単糸切れによるロールへ
の巻き付きが発生しやすい傾向にあり、単繊維伸度が1
00%を超えると、第一成分の分子配向による結晶化が
不十分であり、後述する高圧水流処理などによる衝撃力
では、十分に分割できないからである。また、得られた
分割型複合繊維の単繊維強度は、3cN/dtex以上である
ことが好ましい。より好ましくは、4.5cN/dtex以上
である。単繊維強度が3cN/dtex以上であると、分割性
が向上する点で好ましい。さらに、得られた分割型複合
繊維の単繊維ヤング率は、2000N/mm2以上であるこ
とが好ましい。より好ましくは、2500N/mm2以上で
ある。単繊維ヤング率が2000N/mm2以上であると、
分割性が向上する点で好ましい。
布に利用され、その繊維ウェブ形態も特に限定はされ
ず、例えば、カード法により形成されたカードウェブ、
エアレイ法により形成されたエアレイウェブ、湿式抄紙
法により形成された湿式抄紙ウェブ、スパンボンド法に
より形成されたスパンボンドウェブなどが挙げられる。
繊維ウェブの目付も特に限定されないが、10〜100
g/m2とすると後述する高圧水流処理により、本発明の分
割型複合繊維を容易に分割させるとともに交絡させるこ
とができ、好ましい。
るには、公知の高圧水流処理法を用いることが好まし
い。高圧水流処理は、孔径0.05〜0.5mmのオリフ
ィスが0.5〜1.5mmの間隔で設けられたノズルか
ら、水圧3〜20MPaの柱状水流を不織布の表裏にそれ
ぞれ1回以上噴射するとよいが、本発明の分割型複合繊
維であれば、水圧3〜8MPaという従来の分割型複合繊
維では十分に分割し得なかった低圧下でも分割が可能で
ある。
する。なお、各ポリマーおよび複合繊維中の各成分のQ
値、メルトフローレート、単繊維強伸度、単繊維ヤング
率、不織布の引張強力、破断伸度および分割率は、以下
の方法で測定した。
ィー測定法を用いる。まず、繊維4mgをo−ジクロロベ
ンゼン1mlに溶解してサンプル溶液を調製し、サンプル
溶液を140℃でTREFカラムへ0.4ml注入し、溶
出する。そして、得られた140℃溶出分をゲル・パー
ミエーション・クロマトグラフィー(GPC)、FT−
IR分析を行い、各分子量における2成分の比率を求
め、GPCカーブフィッティングにより各々の成分の重
量平均分子量/数平均分子量の比(Q値)を算出した。
10に準じ、230℃、荷加重2.169kgで測定し
た。
1015に準じ、引張試験機を用いて、試料のつかみ間
隔を20mmとしたときの荷重値および伸びを測定し、そ
れぞれ単繊維強力および単繊維伸度とした。
に準じ、上記方法で試験を行い、荷重−伸長曲線から初
期引張抵抗度P(cN/dtex)を求め、次式により算出し
た値を単繊維ヤング率とした。ただし、ρは繊維密度
(g/cm3)とした。 単繊維ヤング率(N/mm2)=1000×P×ρ
L−1096に準じ、幅5cm、長さ15cmの試料片をつ
かみ間隔10cmで把持し、定速伸長型引張試験機を用い
て引張速度30cm/分で伸長し、切断時の荷重値および
伸び率を引張強力、破断伸度とした。
じないようにし、電子顕微鏡にて1000倍に拡大して
任意に3箇所撮影し、撮影写真の分割している繊維の面
積比率にて分割率を算出した。
Q値が6.0、MFR23のポリプロピレンポリマー
(日本ポリケム(株)製:商品名SA03A)とし、第
二成分を融点が138℃、Q値が6.0、MI(JIS
−K−7210、190℃、荷加重2.169kg)が1
2のポリエチレンポリマー(日本ポリケム(株)製:商
品名HE482)として、2成分の複合比(容積比)を
50/50で、分割型複合ノズルを用いて、引取速度5
00m/minで溶融紡糸し、繊度10dtex、図1に示すよ
うな歯車型の断面を持つ8分割型複合繊維を得た。次い
で、紡糸フィラメントを95℃の温水中で1段目2.0
倍、2段目4.35倍の湿式二段延伸を行い、緊張状態
で110℃で蒸気加熱処理を行い、繊維処理剤を繊維質
量に対して0.3mass%付着させ、繊維長6mmに切断し
て、繊度1.5dtexの分割型複合繊維を得た。
97mass%、繊度1.1dtex、繊維長3mmのビニロン繊
維((株)クラレ製)をバインダーとして3mass%の割
合で混合し、スラリーを調整し、湿式抄紙法により目付
60g/m2の湿式抄造ウェブを作製した。次に、得られた
湿式不織布の表裏面に8MPaの高圧柱状流を噴射して、
分割型複合繊維を分割させるとともに繊維間を交絡させ
て、100℃で乾燥とともに繊維間を熱接着させ、湿式
不織布となした。得られた不織布の分割率は95%であ
った。
わなかった以外は、実施例1と同様にして分割型複合繊
維および湿式不織布を得た。得られた不織布の分割率は
85%であった。
Q値が5.0、MIが20のポリエチレンポリマー(日
本ポリケム(株)製:商品名HE490)を用いた以外
は、実施例2と同様にして分割型複合繊維および湿式不
織布を得た。得られた不織布の分割率は85%であっ
た。
ポリエチレンポリマーを40mass%、融点が138℃、
Q値が6.0、MIが6のポリエチレンポリマー(日本
ポリケム(株)製:商品名HJ560)を60mass%の
混合ポリマーとした以外は、実施例2と同様にして分割
型複合繊維および湿式不織布を得た。得られた不織布の
分割率は85%であった。
を95℃の温水中で1段目1.9倍、2段目3.0倍の
湿式二段延伸を行った以外は、実施例2と同様の方法で
分割型複合繊維およびこれを用いた湿式不織布を得た。
得られた不織布の分割率は70%であった。
Q値が4.4、MFRが30のポリプロピレンポリマー
(日本ポリケム(株)製:商品名SA03B)とし、第
二成分を実施例1のポリエチレンポリマーとして、2成
分の複合比(容積比)を50/50で、分割型複合ノズ
ルを用いて、引取速度500m/minで溶融紡糸し、繊度
10dtex、図1に示すような歯車型の断面を持つ8分割
型複合繊維を得た。次いで、紡糸フィラメントを95℃
の温水中で延伸倍率6倍で湿式一段延伸を行い、繊維処
理剤を0.3mass%付着させ、繊維長6mmに切断して、
繊度2dtexの分割型複合繊維を得た。そして、得られた
分割型複合繊維は実施例1と同様の方法で湿式不織布と
なした。得られた不織布の分割率は20%であった。
温水中で1段目2.0倍、2段目3.4倍で湿式二段延
伸した以外は、比較例1と同様の方法で繊度1.8dtex
の分割型複合繊維およびこれを用いた湿式不織布を得
た。得られた不織布の分割率は40%であった。
110℃で蒸気加熱処理を行った以外は、比較例2と同
様の方法で分割型複合繊維およびこれを用いた湿式不織
布を得た。得られた不織布の分割率は20%であった。
さらに、湿式不織布を実施例2と同様の方法で水流交絡
処理を施し、交絡不織布を得た。得られた不織布の分割
率は50%であった。上記実施例1〜5、比較例1〜3
の諸物性を表1に示す。
率を5.7倍としたため水圧8MPaの低圧下において分
割率が70%であったが、実施例1〜4では、水圧8MP
aの低圧下においても85%以上の高度に分割してい
た。前記不織布をワイパーとして用いたとき、細かい塵
や手垢、指紋まできれいに拭き取ることができた。一
方、比較例1〜3は、湿式二段延伸あるいは蒸気加熱処
理を組み合わせることにより分割性が若干向上するもの
の、分割率が50%以下と低く、極細繊維独特の風合い
を有しておらず、ワイパーとして用いても、汚れを十分
に拭き取ることはできなかった。
ポリプロピレンのQ値を少なくとも5とすることによ
り、高圧水流などの物理的手段によって容易に割繊が可
能であり、安価に製造が可能である。また、複合繊維中
の第一成分のQ値(Q1)と第二成分のポリエチレンの
Q値(Q2)との比(Q1/Q2)を少なくとも1.0と
することにより、2成分間の延伸性の均一性が増し、よ
り高度な分割性を有する繊維が得られる。そして、本発
明の分割型複合繊維を用いた極細繊維不織布は、極細繊
維独特の緻密さ、風合い、嵩高性、強力、機能性に優れ
ており、衛生材料、フィルター、ワイパー、電池セパレ
ータなどに好適である。
す。
を示す。
を示す。
Claims (6)
- 【請求項1】 ポリプロピレンよりなる第一成分とポリ
エチレンよりなる第二成分とからなる分割型複合繊維で
あって、複合繊維中の第一成分のQ値(重量平均分子量
/数平均分子量の比)が少なくとも5であることを特徴
とする分割型複合繊維。 - 【請求項2】 複合繊維中の第一成分のQ値(Q1)と
第二成分のQ値(Q2)との比(Q1/Q2)が少なくと
も1.0である請求項1記載の分割型複合繊維。 - 【請求項3】 複合繊維の単繊維伸度が20〜100%
である請求項1または2に記載の分割型複合繊維。 - 【請求項4】 Q値が少なくとも5であるポリプロピレ
ン系ポリマーを第一成分とし、ポリエチレン系ポリマー
を第二成分として分割型複合ノズルを用いて溶融紡糸
し、5倍以上に多段延伸することを特徴とする分割型複
合繊維の製造方法。 - 【請求項5】 多段延伸した後、緊張状態のフィラメン
トを100〜120℃の雰囲気下で熱処理を施す請求項
4記載の分割型複合繊維の製造方法。 - 【請求項6】 請求項1〜3のいずれかに記載の分割型
複合繊維を分割して得られる繊度0.5dtex以下の極細
繊維を含有することを特徴とする極細繊維不織布。
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JP2000335150A JP3774114B2 (ja) | 1999-11-02 | 2000-11-01 | 分割型複合繊維、その製造方法およびそれを用いた極細繊維不織布 |
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JP31208399 | 1999-11-02 | ||
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