JP2007297723A - 成型性長繊維不織布 - Google Patents

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Abstract

【課題】 低温でも十分に成型可能な不織布であって、軽量化、低コスト化が可能な不織布を提供する。
【解決手段】 結晶性のポリエステル系重合体(A)を芯部に、ポリエステル系重合体(A)より融点が30℃以上低い結晶性のポリエステル系重合体(B)を鞘部に配した芯鞘型長繊維により構成される長繊維不織布であって、長繊維不織布は、部分的に圧着された圧着部を有することにより形態保持しており、長繊維不織布の縦方向の残留伸び率と横方向の残留伸び率との合計が110%以上である成型性長繊維不織布。鞘部に配するポリエステル系重合体(B)が、テレフタル酸とエチレングリコールとブタンジオールを構成成分とすることが好ましく、芯部に配するポリエステル系重合体(A)が、テレフタル酸とイソフタル酸とエチレングリコールを構成成分とすることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリエステル系の成型性不織布に関する。
従来、自動車用天井材は、例えば、ウレタンフォームや短繊維を樹脂等で固めた固綿等からなる芯材に、ホットメルトフィルム等を介して、ガラス繊維マットを貼り合わせ、さらにそのガラス繊維マットの両表面に、ホットメルトフィルム等を介して、表皮材、裏材などのシート状物を積層し、一体成型することにより得られる。また、ガラス繊維マットの取り扱いが困難であることから、特定のウレタンフォームの両表面にポリカーボネートフィルムを介して不織布を積層し、一体成型する方法が知られている(特許文献1)。
積層する不織布は、芯材を覆うという役割を担うとともに、プレス成型時に、良好に成型枠に沿って伸びる伸長性が求められるため、タテ、ヨコの両方向に伸度の高い、スパンレースやニードルパンチ処理による繊維同士が交絡することにより形態保持してなる短繊維不織布が用いられている。
近年、自動車内装材においては、軽量化、低コスト化が求められているが、スパンレースやニードルパンチ処理による短繊維不織布では目付を低くすることに限界がある。また、低目付の短繊維不織布を用いた場合、構成繊維が相対的に少なくなり、また伸長応力が小さくなるため、深い成型部分に存在する繊維が極めて少なくなったり、部分的に繊維が存在しない箇所が発生したりする。
本出願人は、軽量化、低コスト化を達成すべく、部分的に熱圧着部を有するスパンボンド不織布に多数の開孔を設けた成型性を有する不織シートを提案している(特許文献2)。
特開平9−123323号公報(従来の技術、発明の実施の形態) 特開2005−273097号公報
熱成型の方法としては、成型する材料に熱を付与した後、室温の金型にて成型する方法や、金型自体に熱を付与して成型する方法等がある。自動車内装材は、それを構成する多数の部材を積層したものであるため、それぞれの部材がすべて、熱が十分に付与されて熱成型が可能な状態にされていることはなく、一部の部材に十分熱が付与されない場合は、成型性を阻害することがある。
本発明者は、自動車の内装材の部材のひとつである不織布において、十分に熱が付与されていない場合であっても、他の部材の成型性を阻害することなく、良好に成型が行え、かつ、型保持性が良好な不織布を提案できないかと考え、低温でも十分に成型可能な不織布であって、軽量化、低コスト化が可能な不織布を提供することを課題とし、種々検討を行った。
不織布としては、ポリエチレンテレフタレートで構成された長繊維不織布がよく知られるが、一般にポリエチレンテレフタレートからなる長繊維不織布は、寸法安定性が良好なため、伸度が低く、プレス成型の際に破れたり穴が開いたりする。これを改良するために、結晶性が低く、未延伸のポリエチレンテレフタレートで構成された長繊維不織布では、伸度が高くなるものの、成型時に熱が付与された場合に熱収縮が起こり、得られる成型体に歪みや皺が入り品位に劣る。
本発明者は、長繊維不織布を構成する重合体を種々検討した結果、長繊維不織布を構成する重合体として、特定の結晶性の重合体を用い、かつ特定の繊維構造とすることにより、十分に熱が付与されなくとも成型を行うことが可能で、かつ、型保持性が良好となることを見出し、本発明に到達した。
本発明は、ポリエステル系重合体(A)を芯部に、ポリエステル系重合体(A)より融点が30℃以上低いポリエステル系重合体(B)を鞘部に配した芯鞘型長繊維により構成される長繊維不織布であって、長繊維不織布は、部分的に圧着された圧着部を有することにより形態保持しており、長繊維不織布の縦方向の残留伸び率と横方向の残留伸び率との合計が110%以上であることを特徴とする成型性長繊維不織布を要旨とするものである。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の長繊維不織布は、成型に用いるものであって、縦方向の残留伸び率と横方向の残留伸び率とを合計した値が110%以上である。
ここで、本発明の残留伸び率は、以下の方法により求められる。すなわち、JIS−L−1096(1999)記載の伸長弾性率A法に準拠して測定する。不織布の縦(MD)および横方向(CD)について、それぞれ試料長が200mm、試料幅が50mmの試料片(各4個)を作成する。測定温度20℃において、定速伸長型引張試験機(東洋ボールドウィン社製テンシロンUTM−4−1−100)を用いて、初荷重を試料片質量の約20倍の質量を加え、つかみ間隔100mmでつかみ、引張速度100mm/minにて20mm(L)伸長し、10秒間放置する。次に、同じ速度で荷重を取り除き、10秒間放置した後再び同じ速度で20mm(L)まで引き延ばす。記録した荷重−伸び曲線から残留伸び(L)を測り、次式によって残留伸び率を求める。
残留伸び率=残留伸び(L)/伸長(L:20mm)×100
各試料の残留伸び率から平均値を求めて、それぞれ縦方向の残留伸び率および横方向の残留伸び率とし、本発明の長繊維不織布においては、これらの合計を110%以上とする。
本発明では、室温(20℃)下で、上記の残留伸び率を有する長繊維不織布とすることにより、熱の付与により軟化した状態でなくとも、良好に金型に追随することができる成型性の長繊維不織布を得ることができる。残留伸び率が110%以上であるので、所定の形状に変形させた後に、その所定の形状を良好に保持することができる。残留伸び率が110%未満であると、所定の形状に変形させた後に、元の形態に戻ろうとする力が残っているため、所定の形状を保持できにくくなる。本発明のおいては、残留伸び率が130%以上であることが好ましい。
また、本発明の長繊維不織布は、室温(20℃)下で、20%伸長時の応力(100g/m2目付換算値)が170N/5cm以下であることが好ましい。本発明では、室温である20℃下で、20%伸長時の応力が上記の値以下とすることにより、熱の付与等による軟化した状態でなくとも、歪み等が発生しにくく、良好に金型に追随することができる成型性の長繊維不織布を得ることができる。
なお、本発明において、20%伸長時の応力(100g/m2目付換算値)が170N/5cm以下は、以下の方法により求める。すなわち、JIS−L−1096(1999)に記載のストリップ法に準じて測定する。試料長が200mm、試料幅が50mmの試料片を、不織布の縦方向(MD)および横方向(CD)について各10点を作成する。測定温度20℃において、各試料片毎に、定速伸長型引張試験機(東洋ボールドウィン社製テンシロンUTM−4−1−100)を用いて、つかみ間隔100mm、引張速度200mm/minにて20mm伸長し、得られたそれぞれの荷重値(N/5cm)より平均値を求め、MDおよびCDの応力とする。次いで、得られたMDの応力とCDの応力との平均値を求め、求めたMDおよびCDの平均値を100g/m2の目付に換算し、この値を20%伸長時の応力(100g/m2目付換算値)とする。
本発明の長繊維不織布は、結晶性のポリエステル系重合体(A)を芯部に、前記ポリエステル系重合体(A)より融点が30℃以上低い結晶性のポリエステル系重合体(B)を鞘部に配した芯鞘型複合長繊維から構成される。長繊維を構成する重合体が、いずれも結晶性のポリエステル系重合体であることから、熱安定性に優れ、成型の際に、熱を付与する場合であっても、熱収縮が発生しにくく、得られる成型体に熱収縮による皺や歪み等が発生しにくい。本発明では、150℃の高温雰囲気下に5分間放置した際の面積収縮率が20%以下であると、熱安定性に優れ、熱成型の場合でも皺等が発生しにくく、良好な熱成型が可能となる。また、両者の融点差を30℃以上とすることにより、熱が付与された際に、鞘部の重合体は軟化するものの、芯部の重合体は繊維形態を保持し、強力を担うことができる。
結晶性のポリエステル系重合体としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレートや、前記ポリエステルに第3成分を共重合した共重合ポリエステルであって、結晶性のものが用いられる。
芯部に配するポリエステル系重合体(A)としては、繊維の強力や熱安定性を考慮して、融点が220℃以上であり、エチレンテレフタレート(エチレングリコールとテレフタル酸を構成成分とする)を主たる繰り返し単位とし、これにイソフタル酸が共重合してなる共重合ポリエステルを用いることが好ましい。また、鞘部に配するポリエステル系重合体(B)としては、長繊維不織布の残留伸び率や熱安定性を考慮して、テレフタル酸とエチレングリコールとブタンジオールとを構成成分とする共重合ポリエステルを用いることが好ましい。
芯鞘型複合繊維における芯部と鞘部との比率(芯/鞘)は、概ね7/3〜3/7であることが好ましい。芯部の比率が7/3を超えると成型性に劣る傾向となり、一方、芯部の比率が3/7未満となると繊維の強力に劣る傾向となる。
本発明の長繊維不織布は、芯鞘型複合長繊維からなり、部分的に圧着された圧着部を有することにより形態保持している。圧着部は、いわゆる熱エンボス加工により形成されるものであり、熱エンボス条件は特に限定されないが、個々の圧着部の面積が0.1〜1.0mm2、圧着部密度は10〜70点/cm2、圧着部の面積率が10〜40%であるのがよい。
本発明の長繊維不織布の目付は、成型する用途に応じて適宜選択すればよいが、例えば、自動車内装材の積層体の一部として用いる場合、特に天井材の芯材であるガラスウールやウレタンフォーム、繊維製の固綿等の側地として用いる場合等は30〜50g/m2がよい。
上記した残留伸び率を有する成型性長繊維不織布は、以下のように、いわゆるスパンボンド法により効率よく得ることができる。
すなわち、芯部と鞘部に配するポリエステル系重合体を、それぞれ個別に溶融計量し、芯鞘複合型の紡糸口金から吐出させ、この吐出糸条を従来公知の横吹付や環状吹付等の冷却装置を用いて冷却せしめた後、エアサッカーを用いて、3000〜4000m/分の気流で目的繊度となるように牽引細化させ、引き続き、吸引装置から排出された糸条を開繊させた後、スクリーンからなるコンベアの如き移動式捕集面上に開繊堆積させて不織ウェブとする。
吸引装置を用いて紡出糸条を牽引細化する際には、前述のように、引取速度が3000〜4000m/分となるようにすることが好ましい。この範囲の高速による紡糸応力を付与することによって、芯部および鞘部に配した結晶性のポリエステル系重合体の分子配向が進み結晶化するため、熱成型の場合に熱収縮が発生しにくく、良好に成型することができる。引取速度、すなわち紡糸速度が3000m/分未満であると、分子配向が十分でなく熱収縮が大きくなり、熱成型時に皺等が発生し、成型作業性に劣り、また、得られる成型体の見栄えが悪くなる。一方、引取速度が4000m/分を超えると、結晶性はより進み、伸び率が低くなる傾向となり、成型時において型枠に良好に追随しにくくなる。
次に、開繊させた糸条群を移動堆積装置上に堆積させて不織ウェブを得て、これを熱処理することによって、部分的に圧着した圧着部を形成し、不織布として一体化する。熱処理方法としては、いわゆる熱エンボス加工を行えばよく、一対のエンボスロールまたはエンボスロールとフラットロールからなる熱エンボス装置を採用すればよい。
熱エンボス装置を構成するロールの表面温度は、鞘部のポリエステル系重合体が溶融または軟化する温度であればよい、具体的には、処理速度や線圧にもよるが、鞘部のポリエステル系重合体の融点以下の温度に設定し、好ましくは、融点より10〜60℃低い温度に設定するとよい。また、ロールの線圧は、0.98N/cm以上とすることが好ましい。ロールの線圧が0.98N/cm未満であると、熱圧着処理効果が乏しく、得られた長繊維不織布の機械的強力および寸法安定性が向上しない。
本発明の成型性長繊維不織布は、上述したように室温下(20℃)のおいて、特定の残留伸び率を有している。したがって、自動車内装材のように、各種材料を複数積層したものを成型し、その材料の一部として使用される場合であっても、十分に熱が付与されずとも良好に成型することが可能で、かつ型保持性に優れるため、他の材料の成型性を阻害することなく、良好な成型体を得ることができる。
また、スパンボンド法により、容易に得ることができるため、低コスト化、軽量化を図ることもできる。
次に、実施例により本発明を具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。また、各物性値は以下により求めた。
(1)相対粘度ηrel;フェノール四塩化エタンの等質量混合溶媒で、温度20℃で測定した。
(2)融点Tm(℃);パーキンエルマー社製の示差走査熱量計DSC−7型を用い、昇温速度20℃/分で測定した。
(3)目付(g/m2);標準状態の試料から縦10cm×横10cmの試料片各10点を作成し、各試料片の質量(g)を秤量し、得られた値の平均値を単位面積当たりに換算して不織布の目付(g/m2)とした。
(4)残留伸び率(%);JIS−L−1096(1999)記載の伸長弾性率A法に準拠して測定する。不織布の縦(MD)および横方向(CD)について、それぞれ試料長が200mm、試料幅が50mmの試料片(各4個)を作成した。測定温度20℃において、定速伸長型引張試験機(東洋ボールドウィン社製テンシロンUTM−4−1−100)を用いて、初荷重を試料片質量の約20倍の下で、つかみ間隔100mmでつかみ、引張速度100mm/minにて20mm(L)伸長し、10秒間放置した。次に、同じ速度で荷重を取り除き、10秒間放置した後再び同じ速度で20mm(L)まで引き延ばした。記録した加重−伸び曲線から残留伸び(L)を測り、次式によって残留伸び率を求めた。
残留伸び率=残留伸び(L)/伸長(L:20mm)×100
(5)不織布の乾熱収縮率(面積収縮率);面積A(0.15m×0.15m=0.0225m2)の不織布を150℃に維持した熱風乾燥機中に5分間放置し、この熱処理後の不織布の面積をAとし、Aから下式により面積収縮率を求め、高温下の寸法安定性として評価した。
面積収縮率(%)=((A−A)/A)×100
(6)20%伸長時の応力(N/5cm);JIS−L−1096(1999)に記載のストリップ法に準じて測定した。試料長が200mm、試料幅が50mmの試料片を、不織布の縦方向(MD)および横方向(CD)について各10点を作成した。測定温度20℃において、試料片毎に、定速伸長型引張試験機(東洋ボールドウィン社製テンシロンUTM−4−1−100)を用いて、つかみ間隔100mm、引張速度200mm/minにて20mm伸長し、得られたそれぞれの荷重値(N/5cm)より平均値を求め、MDおよびCDの応力とした。次いで、得られたMDの応力とCDの応力との平均値を求め、求めたMDおよびCDの平均値を100g/m2の目付に換算し、この値を20%伸長時の応力(100g/m2目付換算値)とした。
(7)成形性;図1に示す雄型(径;110mm、凸部高さ;58mm、斜面角度;52°)と雌型(径;120mm、凹部深さ;64.7mm、斜面角度;52°)との金型からなるコーン型の成型器を用いて、以下の方法にて評価した。まず、試料の作成については、試料を雌型上に固定する固定枠の枠内寸法が25cm×25cmであるため、30cm×30cmの試料を作成した。次いで、得られた試料を、雌型上に固定し、雄型を雌型に向けて40mm挿入して加圧して成型を行い、成型体を得た。得られた成型体の状態を観察して以下の3段階の評価を行った。なお、成型体の作成は、常温下(室温20±2℃、湿度60±4%)にて行い、試料および金型に熱の付与等は行っていない。
○:不織布の破れや局部的な伸びもない。
△:不織布の破れは起こっていないが、局部的な伸びがあり成型状態が良くない。
×:不織布が破れた。
実施例1
テレフタル酸とエチレングリコールとのエステル化反応で得られたテレフタル酸(TA)成分とエチレングリコール(EG)成分とのモル比が1/1.17のエチレンテレフタレート単位のオリゴマーに、1,4−ブタンジオール(1,4−BD)をジオール成分に対して50モル%の割合で共重合した融点185℃、相対粘度が1.40の共重合ポリエステル(ポリエステルB)と、エチレンテレフタレート単位にイソフタル酸8モル%共重合してなる相対粘度1.44、融点230℃の共重合ポリエステル(ポリエステルA)を用いて、スパンボンド法により芯鞘型複合長繊維不織布を製造した。すなわち、前記両重合体を個々のエクストルーダ型溶融押出し機と複合型の丸断面となる紡糸口金を用いて、ポリエステルAを芯部に配し、ポリエステルBを鞘部に配した芯鞘型複合長繊維を単孔吐出量=1.27g/min、複合比が芯/鞘=55/45の条件にて溶融紡出した。溶融紡出された芯鞘型複合糸を冷却空気流にて冷却した後、引き続いてエアサッカーにて紡糸速度3800m/分で引き取り、開繊装置を用いて開繊し、搬送装置上に捕集堆積せしめ、単糸繊度が3.3デシテックスの芯鞘型複合繊維からなるウエブを得た。このウエブを圧接点面積が0.8mm、圧接点密度21個/cm2、圧接面積率17%のエンボスロールと表面が平滑なフラットロールからなる熱圧接装置により線圧50Kg/cm、圧接温度120℃で熱圧接し、目付30g/mの長繊維不織布を得た。不織布の物性を表1に示す。
実施例2
紡糸速度を3500m/分として、複合繊維の単糸繊度を3.6デシテックスとしたこと以外は、実施例1と同様にして長繊維不織布を得た。不織布の物性を表1に示す。

実施例3
紡糸速度を3200m/分として、複合繊維の単糸繊度が3.9デシテックスとしたこと以外は、実施例1と同様にして長繊維不織布を得た。不織布の物性を表1に示す。
比較例
相対粘度が1.38、融点が256℃のポリエチレンテレフタレートとポリエチレンテレフタレートにイソフタル酸8モル%共重合してなる相対粘度1.44、融点230℃の共重合ポリエステルを、ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンテレフタレートにイソフタル酸8モル%共重合してなる共重合ポリエステルの紡出孔数が2/1に配分分布させ設計した混繊用ノズル(混繊率2/1)を用いて混繊糸を溶融紡出した。溶融紡糸に際し、融点が256℃のポリエチレンテレフタレートの溶融温度を290℃、融点230℃の共重合ポリエステルの溶融温度を260℃とし、単孔吐出量=1.7g/分の条件にて溶融紡出した。その溶融紡出された混繊糸を冷却空気流にて冷却した後、引き続いてエアサッカーにて引き取り、これを開繊装置を用いて開繊し搬送装置上に捕集堆積せしめ、単糸繊度が各々3.8デシテックスのポリエチレンテレフタレートからなる繊維と共重合ポリエステルからなる繊維からなるウエブ(混繊ウエブ)を得た。このウエブを圧接点面積が0.8mm、圧接点密度21個/cm2、圧接面積率17%のエンボスロールと表面が平滑なフラットロールからなる熱圧接装置により線圧50Kg/cm,圧接温度208℃で熱圧接し、目付30g/mの長繊維不織布を得た。不織布の物性を表1に示す。
表1から明らかなように、実施例1〜3で得られた長繊維不織布は、残留伸び率に優れ、20%伸長時の応力も高すぎることなく、高温下での面積収縮率(150℃×5分間)の小さな長繊維不織布であった。室温下での成形性にも破れや皺等が発生することなく、良好にすることができ、また、成型後の戻りもなく、成型安定性にも優れたものであった。
一方、比較例は、残留伸び率が小さく、20%伸長時の応力も高いため、成型性に劣り、成型時に破れや、歪みが発生した。
本発明の成型性の評価に用いる成型器の横断面模式図である。
符号の説明
1:雄型
2:雌型

Claims (5)

  1. 結晶性のポリエステル系重合体(A)を芯部に、ポリエステル系重合体(A)より融点が30℃以上低い結晶性のポリエステル系重合体(B)を鞘部に配した芯鞘型長繊維により構成される長繊維不織布であって、長繊維不織布は、部分的に圧着された圧着部を有することにより形態保持しており、長繊維不織布の縦方向の残留伸び率と横方向の残留伸び率との合計が110%以上であることを特徴とする成型性長繊維不織布。
  2. 150℃の高温雰囲気下に5分間放置した時の不織布の面積収縮率が20%以下であることを特徴とする請求項1記載の成型性長繊維不織布。
  3. 20%伸長時の応力が100g/m2目付換算値で170N/5cm以下である請求項1または2記載の成型性長繊維不織布。
  4. 鞘部に配するポリエステル系重合体(B)が、テレフタル酸とエチレングリコールとブタンジオールを構成成分とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の成型性長繊維不織布。
  5. 芯部に配するポリエステル系重合体(A)が、テレフタル酸とイソフタル酸とエチレングリコールを構成成分とすることを特徴とする請求項4記載の成型性長繊維不織布。
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