JP2015045103A - 中入綿 - Google Patents

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Abstract

【課題】 軽量かつ人の動きに追従しやすい、実用的な中入綿を提供すること。
【解決手段】 本発明の中入綿は、片面から他面に貫通する貫通口を複数有する不織布からなり、次の(1)〜(3)の条件を満たす。(1)不織布の開口率が5〜30%、(2)不織布の引張り強さが、たて方向、よこ方向のいずれの方向においても6N/100mm幅以上、(3)貫通口が千鳥状に配置。なお、不織布の20%モジュラス減少率が20%以上であるのが好ましい。
【選択図】 図1

Description

本発明は中入綿に関する。特には、軽くて、動きやすい衣服を提供できる中入綿に関する。
従来から中入綿は、例えば、冬季スポーツ用ウェア又はパンツ、一般防寒着、冬季作業着など、保温性を必要とする衣料用途に使用されている。
このような中入綿を使用した衣服は、人の動きに追従しやすいように、伸縮性を有するのが好ましいため、潜在捲縮性繊維を含む繊維ウエブを形成した後、潜在捲縮性繊維の捲縮を発現させることによって、伸縮性を付与した不織布を中入綿として使用していた。
例えば、本願出願人は、「潜在捲縮性繊維を含む短繊維ウエブを形成し、該短繊維ウエブに接着剤をスプレーし、該潜在捲縮性繊維の捲縮が完全には発現しない温度で該短繊維ウエブを乾燥した後、張力をかけないで熱処理を施すことにより、該潜在捲縮性繊維の捲縮を発現させて、該短繊維ウエブに収縮を生じさせることを特徴とする見掛密度0.005〜0.05g/cmの伸縮性中入綿の製造方法。」(特許文献1)を提案した。このような製造方法により製造された中入綿は確かに伸縮性に優れ、人の動きに追従しやすいものであったが、潜在捲縮性繊維の捲縮を発現させ、短繊維ウエブに収縮を生じさせていることから、繊維密度が高まるため、比較的軽量の中入綿とすることが困難であった。
特公平4−74037号公報
そのため、元々捲縮の多い高捲縮繊維を配合することにより、比較的軽量の中入綿を製造することを試みたが、短繊維ウエブを形成する段階である程度捲縮が伸ばされるためか、人の動きに追従しにくいものであったため、実用的な中入綿ではなかった。
本発明はこのような状況下においてなされたものであり、軽量かつ人の動きに追従しやすい、実用的な中入綿を提供することを目的とする。
本発明の請求項1にかかる発明は、「片面から他面に貫通する貫通口を複数有する不織布からなり、下記(1)〜(3)の条件を満たすことを特徴とする中入綿。

(1)不織布の開口率が5〜30%、(2)不織布の引張り強さが、たて方向、よこ方向のいずれの方向においても6N/100mm幅以上、(3)貫通口が千鳥状に配置」である。
本発明の請求項2にかかる発明は、「不織布の、次の式で定義される20%モジュラス減少率(Md)が20%以上であることを特徴とする、請求項1記載の中入綿。
Md=[(Mb−Ma)/Mb]×100
式中、Maは貫通口を有する不織布の20%モジュラス強度、Mbは貫通口を形成する前の不織布の20%モジュラス強度、をそれぞれ意味する」である。
本発明の請求項1にかかる中入綿は、片面から他面に貫通する貫通口を有する不織布とし、その開口率を5〜30%とすることによって、中入綿の軽量化を実現している。また、貫通口を有することによって、貫通口を中心として変形しやすいため、人の動きに追従しやすい。更に、引張り強さが、たて方向、よこ方向のいずれの方向においても6N/100mm幅以上であるため、着用時、洗濯時、又はドライクリーニング時に変形しにくく、実用的である。更に、貫通口が千鳥状に配置している点からも、小さい力で伸びやすく、人の動きに追従しやすい。更に、開口率が5〜30%であると、中入綿本来の性能である保温性が損なわれるかと心配されたが、意外にも保温性の低下が低く、実用的であることも見出した。
本発明の請求項2にかかる中入綿は、20%モジュラス減少率(Md)が20%以上と、小さい力で伸びやすくなっているため、人の動きに追従しやすいものである。
貫通口が千鳥状に配置した中入綿の模式的平面図
本発明の中入綿を構成する不織布は片面から他面に貫通する貫通口を有するため、中入綿の軽量化を実現しているとともに、貫通口を中心として変形しやすいため、人の動きに追従しやすいものである。なお、従来の一般的な不織布は、繊維がランダムに配置しており、無数の微細孔を有するため、片面から他面に貫通する貫通口を有すると考えられなくもないが、このような無数の微細孔を有していたとしても、軽量化及び追従性に寄与しないため、本発明の「貫通口」とは、微細孔の状態とは明らかに異なり、片面から他面に真っ直ぐに伸びて貫通する穴を意味し、例えば、不織布形成後に、打ち抜き機等によって形成した貫通する穴である。このように、不織布形成後に形成した貫通する穴であると、比較的嵩高で保温性に優れた中入綿であることができるため好適である。
このような貫通口を複数有するため、軽量であるとともに、追従性に優れている。後述の通り、開口率が5〜30%であれば、貫通口の数は特に限定するものではないが、5〜100(個/100cm)であるのが好ましく、12〜28(個/100cm)であるのがより好ましい。
また、貫通口1つあたりの大きさも、開口率が5〜30%であれば、特に限定するものではないが、あまりにも小さいと、軽量化と追従性の効果が不十分になりやすく、一方で、あまりにも大きいと、保温性や追従性の均一性が悪くなりやすいため、15〜350mmであるのが好ましく、18〜320mmであるのがより好ましく、50〜250mmであるのが更に好ましく、70〜200mmであるのが更に好ましい。なお、同じ大きさの貫通口のみから構成されていても良いし、異なる大きさの貫通口が混在していても良いが、保温性や追従性の均一性の観点から、同じ大きさの貫通口のみから構成されているのが好ましい。
なお、貫通口の形状も特に限定するものではないが、円形、例えば、真円、長円、楕円など;多角形、例えば、三角形、正方形、長方形、五角形、六角形など、を例示することができる。これらの中でも円形、特に真円であると、いずれの方向に対する人の動きに対しても追従しやすいため、好適である。なお、同じ形状の貫通口のみから構成されていても良いし、異なる形状の貫通口が混在していても良いが、保温性や追従性の均一性の観点から、同じ形状の貫通口のみから構成されているのが好ましい。
また、貫通口は均一に配置していることによって、小さい力で伸びやすく、人の動きに追従しやすいように、千鳥状に配置している。図1は、貫通口が千鳥状に配置した中入綿の模式的平面図であるが、図1に示すように、任意の列の任意の貫通口(例えば、図1における第1列第1番目の貫通口H11)の列と平行な直線(図1におけるL1)と、前記任意の貫通口(図1におけるH11)に隣接する列の中で最も近い貫通口(例えば、図1における第2列第1番目の貫通口H21)と任意の貫通口(図1におけるH11)とを結ぶ直線(L12)とがなす角度(図1におけるα)が30〜60°であると、貫通口が均一に配置していることもあり、小さい力で伸びやすく、人の動きに追従しやすいため好適である。前記角度が40〜50°であるのがより好適であり、45°であるのが最も好適である。
本発明の中入綿を構成する不織布は上述のような貫通口を千鳥状に配置したものであるが、その開口率は5〜30%である。開口率が5%未満であると、中入綿の軽量化に寄与することができず、着用者の着用感を損なう傾向があるためで、一方で、開口率が30%を超えると、中入綿本来の性能である保温性が低下したり、強度の低下が著しく、着用時、洗濯時、又はドライクリーニング時に変形し、一部の箇所に偏在してしまう傾向があるためである。より好ましい開口率は6〜20%であり、更に好ましい開口率は8〜18%である。
この開口率は中入綿(不織布)の主面における貫通口の総面積の、貫通口を含めた中入綿の主面の面積に対する百分率である。例えば、図1において、たての長さがaで、よこの長さがbである長方形状の主面を有する中入綿において、面積がhである貫通口をn個有する中入綿の開口率(Or)は、次の式で得られる値である。
Or=(h×n/a×b)×100
本発明の中入綿を構成する不織布は前記のような開口率を有するにもかかわらず、引張り強さが、たて方向、よこ方向のいずれの方向においても6N/100mm幅以上である。このように、たて方向、よこ方向のいずれの方向においても引張り強さがある程度あるため、着用時、洗濯時、又はドライクリーニング時に変形し、一部の箇所に偏在してしまうことがなく、実用的である。より好ましくは、たて方向、よこ方向のいずれの方向においても10N/100mm幅以上であり、更に好ましくは、たて方向、よこ方向のいずれの方向においても12N/100mm幅以上であり、更に好ましくは、たて方向、よこ方向のいずれの方向においても15N/100mm幅以上である。
なお、本発明における「たて方向」とは、不織布生産時における不織布の流れ方向を意味し、「よこ方向」とは、たて方向と直交する方向を意味する。
また、本発明における「引張り強さ」は、不織布(中入綿)から貫通口の中心を長方形(幅:100mm、長さ:150mm)の四隅の1つとする試料片を、たて方向及びよこ方向に対して、それぞれ採取し、定速伸長型引張試験機(オリエンテック社製、テンシロン)を用い、試料片が破断するまでの最大荷重を測定する。この最大荷重の測定を3枚の試料片について行い、これら最大荷重を算術平均し、引張り強さとする。なお、測定はつかみ間隔100mm、引張速度200mm/分の条件で行う。
本発明の不織布(中入綿)は更に、次の式で定義される20%モジュラス減少率(Md)が20%以上であるのが好ましい。このように、20%モジュラス減少率が20%以上であるということは、貫通口を有する不織布(中入綿)は貫通口を形成する前の不織布と比較して、小さい力で伸びやすくなっていることを意味し、人の動きに追従しやすいためである。この20%モジュラス減少率が大きければ大きい程、人の動きに追従しやすいため、30%以上であるのがより好ましく、40%以上であるのが更に好ましく、50%以上であるのが更に好ましい。なお、20%モジュラス減少率が大きくなる程、引張り強さが小さくなるため、20%モジュラス減少率の上限は、引張り強さが6N/100mm幅以上である限り、特に限定するものではない。
Md=[(Mb−Ma)/Mb]×100
式中、Mdは20%モジュラス減少率、Maは貫通口を有する不織布の20%モジュラス強度、Mbは貫通口を形成する前の不織布の20%モジュラス強度、をそれぞれ意味する。
なお、「20%モジュラス強度」は、不織布(中入綿)から幅が100mm、長さが150mmの試料片を、引張り強さの測定と同様に採取し、定速伸長型引張試験機(オリエンテック社製、テンシロン)を用い、試料片をつかみ間隔100mmで固定した後、20mm伸長(つかみ間隔:120mm)するまでの最大荷重を測定する。この最大荷重の測定を、たて方向の試料片及びよこ方向の試料片3枚ずつに対して行い、これら最大荷重を算術平均し、20%モジュラス強度とする。なお、測定は引張速度200mm/分の条件で行う。
また、不織布(中入綿)の20%モジュラス強度は特に限定するものではないが、人の動きに追従しやすいように、たて方向、よこ方向ともに、20N/100mm以下であるのが好ましく、16N/100mm以下であるのがより好ましく、14N/100mm以下であるのが更に好ましい。
本発明の中入綿(不織布)は前述の通り、開口率が5〜30%と高く、中入綿本来の性能である保温性が損なわれるかと心配されたが、意外にも保温性の低下が低く、実用的であることも見出した。より具体的には、次の式で定義される保温性減少率(Td)が20%以下であることができる。このように、保温性減少率が20%以下であるということは、貫通口を形成する前の不織布と比較して、貫通口を有する不織布(中入綿)は保温性の低下が低く、貫通口を形成する前の不織布に近い保温性を有することを意味する。そのため、この保温性減少率が小さければ小さい程、保温性に優れているため、保温性減少率は18%以下であるのが好ましく、15%以下であるのがより好ましく、10%以下であるのが更に好ましく、8%以下であるのが更に好ましい。
Td=[(Tb−Ta)/Tb]×100
式中、Tdは保温性減少率、Taは貫通口を有する不織布(中入綿)のclo値、Tbは貫通口を形成する前の不織布のclo値をそれぞれ意味する。
なお、前記「clo値」は、次のようにして測定する。
(1)不織布(中入綿)から幅200mm、長さ200mmの試料片を採取する。2枚重ねた状態で通気量が1〜2cm/cm/秒(JIS L1096に規定されるフラジール法による)となる正方形状生地(250mm×250mm)の三辺を縫って袋状とした袋状生地に、前記試料片を入れ、残りの一辺を縫って、袋状試料片を作製する。
(2)保温性測定装置(カトーテック社製、サーモラボII)を用い、温度20℃、60%RH、風速10cm/分の環境下で、温度30.0℃に設定した10cm×10cmの恒温発熱体上に袋状試料片を載せる。そして、袋状試料片を載せた状態における恒温発熱体の熱損失量を測定する。なお、恒温発熱体の周囲には温度30.3℃に設定したガードヒーターを設置し、袋状試料片が恒温発熱体と接している面以外の恒温発熱体の面からの熱損失量を少なくする。
(3)何も載せていない状態における恒温発熱体の熱量損失も同様に測定する。
(4)前記(2)、(3)の測定を3回繰り返し行い、算術平均値を熱損失量測定値とする。そして、保温性を示すclo値を、前記熱損失量測定値を用いて、次式より算出する。
clo値=0.056×[(T−t)/W−(TB−tB)/WB]
式中、T(単位:℃)は恒温発熱体の上に袋状試験片を載せた時の恒温発熱体温度、t(単位:℃)は恒温発熱体の上に袋状試験片を載せた時の雰囲気温度、W(単位:kcal/hr)は恒温発熱体の上に袋状試験片を載せた時の熱損失量、TB(単位:℃)は恒温発熱体の上に何も載せていない時の恒温発熱体温度、tB(単位:℃)は恒温発熱体の上に何も載せていない時の雰囲気温度、WB(単位:kcal/hr)は恒温発熱体の上に何も載せていない時の熱損失量、をそれぞれ意味する。
また、不織布(中入綿)のclo値は特に限定するものではないが、保温性に優れているように、1.00clo以上であるのが好ましく、1.05clo以上であるのがより好ましく、1.10clo以上であるのが更に好ましい。
中入綿の目付は特に限定するものではないが、ある程度の嵩を確保し、保温性に優れているように、目付30g/m以上であるのが好ましく、50g/m以上であるのがより好ましく、60g/m以上であるのが更に好ましい。
また、中入綿の厚さは特に限定するものではないが、2〜30mmであることが好ましく、3〜25mmであることがより好ましく、4〜20mmであることが更に好ましい。2mm未満であると保温効果に劣る傾向があり、30mmを超えると、厚くなりすぎて、中入綿を使用した衣服の着用感に劣り、スタイルも悪くなってしまう傾向があるためである。なお、厚さは貫通口以外の繊維存在部分に、厚さ方向0.5gf/cmの圧力を掛けた時の厚さを意味する。
なお、本発明の中入綿である不織布の構成繊維は特に限定するものではないが、比較的嵩高であることによって、保温性に優れているように、捲縮数が9個/25mm以上の高捲縮繊維(特に、スパイラル状の捲縮を有する高捲縮繊維)を含んでいるのが好ましく、嵩高性を維持しやすいように、中空高捲縮繊維を含んでいるのがより好ましく、繊維強度に優れ、また、中入綿に耐久性を付与することができる、ポリエステル製中空高捲縮繊維を含んでいるのが特に好ましい。
また、従来、体の動きへの追従性を高めるために、潜在捲縮性繊維を使用し、目付が高くなる傾向があったが、本発明においては、貫通口を有することによって、追従性に優れているため、潜在捲縮性繊維を含んでいる必要はない。しかしながら、潜在捲縮性繊維を含んでいても良い。
本発明の中入綿である不織布の構成繊維は高捲縮繊維以外に、例えば、スタッフィングボックスや、歯車によるギヤ捲縮装置などによって捲縮を付与した繊維を含んでいても良い。
なお、本発明の不織布の構成繊維を構成する樹脂成分としては、例えば、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、アクリルなどの合繊繊維であることができ、これら一種以上を含んでいることができる。
また、中入綿(不織布)を構成する繊維の繊度は特に限定するものではないが、中入綿としての風合いを損なわないように、0.5〜20dtexであるのが好ましく、0.5〜10dtexであるのがより好ましい。また、繊維長は35〜65mmであるのが好ましく、50〜64mmであるのがより好ましい。なお、繊度及び/又は繊維長の異なる繊維が混在していても良い。
本発明の中入綿(不織布)は、前述のような繊維を用い、例えば、乾式法及び/又は湿式法により繊維ウエブを形成し、繊維ウエブを結合して不織布を形成した後、打ち抜き機を用いて、片面から他面へ貫通する貫通口を形成して製造することができる。
なお、繊維ウエブの結合方法としては、例えば、バインダーによって接着する方法、繊維の融着性を利用して融着する方法、水流やニードルによって絡合する方法、或はこれらの方法を併用する方法を挙げることができる。これらの中でも、バインダーによって接着する方法であると、繊維ウエブの嵩高な状態を損なうことなく結合できるため保温性に優れる中入綿を製造することができ、また、中入綿の風合いを損なうこともないため好適である。
このように、好適であるバインダーにより接着する場合には、繊維ウエブの嵩高な状態を損なうことなく結合しやすく、また、風合いを損ないにくいように、スプレー法によりバインダーを付与し、乾燥して接着するのが好ましい。なお、バインダー量は風合いを損なうことなく、十分に接着できるように、(繊維ウエブ)対(バインダー固形分量)は60〜90:40〜10であるのが好ましく、80〜90:20〜10であるのがより好ましい。
以下に、本発明の実施例を記載するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜5、比較例1〜5)
繊度3.3dtex、繊維長51mmのポリエステル繊維33mass%、繊度7.8dtex、繊維長64mmのポリエステル繊維33mass%、繊度6.6dtex、繊維長51mmのポリエステル中空コンジュゲート高捲縮繊維34mass%を混綿し、カード機により開繊した後、プレスロール(ロール間隔:0.5mm)を通し、繊維ウエブを形成した。
他方、ガラス転移温度が35℃のアクリル樹脂エマルジョン100部と、エポキシ樹脂エマルジョン3部とを配合したバインダー溶液を調製した。
次いで、前記バインダー溶液を前記繊維ウエブへスプレーした後、温度150℃に設定した熱風ドライヤーで乾燥することによって、バインダーで繊維ウエブを結合し、バインダー結合不織布(目付:80g/m、バインダー固形分量:8g/m、厚さ:9.1mm)を製造した。
続いて、打ち抜き機を用いて、表1又は表2に示すような直径を有する真円の貫通口のみを、表1又は表2に示すような配置で、等間隔で形成し、表1又は表2に示すような開口率を有する開口不織布、つまり、中入綿を製造した。
Figure 2015045103
#1:図1におけるα
#2:MD:たて方向、CD:よこ方向
Figure 2015045103
#1:図1におけるα
#2:MD:たて方向、CD:よこ方向
#3:貫通口なし
この表1、2から、本発明の中入綿は開口率を5〜30%とし、重さを5〜30%軽量化したにもかかわらず、引張り強さがたて方向、よこ方向のいずれの方向においても6N/100mm幅以上と形態安定性に優れているため、着用時、洗濯時、又はドライクリーニング時に変形しにくいものであった。また、貫通口を形成し、開口率を5〜30%としたにもかかわらず、保温性減少率が20%以下の保温性の優れる中入綿であった。
更に、実施例1と比較例2との比較から、貫通口を千鳥状に配置していることによって、20%モジュラス強度が低いため、人の動きに追従性に優れるものであった。
(実施例6〜7、比較例6〜7)
実施例1〜5と同様にして繊維ウエブを形成した後、バインダー溶液を繊維ウエブへスプレーし、乾燥して、バインダー結合不織布(目付:40g/m、バインダー固形分量:4g/m、厚さ:6.5mm)を製造した。
続いて、打ち抜き機を用いて、表3に示すような直径を有する真円の貫通口のみを、表3に示すような配置で、等間隔で形成し、表3に示すような開口率を有する開口不織布、つまり、中入綿を製造した。
Figure 2015045103
#1:図1におけるα
#2:MD:たて方向、CD:よこ方向
#3:貫通口なし
表3の結果から、本発明の中入綿は開口率を5〜30%とし、重さを5〜30%軽量化したにもかかわらず、引張り強さがたて方向、よこ方向のいずれの方向においても6N/100mm幅以上と形態安定性に優れ、また、20%モジュラス強度が低く、人の動きに追従性に優れるものであり、更に、保温性減少率が20%以下の保温性の優れる中入綿であった。そのため、本発明の中入綿は目付に関係なく、追従性及び保温性に優れていることがわかった。
本発明の中入綿は軽量かつ人の動きに追従しやすいため、本発明の中入綿を使用すれば、例えば、軽くて、動きやすい衣服を製造することができる。
H11:第1列第1番目の貫通口
L1:第1列と平行な直線
H21:第2列第1番目の貫通口
L12:第1列第1番目の貫通口(H11)と第2列第1番目の貫通口(H21)とを結んでできる直線
α:第1列と平行な直線(L1)と、第1列第1番目の貫通口と第2列第1番目の貫通口とを結んでできる直線(L12)とがなす角度

Claims (2)

  1. 片面から他面に貫通する貫通口を複数有する不織布からなり、下記(1)〜(3)の条件を満たすことを特徴とする中入綿。

    (1)不織布の開口率が5〜30%
    (2)不織布の引張り強さが、たて方向、よこ方向のいずれの方向においても6N/100mm幅以上
    (3)貫通口が千鳥状に配置
  2. 不織布の、次の式で定義される20%モジュラス減少率(Md)が20%以上であることを特徴とする、請求項1記載の中入綿。
    Md=[(Mb−Ma)/Mb]×100
    式中、Maは貫通口を有する不織布の20%モジュラス強度、Mbは貫通口を形成する前の不織布の20%モジュラス強度、をそれぞれ意味する
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