JP2019183290A - シート綿 - Google Patents

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Abstract

【課題】軽量で、クッション性に富み、良好な蓄熱保温性を有するシート綿の提供。【解決手段】アンチモンドープ酸化スズ(ATO)被覆酸化物を1〜6重量%含有し、単糸繊度が2.5〜5dtexであり、カット長が30〜60mmであるポリエステル短繊維を含み、且つシート厚が4〜30mm、目付が15〜80g/m2であるシート綿であり、ATO被覆酸化物を含有しない以外は同じシート綿に対し、2〜10℃の蓄熱保温性を有する。【選択図】なし

Description

本発明は、軽量であり、クッション性や蓄熱保温性に優れたシート綿に関する。さらに詳しくは衣料用、寝装具用に好適なシート綿に関する。
近年、コートやジャンバーなどの冬用の衣料品、枕、布団、保温性寝具などの寝装具用では、蓄熱保温性に優れるとともに、軽量でありクッション性の優れたシート綿が求められている。
従来より蓄熱保温性やクッション性、軽量なシート綿は、それぞれ数多く提案されている。例えば、短繊維を中空繊維にする、カーボンブラックを練り込む、比重の小さい短繊維を使用する、繊維の加工方法を工夫する、シートを多層にし、強度、性能を維持させるなどの工夫することにより、シート綿に蓄熱保温性、軽量性、クッション性を持たせる方法がある。
具体的には、特許文献1には、平均粒径が0.5μm以下の金属酸化物系微粒子赤外線吸収剤がポリエステル繊維中に、繊維重量に対して0.1〜2.0重量%練り込まれてなることを特徴とする保温性ポリエステル繊維とすることにより、鮮明性に優れた保温性ポリエステル繊維が得られることが記載されている。
また、特許文献2には、単糸繊度が0.1〜1.5dtexかつ繊維横断面中空率が40〜80%の中空ポリエステル短繊維と、セルロース系短繊維とを含んでなることを特徴とする中綿にすることにより、ソフトな風合い、軽量保温性、吸放湿性に優れた中綿、および該中綿を含む繊維製品を提供できることが記載されている。
特開2006−307383号公報 特開2007−125153号公報
しかしながら、特許文献1に記載の保温性ポリエステル繊維は、蓄熱保温性が十分でなく、短繊維でもよいとの記載はあるが、シート綿への展開については記載されていない。
そして、特許文献2記載の中空ポリエステル繊維を用いた中綿は、人体の放熱はある程度抑制することができるが、低温環境下では、十分な保温性能を発揮することが難しい。また、軽量にするために中空繊維を使用しているが、中空繊維のみを使用して中綿とすると嵩高性不足となり、軽量性と保温性の両立は難しい。
したがって、本発明は、上記の課題を解決し、軽量で、クッション性に富み、良好な蓄熱保温性を有するシート綿を得ることを、その目的とする。
上記目的を達成するため、本発明者は、特定の繊度、カット長を有するATO被覆酸化物を特定量含有したポリエステル短繊維を用いて、シート厚、目付を設定したシート綿とすることにより、軽量でクッション性を維持し、蓄熱保温性のあるポリエステルシート綿を得ることを見出した。
すなわち、本発明は、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)被覆酸化物を1〜6質量%含有し、単糸繊度が2.5〜5dtexであり、カット長が30〜60mmであるポリエステル短繊維を含む、シート厚が4〜30mm、目付が15〜80g/mをその要旨とする。
中でも、上記シート綿は、蓄熱試験において、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)被覆酸化物を含有しない以外は同じシート綿に対し、2〜10℃の蓄熱保温性を有するものであることが好ましい。
本発明によれば、蓄熱保温性、軽量性、クッション性とも優れたシート綿を得ることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)被覆酸化物を含有するポリエステル短繊維(以下、「ATO被覆酸化物含有ポリエステル短繊維」と呼ぶことがある)を含むシート綿である。
まず、本発明におけるATO被覆酸化物含有ポリエステル短繊維について説明する。
ポリエステル短繊維を構成するポリエステルポリマーとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリブチレンナフタレート(PBN)が挙げられる。これらのポリマーは、ホモポリエステルであっても、共重合ポリエステルであってもよい。共重合する場合、共重合成分としては、ポリエチレングリコール、ビスフェノールA、イソフタル酸、5―スルホイソフタル酸などが好適に挙げられる。
尚、汎用性、コスト面、取扱いの点からは、PETが好ましい。
ポリエステル短繊維は、本発明の効果を損なわない範囲であれば一般的に使用される添加剤、滑剤、艶消し剤、酸化防止剤、蛍光増白剤、制電剤、耐光剤などが含まれていてもよい。
ポリエステル短繊維は、艶消し剤として用いられる酸化チタンを含有することが好ましい。これにより、繊維やシート綿の白度を向上したり、蓄熱性の低下を抑えるなど、シート綿の保温性にもよいものとなる。酸化チタンの種類としては、アナタース型やルチル型のものが挙げられるが、コストなどの面から、アナタース型が好ましい。酸化チタンの粒子径は、紡糸操業性の観点から、0.2〜0.5μmが好ましく、繊維に対する含有濃度は、0.035〜10質量%が好ましく、より好ましくは0.035〜6質量%である。
本発明におけるATO被覆酸化物は、アンチモンをドーピングした酸化スズ(ATO)を、無機粒子に被覆したものである。
好適なATOとしては、衣料品、寝装品等に用いる場合は、染色性の点、白度が優れている点から、酸化アンチモンをドーピングした酸化第二錫が挙げられる。
被覆する無機粒子としては、酸化チタンや酸化亜鉛等の赤外線反射粒子が好適に挙げられる。中でも、粒子の白度や使用の簡便さ、コストの点から酸化チタンが好適である。
特に好適な(ATO)被覆酸化物としては、衣料品、寝装品等に用いる場合は、染色性の点、白度が優れている点から、酸化アンチモンをドーピングした酸化第二錫を被覆した酸化チタンが挙げられる。
ATO被覆酸化物の平均粒子径は、0.25〜1.5μmが好ましく、より好ましくは0.3〜0.5μmである。この範囲であると、赤外線を熱エネルギーに変換し、熱として蓄積し、蓄熱効果を発揮し易いものとなる。
ATO被覆酸化物の含有量は、1〜6質量%である。この範囲であると、蓄熱保温性が良好であり、紡糸操業性および繊維品質は十分なものとなる。1質量%未満では、蓄熱保温性が弱く、シート綿の保温効果は低いものとなる。また6質量%以上では、紡糸の際の操業性が悪いうえ、シート綿の品位も不良となる。中でも、1〜3.5質量%であることが好ましい。
ポリエステル短繊維の単糸繊度は、2.5〜5dtexである。2.5dtex未満の場合、低い目付のシート綿では、シート綿の構造を保てず、良好なクッション性を得られない。5dtexを超える場合は、シート綿にクッション性がなくなり、風合が硬いものとなり、衣料の側地に用いた場合などは特に着心地が悪いものとなる。中でも、2.8〜4dtexであることが好ましい。
ポリエステル短繊維の繊維横断面は、特に限定するものでなく、例えば、繊維外形は丸断面、三角断面などの多角形等の異型断面が挙げられる。また、サイドバイサイドに複合したものや、中空としたものでもよい。
また、分割型複合繊維を分割割繊したものや、海部と島部からなる海島型複合繊維を少なくとも一部の海部を溶解したものとしてもよい。
ポリエステル短繊維のカット長は、30〜60mmである。カット長が30mm未満の場合、低い目付の場合にシート綿の構造を保つことができず、シート綿の品位に劣るものとなる。また、60mmを超える場合、クッション性が不良で、風合いも硬くなり、短繊維の取扱性が低下するおそれがある。中でも、45〜55mmであることが好ましい。
ポリエステル短繊維は、捲縮が付与されているものが好ましい。捲縮があることによって、良好な嵩高性、クッション性や形状保持性を付与できる点から、捲縮数は5〜50個/2.54cmが好ましく、より好ましくは、10〜30個/2.54cmである。
この範囲であれば、短繊維間が適度に絡合したものとなり、シート綿の品位は良好となり、また嵩高性、保温性も良好なものとなる。
次に、本発明のシート綿について説明する。
本発明のシート綿は、上記のATO被覆酸化物含有ポリエステル短繊維を含む。
本発明のシート綿は、ATO被覆酸化物含有ポリエステル短繊維のみを用いてもよいし、他の短繊維を混綿してもよい。
本発明のシート綿は、蓄熱保温性を良好にする点から、シート綿に対する、ATO被覆酸化物含有ポリエステル短繊維の混合比率(質量比)は30質量%を超えることが好ましい。コスト面やシート綿の白度及び蓄熱保温性の観点から、より好ましくは、35〜75質量%である。
本発明のシート綿は、ATO被覆酸化物含有ポリエステル短繊維以外のものと混綿する場合、同じ種類のポリエステルの短繊維を混綿することが好ましい。
この場合、混綿する短繊維の単糸繊度は、2.5〜5dtexであることが好ましく、カット長は30〜60mmであることが好ましく、捲縮数が5〜50個/2.54cmであることが好ましい。
本発明のシート綿のシート厚は4〜30mmである。シート厚が4mm未満では、クッション性が小さくなるうえ、蓄熱した熱が放冷し、十分な保温効果が得られない。また、30mmを超える場合、好適な目付の範囲とすることが難しく、軽量性が保てず、また中綿としての取り扱いに問題が生じたり、必要以上に蓄熱することにより、衣服の中綿として用いた場合、暑さで不快となったり、着心地が低下するおそれがある。
本発明のシート綿は、目付が15〜80g/mである。中綿に用いるのに良好なクッション性を得るためには、15g/m以上が好ましく、良好な蓄熱保温性、着用時の快適性及び軽量性の点を保つ点からは、80g/m以下であることが好ましい。
この範囲の目付であると、軽量のコートやジャンバーなどにおいて、快適な蓄熱性、軽量性が保たれ、着心地が良好となる。
本発明のシート綿は、本発明の効果を損なわない範囲で、撥水加工、抗菌加工、難燃加工、防カビ加工など、公知の機械加工が施されたものであってもよい。
本発明のシート綿は、衣料に用いる際に良好な蓄熱保温性を保つ点から、後述する蓄熱保温性が2〜10℃であることが好ましい。この範囲であれば、保温性に優れ、衣料に用いた際にも蒸れが生じにくく、着心地よく、快適性に優れる。より好ましくは2.5〜7℃である。
このような本発明のシート綿は、衣料品への詰め物として使用した場合、着用時や洗濯時などの際に、寄りや凝集などによる製品ダメージが少なく、長期間の着用や着用回数を多くできる。また、クッション性に優れているため、良好な着心地を長期間持続できる。
次に、本発明のシート綿の製造方法の例を示す。
まず、本発明におけるATO被覆酸化物含有ポリエステル短繊維を得る。このポリエステル短繊維の製造方法は、特に限定するものではなく、公知の方法で製造できる。例えば、ATO被覆酸化物含有ポリエステルポリマーを溶融紡糸して得られた33〜1,500dtexのフィラメントを集束し、10,000〜2,000,000dtex程度に引き揃え、捲縮を付与して、所望のカット長に切断して、ポリエステル短繊維を得ることができる。なお、コスト面や簡便性の点からは、一度に500〜5,000dtex程度の未延伸糸を引き取り、さらにその束を10,000〜2,000,000dtexに集束し、延伸後、熱セット、機械捲縮し、所望のカット長に切断して、ATO被覆酸化物含有ポリエステル短繊維を得ることが好ましい。
次いで、ATO被覆酸化物含有ポリエステル短繊維と必要に応じて、他の繊維を混合する。混合は、短繊維の混合比を正確にするためにカード工程で混綿を行い、バインダー成分で形態を保持すると、均一なウェブで、蓄熱保温性の斑の無いシート綿を得ることができる。アクリル系あるいはポリウレタン系などの樹脂バインダーを使用し、シートの両面をスプレー加工することが好ましい。また、低融点成分を含む熱接着性複合短繊維を混合してもよい。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。なお、本発明は以下に述べる実施例に限定されるものではない。なお、実施例及び比較例中の測定方法は以下の通りである。
A.目付、厚さ
JIS L 1913に記載の方法により測定した。
B.蓄熱保温性
発泡スチロール上に置いた、2枚重ねの試料の間に熱電対を挿入し、下記条件でレフランプを15分間照射した後、速やかにランプを切って、15分間放冷した時の温度を継時的に測定する。位置を入れ替えて3回測定し、そのデータの最大蓄熱温度を平均した値を蓄熱温度とする。
試料として、比較サンプルと基準サンプルを上記方法で測定して試験結果を求め、後述の式で求める値を蓄熱保温性とする。
尚、実施例及び比較例で得られたATO被覆酸化物を含有するシート綿を比較サンプルとし、ATO被覆酸化物を含有していない以外は同じシート綿を基準サンプルとして使用した。
条件)ランプ:岩崎電気(株)製アイランプ(スポット)PRS100V500W
照射距離:50cm
照射面:表面
照射時間、放冷時間:共に15分間
試験室温度:20±2℃
以下の式により、蓄熱保温性を算出した。
[数1]
蓄熱保温性(℃)=(比較サンプルの蓄熱温度)−(基準サンプルの蓄熱温度)
C.短繊維化操業性
紡糸及び延伸操業性は、工程の通過性が良好であれば○、工程通過性が若干悪いものを△、製糸不可であれば×とした。
D.シート化操業性
カード工程からシート綿が完成するまでの工程の操業性は、工程の通過性が良好であれば○、製糸不可や、ウェブが不均一などの不具合があれば×とした。
E.クッション性評価
モニター5名に、20cm×20cmのシート綿に1分間、手で押さえた時のクッション性を評価させた。モニター5名の評価結果を総合して、クッション性が優れるものを「○」、クッション性がやや劣るものを「△」、クッション性が劣るものを「×」と評価した。
〔実施例1〕
アナタース型の粒子径0.25μmが0.4質量%含有したポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂(極限粘度IV:0.670dl/g)に平均粒子径0.6μmの30質量%ATO被覆酸化チタンを含有したPETマスターバッチをドライブレンドし、所定濃度に希釈し、紡糸口金から、紡糸温度285℃、吐出量3.4kg/分で押出し、紡糸速度900m/分で引取って、未延伸糸を得た。得られた未延伸糸を集束し、1,500,000dtexのトウにして、100℃の熱水バスで延伸した後、熱セットした。次いで押し込み式クリンパーの圧縮工程で、捲縮を付与させ、乾燥機で熱セットし、油剤を付与して、カット長51mmに切断し、ATO被覆酸化チタンが1.1質量%のPET短繊維を得た(単糸繊度3.5dtex、カット長51mm、捲縮数19個/2.54cm)。
次いで、得られたPET短繊維を50質量%、レギュラーPET短繊維(単糸繊度3.5dtex、カット長51mm、捲縮数20個/2.54cm)を50質量%の割合で、混綿、開繊し、常法のカードによりウェブ化し、ウェブを積層することにより積層ウェブを得た。得られた積層ウェブにアクリル系バインダー樹脂を両面にスプレー加工して含浸させた後、熱セットを行い、シート厚5mm、目付40g/mのシート綿を得た。
〔実施例2〜13、比較例1〜11〕
ATO被覆酸化物含有PET短繊維のATO被覆酸化物含有量,単糸繊度,カット長,捲縮数、シート綿のATO被覆酸化物含有PET短繊維の混合比率,シート厚,目付を表1とした以外は、実施例1と同様にシート綿を得た。
実施例及び比較例から得られたATO酸化チタン含有PET短繊維及びシート綿の物性、操業性、クッション性などの結果を表1に示す。
Figure 2019183290
実施例1〜13から得られたシート綿は、軽量で、蓄熱保温性に優れ、クッション性も良好なものであった。なお、蓄熱保温性が2.5〜7℃の実施例1、2、4〜12のものは、実施例3、13のものと比べて、衣服の側地の中綿に用いた際に、蒸れずに保温性が良好で快適なものであり、着心地がよいものであった。これらのシート綿は、気温が0℃以下の低温環境下においても、クッション性および蓄熱保温性は良好であった。
比較例1〜2、実施例1〜3、比較例3は、ATO被覆酸化チタン含有PET短繊維のATO被覆酸化チタンの含有量の違いによる評価を示す。
比較例1、2から得られたシート綿は、含有しないか含有量が少なく、良好な蓄熱保温性が得られなかった。
比較例3から得られたシート綿は、含有量が多過ぎ、紡糸時点での糸切れ発生などによる紡糸操業性は不良であり、繊維の品質が悪く、シート綿の品質も不良であった。また衣服の側地の中綿に用いた際、蒸れが生じ、着心地に劣っていた。
比較例4、実施例4、1、5、比較例5は、ATO被覆酸化チタン含有PET短繊維の単糸繊度の違いによる評価を示す。
単糸繊度の小さい比較例4から得られたシート綿は、シートの剛性が下がり、クッション性が小さくなり過ぎてしまい、シート綿として取扱い難いものであった。
単糸繊度が大きい比較例5から得られたシート綿は、シートの剛性が上がり、クッション性が高くなり過ぎたものであった。また、シート綿として、品質が低く、硬い風合いを有し、取扱い難いものであった。
比較例6、実施例6、1、比較例7は、ATO被覆酸化チタン含有PET短繊維のカット長の違いによる評価を示す。
短繊維のカット長が短い比較例6から得られたシート綿は、低目付のものの場合、ウェブ形成が不十分となり、均一なシート綿が得られず品位の劣ったものとなった。
短繊維のカット長が長い比較例7から得られたシート綿もウェブ形成が不十分となり、均一なシート綿が得られず品位の劣ったものとなり、クッション性が不良で風合いは硬く、取扱い性にも劣るものであった。
実施例1、7〜13、比較例8〜11は、シート綿における、ATO被覆酸化チタン含有PET短繊維の混合比率、目付、シート厚の違いによる評価を示す。
シート厚が薄い比較例8から得られたシート綿は、蓄熱した熱が放冷してしまい、蓄熱保温性の低く、またクッション性が乏しいものであった。
シート厚が厚い比較例9から得られたシート綿は、取扱性が低いものであり、蓄熱保温性が高過ぎ、衣服の側地の中綿として用いた際に衣服内に蒸れが生じ、着心地が劣ったものであった。
比較例10から得られたシート綿は、目付が低過ぎ、ウェブ形成がかなり不均一で、クッション性も殆どない、品位の低いものとなった。また、蓄熱した熱も、かなり密度が低いため、放冷しやすく、蓄熱保温性の低かったシート綿であった。
比較例11から得られたシート綿は、目付が高く、蓄熱保温性が高くなり過ぎたため、衣服の側地の中綿に用いた際、衣服服内に蒸れが発生し、着心地が悪いものとなった。またクッション性も悪いものとなった。
実施例1,4,6のシート綿を、コートの中綿として側地に用いたところ、このシート綿は取扱い易く、得られたコートは、軽量で、蒸れず、適度に保温性を有し快適性に優れ、着心地のよいものであった。同様に、比較例1〜12のシート綿を用いて、コートとした。比較例1から得られたコートは、保温性に劣ったものであった。また、比較例2〜7のシート綿は取扱い性が不良であり、またコートの着用時、快適性に劣っていた。比較例8から得られたコートは、保温性が無く、着心地が悪いものであった。比較例10から得られたコートは、保温性に劣ったものであった。比較例9、11から得られたコートは、蒸れて、快適性に劣ったものであった。このように比較例品のコートは、実施例品と比べて、着心地の劣ったものとなった。また、気温が0℃以下の低温環境下でも、実施例品のコートは、蒸れることなく適度に保温性の優れたものになり、着心地のよいものであった。
軽量でクッション性があり、優れた蓄熱保温性を有し、長期間持続して使用できる点から、冬用のコートやジャンバーなどの衣料品の詰綿などに、利用が期待できる上に、優れた蓄熱保温性を保有している点から枕、布団、保温性寝具などの寝装用途やカーペットなどにも利用が期待できる。

Claims (2)

  1. アンチモンドープ酸化スズ(ATO)被覆酸化物を1〜6質量%含有し、単糸繊度が2.5〜5dtexであり、カット長が30〜60mmであるポリエステル短繊維を含む、シート厚が4〜30mm、目付が15〜80g/mであるシート綿。
  2. 蓄熱試験において、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)被覆酸化物を含有しない以外は同じシート綿に対し、2〜10℃の蓄熱保温性を有する請求項1記載のシート綿。
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