JP6652855B2 - 連続繊維不織布およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリエステルにより構成される連続繊維不織布に関し、特に所望の形状に熱成型可能な連続繊維不織布に関する。
ポリエステルからなる連続繊維不織布は、強度が高く、また、耐久性に優れるため、各種分野に用いられている。そのなかでも、他の素材と複合する、あるいは不織布単独で、所定の形状に成型してなる成型物は、連続繊維不織布の特性を活かした成型物が得られる。成型するにあたっては、成型金型に応じた所定の形状への追従性、熱成型時の寸法安定性、成型後の形態保持性等の総合した熱成型性が求められる。
熱成型性を有する不織布の構成ポリマーであるポリエステルとしては、芳香族ポリエステルのみを使用するのではなく、芳香族ポリエステルと低融点の共重合ポリエステルと併用することが提案されている。例えば、特許文献1では、成型に用いる長繊維不織布を構成する連続繊維は、芳香族ポリエステルと芳香族共重合ポリエステルとを組み合せて用いる。具体的な組合せ方としては、2つポリエステルを複合紡糸して芯鞘複合繊維やサイドバイサイド繊維とする方法、2つポリエステルをブレンドしてブレンド紡糸してブレンド繊維とする方法、低融点熱接着繊維と高融点繊維とを混繊する方法を挙げている。
また、特許文献2では、芳香族ポリエステルと低融点の芳香族共重合ポリエステルとを混合または共重合した樹脂組成物の連続繊維からなる不織布を採用することにより、低モジュラスで高伸張性に優れるものが得られることを提案している。
特開2007−62084号公報 特許請求の範囲、段落番号0015 特許第4120883号公報 特許請求の範囲
しかしながら、特許文献1、2に開示された芳香族ポリエステルと低融点の芳香族共重合ポリエステルとによって構成される不織布は、エンボス点で熱圧着される際に、低融点の芳香族共重合ポリエステルが熱接着成分として機能するため、繊維同士の接着性が上がり、不織布強度は向上する傾向となるが、低融点成分を含むため、耐熱性に劣る。すなわち、熱成型の際に、高温に加熱するため寸法安定性を要するが、低融点成分を含むと、高温下での加熱処理によって熱収縮が大きくなり、安定した熱成型加工を施しにくいという問題がある。
本発明は、成型金型に応じた所定の形状への良好な追従性、熱成型時の寸法安定性、成型後の形態保持性等の総合した熱成型性が向上し、より耐熱性に優れた連続繊維不織布を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、芯鞘型複合繊維によって構成される連続繊維不織布であり、
芯鞘型複合繊維において、芯部および鞘部を構成するポリマーが両者共に芳香族ポリエステルポリマー(A)であり、
芯部を構成するポリマーである芳香族ポリエステルポリマー(A)は、結晶核剤を含有し、
鞘部を構成するポリマーである芳香族ポリエステルポリマー(A)は、結晶核剤を含有せず、
不織布は、部分的に熱圧着された熱圧着部を有することにより、連続繊維同士が一体化していることを特徴とする連続繊維不織布を要旨とする。
以下、本発明について、詳細に説明する。
本発明の連続繊維不織布は、芯鞘型複合繊維によって構成され、芯部および鞘部を構成するポリマーが両者ともに芳香族ポリエステルポリマー(A)である。
芳香族ポリエステルポリマー(A)(なお、以下、芳香族ポリエステルポリマー(A)を「芳香族ポリエスエル(A)」と略記することもある。)は、コポリマーではなくホモポリマーであることから、結晶性が高く、DSC融解吸熱曲線を描いた際に、明確な融点ピーク(結晶融点)を示す。本発明において用いられる芳香族ポリエステル(A)としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート等が挙げられ、耐熱性の観点から、結晶融点は240〜270℃であることが好ましく、ポリエチレンテレフタレートを好ましく用いる。このような結晶性が高い芳香族ポリエステル(A)を芯部と鞘部を構成するポリマーの両者に用いることから、本発明の連続繊維不織布は耐熱性に優れる。また、第三成分が共重合してなるコポリマーではなく、エチレンテレフタレートなどの単一モノマー成分の繰り返し単位からなるポリエチレンテレフタレートなどのホモポリマーを用いることにより、構成繊維および不織布の強度や伸度等の機械的物性が向上する。また、コスト的にも有利である。
本発明における連続繊維は、芯部と鞘部に同じ芳香族ポリエステル(A)を配するが、芯部と鞘部において結晶化の状態が異なっている。芯部に配する芳香族ポリエステル(A)は結晶核剤を含み、鞘部に配する芳香族ポリエステル(B)は結晶核剤を含まない。芯部には結晶核剤を含有させ、鞘部には結晶核剤を含有させないことにより、溶融紡糸後に高速で引き取る際に、芯部および鞘部に配された芳香族ポリエステル(A)において分子配向して結晶化するが、このとき、芯部には結晶核剤を含有しているため、鞘部よりも結晶化が進み、その一方、鞘部は結晶核剤を含有しないため、芯部よりも結晶化しにくい。芯部と鞘部には、同じ芳香族ポリエステル(A)を配しているが、結晶核剤の有無により、結晶しやすさに差を設け、そのようなポリマーを複合して、溶融紡糸後に高速で引き取った際に、芯部は配向結晶化が促進し、鞘部は配向結晶化が抑制されるのである。結晶化が促進した芯部を有することにより、連続繊維の強度は向上し、また、不織布強度も向上する。一方、結晶化が抑制された鞘部を有することにより、鞘部は、不織布化のための熱接着成分として良好に機能する。すなわち、結晶化が抑制された鞘部は、融点よりも低い温度で良好に軟化するので、熱接着性に優れる。融点よりも低い温度で熱接着処理を施すことができるため、熱接着処理の際の設定温度を融点以下の低い温度に設定することができ、そのような低い温度であっても、良好に軟化して熱接着成分として機能し、繊維同士を良好に接合する。また、融点よりも低い温度で熱接着していることから、引っ張りに対して伸張しやすく破壊や破断が生じにくいことから、熱成型時の追従性が良好となる。さらには、熱圧着された箇所(部分熱圧着部)において、融点以下の低い温度で熱処理が施されていることにより、芯部への熱の影響がなく、熱圧着部においても芯部は良好に強度を維持する。熱接着処理については後述するが、熱処理時の設定温度は、芳香族ポリエステル(A)の融点よりも90〜60℃低い温度とし、このような融点より低い温度で良好に熱接着されて実用的な強度を発揮することができる。なお、芯部と鞘部は両者ともに同じ芳香族ポリエステルが配されるが、ポリマー構成成分が同じものであれば、粘度については、本発明の目的が達成される範囲であれば、同じものであっても、異なるものであってもよい。なお、鞘部が接着剤として機能することを考慮すれば、粘度は、同等もしくは、鞘部の粘度が低いもの(流動しやすいもの)を用いることが好ましい。
芯部の芳香族ポリエステル(A)に含まれる結晶核剤は、結晶化を促進するためのものであり、例えば、タルク、炭酸カルシウム等の不活性微粒子を好適に使用できる。結晶核剤の含有量は芯部の成分に対して、0.1〜2質量%の範囲が好適である。含有量が0.1質量%よりも少ないと、芯部において十分な結晶化の促進効果が得られず、一方、含有量が2質量%を超えると、製糸性に劣る傾向となり、ひどい場合は糸切れが多発する。なお、結晶核剤として用いる不活性微粒子の平均粒子径(D50、レーザー回析法により測定された値)は、製糸性や、ポリマーへの分散性を考慮すると、0.1〜3.0μmであることが好ましい。
なお、本発明の芯部あるいは鞘部を構成するポリマー中に、得られる繊維の艶消し剤として、酸化チタンが少量含まれていてもよい。酸化チタンは不活性微粒子であるが、芳香族ポリエステルに対して結晶核剤としては機能しくいため、本発明においては、酸化チタンは結晶核剤とはいわない。また、芯部あるいは鞘部を構成するポリマー中に、本発明の目的を阻害しない範囲で、顔料、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐候剤、難燃剤、抗菌等の添加物を添加してもよい。
複合繊維における芯部と鞘部の複合比(質量比)は、芯部/鞘部=90/10〜50/50が好ましい。芯部の質量を少なくとも50質量%以上とすることにより、結晶性が高く、機械的強度に優れる繊維および不織布を得ることができ、一方、芯部の質量を多くとも90質量%以下とすることにより、繊維同士の接着剤として鞘部を良好に機能させることができ、不織布として良好に形態保持できる。
複合繊維の単繊維繊度は、不織布の用途に応じて適宜選択すればよく、特に限定しないが、一般に0.5〜12デシテックス程度がよい。
本発明の不織布は、上記した芯鞘型複合繊維が集積されてなり、部分的に熱圧着された熱圧着部と熱圧着されていない部分(非熱圧着部)とを有し、熱圧着部を有することにより、繊維同士が一体化している。
このように部分的に熱圧着された熱圧着部を有する不織布は、その不織布の機械的強力は、構成繊維の強力と熱圧着部における接着強力に依存する。ここで、部分熱圧着部において構成繊維が融点付近の加熱により溶融固着していると、部分熱圧着部が溶融樹脂化したフィルム状物となり、熱成型時の伸張に追従できずに、伸びることができず部分熱圧着部において破断が発生しやすくなる。したがって、部分熱圧着部が溶融樹脂化すると、その熱圧着部が強固に接着しているために、伸びに対する応力が非常に高くなり、応力が熱圧着部に集中して、結局、その箇所で破断してしまい、所望の形状に追従する成型品を得にくい。本発明では、熱圧着部においても、鞘部が融点よりも60〜90℃低い温度での熱処理によってポリマーが軟化することにより繊維同士が接着し、芯部のポリマーは配向結晶化が促進した状態で繊維形態を維持していることから、熱圧着部にて溶融固化したフィルム状になりにくく、熱圧着部における繊維自体の強度が低下しにくい。したがって、熱成型後の伸張時の応力は小さいので小さい力で伸びやすく、伸度も向上し、また、破断しにくいことから、所望の形状に良好に追従する。また、芯部と鞘部がいずれも芳香族ポリエステル(A)によって構成されるため、コポリマーからなるものと比較して、強度や伸度等の機械的物性に優れるうえに、耐熱性に優れることから、熱成型時に付与される高温の加熱によっても熱収縮しにくく、取扱い性が良好で、熱成型時の寸法安定性、成型後の形態保持性が良好となる。
本発明の連続繊維不織布の目付は、用途に応じて適宜選択すればよいが、一般に、10〜200g/m程度がよい。目付が10g/m未満であると、地合および機械的強力に劣る場合があり、実用的ではない。一方、目付が200g/mを超えるとコスト面で不利である場合がある。熱成型性を考慮すると、10〜80g/mがよい。
次に、本発明の不織布の好ましい製造方法について説明する。
本発明の不織布は、スパンボンド法によって効率よく製造することができる。まず、上述した芳香族ポリエステル(A)を準備し、芯部を構成するポリマーには、所定量の結晶核剤を含有させる。そして、個別に溶融計量し、芯鞘型複合紡糸口金を用いて、結晶核剤を含むポリマーは芯部を構成するノズル孔に、結晶核剤を含まないポリマーは鞘部を構成するノズル孔に、それぞれ供給し溶融紡糸する。紡糸口金より紡出した紡出糸条は、従来公知の横吹き付けや環状吹き付け等の冷却装置を用いて冷却した後、吸引装置を用いて牽引細化して引き取る。
牽引細化の際の牽引速度は、3500〜4500m/分に設定する。牽引速度が3500m/分未満であると、糸条においては、十分に分子配向が促進されず、得られる不織布の寸法安定性が劣る傾向となる。一方、牽引速度が4500m/分を超えると、糸条への大きな応力がかかり鞘部のポリマーにおいても結晶化が進むことから、本発明が目的とする不織布が得にくい。
牽引細化した芯鞘型複合繊維は、公知の開繊器具にて開繊された後、スクリーンコンベアなどの移動式捕集面上に開繊堆積させて、不織ウェブを形成する。その後、この不織ウェブに、熱エンボス装置などの熱圧着装置を用いて部分的に加熱圧着することにより、構成繊維同士を一体化して本発明の不織布を得る。
部分的に加熱加圧する際の熱処理温度(熱エンボス装置のロール設定温度)が、芳香族ポリエステル(A)の融点よりも90〜60℃低い温度に設定するとよい。本発明における芯鞘型複合繊維は、上記したように、芯部と鞘部に同じ芳香族ポリエステル(A)を配するが、芯部と鞘部において結晶化の状態が異なっている。すなわち、結晶核剤の有無により、結晶配向化のしやすさに差があり、そのようなポリマーを複合して溶融紡糸後に高速で引き取ると、芯部は配向結晶化が促進するが、鞘部は配向結晶化が抑制されているため、融点よりも90〜60℃も低い温度で鞘部は良好に軟化し繊維同士を接着することから実用的な強度を有する不織布が得られる。熱処理温度が、融点よりも90℃低い温度よりさらに低い温度に設定すると、鞘部が軟化しにくくなり接着強力が劣る傾向となる。一方、融点よりも60℃低い温度より高い温度に設定すると、熱圧着部が溶融固化して樹脂化しやすくなり、成型にあたっての所望の追従性が得られにくくなる。
本発明の不織布は、上記した構成を採用したことから、実用的な強度を有しながら、熱成型性に優れ、また、耐熱性にも優れる。所望の形状に熱成型する用途、例えば、各種容器やトレー、フィルター、自動車内装材等において、不織布単独または他の素材と複合して良好に用いることができる。
以下、本発明を、実施例によりさらに具体的に説明する。本発明は、これらの実施例により限定されるものではない。
なお、実施例、比較例にて得られた不織布の各特性値の評価方法は、以下の通りである。
(1)融点(℃)
示差熱走査型熱量計(パーキンエルマ社製、DSC−2型)を用い、試料質量を5mg、昇温速度を10℃/分で測定し、得られた融解吸熱曲線の最大値を与える温度を融点(℃)とした。
(2)目付(g/m
た不織布から、10cm×10cmの試料片を裁断し、これを10点作製した。標準状態(20℃、65%RH)において各試料片を秤量し、この秤量の平均値を算出した。この平均値を単位面積当たりの質量に換算し、不織布の目付け(g/m)とした。
(3)繊度(dtex)
部分熱圧着前における堆積されたウェブの状態から、構成繊維をランダムに50本抜き出し、これらの繊維径を顕微鏡にて測定した。この測定値を密度補正して、各々の繊維の繊度を算出し、さらに平均値を求め、繊度とした。
(4)5%強力(N/5cm)
下(5)と同条件で測定した際の、5%伸長時の応力を5%強力とした。
(5)引張強力(N/5cm)
試料長20cm、試料幅5cmの試料片を10点作製し、各試料片について、定速伸張型引張試験機(オリエンテック社製、「テンシロンUTM−4−1−100」)を用い、つかみ間隔10cm、引張速度20cm/分で伸張した際の、切断時の破断荷重(N/5cm)を測定した。そして、破断荷重の平均値を引張強力とした。測定は、機械方向(MD)および機械方向と直交する方向(CD)において測定した。
(6)破断伸度(%)
上記(5)における評価前の試料片長さをLとし、切断時の試料片長さをLとして、下記式によって算出した。
(破断伸度)(%)={(L−L)/L}×100
(7)高温下における5%強力(N/5cm)、引張強力(N/5cm)、破断伸度(%)
180℃に設定された高温雰囲気下(恒温状態)において、上記(4)、(5)、(6)の方法により、高温下における5%強力(N/5cm)、引張強力(N/5cm)、破断伸度(%)を測定した。なお、測定にあたっては、試料を高温雰囲気下(180℃)にある引張試験機に設置し、そのまま5分間放置した後に、測定した。
(8)引裂強力(N)
JIS L 1913 ペンジュラム法に基づき測定した。なお、測定の方向は、引裂強力が低くなる機械方向(MD)のみ測定した。
(9)乾熱収縮率(%)
15cm×15cmの試料片を5点準備した。各々の試料片を、温度180℃で5分間放置し、収縮率を下式により算出した。算出された値の平均値を、乾熱収縮率とした。
(乾熱収縮率)(%)=[(15−Lx)/15]×100
なお、上記式において、Lxは、5分間放置した後の試料の長さを示す。
実施例1
芳香族ポリエステル(A)として、融点258℃、固有粘度0.70のポリエチレンテレフタレートを使用した。この芳香族ポリエステル(A)を鞘/芯=30/70(質量比)となるように個別に計量した後、個別のエクトル−ダー型押出機を用いて溶融し、芯鞘形複合断面となるように溶融紡糸した。その際、芯部にのみタルク(平均粒子径:1.0μm)を0.5質量%の割合で配合させた。さらに、芯部と鞘部のそれぞれに、艶消し剤として酸化チタンを0.4質量%の割合で配合させた。
紡出糸条を公知の冷却装置にて冷却した後、引き続いて紡糸口金の下方に設けたエアーサッカーにて牽引速度4000m/分で牽引細化し、公知の開繊器具を用いて開繊した。さらに、移動するスクリーンコンベア上にウェブとして捕集堆積させた。なお、堆積させた複合繊維の単糸繊度は3.0デシテックスであった。
次いで、このウェブを、エンボスロールと表面平滑な金属ロールとからなる熱エンボス装置に通して熱処理を施し、目付が20g/mであるポリエステル系連続繊維不織布を得た。熱エンボス条件としては、両ロールの表面温度を170℃とした。エンボスロールとして、個々の面積が0.6mmの六角形の彫刻模様で、圧接点密度が20点/cm、圧接面積率が15%のものを用いた。
実施例2、3
実施例1と同様の条件で、目付が25g/m、30g/mのポリエステル系連続繊維不織布を得た。
比較例1
実施例1にて用いたポリエチレンテレフタレートを用いて、単相で円形断面となるように溶融紡糸した。なお、ポリエチレンテレフタレートには、艶消し剤として酸化チタンを0.4質量%の割合で配合した。
紡出糸条を公知の冷却装置にて冷却した後、引き続いて紡糸口金の下方に設けたエアーサッカーにて牽引速度5000m/分で牽引細化し、公知の開繊器具を用いて開繊した。さらに、移動するスクリーンコンベア上にウェブとして捕集堆積させた。なお、堆積させた繊維の単糸繊度は2.4デシテックスであった。
次いで、このウェブを、エンボスロールと表面平滑な金属ロールとからなる熱エンボス装置に通して熱処理を施し、目付が20g/mであるポリエステル系連続繊維不織布を得た。熱エンボス条件としては、両ロールの表面温度を230℃とした。エンボスロールとして、個々の面積が0.6mmの六角形の彫刻模様で、圧接点密度が20点/cm、圧接面積率が15%のものを用いた。
比較例2、3
比較例1と同様の条件で、目付が25g/m、30g/mのポリエステル系連続繊維不織布を得た。
比較例4
比較例1において、牽引速度を4000m/分としたこと、熱エンボス条件として、両ロールの表面温度を170℃としたこと以外は、比較例1とどうようにしてポリエステル系連続繊維不織布を得た。なお、捕集堆積させた不織ウェブの繊維の単糸繊度は3.0デシテックスであった。
比較例5、6
比較例4と同様の条件で、目付が25g/m、30g/mのポリエステル系連続繊維不織布を得た。
比較例7
芳香族ポリエステルとして、実施例1で用いたポリエチレンテレフタレートを準備した。また、低融点の芳香族共重合ポリエステルとして、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸(TPA)92mol%及びイソフタル酸(IPA)8mol%、ジオール成分としてエチレングリコール(EG)100mol%とが共重合してなる低融点ポリエステル(固有粘度0.79、融点230℃)を準備した。それぞれを個別計量し、個別のエクトル−ダー型押出機を用いて溶融し、円形断面で、ポリエチレンテレフタレート繊維と低融点ポリエステル繊維とが混繊状態になるように溶融紡糸した。なお、溶融紡糸の際に、ポリエチレンテレフタレートおよび低融点ポリエステルには、艶消し剤として酸化チタンを0.4質量%の割合でそれぞれ配合した。
紡出糸条を公知の冷却装置にて冷却した後、引き続いて紡糸口金の下方に設けたエアーサッカーにて牽引速度5000m/分で牽引細化し、公知の開繊器具を用いて開繊した。さらに、移動するスクリーンコンベア上にウェブとして捕集堆積させた。なお、堆積させた複合長繊維の単繊維繊度はポリエチレンテレフタレート繊維が3.4デシテックス、低融点ポリエステル繊維が2.4デシテックスであった。
次いで、このウェブを、エンボスロールと表面平滑な金属ロールとからなる熱エンボス装置に通して熱処理を施し、目付が20g/mであるポリエステル系長繊維不織布を得た。熱エンボス条件としては、両ロールの表面温度を170℃とした。エンボスロールとして、個々の面積が0.6mmの六角形の彫刻模様で、圧接点密度が20点/cm、圧接面積率が15%のものを用いた。
比較例8、9
比較例7と同様の条件で、目付が25g/m、30g/mのポリエステル系連続繊維不織布を得た。
得られた実施例および比較例の評価結果を表1に示す。
表1から明らかなように、本発明の不織布である実施例1〜3は、比較例のものと比べて、5%強力が小さく、伸度が高い。すなわち、引っ張りに対する応力が小さく、伸びが大きいので、成型の際に容易に所望の成型金型に追従することができるのである。この効果は、特に高温雰囲気下において顕著になる。したがって、成型の際に熱成型において、特に良好な成型性を発揮する。また、本発明の不織布は、乾熱収縮率が小さく、高温下での寸法安定性や形態保持性が良好で耐熱性に優れることが分かる。さらには、引裂強力が、比較例に比べて優れるため、成型の際の伸びの力が加わった際に破れが発生しにくい。

Claims (7)

  1. 芯鞘型複合繊維によって構成される連続繊維不織布であり、
    芯鞘型複合繊維において、芯部および鞘部を構成するポリマーが両者共に芳香族ポリエステルポリマー(A)であり、
    芯部を構成するポリマーである芳香族ポリエステルポリマー(A)は、結晶核剤を含有し、
    鞘部を構成するポリマーである芳香族ポリエステルポリマー(A)は、結晶核剤を含有せず、
    不織布は、部分的に熱圧着された熱圧着部を有することにより、連続繊維同士が一体化していることを特徴とする連続繊維不織布。
  2. 芳香族ポリエステルポリマー(A)の結晶融点が、240〜270℃であることを特徴とする請求項1記載の連続繊維不織布。
  3. 芯部を構成するポリマーに含まれる結晶核剤の含有量が0.1〜2質量%であることを特徴とする請求項1または2記載の連続繊維不織布。
  4. 結晶核剤がタルクであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の連続繊維不織布。
  5. 芯部と鞘部の質量比率が、(芯部)/(鞘部)=90/10〜50/50であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の連続繊維不織布。
  6. 芯鞘型複合ノズル孔を用いて溶融紡糸し、得られた芯鞘型複合繊維を集積して連続繊維不織布を製造する方法であり、
    芯部を構成するためのノズル孔に、結晶核剤を含有する芳香族ポリエステルポリマー(A)を供給し、
    鞘部を構成するためのノズル孔に、結晶核剤を含有しない芳香族ポリエステルポリマー(A)を供給して溶融紡糸し、牽引速度3500〜4500m/分で引き取り、
    得られた芯鞘型複合繊維を集積し、集積してなる不織ウェブに部分的に加熱加圧することにより、芯鞘型複合繊維の鞘部の芳香族ポリエステルポリマー(A)を軟化させて繊維同士を接着することにより一体化することを特徴とする連続繊維不織布の製造方法。
  7. 部分的に加熱加圧する際の熱処理温度が、芳香族ポリエステルポリマー(A)の融点よりも90〜60℃低い温度であることを特徴とする請求項6記載の連続繊維不織布の製造方法。
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