JP7032780B2 - 連続繊維不織布およびその製造方法 - Google Patents
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Description
芯鞘型複合繊維において、芯部および鞘部を構成するポリマーが両者共に芳香族ポリエステルポリマー(A)であり、該芳香族ポリエステルポリマー(A)の結晶融点が240~270℃であり、
芯部および鞘部を構成するポリマーのいずれにもカーボンブラックを含有し、かつカーボンブラックの含有量が、芯部のポリマーにおける含有量よりも鞘部のポリマーにおける含有量が多く、
不織布は、部分的に熱圧着された熱圧着部を有することにより、連続繊維同士が一体化していることを特徴とする連続繊維不織布を要旨とする。
式1:0.5質量%≦鞘部ポリマーのカーボンブラック含有量≦3質量%
式2:0<芯部ポリマーのカーボンブラック含有量≦1質量%
鞘部を構成するポリマーのカーボンブラック含有量が0.5質量%以上とすることにより、上記したカーボンブラックを含有することによる所望する効果を良好に発揮することができる。また、鞘部を構成するポリマーのカーボンブラック含有量の上限を3質量%とすることにより、繊維を製造する際の溶融紡糸工程において、製糸性が良好で、糸切れが発生しにくい。
(1)融点(℃)
示差熱走査型熱量計(パーキンエルマ社製、DSC-2型)を用い、試料質量を5mg、昇温速度を10℃/分で測定し、得られた融解吸熱曲線の最大値を与える温度を融点(℃)とした。
(2)目付(g/m2)
不織布から、10cm×10cmの試料片を裁断し、これを10点作製した。標準状態(20℃、65%RH)において各試料片を秤量し、この秤量の平均値を算出した。この平均値を単位面積当たりの質量に換算し、不織布の目付け(g/m2)とした。
(3)繊度(dtex)
部分熱圧着前における堆積されたウェブの状態から、構成繊維をランダムに50本抜き出し、これらの繊維径を顕微鏡にて測定した。この測定値を密度補正して、各々の繊維の繊度を算出し、さらに平均値を求め、繊度とした。
(4)5%強力(N/5cm)
下(5)と同条件で測定した際の、5%伸長時の応力を5%強力とした。
(5)引張強力(N/5cm)
試料長20cm、試料幅5cmの試料片を10点作製し、各試料片について、定速伸張型引張試験機(オリエンテック社製、「テンシロンUTM-4-1-100」)を用い、つかみ間隔10cm、引張速度20cm/分で伸張した際の、切断時の破断荷重(N/5cm)を測定した。そして、破断荷重の平均値を引張強力とした。測定は、機械方向(MD)および機械方向と直交する方向(CD)において測定した。
(6)破断伸度(%)
上記(5)における評価前の試料片長さをL0とし、切断時の試料片長さをLとして、下記式によって算出した。
(破断伸度)(%)={(L-L0)/L0}×100
(7)乾熱収縮率(%)
15cm×15cmの試料片を5点準備した。各々の試料片を、温度180℃で5分間放置し、収縮率を下式により算出した。算出された値の平均値を、乾熱収縮率とした。
(乾熱収縮率)(%)=[(15-Lx)/15]×100
なお、上記式において、Lxは、5分間放置した後の試料の長さを示す。
芳香族ポリエステル(A)として、融点258℃、固有粘度0.70のポリエチレンテレフタレートを使用した。この芳香族ポリエステル(A)を鞘/芯=30/70(質量比)となるように個別に計量した後、個別のエクトル-ダー型押出機を用いて溶融し、芯鞘形複合断面となるように溶融紡糸した。その際、芯部にはカーボンブラックを0.5質量%の割合で添加し、鞘部にはカーボンブラックを1.0質量%の割合で添加した。
実施例1と同様の条件で、目付が40g/m2、50g/m2のポリエステル系連続繊維不織布を得た。
実施例1にて用いたポリエチレンテレフタレートを用いて、単相で円形断面となるように溶融紡糸した。なお、ポリエチレンテレフタレートには、カーボンブラックを0.7質量%の割合で添加した。
比較例1と同様の条件で、目付が40g/m2、50g/m2のポリエステル系連続繊維不織布を得た。
比較例1において、牽引速度を4000m/分としたこと以外は、比較例1と同様にしてポリエステル系連続繊維不織布を得た。なお、捕集堆積させた不織ウェブの繊維の単糸繊度は3.0デシテックスであった。
比較例4と同様の条件で、目付が40g/m2、50g/m2のポリエステル系連続繊維不織布を得た。
Claims (5)
- 芯鞘型複合繊維によって構成される連続繊維不織布であり、
芯鞘型複合繊維において、芯部および鞘部を構成するポリマーが両者共に芳香族ポリエステルポリマー(A)であり、該芳香族ポリエステルポリマー(A)の結晶融点が240~270℃であり、
芯部および鞘部を構成するポリマーのいずれにもカーボンブラックを含有し、かつカーボンブラックの含有率が、芯部のポリマーにおける含有量よりも鞘部のポリマーにおける含有量が多く、
不織布は、部分的に熱圧着された熱圧着部を有することにより、連続繊維同士が一体化していることを特徴とする連続繊維不織布。 - 芯部および鞘部を構成するポリマーが含有するカーボンブラックの含有量が、下式1、2を満たしていることを特徴とする請求項1記載の連続繊維不織布
式1:0.5質量%≦鞘部ポリマーのカーボンブラック含有量≦3質量%
式2:0<芯部ポリマーのカーボンブラック含有量≦1質量% - 芯部と鞘部の質量比率が、(芯部)/(鞘部)=90/10~50/50であることを特徴とする請求項1または2記載の連続繊維不織布。
- 芯鞘型複合ノズル孔を用いて溶融紡糸し、得られた芯鞘型複合繊維を集積して連続繊維不織布を製造する方法であり、
芯部を構成するためのノズル孔に、カーボンブラックを含有する芳香族ポリエステルポリマー(A)であって、結晶融点が240~270℃の芳香族ポリエステルポリマー(A)を供給し、
鞘部を構成するためのノズル孔に、カーボンブラックを含有する芳香族ポリエステルポリマー(A)であって、結晶融点が240~270℃の芳香族ポリエステルポリマー(A)であり、前記芯部を構成する芳香族ポリエステルポリマーにおけるカーボンブラックの含有量よりもカーボンブラックの含有量が少ないポリマー(A)を供給して溶融紡糸し、
牽引速度3500~4500m/分で引き取り、
得られた芯鞘型複合繊維を集積し、集積してなる不織ウェブに部分的に加熱加圧することにより、芯鞘型複合繊維の鞘部の芳香族ポリエステルポリマー(A)を軟化させて繊維同士を接着することにより一体化することを特徴とする請求項1記載の連続繊維不織布の製造方法。 - 部分的に加熱加圧する際の熱処理温度が、芳香族ポリエステルポリマー(A)の融点よりも90~60℃低い温度であることを特徴とする請求項4記載の連続繊維不織布の製造方法。
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JP2017176830A JP7032780B2 (ja) | 2017-09-14 | 2017-09-14 | 連続繊維不織布およびその製造方法 |
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JP2009114570A (ja) | 2007-11-05 | 2009-05-28 | Toray Ind Inc | スパンボンド不織布の製造方法及びそれにより得られたスパンボンド不織布を用いた不織布シート |
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