JP2866131B2 - 極細長繊維不織布の製造方法 - Google Patents

極細長繊維不織布の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は,極細長繊維からなる不織布の製造方法に関
し,さらに詳しくは,繊細な表面形態と緻密な構造を有
する極細長繊維からなる不織布の製造方法に関するもの
である。
(従来の技術) 従来から,不織布は,衣料用,産業資材用,土木建築
資材用,農芸演芸資材用,生活関連資材用あるいは医療
衛生材用等,種々の用途に使用されている。中でも,長
繊維からなる不織布は,短繊維からなる不織布に対し,
強力が高く,しかも生産性に優れるため,広く使用され
ている。この長繊維からなる不織布において,表面が繊
細で,かつ緻密な構造を有する不織布を得る試みが数多
くなされてきた。例えば,特公昭44−24699号公報,特
公昭52−30629号公報及び特公昭62−41316号公報には,
シートに化学薬品処理を施して繊維を構成する重合体の
一部を溶解させること,あるいは溶解除去することによ
り細繊度の繊維から構成される不織布を得る方法が開示
されている。また,特公平1−47585号公報及び特公平
1−47586号公報には,シートを高圧水流により処理し
繊維を割繊して極細繊維とするとともに繊維に3次元的
交絡を施すことにより極細繊維からなる不織布を得る方
法が開示されており,特公平1−47579号公報には,不
織布を水洗処理して水溶性成分を除去することにより極
細繊維からなる不織布を得る方法が開示されている。し
かしながら,これらの不織布の製造方法には,生産工程
が複雑であり,しかも重合体を除去する必要があるた
め,製造コストが高くなるという問題がある。さらに,
特公昭53−10169号公報には,シートをバフ掛けして繊
維を割繊することにより極細繊維からなる不織布を得る
方法が開示されているが,この製造方法には,構成繊維
が部分的に損傷を受けるという問題がある。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は,前記問題を解決し,繊細な表面形態と緻密
な構造を有する極細長繊維からなる不織布を効率よく製
造することができる方法を提供しようとするものであ
る。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは,前記問題を解決すべく鋭意検討の結
果,本発明に到達した。すなわち,本発明は,重合体成
分Aと,前記重合体成分Aに対し非相溶性で,かつ前記
重合体成分Aの融点より30〜150℃高い融点を有する重
合体成分Bからなる2個以上の凸レンズ状横断面を有す
るセグメントとから構成され,繊維軸に垂直な横断面に
おける重合体成分Bによる凸レンズ状部分での曲率半径
R0及びR1,円弧の弧長L0及びL1が下記及び式を満足
する2成分複合長繊維を溶融複合紡出し,紡出された前
記分割型2成分複合長繊維をエアーサツカからなる引取
り手段により引取り,ウエブコンベア等の捕集面上に堆
積させてウエブとし,ウエブを2個以上のロールからな
る高線圧力のロール群で処理することによって前記高融
点の重合体成分Bからなる繊維を前記複合長繊維から少
なくとも一部剥離させて割繊長繊維とし,前記低融点の
重合体成分Aからなる繊維により繊維間を少なくとも部
分的に接着することを特徴とする極細長繊維不織布の製
造方法を要旨とするものである。
R1/R0<1 …… 1<L1/L0≦3 …… 〔R0:重合体成分Aと接していない円弧の曲率半径,R1:
重合体成分Aと接している円弧の曲率半径,L0:重合体成
分Aと接していない円弧の弧長,L1:重合体成分Aと接し
ている円弧の弧長〕 次に,本発明を詳細に説明する。
本発明にいう非相溶性の重合体成分A及びBとは,い
ずれも繊維形成能を有し,通常の溶融紡糸装置を使用し
て溶融紡出することができるものである。重合体成分A
及びBの組合せとしては,例えば,ポリエステル系とポ
リアミド系,ポリエステル系とポリオレフイン系,ポリ
アミド系とポリオレフイン系等が挙げられ,ポリエステ
ル系重合体としては,ポリエチレンテレフタレート,ポ
リブチレンテレフタレートあるいはそれらを主成分とす
る共重合ポリエステル等のポリエステルが,ポリアミド
系としては,ナイロン6,ナイロン46,ナイロン66,ナイロ
ン610あるいはそれらを主成分とする共重合ナイロン等
のポリアミドが,ポリオレフイン系としては,ポリプロ
ピレン,高密度ポリエチレン,線状低密度ポリエチレ
ン,エチレン/プロピレン共重合体等のポリオレフイン
が挙げられる。また,重合体成分A及びBには,各々,
通常の艶消剤,熱安定剤,顔料あるいは重合体の結晶化
促進剤等の添加剤を添加してもよい。
本発明の極細長繊維不織布の製造方法は,まず,前記
重合体成分Aと,前記重合体成分Aに対し非相溶性で,
かつ前記重合体成分Aの融点より30〜150℃高い融点を
有する重合体成分Bからなる2個以上の凸レンズ状横断
面を有するセグメントとから構成される2成分複合長繊
維を,通常の溶融複合紡糸装置を使用して溶融複合紡糸
する。紡糸口金装置としては,溶融した重合体成分Aの
導入孔の外周部から溶融した重合体成分Bが2個以上誘
導される構造の複合紡糸口金装置を使用する。重合体成
分Aが重合体成分Bを分割する数,すなわち前記重合体
成分Bからなる凸レンズ状横断面を有するセグメントの
数は,2個以上,多いほど極細繊維を得ることができて好
ましいが,多過ぎると重合体成分Bのみから構成される
セグメント同士が接着した横断面構造となり,後工程で
割繊・剥離することができなくなるという問題が生じる
ため,通常,16個程度までとするのがよい。また,前記
重合体成分Bからなるセグメントは,凸レンズ状の横断
面を有することが必要であり,この場合,重合体成分B
のみからなるセグメントが重合体成分Aと接触する接触
周長が比較的短くなるため,後工程で2成分複合長繊維
を割繊するときに割繊性が向上する。
次に,紡出された2成分複合長繊維をエアーサツカ等
の引取り手段により引取り,ウエブコンベア等の捕集面
上に堆積させ,ウエブを高線圧力の加熱された表面平滑
なロール群で処理することによって高融点の重合体成分
Bからなるセグメントを複合長繊維から剥離させて割繊
長繊維とし,それと同時に,低融点の重合体成分Aから
なる繊維により繊維間を少なくとも部分的に接着する。
また,ウエブを高線圧力の非加熱の表面平滑なロール群
で処理し,一旦,高融点の重合体成分Bからなるセグメ
ントを複合長繊維から剥離させて割繊長繊維とし,次い
で,加熱ロールで低融点の重合体成分Aからなる繊維に
より繊維間を少なくとも部分的に接着してもよい。表面
平滑な加熱ロールに代わり,加熱されたエンボスロール
を使用することもできる。ウエブを加熱されたエンボス
ロールを使用し,低融点の重合体成分Aからなる繊維に
より繊維間を少なくとも部分的に接着して不織布を得,
次いで,不織布を高線圧力の表面平滑なロール群で処理
することによって高融点の重合体成分Bからなるセグメ
ントを複合長繊維から剥離させて割繊長繊維としてもよ
い。なお,得られた不織布に,不織布の柔軟性を向上さ
せるための柔軟加工を施してもよい。
本発明にいう重合体成分Bは,重合体成分Aの融点よ
り30〜150℃高い融点を有することが必要である。本発
明にいう重合体の融点とは,パーキンエルマ社製示差熱
量計DSC−2型を使用し,同装置のマニユアルに従い,
試料量を約5mg,走査速度を20℃/分として測定して得ら
れるDSC曲線から求めたものである。重合体成分Bと重
合体成分Aとの融点差が30℃未満であると,ウエブを加
熱ロールで熱接着するときに不織布が熱収縮して寸法安
定性が低下して不織布の風合いが悪くなったり,熱接着
時の接着温度域が狭くなり温度制御が困難となる等の問
題を生じるため,好ましくない。前記融点差が,150℃を
超えると,低融点の重合体成分Aの熱劣化が促進するた
め,好ましくない。なお,ウエブを低融点の重合体成分
Aの融点以上の表面温度の加熱ロールで熱接着すると,
得られる不織布はフイルム状あるいは表面の硬いものと
なるため,好ましくない。
ウエブ化には,溶融紡出された繊維束を冷却し,延伸
して得られる延伸長繊維あるいは高速紡糸法により得ら
れる高配向未延伸長繊維を使用することができる。紡糸
からウエブ化までを連続工程としてもよく,また,別途
製造した延伸長繊維あるいは高配向未延伸長繊維からウ
エブを作成してもよい。ウエブは,これらの長繊維をエ
アーサツカ等の引取り手段により引取り,帯電装置によ
り強制的に帯電させて繊維を開繊し,移動するウエブコ
ンベア等の捕集面上に堆積させることにより作成する。
本発明にいう高線圧力のロール群とは,2個以上のロー
ルから構成されるものであり,通常,1対のロールから多
段式の計10個のロールまでを使用することができる。ロ
ール数が多過ぎると設備投資費が高くなり,好ましくな
い。ロール群の線圧力は,高融点の重合体成分Bからな
るセグメントを複合長繊維から剥離させて割繊長繊維と
するに重要な要因であり,剪断,伸長,圧縮等の応力に
より前記重合体成分Bからなるセグメントを剥離する。
この線圧力は,複合長繊維の割繊性にもよるが,通常,
少なくとも20kg/cm程度とするのが好ましい。20kg/cm未
満であると前記重合体成分Bからなるセグメントを十分
剥離することができず,好ましくない。
次に,本発明にいう2成分複合長繊維に関して,説明
する。
第1図は,本発明にいう2成分複合長繊維の構造を説
明するための横断面図,第2,3,4及び5図は,本発明の
構成要件を満足する2成分複合長繊維の例を示す横断面
図である。第1図において,R0及びR1は2成分複合長繊
維の繊維軸に垂直な横断面における重合体成分Bによる
凸レンズ状部分での曲率半径であり,R0は重合体成分A
と接していない円弧の曲率半径,R1は重合体成分Aと接
している円弧の曲率半径,L0及びL1は前記凸レンズ状部
分での円弧の弧長であり,L0は重合体成分Aと接してい
ない円弧の弧長,L1は重合体成分Aと接している円弧の
弧長である。R0及びR1は繊維断面を1000倍に拡大して撮
影した断面写真を基にし,それぞれの円弧の弧長の90%
以上が包含されるような仮想円弧を想定して求めたもの
である。また,L0及びL1は同拡大断面写真より実測して
求めたものである。
本発明にいう2成分複合長繊維は,第1図に示したR0
及びR1,L0及びL1が下記及び式を満足するものであ
る。
R1/R0<1 …… 1<L1/L0≦3 …… このR1/R0がR1/R0≧1であるとL1/L0は自ずとL1/L0
1となるが,この場合には,選択する重合体成分Aと重
合体成分Bによっては紡糸工程あるいは延伸工程で前記
重合体成分Aと重合体成分Bとが剥離してしまい,紡糸
工程あるいは延伸工程で断糸等の不都合が生じ,ウエブ
化するときに繊維の開繊性が低下して均一なウエブを得
ることができず,好ましくない。R1/R0がR1/R0≧1であ
るとL1/L0は自ずと1<L1/L0となるが,この場合には,
選択する重合体成分Aと重合体成分Bによっては紡糸工
程あるいは延伸工程で前記重合体成分Aと重合体成分B
とが剥離することがなく,ウエブ化するときに繊維の開
繊性が良好で均一なウエブを得ることができる。しかし
ながら,R1/R0がR1/R0<1であってもL1/L0がL1/L0>3
であると,ウエブあるいは不織布を高線圧力の表面平滑
なロール群で処理して重合体成分Aと重合体成分Bとを
剥離し割繊することが困難となるので,好ましくない。
次に,本発明の方法により得られる極細長繊維不織布
に関して,説明する。
本発明の方法により得られる極細長繊維不織布は,重
合体成分Aと,前記重合体成分Aに対し非相溶性の重合
体成分Bからなる2個以上の凸レンズ状横断面を有する
セグメントとから構成される2成分複合長繊維と、前記
2成分複合長繊維から重合体成分Bからなるセグメント
が一部剥離した2成分複合長繊維と,前記2成分複合長
繊維の分割により発現した前記重合体成分Aのみから構
成される割繊長繊維と,前記重合体成分Bのみから構成
される割繊長繊維とから構成されるものである。
本発明の極細長繊維不織布は,重合体成分Bからなる
セグメントの割繊割合が30%以上95%以下のものであ
る。この割繊割合とは,R0及びR1,L0及びL1が前記及び
式を満足する2成分複合長繊維と,前記2成分複合長
繊維から重合体成分Bからなるセグメントが一部剥離し
た2成分複合長繊維と,前記2成分複合長繊維の分割に
より発現した前記重合体成分Aのみから構成される割繊
長繊維と,前記重合体成分Bのみから構成される割繊長
繊維とから構成される不織布の任意の10箇所を選び,不
織布の断面を100倍に拡大して断面写真を撮影し,次い
で,10枚の断面写真中,複合長繊維から剥離している重
合体成分Bのセグメント総数と存在する重合体成分Bの
セグメント総数とを求め,算出されるもので,存在する
重合体成分Bのセグメント総数に対する剥離している重
合体成分Bのセグメント総数の比(%)を表すものであ
る。
本発明の極細長繊維不織布では,前記割繊割合は30%
以上95%以下であることが好ましく,この割繊割合が30
%未満であると,繊細な表面形態と緻密な構造を有する
不織布を得ることができず,好ましくない。
また,前記複合長繊維の分割により発現した前記重合
体成分Bのみから構成される割繊長繊維は,単糸繊度が
0.8デニール以下のものであることが好ましい。前記割
繊割合が30%以上であっても,重合体成分Bからなる前
記割繊長繊維の単糸繊度が0.8デニールを超えると,繊
細な表面と緻密な構造を有する不織布を得ることが困難
となり,この単糸繊度が小さいほど,繊細な表面と緻密
な構造を有する不織布を得ることができる。
本発明にいう2成分複合長繊維において,重合体成分
Bからなる凸レンズ状横断面を有するセグメント数は,2
個以上であることが必要である。このセグメントの数が
1個であると,紡糸条件あるいは延伸条件によっては複
合長繊維に捲縮が生じ,ウエブ化するときに繊維の開繊
性が低下して均一なウエブを得ることができない。
本発明の方法においては,組み合わせる重合体の種
類,重合体の複合化,紡糸条件,延伸条件,剥離割繊条
件,接着条件あるいは柔軟加工等の後加工条件を種々選
択することにより,使用目的に応じた極細長繊維不織布
を製造することができる。
(実施例) 次に,実施例に基づいて本発明を具体的に説明する。
なお,実施例における各種特性は次の方法により測定し
た。
固有粘度:フエノールと四塩化エタンの等重量混合溶
液を溶液とし,温度20℃で測定した。
メルトインデツクス:ASTM D 1238 E法により測定し
た。
融点:パーキンエルマ社製示差走査熱量計DSC−2型
を使用し,試料量を約5mg,走査速度20℃/分で測定して
得られたDSC曲線から求めた。
不織布のタテ及びヨコ方向の引張強力:幅が3cm,長さ
が10cmの測定試料片を準備し,JIS L−1096に記載のスト
リツプ法により測定した。
実施例1 融点が128℃,メルトインデツクス値が80g/10分のポ
リエチレン重合体を重合体成分A,融点が258℃,固有粘
度が0.70のポリエチレンテレフタレート重合体を重合体
成分Bとし,複合紡糸孔を200孔有する紡糸口金を通し
て2成分複合長繊維を溶融紡出した。溶融紡糸に際し,
重合体成分Aの溶融温度を230℃,単孔吐出量を0.60g/
分,重合体成分Bの溶融温度を285℃,単孔吐出量を0.6
0g/分〔成分Aと成分Bの比(重量比)は1対1〕とし
た。紡出された長繊維糸条を冷却した後,紡糸口金下12
0cmの位置に配設された8個のエアーサツカにフイラメ
ント25本ずつ通して吸引・延伸し,3100m/分の速度で引
取り,帯電装置により強制的に帯電させて繊維を開繊
し,移動するウエブコンベア面上に堆積させ,ウエブを
得た。
得られた2成分複合長繊維の横断面形状は,第3図に
示したように,重合体成分Aと,重合体成分Bからなる
6個の凸レンズ状横断面を有するセグメントとから構成
されるものであった。繊維断面を1000倍に拡大して撮影
した断面写真を基にし,前記6個の円弧の90%以上が包
含されるような仮想円弧を想定し,R0,R1,L0及びL1を求
め,R1/R0及びL1/L0を算出したところ,R1/R0は0.3,L1/L0
は1.6であった。また,この複合長繊維は割繊しておら
ず,ウエブは均一なものであった。
次に,得られたウエブに加熱された表面平滑な多段式
6個のロールからなるロール群を使用して割繊・熱接着
処理を2回施して不織布を得た。この処理条件は,加熱
ロール群の表面温度を115℃,線圧力を200kg/cmとし
た。
得られた不織布は,目付けが50g/m2,タテ方向の引張
強力が5.2kg/3cm,ヨコ方向の引張強力が3.8kg/3cmであ
った。不織布の任意の10個所を選び,不織布の断面を10
0倍に拡大して断面写真を撮影し,次いで,10枚の断面写
真中,複合長繊維から剥離している重合体成分Bのセグ
メント総数と存在する重合体成分Bのセグメント総数と
を求め,割繊割合を求めたところ,割繊割合は80%であ
った。この不織布には,前記重合体成分Bのみから構成
される割繊長繊維の他に,重合体成分Bからなるセグメ
ントが全く剥離していない2成分複合長繊維と,前記2
成分複合長繊維から重合体成分Bからなるセグメントが
一部剥離した2成分複合長繊維と,前記2成分複合長繊
維の分割により発現した前記重合体成分Aのみから構成
される割繊長繊維とが認められた。また,前記複合長繊
維の分割により発現した重合体成分Bのみから構成され
る割繊長繊維の繊度を求めたところ,0.31デニールと極
めて細いものであった。そして,この不織布は,繊細な
表面形態と緻密な構造を有するものであった。
比較例1 融点が125℃,メルトインデツクス値が100g/10分のポ
リエチレン重合体を重合体成分Aとした以外は実施例1
と同様にして,分割型2成分複合長繊維を溶融紡出し,
冷却した後,エアーサツカにフイラメントを通して吸引
・延伸し,3100m/分の速度で引取り,帯電装置により強
制的に帯電させて繊維を開繊し,移動するウエブコンベ
ア面上に堆積させ,ウエブを得た。
得られた2成分複合長繊維の横断面形状は,第6図に
示したように,重合体成分Aと,重合体成分Bからなる
6個の凸レンズ状横断面を有するセグメントとから構成
されたものであった。繊維断面を撮影した断面写真を基
にし,前記6個の円弧の90%以上が包含されるような仮
想円弧を想定し,R0,R1,L0及びL1を求め,R1/R0及びL1/L0
を算出したところ,R1/R0は0.3,L1/L0は3.2であった。ま
た,この複合長繊維は割繊しておらず,ウエブは均一な
ものであった。
次に,実施例1と同様にして,得られたウエブに加熱
された表面平滑なロール群を使用して割繊・熱接着処理
を2回施して不織布を得た。
得られた不織布は,その割繊割合が11%と極めて低
く,繊細な表面形態と緻密な構造を有しないものであっ
た。
実施例2 融点が128℃,メルトインデツクス値が80g/10分のポ
リエチレン重合体を重合体成分A,融点が258℃,固有粘
度が0.70のポリエチレンテレフタレート重合体を重合体
成分Bとし,複合紡糸孔を625孔有する紡糸口金を通し
て2成分複合長繊維を溶融紡出した。溶融紡糸に際し,
重合体成分Aの溶融温度を230℃,単孔吐出量を0.20g/
分,重合体成分Bの溶融温度を285℃,単孔吐出量を0.2
0g/分〔成分Aと成分Bの比(重量比)は1対1〕とし
た。紡出された長繊維糸条を冷却した後,表面温度が75
℃の加熱ローラ群により250m/分の速度で引取り,この
加熱ローラ群と表面温度が90℃の加熱ローラ群との間で
倍率を4.0として延伸した。延伸繊維糸条を25個のエア
ーサツカにフイラメント25本ずつ通して吸引し,帯電装
置により強制的に帯電させて繊維を開繊し,移動するウ
エブコンベア面上に堆積させ,ウエブを得た。
得られた2成分複合長繊維の横断面形状は,第4図に
示したようなものであった。繊維断面を1000倍に拡大し
て撮影した断面写真を基にし,R1/R0及びL1/L0を求めた
ところ,R1/R0は0.3,L1/L0は1.7であった。また,この複
合長繊維は割繊しておらず,ウエブは均一なものであっ
た。
次に,得られたウエブに加熱された表面平滑な多段式
6個のロールからなるロール群を使用して割繊・熱接着
処理を2回施して不織布を得た。この処理条件は,加熱
ロール群の表面温度を115℃,線圧力を200kg/cmとし
た。
得られた不織布は,目付けが50g/m2,タテ方向の引張
強力が7.0kg/3cm,ヨコ方向の引張強度が5.2kg/3cmであ
った。不織布の任意の10個所を選び,不織布の断面を10
0倍に拡大して断面写真を撮影し,割繊割合を求めたと
ころ,割繊割合は90%であった。この不織布には,実施
例1と同様に,前記重合体成分Bのみから構成される割
繊長繊維の他に,重合体成分Bからなるセグメントが全
く剥離していない2成分複合長繊維と,前記2成分複合
長繊維から重合体成分Bからなるセグメントが一部剥離
した2成分複合長繊維と,前記2成分複合長繊維の分割
により発現した前記重合体成分Aのみから構成される割
繊長繊維とが認められた。また,重合体成分Bのみから
構成される割繊長繊維の繊度を求めたところ,0.23デニ
ールと極めて細いものであった。そして、この不織布
は,繊細な表面形態と緻密な構造を有するものであっ
た。
比較例2 融点が132℃,メルトインデツクス値が40g/10分のポ
リエチレン重合体を重合体成分A,その溶融温度を232℃
とした以外は実施例2と同様にして,2成分複合長繊維を
溶融紡出し,冷却した後,加熱ローラ群により250m/分
の速度で引取り,延伸し,エアーサツカにフイラメント
を通して吸引し,帯電装置により強制的に帯電させて繊
維を開繊し,移動するウエブコンベア面上に堆積させ,
ウエブを得た。
延伸するに際し,延伸ローラ上で複合長繊維が剥離割
繊し,この割繊長繊維が延伸ローラに巻付くというトラ
ブルが生じた。そして,得られたウエブは,均一性に劣
るものであった。
得られた2成分複合長繊維の横断面形状は,第7図に
示したようなものであった。繊維断面を1000倍に拡大し
て撮影した断面写真を基にし,R1/R0及びL1/L0を求めた
ところ,R1/R0は1.2,L1/L0は0.8であった。また,この複
合長繊維は割繊しておらず,ウエブは均一なものであっ
た。
次に,実施例2と同様にして,得られたウエブに加熱
された表面平滑なロール群を使用して割繊・熱接着処理
を2回施して不織布を得た。
得られた不織布は,その割繊割合が95%と高く,繊細
な表面形態を有するものの,均一性が劣り,しかも目付
け斑を有するものであった。
実施例3 実施例2で得られた不織布に加熱されたエンボスロー
ルを使用してエンボス処理を施した。この処理条件は,
加熱エンボスロールの表面温度を120℃,線圧力を30kg/
cmとした。
得られた不織布は,目付けが55g/m2,タテ方向のの引
張強力が10.7kg/3cm,ヨコ方向の引張強力が7.9kg/3cm
で,繊細な表面形態と緻密な構造を有するものであっ
た。
比較例3 実施例1で得られたウエブに加熱された表面平滑な1
対のロールを使用して割繊・熱接着処理を2回施した。
この処理条件は,加熱ロール対の表面温度を115℃,線
圧力を10kg/cmとした。
得られた不織布は,その割繊割合が5.3%と極めて低
く,繊細な表面形態と緻密な構造を有しないものであっ
た。
(発明の効果) 本発明の極細長繊維不織布の製造方法によれば,2成分
複合長繊維と,前記2成分複合長繊維の分割により発現
した割繊長繊維とから構成され,強力に優れ,極めて均
一性が高く,しかも繊細な表面形態と緻密な構造を有す
る不織布を低コストで効率よく製造することができる。
そして,得られた不織布は,バツグや封筒用素材とし
て好適に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は,本発明における2成分複合長繊維の構造を説
明するための横断面図,第2,3,4及び5図は,本発明の
構成要件を満足する2成分複合長繊維の例を示す横断面
図,第6及び7図は,本発明の構成要件を満足しない2
成分複合長繊維の例を示す横断面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D04H 1/00 - 18/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重合体成分Aと,前記重合体成分Aに対し
    非相溶性で,かつ前記重合体成分Aの融点より30〜150
    ℃高い融点を有する重合体成分Bからなる2個以上の凸
    レンズ状横断面を有するセグメントとから構成され,繊
    維軸に垂直な横断面における重合体成分Bによる凸レン
    ズ状部分での曲率半径R0及びR1,円弧の弧長L0及びL1
    下記及び式を満足する2成分複合長繊維を溶融複合
    紡出し,紡出された前記2成分複合長繊維をエアーサツ
    カからなる引取り手段により引取り,ウエブコンベア等
    の捕集面上に堆積させてウエブとし,ウエブを2個以上
    のロールからなる高線圧力のロール群で処理することに
    よって前記高融点の重合体成分Bからなる繊維を前記複
    合長繊維から少なくとも一部剥離させて割繊長繊維と
    し,前記低融点の重合体成分Aからなる繊維により繊維
    間を少なくとも部分的に接着することを特徴とする極細
    長繊維不織布の製造方法。 R1/R0<1 …… 1<L1/L0≦3 …… 〔R0:重合体成分Aと接していない円弧の曲率半径,R1:
    重合体成分Aと接している円弧の曲率半径,L0:重合体成
    分Aと接していない円弧の弧長,L1:重合体成分Aと接し
    ている円弧の弧長〕
  2. 【請求項2】2成分複合長繊維の分割により発現した高
    融点の重合体成分Bのみから構成される割繊長繊維が,
    単糸繊度が0.8デニール以下の極細長繊維である請求項
    1記載の極細長繊維不織布の製造方法。
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