JP2612350B2 - 伸縮性複合繊維 - Google Patents

伸縮性複合繊維

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JP2612350B2
JP2612350B2 JP1307131A JP30713189A JP2612350B2 JP 2612350 B2 JP2612350 B2 JP 2612350B2 JP 1307131 A JP1307131 A JP 1307131A JP 30713189 A JP30713189 A JP 30713189A JP 2612350 B2 JP2612350 B2 JP 2612350B2
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信次 太田
弘文 矢代
彰郎 釜谷
智彦 菅原
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宇部日東化成 株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、伸縮性複合繊維に係り、特に、打ち身、捻
挫、筋肉痛等を湿布する際のパップ剤の基布となる不織
布の材料として好適な伸縮性複合繊維に関する。
[従来の技術] 近年、肘や膝等の関節部、上腕部、大腿部等の屈伸性
あるいは伸縮性に富む患部に貼付した場合でも、患部の
屈伸あるいは伸縮をそれほど阻害せず、また、患部の屈
伸あるいは伸縮によっても剥離しにくいパップ剤とし
て、基布に伸縮性の不織布を用いたものが市販されてい
る。
このようなパップ剤の基布として用いられる伸縮性の
不織布は、一般に、ポリエチレンテレフタレート樹脂を
高融点成分とし、共重合ポリエステム樹脂を低融点成分
とする、高捲縮性ポリエステル系複合繊維を材料として
いる。この複合繊維から得られるステープルファイバー
を熱処理すると、複合繊維を構成する高融点重合体と低
融点重合体の弾性収縮差あるいは熱収縮差によりスパイ
ラル状の高捲縮が発現する。このステープルファイバー
をカード機にかけてウェッブとした後、このウェッブを
ニードルパンチング、エンボスロール熱融着、熱風融
着、水流絡合等の方法により不織布化している。
しかしながら、ポリエステル系複合繊維を材料とする
不織布は、パップ剤の基布としては耐薬品性が実用上十
分であるとはいい難く、パップ剤の長期保存が困難であ
る等の問題点がある。また、患部の屈伸時あるいは伸縮
時の違和感を、より低減させることが望まれている。
このため、耐薬品性に優れているポリオレフィン系複
合繊維を材料として、伸縮性に優れているとともに小さ
な伸長強力によっても容易に伸長する不織布を得る試み
が種々なされている。
[発明が解決しようとする課題] ポリプロピレンとポリエチレンとからなる複合繊維の
ようなポリオレフィン系複合繊維は、上述のように耐薬
品性に優れているが、従来のポリオレフィン系複合繊維
を材料として伸縮性の不織布を得ようとすると、オイリ
ング時の水分を除去するための乾燥処理の段階でスパイ
ラル状の高捲縮が発現してしまい、不織布の製造に不可
欠なカード工程を円滑に行うことができないという問題
点があった。また、上記乾燥処理の段階でのスパイラル
状の捲縮の発現を抑えようとすると、不織布の熱処理段
階での複合繊維の捲縮数が少なくなったり、複合繊維の
真の熱収縮率が大きくなったりするために、伸縮性に優
れた不織布を得ることができないという問題点があっ
た。
したがって本発明の目的は、耐薬品性に優れているポ
リオレフィン系重合体からなる複合繊維であって、カー
ド機の通過性に優れたステープルファイバーを得ること
ができ、かつ伸縮性に優れているとともに小さな伸長強
力によっても容易に伸長する不織布を得ることができる
伸縮性複合繊維を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 本発明は上記目的を達成するためになされたものであ
り、本発明の伸縮性複合繊維は、メルトフローレートが
40の結晶性ポリプロピレンを高融点成分とし、ポリプロ
ピレンを主成分とし、融点が125℃以上、メルトフロー
レートが17〜20の共重合体を低融点成分とし、これらを
270℃以上の紡糸温度で紡糸して得られた偏心鞘芯型の
複合繊維からなり、120℃における真の熱収縮率が25%
以下、120℃における見掛けの熱収縮率が55%以上であ
り、かつ、芯部が前記高融点成分である結晶性ポリプロ
ピレンによって、また鞘部が前記低融点成分である共重
合体によってそれぞれ形成されており、芯部と鞘部の断
面積比が(芯部)/(鞘部)=6/4〜4/6、繊度が4de以
下であることを特徴とするものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の伸縮性複合繊維は、上述のようにメルトフロ
ーレートが40の結晶性ポリプロピレンを高融点成分と
し、ポリプロピレンを主成分とし、融点125℃以上、メ
ルトフローレートが17〜20の共重合体を低融点成分と
し、これらを270℃以上の紡糸温度で紡糸して得られた
偏心鞘芯型複合繊維からなるものである。そして、低融
点成分の100〜140℃における熱収縮を利用して複合繊維
にスパイラル状の捲縮を発現させることにより、伸縮性
が付与されるものである。
したがって、低熱収縮成分(熱収縮率が小さい成分の
意、以下同じ)とする高融点成分は耐薬品性に優れてい
るとともに、高熱収縮成分(熱収縮率が大きい成分の
意、以下同じ)である低融点成分との熱収縮差を大きく
するために、熱収縮率が小さいことが好ましい。このた
め本発明の伸縮性複合繊維においては、高融点成分とし
て結晶性ポリプロピレンを用いる。このような結晶性ポ
リプロピレンとしては、UBEポリプロ RS1238(宇部興
産(株)製)等の商品名で市販されているメルトフロー
レートが40である結晶性ポリプロピレンを挙げることが
できる。
また、高熱収縮成分である低融点成分は、結晶性ポリ
プロピレンを高融点成分としたときに、100〜140℃の熱
処理によりスパイラル状の捲縮を十分に発現させ得るも
のであるとともに、耐薬品性に優れていなければならな
い。このため本発明の伸縮性複合繊維においては、ポリ
プロピレンを主成分とし、融点が125℃以上、メルトフ
ローレート17〜20の共重合体を低融点成分とする。
ポリプロピレンを主成分とする共重合体の融点を125
℃以上に限定する理由は、このポリプロピレンを主成分
とする共重合体の融点が125℃未満では、共重合体の熱
収縮率が非常に増大するために前記熱処理により単繊維
自体(複合繊維自体)で収縮してしまい、複合繊維にお
けるスパイラル状の捲縮の発現性が低下するとともに、
伸縮性(伸長時の回復率)が低下するからである。ポリ
プロピレンを主成分とする共重合体は、融点が125℃以
上のできるだけ低い温度にあるものが特に好ましい。
このような、ポリプロピレンを主成分とし、融点が12
5℃以上、メルトフローレート17〜20の共重合体として
は、主成分とするポリプロピレンと、ポリプロピレン以
外のα−オレフィンであるエチレン、ブテン−1等との
共重合体を挙げることができる。
さらに本発明の伸縮性複合繊維においては、120℃に
おける真の熱収縮率が25%以下に、また、120℃におけ
る見掛けの熱収縮率が55%以上にそれぞれ限定される。
なお、ここでいう真の熱収縮率とは、120℃の熱処理に
伴う複合繊維の単繊維熱収縮率を意味し、見掛けの熱収
縮率とは、120℃の熱処理に伴う複合繊維の単繊維熱収
縮とスパイラル状の捲縮の発現による複合繊維の収縮と
を含めた複合繊維の単繊維熱収縮率を意味する。
真の熱収縮率を上述のように限定する理由は、真の熱
収縮率が25%を超えると、見掛けの熱収縮率が大きくて
も100〜140℃の熱処理によるスパイラル状の捲縮の発現
性が低下するからである。また、見掛けの熱収縮率を上
述のように限定する理由は、見掛けの熱収縮率が55%未
満では、真の熱収縮率が小さくても100〜140℃の熱処理
によるスパイラル状の捲縮の発現性が低下するからであ
る。
本発明の伸縮性複合繊維においては、低熱収縮成分
(高融点成分)である結晶性ポリプロピレンが複合繊維
表面に露出すると、この成分の繊維配向が進行すること
により延伸後の残留歪が大きくなって複合繊維の真の熱
収縮率が増大するため、その断面構造は、低熱収縮成分
(高融点成分)である結晶性ポリプロピレンを芯とし高
熱収縮成分(低融点成分)である共重合体を鞘とする偏
心鞘芯構造であることを必須要件とする。このとき、偏
心率が大きいほどスパイラル状の捲縮の発現性が増すた
め、偏心率は大きい方が好ましい。
また芯部と鞘部の断面積比は、 (芯部)/(鞘部)=6/4〜4/6 程度とすることが好ましく、特に5/5とすることが好ま
しい。芯部と鞘部の断面積比が6/4程度を超えると、高
熱収縮成分の減少によりスパイラル状の捲縮の発現性が
低下する。また、芯部と鞘部の断面積比が4/6程度より
小さくなると、低熱収縮成分の減少により複合繊維の真
の熱収縮率が増大する。
本発明の伸縮性複合繊維は、高融点成分としてメルト
フローレートが40の結晶性ポリプロピレンを、また低融
点成分としてポリプロピレンを主成分とし、融点が125
℃以上、メルトフローレートが17〜20の共重合体を用
い、真の熱収縮率が25%以下で見掛けの熱収縮率が55%
以上となるように、前述の断面構造や下記〜の点等
に留意するとともに、オイリング時の水分を除去するた
めに延伸、捲縮加工後に比較的低温である95℃程度で乾
燥処理を施した後、100〜140℃の熱処理を施す以外は、
従来の鞘芯型の複合繊維や並列型の複合繊維と同様にし
て製造することができる。
真の熱収縮率を25%以下とするためには、紡糸によ
る残留歪を小さくすることが必要であるため、紡糸温度
は比較的高温(概ね270℃以上)とすることを必須条件
とする。
紡糸速度を低くした方が真の熱収縮を小さくするこ
とができるため、紡糸速度はできるだけ低くする。800m
/分以下であれば、スパイラル状の捲縮を十分に高い発
現性の下に発現させることができる。
真の熱収縮率を25%以下とするためには、延伸によ
る残留歪を小さくすることが必要であるため、延伸温度
(第1延伸ローラー温度)は比較的高温(概ね60℃以
上)とし、かつ延伸倍率は比較的低い倍率(概ね3.5倍
以下)とすることが好ましい。なお、延伸に際して未延
伸糸の予熱を行うと、低熱収縮成分(高融点成分)の結
晶化が進んで延伸による残留歪が大きくなり、真の熱収
縮率が大きくなり易い。
延伸糸のデニール(繊度)が大きいと、スパイラル
状の捲縮の発現時における捲縮の曲率半径が大きくな
り、見掛けの熱収縮率が低下するため、デニールは小さ
くする。4de以下であれば、スパイラル状の捲縮を十分
に高い発現性の下に発現させることができる。
また、本発明の伸縮性複合繊維を材料として伸縮性に
優れた不織布を製造する場合には、まず、紡糸、延伸処
理、オイリング、機械捲縮加工、乾燥処理、カッティン
グを行って、スパイラル状の捲縮が未発現のステープル
ファイバーを得る。
このステープルファイバーが機械捲縮加工される理由
は、カード機にかけてウェッブを作製する工程を円滑に
行えるようにするためである。
次いで、このステープルファイバーをカード機にかけ
てウェッブとした後、このウェッブをニードルパンチン
グ、エンボスロール熱融着、熱風融着、水流絡合等の常
法により不織布化する。ウェッブを不織布化する前もし
くは不織布化時または不織布化した後に、100〜140℃の
熱処理を施すことにより、ステープルファイバーの段階
では潜在化していた高度な捲縮能を顕在化させる。高度
な捲縮能の顕在化により、複合繊維にスパイラル状の捲
縮が高度に発現するため、伸縮性に優れた不織布を得る
ことができる。なお、例えば100℃の熱処理により高度
な捲縮能を顕在化させる場合には、上述の乾燥処理の処
理時間より長時間熱処理する必要がある。
エンボスロール熱融着により不織布化する場合には、
不織布化の前または後に熱処理を施さなくともスパイラ
ル状の捲縮が高度に発現するが、熱処理を行った方がよ
り高度にスパイラル状の捲縮が発現し、伸縮性の高い不
織布を得ることができる。また、熱風融着により不織布
化する場合には、熱風融着時の熱により複合繊維にスパ
イラル状の捲縮が高度に発現するため、不織布化の前ま
たは後に熱処理を施さなくてもよい。
本発明の伸縮性複合繊維を材料として、耐薬品性に優
れ、かつ伸縮性に優れているとともに小さな伸長強力に
よっても容易に伸長する不織布を製造する場合には、ポ
リプロピレンとポリエチレンとからなる複合繊維のよう
なポリオレフィン系複合繊維と本発明の伸縮性複合繊維
とを、本発明の伸縮性複合繊維が30%以上となるように
混綿して使用することが好ましい。
[実施例] 以下、本発明の実施例について説明する。なお、実施
例中に示した諸物性値の測定方法を予め示しておく。
・メルトフローレート(MFR)…ASTM D 1238(L)
による。
・融点…DSCによる。
・捲縮数…JIS L1015による。
・単繊維熱収縮率 120℃における真の熱収縮率…JIS L1015に準じる (初荷重:デニール×50mg、温度:120℃)。
120℃における見掛めの熱収縮率…JIS L1015に準じ
る (初荷重:デニール×2mg、温度:120℃)。
・不織布伸長回復率(不織布の機械方向の伸長回復率) 試料幅:5cm チャック間距離:10cm 初荷重:目付け×10-1g 引張りおよび戻り速度:20cm/分 伸長率:ニードルパンチ法と水流絡合法は50%、 エンボスロール熱融着法は40% 伸長保持時間:なし ・伸長強力(不織布の伸長し易さ)…ニードルパンチ法
により作製した不織布の不織布伸長回復率の測定時に、
50%伸長させるのに必要とした荷重。
実施例1〜15 MFRが40の結晶性ポリプロピレン(宇部興産(株)製
UBE RS1238)を高融点成分として用いた。またMFRが
17〜20で融点が129〜143℃である、ポリプロピレンを主
成分とする共重合体を低融点成分として用いた。上記高
融点成分と低融点成分を一軸押出機2台とホール径0.6m
mの偏心鞘芯型複合繊維用円形ノズルとを備えた複合繊
維紡糸設備を使い、表−1に示す条件で紡糸して、高融
点成分を芯部とし低融点成分を鞘部とする単糸デニール
3.8〜10deの偏心鞘芯型の未延伸複合繊維を計15種類得
た。
このときの紡糸性はいずれの複合繊維においても良好
であり、それぞれ20時間連続紡糸しても全く紡糸切れは
なく安定していた。
次いで、得られたマルチフィラメントを複合繊維の種
類毎に集めて、それぞれトータルデニールを約60万deと
し、ステープルファイバー試作設備により表−1に示す
条件で延伸し、引き続きオイリング、機械捲縮加工、95
℃の乾燥処理、カッティングを行って、単糸デニールが
1.5〜4de、ジグザグ捲縮数が14個/インチ、繊維長が45
mm、真の熱収縮率が25%以下、見掛けの熱収縮率が55%
以上である、本発明の伸縮性複合繊維からなるステープ
ルファイバーを計15種類得た。なお、これらのステープ
ルファイバーにおいては、スパイラル状の捲縮能は潜在
化しており、スパイラル状の捲縮は発現していなかっ
た。
次いで、得られた各ステープルファイバーを幅350mm
のローラーカード機に通して、均一なウェッブをそれぞ
れの複合繊維毎に作製した。この時、カード通過性に全
く問題はなかった。
この後、得られた各ウェッブについて、それぞれニー
ドルパンチ法、エンボスロール熱融着法、または水流絡
合法により不織布化し、ニードルパンチ法とエンボスロ
ール熱融着法で得た不織布は125℃の熱風下にて10秒間
熱処理を施すことにより伸縮性複合繊維にスパイラル状
の捲縮を高度に発現させ、一方、水流絡合法で得た不織
布は高圧空気である程度水分を除去した後125℃の熱風
下にて3分間熱処理を施して乾燥するとともに伸縮性複
合繊維にスパイラル状の捲縮を高度に発現させて、目付
が100g/m2の均一な伸縮性不織布をそれぞれ得た。なお
不織布化にあたっては、ニードルパンチ法ではパンチ密
度を40本/cm2として不織布化し、エンボスロール熱融着
法ではローラー温度を125℃、線圧を8kg/cm、接着面積
を17%として不織布化し、水流絡合法では水流絡合装置
によりオリフィス径0.15mm、ピッチ1.0mmの多数のノズ
ルから28kg/cm2の高圧水流をウェッブ速度25m/分で移送
しながら噴射して不織布化した。ニードルパンチ法と水
流絡合法により得た捲縮発現後の各不織布を顕微鏡で観
察したところ、繊維同士の熱接着は認められなかった。
このようにして得られた各伸縮性不織布の伸縮性を評
価するにあたり、ニードルパンチ法と水流絡合法により
得た各伸縮性不織布では不織布の機械方向に50%伸長後
の回復率を測定し、エンボスロール熱融着法により得た
各伸縮性不織布では不織布の機械方向に40%伸長後の回
復率を測定した。また、ニードルパンチ法により得た伸
縮性不織布の伸長の難易を評価するにあたり、上述の回
復率の測定での50%伸長時の伸長強力を測定した。これ
らの結果を表−2に示す。
比較例1 MFRが20で融点が本発明の限定範囲外の124℃である、
ポリプロピレンを主成分とする共重合体を低融点成分と
して用いた以外は、表−1に示すように実施例1と同様
にして、単糸デニールが2de、ジグザグ捲縮数が14個/
インチ、繊維長が45mmであるステープルファイバーを得
たが、このステープルファイバーの真の熱収縮率は38%
と本発明の限定範囲外であった。また、見掛けの熱収縮
率は75%であった。
次いで、得られたステープルファイバーを用いて実施
例1と同様にして均一なウェッブを作製し、さらにこの
ウェッブについて実施例1と同様にして、それぞれニー
ドルパンチ法とエンボスロール熱融着法と水流絡合法と
により不織布化した後、125℃の熱処理を施して、目付
が100g/m2の均一な伸縮性不織布を得た。
このようにして得られた伸縮性不織布の伸縮性および
伸長の難易を実施例1〜15と同様にして評価した。これ
らの結果を表−2に示す。
比較例2〜5 真の熱収縮率と見掛けの熱収縮率の少なくとも一方が
本発明の限定範囲外である計4種類の複合繊維からなる
ステープルファイバーを、表−1に示すように、以下の
要領で得た。
高融点成分として、真の熱収縮率が大きくなり易い
低MFR(MFR=27)の結晶性ポリプロピレンを用いた以外
は実施例3と同様にした(比較例2)。
延伸に際して未延伸糸を60℃に予熱するとともに、
延伸温度(第1延伸ローラー温度)を30℃と低温にし
て、真の熱収縮率が大きくなり易くした以外は実施例3
と同様にした(比較例3)。
延伸に際して延伸倍率を3.7倍と比較的大きくし
て、真の熱収縮率が大きくなり易くした以外は実施例3
と同様にした(比較例4)。
オイリング時の水分を除去するための乾燥処理とし
て115℃の熱処理を行って、複合繊維の見掛けの熱収縮
率を範囲外に低下させた以外は実施例3と同様にした
(比較例5)。
この後、得られたステープルファイバー毎に実施例3
と同様にして均一なウェッブを作製し、さらにこのウェ
ッブについて実施例3と同様にして、それぞれニードル
パンチ法、エンボスロール熱融着法、または水流絡合法
により不織布化した後、125℃の熱風下にて10秒間熱処
理を施して、目付が100g/m2の均一な伸縮性不織布を得
た。
このようにして得られた各伸縮性不織布の伸縮性およ
び伸長の難易を実施例1〜15と同様にして評価した。こ
れらの結果を表−2に示す。
比較例6 まず、ポリエチレンテレフタレート樹脂を高融点成分
とし、共重合ポリエステル樹脂を低融点成分とする。繊
度が2.7de、捲縮数が14個/インチのジグザグ捲縮であ
る市範の並列型(高融点成分と低融点成分の断面積比率
は5/5)伸縮性複合繊維を用い、実施例1〜15と同様に
して均一なウェッブを作製し、さらにこのウェッブにつ
いて実施例1〜15と同様にして、それぞれニードルパン
チ法により不織布化した。
なお、この伸縮性複合繊維の真の熱収縮率は、表−1
に示すように160℃において8%、190℃において19%で
あり、見掛けの熱収縮率は160℃において40%、190℃に
おいて51%であった。
この後、160℃の熱風下および190℃の熱風下にてそれ
ぞれ10秒間熱処理を施して、目付が100g/m2の均一な伸
縮性不織布を2種類得た。
このようにして得られた各伸縮性不織布の伸縮性およ
び伸長の難易を実施例1〜15と同様にして評価した。こ
れらの結果を表−2に示す。
表−2にから明らかなように、実施例1〜15の不織布
の伸長回復率はいずれも80%以上であり、伸縮性に優れ
ていることが確認された。一方、比較例1〜6で得られ
た不織布の伸長回復率はいずれも75%以下であり、実施
例1〜15の不織布より伸縮性に劣っていることが確認さ
れた。
また、実施例1〜15でニードルパンチ法により得た不
織布の伸長強力はいずれも86g/5cm以下と小さく、容易
に伸長することが確認された。一方、比較例1〜6でニ
ードルパンチ法により得た不織布の伸長強力はいずれも
122g/5cm以上であり、実施例1〜15の不織布より伸長さ
せずらいことが確認された。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明の伸縮性繊維は、スパイ
ラル状の捲縮に関して高い捲縮能を有しているにも拘ら
ずオイリング時の水分を除去するための信号処理時には
その捲縮能を潜在化させることができ、必要時に適当な
熱処理を施すことによりスパイラル状の捲縮が高度に発
現して、伸縮性に優れた複合繊維になる。そしてこの伸
縮性複合繊維は、小さな伸長強力によっても容易に伸長
し、またポリオレフィン系重合体からなるため耐薬品性
に優れている。
したがって本発明を実施することにより、耐薬品性に
優れ、かつ伸縮性に優れているとともに小さな伸長強力
によっても容易に伸長する不織布を得ることが可能とな
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 釜谷 彰郎 岐阜県岐阜市藪田579―1 宇部日東化 成株式会社繊維研究所内 (72)発明者 菅原 智彦 岐阜県岐阜市藪田579―1 宇部日東化 成株式会社繊維研究所内 (56)参考文献 特開 平2−200859(JP,A) 特開 平2−191720(JP,A) 特開 昭60−21908(JP,A) 特開 昭60−81315(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】メルトフローレートが40の結晶性ポリプロ
    ピレンを高融点成分とし、ポリプロピレンを主成分と
    し、融点が125℃以上、メルトフローレートが17〜20の
    共重合体を低融点成分とし、これらを270℃以上の紡糸
    温度で紡糸して得られた偏心鞘芯型の複合繊維からな
    り、120℃における真の熱収縮率が25%以下、120℃にお
    ける見掛けの熱収縮率が55%以上であり、かつ、芯部が
    前記高融点成分である結晶性ポリプロピレンによって、
    また鞘部が前記低融点成分である共重合体によってそれ
    ぞれ形成されており、芯部と鞘部の断面積比が(芯部)
    /(鞘部)=6/4〜4/6、繊度が4de以下であることを特
    徴とする伸縮性複合繊維。
JP1307131A 1989-11-27 1989-11-27 伸縮性複合繊維 Expired - Lifetime JP2612350B2 (ja)

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