JP3856972B2 - 熱収縮性を有する分割型複合短繊維およびこれを用いた短繊維不織布 - Google Patents

熱収縮性を有する分割型複合短繊維およびこれを用いた短繊維不織布 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、分割性に優れ、かつ熱による収縮能を有する分割型複合短繊維およびこれを用いた短繊維不織布に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から触感の良好な不織布として、繊度が0.5dtex以下のような極細繊維を使用してニードルパンチング法ら高圧水流法などの三次元的絡合処理を施すことにより、高密度で触感の良好な不織布を得ようとする試みがなされている。例えば、特開昭54−96181号公報には、金属スルホネートを含有するポリエステル系樹脂とポリアミド系樹脂で構成された分割型複合繊維からなるシート基材を膨潤剤を含む加熱浴中で処理し、分割剥離させるとともに25%以上面積収縮させた不織布が開示されている。特開平2−91216号公報には、ポリエステル系樹脂とポリアミド系樹脂で構成された分割型複合繊維を沸騰水中での急激な熱処理により構成樹脂の熱収縮差によって分割を促進させる技術が開示されている。あるいは、特開平8−81832号公報には、ポリアルキレンテルフタレートを主とするポリエステル系重合体と非相溶性熱可塑性重合体からなる分割型複合繊維であって、一定値以上の乾熱収縮率差を利用して熱収縮によって分割を生じさせるポリエステル系分割型複合繊維が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの繊維および不織布には以下のような問題点がある。特開昭54−96181号公報では、ポリエステル樹脂に金属スルホネートを含有させるためにコスト高となるだけでなく、膨潤剤を用いて分割および熱収縮させるため、水洗工程を必要とするなど工程性に問題がある。また、特開平2−91216号公報では、沸騰水中あるいは50℃以上の加熱水浴中で加熱収縮を施して1成分を急激に収縮させるので、1成分の繊度のみが極端に大きくなり、収縮後の不織布において均一な空隙を得にくいだけでなく、均一に収縮しない可能性がある。さらに、特開平8−81832号公報では、繊維をウエブ状に積層してカレンダーロールなどの乾熱処理を施すので、高密度な不織布は得られるが、触感が硬くなり、極細繊維独特のソフトな風合いが得られなくなる。
本発明はこれらの実情に鑑み、高密度であり、かつ極細繊維独特のソフトな風合いを兼ね備えた不織布を得るのに好適な、分割性に優れ、かつ熱による収縮能を有する分割型複合短繊維を得ることを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明の熱収縮性を有する分割型複合短繊維は、ポリエステル系樹脂を第1成分、ナイロン−6樹脂を第2成分とし、繊維断面において2成分が交互に隣接して配置され、2成分のうち少なくとも1成分が2個以上に分割し、かつ各成分の少なくとも一部が繊維表面に露出している分割型複合短繊維において、該ナイロン−6樹脂の数平均分子量Mnが12500≦Mn≦15500であり、かつ複合短繊維の単繊維ヤング率が750〜1600N/mm2 および単繊維伸度が80〜160%であることを特徴とする。かかる構成を採ることにより、分割性に優れ、適度な熱収縮能を兼ね備えた分割型複合短繊維が得られる。
【0005】
本発明において、第1成分がポリエチレンテレフタレート樹脂、第2成分がナイロン6樹脂であることが望ましい。
【0006】
そして、前記分割型複合短繊維を少なくとも60重量%含有し、三次元的絡合処理および熱収縮処理を施した短繊維不織布は、高密度であり、かつ極細繊維独特のソフトな風合いを兼ね備えた人工皮革、屋内あるいは車両用内装材などに好適な不織布となる。
以下、本発明の内容を具体的に説明する。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の分割型複合短繊維は、繊維断面において2成分が交互に隣接して配置され、2成分のうち少なくとも1成分が2個以上に分割し、かつ各成分の少なくとも一部が繊維表面に露出した構造であり、高圧水流処理など種々の分割処理により、極細繊維を発生させるものである。図1〜2に本発明の分割型複合短繊維における繊維断面の一例を示す。1は第1成分(ポリエステル系樹脂)、2は第2成分(ポリアミド系樹脂)である。前記分割型複合短繊維の分割数は、工程性および分割性を考慮し、8〜24分割が好ましく、複合比(第1成分/第2成分の容積比)は、30/70〜70/30が好ましく、特に40/60〜60/40が好適である。また、本発明の分割型複合短繊維における分割後の繊度は、0.55dtex以下であることが好ましい。0.55dtexを超えると、分割処理後の熱収縮処理により収縮した極細繊維の繊度が大きくなるので、得られた短繊維不織布は極細繊維独特の風合いが得られなくなる。
【0008】
また、一方の成分において、繊維表面に露出している部分が全繊維表面に対して5〜95%であることが必要である。より好ましくは、20〜80%である。繊維表面に露出している部分の割合が5%未満、あるいは95%を超えると、分割率の低下につながるので好ましくない。そして、一方の成分の繊維表面に露出している部分の割合は、両成分の樹脂粘度によって調節することが可能であり、例えば、ポリエステル系樹脂の極限粘度、ポリアミド系樹脂の数平均分子量、溶融紡糸時の押出機の混練条件、溶融紡糸温度などを変化させることで調節できる。
【0009】
本発明の分割型複合短繊維に用いられるポリエステル系樹脂としては、エチレンテレフタレート系樹脂が好ましいが、共重合体はホモポリマーに比べて収縮挙動が大きいので、収縮差が大きく不織布化したときの風合いに影響を与えることから、極限粘度[η]が0.6≦[η]≦0.7であるポリエチレンテレフタレート樹脂が好適である。
【0010】
本発明の分割型複合短繊維に用いられるポリアミド系樹脂としては、数平均分子量Mnが12000≦Mn≦18000の樹脂を用いることが好ましい。より好ましくは12500≦Mn≦15500である。ポリアミド系樹脂の数平均分子量Mnが18000を超えると、分割性に劣り、12000未満であると、溶融紡糸工程での生産性が悪くなり好ましくない。上記を満たすポリアミド系樹脂としては、ナイロン6を使用することが好ましい。
【0011】
そして、本発明においては、ポリエステル系樹脂がポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリアミド系樹脂がナイロン6樹脂からなる組み合わせが、分割性、工程性、およびコスト面からも有用である。
【0012】
前記ポリエステル系樹脂およびポリアミド系樹脂からなる分割型複合短繊維における単繊維ヤング率は、750〜1600N/mm2 あることが好ましい。より好ましくは、900〜1500N/mm2 ある。本発明者等の実験によれば、ポリアミド系樹脂の数平均分子量を小さくすると、得られる複合短繊維の単繊維ヤング率が小さくなる傾向にある。そして、この単繊維ヤング率が分割型複合短繊維の熱収縮性および分割性に大きく影響することを見出し、上記範囲を満たすと、分割性に優れるとともに過度な収縮を引き起こすことのない適度な熱収縮性を有する分割型複合短繊維が得られるのである。その要因としては、ポリアミド系樹脂のヤング率がポリエステル系樹脂のヤング率に比べて小さく、ポリアミド系樹脂の数平均分子量が小さくなるほどポリエステル系樹脂のヤング率との間に隔たりが大きくなり、分割性に寄与したものと推定される。単繊維ヤング率が750N/mm2 未満であると、工程性が悪くなり、単繊維ヤング率が1600N/mm2を超えると、分割率が低下するので好ましくない。
【0013】
さらに、本発明の分割型複合短繊維における単繊維伸度が80〜160%であることが好ましい。より好ましくは、80〜120%である。単繊維伸度が80%未満であると、収縮率が小さくなり、目的とする高密度な短繊維不織布が得られず、単繊維伸度が160%を超えると、収縮率が大きくなりすぎ、繊維ウェブの収縮加工時にしわなどが発生し易くなるからである。そして、前記単繊維ヤング率と単繊維伸度において、所定範囲を同時に満たすことにより、分割性に優れるとともに、適度な熱収縮能を有する分割型複合短繊維を得ることができる。
【0014】
次に、本発明の分割型複合短繊維の製造方法について説明する。前記分割型複合短繊維は、その溶融紡糸温度、引取速度、延伸温度、延伸倍率などを調整することにより、単繊維伸度が80〜160%、単繊維ヤング率が750〜1600N/mm2 となるように調整して、所望の熱収縮挙動を有する分割性に優れた繊維を得ることができる。溶融紡糸温度は、両成分の粘度バランスを考慮して決定される。未延伸糸の引取速度は、2000m/min未満で行うことが好ましい。引取速度が2000m/minを超えると、引き取り時点で繊維の結晶の配向化が進むので好ましくない。未延伸糸の繊度は最終製品の繊度と延伸倍率とによって決定されるが、この場合4〜12dtexであることが好ましく、未延伸糸の繊度が4dtex未満であると、溶融紡糸工程での糸切れが生じ易くなり、12dtexを超えると、製品繊度が大きくなって分割後の繊度が大きくなるので、短繊維不織布において極細繊維特有の風合いが得られなくなるからである。
【0015】
また、延伸温度は、低温にシフトするほど熱収縮率の大きな繊維が得られる傾向にあり、延伸倍率においても低倍率にシフトするほど収縮率が大きくなる。本発明では、延伸の工程性を考慮すると延伸温度は40〜60℃、延伸倍率は1.0〜3.0倍が好ましい。特に延伸倍率については、1.2〜2.5倍が良好である。延伸温度が40℃未満であると、単繊維強力が低下し、カード通過性も悪くなり、延伸温度が60℃を超えると、所望の熱収縮率が得られなくなる。また、延伸倍率が3.0倍を超えても、所望の熱収縮率が得られなくなる。
【0016】
前記延伸により得られた延伸糸は、繊度1.0〜6.0dtexであることが好ましい。そして、繊維表面に界面活性剤等を付着後、捲縮を付与し、乾燥を行い所定の長さにカッターで切断される。乾燥温度は、低温にシフトするほど繊維の熱収縮率が大きくなる傾向にあり、好ましい乾燥温度は40℃〜70℃、さらに好ましくは40〜60℃である。乾燥温度が70℃を超えると、所望の熱収縮率が得られず、40℃未満であると、乾燥効率が悪く、生産性やコスト面で実用的でなくなるからである。また繊維長は、カード通過性を考慮すると30〜100mm、より好ましくは40〜60mmとするとよい。
【0017】
このようにして得られた分割型複合短繊維は、適度な熱収縮性を有する繊維となる。ここでいう熱収縮性は、下記のように求めることができる。
[熱収縮性]
パラレルカードを用いて繊維を開繊して約120g/m2のカードウェブを作製する。そして、前記カードウェブにオリフィスが0.6mm間隔で設けられたノズルから水圧8MPa の高圧柱状水流を表裏各2回噴射し、60℃の熱風乾燥機で乾燥した後、70℃の温水中で得られた不織布を20秒間浸漬して熱収縮処理を施し、(元の不織布面積−収縮後の不織布面積)を(元の不織布面積)で除して、100を乗じた数値をウェブ収縮率とした。
【0018】
上記により求めたウェブ収縮率は、20〜45%であることが好ましい。より好ましくは、25〜35%である。ウェブ収縮率が20%未満であると、高密度な短繊維不織布が得られず、45%を超えると、収縮時にしわが発生したり地合が乱れるほか、密度が非常に大きくなるために風合いの硬い短繊維不織布となるので好ましくない。
【0019】
本発明の分割型複合短繊維は、主として不織布に利用され、繊維ウェブを作製した後、そのまま熱収縮処理を施してもよいが、少なくとも60重量%含有し、三次元的絡合処理および熱収縮処理を施した短繊維不織布が、本発明の分割型複合短繊維の作用を十分に発揮することができるので好ましい。より好ましい含有量は、少なくとも80重量%である。分割型複合短繊維の含有量が60%未満であると、繊維ウェブが十分に収縮せず、高密度な短繊維不織布が得られないからである。
【0020】
前記分割型複合短繊維は、ローラーカード等公知の方法によって開繊され、繊維ウェブ化される。そして繊維ウェブの目付が100g/m2 以下の低目付である場合は、そのまま水流絡合などの三次元的絡合処理がなされる。一方、目付が100g/m2 を超える場合には、例えば、クロスレイヤ法によって繊維ウェブを積層した後に、三次元的絡合処理がなされる。ここでいう三次元的絡合処理とは、ニードルパンチング法のようにバーブ付きの針でパンチングして繊維の厚み方向に繊維を絡合させてもよいし、高圧水流によって繊維を絡合させてもよい。特に、高圧水流絡合法によれば、分割型複合短繊維を三次元的の絡合させるのと同時に高度に分割させることができるので好適である。必要であれば、前記ニードルパンチング法と高圧水流絡合法とを組み合わせて絡合処理してもよい。
【0021】
このようにして得られた絡合不織布は、熱処理により分割後発生した極細繊維および/または未分割の分割型複合短繊維を熱収縮させて高密度な短繊維不織布を得る。絡合不織布を熱収縮させる手段としては、乾熱、湿熱、蒸熱のいずれであってもよいが、温水に含浸させる方法が均一に熱がかかり、その結果として絡合不織布が均一に収縮するので好ましい。絡合不織布の収縮させるときの水温は50℃以上が好ましく、より好ましくは70〜80℃である。水温が50℃未満であると、収縮が不十分となるからである。収縮後は通常の方法で乾燥させるとよい。
【0022】
そして、前記熱収縮条件は、絡合不織布の面積収縮率が15〜50%となるように調整するとよい。面積収縮率が15%未満であると、高密度な短繊維不織布が得られず、面積収縮率が50%を超えると、収縮時にしわが発生して地合が乱れるほか、密度が非常に大きくなるために風合いの硬い短繊維不織布となるからである。
【0023】
【実施例】
以下、実施例にて本発明を詳細に説明する。なお、単繊維強力、単繊維伸度、単繊維ヤング率、不織布の厚み、および不織布分割率は、以下の方法で測定した。
【0024】
[単繊維強力、単繊維伸度]
JIS L 1015に準拠し、引張試験機を用いて、試料のつかみ間隔を20mmとしたときの荷重値および伸びを測定し、それぞれ単繊維強力および単繊維伸度とした。
【0025】
[単繊維ヤング率]JIS L 1015に準拠し、上記方法で試験を行い、荷重−伸長曲線から初期引張抵抗度P(N/tex )を求め、次式により算出した値を単繊維ヤング率とした。ただし、ρは繊維密度(g/cm3 )とした。
単繊維ヤング率( N/mm2 )=1000×P×ρ
【0026】
[厚み]
厚み測定器(商品名:DIAL THICKNESS GAUGE PEACOCK MODEL H: 株式会社大栄科学精器製作所製)を用い試料1cm2 あたり180gの荷重を加えた状態で測定した。
【0027】
[不織布分割率]
不織布断面の観察部分を電子顕微鏡にて300倍に拡大して任意に2カ所撮影し、撮影写真の分割している部分の面積を写真全体の面積で除した数値を分割率とした。
【0028】
[不織布収縮率]
(元の不織布面積−収縮後の不織布面積)を(元の不織布面積)で除して、100を乗じた数値を面積収縮率とした。
【0029】
[実施例1]
第1成分として、融点が250℃、固有粘度が0.64のポリエチレンテレフタレート樹脂(帝人(株)製:商品名NB-SD )を用い、第2成分として融点が220℃、数平均分子量が13000のナイロン−6樹脂(宇部興産(株)製:商品名Ny1013)を用いて、図1に示すような両成分が互いに相手成分によって16分割された菊花型断面を持つ複合繊維を、両成分の複合比は50/50、引取速度850m/minで溶融紡糸し、9.1dtexの未延伸糸を得た。
【0030】
得られた未延伸糸を60℃の温水中で2.2倍に延伸し、4.2dtexの延伸糸を得た。次いで、繊維油剤を約0.3重量%付着させ、スタッファボックスを通して機械捲縮を付与し、コンベア式熱風貫通型乾燥機を用い60℃で乾燥させ、45mmに切断して分割型複合短繊維を得た。
【0031】
上記分割型複合短繊維は、クロスレイヤ法により目付280g/m2の積層ウェブ化され、ニードルルームにおいて52本/cm2の条件でニードルパンチング処理を施した後、孔径0.12mmのオリフィスが0.6mm間隔に設けられたノズルから8MPa の高圧水を表2回、裏2回噴射することにより、絡合と同時に分割が施されて、目付250g/m2の絡合不織布となした。
【0032】
次いで、上記絡合不織布を70℃の温水中に20秒間浸漬して収縮処理を施し、60℃の熱風乾燥機で乾燥させて、見かけ密度0.334g/cm3の短繊維不織布を得た。
【0033】
[実施例2]
第2成分として、融点が220℃の数平均分子量15000のナイロン−6樹脂(宇部興産(株)製:商品名Ny1015)とした以外は、実施例1と同様の方法で、見かけ密度0.359g/cm3の短繊維不織布を得た。
【0034】
[実施例3]
未延伸糸を60℃の温水中で2.0倍延伸し、4.6dtexの延伸糸とした以外は、実施例1と同様の方法で、見かけ密度0.340g/cm3の短繊維不織布を得た。
【0035】
[比較例1]
第2成分として、融点が220℃の数平均分子量17500のナイロン−6樹脂(宇部興産(株)製:商品名Ny1017XI)とし、図1に示すような両成分が互いに相手成分によって16分割された菊花型断面を持つ複合繊維を、両成分の複合比は50/50、引取速度850m/min で溶融紡糸し、9.1dtexの未延伸糸を得て、80℃の温水中で2.2倍延伸し、4.3dtexの延伸糸とした以外は実施例1と同様の方法で、見かけ密度0.232g/cm3の短繊維不織布を得た。
【0036】
[比較例2]
第2成分として、融点が220℃の数平均分子量18000のナイロン−6樹脂(宇部興産(株)製:商品名Ny1018)とした以外は、実施例1と同様の方法で、見かけ密度0.227g/cm3の短繊維不織布を得た。
実施例1〜3および比較例1、2の繊維物性と不織布物性を表1に示す。
【0037】
【表1】
Figure 0003856972
【0038】
実施例1〜3は、ウェブ収縮率も大きく、熱収縮性に優れた分割型複合短繊維が得られ、これを不織布化すると、分割型複合短繊維が高度に分割した高密度な短繊維不織布が得られた。一方、比較例1においては、分割率は80%以上であったが、ウェブ収縮率が小さく、高密度な短繊維不織布が得られなかった。また、比較例2では、ウェブ収縮率は比較的大きいが、分割性に劣り風合いの良好な短繊維不織布が得られなかった。
【0039】
【発明の効果】
本発明は、ポリエステル系樹脂/ポリアミド系樹脂の2成分からなる分割型複合短繊維において、ポリアミド系樹脂の数平均分子量を所定の範囲とし、複合短繊維における単繊維ヤング率を所定の範囲となるように調整することにより、分割性に優れるとともに過度な収縮を引き起こすことのない適度な熱収縮性を有する繊維が得られる。
【0040】
そして、本発明の分割型複合短繊維を少なくとも60重量%含有し、三次元的絡合処理および熱収縮処理を施した短繊維不織布は、高密度であり、かつ極細繊維独特のソフトな風合いを兼ね備えた人工皮革、屋内あるいは車両用内装材などに好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の分割型複合短繊維における繊維断面の一例を示す。
【図2】本発明の分割型複合短繊維における繊維断面の別の一例を示す。
【符号の説明】
1.第1成分
2.第2成分

Claims (3)

  1. ポリエチレンテレフタレート樹脂を第1成分、ナイロン−6樹脂を第2成分とし、繊維断面において2成分が交互に隣接して配置され、2成分のうち少なくとも1成分が2個以上に分割し、かつ各成分の少なくとも一部が繊維表面に露出している分割型複合短繊維において、該ナイロン−6樹脂の数平均分子量Mnが12500≦Mn≦15500であり、かつ複合短繊維の単繊維ヤング率が750〜1600N/mm2および単繊維伸度が80〜160%であることを特徴とする熱収縮性を有する分割型複合短繊維。
  2. 請求項1に記載の分割型複合短繊維を少なくとも60重量%含有し、三次元的絡合処理および熱収縮処理を施した短繊維不織布。
  3. ポリエチレンテレフタレート樹脂を第1成分、ナイロン6樹脂を第2成分とし、繊維断面において2成分が交互に隣接して配置され、2成分のうち少なくとも1成分が2個以上に分割し、かつ各成分の少なくとも一部が繊維表面に露出している分割型複合短繊維の製造方法であって、
    ポリエチレンテレフタレート樹脂と、数平均分子量 Mn が12500≦ Mn ≦15500のナイロン−6とを、溶融紡糸して、未延伸糸を得ること、
    延伸温度を40〜60℃、延伸倍率を1.0〜3.0倍として、未延伸糸を延伸して、延伸糸を得ること、および
    延伸糸を、乾燥温度を40〜70℃として、乾燥すること
    を含む、分割型複合繊維の製造方法。
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