JP2020056135A - 分割型複合繊維、それを用いた短繊維不織布及びその製造方法 - Google Patents

分割型複合繊維、それを用いた短繊維不織布及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】分割型複合繊維を構成するセグメントの一部を芯鞘構造にするとともに、カード通過性を高め、短繊維不織布に好適に用いることができる分割型複合繊維、それを含む短繊維不織布及びその製造方法を提供する。【解決手段】本発明は、第1セグメントと第2セグメントを含む分割型複合繊維であり、前記第1セグメントは、第1成分からなる樹脂セグメントであり、前記第2セグメントは、断面構造が前記第1成分を芯成分とし、第2成分を鞘成分とする芯鞘型樹脂セグメントであり、前記第1成分は、ポリプロピレン樹脂を50質量%以上含む樹脂成分であり、前記第2成分は、ポリエチレン樹脂を50質量%以上含む樹脂成分であり、前記分割型複合繊維は、単繊維強度が1.8cN/dtex以上4.2cN/dtex以下であり、伸度が30%以上200%以下であり、かつ見掛ヤング率が700N/mm2以上4000N/mm2以下である、分割型複合繊維に関する。【選択図】なし

Description

本発明は、分割型複合繊維、それを用いた短繊維不織布及びその製造方法に関する。
極細繊維及び極細繊維を含む短繊維不織布を得るために、複数の熱可塑性樹脂を使用し、繊維断面を観察したときに、断面が2個以上の樹脂セグメント(以下、単にセグメントと称す。)で構成される分割型複合繊維を用いる方法が知られている。分割型複合繊維を用いると、繊維を各セグメントに分割することで、極細繊維を容易に得ることができる。
例えば、分割型複合繊維は、高圧水流による分割処理や、水に分散したスラリーを高速撹拌する処理等の外部から力を加えることで、各樹脂セグメントに分割され、容易に極細繊維が得られるため、特許文献1及び2では、緻密な構造が要求される電池用セパレータや精密ろ過膜に使用する湿式不織布を構成する繊維として使用することが提案されている。
また、分割型複合繊維をスパンレース不織布などの短繊維を使用した乾式不織布を構成する繊維として使用した場合、発生した極細繊維により、不織布の風合いが柔らかなものなるだけでなく、極細繊維の断面が円形ではないため、汚れのふき取り性(ワイピング性)に優れることから、特許文献2及び3では、分割型複合繊維を含む乾式不織布を化粧料含浸シートや対人・対物ワイピングシートなどに使用することが提案されている。
国際公開公報2011/122657号 特開2012−142235号公報 特開2006−000625号公報 特開2015−148023号公報
しかしながら、特許文献1及び2では、湿式不織布、すなわち抄紙法で繊維ウェブを得ることを前提にしている。そのため、当該特許文献に記載の繊維を25〜75mm程度の短繊維に切断し、短繊維不織布を含む乾式不織布を得ようとした場合、開繊工程やカード工程で繊維が各樹脂セグメントに分割してしまい、発生した極細繊維同士が交絡して繊維塊(ネップ)を形成したり、極細繊維がカード機の内部に絡みついたりすることで、地合いの良好な繊維ウェブが形成されない場合がある。また、特許文献3及び4には、分割型複合繊維を含む繊維ウェブを水流交絡させ、発生した極細繊維のうち、低融点の樹脂セグメントから発生した極細繊維を溶融し、熱接着させた水流交絡不織布を作製しているが、使用している分割型複合繊維の分割性を向上させるためには、水流交絡時に高い水圧の水流で分割・交絡処理を行う必要がある。特にポリプロピレン樹脂とポリエチレン樹脂といった、ポリオレフィン樹脂同士を組み合わせた分割型複合繊維や、ポリエステル樹脂同士を組み合わせた分割型複合繊維は、樹脂セグメント間の接着が強いことから、高い水圧で分割処理が行われており、その改良が求められている。
本発明は、上述した問題を解決するため、分割型複合繊維を構成するセグメントの一部を芯鞘構造にするとともに、カード通過性を高め、短繊維不織布に好適に用いることができる分割型複合繊維、それを含む短繊維不織布及びその製造方法を提供する。
本発明は、第1セグメントと第2セグメントを含む分割型複合繊維であり、前記第1セグメントは、第1成分からなる樹脂セグメントであり、前記第2セグメントは、断面構造が前記第1成分を芯成分とし、第2成分を鞘成分とする芯鞘型樹脂セグメントであり、前記第1成分は、ポリプロピレン樹脂を50質量%以上含む樹脂成分であり、前記第2成分は、ポリエチレン樹脂を50質量%以上含む樹脂成分であり、前記分割型複合繊維は、単繊維強度が1.8cN/dtex以上4.2cN/dtex以下であり、伸度が30%以上200%以下であり、かつ見掛ヤング率が700N/mm2以上4000N/mm2以下である、分割型複合繊維に関する。
本発明は、また、前記の分割型複合繊維を20質量%以上含む短繊維不織布に関する。
本発明は、また、前記の分割型複合繊維の製造方法であって、ポリプロピレン樹脂を50質量%以上含む樹脂成分を第1成分とし、ポリエチレン樹脂を50質量%以上含む樹脂成分を第2成分として使用し、分割型複合ノズルを装着した溶融紡糸機で溶融紡糸し、前記第1成分からなる樹脂セグメントである第1セグメントと、断面構造が前記第1成分を芯成分とし、前記第2成分を鞘成分とする芯鞘型樹脂セグメントである第2セグメントを含む紡糸フィラメントを得る工程と、60℃以上100℃以下の温度、かつ最大延伸倍率の0.58倍以上0.88倍以下の延伸倍率で、前記紡糸フィラメントを湿式延伸する工程とを含む、分割型複合繊維の製造方法に関する。
図1は、本発明の1形態の分割型複合繊維の断面を模式的に示す。 図2は、本発明の他の形態の分割型複合繊維の断面を模式的に示す。 図3は、比較例3の分割型複合繊維の断面を模式的に示す。 図4は、比較例4の分割型複合繊維の断面を模式的に示す。
本発明の発明者は、分割型複合繊維を構成するセグメントの一部を芯鞘構造にするとともに、カード通過性を高めることについて鋭意検討した。その結果、第1セグメントと第2セグメントを含む分割型複合繊維において、第1セグメントを第1成分からなる樹脂セグメントとし、第2セグメントを断面構造が前記第1成分を芯成分とし、第2成分を鞘成分とする芯鞘型樹脂セグメントとし、第1成分をポリプロピレン樹脂を50質量%以上含む樹脂成分とし、第2成分をポリエチレン樹脂を50質量%以上含む樹脂成分とするとともに、分割型複合繊維の単繊維強度を1.8cN/dtex以上4.2cN/dtex以下とし、伸度を30%以上200%以下とし、かつ見掛ヤング率を700N/mm2以上4000N/mm2以下にすることで、当該分割型複合繊維を含む乾式不織布における、極細繊維の発生率(分割処理後に極細繊維が発生している割合を意味し、一般的には分割率とも称される。)を低下させることなく、分割型複合繊維のカード通過性が高まることを見出した。すなわち、該分割型複合繊維は、上述した樹脂組成、強伸度及び見掛ヤング率を有することで、カード工程までは各樹脂セグメントに分割せず、不織布にする工程、例えば、水流交絡工程等の工程で分割、極細繊維化することができる。
図1及び2に本発明の1形態の分割型複合繊維(10、20)の断面をそれぞれ模式的に示す。いずれも第1セグメント(1)及び第2セグメント(2)を含み、第1セグメント(1)は、単一構造のセグメントであるが、第2セグメント(2)は、芯鞘型セグメント(図1及び図2)である。芯鞘型セグメントは、芯成分(4、14)と鞘成分(6、16)を有することができる。更に、分割型複合繊維は、中空(8)を有してよい(図1)。
<第1セグメント>
第1セグメントは、第1成分からなる樹脂セグメントである。第1セグメントは、分割型複合繊維の割繊により極細繊維1を形成する。言い換えるならば、第1セグメントは、第1成分から構成されており、断面が単一構造の単一型セグメントである。前記第1成分は、ポリプロピレン樹脂を50質量%以上含む樹脂成分である。前記第1成分は、ポリプロピレン樹脂を75質量%以上含むことが好ましく、80質量%以上含むことがより好ましい。
第1成分は、ポリプロピレン樹脂から実質的に成ることが特に好ましい。ここで、「実質的に」という用語は、通常、製品として提供されるポリプロピレン樹脂は安定剤等の添加剤を含むため、及び/又は繊維の製造の際に、各種添加剤が添加されるため、前記第1成分がポリプロピレン樹脂のみから成り、他の熱可塑性樹脂を全く含まない形態の繊維を得られないことを考慮している。通常、第1成分は、添加剤を最大で15質量%含むことができる。
本発明において、紡糸後に測定した、ポリプロピレン樹脂の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)(以下「Q値」ともいう。)は、6以下であることが好ましく、2以上5.5以下であることがより好ましく、2.2以上5未満であることがさらに好ましく、2.3以上4.5以下であることが特に好ましく、2.4以上4.2以下が最も好ましい。Q値が6以下であることで、紡糸後のポリプロピレン樹脂は、その中に含まれるポリプロピレン分子の大きさ(ポリプロピレン分子鎖の長さ)が揃っていて、その分布の幅がより狭いためポリプロピレン分子の挙動が揃いやすい。その結果、分割型複合繊維において繊維の断面形状、各セグメントの断面形状が整いやすいだけでなく、紡糸及び延伸時の糸切れが発生しにくい、生産性の高い繊維が得られやすくなる。繊維の生産性が良好であるため、得られた分割型複合繊維、及びそれを用いた短繊維不織布の諸物性がより向上する。
紡糸後に測定した、ポリプロピレン樹脂の重量平均分子量(Mw)は、750,000以下であることが好ましく、150,000以上700,000以下であることがより好ましく、200,000以上500,000以下であることがさらに好ましく、230,000以上400,000以下であることが特に好ましい。また、紡糸後に測定した、ポリプロピレン樹脂の数平均分子量(Mn)は、43,000以上150,000以下であることが好ましく、48,000以上120,000以下であることがより好ましく、55,000以上100,000以下であることが特に好ましい。ポリプロピレン樹脂の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の測定方法は、実施例に記載した。
ポリプロピレン樹脂は、プロピレンのホモポリマー(プロピレンをモノマーとする単独重合体)であってもよいし、プロピレンをモノマーとして含む共重合体(以下、ポリプロピレン系樹脂と称す。)であってもよい。ポリプロピレン樹脂は本発明が目的とする分割型複合繊維を得ることができる限り、特に限定されることはない。ポリプロピレン系樹脂としては、プロピレンをモノマーとして含むランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体又はそれらの混合物を用いることができる。上記ランダム共重合体、ブロック共重合体及びグラフト共重合体として、例えば、エチレン及び炭素数4以上のα−オレフィンからなる群から選ばれる少なくとも一種のα−オレフィンとの共重合体を例示できる。
上記炭素数4以上のα−オレフィンは、本発明が目的とする分割型複合繊維を得ることができる限り、特に限定されることはないが、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、3,3−ジメチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−オクタデセンなどを例示できる。上記共重合体におけるプロピレンの含有量は、50質量%より多いことが好ましい。第一成分としては、プロピレンのホモポリマーや上記ポリプロピレン系樹脂が使用できるが、製造し易さ及び経済性(製造コスト)等を考慮すると、プロピレンのホモポリマーが特に好ましい。これらは、単独で用いてもよく、二種以上を組合せて用いてもよい。
ポリプロピレン樹脂は、JIS K 7210に準ずるメルトマスフローレイト(以下、「MFR230」ともいう;測定温度230℃、荷重2.16kgf(21.18N))が、8g/10分以上60g/10分以下であることが好ましく、15g/10分以上60g/10分以下であることがより好ましく、20g/10分以上45g/10分以下であることが特に好ましく、25g/10分以上40g/10分以下であることが最も好ましい。
前記第1成分は、本発明の分割型複合繊維のカード通過性、分割性が失われない範囲で公知の添加剤を含んでもよい。公知の添加剤としてはシリコン系化合物、不飽和カルボン酸系化合物、(メタ)アクリル酸系化合物などの分割促進剤や、複数のグリセリンが重合したポリグリセリン系化合物に代表される親水化剤、炭酸カルシウムやタルクといった結晶化剤、帯電防止剤、つや消し剤、熱安定剤、光安定剤、難燃剤、抗菌剤、滑剤、可塑剤、柔軟化剤などを、第1成分の質量を100質量%としたときに0.1〜10質量%含有させてもよい。特に酸化チタンや酸化亜鉛といった白色の無機物の粉末(無機フィラー)は当該分割型複合繊維を含む不織布において、その透け感(透明感)を調整できるため、フェイスマスクなどの化粧料含浸皮膚被覆シートに使用する分割型複合繊維であれば、酸化チタンや酸化亜鉛などの無機フィラーを第1成分の質量を100質量%としたときに0.1〜3質量%含むか、あるいは第1成分に対し、酸化チタンや酸化亜鉛などの無機フィラーを意図的に添加しないことが好ましい。一方、不織布の見た目が白いことや、吸収した液体の色が見えにくいことが求められる各種吸収性物品に使用される不織布に本発明の分割型複合繊維を使用する場合、当該分割型複合繊維は、酸化チタンや酸化亜鉛などの無機フィラーを第1成分の質量を100質量%としたときに1〜10質量%含むことが好ましい。
<第2セグメント>
第2セグメントは、分割型複合繊維の割繊により第2セグメントに由来する極細繊維2を形成することが好ましい。第2セグメントは、断面構造が第1成分を芯成分とし、第2成分を鞘成分とする芯鞘型樹脂セグメントである。
第2成分は、ポリエチレン樹脂を50質量%以上含む樹脂成分である。好ましくは、上記第2成分は、ポリエチレン樹脂を75質量%以上含む樹脂成分であり、ポリエチレン樹脂を80質量%以上含むことがより好ましい。第2成分は、ポリエチレン樹脂から実質的に成ることが特に好ましい。ここで、「実質的に」という用語は、通常、製品として提供されるポリエチレン樹脂は安定剤等の添加剤を含むため、及び/又は繊維の製造の際に、各種添加剤が添加されるため、ポリエチレン樹脂のみから成り、他の成分を全く含まない形態の繊維を得られないことを考慮している。通常、第2成分は、添加剤を最大で15質量%含むことができる。
ポリエチレン樹脂は、ポリプロピレン樹脂との相溶性がよく、これらを組み合わせた分割型複合繊維は一般的に分割性が低い。本発明では、ポリプロピレン樹脂とポリエチレン樹脂との組み合わせであっても、分割型複合繊維が上述した強伸度特性を有することで、不織布にする工程において優れた分割性を得ることができる。
ポリエチレン樹脂は、エチレンのホモポリマー(エチレンをモノマーとする単独重合体である。)であってもよいし、エチレンをモノマーとして含む共重合体(以下、ポリエチレン系樹脂と称す。)であってもよい。前記エチレンのホモポリマーとしては、密度及び/又は分子構造の違いから、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、エチレンをモノマーとして含む共重合体として直鎖状低密度ポリエチレン(一般的な直鎖状低密度ポリエチレンは、エチレンと、1−ブテン(炭素数4)、1−ヘキセン(炭素数6)、1−オクテン(炭素数8)といったα−オレフィンをメタロセン触媒、あるいはチーグラー・ナッタ触媒を用いて共重合させることで得られるエチレン・α−オレフィン共重合体である)が挙げられる。ポリエチレン樹脂は本発明が目的とする分割型複合繊維を得ることができる限り、特に限定されることはない。ポリエチレン系樹脂としては、エチレンをモノマーとして含むランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体又はそれらの混合物を用いることができる。上記ランダム共重合体、ブロック共重合体及びグラフト共重合体として、例えば、エチレン及び炭素数3以上のα−オレフィンからなる群から選ばれる少なくとも一種のα−オレフィンとの共重合体を例示できる。
上記炭素数3以上のα−オレフィンは、本発明が目的とする分割型複合繊維を得ることができる限り、特に限定されることはないが、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、3,3−ジメチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−オクタデセンなどを例示できる。上記共重合体におけるエチレンの含有量は、50質量%以上であることが好ましい。第二成分としては、エチレンのホモポリマーや上記ポリエチレン系樹脂が使用できるが、製造し易さ及び経済性(製造コスト)を考慮すると、エチレンのホモポリマーが特に好ましい。これらは、単独で用いてもよく、二種以上を組合せて用いてもよい。
ポリエチレン樹脂は、JIS K 7210に準ずるメルトマスフローレイト(以下、「MFR190」ともいう;測定温度190℃、荷重2.16kgf(21.18N))は、5g/10分以上30g/10分未満であることが好ましく、8g/10分以上28g/10分未満であることがより好ましく、10g/10分以上25g/10分未満であることが特に好ましい。ポリエチレン樹脂のMFR190が、5g/10分以上30g/10分未満の範囲にある場合、分割型複合繊維の生産性がより向上する。
第2セグメントは、断面構造が第1成分を芯成分とし、第2成分を鞘成分とする芯鞘型樹脂セグメントである。第2セグメントが、芯鞘型樹脂セグメントであることで、不織布とする工程、例えば、水流交絡工程等の工程において、分割型複合繊維を割繊させることにより、繊維断面が芯鞘型の複合繊維となっている極細繊維(芯鞘型極細複合繊維)が形成される。その芯鞘型極細複合繊維の鞘成分である第2成分(ポリエチレン樹脂を50質量%以上含む)のみを溶融させることにより、分割型複合繊維の割繊により形成された極細繊維同士を熱接着させることができる。それゆえ、風合いが良好な短繊維不織布を得ることができる。
第2セグメントは芯鞘型樹脂セグメントであり、芯成分は第1セグメントを構成する樹脂成分と同様の第1成分であるので、分割型複合繊維が2種の樹脂成分で構成されることになり、ノズル設計及び複合紡糸がより容易となる。
第2セグメントは芯鞘型樹脂セグメントであり、第2セグメントの芯成分の断面形状は、本発明が目的とする分割型複合繊維を得ることができる限り、特に限定されることはない。芯成分の断面は、例えば、楕円形状を有してよく、あるいは真円形状を有してよい。また、芯成分は、第2セグメントの中心に位置してよく、あるいは中心に位置せず、偏心していてよい。
第2成分(鞘成分を構成し得る。)は、第1成分(芯成分を構成し得る)の融点より、低い融点を有することが好ましい。第2成分の融点は、第1成分の融点より、10℃以上低いことが好ましく、20℃以上低いことがより好ましい。
<分割型複合繊維>
本発明の1以上の形態の分割型複合繊維は、第1セグメントと第2セグメントを含むが、更に、他の樹脂セグメント、例えば第3のセグメントを含んでもよい。本発明が目的とする分割型複合繊維を得ることができる限り、他の樹脂セグメントは特に制限されることはない。他のセグメントを構成する樹脂成分として、例えば、ポリブテン−1、ポリメチルペンテン、エチレンビニルアルコール共重合体、エチレンプロピレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ナイロン6、及びナイロン66等を単独又は、二種以上を組み合せて用いてよい。他のセグメントは、1種又は2種以上であってよい。
分割型複合繊維は、各セグメントが相互に配置されていることが好ましい。例えば、放射状、多層状、十字状などであってよい。中でも、分割型複合繊維の分割性をさらに向上させる観点から、分割型複合繊維の各セグメントの配列は放射状であることが好ましい。
分割型複合繊維において、分割数(セグメント総数)は、分割型複合繊維の繊度、得ようとする極細繊維の繊度などに応じて決定されてよい。分割数は、例えば、4以上30以下であることが好ましく、6以上24以下であることがより好ましく、8以上18以下であることがさらに好ましく、8以上16以下であることが特に好ましい。分割数が4以下30以下である場合、繊維の生産性が適度で有り得、より紡糸し易いにもかかわらず、分割性も適度に保たれ得る。
分割型複合繊維は、繊維断面からみて繊維中心部に中空部を有することが好ましい。繊維中心部に中空部を有する場合、繊維中心部に中空部を有しない分割型複合繊維と比較して、隣り合う樹脂セグメントが接触している面積が小さくなることで、樹脂セグメント間が適度に接着することにより高圧水流による交絡処理を加えた際に割繊されやすく、未分割の分割型複合繊維が不織布内に残りにくくなる。更に、分割型複合繊維の紡糸時の糸切れを抑制することができる。
分割型複合繊維が中空部を有する場合、その中空率は、分割率及び極細繊維の断面形状などに応じて決定することができる。中空率は、繊維断面に占める中空部の面積の割合である。例えば、中空率は、1%以上50%以下程度であることが好ましく、5%以上40%以下程度であることが好ましい。より具体的には、分割数が6以上10以下である場合、中空率は5%以上20%以下であることが好ましく、分割数が12以上20以下である場合、中空率は15%以上40%以下であることが好ましい。中空率は、1%以上50%以下程度である場合、中空部を設けることによる効果を得やすい上、製造工程で分割型複合繊維が分割し難いので、取り扱い易く好ましい。
分割型複合繊維の繊維断面において、第1セグメントは、面積で20%以上80%以下を占めることが好ましく、面積で40%以上60%以下を占めることがより好ましい。分割型複合繊維の第1セグメントが面積で20%以上80%以下を占める場合、分割型複合繊維の分割性が低下し難く、容易に分割して、第1セグメントに由来する極細繊維1を形成できる。
本発明が目的とする分割型複合繊維を得ることができる限り、分割型複合繊維を構成する第1セグメントと第2セグメントとの体積比は、特に限定されることはない。例えば、第1セグメントの体積と第2セグメントの体積(第2セグメントの断面構造が、第1成分を芯成分とし、第2成分を鞘成分とする芯鞘型樹脂セグメントであるため、第2セグメントの芯成分と鞘成分とを合わせた体積)の比は、2/8以上8/2以下(第1セグメントの体積/第2セグメントの体積)であることが好ましく、4/6以上6/4以下であることがより好ましい。体積比が2/8以上8/2以下である場合、紡糸性がより向上し好ましい。
第2セグメントは芯鞘型樹脂セグメントであり、繊維断面の[第1セグメント+第2セグメント芯成分]/[第2セグメントの鞘成分]の体積比は、2/8以上8/2以下であることが好ましく、4/6以上6/4以下であることがより好ましい。該体積比が2/8以上8/2以下である場合、紡糸性がより向上し好ましい。尚、例えば、[第1セグメント+第2セグメントの芯成分]/[第2セグメントの鞘成分]の体積比が5/5である場合、第1セグメントの体積は、第2セグメント全体の体積よりも小さくなることに留意すべきである。
本発明が目的とする分割型複合繊維を得ることができる限り、第1成分と第2成分との体積比は、特に限定されることはない。例えば、第1成分の体積と第2成分の体積(芯成分と鞘成分とを合わせた体積)の比は、8/2以上3/7以下(第1成分の体積/第2成分の体積)であることが好ましく、75/25以上35/65以下であることがより好ましく、70/30以上40/60以下であることが特に好ましい。体積比が8/2以上3/7以下である場合、紡糸性がより向上し好ましい。
紡糸性、繊維ウェブにする際のカード通過性及び不織布にする際の分割性をより高める観点から、分割型複合繊維において、第1成分と第2成分の体積比(第1成分/第2成分)が8/2以上3/7以下であり、かつ前記第1セグメントと第2セグメントの体積比(第1セグメント/第2セグメント)2/8以上8/2以下であることが好ましく、第1成分と第2成分の体積比(第1成分/第2成分)が70/30以上40/60以下であり、かつ前記第1セグメントと第2セグメントの体積比(第1セグメント/第2セグメント)4/6以上6/4以下であることがより好ましい。
本発明が目的とする分割型複合繊維を得ることができる限り、分割型複合繊維の分割前の繊度は、特に限定されることはないが、0.5dtex以上4.8dtex以下であることが好ましく、0.8dtex以上3.6dtex以下であることがより好ましい。分割型複合繊維の分割前の繊度が、0.5dtex以上4.8dtex以下である場合、紡糸性が良好になり、生産性がより向上し好ましい。
分割型複合繊維の分割前の単繊維強度は、1.8cN/dtex以上4.2cN/dtex以下であり、伸度が30%以上200%以下であり、かつ見掛ヤング率が700N/mm2以上4000N/mm2以下である。強伸度及び見掛ヤング率が上述した範囲であると、繊維ウェブとする際のカード通過性が良好になり、不織布にする際の分割性も良好になる。
分割型複合繊維の分割前の単繊維強度は、1.8cN/dtex以上4.0cN/dtex以下であることが好ましく、1.9cN/dtex以上3.8cN/dtex以下であることがより好ましく、2.0cN/dtex以上3.6cN/dtex以下であることがさらに好ましい。単繊維強度は、実施例に記載の方法で、測定する。
分割型複合繊維の分割前の伸度は、40%以上190%以下であることが好ましく、50%以上180%以下であることがより好ましく、60%以上170%以下であることがさらに好ましく、70%以上160%以下であることが特に好ましい。伸度は、実施例に記載の方法で、測定する。
分割型複合繊維の分割前の見掛ヤング率が、800N/mm2以上3800N/mm2以下であることが好ましく、900N/mm2以上3600N/mm2以下であることがより好ましく、さらに好ましくは1000N/mm2以上3500N/mm2以下である。見掛ヤング率が上述した範囲内であると、繊維ウェブにする際のカード通過性がより良好になり、不織布にする際の分割性もより良好になる。見掛ヤング率は、実施例に記載の方法で、測定する。
分割型複合繊維の繊維長は、特に限定されないが、例えば、好ましくは25mm以上75mm以下、より好ましくは30mm以上70mm以下である。カード通過性により優れる観点から、繊維長が35mm以上65mm以下であることが特に好ましい。
<極細繊維>
分割型複合繊維は、割繊して、第1セグメントに由来する極細繊維1を形成し、第2セグメントに由来する極細繊維2を形成する。他のセグメントを含む場合、他のセグメントに由来する他の極細繊維を形成する。
分割型複合繊維の繊維断面構造は、各セグメントが放射状に交互に配列された維断面構造であることが好ましい。更に、分割型複合繊維において、繊維中心部に中空部を有する繊維断面構造とすることも好ましい。
極細繊維1及び/又は極細繊維2は、繊度が0.6dtex未満であることが好ましく、0.4dtex未満であることがより好ましい。極細繊維の繊度が0.6dtex未満である場合、厚さの薄い短繊維不織布をより容易に得ることができる。なお、極細繊維1と極細繊維2の繊度は、互いに同じでも異なっていてもよく、いずれの極細繊維についても、繊度の下限は、好ましくは0.006dtexである。
特に、極細繊維2は芯鞘型であることから、極細繊維2の繊度は、0.4dtex未満であることが好ましい。短繊維不織布において、芯鞘型複合繊維が含まれる場合、複合繊維の繊度が小さいほど、複合繊維の表面積が大きくなるため、熱接着面積が大きくなり、熱接着後の短繊維不織布の機械的強度がより高くなる。極細繊維2が、芯鞘型極細複合繊維である場合、特により小さい繊度を有することが好ましい。
上述の本発明の1以上の形態の分割型複合繊維は、目的とする分割型複合繊維を得られる限り、その製造方法は、特に制限されることはないが、好ましくは、第1成分、第2成分を、分割型複合ノズルを装着した溶融紡糸機で溶融紡糸し、第1セグメントと、第2セグメントを含む紡糸フィラメントを得る工程と、60℃以上100℃以下の温度、かつ最大延伸倍率の0.58倍以上0.88倍以下の延伸倍率で、紡糸フィラメントを湿式延伸する工程とを含むことが好ましい。
分割型複合繊維は、所望の繊維断面構造が得られるように、適切な複合紡糸ノズルを用いて、常套の溶融紡糸機を用いて、複合紡糸することができる。紡糸温度(ノズル温度)は、使用する樹脂成分に応じて選択され、例えば200℃以上360℃以下としてよい。
具体的には、溶融紡糸機に所定の繊維断面を得る分割型の複合ノズルを装着し、繊維断面において第1セグメントと第2セグメントが隣接し、互いに分割された構造となるように、紡糸温度200℃以上360℃以下で、第1成分(ポリプロピレン樹脂を含む樹脂成分)及び第2成分(ポリプロピレン樹脂を含む樹脂成分)押し出して溶融紡糸し、第1セグメント(第1成分からなる樹脂セグメント)及び第2セグメント(第1成分を芯成分とし、第2成分を鞘成分とする芯鞘型樹脂セグメント)を含む紡糸フィラメント(未延伸繊維束)を得ることができる。
紡糸フィラメント(未延伸繊維束)の繊度は、1dtex以上30dtex以下の範囲内であってよい。紡糸フィラメントの繊度が1dtex以上30dtex以下の場合、より紡糸を容易にすることができる。紡糸フィラメントを適宜に延伸して、繊維ウェブにする際のカード通過性及び不織布にする際の分割性をより向上させる観点から、紡糸フィラメントの繊度は、2.0dtex以上15dtex以下であることが好ましく、2.5dtex以上12dtex以下であることがより好ましく、3dtex以上10dtex以下であることがさらに好ましく、4.0dtex以上8.0dtex以下であることが特に好ましい。
次いで、紡糸フィラメントを公知の延伸処理機を用いて延伸処理して、延伸フィラメントを得ることができる。延伸処理は、上述した強伸度特性を有する分割型複合繊維を得やすい観点から、60℃以上100℃以下の温度、かつ最大延伸倍率(Vmax)の0.58倍以上0.88倍以下(延伸倍率/Vmax=0.58以上0.88以下)の延伸倍率で、湿式延伸で行うことが好ましい。
延伸方法は、湿式延伸であればよく、使用する樹脂成分に応じて、温水中、熱水中又は水蒸気で実施することが好ましい。延伸温度は、60℃以上98℃以下の範囲としてもよく、60℃以上95℃以下の範囲内としてもよく、70℃以上95℃以下の範囲としてもよく、80℃以上95℃以下の範囲としてもよい。延伸温度が前記範囲を満たす場合、容易に延伸できるだけでなく、繊維を均一に加熱できる湿式延伸にて延伸処理を行うことが好ましい。
延伸倍率は、最大延伸倍率の0.60倍以上0.88倍以下であることが好ましく、0.60倍以上0.85倍以下であることがより好ましく、0.62倍以上0.85倍以下であることが更により好ましく、0.65倍以上0.82倍以下であることが特に好ましい。最大延伸倍率は、実施例に記載の方法で求める。
前記延伸倍率は、最大延伸倍率との比率が前記範囲を満たし、かつ2倍以上5倍未満の延伸倍率とすることが好ましい。前記延伸倍率にて延伸工程を行うことで、未延伸の繊維を十分に延伸することができ、得られる分割型複合繊維が各種不織布を構成する繊維として十分な単繊維強度を有するようになるだけでなく、過剰に結晶化が進む可能性も低い。延伸倍率は2.5倍以上4.5倍以下であることが好ましく、2.8倍以上4倍未満であることがより好ましく、3倍以上3.8倍以下であることが特に好ましい。
得られた延伸フィラメントに、必要に応じて所定量の繊維処理剤が付着させられ、さらに必要に応じてクリンパー(捲縮付与装置)で機械捲縮が与えられる。繊維処理剤は、カード工程での静電気の発生を抑え、カード通過性を向上させる。また、繊維を20mm未満の繊維長に切断し、湿式不織布にする場合、繊維を水等に分散させることを容易にする。
繊維処理剤付与後の(又は繊維処理剤が付与されていないがウェットな状態にある)フィラメントに80℃以上110℃以下の範囲内にある温度で、数秒〜約30分間、乾燥処理を施し、繊維を乾燥させる。乾燥処理は場合により省略してよい。その後、フィラメントは、好ましくは、繊維長が1mm以上100mm以下、より好ましくは、2mm以上70mm以下となるように切断される。不織布をカード法で製造する場合、繊維長を25mm以上75mm以下とすることがより好ましい。
<短繊維不織布>
本発明の1以上の形態の短繊維不織布について説明する。上記短繊維不織布の繊維ウェブ形態も特に限定されず、例えば、カード法により形成されたカードウェブ、エアレイ法により形成されたエアレイウェブなどが挙げられる。
短繊維不織布は、風合いを高める観点から、分割型複合繊維(分割により形成された極細繊維、及び高圧水流などの分割処理を行っても分割しなかった、未分割の分割型複合繊維を含む)を15質量%以上含むことが好ましく、20質量%以上含むことがより好ましく、25質量%以上含むことが特に好ましい。短繊維不織布は、分割型複合繊維の分割により形成された極細繊維を10質量%以上の割合で含むことが好ましい。すなわち、短繊維不織布は、極細繊維1と極細繊維2とを合わせて10質量%以上の割合で含んでよい。短繊維不織布は、好ましくは極細繊維を15質量%以上の割合で含み、より好ましくは20質量%以上の割合で含み、最も好ましくは25質量%以上の割合で含む。本発明の分割型複合繊維を使用した短繊維不織布において、極細繊維の割合の上限は特に限定されず、短繊維不織布が分割型複合繊維の分割により形成された極細繊維を100質量%含む、即ち分割により形成された極細繊維からなる不織布であってもよい。短繊維不織布中の分割型複合繊維の占める割合が多いと、風合いが良好であり、緻密な不織布が得られやすい傾向がある。
短繊維不織布が、フェイスマスク等の化粧料含浸皮膚被覆シート用;乳幼児用紙おむつ、介護用紙おむつ、生理用ナプキン等の吸収性物品を構成する表面シート、セカンドシート及びバックシート等の吸収性物品用シートの不織布である場合、上記分割型複合繊維の割合が100質量%となる短繊維不織布を使用してもよい。上記分割型複合繊維を含む短繊維不織布に対し、ある程度の構成繊維間の空隙やそれに伴う通気性、通液性が求められるのであれば、短繊維不織布全体に占める分割型複合繊維の含有量は、90質量%以下でもよいし、80質量%以下でもよいし、75質量%以下でもよい。乾式不織布などの短繊維不織布中に含まれる上記分割型複合繊維の割合が90質量%以下である場合、得られた短繊維不織布に占める分割型複合繊維から発生した極細繊維の割合が適度となり、その用途によってはその構造が適度に緻密な不織布となり好ましい。
短繊維不織布は、極細繊維2を5質量%以上の割合で含むことが好ましく、8質量%以上の割合で含むことがより好ましく、10質量%以上の割合で含むことが特に好ましく、12質量%以上の割合で含むことが最も好ましい。好ましい上限は50質量%である。不織布中に極細繊維2として芯鞘型極細複合繊維をかかる範囲の割合で含む場合、小さい繊度(0.6dtex未満)の芯鞘型複合繊維を含むので、大きい繊度の芯鞘型複合繊維を同量含む不織布と比較して、より高い機械的強度を有する。また、薄くかつ機械的強度に優れた短繊維不織布を得ることができる。
極細繊維が10質量%以上含まれる場合、短繊維不織布は、前記分割型複合繊維から形成される極細繊維以外の他の繊維を90質量%以下の量で含んでよい。他の繊維は、天然繊維もしくは再生繊維であってよく、または合成樹脂から成る単一繊維及び複合繊維であってよい。あるいは、他の繊維は、別の分割型複合繊維から形成される極細繊維を含んでよい。あるいは、他の繊維は、分割型複合繊維から形成された極細繊維ではなく、単一紡糸法により製造された、繊度0.6dtex未満の極細繊維であってよい。あるいは、短繊維不織布は、前記分割型複合繊維に由来する繊維のみ(第1セグメントに由来する極細繊維1、第2セグメントに由来する極細繊維2、ならびに分割が完全に進行しなかったために発生する繊度の大きい繊維及び一本の繊維において枝分かれが生じている繊維等を含む)で構成されてよく、あるいは前記分割型複合繊維から形成される極細繊維のみで構成されてよい。
短繊維不織布は、好ましくは、短繊維不織布に占める小さい繊度(0.6dtex未満)の繊維の総量が、10質量%以上であることが好ましく、20質量%以上であることがより好ましく、50質量%以上であることがさらにさらに好ましく、70質量%以上であることが最も好ましい。なお、好ましい上限は100質量%である。短繊維不織布に占める小さい繊度(0.6dtex未満)の繊維の総量が上記範囲内であると、容易に厚さの薄い短繊維不織布を得ることができる。短繊維不織布に占める小さい繊度(0.6dtex未満)の繊維は、極細繊維1のみ、或いは極細繊維1及び極細繊維2のみであってよく、又は、これらと他の極細繊維とで構成されてよい。
短繊維不織布において、本発明の1以上の形態の分割型複合繊維は、物理的衝撃を与えることにより分割させることができる。例えば、水流交絡処理(高圧水流を噴射すること)により実施することができる。
短繊維不織布は、公知の方法に従って、繊維ウェブを作製した後、必要に応じて、熱処理に付して繊維同士を熱接着させて作製する。また、必要に応じて、繊維ウェブを繊維交絡処理に付してよい。繊維ウェブは、例えば、繊維長が25mm以上75mm以下の範囲内にある分割型複合繊維を用いてカード法またはエアレイ法等の乾式法により作製する。対人・対物ワイパーやフィルターなどの分野に用いる場合、カード法またはエアレイ法等の乾式法により製造された不織布であることが好ましい。乾式法により製造された不織布は、風合いが柔らかであり、適度な密度を有しているからである。
次いで、繊維ウェブを熱接着処理に付してよい。例えば、極細繊維2を含み、極細繊維2は芯鞘型極細複合繊維であるから、芯鞘型極細複合繊維の鞘成分により繊維同士を接着してよい。あるいは、分割型複合繊維の他に芯鞘型複合繊維を加えて、芯鞘型複合繊維の鞘成分により繊維同士を接着してよい。熱接着処理の条件は、繊維ウェブの目付、芯鞘型極細複合繊維の断面形態、及び不織布に含まれる繊維を構成する樹脂の種類等に応じて適宜選択される。例えば、熱処理機としては、シリンダードライヤー、熱風吹き付け加工機、熱ロール加工機、または熱エンボス加工機等を用いることができる。前記熱接着処理は、得られる短繊維不織布の用途によって選択される。短繊維不織布を対人・対物ワイピングシートや吸収性物品の表面シートといった柔らかで、かさ高な不織布が求められる用途に使用するのであれば、熱処理処理は圧力のかからない熱風吹き付け加工機を使用したエアスルー処理を行うことが好ましい。短繊維不織布を研磨布など硬さやコシが求められる用途に使用するのであれば、熱接着処理は繊維ウェブに対し圧力をかけるシリンダードライヤーや熱ロール加工機で行うことが好ましい。前記熱接着処理を行う際の温度は特に限定されないが、100℃以上150℃以下であることが好ましく、120℃以上145℃以下であることがより好ましい。
熱接着処理は、後述のように、繊維ウェブを水流交絡処理に付す場合、水流交絡処理の前に実施することが好ましい。繊維ウェブの繊維同士を予め接合してから水流交絡処理を実施すると、繊維に高圧水流があたるときに繊維の「逃げ」が生じにくくなり、繊維同士を緊密に交絡させることができ、分割型複合繊維の分割がより促進される。尤も、熱接着処理は、繊維同士を交絡させた後に実施してもよい。即ち、熱接着処理と水流交絡処理の順序は、所望の不織布が得られる限りにおいて特に限定されない。
短繊維不織布において、繊維同士を交絡させてよい。繊維同士を交絡させる処理として、高圧水流の作用により繊維同士を交絡させる水流交絡処理が好ましく用いられる。水流交絡処理によれば、不織布全体の緻密さを損なうことなく、繊維同士を強固に交絡させることができる。また、水流交絡処理によって、繊維同士の交絡と同時に当該分割型複合繊維の分割及び分割により生じた極細繊維同士の交絡も進行させることができる。
水流交絡処理の条件は、使用する繊維ウェブの種類及び目付、並びに繊維ウェブに含まれる繊維の種類及び割合等に応じて、適宜選択される。例えば、目付10g/m2以上120g/m2以下の繊維ウェブを水流交絡処理に付す場合、好ましくは繊維ウェブを70メッシュ以上100メッシュ以下程度の平織り構造等の支持体に載置して、孔径0.05mm以上0.3mm以下のオリフィスが0.5mm以上1.5mm以下の間隔で設けられたノズルから、水圧1MPa以上20MPa以下の柱状水流を繊維ウェブの片面または両面にそれぞれ1〜10回ずつ噴射することができる。柱状水流の水圧は、より好ましくは1.5MPa以上15MPa以下、さらに好ましくは2MPa以上10MPa以下である。水流交絡処理後の繊維ウェブは、必要に応じて乾燥処理に付される。
短繊維不織布は、必要に応じて親水化処理に付してよい。親水化処理は、フッ素ガス処理、ビニルモノマーのグラフト重合処理、スルホン化処理、放電処理、界面活性剤処理または親水性樹脂付与処理等の任意の方法を用いて実施してよい。
短繊維不織布は、好ましくは10g/m2以上120g/m2以下の目付を有し、より好ましくは15g/m2以上100g/m2以下の目付を有し、さらに好ましくは20g/m2以上80g/m2以下の目付を有し、特に好ましくは25g/m2以上60g/m2以下の目付を有する。繊維ウェブの目付が2g/m2以上であると、得られる繊維ウェブ及び短繊維不織布の地合が良好になり、短繊維不織布の強力や突刺強度が高いものとなりやすい。繊維ウェブの目付が100g/m2以下であると、短繊維不織布の通気性は低下せず、また、繊維ウェブに含まれる本発明の1以上の形態の分割型複合繊維を後述する水流交絡処理により各成分に分割させる際、高圧水流が繊維ウェブ全体に均一に作用しやすくなり、上記分割型複合繊維を充分に分割させることが容易になる。
また、本発明は、第2セグメントから形成される芯鞘型極細複合繊維の鞘成分により極細繊維同士を接着することができるため、極細繊維のみで繊維間を接着した短繊維不織布を形成することができる。
短繊維不織布は、乾式のワイピングシートとして用いることができる。その場合、必要に応じて流動パラフィンなどを付着させてよい。乾式のワイピングシートは、対象物の表面から、汚れ又は液体を取り除くシートとして用いてよく、あるいは、ワックスを家具、床、もしくは自動車に塗布する、または化粧料を皮膚に付与するために用いてよい。
また、短繊維不織布は、湿潤剤を含浸、噴霧、コーティング等の方法により付着させて、湿潤性のワイピングシートとして用いることができる。ここで、湿潤剤は、ワイピングシートを濡らす液体を指し、例えば、水、アルコール、各種機能剤(例えば、界面活性剤、洗浄剤、防腐剤、防曇剤、及び化粧料等)、またはこれらの混合物等である。湿潤剤は、短繊維不織布100質量部に対して、1000質量部以下の量で付着させてよく、50質量部以上500質量部以下の範囲内の量で付着させることが好ましく、50質量部以上300質量部以下の範囲内の量で付着させることがより好ましい。湿潤性のワイピングシートもまた、汚れを拭き取るシートとして用いてよく、あるいは、含浸させた液体を対象物(人を含む)に付与するために用いてよい。
より具体的には、湿潤性のワイピングシートをOA機器用のワイピングシートとして使用する場合には、アルコール(特にエタノール)を1質量%以上30質量%以下、洗浄剤を0.1質量%以上1.0質量%以下、防腐剤(特にパラベン)を0.3質量%以上1.0質量%以下、及び残部として精製水を含む湿潤剤を付着させることが好ましい。湿潤性のワイピングシートを窓ガラス清掃用のワイピングシートとして使用する場合には、アルコール(特にエタノール)を5質量%以上30質量%以下、洗浄剤を0.1質量%以上1.0質量%以下、防腐剤(特に工業用防腐剤)を0.5質量%以上2.0質量%以下、キレート剤を0.05質量%以上0.2質量%以下、保湿剤を1.0質量%以上5.0質量%以下、及び残部として精製水を含む湿潤剤を付着させることが好ましい。
対人用の湿潤性のワイピングシートは、より具体的には、例えば、お手拭き、おしり拭き、経血拭き、化粧落とし用シート、洗顔シート、制汗シート、及びネイルリムーバーとして提供される。
湿潤性のワイピングシートを、対人用フェイスマスク、角質ケアシート及びデコルテシートといった対人用液体含浸皮膚被覆シートとして提供する場合には、有効成分を含む液体(例えば化粧料)を不織布100質量部に対して、150質量部以上2500質量部以下の含浸量で含浸させてよい。有効成分は、特に限定されないが、例えば、保湿成分、角質柔軟成分、クレンジング成分、制汗成分、香り成分、美白成分、血行促進成分、紫外線防止成分、及び痩身成分等が挙げられる。
フェイスマスクは、顔を被覆するのに適した形状を有し、さらに、例えば、目、鼻及び口に相当する部分に、必要に応じて打ち抜き加工による開口部又は切り込み部が設けられた形態で提供することができる。あるいは、フェイスマスクは、顔の一部分(例えば、目元、口元 、鼻または頬)のみを覆うような形状のものであってよい。あるいは、フェイスマスクは、目の周囲を覆うシートと、口の周囲を覆うシートとから成るセットとして提供してよい。あるいは、3以上の部分を別々に覆うシートのセットとして提供してよい。
角質ケアシートは、角質が厚く、硬化しやすい踵、肘、膝などに使用される皮膚被覆シートであり、角質柔軟成分及び保湿成分等を含む液体を含浸させることにより、角質に対し保湿や軟化を促すシートや、余分な角質の除去を促進する効果を発揮するシートである。本発明の1以上の形態の短繊維不織布は、いずれの効果・効能を発揮する角質ケアシートにおいても、基材として使用することができる。角質ケアシート、例えば踵用の角質ケアシートは、貼り付ける際に、シートが踵の曲線に合わせやすくなるように、切り込み及び/もしくは切り欠き、ならびに/またはシートの一部が打ち抜かれて開口部を有する形態で提供される。
液体含浸皮膚被覆シートは、身体の任意の部位(例えば、首、手の甲、首から胸元までの部位(デコルテとも呼ばれている))を保湿またはその他のケアをするために用いられる、保湿成分またはその他の有効を含む液体を含浸させた保湿シートであってよい。あるいは、液体含浸皮膚被覆シートは、痩身成分を含む液体を含浸させた、痩身用シートであってよい。痩身用シートは、例えば、大腿部または腹部に貼り付けて用いられる。
対人用の乾式のワイピングシート、または、対人用の湿潤性のワイピングシートは、基材である不織布が折り畳まれた状態で提供されてよい。本発明の1以上の形態の短繊維不織布は、濡らして折り畳まれた状態から広げやすいものであるため、所定の包装袋または容器に収納するために、複数回折り畳まれた状態で提供されるのに適している。折り畳みは、不織布の一方向においてのみ行ってよく、あるいは不織布の異なる方向においてそれぞれ1回以上行われていてよい。例えば、液体を含浸させた不織布を、縦方向と平行な方向に(即ち、折り目が縦方向と平行となるように)1回以上折り畳み、横方向と平行な方向に(即ち、折り目が横方向と平行となるように)1回以上折り畳んで、ウェットワイピングシートまたは液体含浸皮膚被覆シートとして提供してよい。
以下に本発明を実施例及び比較例を用いて説明するが、これらの例は本発明を説明するためのものであり、本発明を何ら限定するものではない。
実施例及び比較例の不織布を製造するために使用した成分を以下に示す。
<第1成分:ポリプロピレン(PP)>
PP1:紡糸後Mn=9.6×104、紡糸後Mw=2.5×105、紡糸後Mz=5.3×105、紡糸後Q値=2.63、MFR230(g/10分)=30の日本ポリプロ株式会社製のSA03(商品名)
前記紡糸後の数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、z平均分子量(Mz)および紡糸後のQ値は、溶融紡糸時に採取した樹脂ストランドを試料として測定した。
PP2:紡糸後Mn=5.3×104、紡糸後Mw=2.8×105、紡糸後Mz=8.3×105、紡糸後Q値=5.21、MFR230(g/10分)=30のプライムポリマー株式会社製のS105HG(商品名)
前記紡糸後の数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、z平均分子量(Mz)および紡糸後のQ値は、溶融紡糸時に採取した樹脂ストランドを試料として測定した。
<第2成分:ポリエチレン(PE)>
PE1:高密度ポリエチレン、MFR190(g/10分)=20の日本ポリエチレン株式会社製のHE490(商品名)
PE2:直鎖状低密度ポリエチレン、MFR190(g/10分)=20の宇部丸善ポリエチレン株式会社製の431GD(商品名)
<数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、z平均分子量(Mz)、Q値の測定>
ポリプロピレン樹脂の数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、z平均分子量(Mz)、及びMwとMnの比であるQ値(Mw/Mn)ゲル浸透クロマトグラフ分析(GPC)により測定した。測定には、検出器として示差屈折率検出器RIを備えるゲル浸透クロマトグラフ装置(高温GPC装置、Polymer Laboratories製「PL−220」)を使用した。
ポリプロピレン樹脂を含む試料を5mg秤量し、この試料に対し、安定剤及び酸化防止剤としてブチルヒドロキシトルエン(BHT)を0.1質量%含む1,2,4−トリクロロベンゼン(TCB)を5mL秤量して加え、160℃から170℃に加熱しながら30分間攪拌してポリプロピレン樹脂を溶媒に溶解させた。次に、試料を溶解させた溶液から未溶解の試料といった異物を除去するため、この溶液を金属フィルターでろ過して測定用試料溶液を得た。得られた測定用試料溶液を、前記ゲル浸透クロマトグラフ装置に対し、流速を1.0mL/分、注入量0.2mL(200μL)の条件で注入して数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、z平均分子量(Mz)を測定した。測定する際、測定溶媒としてBHTを0.1質量%含むTCBを用い、カラムとして、昭和電工株式会社製 Shodex(登録商標) 品番HT−Gを1本、昭和電工株式会社製 Shodex(登録商標) 品番HT−806Mを2本使用し、カラム恒温槽の温度を145℃として測定した。
本発明において、ポリプロピレン樹脂の数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、z平均分子量(Mz)、Q値の測定は、紡糸後のポリプロピレン樹脂を使用して測定する。ポリプロピレン樹脂の各平均分子量(即ちMn、Mw及びMz)やQ値は、紡糸前と紡糸後で異なる場合がある。これは、比較的高分子量のポリプロピレン分子を構成する分子間の結合が紡糸時の熱で切断される、或いは、比較的高分子量のポリプロピレン分子の一部が低分子量のポリプロピレン分子に連鎖移動するためであると推察されている。
紡糸後のポリプロピレン樹脂における数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、z平均分子量(Mz)、Q値(Mw/Mn)を測定する場合、用いる試料は、測定したいポリプロピレン樹脂を使用して溶融紡糸を行う際、押出機の温度を290℃とし、紡糸ノズルを取り付けない状態で押出機からポリプロピレン樹脂を溶融させて押し出し、空気中にて空冷することで直径5〜8mmの棒状の樹脂ストランドを作製し、この棒状の樹脂ストランドを3mmほどの長さに切断したものを試料として測定を行ってもよいし、得られた分割型複合繊維を試料としてゲル浸透クロマトグラフィー、FT−IR分析を行い、各分子量における2成分の比率を求め、GPCカーブフィッティングにより各々の成分の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mz)およびMw/Mn(Q値)を算出してもよい。
<メルトマスフローレイト(MFR)の測定>
ポリプロピレン樹脂のメルトマスフローレイトは、JIS K 7210に準じ、230℃、荷加重21.18Nでメルトマスフローレイトを測定した。ポリエチレン樹脂のメルトマスフローレイトは、JIS K 7210に準じ、190℃、荷加重21.18Nでメルトマスフローレイトを測定した。
<実施例1の分割型複合繊維の製造>
図1に示す繊維断面形状を有し、第1セグメント及び芯鞘型第2セグメントの芯成分として、プロピレンのホモポリマーであるPP1を用い、芯鞘型第2セグメントの鞘成分として、高密度ポリエチレンであるPE1を用いて、分割数が16である、実施例1の分割型複合繊維を製造した。
実施例1の分割型複合繊維の製造は、下記の紡糸条件及び延伸条件で行った。押し出された溶融樹脂の断面構造が図1の断面となる分割型複合ノズルを用い、プロピレンのホモポリマーである(PP1)、高密度ポリエチレン(PE1)を別々の押出機に投入し、十分に溶融させた。溶融させた前記ホモポリプロピレン樹脂と高密度ポリエチレン樹脂を吐出量が、PP1/PE1の体積比=5/5(第1セグメント/第2セグメントの体積比=2.5/7.5)の割合になるようにそれぞれの押出機より押し出し、紡糸温度290℃、一つのノズル孔あたりの吐出量を0.51g/分とし、引取速度840m/分の条件で溶融樹脂を引き取り、冷却することで、繊度6.0dtexの紡糸フィラメントを得た。次に、紡糸フィラメントを80℃の温水を満たした水槽を使用し、80℃にて3.1倍の延伸倍率で湿式延伸し、繊度2.14dtexの延伸フィラメントを得た。
紡糸フィラメントの延伸性を評価するため、下記の方法で最大延伸倍率(Vmax)を測定した。まず、得られた紡糸フィラメントを、所定の延伸温度に合わせた延伸装置にセットした。この際、前記紡糸フィラメントを送り出すロールの送り出し速度(V1)を5m/秒とし、巻き取る側の金属ロールの巻き取り速度(V2)を5m/秒より徐々に増加させた。そして、紡糸フィラメントが破断したときの巻き取る側の金属ロールの巻き取り速度を最大延伸速度とし、上記最大延伸速度と未延伸繊維束を送り出すロールの送り出し速度との比(V2/V1)を求め、得られた速度比を最大延伸倍率(Vmax)とした。最大延伸倍率が3以上であると、高い延伸倍率で延伸処理が行えるため、繊度の小さい分割型複合繊維が容易に得られるため、好ましい。
実施例1の紡糸フィラメントについて上記の方法で最大延伸倍率を測定したところ、最大延伸倍率は(Vmax)は、4.6倍であった。従って、延伸倍率は、最大延伸倍率の0.68倍(延伸倍率/Vmax=0.68)であった。延伸フィラメントにアニオン系界面活性剤を主成分とする繊維処理剤を繊維の質量に対し、有効成分が0.3質量%になるように付着させ、余分な繊維処理剤をニップロールにて脱水した後、スタッフィングボックス型クリンパーにて機械捲縮に付し、15個/25mmの捲縮を付与した。そして、機械捲縮を付与した延伸フィラメントを100℃に設定した熱風吹き付け装置にて約15分間、弛緩した状態でアニーリング処理および乾燥処理に同時に付した。十分に乾燥した延伸フィラメントを45mmの繊維長に切断して、実施例1の分割型複合繊維を、短繊維の形態で得た。実施例1の分割型複合繊維の製造、構成及び繊度等を、下記表1に示した。
<実施例2〜5及び比較例1、2の分割型複合繊維の製造>
表1に記載した成分、紡糸条件及び延伸条件を用いた以外は、実施例1の分割型複合繊維の製造方法と同様の方法に従って、実施例2〜5及び比較例1、2の分割型複合繊維を、繊維長45mmの短繊維の形態で得た。実施例2〜5及び比較例1〜2の分割型複合繊維の製造、構成及び繊度等を、下記表1及び表2に示した。
<比較例3、4の分割型複合繊維の製造>
押し出された溶融樹脂の断面構造が図3の断面となる、繊維断面の中央部に中空部分が形成される中空16分割型の紡糸ノズルを用い、表2に記載した成分、紡糸条件及び延伸条件を用いた以外は、実施例1の分割型複合繊維の製造方法と同様の方法に従って、繊維を製造し、比較例3の分割型複合繊維(繊維長:45mm)を得た。
また、押し出された溶融樹脂の断面構造が図4の断面となる、繊維断面の中央部に中空部分が形成されない中実8分割型の紡糸ノズルを用い、表2に記載した成分、紡糸条件及び延伸条件を用いた以外は、実施例1の分割型複合繊維の製造方法と同様の方法に従って、繊維を製造し、比較例4の分割型複合繊維(繊維長:45mm)を得た。
<単繊維強度及び伸度の測定>
JIS L 1015(2010年)に準じ、引張試験機を用いて、試料のつかみ間隔を20mmとし、繊維が切断したときの荷重値を単繊維強度とし、切断したときの伸びを伸度とした。
<見掛ヤング率>
上記方法で引張試験を行って、荷重−伸長曲線を描き、JIS L 1015(2010年)8.11に準じて、第1降伏点までの最大傾き量(初期引張抵抗度)を求め、初期引張抵抗度から見掛ヤング率を求めた。
<実施例1の短繊維不織布の製造>
実施例1の分割型複合繊維を用いて、パラレルカード機を用いて目付約50g/m2のカードウェブを作製した。次に、カードウェブを経糸の直径が0.2mm、緯糸の直径が0.2mmであり80メッシュの平織の搬送用支持体上に載置し、カードウェブ上に孔径が0.12mmのオリフィスが1mm間隔でウェブの幅方向に一直線に配列されたノズルから水圧2.5MPaの水流を2回噴射し、ウェブを裏返して同じノズルから水圧4MPaの水流を2回噴射して、水流交絡処理を施した。次いで、前記水流交絡処理した短繊維不織布を、温度140℃に設定された熱風加工機を用いて、45℃秒間乾燥と同時に熱処理をして、極細繊維2の鞘成分で繊維同士を接着させて、実施例1の短繊維不織布を得た。実施例1の分割型複合繊維は、いずれもカード通過性が良好であり、得られた繊維ウェブ及び水流交絡不織布の地合いが均一なものであった。
(実施例2〜5の短繊維不織布の製造)
実施例2〜5の分割型複合繊維を用いた以外は、実施例1に記載の方法と同様の方法を用いて、実施例2〜5の不織布を得た。実施例2〜5の分割型複合繊維は、いずれもカード通過性が良好であり、得られた繊維ウェブ及び水流交絡不織布の地合いが均一なものであった。
(比較例1の短繊維不織布の製造)
比較例1の分割型複合繊維を用いて、パラレルカード機を用いて目付約50g/m2のカードウェブの作製を試みたが、カード機内部への繊維の巻き付きが多発し、でウェブを作製することができなかった。
(比較例2〜4の短繊維不織布の製造)
比較例2〜4の分割型複合繊維を用いた以外は、実施例1に記載の方法と同様の方法を用いて、比較例2〜4の不織布を得た。
<カード通過性の評価>
パラレルカード機を用いてカードウェブを作製時のカード通過性を下記のように評価した。
A:原綿のカード機への巻き付き、ネップが発生せず、地合いの良い繊維ウェブが得られる。
B:繊維ウェブは得られるものの、カード機への繊維の巻き付き、ネップが発生し、繊維ウェブの地合いが良くない
C:原綿のカード機内部への巻き付きが多発し、繊維ウェブを作製することが不可能である。
<水流交絡不織布の分割性の評価>
上記方法で水流交絡不織布を製造する際、高圧水流による交絡、分割処理を行った後の繊維ウェブを取り出し、室温で十分に乾燥させた、乾燥させた繊維ウェブの断面を走査型電子顕微鏡(SEM)にて200〜600倍に拡大して観察し、分割型複合繊維から得られた水流交絡不織布の分割性を以下のように評価した。
A:繊維ウェブの断面において、分割処理前の繊維断面形状をそのまま維持している繊維がほとんどない。
B:繊維ウェブの断面において、分割処理前の繊維断面形状を維持している繊維が複数存在する。
C:繊維ウェブの断面において、分割処理前の繊維断面形状を維持している繊維が多数存在する。
Figure 2020056135
Figure 2020056135
実施例1〜5の分割型複合繊維は、単繊維強度が1.8cN/dtex以上4.2cN/dtex以下であり、伸度が30%以上200%以下であり、かつ見掛ヤング率が700N/mm2以上4000N/mm2以下であることから、カード通過時に繊維の分割が発生せず、カード通過性が良好であるとともに、水流交絡後の分割性も良好であり、高い比率で生じた極細繊維により、触感がなめらかな水流交絡不織布となった。一方、比較例1の分割型複合繊維は、カード通過性が悪く、繊維ウェブを作製することができなかった。比較例1の分割型複合繊維は、実施例1と繊維断面の構造、第1成分、第2成分が同一であるが、延伸工程にて、熱可塑性樹脂の結晶化が促進される乾式延伸を行い、加えて乾式延伸を最大延伸倍率に近い延伸倍率で延伸したため、第1成分であるポリプロピレンの結晶化が進み、分割性が高くなりすぎたために、カード通過時にカード機内部で分割され、カード機内部への巻き付きやネップが発生したと推測される。同様に、比較例2の分割型複合繊維も、湿式延伸ではあるが最大延伸倍率に近い延伸倍率で延伸したため、比較例1と同様にポリプロピレンの結晶化が進みすぎ、分割性が高くなりすぎたために、カード機内部への巻き付きやネップが発生したと推測される。
比較例3の分割型複合繊維は、カード通過性は良好であったが、得られた水流交絡不織布の断面を観察すると、実施例1〜5の不織布と比較して未分割の分割型複合繊維が多かった。実施例1〜5の分割型複合繊維は、繊維の断面が第1成分からなるセグメントと第1成分が芯成分、第2成分が鞘成分の芯鞘構造のセグメントが交互に配置された構造となっている。そして、第1成分をポリプロピレンが50質量%以上含まれる樹脂成分、第2成分をポリエチレンが50質量%以上含まれる樹脂成分となっており、ポリエチレン樹脂と比べて硬質のポリプロピレン樹脂がポリエチレン樹脂を含む第2セグメントの両側に配置されるだけでなく、第2セグメントの中心(即ち芯成分)として配置されるため、高圧水流といった衝撃がポリプロピレン樹脂を伝ってポリエチレン樹脂に作用しやすくなったこと、また、第2セグメントが芯鞘構造となっていることで、延伸工程にて2つの樹脂成分の延伸性の違いによるひずみが第1セグメントと第2セグメントの間だけでなく、第2セグメントの芯成分と鞘成分の間にも発生することから、分割処理の際、このひずみが解放されるように作用し、水流交絡での分割性が高められたと推測される。実施例1〜5の分割型複合繊維とは異なり、第1成分からなる第1セグメント、第2成分からなる第2セグメントを交互に配置した比較例3の分割型複合繊維では前記作用が発生せず、カード機内部では分割されないものの水流交絡処理を行っても十分に分割されなかったと考えられる。また、比較例4の分割型複合繊維は、比較例3の分割型複合繊維と同様、第1成分からなる第1セグメント、第2成分からなる第2セグメントを交互に配置した繊維断面の構造であり、加えて中空部分を有さない断面構造であることから第1セグメント、第2セグメントの接触している面積が広くなることで、セグメント間が強く接着され、水流交絡処理では十分に分割されなかったと考えられる。
本明細書は、下記の形態を含む。
1.
第1セグメントと第2セグメントを含む分割型複合繊維であり、
前記第1セグメントは、第1成分からなる樹脂セグメントであり、
前記第2セグメントは、断面構造が前記第1成分を芯成分とし、第2成分を鞘成分とする芯鞘型樹脂セグメントであり、
前記第1成分は、ポリプロピレン樹脂を50質量%以上含む樹脂成分であり、
前記第2成分は、ポリエチレン樹脂を50質量%以上含む樹脂成分であり、
前記分割型複合繊維は、単繊維強度が1.8cN/dtex以上4.2cN/dtex以下であり、伸度が30%以上200%以下であり、かつ見掛ヤング率が700N/mm2以上4000N/mm2以下である、分割型複合繊維。
2.
紡糸後に測定された、前記ポリプロピレン樹脂の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が、6以下であり、かつ、紡糸後に測定された、前記ポリプロピレン樹脂の重量平均分子量(Mw)が750,000以下である、上記1に記載の分割型複合繊維。
3.
前記分割型複合繊維は、繊維長が25mm以上75mm以下である、上記1又は2に記載の分割型複合繊維。
4.
前記分割型複合繊維において、前記第1成分と前記第2成分の体積比(第1成分/第2成分)が8/2以上3/7以下であり、かつ前記第1セグメントと前記第2セグメントの体積比(第1セグメント/第2セグメント)2/8以上8/2以下である、上記1〜3のいずれかの分割型複合繊維。
5.
前記ポリエチレン樹脂は、高密度ポリエチレン樹脂及び直鎖状低密度ポリエチレン樹脂からなる群から選ばれる1種以上であり、前記ポリエチレン樹脂のJIS K 7210(測定温度190℃、荷重2.16kgf(21.18N))に準じて測定したメルトマスフローレイトが、5g/10分以上30g/10分未満である、上記1〜4のいずれかの分割型複合繊維。
6.
上記1〜5のいずれかの分割型複合繊維を20質量%以上含む短繊維不織布。
7.
上記1〜5のいずれかの分割型複合繊維の製造方法であって、
ポリプロピレン樹脂を50質量%以上含む樹脂成分を第1成分とし、ポリエチレン樹脂を50質量%以上含む樹脂成分を第2成分として使用し、分割型複合ノズルを装着した溶融紡糸機で溶融紡糸し、前記第1成分からなる樹脂セグメントである第1セグメントと、断面構造が前記第1成分を芯成分とし、前記第2成分を鞘成分とする芯鞘型樹脂セグメントである第2セグメントを含む紡糸フィラメントを得る工程と、
60℃以上100℃以下の温度、かつ最大延伸倍率の0.58倍以上0.88倍以下の延伸倍率で、前記紡糸フィラメントを湿式延伸する工程とを含む、分割型複合繊維の製造方法。
本発明の1以上の形態の分割型複合繊維は、一方の樹脂セグメントを芯鞘型樹脂セグメントとすることで、加熱により極細繊維間を接着できる分割型複合繊維であり、良好なカード通過性で、風合いが柔らかい短繊維不織布を作製できる。本発明の1以上の形態の短繊維不織布は、例えば、対人及び/又は対物ワイパー等の各種ワイピングシート、フェイスマスク等の化粧料含浸皮膚被覆シート、乳幼児用紙おむつ、介護用紙おむつ、生理用ナプキン等の吸収性物品を構成する表面シート、セカンドシート及びバックシート等の吸収性物品用シート等として有用である。
1:第1セグメント
2:第2セグメント
4、14:芯成分
6、16:鞘成分
8:中空
10、20、30、40:分割型複合繊維

Claims (7)

  1. 第1セグメントと第2セグメントを含む分割型複合繊維であり、
    前記第1セグメントは、第1成分からなる樹脂セグメントであり、
    前記第2セグメントは、断面構造が前記第1成分を芯成分とし、第2成分を鞘成分とする芯鞘型樹脂セグメントであり、
    前記第1成分は、ポリプロピレン樹脂を50質量%以上含む樹脂成分であり、
    前記第2成分は、ポリエチレン樹脂を50質量%以上含む樹脂成分であり、
    前記分割型複合繊維は、単繊維強度が1.8cN/dtex以上4.2cN/dtex以下であり、伸度が30%以上200%以下であり、かつ見掛ヤング率が700N/mm2以上4000N/mm2以下である、分割型複合繊維。
  2. 紡糸後に測定された、前記ポリプロピレン樹脂の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が、6以下であり、かつ、紡糸後に測定された、前記ポリプロピレン樹脂の重量平均分子量(Mw)が750,000以下である、請求項1に記載の分割型複合繊維。
  3. 前記分割型複合繊維は、繊維長が25mm以上75mm以下である、請求項1又は2に記載の分割型複合繊維。
  4. 前記分割型複合繊維において、前記第1成分と前記第2成分の体積比(第1成分/第2成分)が8/2以上3/7以下であり、かつ前記第1セグメントと前記第2セグメントの体積比(第1セグメント/第2セグメント)2/8以上8/2以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の分割型複合繊維。
  5. 前記ポリエチレン樹脂は、高密度ポリエチレン樹脂及び直鎖状低密度ポリエチレン樹脂からなる群から選ばれる1種以上であり、前記ポリエチレン樹脂のJIS K 7210測定温度190℃、荷重2.16kgf(21.18N))に準じて測定したメルトマスフローレイトが、5g/10分以上30g/10分未満である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の分割型複合繊維。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の分割型複合繊維を20質量%以上含む短繊維不織布。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の分割型複合繊維の製造方法であって、
    ポリプロピレン樹脂を50質量%以上含む樹脂成分を第1成分とし、ポリエチレン樹脂を50質量%以上含む樹脂成分を第2成分として使用し、分割型複合ノズルを装着した溶融紡糸機で溶融紡糸し、前記第1成分からなる樹脂セグメントである第1セグメントと、断面構造が前記第1成分を芯成分とし、前記第2成分を鞘成分とする芯鞘型樹脂セグメントである第2セグメントを含む紡糸フィラメントを得る工程と、
    60℃以上100℃以下の温度、かつ最大延伸倍率の0.58倍以上0.88倍以下の延伸倍率で、前記紡糸フィラメントを湿式延伸する工程とを含む、分割型複合繊維の製造方法。
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