JPH07147154A - アルカリ電池用セパレータ - Google Patents

アルカリ電池用セパレータ

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JPH07147154A
JPH07147154A JP5349685A JP34968593A JPH07147154A JP H07147154 A JPH07147154 A JP H07147154A JP 5349685 A JP5349685 A JP 5349685A JP 34968593 A JP34968593 A JP 34968593A JP H07147154 A JPH07147154 A JP H07147154A
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separator
fibers
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Nobutoshi Tokutake
信利 徳武
Masanao Tanaka
政尚 田中
Kazuya Sato
和哉 佐藤
Tomoaki Arimura
智朗 有村
Etsuro Nakao
悦郎 中尾
Hiroaki Yamazaki
洋昭 山崎
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Japan Vilene Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 短絡が生じにくく、保液性に優れ、長期間に
亘って、円滑に起電反応を行なうことのできるアルカリ
電池用セパレータを提供すること。 【構成】 ポリオレフィン系分割性複合繊維が分割した
極細繊維を主体とする、ポリオレフィン系繊維からなる
水流絡合不織布に、ビニルモノマーをグラフト重合して
親水化処理した、アルカリ電池用セパレータである。な
お、水流絡合不織布が、低融点のポリオレフィン系接着
繊維で接着されていると、強度的に優れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアルカリ電池用セパレー
タに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、アルカリ電池の正極と負極と
を分離して短絡を防止すると共に、電解液を保持して起
電反応を円滑に行なわせるために、セパレータが使用さ
れている。
【0003】例えば特開平3−257755号には、ポ
リオレフィン重合体成分とエチレン−ビニルアルコール
共重合体成分とからなる繊維の断面において、一方の成
分が他方の成分の間に介在して2個以上に分割され、こ
れら成分の一部が繊維表面に露出した分割型複合繊維
が、各成分毎に分割された極細繊維の不織布からなるセ
パレータが開示されている。このセパレータはポリオレ
フィン重合体成分による耐アルカリ性と、エチレン−ビ
ニルアルコール共重合体成分による保液性に優れている
というものである。
【0004】しかしながら、このセパレータのエチレン
−ビニルアルコール共重合体成分が電解液で溶解した
り、二次電池に使用した場合には、電極から生じるガス
によって分解しやすいため、短絡が生じたり、十分な保
液性が得られないため、長期間に亘って、円滑に起電反
応を行なうことができないなどの問題があった。特に、
このセパレータを二次電池用のセパレータとして使用し
た場合には、充放電毎の極板の膨張によりセパレータが
圧縮され、保液性が低下しやすいため、円滑に起電反応
を行なうことができないものであった。
【0005】他方、ポリオレフィン系の繊維を使用した
セパレータは、耐アルカリ性に優れているが、電解液の
保液性が悪いため、界面活性剤などを使用して保液性を
高めたセパレータも知られているが、このセパレータは
初期的にはある程度の親水性が得られるものの、長期に
亘る保液性、特に、このセパレータを二次電池用のセパ
レータとして使用した場合には、前述と同様に、セパレ
ータが圧縮されると、保液性が低下し、円滑に起電反応
を行なうことができないものであった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題点
を解決するためになされたものであり、本発明の目的は
短絡が生じにくく、保液性に優れ、長期間に亘って、円
滑に起電反応を行なうことのできるアルカリ電池用セパ
レータを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のアルカリ電池用
セパレータ(以下、単に「セパレータ」ということがあ
る)は、ポリオレフィン系分割性複合繊維が分割した極
細繊維を主体とする、ポリオレフィン系繊維からなる水
流絡合不織布が、親水化処理されたものである。
【0008】また、水流絡合不織布が、低融点のポリオ
レフィン系接着繊維で接着されていると、強度的に優れ
るため、製造上好ましいセパレータである。
【0009】更に、水流絡合不織布にビニルモノマーを
グラフト重合して、親水化処理したセパレータである
と、より優れた保液性、及び繊維強度を有している。
【0010】
【作用】本発明のセパレータはポリオレフィン系繊維か
らなるので、耐電解液性及び耐酸化性に優れており、分
解して短絡することもない。しかもこのポリオレフィン
系繊維は分割性複合繊維が分割した極細繊維を主体とし
ているので、分割性複合繊維の表面積よりも表面積が広
くて、繊維の交絡点間距離が短く、不織布の空隙も微小
で、キャピラリー効果が作用する。そのため、この極細
繊維を主体とする不織布を親水化処理したセパレータ
は、長期間に亘って保液性に優れたものである。更に
は、セパレータを水流絡合法により形成しており、繊維
の配向方向が略厚さ方向であるため、二次電池用のセパ
レータとして使用した場合には特に、極板の圧縮に抗す
ることができ、保液性が低下しにくく、長期に亘って安
定して使用できるものである。
【0011】以下、本発明のセパレータの製造方法をも
とに説明する。
【0012】本発明のセパレータに使用できる繊維は耐
電解液性及び耐酸化性を有する、ポリオレフィン系繊維
である必要がある。ポリオレフィン系繊維として、例え
ば、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維などの単一
成分からなる繊維や、ポリエチレン、ポリプロピレン、
エチレン−プロピレンコポリマー、エチレン−ブテン−
プロピレンコポリマーなどの樹脂を適宜組み合わせた、
芯鞘型、サイドバイサイド型、偏芯型、或いは図1
(a)〜(d)に示すような、一成分1を他成分2の間
に配した菊花状の繊維断面を有するものや、図1(e)
に示すような、一成分1と他成分2とが交互に層状に積
層した繊維断面を有する、分割性又は非分割性の複合繊
維などがある。なお、これらポリオレフィン系繊維の中
でも、分割性複合繊維を主体として使用すると、水流絡
合処理と同時に分割し、絡合できるため、製造上好まし
いばかりでなく、得られる極細繊維は表面積が広いため
電解液に対する親和力が働き、しかも繊維の交絡点間距
離が短くて空隙も微小で緻密あるため、キャピラリー効
果が生じて、長期間に亘って保液性に優れ、更には物理
的にデンドライトによる短絡を防止できるため、この点
においても、長期間使用可能なセパレータとなる。
【0013】この分割性複合繊維を分割して得られる極
細繊維は、細ければ細いほどキャピラリー効果を生じや
すく、物理的にデンドライトを防止することができる
が、あまりにも細すぎると、強度のないセパレータとな
るので、極細繊維の繊度としては、0.01〜0.4デニ
ールであるのが好ましい。
【0014】また、分割性複合繊維の中でも、ポリエチ
レン樹脂成分とポリプロピレン樹脂成分とが含まれてい
る繊維は、耐電解液性が優れているのはもちろんのこ
と、ポリエチレン樹脂成分とポリプロピレン樹脂成分と
では、スルホン化、フッ素処理などによる親水化の難易
度が異なる。つまり、相対的にポリエチレン樹脂成分が
親水化されやすいのに対して、ポリプロピレン樹脂成分
は親水化されにくい。そのため、電解液はポリエチレン
樹脂成分側で保液されやすく、ポリプロピレン樹脂成分
側では電解液の乏しい状態になり、密閉型二次電池でガ
スが発生した場合であっても、速やかに他極に透過させ
ることができ、内部圧が上昇して破裂するという危険が
ないので、好適に使用できる。
【0015】本発明では、分割性複合繊維から得られる
極細繊維を主体とすることにより、保液性が向上してい
るため、分割性複合繊維を50重量%以上使用すること
が好ましく、より好ましくは70重量%以上、最も好ま
しくは100重量%使用する。
【0016】なお、不織布の取り扱い性をより向上させ
るために、低融点のポリオレフィン系接着繊維を50重
量%以下含ませて、寸法安定性を向上させることができ
る。この低融点のポリオレフィン系接着繊維が50重量
%以下であれば、極細繊維量の低下による、保液性の低
下という問題は生じないが、より好ましくは30重量%
以下である。この低融点のポリオレフィン系接着繊維と
して、例えば、前述と同様の全溶融型のポリエチレン繊
維、ポリプロピレン繊維や、一部溶融型の芯鞘型、サイ
ドバイサイド型、偏芯型の複合繊維がある。また、これ
ら接着繊維が、不織布を構成する他の繊維(大部分は極
細繊維)のいずれの樹脂成分の融点よりも低い温度で接
着する樹脂成分を有していれば、極細繊維による保液性
を損なうことがない。なお、分割性複合繊維から得られ
る極細繊維を接着繊維として使用することも可能であ
る。
【0017】これら低融点のポリオレフィン系接着繊維
の中でも、一部溶融型複合繊維であれば、溶融しない樹
脂成分によって接着繊維の強度が維持されるため、好適
に使用することができる。更には、一部溶融型複合繊維
の中でも、ポリプロピレン樹脂成分とポリエチレン樹脂
成分とを含む繊維は分割性複合繊維と同様に、密閉型二
次電池でガスが発生したような場合であっても、速やか
に他極に透過させることができ、内部圧が上昇して破裂
するという危険がないため、好適に使用することができ
る。
【0018】以上のような分割性複合繊維や低融点のポ
リオレフィン系接着繊維の繊度や繊維長は、特に限定す
るものではないが、繊度0.5〜9デニール、繊維長5
〜60mmのものが好適に使用できる。
【0019】以上のような繊維から繊維ウエブを形成す
るが、繊維ウエブの形成方法としては、例えば、カード
法、エアレイ法などの乾式法や湿式法を例示できるが、
これらの中でも、湿式法は緻密な繊維ウエブを形成で
き、物理的にデンドライトを防止できるため、好適に使
用できる。
【0020】なお、カード法により繊維ウエブを形成す
る場合には、繊維の配向方向を一方向にしたり、クロス
レイヤーなどによって繊維が交差するように配向した
り、これらを積層することもできる。これらの中でも、
繊維が交差するように配向した繊維ウエブを含む繊維ウ
エブは、後の水流絡合処理する際に、繊維同士が絡合し
やすいため、強度的に優れているという特徴がある。
【0021】また、低融点のポリオレフィン系接着繊維
のみの繊維ウエブ層を形成して接着すると、その接着面
がフィルム化してしまい、保液性に劣るため、低融点の
ポリオレフィン系接着繊維も使用する場合は、分割性複
合繊維と混合するのが好ましい。
【0022】以上のようにして得た繊維ウエブに対し
て、水流絡合処理をする。この水流絡合処理により繊維
の配向方向が不織布の略厚さ方向となるため、電池を組
み立てる際の、極板間の圧迫の圧力に対して抗すること
ができるのは勿論のこと、二次電池のように極板が膨張
する際の圧力に対しても抗することができ、保液性に優
れたセパレータとなる。また、本発明のセパレータは絡
合する繊維が分割性複合繊維を主体としており、分割し
て得られる極細繊維が緻密に絡むため、強度的に優れて
いるばかりでなく、薄くすることができ、その薄くなっ
た分だけ活物質を電池内に多く充填することができるた
め、電池の高容量化が可能になるという特徴も有してい
る。更には、水流絡合処理すると、繊維が絡合するだけ
でなく、繊維に付着している油剤を洗浄できるため、こ
の油剤による電池性能への悪影響を排除できるだけでな
く、後述の親水化処理を効率的に、安定して行なうこと
ができ、長期に亘って保液性に優れたセパレータを得る
ことが可能になった。
【0023】このような優れた効果を有する水流絡合処
理としては、例えば、ノズル径0.05〜0.3mm、ピッ
チ0.2〜3mmで一列に配列したノズルプレートや、ノ
ズルを2列以上に配列したノズルプレートを使用し、水
圧10〜300kg/cm2の水流で処理する。このような水
流絡合処理は1回である必要はなく、必要であれば、2
回以上処理することができる。また、水流処理面は繊維
ウエブの片面のみである必要はなく、両面を処理しても
良い。
【0024】なお、水流絡合処理する際に、繊維ウエブ
を置くネットやメッシュなどの支持体が大きな孔を有し
ていると、得られるセパレータも大きな孔を有するもの
となり、短絡が生じやすくなるので、50メッシュ以上
の目の細かい平織ネットや、孔間距離が0.4mm以下の
多孔板を使用するのがより好ましい。
【0025】水流絡合不織布中に接着繊維を含んでいる
場合には、このように水流絡合した後、熱処理などを行
ない、接着繊維により接着すれば、寸法安定性を更に向
上させることができる。
【0026】このようにして得られた水流絡合不織布は
親水化処理することにより、本発明のセパレータとな
る。この親水化処理としては、例えば、スルホン化処
理、フッ素処理、或いはビニルモノマーのグラフト重合
などがあり、これらの親水化処理は永続的な親水性を付
与できるので、長期に亘って保液性に優れたセパレータ
となる。
【0027】スルホン化処理としては、特に限定するも
のではなく、例えば、発煙硫酸、硫酸、クロム酸、硝酸
などで処理すれば良い。これらの中でも、発煙硫酸によ
るスルホン化処理は、反応性が高く、比較的容易にスル
ホン化できるため、好適に使用できる。
【0028】フッ素ガス処理についても、特に限定する
ものではなく、例えば、不活性ガスで希釈したフッ素ガ
スに酸素ガス、二酸化炭素ガス、二酸化硫黄ガスなどを
添加、混合したガスによって処理すれば良い。なお、水
流絡合不織布に二酸化硫黄ガスを予め付着させた後に、
フッ素ガスを接触させる方法は、より効率的で、恒久的
な親水化処理方法である。
【0029】ビニルモノマーのグラフト重合としては、
ビニルモノマーとして、例えば、アクリル酸、メタクリ
ル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ビ
ニルピリジン、ビニルピロリドン、或いはスチレンを使
用することができる。なお、スチレンをグラフト重合し
た場合には、電解液との親和性をもたせるために、スル
ホン化する。これらの中でも、アクリル酸は電解液との
親和性に優れているため、好適に使用できる。
【0030】これらビニルモノマーの重合方法は、例え
ば、ビニルモノマーと重合開始剤を含む溶液中に水流絡
合不織布を浸漬、加熱する方法、水流絡合不織布にビニ
ルモノマーを塗布した後、放射線を照射する方法、水流
絡合不織布に放射線を照射した後にビニルモノマーと接
触させる方法、増感剤を含むビニルモノマー溶液を水流
絡合不織布に含浸した後、紫外線を照射する方法などが
ある。なお、ビニルモノマー溶液と水流絡合不織布とを
接触させる前に、紫外線照射、コロナ放電、プラズマ放
電などにより、水流絡合不織布表面を処理すると、ビニ
ルモノマー溶液との親和性が高いため、効率的にグラフ
ト重合できるという特長がある。
【0031】このようにビニルモノマーをグラフト重合
した水流絡合不織布は、スルホン化等に比べて、温和な
条件下で処理できるため、グラフト重合による繊維強度
の劣化の少なく、強度的に優れたものである。
【0032】このような本発明のセパレータは耐電解液
性及び耐酸化性に優れて短絡が生じず、保液性にも優れ
ているため、長期間に亘って、円滑に起電反応を行なう
ことのできるものである。このセパレータは、例えば、
アルカリマンガン電池、水銀電池、酸化銀電池、空気電
池などの一次電池、ニッケル−カドミウム電池、銀−亜
鉛電池、銀−カドミウム電池、ニッケル−亜鉛電池、ニ
ッケル−水素電池などの二次電池に好適に使用できるも
のである。
【0033】以下に、本発明のセパレータの実施例を記
載するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。
【0034】
【実施例】
(実施例1)繊維として、図1(c)に示すような、ポ
リプロピレン成分(図中記号2、円形状のポリプロピレ
ン成分:0.04デニール、花弁状のポリプロピレン成
分:0.12デニール)とポリエチレン成分(図中記号
1、0.12デニール)とからなる、菊花状の断面形状
を有する、繊度2デニール、繊維長38mmの分割性複合
繊維100%をカード機により開繊し、目付13g/m2
一方向性繊維ウエブと、クロスレイヤーにより繊維を交
差させた、目付52g/m2の繊維ウエブとを積層した。こ
の積層繊維ウエブを80メッシュの平織ネット上に載置
し、ノズル径0.13mm、ピッチ0.6mmのノズルプレー
トを用いて、水圧130kg/cm2の水流で、両面から2回
づつ処理し、水流絡合不織布を得た。
【0035】次に、この水流絡合不織布を、15重量%
発煙硫酸中に2分間浸漬し、スルホン化した。その後、
線圧80kg/cmでカレンダー処理して、目付65g/m2
厚さ0.15mmのセパレータを得た。
【0036】(実施例2)実施例1と同じ、繊度2デニ
ール、繊維長38mmの分割性複合繊維80重量%と、繊
度2デニール、繊維長51mmのポリプロピレン(芯成
分)−低密度ポリエチレン(鞘成分)複合接着繊維20
重量%とを混綿したこと、及び、水流絡合不織布を得た
後に110℃で熱処理して、低密度ポリエチレン成分の
みを融着させたこと以外は、実施例1と同様にして目付
65g/m2、厚さ0.15mmのスルホン化したセパレータ
を得た。
【0037】(実施例3)実施例1と同様にして得た水
流絡合不織布の両面に、前処理として、110ワットの
低圧水銀灯を2個づつ使用し、184.9nm及び25
3.7nm付近の低波長紫外線を、5cmの距離から1
分間照射した。次に、この水流絡合不織布に、下記配合
からなるアクリル酸モノマー水溶液を含浸した後、脱酸
素条件下で、水流絡合不織布の両面に対して、110ワ
ットの低圧水銀灯を2個づつ使用し、184.9nm及
び253.7nm付近の低波長紫外線を、5cmの距離
から1分間照射して、10重量%のアクリル酸をグラフ
ト重合させた。このグラフト重合により親水化処理した
水流絡合不織布を線圧80kg/cmでカレンダー処理し
て、目付72g/m2、厚さ0.15mmのセパレータを得
た。 記 (アクリル酸モノマー水溶液の配合、重量%) アクリル酸モノマー ・・・20.0 水 ・・・64.5 ベンゾフェノン ・・・ 0.5 メトキシエタノール ・・・14.5 ノニオン系界面活性剤 ・・・ 0.5
【0038】(実施例4)実施例2と同様にして得られ
た、熱処理した水流絡合不織布(スルホン化未処理)
を、実施例3と同様にしてアクリル酸モノマーをグラフ
ト重合させた、目付72g/m2、厚さ0.15mmのセパレ
ータを得た。
【0039】(実施例5)繊度2デニール、繊維長10
mmの、実施例1と同じ分割性複合繊維80重量%と、繊
度2デニール、繊維長15mmのポリプロピレン(芯成
分)−低密度ポリエチレン(鞘成分)複合接着繊維20
重量%とを混合分散させたスラリーを、湿式抄造法によ
り抄紙した後、80メッシュの平織ネット上に載置し、
ノズル径0.13mm、ピッチ0.6mmのノズルプレートを
用いて、水圧80kg/cm2の水流で、両面から2回づつ処
理し、目付65g/m2の水流絡合不織布を得た。その後、
この水流絡合不織布を実施例3と同様にして、アクリル
酸の重合及びカレンダー処理して、目付72g/m2、厚さ
0.15mmのセパレータを得た。
【0040】(比較例1)繊度1.5デニール、繊維長
51mmのポリプロピレン(芯成分)−ポリエチレン(鞘
成分)複合接着繊維25重量%と、繊度0.9デニー
ル、繊維長38mmのポリプロピレン(芯成分)−ポリエ
チレン(鞘成分)複合接着繊維75重量%とを混綿した
こと、及び、水流絡合不織布を得た後に135℃で熱処
理して、ポリエチレン成分のみを融着させたこと以外
は、実施例1と同様にして目付65g/m2、厚さ0.15m
mのスルホン化したセパレータを得た。
【0041】(比較例2)図1(c)に示すような、ポ
リプロピレン成分(図中記号2、円形状のポリプロピレ
ン成分:0.04デニール、花弁状のポリプロピレン成
分:0.12デニール)とエチレン−ビニルアルコール
共重合体成分(図中記号1、0.12デニール)とから
なる、菊花状の断面形状を有する、繊度2デニール、繊
維長38mmの分割性複合繊維を100%使用したこと、
及び、スルホン化処理していないこと以外は、実施例1
と同様にして目付65g/m2、厚さ0.15mmのセパレー
タを得た。
【0042】(比較例3)繊度1.5デニール、繊維長
51mmのポリプロピレン(芯成分)−ポリエチレン(鞘
成分)のみを使用したこと、及び、水流絡合不織布を得
た後に135℃で熱処理して、ポリエチレン成分のみを
融着させたこと以外は、実施例1と同様にして得た、目
付65g/m2の熱処理した水流絡合不織布を、実施例3と
同様にしてアクリル酸モノマーをグラフト重合させた、
目付72g/m2、厚さ0.15mmのセパレータを得た。
【0043】(加圧保液率の測定)直径30mmに裁断さ
れた、実施例1〜5及び比較例1〜3のセパレータを、
温度20℃、相対湿度65%の状態下で、水分平衡に至
らせた後、重量(W0)を測定した。次に、セパレータ
中の空気を水酸化カリウム溶液で置換するように、比重
1.3(20℃)の水酸化カリウム溶液中に1時間浸漬
し、水酸化カリウム溶液を保持させた。次に、このセパ
レータを上下3枚づつのろ紙(直径30mm)で挟み、加
圧ポンプにより、58kg/cm2の圧力を30秒間作用させ
た後、セパレータの重量(W1)を測定した。そして、
下記の式により、加圧保液率を求めた。なお、この測定
は1つのセパレータに対して4回行ない、その平均を加
圧保液率とした。また、後述の耐酸化性試験終了後の実
施例1〜5及び比較例1〜3のセパレータについても、
同様にして加圧保液率を求めた。この結果は表1に示
す。
【0044】
【表1】
【0045】(5%モジュラス強度の測定)JIS L
1096(一般織物試験方法)に準じ、5×20cmに裁
断された実施例1〜5及び比較例1〜3のセパレータ
を、チャック間距離10cm、引張速度300mm/minで、
引張強伸度測定機((株)オリエンテック製)により、
5%伸張時のモジュラス強度を測定した。なお、この測
定は1つのセパレータに対して5回行ない、その平均を
5%モジュラスとした。この結果も表1に示す。
【0046】(耐酸化性試験)5×5cmに裁断された実
施例1〜5及び比較例1〜3のセパレータ3枚を、温度
20℃、相対湿度65%の状態に24時間放置した後、
3枚のセパレータの重量(W2)を測定した。次に、こ
のセパレータを、5%過マンガン酸カリウム水溶液25
0ccと、比重1.3の水酸化カリウム水溶液30ccとの
混合溶液に浸漬し、1時間煮沸した後に、十分に水洗し
た。そして、セパレータを希シュウ酸溶液に浸漬して、
二酸化マンガンを溶解除去し、十分に水洗し、乾燥させ
た。その後、温度20℃、相対湿度65%の状態に24
時間放置した後、重量(W3)を測定し、下記の式によ
り重量変化率を算出し、これをもとに耐酸化性を判断し
た。この結果も表1に示す。
【0047】
【0048】(ぬれ性試験)実施例1〜5及び比較例1
〜3のセパレータを2×180cmに裁断した後、このセ
パレータを比重1.3の水酸化カリウム水溶液に、0.5
cmだけ浸漬して、30分経過後の、吸液高さを測定し
た。この結果も表1に示す。
【0049】(平均孔径の測定)実施例1〜5及び比較
例1〜3のセパレータの平均孔径を、孔径分布測定機
(コールターエレクトロニクス社製)で測定した。この
結果も表1に示す。
【0050】
【発明の効果】本発明のアルカリ電池用セパレータは、
極細繊維を主体とする、ポリオレフィン系樹脂成分のみ
からなる分割性複合繊維が分割し、絡合した、ポリオレ
フィン系繊維からなる水流絡合不織布が、親水化処理さ
れているため、耐電解液性及び耐酸化性に優れて短絡が
生じず、保液性にも優れているため、長期間に亘って、
円滑に起電反応を行なうことのできるものである。
【0051】また、セパレータを構成する他の繊維の、
いずれの樹脂成分の融点よりも低い温度で接着できる樹
脂成分を有する、低融点のポリオレフィン系接着繊維で
接着されていると、寸法安定性に優れ、引張強度にも優
れるため、製造上好ましいセパレータである。
【0052】なお、セパレータを構成するポリオレフィ
ン系繊維が、ポリプロピレン成分とポリエチレン成分と
を含む複合繊維であると、ガス透過性に優れているた
め、二次電池用のセパレータとして好適に使用すること
ができるものである。
【0053】更に、ビニルモノマーのグラフト重合によ
る親水化処理したセパレータであると、より保液性に優
れ、繊維強度の劣化のないものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a) 本発明の分割性複合繊維の模式的な断
面図 (b) 本発明の他の分割性複合繊維の模式的な断面図 (c) 本発明の他の分割性複合繊維の模式的な断面図 (d) 本発明の他の分割性複合繊維の模式的な断面図 (e) 本発明の他の分割性複合繊維の模式的な断面図
【符号の説明】
1 一成分 2 他成分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 有村 智朗 茨城県猿島郡総和町大字北利根7番地 日 本バイリーン株式会社内 (72)発明者 中尾 悦郎 茨城県猿島郡総和町大字北利根7番地 日 本バイリーン株式会社内 (72)発明者 山崎 洋昭 茨城県猿島郡総和町大字北利根7番地 日 本バイリーン株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン系分割性複合繊維が分割
    した極細繊維を主体とする、ポリオレフィン系繊維から
    なる水流絡合不織布が、親水化処理されていることを特
    徴とするアルカリ電池用セパレータ。
  2. 【請求項2】 水流絡合不織布が、低融点のポリオレフ
    ィン系接着繊維で接着されていることを特徴とする請求
    項1記載のアルカリ電池用セパレータ。
  3. 【請求項3】 水流絡合不織布にビニルモノマーをグラ
    フト重合して、親水化処理したことを特徴とする請求項
    1又は請求項2記載のアルカリ電池用セパレータ。
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