JPH10325059A - 不織布及び不織布の製造方法 - Google Patents

不織布及び不織布の製造方法

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JPH10325059A
JPH10325059A JP9154423A JP15442397A JPH10325059A JP H10325059 A JPH10325059 A JP H10325059A JP 9154423 A JP9154423 A JP 9154423A JP 15442397 A JP15442397 A JP 15442397A JP H10325059 A JPH10325059 A JP H10325059A
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JP
Japan
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nonwoven fabric
fiber web
fiber
fibers
less
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JP9154423A
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Toshio Aikawa
登志夫 相川
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Japan Vilene Co Ltd
Original Assignee
Japan Vilene Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面の平滑性に優れる不織布、及び表面の平
滑性に優れる不織布や表面に模様を有する不織布の製造
方法を提供すること。 【解決手段】 本発明の不織布は、少なくとも片表面に
おける表面粗さ(カトーテック(株)製、KES−FB
4により測定)が、4.5μm以下の表面を有する、平
滑性に優れるものである。又、本発明の不織布の製造方
法は、含液状態の繊維ウエブ又は結合繊維ウエブを支持
体により支持し、搬送している時に、この繊維ウエブ又
は結合繊維ウエブに対して、超音波を照射する方法であ
るため、支持体を適宜選択することにより、様々な表面
を有する不織布を容易に製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は不織布及び不織布の
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、様々な不織布が提案されてい
るが、表面が十分に平滑な不織布は提案されていない。
この表面の平滑性が不十分な不織布は他の素材との密着
性が悪いため、他の素材との複合化する場合に問題のあ
ることがあった。また、例えば、不織布を角型電池のセ
パレータとして使用する場合には、電極を不織布と接触
させ、滑らせながら挿入して角型電池を製造するが、不
織布表面の平滑性が不十分であると、電極が不織布に引
っ掛かって挿入性が悪く、しかも不織布を損傷してしま
うという問題があるように、表面の平滑性が不十分な不
織布は他の素材との接触移動性が悪いという問題があっ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題点
を解決するためになされたものであり、表面の平滑性に
優れる不織布、及び表面の平滑性に優れる不織布や表面
に模様を有する不織布の製造方法を提供することを目的
とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の不織布は、少な
くとも片表面における表面粗さ(カトーテック(株)
製、KES−FB4により測定)が、4.5μm以下の
表面を有する、平滑性に優れるものである。
【0005】本発明の不織布の製造方法は、含液状態の
繊維ウエブ又は結合繊維ウエブを支持体により支持し、
搬送している時に、この繊維ウエブ又は結合繊維ウエブ
に対して、超音波を照射する方法であるため、支持体を
適宜選択することにより、様々な表面を有する不織布を
容易に製造することができる。また、支持体により支持
した状態で繊維ウエブ又は結合繊維ウエブ等を搬送して
いるため、幅引きなどを生じることのない、不織布の製
造方法である。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の不織布は少なくとも片表
面における表面粗さが4.5μm以下と、表面の平滑性
に優れている。そのため、他の素材との密着性や接触移
動性に優れている。この表面粗さとは厚さの平均偏差の
ことであり、カトーテック(株)製のKES−FB4に
より測定することができる。好ましい表面粗さは4μm
以下であり、より好ましい表面粗さは3.5μm以下で
あり、更に好ましい表面粗さは3μm以下であり、最も
好ましい表面粗さは2.5μm以下である。なお、KE
S−FB4による測定は、接触子として0.5mm径の
ピアノ線を用い、0.1cm/秒の速度で2cm移動さ
せて行う。
【0007】本発明の不織布は上記のように平滑性に優
れるものであるが、各種他素材の形状に沿って複合化し
やすいように、風合も優れているのが好ましい。より具
体的には、たて方向における曲げ剛性値とよこ方向にお
ける曲げ剛性値との平均値が0.03gf・cm2/c
m以下、及び/又はたて方向におけるせん断剛性値とよ
こ方向におけるせん断剛性値との平均値が5gf/cm
・degree以下(好ましくは4gf/cm・deg
ree以下)であるのが好ましい。この曲げ剛性はカト
ーテック(株)製のKES−FB2により測定でき、せ
ん断剛性はカトーテック(株)製のKES−FB1によ
り測定できる。
【0008】本発明の不織布は前述のような平滑性に優
れる表面を有するように、不織布構成繊維は平均繊維径
3μm以下の極細繊維を主体とするのが好ましく、平均
繊維径1.5μm以下の極細繊維を主体とするのがより
好ましく、1μm以下の極細繊維を主体とするのが更に
好ましく、0.5μm以下の極細繊維を主体とするのが
最も好ましい。他方、不織布構成繊維の平均繊維径の下
限は、特に限定するものではないが、0.01μm以上
が適当である。なお、平均繊維径は、不織布構成繊維が
短繊維からなる場合、無作為に選んだ繊維100本の繊
維径の平均値をいい、不織布構成繊維が長繊維からなる
場合、無作為に選んだ繊維100点における繊維径の平
均値をいう。また、繊維の断面形状が非円形である場合
には、繊維の断面積と同じ断面積を有する円の直径をこ
の繊維の繊維径とする。
【0009】本発明の不織布は平均繊維径3μm以下の
極細繊維を主体(50mass%以上)としているのが
好ましく、より好ましくは70mass%以上、より一
層好ましくは80mass%以上、更に好ましくは90
mass%以上、最も好ましくは100mass%平均
繊維径3μm以下の極細繊維からなる。
【0010】この好適である平均繊維径3μm以下の極
細繊維は、例えば、メルトブロー法や、常法の複合紡糸
法によって得られる物理的処理及び/又は化学的処理に
より分割可能な分割性繊維から発生させることができ
る。これらの中でも、分割性繊維は延伸配向しているた
め、分割して発生する極細繊維も延伸配向しており、こ
の分割性繊維から発生した極細繊維を主体とする不織布
は強度的により優れているので、より好適に使用でき
る。例えば、分割性繊維から発生したポリプロピレン極
細繊維からなる不織布が、4km以上の裂断長を有する
のに対して、メルトブロー法によって形成した延伸配向
していないポリプロピレン極細繊維からなる不織布は、
高々2kmの裂断長を有するに過ぎない。なお、この裂
断長は、JIS P 8113に準じ、つかみ間隔1m
m、引張速度200mm/分で測定した引張強さをT
(N)とした時に、次の式により得られる値をいう。 列断長(km)= T×1,000/(9.8×B×W) B;不織布の幅(mm)、W;面密度(g/m2
【0011】分割性繊維の物理的処理としては、例え
ば、水流、ニードルパンチ、カレンダー、平板プレス機
などによる処理があり、分割性繊維の化学的処理として
は、溶媒による樹脂の膨潤処理や、溶媒による樹脂の除
去処理などがある。
【0012】この好適である分割性繊維としては、例え
ば、図1に模式的に繊維断面形状を示すように、一成分
A中に他成分Bを島状に配置及び/又は分散した断面を
有する海島型繊維、図2に模式的に繊維断面形状を示す
ように、一成分Aと他成分Bとを交互に層状に積層した
断面を有する多重バイメタル型繊維、図3(a)(b)
に模式的に繊維断面形状を示すように、一成分Aを繊維
の内部(好適には繊維軸)から繊維表面に伸びる他成分
Bで分割した断面を有する菊花型繊維、或いは、海島型
繊維の少なくとも1つの島成分が海島型、多重バイメタ
ル型、菊花型、芯鞘型、偏芯型、又はサイドバイサイド
型の繊維、多重バイメタル型繊維の少なくとも一成分が
海島型、多重バイメタル型、菊花型、芯鞘型、偏芯型、
又はサイドバイサイド型の繊維、菊花型繊維の少なくと
も一成分が海島型、多重バイメタル型、菊花型、芯鞘
型、偏芯型、又はサイドバイサイド型の繊維を使用でき
る。これらの中でも、海島型繊維又は海島型の部分を有
する分割性繊維は、平均繊維径3μm以下の極細繊維を
容易に発生させることができるので、好適に使用でき
る。
【0013】この分割性繊維を構成する樹脂成分として
は、繊維形成能のあるものであれば良く、例えば、ナイ
ロン6、ナイロン66、ナイロン系共重合体などのポリ
アミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンテ
レフタレート系共重合体、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート系共重合体などのポリ
エステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチル
ペンテンなどのポリオレフィン、ポリウレタン、ポリア
クリロニトリル、ビニル重合体、或いは、ポリグリコー
ル酸、グリコール酸共重合体、ポリ乳酸、乳酸共重合体
などの脂肪族ポリエステル系重合体、脂肪族ポリエステ
ル系重合体にカプラミド、テトラメチレンアジパミド、
ウンデカナミド、ラウロラクタミド、ヘキサメチレンア
ジパミドなどの脂肪族アミドが共重合した脂肪族ポリエ
ステルアミド系共重合体などの樹脂を、2種類以上組み
合わせれば良い。
【0014】この樹脂の組み合わせとして、ある溶媒に
対して、抽出可能な樹脂と難抽出性の樹脂とを組み合わ
せれば、この溶媒によって抽出可能な樹脂を抽出除去す
ることにより、難抽出性の樹脂からなる極細繊維を発生
させることができる。なお、抽出可能とは、樹脂の95
mass%以上抽出除去できることをいい、難抽出性と
は、抽出可能な樹脂の抽出除去条件下において、樹脂の
5mass%以下しか抽出除去できないことをいう。こ
の樹脂の組み合わせとしては、例えば、抽出可能な樹脂
と難抽出性の樹脂とを1種類づつ含む場合、パークレン
溶媒に対して、抽出可能なポリスチレンと難抽出性のポ
リアミド、トルエン溶媒に対して、抽出可能なポリエチ
レンと難抽出性のポリアミド、アルカリ水溶液に対し
て、抽出可能なポリエステルと難抽出性のポリオレフィ
ンなどがある。これらの中でも、取り扱いやすいアルカ
リ水溶液を使用できる、ポリエステルとポリオレフィン
との組み合わせが好適である。
【0015】なお、この溶媒によって抽出可能な樹脂
が、脂肪族ポリエステルや脂肪族ポリエステルアミド系
共重合体であると、アルカリ水溶液によって容易に除去
できるため製造上好適であるばかりでなく、これらの樹
脂は生分解性であり、これらの樹脂を抽出した廃液を処
理しやすいので、好適である。
【0016】また、別の樹脂の組み合わせとして、互い
に貧相溶性の樹脂を組み合わせれば、物理的作用により
分割して、極細繊維を発生させることができる。なお、
この貧相溶性とは、対象となる2つの樹脂からサイドバ
イサイド型複合繊維を紡糸した後、このサイドバイサイ
ド型複合繊維に対して、指で剪断力を加えることによっ
て、2つの樹脂に分割できる場合をいう。この樹脂の組
み合わせとしては、2種類の樹脂からなる場合、例え
ば、ポリアミドとポリエステル、ポリアミドとポリオレ
フィン、ポリエステルとポリオレフィンなどがある。
【0017】このような、本発明で使用できる分割性繊
維は、常法の複合紡糸法、混合紡糸法、或いはこれらを
組み合わせることによって、容易に紡糸できる。なお、
紡糸性や繊維強度を低下させない範囲内で、難燃剤、帯
電防止剤、吸湿剤、着色剤、染色剤、導電剤、親水化剤
などの機能性物質を混合しても良い。
【0018】本発明の不織布は前述のように少なくとも
片表面が平滑なものであるが、更に、この平滑な表面
(表面粗さが4.5μm以下の表面)において、下記の
条件(以下、「条件X」という)を満たす繊維同士の交
差点が80%以上占める、繊維が均一に分散した不織布
であるのが好ましい。なお、平均繊維径が小さくなれば
なるほど、繊維がより均一に分散しやすいため、平均繊
維径3μm以下であるのが好ましく、平均繊維径1.5
μm以下であるのがより好ましく、平均繊維径1μm以
下であるのが更に好ましく、平均繊維径0.5μm以下
であるのが最も好ましい。また、条件Xを満たす繊維同
士の交差点が90%以上占めていると、より均一に繊維
が分散しているため、条件Xを満たす繊維同士の交差点
が95%以上占めていると、更に繊維の分散性が高いた
め、好適な不織布の表面状態である。そのため、平均繊
維径とX条件を満たす繊維同士の交差点の百分率との組
み合わせが、3μm以下−80%以上、3μm以下−9
0%以上、3μm以下−95%以上、1.5μm以下−
80%以上、1.5μm以下−90%以上、1.5μm
以下−95%以上、1μm以下−80%以上、1μm以
下−90%以上、1μm以下−95%以上、0.5μm
以下−80%以上、0.5μm以下−90%以上、0.5
μm以下−95%以上であるのが好ましい。 記 繊維同士の交差点を中心とする、半径50r(r:繊維
の平均繊維径)で、角度15゜の任意の扇形の領域に、
繊維同士の他の交差点が存在すること
【0019】なお、この繊維同士の交差点は、400/
r(r:繊維の平均繊維径(μm))の値に最も近い、
電子顕微鏡で測定可能な倍率で拡大した際に、繊維と認
識できるもの同士の交差点をいい、明度の差から明らか
に不織布内部に存在する繊維との交差点は、不織布表面
に存在していないため、繊維同士の交差点とはみなさな
い。また、上記の条件を満たす交差点の測定は、無作為
に選んだ不織布表面20箇所における、電子顕微鏡写真
により行う。更に、不織布が開孔を有する場合には、非
開孔部における電子顕微鏡写真により行う。
【0020】本発明の不織布の製造方法は、含液状態の
繊維ウエブ又は結合繊維ウエブを支持体により支持し、
搬送している時に、この繊維ウエブ又は結合繊維ウエブ
に対して、超音波を照射する方法であり、この製造方法
によれば、前述のような表面の平滑性に優れる不織布、
表面に模様を有する不織布、及び繊維が均一に分散した
不織布を容易に製造できる。
【0021】また、本発明の不織布は繊維ウエブ、結合
繊維ウエブ、分割性繊維の少なくとも1つの樹脂成分を
除去した抽出繊維ウエブ、超音波を照射した照射繊維ウ
エブ、或は後述のような方法で形成した不織布を一対の
ロール間を通すことによっても製造可能である。これら
の中でも、超音波を照射した後に一対のロール間を通す
ことによって形成した不織布は繊維の分散性も優れてい
るため、好適な製造方法である。
【0022】この繊維ウエブは、例えば、カード法、エ
アレイ法などの乾式法、湿式法、或いはメルトブロー
法、スパンボンド法などの直接法により形成できる。な
お、同じ又は異なる繊維ウエブを2枚以上積層しても良
い。特に、好適である分割性繊維を使用する場合には、
分割性繊維以外の繊維が不織布表面に露出して、表面の
平滑さや微細な模様を損なわないように、分割性繊維か
らなる繊維ウエブが少なくとも片表面層を構成するよう
に積層するのが好ましい。
【0023】この分割性繊維以外の繊維としては、例え
ば、絹、羊毛、綿、麻などの天然繊維、レーヨン繊維な
どの再生繊維、アセテート繊維などの半合成繊維、ポリ
アミド繊維、ポリビニルアルコール繊維、アクリル繊
維、ポリエステル繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、ポリ
塩化ビニル系繊維、ポリウレタン繊維、ポリエチレン繊
維、ポリプロピレン繊維、芳香族ポリアミド繊維などの
単一成分からなる合成繊維、芯鞘型、偏芯型、或いは貼
り合わせ型などの2つ以上の樹脂成分からなる複合合成
繊維を使用できる。この芯鞘型複合合成繊維の鞘成分を
融着することにより不織布の強度を向上させたり、偏芯
型又は貼り合わせ型複合合成繊維の巻縮を発現させるこ
とにより、伸縮性、嵩高性、或いは風合の優れる不織布
を形成できる。
【0024】本発明はこの繊維ウエブに対して超音波を
照射しても良いし、取り扱い性に優れるように、繊維ウ
エブを結合した後に超音波を照射しても良い。この繊維
ウエブの結合方法としては、例えば、ニードルや水流に
よる絡合方法、接着剤による接着方法、融着性繊維によ
る融着方法、特殊な針によりステッチする方法などがあ
るが、これらの中でも、超音波の照射による繊維の分散
を妨げない、ニードルや水流による絡合方法が好適であ
り、これらの中でも、水流で絡合する方法は繊維ウエブ
全体をより緻密かつ均一に絡合できるため、より好適で
ある。
【0025】この水流による繊維ウエブの絡合条件とし
ては、例えば、ノズル径0.05〜0.3mm、好適に
は0.08〜0.2mm、ピッチ0.2〜3mm、好適
には0.4〜2mmで一列以上に配列したノズルプレー
トから、圧力0.98〜29.4MPa、好適には4.
9〜24.5MPaの水流を繊維ウエブに対して噴出す
る。この水流による絡合処理は1回以上、繊維ウエブの
片面又は両面から作用させる。なお、水流で絡合する際
に、繊維ウエブを搬送するネットや多孔板などの支持体
における非開孔部が太くなると、大きな孔を有する表面
が不均一な不織布となりやすいので、線径0.25mm
以下の細いワイヤーからなり、0.295mmよりも小
さい目開きの平滑なネット、或いはこれに相当する多孔
板を使用するのが好ましい。
【0026】なお、繊維として分割性繊維を含んでいる
場合には、繊維ウエブ又は結合繊維ウエブを構成する分
割性繊維を分割して極細繊維を発生させた後に、超音波
を照射するのが好ましい。この分割性繊維を分割する方
法は分割性繊維の種類によって異なり、溶媒で抽出可能
な樹脂と難抽出性樹脂からなる分割性繊維の場合には、
抽出可能な樹脂を抽出除去することにより極細繊維を発
生させ、溶媒で膨潤して分割可能な樹脂の組み合わせか
らなる分割性繊維の場合には、樹脂成分を膨潤させるこ
とにより極細繊維を発生させ、或いは貧相溶性の樹脂の
組み合わせからなる分割性繊維の場合には、水などの液
体、ニードル、カレンダー、或いは平板プレスなどの物
理的作用により極細繊維を発生させることができる。な
お、貧相溶性の樹脂の組み合わせからなる分割性繊維の
場合、水流又はニードルによって絡合すると、絡合と同
時に分割でき、分割性繊維の分割工程を省略できるとい
う利点がある。
【0027】また、分割性繊維の分割処理は、繊維ウエ
ブを形成する前、繊維ウエブを形成すると同時、繊維ウ
エブを形成した後、結合繊維ウエブを形成すると同時、
或いは結合繊維ウエブを形成した後に行えば良い。
【0028】次いで、繊維ウエブ又は結合繊維ウエブを
含液状態で支持体で支持し、搬送している時に、この繊
維ウエブ又は結合繊維ウエブに対して超音波を照射し、
少なくとも片表面に存在する繊維を支持体に沿って均一
に分散させる。
【0029】この含液状態とは、繊維ウエブ又は結合繊
維ウエブが液体中に浸漬されている状態や、繊維ウエブ
又は結合繊維ウエブに液体がスプレーや含浸された状態
などの、繊維ウエブ又は結合繊維ウエブに液体が付着し
た状態をいい、この液体を存在させ、後述の超音波を照
射することによって生じる振動やキャビテーション等に
より、繊維ウエブ又は結合繊維ウエブを構成する繊維
(特に不織布表面に存在する繊維)を均一に分散させる
ことにより、平滑平面や凹凸表面など様々な表面を有す
る不織布を形成できる。これら含液状態の中でも、キャ
ビテーションが発生しやすく、効率的に繊維を分散させ
ることのできる、液体中に浸漬された状態であるのが好
ましい。
【0030】この液体としては、振動やキャビテーショ
ン等によって繊維が分散しやすいように、繊維ウエブ又
は結合繊維ウエブを構成する繊維とのぬれ性が良好かつ
繊維を侵食しない、水や有機溶媒を使用するのが好まし
い。例えば、不織布構成繊維がポリプロピレンからなる
場合には、エタノール、プロパノールなどのアルコー
ル、パークレン、或いは界面活性剤を含む水などを使用
するのが好ましく、不織布構成繊維がナイロンからなる
場合には、アルコール、水、或いは界面活性剤を含む水
などを使用するのが好ましい。
【0031】また、この液体は繊維ウエブ又は結合繊維
ウエブを支持体で支持する前に付与しても良いし、繊維
ウエブ又は結合繊維ウエブを支持体で支持した後に付与
しても良いが、繊維ウエブ又は結合繊維ウエブを液体に
浸漬した状態で超音波を照射するのが好ましいため、繊
維ウエブ又は結合繊維ウエブを支持体で支持した後に液
体を付与(浸漬)するのが好ましい。
【0032】本発明で使用する支持体は、繊維ウエブ又
は結合繊維ウエブの支持体に接する側の片表面における
繊維の分散時の表面状態を制御する働きをするため、こ
の支持体の繊維ウエブ又は結合繊維ウエブとの接触面を
調節することによって、所望の表面状態を有する不織布
を製造することができる。つまり、繊維ウエブ又は結合
繊維ウエブを構成する繊維は支持体表面に沿って分散す
るため、支持体を雄型と考えれば、雌型状表面を有する
不織布を製造できる。そのため、前述のような平滑な表
面を有する不織布を形成する場合には、支持体の繊維ウ
エブ又は結合繊維ウエブとの接触面が平滑なものを使用
し、表面に凹凸を有する不織布を形成する場合には、支
持体の繊維ウエブ又は結合繊維ウエブとの接触面が凹凸
を有するものを使用すれば、所望の表面をもつ不織布を
形成できる。
【0033】この支持体としては、例えば、フィルム、
凹凸模様付きフィルム、ネット、織物、編物、天然皮
革、合成皮革、人工皮革、離型紙、凹凸模様付き離型紙
などを使用することができる。なお、この支持体が開孔
部を有する場合、その平均孔径が15μm以上になる
と、支持体と不織布とが絡み合って一体化してしまうた
め、支持体の平均孔径は15μm未満であるのが好まし
い。この平均孔径はポロメーター(コールター社製)を
用いてバブルポイント法により測定した値をいう。ま
た、これら支持体は使用する液体や超音波によって侵さ
れず変形しないものを使用するのが好ましく、また、搬
送時にかかる張力に耐えるだけの強度を有するものを適
宜選定するのが好ましい。
【0034】この支持体による繊維ウエブ又は結合繊維
ウエブの搬送速度は、超音波を0.1秒〜10秒照射で
きる速度であれば良く、実験的に適宜設定できる。
【0035】この超音波の照射条件は、繊維ウエブ又は
結合繊維ウエブに対して、10μm以上の振幅を有する
超音波を照射できる方法であれば良く、特に限定するも
のではないが、超音波の照射条件について、超音波ホー
ンによる下方照射の場合を例に説明すると、周波数は1
キロヘルツ(kHz)〜100kHzであるのが好まし
く、より好ましくは10kHz〜50kHzであり、振
幅が10μm〜150μmの超音波を照射する。超音波
の振幅が10μm未満であると、繊維の分散に時間がか
かり、150μmを越えると、繊維及び超音波ホーンを
損傷しやすくなるためで、より好ましい振幅は10μm
〜100μmであり、最も好ましい振幅は10μm〜7
0μmである。
【0036】また、超音波による繊維の分散をより効率
的に行うために、例えば、厚さ5mm以上の金属板など
からなる、超音波の反射板を設置するのが好ましい。こ
の反射板を使用する場合、繊維が効率的に分散するよう
に、反射板と超音波ホーンとの距離を0.1mm〜20
mmとするのが好ましい。なお、超音波ホーンは繊維ウ
エブ又は結合繊維ウエブを横切るように、1列以上配置
すれば良い。更に、超音波の発振方法としては、例え
ば、磁歪形振動子、圧電形振動子、電歪形振動子、電磁
形振動子、サイレン形発振子、空洞共振形発振子、或い
はクサビ共振形発振子などを採用できる。
【0037】次いで、超音波を照射して繊維を分散させ
た照射繊維ウエブ又は照射結合繊維ウエブに付着してい
る液体を除去するために乾燥するのが好ましい。この乾
燥は照射繊維ウエブ又は照射結合繊維ウエブのみを乾燥
しても良いが、照射繊維ウエブ又は照射結合繊維ウエブ
を支持体で支持した状態で乾燥すると、乾燥時における
液体の移動(例えば、蒸発やマイグレーション)に伴っ
て生じる可能性のある支持体表面に沿って分散した繊維
の再移動を抑制でき、所望の表面を有する不織布をより
形成しやすいので、好適な実施態様である。なお、この
乾燥時における支持体は超音波処理時の支持体と同じで
ある必要はないが、凹凸状の表面を有する不織布を形成
する場合には、所望の表面を形成しやすいように、同じ
支持体であるのが好ましい。
【0038】乾燥温度は特に限定するものではないが、
照射繊維ウエブ又は照射結合繊維ウエブを構成する繊維
を融着した方が好適である場合、例えば、照射繊維ウエ
ブのように繊維同士が結合していない場合や、より強度
や剛性を必要とするような場合には、融着可能な温度で
乾燥するのが好ましい。なお、この場合、融着によって
不織布の風合を損なわないように、無圧下で乾燥するの
が好ましい。
【0039】なお、乾燥する前に照射繊維ウエブ又は照
射結合繊維ウエブに付着している液体の一部を除去する
ために、ロール間を通す等の方法により脱液すると、乾
燥速度を速くすることができるばかりでなく、液体の一
部を除去し、照射繊維ウエブ又は照射結合繊維ウエブの
含液量を減少させることにより、繊維同士の摩擦が大き
くなり、繊維の移動性が低下するため、乾燥しても繊維
の移動がほとんど生じず、より支持体の表面に対応し
た、所望の表面を有する不織布を形成できる。特に、照
射繊維ウエブ又は照射結合繊維ウエブを支持体で支持し
た状態で脱液すると、照射繊維ウエブ又は照射結合繊維
ウエブが支持体に押し付けられて、より鮮明な所望の表
面を有する不織布を形成できる。なお、この脱液時の圧
力は乾燥しやすく、繊維の移動性を低下させるのに十分
で、かつ繊維を融着させたり、照射繊維ウエブ又は照射
結合繊維ウエブの構造を破壊しない程度の圧力であり、
実験的に適宜設定することができる。
【0040】このように、本発明の不織布の製造方法に
よれば、支持体を適宜選択することによって、所望の表
面を有する不織布を容易に製造できる。また、支持体に
より繊維ウエブ又は結合繊維ウエブを搬送しているた
め、不織布を製造する際に、繊維ウエブ又は結合繊維ウ
エブに幅引きが生じないという効果も奏する。
【0041】本発明の不織布は様々な表面を有するた
め、様々な用途、例えば、気体又は液体用フィルタ、リ
チウムイオン二次電池、ニッケル水素二次電池、ニッケ
ルカドミウム二次電池などの電池用セパレータ、清掃
布、医療用覆布、中入綿、芯地、衣料用表素材、合成皮
革用基布、銀面調人工皮革用基布などの各種用途に好適
に使用できる。なお、本発明の不織布を染色処理、顔料
による着色処理、起毛処理、ラミネート処理、成形加
工、エンボス処理、或いは化学的又は物理的表面処理を
施すことによって、各種機能を付加し、様々な用途に適
合させることができる。
【0042】以下に、本発明の実施例を記載するが、以
下の実施例に限定されるものではない。
【0043】
【実施例】
(実施例1)常法の海島型繊維の複合紡糸装置におい
て、島成分となる樹脂を押し出すノズルからポリプロピ
レン(MI:10)を、一方、海成分となる樹脂を押し
出すノズルから、5−スルホイソフタル酸及びポリエチ
レングリコールを共重合成分とするポリエチレンテレフ
タレート60部とポリプロピレン(MI:10)40部
とをペレット状態で混合したものを、ギヤポンプ比8:
15.8で押し出し、300℃で複合紡糸して、繊度
0.91mg/mの未延伸糸を得た。
【0044】次いで、この未延伸糸を90℃で2.7倍
延伸した後、巻縮を付与し、裁断して、繊度0.36m
g/m(直径21.4μm)、繊維長51mm、巻縮数
0.8個/mmの海島型繊維を形成した。この海島型繊
維は、繊維の長さ方向に連続した直径2.6μmのポリ
プロピレン太島成分21個と、繊維の長さ方向に不連続
な直径0.18μmのポリプロピレン細島成分約4,5
00個が、共重合ポリエステル海成分中に分散してい
た。なお、この海島型繊維は後工程である水流絡合の際
に分割可能であった。
【0045】次いで、この海島型繊維を100%使用
し、カード法により形成した一方向性繊維ウエブを、ク
ロスレイヤーにより繊維ウエブの進行方向に対して交差
させて、交差繊維ウエブを形成した。次いで、この交差
繊維ウエブを目開き0.147mm(100メッシ
ュ)、線径0.15mmのネット上に載置し、ネットを
1分間に5mで移動させながら、直径0.13mm、ピ
ッチ0.6mmでノズルを配置したノズルプレートか
ら、交差繊維ウエブの両面に対して交互に、圧力7.8
MPa、11.8MPa、11.8MPaの水流を噴出
し、海島型繊維を分割すると同時に交差繊維ウエブを絡
合し、乾燥して、面密度82g/m2の絡合繊維ウエブ
を形成した。
【0046】次いで、この絡合繊維ウエブを、温度80
℃、10mass%水酸化ナトリウム水溶液からなる浴
中に30分間浸漬して、海島型繊維の海成分である共重
合ポリエステルを抽出除去し、面密度50g/m2の抽
出絡合繊維ウエブを形成した。この抽出絡合繊維ウエブ
を構成する極細繊維の平均繊維径は0.19μmで、裂
断長は6.8kmであった。
【0047】次いで、この抽出絡合繊維ウエブを表面粗
さ0.08μm、厚さ55μmのポリエステルフィルム
支持体で支持した状態で、速度150mm/分で搬送し
ながら、ノニオン系界面活性剤(ノニデッドLE−8
T、シェルジャパン(株)製)を0.25mass%添
加した水溶液からなる浴中に浸漬し、この状態で抽出絡
合繊維ウエブに対して超音波を照射した。なお、超音波
の照射条件は、抽出絡合繊維ウエブの幅方向に横切るよ
うに配置された電歪型超音波発生装置((株)カイジョ
ー製、C−6281A型)から周波数19.5kHz、
振幅約40μm、出力600Wの超音波を抽出絡合繊維
ウエブ側から照射した。また、電歪型超音波発生装置と
対向する、ポリエステルフィルム支持体の下方にステン
レス板(厚さ10mm)からなる反射板を配置し、この
反射板と超音波ホーンとの距離を2mmに設定した。
【0048】次いで、この照射絡合繊維ウエブをポリエ
ステルフィルム支持体で支持した状態で、室温下、線圧
力24.5N/cmのロール間を通すことにより、大部
分の液体を除去した。
【0049】次いで、液体を除去した除去絡合繊維ウエ
ブを、超音波照射時に使用したものと同じポリエステル
フィルム支持体で支持した状態で、温度80℃の熱風乾
燥機により30分間乾燥して、面密度50g/m2、厚
さ0.21mmの不織布を形成した。この不織布の表面
粗さは2.1μm、たて方向及びよこ方向における曲げ
剛性の平均値が0.021gf・cm2/cm、たて方
向及びよこ方向における剪断剛性の平均値が2.8gf
/cm・degreeの、不織布表面の平滑性及び風合
の優れるものであった。なお、この不織布の表面粗さ
2.1μmの表面における、無作為に選んだ20箇所の
電子顕微鏡写真(倍率2000倍)から、条件Xを満た
す繊維同士の交差点は99%以上で、繊維の分散性も優
れたものであった。
【0050】(実施例2)実施例1と全く同様にして形
成した照射絡合繊維ウエブを、液体を除去することな
く、超音波照射時に使用したものと同じポリエステルフ
ィルム支持体で支持した状態で、温度80℃の熱風乾燥
機により30分間乾燥して、面密度50g/m2、厚さ
0.23mmの不織布を形成した。この不織布の表面粗
さは3.7μm、たて方向及びよこ方向における曲げ剛
性の平均値が0.023gf・cm2/cm、たて方向
及びよこ方向における剪断剛性の平均値が2.9gf/
cm・degreeの、不織布表面の平滑性及び風合の
優れるものであった。なお、この不織布の表面粗さ3.
7μmの表面における、無作為に選んだ20箇所の電子
顕微鏡写真(倍率2000倍)から、条件Xを満たす繊
維同士の交差点は99%以上で、繊維の分散性も優れた
ものであった。
【0051】(実施例3)実施例1と全く同様にして形
成した除去絡合繊維ウエブ単独で(支持体により支持し
ないで)、温度80℃の熱風乾燥機により30分間乾燥
して、面密度50g/m2、厚さ0.20mmの不織布
を形成した。この不織布の表面粗さは3.2μm、たて
方向及びよこ方向における曲げ剛性の平均値が0.02
3gf・cm2/cm、たて方向及びよこ方向における
剪断剛性の平均値が2.8gf/cm・degree
の、不織布表面の平滑性及び風合の優れるものであっ
た。なお、この不織布の表面粗さ3.2μmの表面にお
ける、無作為に選んだ20箇所の電子顕微鏡写真(倍率
2000倍)から、条件Xを満たす繊維同士の交差点は
99%以上で、繊維の分散性も優れたものであった。
【0052】(実施例4)ノニオン系界面活性剤を添加
した水溶液に替えて、パークレン溶液からなる浴中に抽
出絡合繊維ウエブを浸漬しながら超音波を照射し、搬送
速度を600mm/分としたこと以外は、実施例1と全
く同様にして、面密度50g/m2、厚さ0.20mm
の不織布を形成した。この不織布の表面粗さは3.8μ
m、たて方向及びよこ方向における曲げ剛性の平均値が
0.027gf・cm2/cm、たて方向及びよこ方向
における剪断剛性の平均値が3.5gf/cm・deg
reeの、不織布表面の平滑性及び風合の優れるもので
あった。なお、この不織布の表面粗さ3.8μmの表面
における、無作為に選んだ20箇所の電子顕微鏡写真
(倍率2000倍)から、条件Xを満たす繊維同士の交
差点は99%以上で、繊維の分散性も優れたものであっ
た。
【0053】(比較例1)抽出絡合繊維ウエブを単独
(ポリエステルフィルム支持体を使用しない)で搬送し
ながら超音波を照射したこと以外は実施例1と全く同様
にして、面密度48g/m2、厚さ0.21mmの不織
布を形成した。この不織布の表面粗さは4.9μm、た
て方向及びよこ方向における曲げ剛性の平均値が0.0
22gf・cm2/cm、たて方向及びよこ方向におけ
る剪断剛性の平均値が2.8gf/cm・degree
の、不織布表面の平滑性の劣るものであった。なお、こ
の不織布の表面粗さ4.9μmの表面における、無作為
に選んだ20箇所の電子顕微鏡写真(倍率2000倍)
から、条件Xを満たす繊維同士の交差点は99%以上
で、繊維の分散性は優れるものであった。
【0054】(比較例2)実施例1と全く同様にして形
成した抽出絡合繊維ウエブを単独(ポリエステルフィル
ム支持体を使用しない)で搬送しながら、実施例1と全
く同じ条件下で超音波を照射した。
【0055】次いで、この照射絡合繊維ウエブの液体を
除去することなく、照射絡合繊維ウエブ単独で、温度8
0℃の熱風乾燥機により30分間乾燥して、面密度48
g/m2、厚さ0.21mmの不織布を形成した。この
不織布の表面粗さは6.3μm、たて方向及びよこ方向
における曲げ剛性の平均値が0.020gf・cm2
cm、たて方向及びよこ方向における剪断剛性の平均値
が2.7gf/cm・degreeの、不織布表面の平
滑性の劣るものであった。なお、この不織布の表面粗さ
6.3μmの表面における、無作為に選んだ20箇所の
電子顕微鏡写真(倍率2000倍)から、条件Xを満た
す繊維同士の交差点は99%以上で、繊維の分散性は優
れるものであった。
【0056】(実施例5)比較例1と全く同様にして形
成した不織布を、ショアB硬度80の樹脂ロールと金属
ロールとの間を、線圧1.5kN/cm、10m/mi
nの速度で通過させて、面密度48g/m2、厚さ0.
11mmの加圧不織布を形成した。この加圧不織布の表
面粗さは1.59μm、たて方向及びよこ方向における
曲げ剛性の平均値が0.051gf・cm2/cm、た
て方向及びよこ方向における剪断剛性の平均値が6.0
1gf/cm・degreeの、加圧不織布表面の平滑
性に優れるものであった。なお、この加圧不織布の表面
粗さ1.59μmの表面における、無作為に選んだ20
箇所の電子顕微鏡写真(倍率2000倍)から、条件X
を満たす繊維同士の交差点は99%以上で、繊維の分散
性も優れたものであった。
【0057】
【発明の効果】本発明の不織布は、少なくとも片表面に
おける表面粗さ(カトーテック(株)製、KES−FB
4により測定)が、4.5μm以下の表面を有する、平
滑性に優れるものである。
【0058】本発明の不織布の製造方法は、含液状態の
繊維ウエブ又は結合繊維ウエブを支持体により支持し、
搬送している時に、この繊維ウエブ又は結合繊維ウエブ
に対して、超音波を照射する方法であるため、支持体を
適宜選択することにより、様々な表面を有する不織布を
容易に製造することができる。また、支持体により支持
した状態で繊維ウエブ又は結合繊維ウエブ等を搬送して
いるため、幅引きなどを生じることのない、不織布の製
造方法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の分割性繊維の断面形状の一例
【図2】 本発明の分割性繊維の断面形状の他の例
【図3】(a) 本発明の分割性繊維の断面形状の他の
例 (b) 本発明の分割性繊維の断面形状の他の例
【符号の説明】
A 一成分 B 他成分

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも片表面における表面粗さ(カ
    トーテック(株)製、KES−FB4により測定)が、
    4.5μm以下であることを特徴とする不織布。
  2. 【請求項2】 たて方向における曲げ剛性値(カトーテ
    ック(株)製、KES−FB2により測定)と、よこ方
    向における曲げ剛性値(カトーテック(株)製、KES
    −FB2により測定)との平均値が、0.03gf・c
    2/cm以下、及び/又は、たて方向におけるせん断
    剛性値(カトーテック(株)製、KES−FB1により
    測定)と、よこ方向におけるせん断剛性値(カトーテッ
    ク(株)製、KES−FB1により測定)との平均値
    が、5gf/cm・degree以下であることを特徴
    とする、請求項1記載の不織布。
  3. 【請求項3】 平均繊維径3μm以下の極細繊維を主体
    とすることを特徴とする、請求項1又は請求項2記載の
    不織布。
  4. 【請求項4】 平均繊維径1.5μm以下の極細繊維を
    主体とすることを特徴とする、請求項1又は請求項2記
    載の不織布。
  5. 【請求項5】 表面粗さが4.5μm以下の表面におい
    て、下記の条件を満たす繊維同士の交差点が80%以上
    占めていることを特徴とする、請求項1〜請求項4のい
    ずれかに記載の不織布。 記 繊維同士の交差点を中心とする、半径50r(r:繊維
    の平均繊維径)で、角度15゜の任意の扇形の領域に、
    繊維同士の他の交差点が存在すること
  6. 【請求項6】 含液状態の繊維ウエブ又は結合繊維ウエ
    ブを支持体により支持し、搬送している時に、該繊維ウ
    エブ又は結合繊維ウエブに対して、超音波を照射するこ
    とを特徴とする、不織布の製造方法。
  7. 【請求項7】 含液状態が、繊維ウエブ又は結合繊維ウ
    エブが液体中に浸漬された状態であることを特徴とす
    る、請求項6記載の不織布の製造方法。
  8. 【請求項8】 支持体の繊維ウエブ又は結合繊維ウエブ
    との接触面が平滑であることを特徴とする、請求項6又
    は請求項7記載の不織布の製造方法。
  9. 【請求項9】 支持体の繊維ウエブ又は結合繊維ウエブ
    との接触面が凹凸を有することを特徴とする、請求項6
    又は請求項7記載の不織布の製造方法。
  10. 【請求項10】 超音波を照射した後、超音波を照射し
    た繊維ウエブ又は結合繊維ウエブを脱液することを特徴
    とする、請求項6〜請求項9のいずれかに記載の不織布
    の製造方法。
  11. 【請求項11】 超音波を照射した後、超音波を照射し
    た繊維ウエブ又は結合繊維ウエブを支持体で支持した状
    態で乾燥することを特徴とする、請求項6〜請求項10
    のいずれかに記載の不織布の製造方法。
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