JP2007151449A - 緑化用マット構造体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の緑化用マット構造体は、ポリオレフィン樹脂からなる連続線条体を三次元ランダム状に曲がりくねらせて、前記連続線条体の交絡部の少なくとも一部が融着してなる基本層と、前記基本層の片面または両面にポリエステル繊維からなる不織布層とを有し、前記基本層と前記不織布層とが、エチレン系共重合体によって接着され、前記基本層と不織布層との剥離強度が、9.8N/5cm以上であることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
(1)目付質量(g/m2)
50cm×50cmの大きさのサンプルを切り出して、そのときの質量を測定し、1m2当たりの質量に換算した。
(2)厚さ(mm)
50cm×50cmの大きさのサンプルを切り出して、切り出したサンプルの中央に初荷重0.05g/cm2をかけて、四隅の高さを測定してその平均値で示した。
(3)線径の測定(mmφ)
マイクロスコープ(株式会社キーエンス製)によって、連続線条体を150倍に拡大して直径を計測した。測定は、基本層の10箇所(n=10)で行って平均値を求めた。
(4)見かけ密度(g/cc)
目付質量を測定したサンプルの目付質量と体積から算出した。
50mm×200mmのサンプルを切り出し、サンプルの一端(50mm幅)から、不織布層を長さ方向に約50mm剥がしたものをサンプルとした。得られたサンプルをテンシロン引張試験機に取り付け、引張速度200mm/分でT型剥離試験を行い、このときの剥離強度を測定した。剥離強度は、各サンプルについて6回ずつ行った最大値の平均である。
東洋ボールドイン社製50kgテンシロンを用い、圧縮面積78.5cm2(100mmφ)で圧縮速度5mm/分で基本層を圧縮し、初荷重0.1N/cm2として基本層の変形率10%の距離(mm)の荷重を読み取り、試料圧縮面積で除して、変形率100%に換算して示した。
東洋ボールドイン社製50kgテンシロンを用い、圧縮面積78.5cm2(100mmφ)で圧縮速度5mm/分で基本層(初期厚さt0)を圧縮し、初荷重0.1N/cm2として基本層に圧縮荷重4.0N/cm2を加えて、直ちに除重速度5mm/分で除重し、荷重0N/cm2の時の厚さt1を測定し、下記式により回復率を求めた。
回復率(%)=(t1/t0)×100
50cm×50cmの緑化用マット構造体の不織布層に均一にスナゴケを担持させ、その上にさらに目付40g/m2の保護用の不織布を形成した。緑化用マット構造体のスナゴケを担持させた面に50gの水を散布して保水させて、余剰の水は地面に流れ落ちさせ、一週間放置した後、再度50gの水を与えた。その後、三日ごとに水を潤す程度に保水した。評価は、保水を始めてから6ヶ月経った後の発芽の状態を目視で観察した。
評価基準
○:スナゴケの再発芽があり、よく繁殖した。
△:スナゴケが茶褐色で繁殖がない。
×:スナゴケが枯死した。
発芽性の評価を行った緑化用マット構造体の基本層と不織布層との接着状態を観察し、以下の評価基準により評価した。
評価基準
○:基本層と不織布層とがきちんと接着している。
△:基本層と不織布層とが接着しているが、不織布層が悪い。
×:基本層と不織布層との間に剥離が認められた。
(1)基本層の作製
基本層A
メルトインデックス50、ビカット軟化点120℃のポリプロピレン樹脂(PP)を溶融混練押出機により連続線条体として押出し、線径0.7mmφの連続線条体を三次元ランダム状に交絡させて、その交絡部の少なくとも一部が融着してなる基本層A(目付質量534g/m2、厚さ5.0mm)を作製した。
メルトインデックス50、ビカット軟化点120℃のポリプロピレン樹脂(PP)を溶融混練押出機により連続線条体として押出し、線径1.0mmφの連続線条体を三次元ランダム状に交絡させて、その交絡部の少なくとも一部が融着してなる基本層B(目付質量733g/m2、厚さ15.0mm)を作製した。
ジメチルテレフタレートと1,4−ブタンジオールの重縮合から得られたビカット軟化点120℃、融点172℃のポリエーテルエステルブロック共重合体エラストマー(BP)を溶融混練押出機により連続線条体として押出し、線径0.3mmφの連続線条体を三次元ランダム状に交絡させて、その交絡部の少なくとも一部が融着してなる基本層C(目付質量200g/m2、厚さ2.0mm)を作製した。
不織布層A
平均繊度16.7dtex、繊維長64mmのポリエチレンテレフタレート繊維の再生綿30質量%と平均繊度6.6dtex、繊維長64mmのポリエチレンテレフタレート繊維の再生綿40質量%と平均繊度6.6dtex、繊維長64mmのポリエチレンテレフタレートの黒原着繊維30質量%からなる繊維層をニードリング加工(針深度:8mm、打ち込み本数90本/cm2)を施し、目付質量500g/m2、厚さ5mmの不織布層Aを得た。
平均繊度11.1dtex、繊維長64mmの改質ポリエチレンテレフタレート繊維(吸湿性繊維東洋紡績(株)製K−45)70質量%と平均繊度4.4dtex、繊維長56mmの芯鞘複合繊維(鞘部融点110℃)10質量%と平均繊度6.6dtex、繊維長64mmのポリエチレンテレフタレート繊維20質量%からなる繊維層をニードリング加工(針深度:8mm、打ち込み本数90本/cm2)を施し、目付質量510g/m2、厚さ7.5mmの不織布層を得、引き続き140℃の熱処理をして不織布層Bを得た。
平均繊度16.7dtex、繊維長64mmのポリエチレンテレフタレート繊維の再生綿30質量%と平均繊度6.6dtex、繊維長64mmのポリエチレンテレフタレート繊維の再生綿40質量%と平均繊度6.6dtex、繊維長64mmのポリエチレンテレフタレートのグリーン原着繊維30質量%からなる繊維層をニードリング加工(針深度:8mm、打ち込み本数90本/cm2)を施し、目付質量943g/m2、厚さ9mmの不織布層Cを得た。
熱接着性シートA
融点90℃のエチレン酢酸ビニル共重合体を用いて、スパンボンド方式でランダムに交絡させて、エチレン酢酸ビニル共重合体の線条によって多数のランダムな形状が形成された熱接着性シートAを作製した。
融点100℃の改質ポリエチレン樹脂を用いて、スパンボンド方式でランダムに交絡させて、改質ポリリエチレン樹脂の線条によって多数のランダムな形状が形成された熱接着性シートBを得た。
実施例1
不織布層Aと基本層Aとの間に熱接着性シートAを積層し、得られた積層体を120℃に加熱して、不織布層Aと基本層Aとを接着させて緑化用マット構造体1を得た。
不織布層Bと基本層Aとの間に熱接着性シートAを積層し、得られた積層体を120℃に加熱して、不織布層Bと基本層Aとを接着させて緑化用マット構造体2を得た。
不織布層Cと基本層Aとの間に熱接着性シートAを積層し、得られた積層体を120℃に加熱して、不織布層Cと基本層Aとを接着させて緑化用マット構造体3を得た。
不織布層Aを緑化用マット構造体4として用いた。
不織布層Bと基本層Cとの間に熱接着性シートAを積層し、得られた積層体を120℃に加熱して、不織布層Bと基本層Cとを接着させて緑化用マット構造体5を得た。
不織布層Bと基本層Bとの間に熱接着性シートAを積層し、得られた積層体を120℃に加熱して、不織布層Bと基本層Bとを接着させて緑化用マット構造体6を得た。
不織布層Aと基本層Bとの間に熱接着性シートBを積層し、得られた積層体を130℃に加熱して、不織布層Aと基本層Bとを接着させて緑化用マット構造体7を得た。
Claims (8)
- ポリオレフィン樹脂からなる連続線条体を三次元ランダム状に曲がりくねらせて、前記連続線条体の交絡部の少なくとも一部が融着してなる基本層と、前記基本層の片面または両面にポリエステル繊維からなる不織布層とを有し、前記基本層と前記不織布層とが、エチレン系共重合体によって接着され、前記基本層と不織布層との剥離強度が、9.8N/5cm以上であることを特徴とする緑化用マット構造体。
- 前記基本層と前記不織布層とが、低融点のエチレン系共重合体からなる熱接着性シートまたは熱接着性パウダーによって接着されているものである請求項1に記載の緑化用マット構造体。
- 前記ポリオレフィン樹脂は、ポリプロピレン樹脂である請求項1または2に記載の緑化用マット構造体。
- 前記ポリエステル繊維は、ポリエチレンテレフタレート樹脂からなる繊維である請求項1〜3のいずれかに記載の緑化用マット構造体。
- 前記連続線条体の線径は、0.3mm以上1.0mm以下である請求項1〜4のいずれかに記載の緑化用マット構造体。
- 前記基本層の厚さは3mm以上で、目付質量が100g/m2から1000g/m2で、見かけ密度が0.3g/cc以下である請求項1〜5のいずれかに記載の緑化用マット構造体。
- 前記不織布層は、目付質量が、200g/m2から1000g/m2である請求項1〜6のいずれかに記載の緑化用マット構造体。
- 前記不織布層に蘇苔類が担持されている請求項1〜7のいずれかに記載の緑化用マット構造体。
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