JP2003169545A - 多肉植物類による薄層緑化方法 - Google Patents

多肉植物類による薄層緑化方法

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JP2003169545A JP2001371458A JP2001371458A JP2003169545A JP 2003169545 A JP2003169545 A JP 2003169545A JP 2001371458 A JP2001371458 A JP 2001371458A JP 2001371458 A JP2001371458 A JP 2001371458A JP 2003169545 A JP2003169545 A JP 2003169545A
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  • Cultivation Receptacles Or Flower-Pots, Or Pots For Seedlings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 多肉植物類を用いたビル屋上をはじめとする
人工地盤上の薄層緑化に好適な多肉植物類の栽培育成用
の容器、土壌基盤材、植栽基盤材、及び、薄層緑化方法
を提供する。 【解決手段】 多肉植物類を栽培育成するための容器で
あって、底部と周囲壁部とを有し上部が開放された直方
体の容器からなり、前記底部の内面はその両斜面が壁部
に向かってそれぞれ2〜5%の傾斜勾配を有する切妻屋
根状に形成されており、前記周囲壁部の下部には排水口
が形成されている多肉植物類の栽培育成容器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多肉植物類を用い
てビル屋上をはじめとする人工地盤上を薄層緑化するた
めの多肉植物類の栽培育成用の容器、土壌基盤材、植栽
基盤材、及び、薄層緑化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ヒートアイランド現象の抑制や省
エネルギー効果を得ることを主たる目的として、ビルの
屋上をはじめとする人工地盤面を緑化することが普及し
つつある。ビルの屋上等の人工地盤面を緑化するには、
まず、施工層が断熱効果を有していることが必要とされ
る。また、ビルの屋上等という厳しい環境で良好に生育
するためには、施工植物が、強靱な体質に栽培育成で
き、しかも大量生産できることが必要である。また、ビ
ルの屋上等では、風雨に曝されることより、植物が生育
している土壌が飛散、流出して経時的に喪失することを
防ぐことが求められる。更に、ビルの屋上等にかけうる
荷重には制限があるので、施工層は軽量であることが好
ましい。また、施工作業の面からは、ビルの屋上等の人
工地盤は、一般に高所であり、勾配、風等の影響を受け
施工作業に際し危険を伴うことが多いので、多量の資材
搬入や複雑な植栽作業のない簡便で作業性の良い植栽方
法が求められる。
【0003】このような人工地盤面の緑化において、負
荷重の制約を満たし、潅水設備が不要であり、耐乾性に
優れ、自然界においては数ミリメートルの土壌厚しかな
い岩場においても自生することのできる多肉植物類を用
いた薄層緑化方法が注目されている。
【0004】しかしながら、多肉植物類の多くが乾燥地
帯の原産であり、日本のような湿潤温暖気候区とは全く
違う気候条件で進化を遂げた植物であるので、乾燥には
極めて強いが過湿状態には弱く、特に高温と過湿が重な
ると致命的打撃を受けることが多い。このため、緑化に
多肉植物類を使用する場合には、高温多湿状態を避ける
ことが極めて重要である。
【0005】「屋上緑化のすべてがわかる本」(和歌山
大学システム工学部助教授、山田宏之氏著、2001年
6月1日発行)には、校舎屋上に薄層のセダム基盤を設
置し、このスラブ面温度を測定したところ、2.5cm
厚という極端に薄い試験区においては、その基盤下のス
ラブ温度が、直射日光の当たっている露出スラブ面温度
を越えてしまったということが記載されている。即ち、
緑化した屋上面のほうが熱くなるという現象が起きた旨
が記載されている。
【0006】このように、日本特有の気象条件の下で
は、単に多肉植物類によりビルの屋上等の人工地盤の薄
層緑化を行っても、ヒートアイランド現象の抑制や省エ
ネルギー効果を得ることは容易ではないことが明らかに
されており、安易な人工地盤面の緑化は逆の結果を招く
という問題が生じている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記現状に
鑑み、多肉植物類を用いたビル屋上をはじめとする人工
地盤上の薄層緑化に好適な多肉植物類の栽培育成用の容
器、土壌基盤材、植栽基盤材、及び、薄層緑化方法を提
供することを目的とするものである。
【0008】本発明は、多肉植物類を栽培育成するため
の容器であって、底部と周囲壁部とを有し上部が開放さ
れた直方体の容器からなり、前記底部の内面はその両斜
面が壁部に向かってそれぞれ2〜5%の傾斜勾配を有す
る切妻屋根状に形成されており、前記周囲壁部の下部に
は排水口が形成されている多肉植物類の栽培育成容器で
ある。以下に本発明を詳述する。
【0009】本発明の栽培育成容器は、多肉植物類を栽
培育成するための容器である。上記多肉植物類としては
特に限定されず、例えば、ベンケイソウ科、カタバミ
科、ツルナ科に属する植物等を挙げることができる。な
かでもベンケイソウ科セダム属の植物は、極端に乾燥に
強いものが含まれることから、人工地盤上の緑化に適し
ている。上記ベンケイソウ科セダム属の植物としては、
例えば、メキシコマンネングサ、モリムラマンネング
サ、タイトゴメ、コッシニウム、サカサマンネングサ、
コーラルカーペット等を挙げることができる。
【0010】本発明の栽培育成容器は、底部と周囲壁部
とを有し上部が開放された直方体の容器からなるもので
ある。上記底部の内面は切妻屋根状に形成されている。
上記切妻屋根の形状としては特に限定されないが、切妻
屋根の棟が底部の長手方向の中心線に沿っていることが
好ましい。上記切妻屋根の両斜面の傾斜勾配は、それぞ
れ2〜5%である。2%未満であると、排水効率が充分
でなく、5%を超えると、水はけが良すぎて、土壌が乾
燥しやすい。好ましくは、3〜4%である。上記周囲壁
部の下部には排水口が形成されている。上記排水口の大
きさ及び形状は特に限定されず、また、上記排水口の数
も特に限定されないが、必要な排水効率に応じて、形
状、大きさ及び数が調整される。
【0011】本発明の栽培育成容器は内部が一室からな
るものであってもよいが、内部が周囲壁部と同じ程度の
高さか又はやや低い仕切りで複数室に区切られていても
よい。本発明の栽培育成容器の内部が複数室に区切られ
ている場合、各室の底部内面はそれぞれ上記のような切
妻屋根状に形成され、各室の仕切りには上記のような排
水口が形成されていることが好ましい。
【0012】本発明の栽培育成容器の材料としては、例
えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリス
チレン樹脂、硬質ポリウレタン樹脂、ポリオレフィン樹
脂、ABS樹脂等の種々の合成樹脂を用いることがで
き、このような合成樹脂を発泡体として用い、軽重量化
を図ることが好ましい。
【0013】本発明の栽培育成容器の大きさとしては特
に限定されないが、薄い直方体であることが好ましく、
例えば、内部が一室からなる場合、縦25〜50cm、
横50〜100cm、高さ3〜6cm、深さ1.5〜
4.5cmのものを用いることができる。
【0014】本発明の栽培育成容器は特にビル屋上等の
人工地盤面を緑化するために使用される多肉植物類を栽
培育成するのに適している。ビル屋上等の人工地盤面の
気象条件は極めて厳しいものであり、異常な乾燥状態等
になりやすい。このため、緑化に用いられる多肉植物類
には、人工地盤面でも良好に生育しえる強靱な体質を有
することが求められる。本発明の栽培育成容器を用いて
多肉植物類を栽培育成した場合、栽培育成期間中に時々
行われる潅水及び降雨時においても、容器内に水が留ま
ることなく速やかに排出され、容器内は常に乾燥状態に
維持されることにより、乾燥に対して強靱な体質を持っ
た多肉植物類を大量生産することが可能になると共に、
栽培育成中においても多肉植物類に好ましくない高温多
湿状態となることが回避されるため、緑被覆率が高いマ
ット状の多肉植物類を栽培育成することが可能となる。
【0015】本発明の栽培育成容器の一実施態様を図1
に示す。図1に示す態様の栽培育成容器は、周囲壁部1
と底部2とを有し上部が開放された直方体状に成形され
た一室からなる容器である。底部1の内面は長手方向の
中心線に沿って棟3が走るような切妻屋根状に形成され
ており、周囲壁部1には下部に複数の排水口4が形成さ
れている。
【0016】本発明の栽培育成容器を用いて多肉植物類
を栽培育成し、その多肉植物類をビル屋上等の人工地盤
上の薄層緑化に用いる場合は、特定の土壌基盤材を用い
ることが好ましい。上記土壌基盤材としては、例えば、
土壌基盤材全体に対して、繊維長30〜150mmのピ
ートモスを30〜40体積%、パーライトを30〜40
体積%、及び、川砂又は山砂を20〜30体積%の割合
で含有するものが好適に用いられる。
【0017】上記ピートモスは苔類の泥炭であり、植物
体でありながら耐腐敗性に優れ、乾燥させると撥水性を
生じ、また、給水・乾燥を繰り返すことにより大きく収
縮する性質を有する。上記ピートモスは、繊維長が30
〜150mmである。30mm未満であると上述の効果
が得られず、150mmを超えると、他の土壌基盤材成
分と混合できず土壌基盤材として用いることが困難とな
る。
【0018】ビルの屋上等にかけうる負荷重には制限が
あり、また、ビルの屋上等は強い風雨に曝されることよ
り、このような人工地盤面に施工する土壌基盤材には、
軽量であること、土壌の飛散、流出が少ないことが求め
られ、更に、多肉植物類を栽培育成するには、高透水性
であり多湿状態にならないことが求められる。上記土壌
基盤材は上記のような組成を有することにより、軽重量
で、耐飛散性、耐流出性に優れ、更に高い疎水性を確保
し多湿状態となることを回避することができる。即ち、
長繊維ピートモスが土壌基盤内全体に、網目状の構造体
を形成すると共に、この土壌基盤材で多肉植物類の栽培
育成をすることにより、多肉植物類の根系が土壌中に伸
長し長繊維ピートモスの網目構造体に侵入し絡み合い土
壌基盤材は強固となり、強い雨風に遭遇しても荒い堀り
現象による崩壊流失を防ぐことができる。また、パーラ
イトを含有することにより透水性が大幅に改善され多肉
植物類に好ましくない多湿状態を回避でき、マット形状
の多肉植物類の栽培育成が可能となる。上記土壌基盤材
は、更に必要に応じて、赤玉土、鹿沼土、ボラ土等を含
有してもよい。
【0019】上記土壌基盤材は、三相分布が固相15〜
20%、気相50〜60%、液相15〜30%であるこ
とが好ましい。三相分布がこのような状態にある土壌基
盤材は、透水性、通気性に優れ多肉植物類の育成栽培に
適するとともに、軽重量であることから負荷重に制約の
あるビルの屋上等の人工地盤の緑化に適している。
【0020】上記土壌基盤材は、定水位法における21
℃での飽和透水係数が4.0×10 〜4.5×10
−2cm/secであること好ましい。なお、本明細書
において、定水位法における21℃での飽和透水係数と
は、JIS A 1218に従って測定されるものであ
る。飽和透水係数が上記の範囲内であると、多肉植物類
の生育に適切な水分状態とすることができ、多湿状態を
回避することができる。このような土壌基盤材を用いる
ことにより多肉植物類の高い被覆率を可能とすることが
でき、マット形状の多肉植物類を得ることができる。こ
のような土壌基盤材もまた、本発明の1つである。
【0021】栽培育成した多肉植物類を用いてビル屋上
等の人工地盤上の薄層緑化を図る場合は、人工地盤面に
植栽基盤材を敷き並べてその上に多肉植物類を植栽する
ことが好ましい。上記植栽基盤材としては、例えば、不
織布フィルター、排水材、及び、不織布防根シートがこ
の順に積層され相互に接着され一体となったものを用い
ることができる。上記不織布フィルターとしては、例え
ば、繊度が3〜10デニールの長繊維である非生分解性
合成繊維からなり、目付けが100〜200g/m
あり、かつ、通気量が100〜200mL/cm/s
ecであるものが好ましい。繊度が3〜10デニールの
長繊維を用い、目付け及び通気量を上記の範囲内とする
ことにより、疎水性に優れ大量の水を通すため、多湿な
状態となることを防止することができるとともに、土壌
の粒子は通さないため土壌基盤材が流出により喪失する
ことを防止し、また、多肉植物類の根系伸長に伴い根系
の貫通を可能とし多肉植物類と上記植栽基盤材とを一体
化し強固な構造体とすることができる。
【0022】上記排水材は、繊度が1000〜2000
デニールのモノフィラメントである非生分解性合成繊維
で構成された逆ランガーげた橋様式の形状を有する厚さ
10〜20mmの立体構造繊維体からなり、立体構造繊
維体が不織布フィルター及び不織布防根シートと接する
割合は7:3〜8:2であることが好ましい。繊度が1
000〜2000デニールのモノフィラメントを用い、
上記のような立体構造を形成することにより、太くて強
い硬質の繊維からなり耐圧性に優れた大空間が形成さ
れ、高機能な排水機能空間が確保され、高温多湿を回避
すると共に、厚い空気層によって、夏の高温期において
は高温化する緑化面上の熱を断熱し、また冬の寒冷期に
は人工地盤面からの放熱を防ぐ、優れた遮熱性を発揮す
ることができる。
【0023】上記不織布防根シートは、繊度が1〜10
デニールの長繊維である非生分解性合成繊維からなり、
目付が100〜300g/mであり、かつ、通気量が
30〜80mL/cm/secであることが好まし
い。繊度が1〜10デニールの長繊維を用い、目付け及
び通気量を上記の範囲内とすることにより、人工地盤面
の随所に凹凸が存在し降雨等によりその凹部に水がたま
っても、細い繊維で構成された不織布により毛細管現象
を利用して留水を吸い出し、水分分布の均一化を図り、
部分的に多湿部が発生することを回避すると共に、多肉
植物類の根系が貫通して人工地盤面のクラックや継ぎ目
に侵入することを回避することができる。上記不織布防
根シートにおいて、上記のような範囲の通気量を確保す
るには不織布にエンボス加工及び樹脂加工等の後加工を
行うことが好ましい。
【0024】上記不織布フィルター、排水材、及び、不
織布防根シートに用いられる非生分解性合成繊維として
は、例えば、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポ
リプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂等を挙げることがで
きる。上記不織布フィルター、排水材、及び、不織布防
根シートとして、いずれも非生分解性合成繊維からなる
ものを用いることにより、上記植栽基盤材が経時的に劣
化することを防ぐことができる。上記不織布フィルタ
ー、排水材、及び、不織布防根シートを相互に接着して
一体化するためには、例えば、熱融着したり、適宜公知
の接着剤から選択して用いたりすることができる。上記
植栽基盤材は、上記不織布防根シート側を人工地盤面に
接するようにして用いることが好ましい。
【0025】上記植栽基盤材は上記のような構成を有す
ることにより、ビルの屋上等の厳しい環境下でも、良好
な多肉植物類の育成を実現し、ヒートアイランド現象の
抑制や、省エネルギーに寄与することができる。このよ
うな植栽基盤材もまた、本発明の1つである。
【0026】上記植栽基盤材の一実施態様を図2に示
す。図2に示す態様の植栽基盤材5は、不織布フィルタ
ー6、排水材7、及び、不織布防根シート8からなる。
排水材7は、逆ランガーげた橋様式の形状を有する立体
構造繊維体から構成される。
【0027】本発明の栽培育成容器内に上記土壌基盤材
を充填して多肉植物類を栽培育成し、土壌基盤材と多肉
植物類とが一体となった多肉植物類マットを得て、得ら
れた多肉植物類マットを、上記植栽基盤材が敷き並べら
れた人工地盤面上に載置することにより簡便に人工地盤
面上を薄層緑化することができる。上記人工地盤として
は特に限定されず、例えば、ビルをはじめとする高層建
築物の屋上等を挙げることができる。上記植栽基盤材は
人工地盤面に敷き並べられた後、固定金具等を使用して
人工地盤面に接着、固定することが好ましい。また、植
栽後は潅水を行い多肉植物類マットと植栽基盤材をなじ
ませておくことが好ましい。
【0028】上記のような薄層緑化方法によれば、特別
な技術を必要としない安値で確実な施工を可能にすると
共に、曲線に対する施工であっても簡便に行うことがで
きる。また、ビルの屋上等の高所で、傾斜勾配があり、
風の影響を受けやすい危険な場所において、多量の資材
搬入や複雑な作業のない簡便で作業性の良い、薄層緑化
を可能にした。このような薄層緑化方法もまた、本発明
の1つである。
【0029】上記薄層緑化方法の一実施態様を図3に示
す。11は、多肉植物類9と基盤土壌材10とが一体と
なった多肉植物類マットを示す。多肉植物類マット11
を、植栽基盤材5が敷き並べられた人工地盤面12に敷
きつめることにより、極めて簡便に人工地盤面12の薄
層緑化を行うことができる。
【0030】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0031】(実施例1) <栽培育成容器の作製>ポリスチレン樹脂を用いて、発
泡倍率35倍のビーズ発泡による成型法により、内径寸
法が縦500×横250×深さ30(mm)、外形寸法
が縦520×横270×高さ50(mm)、内底面の傾
斜勾配が3%、周辺壁部に排水口を12個設けた栽培育
成容器を作製した。
【0032】<栽培育成用基盤材の作製>繊維長が30
〜150mmの長繊維ピートモスを40体積%、パーラ
イト(真珠岩社製)を40体積%、川砂を20体積%の
割合で混合することにより土壌基盤材を得た。この土壌
基盤材について三相分布を測定したところ、固相率2
1.5%、気相率59.5%、液相率19.0%であ
り、また、21℃において定水位法で測定した飽和透水
係数が4.4×10−2cm/sec、単位容積質量
(仮比重)が0.60g/mLであった。
【0033】<一体型植栽基盤材の作製>ポリエステル
樹脂を用いて、繊度8デニールで構成された目付が10
0g/mの長繊維不織布からなる不織布フィルターを
得た。この不織布フィルターの通気量は180mL/c
/secであり、貫根性を有していた。また、ポリ
エチレン樹脂を用いて、繊度1800デニールのモノフ
ィラメントで構成された立体構造繊維体からなり、厚さ
が15mmで上部接触と下部接触の割合が8対2である
逆ランガーげた橋形状の高機能排水材を得た。更に、ポ
リエステル樹脂を用いて、繊度3デニールで構成された
目付が150g/mの長繊維不織布にニードルパンチ
とエンボス加工を加えることにより不織布防根シートを
得た。この不織布防根シートの通気量は48mL/cm
/secであり、多肉植物類ではその根系が貫通する
ことのできないものであった。
【0034】得られた不織布フィルター、高機能排水材
及び不織布防根シートをこの順に重ね、加圧加熱するこ
とにより、高機能排水材のポリエチレンモノフィラメン
トが溶融して不織布フィルター及び不織布防根シートと
接着することにより、不織布フィルターのフィルター機
能及び不織布防根シートの防根機能を損傷することなく
一体型植栽基盤材を得た。
【0035】<多肉植物類による薄層緑化>得られた栽
培育成容器16基に、土壌基盤材を3リットルずつ充填
し、充分に潅水を行い一夜間放置した。次いで、セダム
類の一種であるメキシコマンネングサの芯芽を摘み取
り、1基あたり84芽の挿芽を行い、露地に並べ寒冷紗
を用いてトンネル状に覆い15日間の遮光育成すること
により、完全に発根し活着率100%の幼苗を得た。寒
冷紗の覆いを取り外し、直射日光のもとで潅水を繰り返
しながら更に1ヶ月の育成を行い、一基あたり平均13
5株芽数のメキシコマンネングサを得た。各基のメキシ
コマンネングサの芯芽を全て摘み取り、人的潅水を停止
し自然条件下にて更に1ヶ月の養生育成を行うことによ
り、1基あたり平均151株芽数で緑被覆率95%であ
り、メキシコマンネングサの根系が土壌基盤材と絡み完
全に一体化されたマット状のメキシコマンネングサを得
た。
【0036】緑化を行おうとする面積2mのスラブ面
(人工地盤上)へ、得られた一体型植栽基盤材を不織布
フィルター面が上になるように敷設した。マット状のメ
キシコマンネングサを栽培育成容器から取り出し、スラ
ブ面に敷設された一体型基盤材上に、並べ置きするだけ
の簡単植栽を行った。植栽直後に一度潅水を行った。
【0037】薄層緑化施工後、3カ月経過後(1月末:
冬季)、6カ月経過後(4月末:春季)、及び、10カ
月経過後(8月上旬:夏季)に芽株数、緑被覆率、土壌
基盤材の喪失の有無、及び、緑化施工部周辺の温度を測
定した。なお、外気温は、非施工スラブ面上1mにおけ
る気温である。結果を表1に示した。
【0038】
【表1】
【0039】表1より、芽株数は施工直後より一貫して
増え続け、減少することはなかった。また、緑被覆率は
厳寒の冬季には多肉植物類特有のロゼット化により若干
低下したものの、春季には回復した。メキシコマンネン
グサは初夏に開花し、開花後には開花した芽は全て枯死
する習性があるが、夏季においても芽株数及び緑被覆率
の低下が見られないことから、メキシコマンネングサは
施工面において正常に成育していることがわかった。ま
た、土壌基盤材の流出も認められず、施工面が安定して
いることがわかった。更に、外気温及び非施工部コンク
リート面温度と、土壌基盤材表面温度及び施工部下コン
クリート面温度とを比較すると、冬季には施工部の温度
が高くなり、夏季には施工部の温度が低くなることが認
められた。このことから、本緑化が省エネルギーとヒー
トアイランド現象の抑制とに大きく貢献し得ることがわ
かった。
【0040】
【発明の効果】本発明は、上述の構成よりなるので、多
肉植物類を用いてビル屋上をはじめとする人工地盤上の
薄層緑化を行い、省エネルギーとヒートアイランド現象
の抑制とを達成することができる、多肉植物類の栽培育
成用の容器、土壌基盤材、植栽基盤材、及び、薄層緑化
方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の栽培育成容器の一実施態様を模式的に
示す斜視図である。
【図2】本発明の植栽基盤材の一実施態様を模式的に示
す断面図である。
【図3】本発明の薄層緑化方法を用いた施工層の一実施
態様を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
1 周囲壁部 2 底部 3 棟 4 排水口 5 植栽基盤材 6 不織布フィルター 7 排水材 8 不織布防根シート 9 多肉植物類 10 土壌基盤材 11 多肉植物類マット 12 人工基盤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2B022 AB20 BA02 BA04 BA16 BA23 BB03 CA04 DA19 2B027 NA10 NC02 NC05 NC15 NC16 NC25 NC27 NE08 NE09 QA05 QB04 QB11 QB25 QC36

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多肉植物類を栽培育成するための容器で
    あって、底部と周囲壁部とを有し上部が開放された直方
    体の容器からなり、前記底部の内面はその両斜面が壁部
    に向かってそれぞれ2〜5%の傾斜勾配を有する切妻屋
    根状に形成されており、前記周囲壁部の下部には排水口
    が形成されていることを特徴とする多肉植物類の栽培育
    成容器。
  2. 【請求項2】 多肉植物類を栽培育成するための土壌基
    盤材であって、繊維長30〜150mmのピートモスを
    30〜40体積%、パーライトを30〜40体積%、及
    び、川砂又は山砂を20〜30体積%含有し、三相分布
    が固相15〜25%、気相50〜60%、液相15〜2
    5%であり、かつ、定水位法における21℃での飽和透
    水係数が4.0×10−2〜4.5×10−2cm/s
    ecであることを特徴とする多肉植物類の栽培育成用土
    壌基盤材。
  3. 【請求項3】 多肉植物類を植栽するための植栽基盤材
    であって、不織布フィルター、排水材、及び、不織布防
    根シートがこの順に積層され相互に接着され一体として
    なり、前記不織布フィルターは、繊度が3〜10デニー
    ルの長繊維である非生分解性合成繊維からなり、目付け
    が100〜200g/mであり、かつ、通気量が10
    0〜200mL/cm/secであり、前記排水材
    は、繊度が1000〜2000デニールのモノフィラメ
    ントである非生分解性合成繊維で構成された逆ランガー
    げた橋様式の形状を有する厚さ10〜20mmの立体構
    造繊維体からなり、前記立体構造繊維体が前記不織布フ
    ィルター及び前記不織布防根シートと接する割合は7:
    3〜8:2であり、前記不織布防根シートは、繊度が1
    〜10デニールの長繊維である非生分解性合成繊維から
    なり、目付が100〜300g/mであり、かつ、通
    気量が30〜80mL/cm/secであることを特
    徴とする多肉植物類の植栽基盤材。
  4. 【請求項4】 多肉植物類を用いて人工地盤面を薄層緑
    化する方法であって、請求項1記載の多肉植物類の栽培
    育成容器内に請求項2記載の多肉植物類の栽培育成用土
    壌基盤材を充填して前記多肉植物類を栽培育成し、前記
    栽培育成用土壌基盤材と前記多肉植物類とが一体となっ
    た多肉植物類マットを得る工程、請求項3記載の多肉植
    物類の植栽基盤材を人工地盤面に敷き並べる工程、及
    び、得られた多肉植物類マットを、前記人工地盤面上に
    敷き並べられた前記植栽基盤材上に載置する工程を有す
    ることを特徴とする多肉植物類による薄層緑化方法。
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