JP2002125452A - 緑化構造物 - Google Patents

緑化構造物

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JP2002125452A
JP2002125452A JP2000327371A JP2000327371A JP2002125452A JP 2002125452 A JP2002125452 A JP 2002125452A JP 2000327371 A JP2000327371 A JP 2000327371A JP 2000327371 A JP2000327371 A JP 2000327371A JP 2002125452 A JP2002125452 A JP 2002125452A
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layer
greening
soil
web
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JP2000327371A
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Takeshi Goto
武士 後藤
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Nissho Corp
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Nissho Corp
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    • Y02B80/32Roof garden systems

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  • Cultivation Of Plants (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】建物にかかる緑化施設の荷重負担が小さく、風
による培土の飛散や緑化施設の破損の恐れが少ない、植
栽の手入れが簡単で屋上緑化に好適な緑化構造物を提供
する。 【解決手段】空隙部分に培土が充填された繊維成形体、
保水層、根域制限層、排水層及び遮水層が上から順に連
設されてなる緑化構造物であって、繊維成形体が、繊度
を異にする2種以上の捲縮繊維からなる混合ウェブがラ
ンダム配列して積層された、厚さ方向の一方側に主とし
て細繊度繊維ウェブ層が分布し、他方側に主として太繊
度繊維ウェブ層が分布し、その間に連続的に密度勾配が
形成され、かつ繊維同士の接点が接着固定された、太繊
度繊維ウェブ層側を植生面として設置される繊維成形体
であり、培土が潅水によって膨潤する培土であることを
特徴とする緑化構造物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築構造物の屋上
等に植物を生育させるための緑化構造物に関する。
【0002】近年、建造物の高層化に伴い、都市の景観
を配慮した都市造りが議論され、ビル等の屋上やバルコ
ニーに植物を育成し、緑化することが注目されている。
ビル等の屋上やバルコニーを緑化することは、単に景観
上の問題に止まらず、冷暖房エネルギー節約の観点から
も重要なことであり、政府並びに地方自治体は屋上緑化
施設の設置に対して、低利融資制度の拡充や税制優遇措
置を講じたり、助成金を交付する等の施策を進めてい
る。
【0003】屋上を緑化するには解決しなければならな
い幾つかの課題がある。例えば、建物にかかる荷重負担
の軽減、緑化施設の排水処理、植栽の手入れ等である。
これら課題を解決するため、軽量の人工培土を用い、植
物として手入れが容易で草丈が小さく、均一な植生が得
られるマンネングサ等のセダム類を用いた屋上緑化シス
テムが販売・施工され、重量も100kg/m2以下に
なり、50kg/m2台のものも見られるようになっ
た。また、植生では地衣類の利用も試みられている。し
かし、緑化施設の重量が小さすぎると逆にビル風等によ
って培土が飛散したり緑化施設が破損したりする恐れが
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、建物にかか
る緑化施設の荷重負担が小さく、風による培土の飛散や
緑化施設の破損の恐れが少ない、植栽の手入れが簡単で
屋上緑化に好適な緑化構造物を提供することを課題とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意研究の
結果、空隙に培土が充填された繊維成形体、保水層、根
域制限層、排水層及び遮水層が上から順に連設されてな
る緑化構造物であって、繊維成形体が、繊度を異にする
2種以上の捲縮繊維からなる混合ウェブがランダム配列
して積層された、厚さ方向の一方側に主として細繊度繊
維ウェブ層が分布し、他方側に主として太繊度繊維ウェ
ブ層が分布し、その間に連続的に密度勾配が形成され、
かつ繊維同士の接点が接着固定された、太繊度繊維ウェ
ブ層側を植生面として設置される繊維成形体であり、培
土が潅水によって膨潤する培土である緑化構造物が本課
題を解決できることを見出し、その知見に基づき本発明
を完成した。
【0006】本発明は以下により構成される。 (1)空隙に培土が充填された繊維成形体、保水層、根
域制限層、排水層及び遮水層が上から順に連設されてな
る緑化構造物であって、繊維成形体が、繊度を異にする
2種以上の捲縮繊維からなる混合ウェブがランダム配列
して積層された、厚さ方向の一方側に主として細繊度繊
維ウェブ層が分布し、他方側に主として太繊度繊維ウェ
ブ層が分布し、その間に連続的に密度勾配が形成され、
かつ繊維同士の接点が接着固定された、太繊度繊維ウェ
ブ層側を植生面として設置される繊維成形体であり、培
土が潅水によって膨潤する培土であることを特徴とする
緑化構造物。
【0007】(2)前記混合ウェブが、繊度100〜5
000dtex及び2〜120dtexである互いに異
なる繊度の繊維からなることを特徴とする前記(1)項
記載の緑化構造物。
【0008】(3)前記混合ウェブを構成する繊維が、
低融点成分と高融点成分からなる熱接着性複合繊維であ
る前記(1)もしくは(2)項記載の緑化構造物。
【0009】(4)熱接着性複合繊維が、ポリオレフィ
ン樹脂同士もしくはポリオレフィン樹脂とポリエステル
樹脂とからなる繊維である前記(3)項記載の緑化構造
物。
【0010】(5)培土が、ヤシガラ圧縮顆粒を20〜
99.5容積%、吸水性樹脂を0.1〜10容積%含有
することを特徴とする前記(1)〜(4)項のいずれか
1項記載の緑化構造物。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を説
明する。本発明の緑化構造物に用いられる繊維成形体
は、繊度の異なる2種以上の捲縮を有する熱接着性繊維
(以下、異繊度繊維という)で構成される。本発明にお
いて熱接着性繊維とは熱可塑性樹脂で構成される繊維で
ある。
【0012】前記繊維成形体に用いられる異繊度繊維が
低融点成分と高融点成分からなる熱接着性複合繊維であ
ると、繊維交点が容易に熱接着により固定され、交点の
接着強度も十分である。前記低融点成分と高融点成分の
融点差は15℃以上であることが好ましい。熱接着処理
は低融点成分の融点以上、高融点成分の融点以下の温度
で行うのが好ましい。また、前記複合繊維は、繊維表面
の少なくとも一部を低融点成分が構成する二成分系以上
からなる繊維で、形態として鞘芯型、偏心鞘芯型、並列
型、海島型を例示することができる。
【0013】前記熱接着性複合繊維を構成する熱可塑性
樹脂の組合せは、特に限定されないが、価格等の点でポ
リオレフィン樹脂同士の組合せもしくはポリオレフィン
樹脂とポリエステル樹脂の組合せが好ましく、中でも耐
薬品性や軽量性の点でポリオレフィン系同士が好まし
い。また前記熱可塑性樹脂には、本発明の効果を損なわ
ない範囲で、用途により、着色剤、耐光剤、難燃剤、抗
菌剤等が添加されていてもよい。
【0014】本発明において用いられる繊維成形体は、
異繊度繊維からなる混合ウェブがランダム配列して積層
され、厚さ方向の一方側に主として細繊度繊維ウェブ層
が分布し、他方側に主として太繊度繊維ウェブ層が分布
し、その間に連続的に密度勾配が形成され、かつ繊維同
士の接点が接着固定された嵩高で空隙の多い繊維成形体
である。この繊維成形体を用いることによって、潅水に
よって膨潤する培土は、乾燥状態では繊維成形体の空隙
に容易に充填され、充填後潅水されて膨潤した後は繊維
成形体の空隙に保持・固定され、繊維成形体が傾いても
殆ど移動しない状態となる。
【0015】前記繊維成形体に用いられる異繊度繊維の
繊度は2種類以上であるが、例えば2種類の場合、太繊
度繊維として繊度100〜5000dtex、及び細繊
度繊維として2〜120dtexの互いに異なる繊度の
繊維が挙げられる。中でも太繊度繊維として二次元また
は三次元捲縮が付与された200〜3000dtexの
繊維、細繊度繊維として二次元または三次元捲縮が付与
された30〜100dtexの繊維を用いると、得られ
る繊維成形体は植生が生育した状態でも保形性に優れ、
かつ培土の保持・固定性に優れる。
【0016】前記太繊度繊維の繊維長は、38〜128
mm、特に89〜128mmであると密度勾配の形成に
好適である。また、前記細繊度繊維の繊維長は、38〜
128mm、とりわけ64〜89mmであると密度勾配
の形成に好適である。特に、太繊度繊維の繊維長が細繊
度繊維の繊維長と比べて極端に短い場合は密度勾配を形
成させることが困難になり好ましくない。
【0017】混合する異繊度繊維の比率は、繊維が2種
類の場合、細繊度繊維10〜40重量%、太繊度繊維6
0〜90重量%が望ましい。細繊度繊維の重量比率が1
0重量%未満だと細繊度繊維は繊維成形体の厚さ方向の
一方側の表層部付近に多く分布するため、望ましい密度
勾配を形成しにくくなり、さらに細繊度繊維ウェブ層が
繊維成形体から剥離しやすくなる。一方、40重量%を
超えると細繊度繊維はウェブ全体に分布するため密度勾
配を形成することが困難になる。
【0018】前記繊維成形体においては、厚さ方向の一
方側に主として分布している細繊度繊維ウェブ層は、厚
さ方向の他方側にかけて徐々に密度が減少する。太繊度
繊維ウェブ層は細繊度繊維ウェブ層の次に連続して分布
するが、層の境界では両者混在しており層が分離するこ
とはない。太繊度繊維ウェブ層は、厚さ方向の他方側に
かけて緩やかに密度が減少する。他方側の表層部では太
繊度繊維が主として分布しており、全体的に緩やかな密
度勾配を形成した構造である。
【0019】前記繊維成形体のもう一つの特徴は、異繊
度繊維からなる混合ウェブがランダム配列して交絡した
構造を有している点にある。このことは、通常のカード
法工程を経て形成される繊維成形体は、縦方向/横方向
に強度に著しく差があるのに対し、本発明の製造法によ
り形成された繊維成形体は、縦方向/横方向に差がない
点が異なる。つまり、通常のカード法工程を経たウェブ
は、カードウェブの流れ方向(縦方向)に大部分が配列
するのに対し、本発明の製造法により形成されるウェブ
は、縦方向/横方向に関係なくランダムに配列されるた
め、縦方向/横方向の両方向にほぼ均等な引張強力を示
すのである。このようにランダム配列したウェブは、透
水性、通気性に優れ、かつ、弾力性、クッション性等を
含め形状保持性にも優れるという作用効果に寄与する。
【0020】前記繊維成形体の製造方法としては、ラン
ダムウェバーを用いて異繊度繊維からなる混合ウェブを
分断飛散させて移動コンベア上に密度勾配を形成させな
がら順次堆積させた後、接着処理する方法が挙げられ
る。また、捲縮を有しない繊度の異なる繊維の混合ウェ
ブを分断飛散させて移動コンベア上に密度勾配を形成さ
せながら順次堆積させた後、接着処理時に捲縮を発生さ
せてもよい。更に、分断飛散後の異繊度繊維からなる混
合ウェブを衝突部材に衝突させて移動コンベア上に密度
勾配を形成させながら順次堆積させる方法を用いること
もできる。かかる繊維成形体は特開平8−209514
号公報に開示された方法によって製造することができ
る。
【0021】前記繊維成形体の厚さや目付は、植生の種
類、培土の種類や量等によって変わり、特に限定はない
が、一般に、厚さは25〜100mm、好ましくは30
〜70mm、目付は500〜5000g/m2、好まし
くは700〜3000g/m2であることが望ましい。
【0022】本発明において、保水層は、前記繊維成形
体の細繊度繊維ウェブ層側の面に接して、前記繊維成形
体に培土を充填する際のこぼれ、初潅水直後の未膨潤培
土の流亡、植生潅水時の微細培土流亡等を防止すると共
に、水分を保持して繊維成形体中の培土の乾燥を防ぎ、
同時に過剰の水分を透過させる機能も有する。保水層の
材質は上記の機能を有すれば限定はないが、繊度2〜1
20dtex、繊維長38〜128mmの前記熱接着性
複合繊維に、脱脂綿繊維を45〜90重量%、好ましく
は60〜80重量%混合してなる目付50〜500g/
2の不織布が好適に用いられる。脱脂綿繊維の量が4
5重量%未満であると保水性が不十分であり、90重量
%を超えると不織布がケバ立って強力が低下してくる。
【0023】本発明において、根域制限層は植物の根が
下に伸びて排水に支障を生じない様に根の下方への生育
を防止するための層である。根域制限層の材質は上記の
機能を有すれば限定はないが、目付50〜500g/m
2、の透水性を有する不織布が好適に用いられる。市販
の防草シート、止根シートを使用しても良い。
【0024】本発明において、排水層は、培土を含有し
使用時に上に植生を有する繊維成形体、保水層、根域制
限層の重量を支え、降雨時や潅水時の過剰水分が排水設
備に流入できるように空間を確保するための層である。
従って、排水層は、圧縮荷重に対して体積の減少が少な
く、集排水のための大きな空隙を有し、目詰まりや腐蝕
がなく耐久性に優れる必要がある。また、軽量で運搬や
施工性が良いことが求められる。排水層の材質は上記の
機能を有すれば限定はないが、ポリプロピレン樹脂やポ
リエチレン樹脂のようなポリオレフィン樹脂製の直径
0.5〜3mmの線材からなり、厚さが、15〜55m
m、特に25〜30mmのの平面排水材が軽量でフレキ
シブルであるため好適に用いられる。
【0025】本発明において、遮水層は雨水や緑化施設
の潅水時の過剰水分が建築構造物内に浸入するのを防止
するするための層である。遮水層の材質は上記の機能を
有すれば限定はないが、建築構造物に接着可能で長期の
使用に耐える必要があり、ブチルゴムシート、ポリ塩化
ビニル樹脂シート、エチレン−酢酸ビニル樹脂シート、
アスファルト、アクリル樹脂塗料等が用いられる。中で
も本発明の緑化構造物を建築構造物に固定するための金
具が取り付け易く、耐久性に優れ安価なポリ塩化ビニル
樹脂シートが好ましい。ポリ塩化ビニル樹脂系遮水シー
トとしては、厚さ0.5〜2mm、目付600〜300
0g/m2のものが例示できる。
【0026】本発明の緑化構造物においては、潅水によ
って膨潤する培土が用いられる。前記培土の成分として
は、ヤシガラ圧縮顆粒、ピートモス圧縮物等を例示する
ことができるが、安価で吸水性が良好なヤシガラ圧縮顆
粒が好適に用いられる。ヤシガラ圧縮顆粒は、ヤシの実
の中果皮から長中繊維を取り除いた残さで、コイアダス
トと呼ばれるものを圧縮し顆粒状に加工したものであ
る。ヤシガラ圧縮顆粒の製造は特開平11−30264
6号公報に開示された方法によって行うことができる。
【0027】前記培土の成分としてヤシガラ圧縮顆粒を
用いる場合、その大きさは繊維成形体の空隙に充填可能
であれば限定はないが、例えば直径2〜4mm、長さ2
〜6mmの粒状ペレットが例示できる。また、培土の成
分としてヤシガラ圧縮顆粒を用いる場合、培土中におけ
るヤシガラ圧縮顆粒の含有量は20〜99.5重量%、
好ましくは25〜60重量%であることが望ましい。前
記含有量が20重量%未満では潅水時の培土の膨潤が不
十分であり、99.5重量%を超えると培土の膨潤の程
度をコントロールしにくくなる。
【0028】本発明においては、前記培土の保水性を改
善するために培土の成分として更に吸水性樹脂を用いる
ことが好ましい。前記吸水性樹脂としては、カルボキシ
メチルセルロース架橋物、でんぷん−アクリロニトリル
グラフト共重合体、ポリビニルアルコール、ポリアクリ
ル酸塩、N−イソプロピルアクリルアミドとアクリル酸
ナトリウムとの共重合体等が挙げられるが、水分の吸収
・保持量が多く、かつ放出が比較的容易なN−イソプロ
ピルアクリルアミド、アクリル酸ナトリウム及びダイア
セトンアクリルアミドを架橋剤存在下で水溶液重合して
得られる感温性吸水樹脂(商品名:サーモゲル、(株)
興人製)が好ましく用いられる。
【0029】培土中における吸水性樹脂の含有量は、
0.1〜10容積%、好ましくは0.5〜3容積%であ
ることが望ましく、0.1容積%未満であると培土の保
水性が不十分であり、10容積%を超えると培土が湿潤
過多となり植物の根腐れ等の生育障害が生じる恐れがあ
る。
【0030】本発明の緑化構造物においては、培土の膨
潤をコントロールし形状を保持するため、培土の成分と
して、必要に応じて無機粒状物を前記ヤシガラ圧縮顆粒
及び吸水性樹脂に加えて用いることができる。前記無機
粒状物としては、焼成バーミキュライト、パーライト、
ゼオライト、ボラ土、焼成ケイ藻土、火山礫、再生ガラ
ス発泡物等を例示することができ、軽量性、保水性の点
で多孔質発泡体が好ましい。
【0031】本発明の緑化構造物は、図1に示すように
空隙に培土が充填された繊維成形体1の太繊度繊維ウェ
ブ層側を植生面として、細繊度繊維ウェブ層側の下に保
水層2、根域制限層3、排水層4、遮水層5が設けられ
た構造を有している。繊維成形体1は上側が太繊度繊維
ウェブ層で空隙が大きく下側が細繊度ウェブ層で空隙が
小さい。乾燥状態の培土は上側から充填され、培土のう
ち細かい部分は下側の細繊度繊維ウェブ層に落下し、培
土の大きい部分は落下の途中の空隙に捕捉される。空隙
に培土が充填されやすくするため、振動を利用しても良
い。培土を充填後、潅水すると培土の中のヤシガラ圧縮
顆粒が水分を吸収し膨潤して、培土は空隙の中に固定さ
れ動きにくくなる。
【0032】植物は、その種類等により、繊維成形体1
の太繊度繊維ウェブ層側の面に播種、挿芽または移植等
の方法によって植付けられ栽培される。植付けの効率化
を図るため予め育苗されたプラグ苗を自動植付け機を用
いて植え付けても良い。植物は生育に伴い根が成長し繊
維成形体に絡んで一体となり、培土は更に根に絡められ
て殆ど動かない状態になる。また、植物や培土は繊維成
形体と一体となった根に支えられ、ビル風等強風によっ
て飛散する事がない。雨水や潅水時の過剰水分は、保水
層2、根域制限層3を通り抜け、排水層4に流入し、遮
水層5の上を流れて排水設備に流入する。
【0033】本発明の緑化構造物は、軽量で建築構造物
に加わる荷重は少ないが、強風下では、破損のおそれが
ありこれを防ぐため、固定具を用いて、緑化構造物を建
築構造物もしくは予め建築構造物に緊結して敷設された
遮水層に緊結・固定される。固定具の形状や材質につい
ては、所期の目的に適うものであれば特に限定はなく、
形状としては緑化構造物全体を覆うネット状物、緑化構
造物を貫通する図1の7のような治具が例示でき、材質
も合成樹脂や金属等が挙げられる。また固定具の取り付
け数や位置も環境に応じて適宜選択可能である。
【0034】本発明の緑化構造物の植生として用いられ
る植物は、特に限定はなくいわゆるグラウンドカバープ
ランツと呼ばれる植物群から目的と用途に応じて適宜選
択して用いることができるが、一定以上の大きさになら
ず、刈り込みなどの手入れが殆ど不要で、乾燥や自動車
の排気ガスに強く耐用年数が長いセダム類が好ましい。
【0035】前記セダム類として、具体的には、メキシ
コマンネングサ、ツルマンネングサ、キリンソウ、ホソ
バノキリンソウ、エゾノキリンソウ、ヒメキリンソウ、
タカネマンネングサ、ヤハズマンネングサ、ヒメレン
ゲ、マルバマンネングサ、サツママンネングサ、ハママ
ンネングサ、ナガサキマンネングサ、コモチマンネング
サ、メノマンネングサ、タイトゴメ、ムニンタイトゴ
メ、コゴメマンネングサ、ウンゼンマンネングサ、オオ
メノマンネングサ、マツノハマンネングサ、オノマンネ
ングサ、ハコベマンネングサ、ウスユキマンネングサ等
が挙げられる。これらの植物は、一定の大きさに生育し
た後は、適宜潅水すればよく必ずしも施肥の必要はな
い。
【0036】本発明において、施肥は植生として用いら
れる植物の種類や生育環境により、適宜行うことができ
るが、例えば、元肥として窒素系被覆肥料を10〜20
g/m2の割合で培土に混ぜて施肥し、追肥として液体
肥料を潅水時に施肥する等の方法が例示できる。
【0037】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
【0038】実施例1 1.繊維成形体 熱接着性複合繊維の鞘成分が融点135℃の高密度ポリ
エチレン樹脂(低融点成分)、芯成分が融点162℃の
ポリプロピレン樹脂(高融点成分)からなり、低融点成
分:高融点成分の重量比が1:1である、三次元捲縮の
付与された繊度2500dtex、繊維長さ128mm
の太繊度繊維80重量%と、前記太繊度繊維と同じ成分
からなり、二次元捲縮の付与された繊度65dtex、
繊維長さ64mmの細繊度繊維20重量%を混合し、ラ
ンダムウェバーを用いて目付750g/m2の密度勾配
の形成されたランダム配列したウェブを得た。
【0039】このウェブをネットコンベア狭持型の熱風
エアスル−型の加熱機で、温度148℃、時間5分間加
熱処理をし、冷却前に適度に加圧して、厚さ30mm
の、異繊度繊維からなる混合ウェブがランダム配列して
積層され、厚さ方向の一方側に主として細繊度繊維ウェ
ブ層が、他方側に主として太繊度繊維ウェブ層が分布
し、その間に連続的な密度勾配が形成された、かつ繊維
同士の交点が熱接着で固定された繊維成形体を得た。こ
の繊維成形体から100×100cmの直方体を切り出
した。
【0040】2.保水層 熱接着性複合繊維の鞘成分が融点135℃の高密度ポリ
エチレン樹脂(低融点成分)、芯成分が融点162℃の
ポリプロピレン樹脂(高融点成分)からなり、低融点成
分:高融点成分の重量比が1:1である、平均繊度35
dtex、平均繊維長64mmの熱接着性複合繊維に脱
脂綿繊維を65重量%混合し、エアースルー法により繊
維交点を熱接着させて目付100g/m2の不織布を
得、保水層とした。
【0041】3.根域制限層 市販の防根透水シート(ポリエステル製不織布、厚さ
0.1mm、目付60g/m2、東洋紡績(株)製)を
用いた。
【0042】4.排水層 市販の平面排水材カールロック(商品名。直径1mmポ
リエチレン線材製、厚さ2.5cm、目付1000g/
2、東亜紡績(株)製)を用いた。
【0043】5.培土の調製 平均寸法が直径3mm×長さ4mmで吸水時に約2倍の
容積になるヤシガラ圧縮顆粒(チッソ旭肥料(株)製、
見掛け比重約0.5、水分含有率8重量%)を30容積
%、ボラ土(見掛け比重約0.7)を68容積%、吸水
性樹脂サーモゲル(商品名。見掛け比重約0.5、
(株)興人製)を2容積%の割合で加え、タンブラーミ
キサーで混合し培土とした。培土の見掛け比重は約0.
6であった。
【0044】6.培土の充填 直方体状繊維成形体の太繊度繊維側の面を上にし、充填
時の培土脱落防止のため前記繊維成形体側面を、保水層
に用いた不織布で熱接着により被覆した後、下に保水
層、根域制限層、排水層を重ねて平面に置き、前記培土
24リットルを直方体の太繊度繊維側の面上に散布し移
植ベラで均した後、左右に軽く揺すって培土を繊維成形
体に充填した。培土は容易に繊維成形体の空隙に入って
行き充填は速やかに行われた。培土を充填した後、じょ
うろで約30リットルの水を注ぎヤシガラ圧縮顆粒を膨
潤させ、緑化構造物とした。潅水後60分で膨潤は終了
し、緑化構造物の厚さは約40mmであった。
【0045】7.植生の栽培 培土を充填・潅水した後の緑化構造物の上面に、メキシ
コマンネングサの芽約500ピースを播きヤシガラ圧縮
顆粒で覆土し潅水し、90日間、ビニールハウスの中で
栽培した。草丈が約10cmになったところで、緑化構
造物の中を観察したところ、植物の根が培土を抱いた状
態で繊維成形体の繊維に絡みついていた。
【0046】8.屋上設置 コンクリート建造物の屋上平面に、周囲に高さ40mm
の側壁を有し、平面の内法が105×105cmの正方
形である緑化用基盤を準備し、その内側の平面及び側面
にニポラン遮水シート(商品名。ポリ塩化ビニル樹脂
製、厚さ0.5mm、目付650g/m2、日本ポリプ
ロダクツ(株)製)を接着敷設した。尚、側壁に1ヶ所
排水路を設置し一定水位を超えた緑化用基盤内の水が溢
流するようにした。この緑化用基盤の対角線上で角から
20cm離れた位置の遮水シート上4個所に図1の7の
ような金属製固定具を取付けた。
【0047】固定具7はその下部の板が、遮水層5に接
着固定され、下部の板面から垂直に伸びる丸棒が排水層
4、根域制限層3、保水層2、繊維成形体1を貫いて植
生面に出ており、この丸棒の上部にはネジが切ってあ
る。この丸棒に、中心部に丸棒の直径より大きく後記の
ナット外寸より小さい孔のあいた上部の板を通して取り
付けナットで締め付けて緑化構造物を建築構造物に緊結
する。
【0048】前記緑化用基盤に前記植生を有する緑化構
造物を緑化用基盤側壁から2〜3cm離して設置しナッ
トを締め付けて建築構造物に固定し緑化施設を構築し
た。この緑化施設の培土中には、水分センサー(クリフ
(株)製)を設置して底面潅水用給水弁を開閉させる構
造とし、前記溢流排水路との組合せで培土の水分Pfが
1.7〜4.2となるようにコントロールした。この状
態で1年間観察したが、風等による培土や施設の損傷も
なく、植物の枯死もなく緑化施設として所期の結果を得
た。また、この植生を有する緑化構造物は潅水1時間後
で、40kg/m2の重量であり、従来の屋上緑化の荷
重を下回る画期的な数値であった。
【0049】
【効果】本発明の緑化構造物は、軽量で培土の保持性に
優れた構造を有する熱可塑性樹脂製繊維成形体を用い、
培土の成分として膨潤性を有するヤシガラ圧縮顆粒を用
いることによって、培土の脱落が防止された軽量な緑化
構造物であり、建築構造物の屋上緑化に好適に用いられ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の緑化構造物の模式図である。 符号の説明 1:培土を含有した繊維成形体。図の上側に主として太
繊度繊維ウェブ層が、下側に主として太細繊度繊維ウェ
ブ層が分布。 2:保水層 3:根域制限層 4:排水層 5:遮水層 6:建築構造物 7:固定金具

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】空隙に培土が充填された繊維成形体、保水
    層、根域制限層、排水層及び遮水層が上から順に連設さ
    れてなる緑化構造物であって、繊維成形体が、繊度を異
    にする2種以上の捲縮繊維からなる混合ウェブがランダ
    ム配列して積層された、厚さ方向の一方側に主として細
    繊度繊維ウェブ層が分布し、他方側に主として太繊度繊
    維ウェブ層が分布し、その間に連続的に密度勾配が形成
    され、かつ繊維同士の接点が接着固定された、太繊度繊
    維ウェブ層側を植生面として設置される繊維成形体であ
    り、培土が潅水によって膨潤する培土であることを特徴
    とする緑化構造物。
  2. 【請求項2】前記混合ウェブが、繊度100〜5000
    dtex及び2〜120dtexである互いに異なる繊
    度の繊維からなることを特徴とする請求項1記載の緑化
    構造物。
  3. 【請求項3】前記混合ウェブを構成する繊維が、低融点
    成分と高融点成分からなる熱接着性複合繊維である請求
    項1もしくは2記載の緑化構造物。
  4. 【請求項4】熱接着性複合繊維が、ポリオレフィン樹脂
    同士もしくはポリオレフィン樹脂とポリエステル樹脂と
    からなる繊維である請求項3記載の緑化構造物。
  5. 【請求項5】培土が、ヤシガラ圧縮顆粒を20〜99.
    5容積%、吸水性樹脂を0.1〜10容積%含有するこ
    とを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の緑化
    構造物。
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