JP2016162586A - リチウム空気二次電池及びこれに用いる空気極の作製方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】充放電の電圧差が小さく、充放電サイクルを繰り返しても放電容量の低下が小さいリチウム空気二次電池を提供すること。【解決手段】本発明によるリチウム空気二次電池は、空気極、負極、並びに、前記空気極及び前記負極に接する電解質を含み、前記空気極は、導電性材料及び触媒を含み、前記空気極の触媒は白金ルテニウム(PtxRuy)(但し、x及びyは、白金ルテニウム合金中の白金及びルテニウムの原子比を表す)を含むことを特徴とする。本発明は、前記触媒の製造方法を包含する。【選択図】図1

Description

本発明はリチウム空気二次電池に関する。特に本発明は、鉛蓄電池やリチウムイオン電池などの従来の二次電池よりも小型軽量で、かつ遙かに大きい放電容量を実現できるリチウム空気二次電池に関する。本発明は更に、上記リチウム空気二次電池に使用できる空気極の作製方法に関する。
正極活物質として空気中の酸素を用いるリチウム空気二次電池は、電池外部から常に酸素が供給され、電池内に大量の負極活物質である金属リチウムを充填することができる。このため、電池の単位体積当たりの放電容量の値を非常に大きくできることが報告されている。
これまでに非特許文献1や非特許文献2に報告されているように、正極であるガス拡散型空気極に種々の触媒を添加することにより、放電容量、サイクル特性などの電池性能を改善する試みらがなされている。
ガス拡散型空気極の電極触媒として遷移金属酸化物が検討されている。例えば、上記文献では、非特許文献1においてλ−MnO2などの遷移金属酸化物が、非特許文献2では主に酸化鉄(Fe23)、コバルト酸化物(Co34)などの遷移金属酸化物が検討されている。これらの文献には、以下のようなリチウム空気二次電池の電池特性の試験の結果が示されている。
非特許文献1に開示されている二次電池では、充放電サイクルは可能であったが、4サイクル後に放電容量は約1/4に低下し、二次電池としての性能は低いものであった。また、非特許文献1に開示されている二次電池では、充電電圧が、約4.0Vであり、平均放電電圧の2.7Vと比較して非常に大きく、充放電エネルギー効率が低いという課題がある。
一方、非特許文献2では、9種類の触媒を検討し、空気極に含まれるカーボンの重量当たりで1000〜3000mAh/gの非常に大きな放電容量が得られている。しかしながら、充放電を繰り返すと、放電容量の低下が著しく、例えば、Co34の場合、10サイクルで容量維持率が約65%となる。このように、非特許文献2のリチウム空気二次電池でも著しい容量の減少が見られ、二次電池としての十分な特性は得られていない。また、非特許文献2のリチウム空気二次電池のほとんどの場合で平均放電電圧は2.5V程度であり、一方、充電電圧は4.0〜4.5Vを示し、最も低いものでも3.9V程度である。このため、非特許文献2のリチウム空気二次電池は充放電のエネルギー効率は低い。
J. Read, Journal of The Electrochemical Society, Vol.149, pp.A1190-A1195 (2002). Aurelie Debart et al., Journal of Power Sources, Vol.174, pp.1177 (2007). H.Okamoto, Journal of Phase Equilibria and Diffusion, Vol. 29, pp.471 (2008).
本発明は、リチウム空気二次電池を、高容量二次電池として作動させ、充放電の電圧差が小さく、充放電サイクルを繰り返しても放電容量の低下が小さいリチウム空気二次電池を提供することを目的とする。
本発明によるリチウム空気二次電池は、空気極、負極、並びに、前記空気極及び前記負極に接する電解質を含み、
前記空気極は、導電性材料及び触媒を含み、
前記空気極の触媒は白金(Pt)及びルテニウム(Ru)からなる白金ルテニウム(PtxRuy)合金(但し、x及びyは、白金ルテニウム合金中の白金及びルテニウムの原子比を表す)を含むことを特徴とする。
本発明の一実施形態では、前記白金ルテニウム(PtxRuy)合金は、前記白金ルテニウム(PtxRuy)合金中のルテニウム(Ru)の含有量が、原子%で50%以上であることが好ましく、60%以上83%以下であることが特に好ましい。
本発明は、リチウム空気電池二次電池の空気極作製方法を包含する。この方法は、
白金(Pt)及びルテニウム(Ru)を含む金属塩を溶解した水溶液中に導電性材料を分散させ、スラリーを得る工程と、
前記スラリーを蒸発乾固し、白金(Pt)及びルテニウム(Ru)を含有した触媒担持導電性材料の前駆体を得る工程と、
前記前駆体を還元ガス雰囲気で熱処理することにより、白金ルテニウム(PtxRuy)担持導電性材料粉末(但し、x及びyは、白金ルテニウム合金中の白金及びルテニウムの原子比を表す)を生成する工程
を含む。
上述した本発明のリチウム空気二次電池によって、電池性能の改善を達成することができる。
本発明のリチウム空気二次電池は、空気極の触媒として、白金ルテニウム(PtxRuy)合金を添加したことにより、従来よりも優れたサイクル特性を実現でき、更にエネルギー効率などを改善することができる。具体的には、充放電の電圧差が小さく、かつ充放電サイクルを繰り返しても放電容量の低下を抑えることができるリチウム空気二次電池を提供できる。
本発明によるリチウム空気二次電池の基本的な概略図である。 実施例において測定に用いたリチウム空気二次電池の構造を示すための概略断面図である。 実施例1のリチウム空気二次電池の初回の充放電曲線を示すグラフである。 実施例1〜実施例3、及び比較例1〜2のリチウム空気二次電池の放電容量のサイクル依存性を示す図である。
以下に、図面を参照しつつ、本願に係るリチウム空気二次電池の一実施形態について詳細に説明する。
[リチウム空気二次電池の構成]
本発明に係るリチウム空気二次電池100は、図1に示されるように、空気極101、負極102及び電解質(例えば有機電解液)103を少なくとも含み、前記空気極101が正極として機能する。また、これらの空気極と負極との間に電解質が配置されうる。
前記空気極101は、触媒、導電性材料を構成要素に含むことができる。また、空気極には、前記材料を一体化するための結着剤を含むことが好ましい。負極102は金属リチウム又はリチウムイオンを放出及び吸収することができるリチウム含有合金などの物質を構成要素とすることができる。
以下に上記の各構成要素について説明する。なお、本明細書において、電解液とは、電解質が液体形態である場合をいう。
(I)空気極(正極)
本発明では、空気極は、触媒及び導電性材料を少なくとも含み、必要に応じて結着剤等を含むことができる。
(I−1)触媒
本発明のリチウム空気二次電池では、空気極の触媒として白金ルテニウム(PtxRuy)合金を含む。本明細書において、白金ルテニウム(PtxRuy)合金を表す場合の、添字「x」及び「y」は、それぞれ、白金ルテニウム合金における、白金(Pt)及びルテニウム(Ru)の原子比を表す。なお、x、yが1である場合は、それを省略することがある。例えば、PtRuの場合、白金ルテニウム合金は、白金(Pt)1に対してルテニウム(Ru)を1の原子比で含むことを意味する。言い換えれば、白金ルテニウム合金中の白金対ルテニウムの含有量は、Pt:Ru=50:50(原子%)であることを意味する。
本発明では、白金ルテニウム合金中のルテニウム(Ru)の含有量は、後述する実施例及び比較例の結果から、原子%で50%以上(Pt:Ruの原子比が1:1以上)であることが好ましく、60%以上83%以下であることが特に好ましい。
前記空気極は、酸素還元(放電)及び酸素発生(充電)の両反応に対して高活性な白金(Pt)を含んでいる。理論に拘束されることを意図しないが、白金ルテニウム(PtxRuy)合金の触媒活性は以下のように考えることができる。非特許文献3の白金(Pt)−ルテニウム(Ru)の相図によれば、白金ルテニウム(PtxRuy)合金中のルテニウム(Ru)の含有量が原子比(原子%)で60%以上83%未満の場合、白金(Pt)単体の結晶構造である面心立方構造及びルテニウム(Ru)単体の結晶構造である六方最密構造が混在した構造をとる。そのため、白金ルテニウム(PtxRuy)合金内で固溶した白金原子同士の結合(Pt−Pt結合)は大きく歪むことになり、さらに活性が向上する。この白金原子同士の結合(Pt−Pt結合)の歪みにより、本発明のリチウム空気二次電池は、二次電池としての性能を高めることができる。一方、前記白金ルテニウム(PtxRuy)合金は、白金ルテニウム(PtxRuy)合金中のルテニウム(Ru)の含有量が原子比(原子%)で83%以上の場合、前記白金ルテニウム(PtxRuy)合金は六方最密構造をとり、白金(Pt)単体の面心立方構造と大きく異なる。このため、白金原子同士の結合(Pt−Pt結合)に適切に歪みが入らない。その結果、白金ルテニウム(PtxRuy)合金中のルテニウム(Ru)の含有量が原子比(原子%)で60%以上83%未満の場合と比較して触媒活性が低下する可能性がある。また、ルテニウム(Ru)と比較して触媒活性の高い白金(Pt)の含有量が少ないことも触媒活性が低下する原因の1つと考えられる。
本発明のリチウム二次電池の空気極では、電解質/電極触媒/空気(酸素)の三相界面サイトにおいて、電極反応が進行する。即ち、空気極101中に有機電解液などの電解質103が浸透し、同時に大気中の酸素ガスが供給され、電解質−電極触媒−空気(酸素)が共存する三相界面サイトが形成される。前記電極触媒が高活性であれば、酸素還元(放電)及び酸素発生(充電)がスムーズに進行し、電池性能は大きく向上することになる。
空気極での反応は次のように表すことができる。
2Li++(1/2)O2+2e- → Li2O (1)
2Li++O2+2e- → Li22 (2)
上式中のリチウムイオン(Li+)は、負極から電気化学的酸化により有機電解液などの電解質中に溶解し、この電解質中を空気極表面まで移動してきたものである。また、酸素(O2)は、大気(空気)中から空気極内部に取り込まれたものである。なお、負極から溶解する材料(Li+)、空気極で析出する材料(Li22)、及び空気(O2)を図1に構成要素と共に示した。
空気極(正極)の電極触媒として好ましい白金ルテニウム(PtxRuy)合金を含有させた場合、酸素との相互作用が強く、多くの酸素種を白金ルテニウム(PtxRuy)合金表面に吸着できる。このように、白金ルテニウム(PtxRuy)合金表面上に吸着された、酸素種は、上記式(1)及び式(2)の酸素源(活性な中間反応体)として酸素還元反応に使用され、上記反応が容易に進むようになる。また、式(1)及び式(2)の逆反応である充電反応に対しても、上記の白金ルテニウム(PtxRuy)合金は活性を有している。従って、電池の充電、つまり、空気極上での酸素発生反応も効率よく進行する。このように、白金ルテニウム(PtxRuy)合金は、電極触媒として有効に機能する。
本発明のリチウム空気二次電池では、電池の効率を上げるために、電極反応を引き起こす反応サイト(上記の電解質/電極触媒/空気(酸素)の三相部分)がより多く存在することが望ましい。このような観点から、本発明では、上述の三相部位が電極触媒表面に多量に存在することが重要であり、使用する触媒は比表面積が高いことが望ましい。本発明では、例えば白金ルテニウム(PtxRuy)合金は、比表面積が20m2/g以上、好ましくは30m2/g以上であることが好適である。
本発明で好ましく使用される白金ルテニウム(PtxRuy)合金は、各種方法で入手することができる。例えば、白金ルテニウム(PtxRuy)合金は、固相法、液相法などの公知のプロセスを用いる、各種合成法で得ることができる。
例えば、合成法の一実施形態として、白金ルテニウム(PtxRuy)合金に含まれる白金(Pt)の可溶性化合物(例えば塩化白金、フッ化白金、ヨウ化白金、臭化白金、ヘキサクロリド白金酸、ヘキサクロリド白金酸カリウム、ヘキサクロリド白金酸アンモニウム、ヘキサクロリド白金酸セシウム、テトラクロリド白金酸、テトラクロリド白金酸カリウム、テトラクロリド白金酸アンモニウム、テトラクロリド白金酸セシウムなど)と、ルテニウム(Ru)の可溶性化合物(例えば塩化ルテニウム、フッ化ルテニウム、臭化ルテニウムなど)を用いる液相法により白金ルテニウム(PtxRuy)前駆体を調製し、次いでこの前駆体を熱処理する方法を挙げることができる。本発明では、この液相法を含む方法で白金ルテニウム(PtxRuy)を調製することが望ましい。液相法には、上記の水溶液を蒸発乾固し、水素還元する方法などがある。より具体的な手順としては、白金(Pt)の可溶性化合物及びルテニウム(Ru)の可溶性化合物の水溶液を混合し、得られた溶液を蒸発乾固し、乾燥した後、水素(H2)等の還元性雰囲気下で熱処理する方法などがある。なお、この熱処理の手順は、100℃以上、好ましくは150〜600℃、より好ましくは200〜400℃の温度で、0.5〜24時間、好ましくは1〜5時間で、昇温還元することが含まれる。このような温度範囲及び処理時間の熱処理を含む合成法で、比表面積の高い白金ルテニウム(PtxRuy)合金を得ることができる。
このようにして得られた白金ルテニウム(PtxRuy)合金は、本発明のリチウム空気二次電池の空気極の電極触媒として用いた場合において高い性能を示す。
ここで、上述したように、本発明では、白金ルテニウム(PtxRuy)合金の比表面積は、20m2/g以上であることが好ましい。例えば、上記の液相法で調製した白金ルテニウム(PtRu)合金は、熱処理後の比表面積の値が33m2/gであり、この条件を満たす。
(I−2)導電性材料
本発明では、空気極に導電性材料を含むことができる。導電性材料には、例えばカーボンを例示することができる。具体的には、ケッチェンブラック、アセチレンブラックなどのカーボンブラック類、活性炭類、グラファイト類、カーボン繊維類などを挙げることができる。空気極中で反応サイトを十分に確保するために、カーボンは比表面積が大きなものが適している。具体的には、BET比表面積で300m2/g以上の値を有しているものが望ましい。これらのカーボンは、例えば市販品として、又は公知の合成により入手することが可能である。
本発明のリチウム空気二次電池では、上述のように、空気極に使用する触媒及びカーボンの比表面積は、所定の値を有することが望ましい。本発明では、比表面積の測定は、市販の装置を用いて行うことができる。例えば、比表面積は、市販の測定装置を用いて、液体窒素を冷却媒として使用するようなBET法で測定することができる。
(I−3)結着剤(バインダー)
空気極は結着剤(バインダー)を含むことができる。この結着剤は、特に限定されないが、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレンブタジエンゴムなどを例として挙げることができる。これらの結着剤は、粉末として又は分散液として用いることができる。
本発明の空気極における上記触媒、導電性材料及び結着剤の含有量は、空気極の全材料の重量を基準として、触媒が0重量%を越え100重量%以下、好ましくは10〜90重量%であり、導電性材料が0〜90重量%、好ましくは10〜90重量%であり、結着剤が0〜50重量%、好ましくは5〜20重量%である。
(I−4)空気極の調製
空気極は以下のように調製することができる。触媒である白金ルテニウム(PtxRuy)合金粉末、カーボン粉末、及び必要に応じてポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のようなバインダー粉末を混合し、この混合物をチタンメッシュ等の支持体上に圧着することにより、空気極を成形することができる。また、前述の混合物を有機溶剤等の溶媒中に分散してスラリー状にして、金属メッシュ又はカーボンクロスやカーボンシート上に塗布し乾燥することによって、空気極を形成することができる。
また、電極の強度を高め、電解液の漏洩を防止するために、冷間プレスだけでなく、ホットプレスを適用することによっても、より安定性に優れた空気極を作製することができる。
なお、本発明では、上記方法に加えて、後述する「リチウム空気二次電池用空気極の作製」の欄で説明する方法でも、空気極を作製することができる。
空気極は、これを構成する電極の片面は大気に曝され、もう一方の面は電解質と接する。以上のように、白金ルテニウム(PtxRuy)合金を添加した空気極を作製することで、充電及び放電反応に対して高活性な空気極用電極を得ることができる。更に、上記のような構成のリチウム空気二次電池の空気極を作製することにより、白金ルテニウム(PtxRuy)合金からなる触媒の効果を高めることができる。
(II)負極
本発明のリチウム空気二次電池は、負極に負極活物質を含む。この負極活性物質は、リチウム二次電池の負極材料として用いることができる材料であれば特に制限されない。例えば、金属リチウムを挙げることができる。或いは、リチウム含有物質として、リチウムイオンを放出及び吸蔵することができる物質である、リチウムと、シリコン又はスズとの合金、或いはLi2.6Co0.4Nなどのリチウム窒化物を例として挙げることができる。
なお、上記のシリコン又はスズの合金を負極として用いる場合、負極を合成する時にリチウムを含まないシリコン又はスズなどを用いることもできる。しかし、この場合には、空気二次電池の作製に先立って、化学的手法又は電気化学的手法(例えば、電気化学セルを組んで、リチウムとシリコン又はスズとの合金化を行う方法)によって、シリコン又はスズが、リチウムを含む状態にあるように処理しておく必要がある。具体的には、作用極にシリコン又はスズを含み、対極にリチウムを用い、有機電解液中で還元電流を流すことによって合金化を行う等の処理をしておくことが好ましい。
本発明のリチウム空気二次電池の負極は、公知の方法で形成することができる。例えば、リチウム金属を負極とする場合には、複数枚の金属リチウム箔を重ねて所定の形状に成形することで、負極を作製すればよい。
ここで、放電時の負極(金属リチウム)の反応は以下のように表すことができる。
(放電反応)
Li→Li++e- (3)
なお、充電時の負極においては、式(3)の逆反応であるリチウムの析出反応が起こる。
(III)電解質
本発明のリチウム空気二次電池は、電解質を含む。この電解質は、空気極(正極)及び負極間でリチウムイオンの移動が可能な物質であればよい。例えば、リチウムイオンを含む金属塩を溶解した非水溶媒を使用できる。具体的には、リチウムイオンを含む金属塩として、リチウムビストリフルオロメタンスルホニルイミド(LiTFSI)、過塩素酸リチウム(LiClO4)、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)などのリチウムイオンを含む金属塩を挙げることができる。また、非水溶媒としては、炭酸ジメチル(DMC)、炭酸メチルエチル(MEC)、炭酸メチルプロピル(MPC)、炭酸メチルイソプロピル(MIPC)、炭酸メチルブチル(MBC)、炭酸ジエチル(DEC)、炭酸エチルプロピル(EPC)、炭酸エチルイソプロピル(EIPC)、炭酸エチルブチル(EBC)、炭酸ジプロピル(DPC)、炭酸ジイソプロピル(DIPC)、炭酸ジブチル(DBC)、炭酸エチレン(EC)、炭酸プロピレン(PC)、炭酸1,2−ブチレン(1,2−BC)などの炭酸エステル系溶媒、1,2−ジメトキシエタン(DME)、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(TEGDME)などのエーテル系溶媒、γ−ブチロタクトン(GBL)などのラクトン系溶媒、又は、ジメチルスルホキシド(DMSO)などのスルホキシド系溶媒、並びに、これらの中からの二種類以上を混合した溶媒[例えば炭酸エチレン(EC)及び炭酸ジメチル(DMC)(体積比1:1)の混合溶媒、EC及び炭酸ジエチル(DEC)などのような混合溶媒]を挙げることができる。
本発明のリチウム空気二次電池の他の電解質として、リチウムイオンを通す固体電解質(例えば、Li2SやP25を含む硫化物系固体電解質など)、リチウムイオンを通すポリマー電解質(例えば、ポリエチレンオキシド系、具体的には、例えば、上記有機電解液とポリエチレンオキシドをコンポジット化した物質など)等を挙げることができる。但し、本発明は、これらに限定されず、リチウム空気二次電池で使用される公知のリチウムイオンを通す固体電解質又はリチウムイオンを通すポリマー電解質であれば好適に使用することができる。
(IV)他の要素
本発明のリチウム空気二次電池は、上記構成要素に加え、セパレータ、電池ケース、金属メッシュ(例えばチタンメッシュ)などの構造部材、その他のリチウム空気二次電池に要求される要素を含むことができる。これらは、従来公知のものを使用することができる。
(V)リチウム空気二次電池の作製
本発明のリチウム空気二次電池は、上述した通り、少なくとも空気極(正極)、負極及び電解質を含み、例えば図1に示されるように、空気極と負極の間に電解質を狭持するように構成される。このような構成のリチウム空気二次電池は、従来型の二次電池と同様に調製することができる。
一実施形態では、例えば図2のような円柱形のリチウム空気二次電池を調製することができる。具体的には、まず、空気極を、絶縁被覆された空気極支持体に配置して固定する。負極は、負極支持体に固定する。空気二次電池の内部(空気極と負極の間となる部分)に、電解質を充填し、負極が空気極の大気と接する面と逆の面に配置されるように負極支持体を被せて空気二次電池全体を固定する。
上記構成要素に加え、空気極と負極の間となる部分にはセパレータ等の部材を配置することができ、その他絶縁部材、Oリング、固定具などを適宜配置することができる。
[リチウム空気二次電池用空気極の作製]
本発明は、空気極の作製方法を包含する。本発明の作製方法は、
(a) 白金(Pt)及びルテニウム(Ru)を含む金属塩を溶解した水溶液中に導電性材料を分散させ、スラリーを得る工程と、
(b) 前記スラリーを蒸発乾固し、白金(Pt)及びルテニウム(Ru)を含有した触媒担持導電性材料粉末の前駆体を得る工程と、
(c) 前記前駆体を還元ガス雰囲気で熱処理することにより、白金ルテニウム(PtxRuy)担持導電性材料粉末を生成する工程
を含む。
工程(a)では、白金(Pt)及びルテニウム(Ru)を含む金属塩から、スラリーを得る工程である。本工程では、例えば、塩化白金、フッ化白金、ヨウ化白金、臭化白金、ヘキサクロリド白金酸、ヘキサクロリド白金酸カリウム、ヘキサクロリド白金酸アンモニウム、ヘキサクロリド白金酸セシウム、テトラクロリド白金酸、テトラクロリド白金酸カリウム、テトラクロリド白金酸アンモニウム、テトラクロリド白金酸セシウムなどの白金(Pt)の可溶性化合物と、塩化ルテニウム、フッ化ルテニウム、臭化ルテニウムなどのルテニウム(Ru)の可溶性化合物を、所定の金属原子比となるように計量する。次に別途準備した、上述したような導電性材料の懸濁液に、計量した白金及びルテニウム塩を加えて溶解し、スラリーを得る。溶媒は、水、少量のアルコールを含有する水(アルコールは、例えば、ブタノール、イソブタノール、エタノール等を用いることができる。)等を用いることができる。なお、必要に応じて、上述したような結着剤などを上記懸濁液に添加してもよい。
次に、工程(b)では、工程(a)で得られたスラリーを蒸発乾固して、白金(Pt)及びルテニウム(Ru)が導電性材料に担持された、触媒担持導電性材料粉末の前駆体を調製する。蒸発乾固は、スラリー中の各材料が失活せず、スラリーの溶媒が十分に蒸発し、残渣が乾燥する温度及び時間でスラリーを加熱することにより行えばよい。これらの手順は、当業者に公知のものを適宜適用すればよい。
次に、工程(c)では、工程(b)で得られた前駆体を、還元雰囲気下で熱処理する。具体的な手順としては、前記前駆体を、水素(H2)等の還元性雰囲気下で熱処理する方法などがある。なお、この熱処理の手順は、100℃以上、好ましくは150〜600℃、より好ましくは200〜400℃の温度で、0.5〜24時間、好ましくは1〜5時間で、昇温還元することが含まれる。
得られた触媒担持導電性材料粉末を、ロール成形等によりシート状電極に加工し、このシート状電極を所定形状に加工して、ガス拡散型の空気極を得ることができる。
本発明では、上述した通り、空気極は、これを構成する電極の片面は大気に曝され、もう一方の面は電解質と接する。本発明の空気極の作製方法に従って、白金ルテニウム(PtxRuy)合金を添加した空気極を作製することで、白金ルテニウム(PtxRuy)合金からなる触媒の効果を高めることができ、充電及び放電反応に対して高活性な空気極用電極を得ることができる。特に、本発明の作製方法は、白金ルテニウム(PtxRuy)合金がカーボンのような導電性材料に高分散で担持できるので、空気極において触媒の活性サイトが増加し、リチウム空気二次電池の電池特性を更に向上できると考えられる。
[実施例]
以下に添付図面を参照して、本発明に係るリチウム空気二次電池の実施例を詳細に説明する。なお、本発明は下記の実施例に示したものに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施できるものである。
(実施例1)
前述した空気極1の電極触媒として用いる白金ルテニウム(PtxRuy)合金の一つであるPtRu合金粉末を以下の手順で合成した。
市販のヘキサクロリド白金酸(H2(PtCl6))(シグマアルドリッチ社製)及び、市販の塩化ルテニウム(III)水和物(RuCl3・nH2O)(フルヤ金属社製)を蒸留水に溶かし、白金(Pt)及びルテニウム(Ru)が原子比で1対1になるように調整した。得られた溶液を、60℃で蒸発乾固した後、水素(H2)ガス雰囲気下、300℃で2時間熱処理することで、白金ルテニウム(PtRu)合金を作製した。この粉末は、X線回折(XRD)測定、BET比表面積測定を行い、評価した。
熱処理後の粉末は、XRD測定により白金ルテニウム(PtRu)に不純物が含まれていないことを確認した。また、BET法により粉末の比表面積を測定したところ、33m2/gであった。
(空気極の調製)
次に、このような白金ルテニウム(PtRu)粉末を用いて空気極1及びこの空気極1を用いたリチウム空気二次電池セルを以下のようにして作製した。
白金ルテニウム(PtRu)粉末、ケッチェンブラック粉末及びポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粉末を50:30:20の重量比でらいかい機を用いて十分に粉砕混合し、ロール成形して、シート状電極(厚さ:0.5mm)を作製した。このシート状電極を直径23mmの円形に切り抜き、チタンメッシュ上にプレスすることにより、ガス拡散型の空気極を得た。
(リチウム二次電池セルの作製)
図2に示す断面構造を有する円柱形のリチウム空気二次電池セルを作製した。図2は、リチウム空気二次電池セルの断面図である。リチウム空気二次電池セルは、露点が−60℃以下の乾燥空気中で、以下の手順で作製した。
上記の方法で調製した空気極(正極)1を、PTFE被覆された空気極(正極)支持体10の凹部に配置し、空気極固定用PTFEリング8で固定した。なお、空気極1と空気極支持体10が接触する部分は、電気的接触をとるためにPTFEによる被覆を施さないものとした。また、空気極1と空気との接触する電極の有効面積は2cm2とした。
次に、空気極1と大気が接触する面とは逆の面に、リチウム二次電池用のセパレータ5を凹部の底面に配置した。続いて、図2に示すような負極固定用座金7に負極2である厚さ150μmの4枚の金属リチウム箔(有効面積:2cm2)を同心円上に重ねて圧着した。次いで、負極固定用PTFEリング6を、空気極1を設置する凹部と対向する逆の凹部に配置し、中央部に金属リチウムが圧着された負極固定用座金7を更に配置した。続いて、Oリング9を、図2に示すように空気極(正極)支持体10の底部に配置した。
次に、セルの内部(空気極1と負極2との間)に、有機電解液3を充填し、負極支持体11を被せて、セル固定用ねじ12で、セル全体を固定した。有機電解液3は、1mol/lの六フッ化リン酸リチウム/炭酸プロピレン(LiPF6/PC)溶液を用いた。
続いて、空気極(正極)端子4を空気極(正極)支持体10に設置し、負極端子13を負極支持体11に設置した。
(電池性能)
以上の手順で調製したリチウム空気二次電池セルの電池性能を測定した。なお、図2に示す空気極(正極)端子4及び負極端子13を、電池性能の測定試験に用いた。
電池のサイクル試験は、充放電測定システム(Bio Logic社製)を用いて、空気極1の有効面積当たりの電流密度で0.1mA/cm2を通電し、開回路電圧から電池電圧が、2.0Vに低下するまで放電電圧の測定を行った。また、電池の充電試験は、放電時と同じ電流密度で、電池電圧が4.4Vに増加するまで行った。電池の充放電試験は、通常の生活環境下で行った。充放電容量は空気極(カーボン+白金ルテニウム(PtRu)粉末+PTFE)1重量当たりの値(mAh/g)で表した。
初回の放電及び充電曲線を図3に示す。
図3より、白金ルテニウム(PtRu)粉末を空気極の触媒に用いたときの平均放電電圧は2.73V、放電容量は700mAh/g(カーボン重量当たりでは、2333mAh/g)であることが分かる。ここで、平均充放電電圧は、図中の全放電容量の中間値時の放電電圧及び充電電圧と定義する。
また、初回の充電容量は、放電容量とほぼ同様の690mAh/gであり、可逆性に優れていることが分かる。
放電容量のサイクル依存性を図4に示す。本実施例(実施例1)では充放電サイクルを100回繰り返しても、放電容量(mAh/g)の減少はほとんど見られなかった。
また、この充電時の電圧は、図3より、およそ3.25Vに平坦部分が見られ、従来の報告より低い値を示すことが分かった。
充放電電圧の推移を以下の表1に示す。本実施例(実施例1)では、充放電において若干の過電圧の増加が見られるが、ほぼ安定した電圧を示すことが分かった。このように、白金ルテニウム(PtRu)粉末はリチウム空気二次電池の空気極用の触媒として非常に優れた活性を有していることが分かった。
(実施例2)
白金ルテニウム(PtxRuy)合金中のルテニウム(Ru)の含有量が原子比(原子%)で60%以上含有している白金ルテニウム(PtxRuy)合金の一つである、白金ルテニウム(PtRu2)合金粉末を以下の手順で合成した。
白金ルテニウム(PtRu2)の合成は、市販のヘキサクロリド白金酸(H2(PtCl6))(シグマアルドリッチ社製)及び、市販の塩化ルテニウム(III)水和物(RuCl3・nH2O)(フルヤ金属社製)を蒸留水に溶かし、白金(Pt)及びルテニウム(Ru)が原子量比で1対2になるように調整し、後は実施例1と同様に作製した。
空気極の作製、電池の作製及び評価法は、実施例1と同様にして行った。
熱処理後の粉末は、XRD測定により白金ルテニウム(PtRu2)に不純物が含まれていないことを確認した。また、BET法により粉末の比表面積を測定したところ、29m2/gであった。
(電池性能)
本実施例の白金ルテニウム(PtRu2)合金粉末を空気極1の電極触媒として用いたリチウム空気二次電池の放電容量及び充放電電圧のサイクル依存性を図4及び表1に示す。
図4に示すように本実施例(実施例2)の放電容量は、初回で960mAh/gを示し、実施例1の白金ルテニウム(PtRu)合金粉末よりも大きい値であった。また、サイクルを繰り返しても、安定した挙動を示すことが分かった。
また、表1に示すように充放電電圧についても、実施例1よりも過電圧の減少が見られ、充放電のエネルギー効率の改善を達成することができた。また、充放電電圧についても、サイクルを繰り返しても顕著な過電圧増加は見られず、安定に作動することを確認した。これらの特性の向上は、大きく歪んだ白金(Pt)が電池反応における活性中心として働いたため、酸素還元(放電)及び酸素発生(充電)の両反応がスムーズに行われたことによると考えられる。
(実施例3)
白金ルテニウム(PtRu2)担持カーボン粉末を以下の手順で合成した。
まず、カーボン分散剤であるブタノールを少量含んだ水溶液中に、ケッチェンブラック粉末(2g)を超音波処理により分散させた。
次に、市販のヘキサクロリド白金酸(H2(PtCl6))(シグマアルドリッチ社製)及び、市販の塩化ルテニウム(III)水和物(RuCl3・nH2O)(フルヤ金属社製)を、前記カーボン粉末を含む水溶液に溶かし、白金(Pt)及びルテニウム(Ru)が原子比で1対2になり、かつ白金ルテニウム(PtRu2)及びカーボンが重量比で50対30になるように調整し、後は実施例1と同様にして白金ルテニウム(PtRu2)担持カーボン粉末を作製した。
空気極の作製、電池の作製及び評価法は、実施例1と同様にして行った。
(電池性能)
本実施例の白金ルテニウム(PtRu2)担持カーボン粉末を空気極1の電極触媒として用いたリチウム空気二次電池の放電容量及び充放電電圧のサイクル依存性を図4及び表1に示す。
図4に示すように本実施例(実施例3)の放電容量は、初回で1500mAh/gを示し、実施例1及び2の白金ルテニウム(PtxRuy)合金粉末よりも大きい値であった。また、サイクルを繰り返しても、安定した挙動を示すことが分かった。
また、表1に示すように充放電電圧についても、実施例1及び2よりも過電圧の減少が見られ、充放電のエネルギー効率の改善を達成することができた。また、充放電電圧についても、サイクルを繰り返しても顕著な過電圧増加は見られず、安定に作動することを確認した。これらの特性の向上は、本発明の合成手法により、白金ルテニウム(PtRu2)合金がカーボンに高分散で担持されたため、触媒の活性サイトが増加したことによると考えられる。
(比較例1)
白金ルテニウム(PtxRuy)合金中のルテニウム(Ru)の含有量が原子比(原子%)で83%を越えて含有している白金ルテニウム(PtxRuy)合金の一つである白金ルテニウム(PtRu6)合金粉末を以下の手順で合成した。
まず、カーボン分散剤であるブタノールを少量含んだ水溶液中に、ケッチェンブラック粉末(2g)を超音波処理により分散させた。
次に、市販のヘキサクロリド白金酸(H2(PtCl6))(シグマアルドリッチ社製)及び、市販の塩化ルテニウム(III)水和物(RuCl3・nH2O)(フルヤ金属社製)を、前記カーボン粉末を含む水溶液に溶かし、白金(Pt)及びルテニウム(Ru)が原子比で1対6になり、かつ白金ルテニウム(PtRu6)及びカーボンが重量比で50対30になるように調整し、後は実施例1と同様にして白金ルテニウム(PtRu6)合金粉末作製した。
空気極の作製、電池の作製及び評価法は、実施例1と同様にして行った。
(電池性能)
本比較例の白金ルテニウム(PtRu6)担持カーボン粉末を空気極1の電極触媒として用いたリチウム空気二次電池の放電容量及び充放電電圧のサイクル依存性を図4及び表1に示す。
図4に示すように本比較例(比較例1)の放電容量は、初回で710mAh/gを示し、実施例1の白金ルテニウム(PtxRuy)合金粉末と同等であった。しかし、サイクルを繰り返した際に、実施例1〜3と比較して、放電容量の減少が見られた。
また、表1に示すように充放電電圧についても、実施例1〜3と比較してサイクルを繰り返すと過電圧の増加が見られた。これらの特性は、白金(Pt)と比較して、電気化学的安定性の低いルテニウム(Ru)が実施例1〜3より多く含まれているためだと考えられる。
(比較例2)
空気極1用の電極触媒として公知であるコバルト酸化物(Co34)を用いて、リチウム空気二次電池セルを実施例1と同様にして作製した。また、コバルト酸化物(Co34)は市販試薬(和光純薬工業社製)を用いた。電池のサイクル試験の条件は、実施例1と同様である。
本比較例に係るリチウム空気二次電池の放電容量に関するサイクル性能を、実施例1〜3及び比較例1の結果とともに図4に示す。
図に示されるように本比較例2では、初回放電容量は約800mAh/gであり、例えば実施例1よりも大きな値を示した。しかしながら、充放電サイクルを繰り返すと、実施例1とは異なり放電容量の極端な減少が見られ、20サイクル後の容量維持率は初期の約20%であった。
また、充放電電圧のサイクル依存性を実施例1〜3及び比較例1の結果とともに、表1に示した。
表1からも分かるように本比較例2による充放電電圧は、実施例1〜3よりも明らかに充電電圧が高く、放電電圧が低い値であるとともに、サイクルを繰り返すと明らかに過電圧が増加し、20回目でサイクルは困難となった。
以上の結果より、本発明のように白金ルテニウム(PtxRuy)を電極触媒として含む電極を空気極として含むリチウム空気二次電池は、公知の材料を用いた場合よりも、容量及び電圧に関してサイクル特性に優れており、白金ルテニウム(PtxRuy)は、リチウム空気二次電池用の空気極の触媒として有効であることが確認された。
リチウム空気二次電池の空気極用の電極触媒として白金ルテニウム(PtxRuy)を用いることにより、充放電サイクル性能に優れたリチウム空気二次電池を作製することができ、様々な電子機器の駆動源として有効利用することができる。
1 空気極(正極)
2 負極
3 有機電解液
4 空気極(正極)端子
5 セパレータ
6 負極固定用PTFEリング
7 負極固定用座金
8 空気極(正極)固定用PTFEリング
9 Oリング
10 空気極(正極)支持体(PTFE被覆)
11 負極支持体
12 セル固定用ねじ(PTFE被覆)
13 負極端子
100 リチウム空気二次電池
101 空気極(正極)
102 負極
103 有機電解液
200 リチウム空気二次電池セル

Claims (3)

  1. 空気極、負極、並びに、前記空気極及び前記負極に接する電解質を含み、
    前記空気極は、導電性材料及び触媒を含み、
    前記空気極の触媒は白金(Pt)及びルテニウム(Ru)からなる白金ルテニウム(PtxRuy)合金(但し、x及びyは、白金ルテニウム合金中の白金及びルテニウムの原子比を表す)を含むことを特徴とするリチウム空気二次電池。
  2. 前記白金ルテニウム(PtxRuy)合金(但し、x及びyは、白金ルテニウム合金中の白金及びルテニウムの原子比を表す)は、50原子%以上のルテニウム(Ru)を含有することを特徴とする請求項1記載のリチウム空気二次電池。
  3. 白金(Pt)及びルテニウム(Ru)を含む金属塩を溶解した水溶液中に導電性材料を分散させ、スラリーを得る工程と、
    前記スラリーを蒸発乾固し、白金(Pt)及びルテニウム(Ru)を含有した触媒担持導電性材料の前駆体を得る工程と、
    前記前駆体を還元ガス雰囲気で熱処理することにより、白金ルテニウム(PtxRuy)担持導電性材料粉末(但し、x及びyは、白金ルテニウム合金中の白金及びルテニウムの原子比を表す)を生成する工程
    を含むリチウム空気二次電池の空気極作製方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006012691A (ja) * 2004-06-28 2006-01-12 Nissan Motor Co Ltd 電極触媒、およびその製造方法
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