JP2016161568A - 回転ベゼル付時計 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1に記載の時計装置は、ケース本体と、環状の回転ベゼルと、ケース本体に支持されて回転ベゼルと係脱するクリック部材とを備えている。回転ベゼルの表面には、時計の指針に対応した目盛りなどが表示され、指針と目盛りとの関係を設定することにより、所定の情報が得られるようになっている。回転ベゼルの裏面には、回転ベゼルの回転方向に沿ってクリック溝が設けられ、クリック溝に対向したケース本体の装着溝内には、弾性材料を用いたクリック部材が装着されている。クリック部材の先端は、クリック溝と係合している。
また、回転操作を止めた時点では、クリック用係合部にクリック片が係合した状態となる。ロック用係合部およびクリック用係合部の数や位置関係を対応させておくことで、クリック片がクリック用係合部に係合した状態のまま回転ベゼルが時計表面側に付勢されてロック位置に移動すると、ロック片がロック用係合部と係合し、回転ベゼルの回転がロックされることとなる。つまり、回転ベゼルはロック解除位置からロック位置に戻る間に、回転方向へ位置ずれすることがなく、回転を停止させた位置での表示内容を確実に維持できる。
本発明によれば、複数のロック用係合部をベゼル本体とは別部材である固定部材に設け、その固定部材をベゼル本体に固定するので、ロック用係合部をベゼル本体に直接設ける必要がなく、ベゼル本体の形状を簡素化でき、ベゼル本体を容易に製作できる。
本発明によれば、ロック用係合部に加えてクリック用係合部をも固定部材に設けることで、ベゼル本体に直接設ける必要がないため、ベゼル本体の形状をさらに簡素化でき、ベゼル本体を一層容易に製作できる。
本発明によれば、第1ばね部材のロック片および第2ばね部材のクリック片が回転ベゼルの共通の係合部と係脱する。そして、本発明では、操作時以外のときには、係合部と係合しているクリック片が回転ベゼルの他方向への回転を防止する。従って、ロック片としては、係合部と係合して回転ベゼルの一方向への回転を防止可能な形状であればよく、簡易な形状でよい。また、本発明での回転ベゼルとしては、クリック片およびロック片が係脱する共通の係合部を設けるだけでよい。このような係合部は、従来の回転ベゼル付時計に設けられている係合部と同じ構造となり、既存の回転ベゼルを流用することが可能となる。
本発明によれば、操作時において、押圧部を介してロック片を確実に押圧でき、係合部から外してロックを解除することができる。
以下、本発明の第1実施形態に係る回転ベゼル付時計10について、図面に基づいて説明する。なお、後述する第2、第3実施形態において、以下に説明する第1実施形態の部材と同一の部材や同一機能を有する部材には同一符号を付し、それらの説明を省略または簡略化する。
図1は、本実施形態の回転ベゼル付時計10を示す平面図である。図2は、回転ベゼル付時計10の内部構造を示す断面図である。図3は、回転ベゼル付時計10を構成する外装部品を示す分解斜視図である。
図1〜図3において、回転ベゼル付時計10は、金属製で扁平な円筒状のケース本体20、ケース本体20内に設置された文字板30、文字板30を覆うカバーガラス40、秒針、分針、時針を備え文字板30およびカバーガラス40の間に設置された指針50、ケース本体20内に収容され指針50を駆動するムーブメント60(図2参照)、およびケース本体20の時計裏面側の開口部分を覆う裏蓋70を備える。
文字板30および指針50は、時刻表示可能に構成され、カバーガラス40を透して時計表面側から視認できるようになっている。
カバーガラス40は、サファイアガラス等で形成され、ケース本体20の時計表面側に形成された筒状のガラス縁22内において、環状の見切り部材23および環状のプラスチックパッキン24を介して保持されている。
裏蓋70は、雄ねじ部71を有している。雄ねじ部71がケース本体20に刻設された雌ねじ部25に螺合されている。このため、裏蓋70は、防水パッキン26を介してケース本体20に着脱自在に設けられている。
本実施形態の回転ベゼル付時計10は、外装部品として、以上のケース本体20、カバーガラス40、裏蓋70の他、回転ベゼル80を備えている。
図1〜図3に示すように、回転ベゼル80は、金属製、セラミック製、またはプラスチック製で環状とされ、ケース本体20のガラス縁22の外周側に配置されている。回転ベゼル80はまた、ケース本体20に回転可能で、時計厚さ方向に移動可能に設けられている。すなわち、回転ベゼル80は、図1中に矢印Aで示す回転方向に回転可能であり、図2中に矢印Bで示す時計厚さ方向に移動可能である。図2では、図中の上側が時計表面側であり、図中の下側が時計裏面側である。このような回転ベゼル80は、ガラス縁22の外周側に防水パッキン11を介して嵌め込まれる環状のベゼル本体81と、ベゼル本体81に固定される環状の固定部材82とを備えて構成される。
図4は、固定部材82および後述するばね部材90の拡大斜視図である。
図1〜図4において、固定部材82の内周部分には、径方向の外側に向けて四角形状に切欠された複数(例えば、60個)の切欠開口87Aが等間隔で設けられている。これらの切欠開口87Aにより、固定部材82の周方向に沿ったロック用係合部87が形成されている。固定部材82には、外側に突出した一対の固定片88が設けられている。これらの固定片88がベゼル本体81の固定部83と共にかしめられ、固定部材82がベゼル本体81に固定される。なお、詳細な図示を省略するが、ロック用係合部87を形成する各切欠開口87Aの表面側の辺縁のうち、回転方向の前後に位置する辺縁87Bは、後述のばね部材90のロック片95の係脱がスムーズに行われるように面取りされており、面取りされた辺縁に案内されるようにして固定部材82側がロック片95と係合する。
一方、回転ベゼル80とケース本体20との間には、金属製のばね材料を用いて形成されたばね部材90が設置されている。
ばね部材90は、環状の本体部91を備え、ベゼル本体81の裏面と対向するケース本体20の平坦な設置面27(図5参照)に設置される。本体部91には、設置面27に設けられた取付孔28に圧入等される脚部92と、回転ベゼル80を時計表面側に付勢する付勢片93と、回転ベゼル80(ベゼル本体81)の回転操作によりクリック用係合部85と係脱し、回転ベゼル80の一方向への回転を許容するするクリック片94と、回転ベゼル80の時計表面側への移動によりロック用係合部87と係合して回転ベゼル80の回転を防止し、回転ベゼル80の時計裏面側への移動によりロック用係合部87との係合が解除されて回転ベゼル80の回転を許容するロック片95とが設けられている。
脚部92は、本体部91の平面中心点に対して点対称位置に一対設けられ、本体部91の外周部分から径方向の外側に延出した延出片の曲げ加工により形成されている。つまり、脚部92は、その先端が時計裏面側に位置するよう、基端側を本体部91に対して鉛直に折曲して形成されている。
以上に説明した回転ベゼル付時計10では、固定部材82をベゼル本体81にかしめ等で取り付けて回転ベゼル80を組み立てておく。また、ばね部材90の脚部92をケース本体20の取付孔28に差し込み、ばね部材90をケース本体20に設置しておく。そして、回転ベゼル80をガラス縁22の外周に配置し、時計裏面側に向けて押し込む。こうすることで、ベゼル本体81の内周に設けられたベゼル側係止部86がガラス縁22の外周に設けられたケース側係止部29を乗り越え、回転ベゼル80はばね部材90の付勢片93により付勢されたロック位置で保持される。
以下には、図5、図6をも参照し、回転ベゼル80の操作時以外の状態および操作時の状態について説明する。
まず、図5に示すように、回転ベゼル80を操作しないときには、回転ベゼル80はばね部材90の付勢片93の付勢力によって時計表面側のロック位置にある。そして、この状態では、回転ベゼル80の固定部材82に設けられたロック用係合部87と、ばね部材90のロック片95の係脱部96とが互いに係合しており、回転ベゼル80は一方向および他方向の何れの方向にも回転せず、ロックされている。また、ベゼル本体81に設けられたベゼル側係止部86がガラス縁22のケース側係止部29に係止され、回転ベゼル80がケース本体20から外れないようになっている。
(1)本実施形態によれば、回転ベゼル80の操作時以外のときには、回転ベゼル80をロック位置に保持させることができる。つまり、ロック位置では、回転ベゼル80がばね部材90の付勢片93により付勢されてばね部材90のロック片95と係合状態となっており、回転ベゼル80の回転をロックさせておくことができる。
これに対し、回転ベゼル80の操作時には、回転ベゼル80を付勢片93による付勢力に抗して時計裏面側に移動させる。こうすることで、回転ベゼル80がロック解除位置に移動し、回転ベゼル80とばね部材90のロック片95との係合を外すことができる。この位置では、回転ベゼル80のクリック用係合部85にばね部材90のクリック片94が係合しており、クリック用係合部85とクリック片94との係脱を伴いながら回転ベゼル80を一方向へ回転させることができる。
また、回転操作を止めることで、付勢片93により回転ベゼル80を時計表面側のロック位置に戻すことができ、ロック片95と係合させて再びロック状態にできる。
従って、操作時以外の回転ベゼル80の回転を確実に防止できる。
また、ロック用係合部87およびクリック用係合部85の数や位置関係から、回転ベゼル80の回転操作を止めた時点では、クリック用係合部85の凹部85Aにクリック片94を嵌り込んだ状態にでき、この状態のまま回転ベゼル80が時計表面側に付勢されて移動することにより、ロック片95をロック用係合部87と係合させることができ、回転ベゼル80の回転をロックさせることができる。つまり、回転ベゼル80がロック解除位置からロック位置に移動する間に、回転方向へ位置ずれする心配がなく、回転を停止させた位置での回転ベゼル80での表示内容を確実に維持できる。
図7は、本発明の第2実施形態に係る回転ベゼル付時計の固定部材282およびばね部材290を示す拡大斜視図である。図8は、本実施形態での回転ベゼル280の回転操作時以外の状態を示す拡大断面図である。図9は、本実施形態での回転ベゼル280の回転操作時の状態を示す拡大断面図である。
図7〜図9において、ベゼル本体281の内周側に近い位置には、固定部材282固定用の固定部283が設けられ、外周側に近い位置には、逃げ溝284が設けられている。そして、固定部材282では、その内周部分から径方向の内側に延出するように一対の固定片288が設けられている。さらに、固定部材282では、外周部分から内側に向けて切欠された複数の切欠開口287Aによりロック用係合部287が設けられ、このロック用係合部287に対して径方向の内側にずれた位置にクリック用係合部285が設けられている。ここで、クリック用係合部285としては、複数の凹部285Aが固定部材282の表裏を貫通する四角形状の開口として構成され、凸部285Bが前後の凹部285A間に存在する板状部分として構成されている。
本実施形態によれば、第1実施形態で説明した(1)、(2)、(4)、(5)の効果を同様に得ることができ、また、本実施形態の特有な構成により、以下の効果がある。
図10は、本発明の第3実施形態に係る回転ベゼル付時計のばね部材390を示す斜視図である。図11は、本実施形態での回転ベゼル380の回転操作時以外の状態を示す拡大断面図である。図12は、回転ベゼル380の回転操作時の状態を示す拡大断面図である。図13は、回転ベゼル380の回転操作時以外の状態を示す別の断面位置の拡大断面図でり、図14は、回転操作時の状態を示す前記別の断面位置の拡大断面図である。図15は、回転ベゼル380の回転操作時以外の状態を示すさらに別の断面位置での拡大断面図であり、図16は、回転操作時の状態を示す前記さらに別の断面位置での拡大断面図である。
回転ベゼル380の裏面には、周方向に沿って交互に配置された複数の凹部385Aおよび凸部385Bを有する係合部385が設けられている。
まず、図11、図13、図15に示すように、回転ベゼル380を操作しないときには、回転ベゼル380は第1ばね部材110の付勢片393の付勢力により、第2ばね部材120を介して時計表面側に付勢され、ロック位置にある。この位置では、回転ベゼル380に設けられた係合部385の凹部385Aに対して、第1ばね部材110のロック片395と第2ばね部材120のクリック片394との両方が係合しており、回転ベゼル380は一方向および他方向の何れの方向にも回転せず、ロックされている。
例えば、前記第1、第2実施形態では、クリック片94,294の先端の形状として、回転ベゼル80,280の一方向への回転を許容し、他方向への回転を防止するように設けられていた。これに対し、クリック片の先端を時計裏面側に折曲した形状にするなど、回転ベゼルの操作時には、回転ベゼルを一方向と他方向との両方向に回転できるようにしてもよい。
Claims (5)
- ケース本体と、
前記ケース本体に対して回転可能に取り付けられる環状の回転ベゼルと、
前記ケース本体に取り付けられ前記ケース本体および前記回転ベゼルの間に配置される環状のばね部材とを備え、
前記回転ベゼルは、回転方向に沿って設けられたクリック用係合部およびロック用係合部を有し、前記ケース本体に対して時計厚さ方向に移動可能に取り付けられ、
前記ばね部材は、
前記回転ベゼルを時計表面側に付勢する付勢片と、
前記回転ベゼルの回転操作時に前記クリック用係合部と係脱するクリック片と、
前記回転ベゼルの時計表面側への移動により前記ロック用係合部と係合して前記回転ベゼルの回転を防止し、前記回転ベゼルの時計裏面側への移動により前記ロック用係合部との係合が解除されて前記回転ベゼルの回転を許容するロック片とを備える
ことを特徴とする回転ベゼル付時計。 - 請求項1に記載の回転ベゼル付時計において、
前記回転ベゼルは、
前記クリック用係合部が設けられたベゼル本体と、
前記ベゼル本体に固定され前記ロック用係合部が設けられた環状の固定部材とを備える
ことを特徴とする回転ベゼル付時計。 - 請求項1に記載の回転ベゼル付時計において、
前記回転ベゼルは、
ベゼル本体と、
前記ベゼル本体に固定され前記クリック用係合部および前記ロック用係合部が設けられた環状の固定部材とを備える
ことを特徴とする回転ベゼル付時計。 - ケース本体と、
前記ケース本体に対して回転可能に取り付けられる環状の回転ベゼルと、
前記ケース本体に取り付けられ前記ケース本体および前記回転ベゼルの間に配置される環状のばね部材とを備え、
前記回転ベゼルは、回転方向に沿って設けられた係合部を有し、前記ケース本体に対して時計厚さ方向に移動可能に取り付けられ、
前記ばね部材は、前記ケース本体に固定される第1ばね部材と、前記第1ばね部材および前記回転ベゼル間に配置され、時計厚さ方向に移動可能な第2ばね部材とを備えて構成され、
前記第1ばね部材は、
前記第2ばね部材を時計表面側に付勢する付勢片と、
前記回転ベゼルの時計表面側への移動により前記係合部と係合して前記回転ベゼルの一方向への回転を防止し、前記回転ベゼルの時計裏面側への移動により前記係合部との係合が解除されて前記回転ベゼルの一方向への回転を許容するロック片とを備え、
前記第2ばね部材は、
前記回転ベゼルの回転操作時に前記係合部と係脱し、係合状態にて前記回転ベゼルの他方向への回転を防止するクリック片を備える
ことを特徴とする回転ベゼル付時計。 - 請求項4に記載の回転ベゼル付時計において、
前記第2ばね部材には、前記回転ベゼルの時計裏面側への移動により前記ロック片を押圧して前記係合部から外す押圧部が設けられている
ことを特徴とする回転ベゼル付時計。
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