JP3502187B2 - 時計用プッシュボタン - Google Patents

時計用プッシュボタン

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JP3502187B2
JP3502187B2 JP09226295A JP9226295A JP3502187B2 JP 3502187 B2 JP3502187 B2 JP 3502187B2 JP 09226295 A JP09226295 A JP 09226295A JP 9226295 A JP9226295 A JP 9226295A JP 3502187 B2 JP3502187 B2 JP 3502187B2
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祐二 箭原
純一 西川
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Citizen Watch Co Ltd
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  • Push-Button Switches (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は時計、特に腕時計に設け
られた種々の部材を作動させるプッシュボタンに関す
る。
【0002】
【従来の技術】腕時計にはプッシュボタンを設け、この
プッシュボタンを押すことにより文字板照明用のライト
を点灯したり、あるいは時刻合わせを行ったりするよう
にしたものがある。
【0003】これらのプッシュボタンは、腕時計の胴の
外周より側方に突出しており、その為、誤ってプッシュ
ボタンが押されてしまい、時計の誤作動を招くことがあ
る。このような事故を防ぐため、プッシュボタンを通常
の使用状態のときにはロックするように構成されている
プッシュボタンがある。
【0004】図6は実開平4−102492号公報に開
示されたロック機能を有する従来のプッシュボタンを示
す。図において、腕時計ケースの胴30にはプッシュボ
タン31の軸部31aが摺動可能に挿入される案内孔3
0aが貫通して形成されている。案内孔30aは胴30
の外周部で拡がり、プッシュボタンロック部材32の収
容部30bを形成している。プッシュボタン31はその
先端が腕時計の内部に設けられたスイッチ部材を作動さ
せる軸部31aと、軸部と一体に形成された頭部31b
とよりなる。頭部31bには筒状のプッシュボタンロッ
ク部材32が摺動及び回転可能に取付けられている。即
ち、ロック部材32は軸心に貫通孔32aが形成されて
おり、そこにプッシュボタンの頭部31bが摺動及び回
転可能に挿入されている。貫通孔の内壁の奥端部はフラ
ンジ32bが形成されており、頭部がフランジに当接し
てその軸方向の移動を規制するようになっている。ロッ
ク部材32は更に軸方向に延び且つ半径方向に対向する
ロック突起32cが形成されている。これに対し、胴3
0の収容部30bの内周にはロック部材の突起32cと
係合する上下一対のロック解除溝30cが形成されてい
る。更にプッシュボタン31はスプリング33によって
外方に付勢されている。
【0005】通常の腕時計着用状態では、プッシュボタ
ンのロック部材32は胴30に形成された収容部30b
より突出し、ロック突起32cの先端が胴の外周と当接
させている。この時、プッシュボタンの頭部31bの内
端はロック部材32の内端に設けられたフランジ32b
に当たり、それ以上内方へは摺動できないようになって
いる。従って頭部が押されてプッシュボタンが作動する
ようなことはない。
【0006】之に対し、プッシュボタンのロックを解除
してプッシュボタン31の操作を可能にするには、ロッ
ク部材32の突起32cがロック解除溝30cに係合す
るようにロック部材を回転させる。突起32cがロック
解除溝30cと係合するとロック部材32を胴30に押
し込むことができる。従って、プッシュボタン31の頭
部31bはロック部材32より解放されるので、プッシ
ュボタン31を押すことができるようになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このようなプッシュボ
タンはボタンより手を離せば元の位置に戻ってしまうの
で時計内の部材を一時的にしか作動させることができな
い。ところが、例えば暗闇で文字板を見ながら時刻を合
わせる時には継続的にライトを点灯させておく必要があ
る。したがってこのような場合、着用者が指でプッシュ
ボタンを押し続けなくてはならず、時刻合わせが行いに
くいと言う欠点がある。
【0008】本発明の目的は、プッシュボタンの誤作動
を防ぐと共に、プッシュボタンを作動状態に維持するこ
とができるプッシュボタンを提供せんとするにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明による時計用プッ
シュボタンは、時計ケースに形成した貫通孔に固定され
た側パイプと、その側パイプに摺動可能に係合したプッ
シュボタンよりなる時計用プッシュボタンにおいて、前
記側パイプは時計ケースより外方に突出し、その突出部
の外周に前後二箇の環状溝と、両環状溝の間に形成さ
れ、その両溝と連結する軸方向溝を設け、プッシュボタ
ンは筒状の頭部を有し、その内周壁突起が形成され、該
突起が軸方向溝と係合してプッシュボタンを側パイプ内
を摺動できるようにし、更に前記環状溝と係合してプッ
シュボタンを前後位置でロックするようにしたことを特
徴とするものである。
【0010】
【作用】側パイプにはプッシュボタンに設けられた突起
と係合する前後二箇の環状溝が設けられている。プッシ
ュボタンの突起が前部の溝と係合すると、プッシュボタ
ンの内方向の移動が規制され、プッシュボタンは作動し
ない。突起が後部の溝と係合すると、プッシュボタンの
外方向への移動が規制され、プッシュボタンは作動状態
に維持される。
【0011】
【実施例】図1は本発明によるプッシュボタンを示す断
面図、図2は図1に示すプッシュボタン構造のII−II断
面図である。図1を参照するに本発明によれば、時計ケ
ースの胴1は時計の半径方向に貫通して形成された案内
孔2を有し、その案内孔2には円筒状の側パイプ3が貫
通して固定されている。
【0012】図3に示すように、側パイプ3は大径部4
と小径部5を有し、大径部4と小径部5の間には中径部
6が形成されている。また、大径部4にはその外周に環
状溝7及び環状溝7を横切り軸方向に伸びる縦溝8が設
けられており、溝7、8の底は中径部6と同一平面にな
っている。そして小径部5は胴1の案内孔2内に固定さ
れ、大径部は胴1より外方に突出している。
【0013】プッシュボタン10は軸方向に延び、その
先端が胴1の内部に設けられたスイッチ部材を作動させ
る軸部11と、軸部11と一体に形成された筒状の頭部
12とよりなる。頭部12は環状溝12aを有し、側パ
イプ3の大径部4に遊嵌できるようになっている。
【0014】図1に示すように頭部12の内側端には環
状の凹部が形成されており、その凹部に頭部12の内径
と同じ内径を有するリング18がかしめにより固定され
ている。図5に示すようにリング18の内周には側パイ
プ3の縦溝8及び環状溝7と係合しプッシュボタンをロ
ックする突起19が形成されているている。また、突起
19の幅及び高さは側パイプ3の溝7、8の幅及び深さ
より僅かに小さく形成されている。
【0015】プッシュボタン10の軸部11は側パイプ
3に挿入され、リング18の突起19は先端側の縦溝8
を通って環状溝7に挿入される。次に軸部11内端部に
形成された環状溝16にスナップリング17が嵌合さ
れ、リング17は側パイプ3の内側先端に当接し、プッ
シュボタン10が抜け止めされる。この状態では軸部1
1に形成された環状溝14に係合した0リング15によ
り、プッシュボタン10が側パイプ3に水密に保持され
ている。
【0016】更に、突起19が縦溝8と係合する位置を
表示するため、頭部12の外周の突起19に対応する箇
所に指示部である切欠13を設け、胴1の外壁には、突
起19が縦溝8と対応する位置において切欠等の合印2
1が設けられている。尚、プッシュボタン10は時計ケ
ース内に設けられたスプリングに押され、図1の位置に
保持されている。
【0017】次に本発明によるプッシュボタンの作動を
説明する。通常の、プッシュボタン10を使用しない時
には、プッシュボタン10は図2で実線で示す位置より
適当な角度、例えば30度矢印方向に回転させた点線で
示す位置においておく。この時、リング18の突起19
は側パイプ3の環状溝7とは係合しているが、縦溝8に
は係合できない。従って、プッシュボタン10の頭部1
2を押しても、リング18の突起19が環状溝7の内壁
によって阻止され、図1に示す位置より内方に移動させ
ることはできない。即ち、プッシュボタンはロックされ
ており、誤って操作してしまうことはない。
【0018】プッシュボタン10を操作するには、頭部
12を図2の矢印の方向と逆の方向に回転させ、頭部1
2の切欠13を胴1の合印21に合わせる。この時、プ
ッシュボタン10の軸部11の外周面と側パイプ3の内
周面との間にOリング15が設けられているので、摩擦
により回転節度が得られる。この位置ではリング18の
突起19が側パイプ3の縦溝8と合致するので、そのま
ま頭部12を押せば、プッシュボタン10は側パイプ3
内を摺動して、頭部12が胴1の外壁近くに達し、その
位置で軸部11が時計内部のスイッチ部材を作動させる
ことができる。指を頭部12より離せばプッシュボタン
10はスプリングの付勢力により元の位置まで戻り、頭
部12を図2の方向に回転させれば、プッシュボタン1
0がロックされた状態に戻る。
【0019】ライトを点灯させたり、時刻合わせを行う
時のように、プッシュボタンを押し続ける必要のある場
合には、プッシュボタン10を押した状態で再び頭部1
2を回転させる。すると、リング18の突起19は側パ
イプ3の縦溝8との係合より外れ、大径部4の内端側壁
と中径部6の外周と胴1の外周壁とで形成される環状溝
内に入る。即ち、突起19は側パイプ3の大径部4によ
ってスプリングに抗して外方への動きが規制される。従
って、使用者が頭部12より手を離しても時計の部材を
作動し続けることができる。
【0020】尚、プッシュボタン10の軸部11と頭部
12を一体で加工することが難しい場合は、軸部11と
頭部12とをそれぞれ別体で形成し、そのご、溶接、ロ
ー付け、圧入、ネジ固定等の手段で一体としても良い。
また、指示部である切欠13を、凹部、印刷による表示
等としても良く、指示部であることが分かれば何でも良
いことは言うまでもない。また、プッシュボタン10の
頭部12の環状溝12aにスプリングを配設し、側パイ
プ3の先端にこのスプリングを押圧させて、プッシュボ
タン10を常に胴1の外側に位置するようにしたプッシ
ュボタンにも使用できることは言うまでもない。
【0021】
【発明の効果】以上で明らかなように、本発明によれば
プッシュボタンの誤作動を防ぐようにプッシュボタンを
ロックすることができるだけでなく、プッシュボタンを
押し込んだ状態に保持しスイッチ作動状態を維持するこ
とができる。従って使用者の操作を簡便にすることがで
きる。
【0022】また、胴に合印とプッシュボタンの頭部に
指示部とが設けられているので、プッシュボタンのスイ
ッチ操作及びロック操作が極めて容易に且つスムーズに
行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるプッシュボタン構造を示す断面図
である。
【図2】図1のII−II線に沿う断面図である。
【図3】本発明のプッシュボタンにおける側パイプの斜
視図である。
【図4】図3の側パイプの正面図である。
【図5】本発明のプッシュボタンにおけるリングの正面
図である。
【図6】従来のロック機構付きプッシュボタンを示す断
面図である。
【符号の説明】
1 胴 2 案内孔 3 側パイプ 4 大径部 5 小径部 6 中径部 7 環状溝 8 縦溝 10 プッシュボタン 11 軸部 12 頭部 12 環状溝 13 切欠 14 環状溝 15 Oリング 16 環状溝 17 リング 18 リング 19 突起 21 合印 30 胴 30a 案内孔 30b 収容部 30c ロック解除溝 31 プッシュボタン 31a 軸部 31b 頭部 32 ロック部材 32a 貫通孔 32b フランジ 32c ロック突起 33 スプリング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G04B 37/10 G04B 3/04 G04G 1/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 時計ケースに形成した貫通孔に固定され
    た側パイプと、その側パイプに摺動可能に係合したプッ
    シュボタンよりなる時計用プッシュボタンにおいて、前
    記側パイプは時計ケースより外方に突出し、その突出部
    の外周に前後二箇の環状溝と、両環状溝の間に形成さ
    れ、その両溝と連結する軸方向溝を設け、プッシュボタ
    ンは筒状の頭部を有し、その内周壁突起が形成され、該
    突起が軸方向溝と係合してプッシュボタンを側パイプ内
    を摺動できるようにし、更に前記環状溝と係合してプッ
    シュボタンを前後位置でロックするようにしたことを特
    徴とする時計用プッシュボタン。
  2. 【請求項2】 側パイプは大径部、中径部及び小径部を
    有し、軸方向溝は大径部に設けられ、前部の環状溝は大
    径部の前端近くに設けられ、後部の環状溝は大径部後端
    の側壁と、中径部の外周壁と時計ケースの外側壁とで形
    成されたことを特徴とする請求項1による時計用プッシ
    ュボタン。
  3. 【請求項3】 前記頭部の外周に、前記突起に対応する
    箇所に指示部と、前記時計ケースの胴の外壁に、前記縦
    溝と対応する位置に合印とが設けられたことを特徴とす
    る請求項1による時計用プッシュボタン。
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