JP2016160291A - インキ用結着樹脂及び印刷インキ - Google Patents

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Abstract

【課題】指紋脂汚れやハンドクリーム等に汚染されても、高温でのインサート成形時に印刷不良を生じない耐熱性印刷インキ及びそれに用いるインキ用結着樹脂を提供する。
【解決手段】インキ用結着樹脂であって、式(1)で表される構造単位の含有量が、ポリカーボネート樹脂を構成する全構造単位に対して20〜70モル%であるインキ用結着樹脂に含有する印刷インキ。
Figure 2016160291

(R〜Rは各々独立にH、置換/非置換のC1〜9のアルキル基、C6〜12のアリール基、C1〜5のアルコキシ基、C2〜5のアルケニル基、又はC7〜17のアラルキル基)
【選択図】なし

Description

本発明は、耐熱性と耐汚染性に優れたインキ用結着樹脂及びそれを含有する印刷インキ、更には該インキを用いた加飾樹脂成形品の製造方法に関する。
従来、表面に加飾印刷が施されたフィルムを金型に装着し、フィルム印刷面に向け溶融した樹脂を金型中に射出して、樹脂表面に加飾印刷が施されたフィルムを一体化させる射出成形(以下、インサート成形という)による、曲面、凹凸または平面を有する各種の印刷された射出成形品を得る方法が用いられている。そして、この方法は、例えば、自動車の各種メーター盤やサンルーフ、窓ガラスの縁、携帯電話のハウジング、AV製品のハウジング、携帯端末機器・複写機等の表示部分、雑貨類などの射出成形品に応用されている。
前記加飾印刷されたフィルムの印刷用インキは、溶剤と色素(染料及び/又は顔料)と結着樹脂(バインダー樹脂)を主成分に構成される。印刷用インキはフィルムに印刷後乾燥することで溶剤を除去し、色素をバインダー樹脂に固定すると同時にフィルムとバインダー樹脂が密着し、加飾印刷されたフィルムが得られる。加飾印刷されたフィルムは、インサート成形時に、溶融した樹脂に接触することや加温された金型に保持されても印刷面に滲みやぼやけが生じない耐熱性が要求される。
耐熱性はバインダー樹脂の耐熱性に左右されるため、耐熱性に優れ、溶剤溶解性もよい特殊なポリカーボネート樹脂をバインダー樹脂に用いた耐熱性印刷インキが開発されている(特許文献1、特許文献2)。これらのバインダー樹脂は耐熱性が良好で種々の溶剤にも良溶であり、耐熱性印刷インキ用バインダー樹脂として好適であった。しかしながら、これら耐熱性印刷インキは射出成形現場や保管場所での指紋やハンドクリームの汚染・付着により、クラックを生じ易く、改善の余地があった。
一方、ビス(4-ヒドロキシビフェニル)エーテルを原料として用いたポリカーボネート樹脂がキャスト成膜用ポリカーボネート樹脂溶液として用いられることが開示されていた(特許文献3)。しかしながら、具体的なインキ用途が記載されておらず、耐熱インキ用途に応用出来るか否かは検討されていなかった。
特開2001―19885号公報 特開2008―63501号公報 特開平4−268365号公報
本発明の課題は、耐熱性に優れ、インサート成形前の印刷面に指紋やハンドクリームが付着しても、その付着部分が熱溶融樹脂との接触でインキ流れが生じない外観が良好な加飾成形品が得られる耐汚染性に優れたインキ用結着樹脂及び該結着樹脂を用いた印刷インキを提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定構造単位を有するポリカーボネート樹脂を結着樹脂として用いた印刷インキは、印刷性が良好で、印刷面が指紋やハンドクリームによる汚染を受けても印刷後の熱溶融樹脂との接触でもインキ流れを生じない耐熱性と耐汚染性を有することを見いだし、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、以下に示すインキ用結着樹脂、及び該結着樹脂を用いた印刷インキ、更には該インキを用いた加飾樹脂成形品の製造方法に関する。
<1> 下記一般式(1)で表される構造単位と下記一般式(2)で表される構造単位とを有するポリカーボネート樹脂からなるインキ用結着樹脂であって、下記一般式(1)で表される構造単位の含有量が、前記ポリカーボネート樹脂を構成する全構造単位に対して20モル%以上70モル%以下である、前記インキ用結着樹脂である。
Figure 2016160291
(式中、R〜Rは、それぞれ独立して、水素、各々置換基を有してもよい、炭素数1〜9のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数2〜5のアルケニル基、又は炭素数7〜17のアラルキル基を表す。)
Figure 2016160291
(式中、RとRは、それぞれ独立して、水素、各々置換基を有してもよい、炭素数1〜16のアルキル基、又は炭素数2〜12のアルケニル基を表す(ただし、RとRは同一ではない)、又は、RとRが結合して、炭素数5〜20の炭素環または元素数5〜12の複素環を形成する。R7〜R10は、それぞれ独立して、水素、各々置換基を有してもよい、炭素数1〜9のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数2〜12のアルケニル基、又は炭素数6〜12アリール基を表す。)
<2> 一般式(1)中、R〜Rが水素である、上記<1>に記載のインキ用結着樹脂である。
<3> 一般式(2)中、RとRは、それぞれ独立して、水素、各々置換基を有してもよい、炭素数1〜16のアルキル基、又は炭素数2〜12のアルケニル基を表す(ただし、RとRは同一ではない)、上記<1>または<2>に記載のインキ用結着樹脂である。
<4> 一般式(2)中、RとRは、水素、又は炭素数1〜16のアルキル基を表す(ただし、RとRは同一ではない)、上記<3>に記載のインキ用結着樹脂である。
<5> 一般式(2)中、R7〜R10が水素である、上記<1>から<4>のいずれかに記載のインキ用結着樹脂である。
<6> 一般式(2)で表される構造単位が、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルプロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘキサン、1,1-ビス(4−ヒドロキシ−2−メチル−5−tert-ブチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、又は1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロドデカンから誘導される、上記<1>または<2>に記載のインキ用結着樹脂である。
<7> 一般式(2)で表される構造単位が、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルプロパン、又は1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘキサンから誘導される、上記<1>から<6>のいずれかに記載のインキ用結着樹脂である。
<8> ポリカーボネート樹脂の極限粘度が0.4〜2.0dl/gである、上記<1>から<7>のいずれかに記載のインキ用結着樹脂である。
<9> 上記<1>から<8>のいずれかに記載のインキ用結着樹脂を含有する印刷インキである。
<10> 更に、染料及び顔料から選択される1種以上の色素を含有する、上記<9>に記載の印刷インキである。
<11> 更に、インキ調整用溶媒として非ハロゲン系有機溶媒を含有する、上記<9>または<10>に記載の印刷インキである。
<12> 上記<9>から<11>のいずれかに記載のインキを印刷したフィルムを金型内にインサートした後、熱溶融した樹脂を前記金型内に射出することを特徴とする加飾樹脂成形品の製造方法である。
本発明の印刷インキを使用した加飾印刷フィルムは、従来の印刷インキを用いたものに比して、優れた耐熱性を有するとともに、作業環境での指紋やハンドクリームによる汚染に強く、加飾フィルムの汚染面がインサート成形されても汚染部分でのインキ流れやクラックが生じにくい。
本発明の印刷インキを使用した加飾印刷フィルムは、射出成形によるインサート成形に好適であり、本発明の印刷インキは、特に、自動車等の各種メーター盤、携帯電話を含む携帯端末機器のハウジングや入力キー、AV機器、小型ゲーム機や家電機器製品のハウジングや操作パネル、玩具や雑貨の意匠等インサート射出成形品に使用される加飾印刷フィルムの耐熱性印刷インキとして好適である。
本発明のインキ用結着樹脂(以下、バインダー樹脂と呼ぶ場合がある)であるポリカーボネート樹脂は、前記一般式(1)で表される構造単位を誘導するビフェノール類、前記一般式(2)で表される構造単位を誘導するビスフェノール類および炭酸エステル形成化合物を反応させることによって製造することができる。ビスフェノールAから誘導されるポリカーボネートを製造する際に用いられている公知の方法、例えばビスフェノール類とホスゲンとの直接反応(ホスゲン法)、あるいはビスフェノール類とビスアリールカーボネートとのエステル交換反応(エステル交換法)などの方法で製造することができる。
前記一般式(1)で表される構造単位は、下記一般式(3)で表されるビスフェノール類から誘導される。
Figure 2016160291
一般式(3)中、R〜Rは、それぞれ独立して、水素、各々置換基を有してもよい、炭素数1〜9のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数2〜5のアルケニル基、又は炭素数7〜17のアラルキル基を表す。炭素数1〜9のアルキル基が任意に有する置換基としては、例えば、炭素数6〜12のアリール基などが挙げられ、炭素数6〜12のアリール基が任意に有する置換基としては、例えば、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜5のアルケニル基などが挙げられ、炭素数1〜5のアルコキシ基が任意に有する置換基としては、例えば、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数2〜5のアルケニル基などが挙げられ、炭素数2〜5のアルケニル基が任意に有する置換基としては、例えば、炭素数6〜12のアリール基などが挙げられ、炭素数7〜17のアラルキル基が任意に有する置換基としては、例えば、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数2〜5のアルケニル基などが挙げられる。好ましくは、一般式(3)中、R〜Rは水素である。
上記一般式(3)に関する説明は、一般式(1)で表される構造単位にも当てはまる。
一般式(3)で表されるビスフェノール類は、具体的には、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシ−3−t-ブチルフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシ−3−フェニルフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシ−3−アリルフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシ−3−sec−ブチルフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシ−3−クミルフェニル)エーテルなどが例示される。これらは、2種類以上併用することも可能である。この中で、特にビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテルが好ましい。
前記一般式(2)で表される構造単位は、下記一般式(4)で表わされるビスフェノール類から誘導される。
Figure 2016160291
一般式(4)中、RとRは、それぞれ独立して、水素、各々置換基を有してもよい、炭素数1〜16のアルキル基、又は炭素数2〜12のアルケニル基を表す(ただし、RとRは同一ではない)、または、RとRは結合して、炭素数5〜20の炭素環または元素数5〜12の複素環を形成する。上記任意に有する置換基としては、例えば、炭素数6〜12のアリール基などが挙げられる。
好ましくは、一般式(4)中、RとRは、それぞれ独立して、水素、各々置換基を有してもよい、炭素数1〜16のアルキル基、又は炭素数2〜12のアルケニル基を表し(ただし、RとRは同一ではない)、より好ましくは、一般式(4)中、RとRは、水素、又は炭素数1〜16のアルキル基を表す(ただし、RとRは同一ではない)。
ここで、RとRは同一ではないと定義したのは、R及びRの一方が長く、他方が短いと、インクの結着性などの点で優れるためである。
一般式(4)中、R7〜R10は、それぞれ独立して、水素、各々置換基を有してもよい、炭素数1〜9のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数2〜12のアルケニル基、又は炭素数6〜12のアリール基を表す。上記任意に有する置換基としては、例えば、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数2〜5のアルケニル基などが挙げられる。好ましくは、一般式(4)中、R7〜R10は水素である。
上記一般式(4)に関する説明は、一般式(2)で表される構造単位にも当てはまる。
一般式(4)で表わされるビスフェノール類は、具体的には、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルプロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ドデカン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)トリデカン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタデカン、4,4‘−(1,5,9,13−テトラメチルテトラデシリデン)ビスフェノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、1,1-ビス(4−ヒドロキシ−2−メチル−5−tert-ブチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロドデカン、3,3,5−トリメチル−1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンなどが例示される。これらは、2種類以上併用することも可能である。これらの中でも、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルプロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘキサン、1,1-ビス(4−ヒドロキシ−2−メチル−5−tert-ブチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、及び1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロドデカンが好ましく、特に、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルプロパン、及び1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘキサンが好ましい。
一般式(3)で表されるビフェノール類は、使用したビスフェノール類の合計に対して20モル%以上70モル%以下で使用する必要がある。これにより、一般式(1)で表される構造単位の含有量が、ポリカーボネート樹脂を構成する全構造単位に対して20モル%以上70モル%以下となる。上記範囲を外れると、耐汚染性に劣ってしまう。好ましくは、一般式(3)で表されるビフェノール類は、使用したビスフェノール類の合計に対して25モル以上65モル%以下で使用される。
一般式(4)で表されるビフェノール類は、使用したビスフェノール類の合計に対して好ましくは30モル%以上80モル%以下、より好ましくは35モル以上75モル%以下で使用される。これにより、一般式(2)で表される構造単位の含有量が、ポリカーボネート樹脂を構成する全構造単位に対して好ましくは30モル%以上80モル%以下、より好ましくは35モル以上75モル%以下となる。
炭酸エステル形成化合物としては、例えばホスゲンや、ジフェニルカーボネート、ジ−p−トリルカーボネート、フェニル−p−トリルカーボネート、ジ−p−クロロフェニルカーボネート、ジナフチルカーボネートなどのビスアリルカーボネートが挙げられる。これらの化合物は2種類以上併用して使用することも可能である。
ホスゲン法においては、通常、酸結合剤および溶媒の存在下において、一般式(3)で表されるビフェノール類と一般式(4)で表されるビスフェノール類とホスゲンを反応させる。酸結合剤としては、例えばピリジンや、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物などが用いられ、また溶媒としては、例えば塩化メチレン、クロロホルムなどが用いられる。さらに、縮重合反応を促進するために、トリエチルアミンのような第三級アミンまたは第四級アンモニウム塩などの触媒を加えることが好ましい。また重合度調節には、フェノール、p−t−ブチルフェノール、p−クミルフェノール、長鎖アルキル置換フェノール等一官能基化合物を分子量調節剤として加えることが好ましい。また、所望に応じ、亜硫酸ナトリウム、ハイドロサルファイトなどの酸化防止剤や、フロログルシン、イサチンビスフェノールなど分岐化剤を小量添加してもよい。反応は通常0〜150℃、好ましくは5〜40℃の範囲とするのが適当である。反応時間は反応温度によって左右されるが、通常0.5分〜10時間、好ましくは1分〜2時間である。また、反応中は、反応系のpHを10以上に保持することが望ましい。
一方、エステル交換法においては、一般式(3)で表されるビフェノール類と一般式(4)で表されるビスフェノール類とビスアリールカーボネートとを混合し、減圧下で高温において反応させる。反応は通常150〜350℃、好ましくは200〜300℃の範囲の温度において行われ、また減圧度は最終で好ましくは133Pa以下にして、エステル交換反応により生成した該ビスアリールカーボネートから由来するフェノール類を系外へ留去させる。反応時間は反応温度や減圧度などによって左右されるが、通常1〜24時間程度である。反応は窒素やアルゴンなどの不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。また、所望に応じ、分子量調節剤、酸化防止剤や分岐化剤を添加して反応を行ってもよい。
本発明におけるポリカーボネート樹脂は、印刷インキのバインダー樹脂としての必要な溶剤溶解性と強度をバランス良く保持することが必要であり、バインダー樹脂の極限粘度が低すぎると強度が不足し、極限粘度が高すぎると溶剤溶解性の低下とインキ粘度上昇があり印刷性が低下する。望ましい極限粘度範囲として極限粘度が0.4〜2.0dl/gの範囲であることが好ましく、さらには0.45〜1.5dl/gの範囲であることが好ましい。
本発明の印刷インキは、前記バインダー樹脂と色素(染料及び/又は顔料)を所望の溶剤に溶解して作製される。本発明の印刷インキにおいて使用される染料・顔料としては、例えば、アントラキノン系、ナフトキノン系等の染料、酸化チタン、カーボンブラック、炭酸カルシウム、金属粒子等の無機顔料、アゾ顔料、フタロシアニン顔料等の有機顔料等が挙げられる。これらの染料・顔料は、インキ中に溶解あるいは分散した状態でバインダー樹脂と共に存在する。
インキ調製のための溶剤としては、非ハロゲン系有機溶剤が好ましく、例えばトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、イソホロン等の環状ケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等が挙げられ、なかでもジオキサン、テトラヒドロフラン、トルエン、キシレン、シクロヘキサノン、イソホロンが好ましく、特にイソホロンが好ましい。また溶剤は単独で用いても、2種以上の混合溶剤で用いても良い。さらには染料・顔料分散性、塗布性や乾燥性等を向上させる目的で、メタノール、エタノール等のアルコール、メチルエチルケトン、アセトン等の非環状ケトン、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸メトキシプロピル等のエステル類、シクロヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、アルキレングリコール類及びその誘導体、シリコーンオイル、大豆油等のオイル類などの溶剤または貧溶剤を併用することも可能である。
前記印刷インキには、バインダー樹脂及び色素(染料及び/又は顔料)の他に必要に応じて、有機及び無機微粒子、離型剤、酸化防止剤、可塑剤、分散剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、消泡剤、レベリング剤等を添加しても良い。インキ中のバインダー樹脂の配合量は、極限粘度や溶剤溶解性に左右されるが、1〜70重量%が好ましく、5〜40重量%がより好ましい。バインダー樹脂の濃度がかかる範囲内であると、溶剤溶解性とインキ塗布性がバランスよく、作業性が向上する。一方、色素(染料及び/又は顔料)の配合量は、バインダー樹脂に対して0.1〜60 重量%が好ましく、1〜50 重量%がより好ましい。色素(染料及び/又は顔料)の濃度がかかる範囲内であると、バインダー樹脂の強度を保持しながら、色素の発色効果を十分発揮できる。
本発明の印刷インキの粘度は任意に設定可能であるが、500〜100,000mPa・s、さらに1,000〜50,000mPa・sの範囲にあることが好ましい。この範囲であれば、インキダレが少なく、かつ塗布しやすく外観の良い印刷が得られる。
本発明において、前記印刷インキは基材フィルムに塗布され、インサート成形加飾用に用いられる。基材フィルムに使用される樹脂フィルムとしては熱可塑性樹脂フィルムが挙げられ、具体的にはポリカーボネート樹脂フィルム、ポリエステル樹脂フィルム、ポリアミド樹脂フィルム、耐熱ポリオレフィン樹脂フィルム、ポリカーボネート/ポリエステルブレンドフィルム、ポリカーボネート/ABSブレンドフィルム等が挙げられ、特にポリカーボネート樹脂フィルム、ポリカーボネート/ポリエステルブレンドフィルムが透明性、耐熱性、機械的強度等に優れ好ましく用いられる。これらの樹脂フィルムは通常0.01〜2mmの厚みであり、0.1〜0.5mmの厚みが好ましい。
本発明の印刷インキを基材フィルムに塗布する方法としては、スクリーン印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷等が挙げられるが、塗布するインキ層の膜厚範囲が広く、インキ層を厚くすることができる点から、スクリーン印刷が特に好ましい。塗布されたインキは、自然放置、冷・温送風、赤外線照射、加熱焼付、紫外線照射等により乾燥することで乾燥した印刷面が得られる。また、高沸点溶媒を除去するために、例えば100℃以上で長時間乾燥する場合でも本発明の印刷インキは、溶融し流れ出さない耐熱性を有している。そのため、本発明におけるバインダー樹脂は100℃以上のガラス転移点を有するものが好ましい。
本発明の印刷インキは、熱可塑性樹脂を加飾する目的でインサート成形する際の加飾印刷フィルムのインキとして溶融樹脂と接触しても、印刷面を保持できる耐熱性を有している。インサート成形で成形される樹脂としては、ポリスチレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリサルフォン、ナイロン等が挙げられる。中でも本発明の印刷インキを用いた加飾印刷フィルムは、高温、特に300℃以上で成形されるポリカーボネート樹脂やポリカーボネート/ポリエステルブレンド樹脂に加飾を施す際に、インサート成形時の耐熱性不足に起因する印刷部パターンの滲みやぼやけが見られず、印刷部の接着性を保持する。さらには、印刷部の指紋やハンドクリームの汚染・付着による劣化やソルベントクラックに強いため、それらに汚染された印刷部でも、インサート成形時の熱や衝撃による印刷部パターンのクラックや抜けが見られず、良好な印刷外観を保持する。
以下に実施例を挙げて、本発明を詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に何ら限定されるものではない。
実施例1
5w/w%の水酸化ナトリウム水溶液1100mlに、以下の構造式で表されるビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル(以下「DHPE」と略称:東京化成工業株式会社製)40.4g(0.20mol)と、以下の構造式で表される1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(以下「BPZ」と略称:田岡化学工業株式会社製)53.6g(0.20mol)とハイドロサルファイト0.1gを溶解した。これにメチレンクロライド500mlを加えて撹拌しつつ、15℃に保ちながら、ついでホスゲン60gを60分かけて吹き込んだ。
Figure 2016160291
Figure 2016160291
ホスゲン吹き込み終了後、分子量調節剤としてp−t−ブチルフェノール(以下「PTBP」と略称:DIC株式会社製)2.3gを加え激しく撹拌して、反応液を乳化させ、乳化後、0.4mlのトリエチルアミンを加え、20〜25℃にて約1時間撹拌し、重合させた。
重合終了後、反応液を水相と有機相に分離し、有機相をリン酸で中和し、洗液(水相)の導電率が10μS/cm以下になるまで水洗を繰り返した。得られた重合体溶液を、45℃に保った温水に滴下し、溶媒を蒸発除去して白色粉末状沈殿物を得た。得られた沈殿物を濾過し、110℃、24時間乾燥して、重合体粉末を得た。
この重合体の塩化メチレンを溶媒とする濃度0.5g/dlの溶液の20℃における極限粘度は0.50dl/gであった。得られた重合体を赤外線吸収スペクトルにより分析した結果、1770cm−1付近の位置にカルボニル基による吸収、1240cm−1付近の位置にエーテル結合による吸収が認められ、カーボネート結合を有するポリカーボネート樹脂であることが確認された。
得られたポリカーボネート樹脂をバインダー樹脂として20重量部、染料としてアントラキノン系Plast Red 8370(有本化学工業株式会社)10重量部、溶剤としてイソホロン80重量部を混合して、印刷インキ(2Pa・s)を調製した。次に、基材フィルムとして厚み0.2mm×150mm×70mmの市販ポリカーボネートフィルム(三菱瓦斯化学株式会社製;ユーピロンFE−2000)の片面に、前記印刷インキをスクリーン印刷機(ミシマ株式会社製;UDS−MINI)でスクリーン印刷し、100℃で3時間乾燥後、印刷フィルムの表面に2×2cmの正方形状に、JISK2246準拠人工指紋液(伊勢久株式会社製)、および市販ハンドクリーム(ジョンソン・アンド・ジョンソン株式会社製;ニュートロジーナハンドクリーム)をそれぞれ塗布し、4時間静置した後、表面をウエスで拭き取り、基材フィルムと同サイズの厚さ2mmの金型に装着し、縦型射出成形機にて300℃に溶融したポリカーボネート(三菱瓦斯化学株式会社製;ユーピロンS−2000)をインサート成形した。得られたインサート成形品の、人工指紋液、ハンドクリーム塗布部の印刷インキの抜け状態を目視にて以下のように評価した。評価結果を下記表1に示す。
◎:インサート成形品を蛍光灯直下で目視して、インキのムラ(濃淡)も無く、インキ抜け(インキが無く光がほぼ全量透過)が確認できなかった。
○:インサート成形品を蛍光灯直下で目視して、一部インキの濃淡は確認されたが、インキ抜けが確認できなかった。
×:インサート成形品を蛍光灯直下で目視して、インキ抜けが明確に確認できた。
実施例2
DHPEを56.6g(0.28mol)、BPZを32.2g(0.12mol)、PTBPを1.2gに変更した以外は実施例1と同様に重合を行って、ポリカーボネート樹脂(極限粘度0.71dl/g)を得た。得られたポリカーボネート樹脂を実施例1と同様にインキバインダー樹脂として用いて、印刷、成形、評価を行った。評価結果を下記表1に示す。
実施例3
BPZの代わりに、以下の構造式で表される2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン(以下「BPB」と略称:本州化学工業株式会社製、)48.4g(0.20mol)を用いた以外は、実施例1と同様に重合を行いポリカーボネート樹脂(極限粘度0.54dl/g)を得た。得られたポリカーボネート樹脂を実施例1と同様にインキバインダー樹脂として用いて、印刷、成形、評価を行った。評価結果を下記表1に示す。
Figure 2016160291
実施例4
DHPEを16.2g(0.08mol)に変更し、BPZの代わりにBPB77.4g(0.32mol)を用いた以外は、実施例1と同様に重合を行いポリカーボネート樹脂(極限粘度0.56dl/g)を得た。得られたポリカーボネート樹脂を実施例1と同様にインキバインダー樹脂として用いて、印刷、成形、評価を行った。評価結果を下記表1に示す。
実施例5
DHPEを32.3g(0.16mol)に変更し、BPZの代わりに以下の構造式で表される1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロドデカン(以下「HPCD」と略称:田岡化学工業株式会社製)84.5g(0.24mol)を用い、さらにPTBPを0.9gに変更した以外は、実施例1と同様に重合を行いポリカーボネート樹脂(極限粘度0.74dl/g)を得た。得られたポリカーボネート樹脂を実施例1と同様にインキバインダー樹脂として用いて、印刷、成形、評価を行った。評価結果を下記表1に示す。
Figure 2016160291
実施例6
DHPEを44.4g(0.22mol)に変更し、BPZの代わりに以下の構造式で表される2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン(以下「MIBK」と略称;本州化学工業株式会社製)48.6g(0.18mol)を用い、さらにPTBPを0.8gに変更した以外は、実施例1と同様に重合を行いポリカーボネート樹脂(極限粘度0.94dl/g)を得た。得られたポリカーボネート樹脂をインキバインダー樹脂として10重量部に変更し用いた以外は、実施例1と同様に印刷、成形、評価を行った。評価結果を下記表1に示す。
Figure 2016160291
実施例7
BPZの代わりに、以下の構造式で表される1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルプロパン(以下「IBTD」と略称:和光純薬工業株式会社製)48.6g(0.20mol)を用いた以外は、実施例1と同様に重合を行いポリカーボネート樹脂(極限粘度0.53dl/g)を得た。得られたポリカーボネート樹脂を実施例1と同様にインキバインダー樹脂として用いて、印刷、成形、評価を行った。評価結果を下記表1に示す。
Figure 2016160291
実施例8
DHPEを36.4g(0.18mol)に変更し、BPZの代わりに以下の構造式で表される1,1-ビス(4−ヒドロキシ−2−メチル−5−tert-ブチルフェニル)ブタン(以下「AO−40」と略称:株式会社ADEKA製)84.3g(0.22mol)を用い、さらにPTBPを2.2gに変更した以外は、実施例1と同様に重合を行いポリカーボネート樹脂(極限粘度0.51dl/g)を得た。得られたポリカーボネート樹脂を実施例1と同様にインキバインダー樹脂として用いて、印刷、成形、評価を行った。評価結果を下記表1に示す。
Figure 2016160291
実施例9
DHPEを48.5g(0.24mol)に変更し、BPZの代わりに以下の構造式で表される1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘキサン(以下「IOTD」と略称:東京化成工業株式会社製)53.6g(0.16mol)を用い、さらにPTBPを0.8gに変更した以外は、実施例1と同様に重合を行いポリカーボネート樹脂(極限粘度1.17dl/g)を得た。得られたポリカーボネート樹脂をインキバインダー樹脂として10重量部に変更し用いた以外は、実施例1と同様に印刷、成形、評価を行った。
Figure 2016160291
実施例10
染料の代わりに、コバルトブルー系顔料(バイエル株式会社製;Lightfast Blue 100)を20重量部用い、イソホロンをシクロヘキサノン60重量部、トルエン20重量部に変更した以外は、実施例1と同様に印刷、成形、評価を行った。評価結果を下記表1に示す。
比較例1
DHPEを用いず、BPZのみ107.2g(0.40mol)を用い、PTBPを1.5gに変更した以外は、実施例1と同様に重合を行いポリカーボネート樹脂(極限粘度0.50dl/g)を得た。得られたポリカーボネート樹脂を実施例1と同様にインキバインダー樹脂として用いて、印刷、成形、評価を行った。評価結果を下記表1に示す。
比較例2
DHPEを8.1g(0.04mol)、BPZを96.5g(0.36mol)に変更し、PTBPを1.9gに変更した以外は、実施例1と同様に重合を行いポリカーボネート樹脂(極限粘度0.51dl/g)を得た。得られたポリカーボネート樹脂を実施例1と同様にインキバインダー樹脂として用いて、印刷、成形、評価を行った。評価結果を下記表1に示す。
比較例3
DHPEを64.6g(0.32mol)、BPZを21.4g(0.08mol)に変更した以外は、実施例1と同様に重合を行ったが、溶媒不溶のポリカーボネートが生成し、インキを調製することは出来なかった。
比較例4
DHPEを用いず、BPZの代わりに以下の構造式で表される2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下「BPA」と略称:三井化学株式会社製)91.2g(0.40mol)を用い、PTBPを2.0gに変更した以外は、実施例1と同様に重合を行いポリカーボネート樹脂(極限粘度0.50dl/g)を得た。得られたポリカーボネート樹脂を実施例1と同様にインキバインダー樹脂として用いたが、イソホロンに溶解せず、インキを調製することができなかった。
Figure 2016160291
比較例5
DHPEを用いず、BPZの代わりに実施例3で用いたBPBを96.3g(0.40mol)用いた以外は、実施例1と同様に重合を行いポリカーボネート樹脂(極限粘度0.50dl/g)を得た。得られたポリカーボネート樹脂を実施例1と同様にインキバインダー樹脂として用いて、印刷、成形、評価を行った。評価結果を下記表1に示す。
比較例6
DHPEを用いず、BPZの代わりに実施例5で用いたHPCDを140.1g(0.40mol)用い、PTBPを0.9gに変更した以外は、実施例1と同様に重合を行いポリカーボネート樹脂(極限粘度0.71dl/g)を得た。得られたポリカーボネート樹脂を実施例1と同様にインキバインダー樹脂として用いて、印刷、成形、評価を行った。評価結果を下記表1に示す。
比較例7
DHPEを用いず、BPZの代わりに実施例6で用いたMIBKを108g(0.40mol)用い、PTBPを0.8gに変更した以外は、実施例1と同様に重合を行いポリカーボネート樹脂(極限粘度0.93dl/g)を得た。得られたポリカーボネート樹脂を実施例1と同様にインキバインダー樹脂として用いて、印刷、成形、評価を行った。評価結果を下記表1に示す。
Figure 2016160291
本発明の活用例としては、加飾印刷フィルム用の印刷インキとして利用可能であり、その加飾印刷フィルムは高温でインサート成形が行われる射出成形品に応用できる。本発明は、特に、自動車等の各種メーター盤、携帯電話を含む携帯端末機器のハウジングや入力キー、AV機器、小型ゲーム機や家電機器製品のハウジングや操作パネル、玩具や雑貨の意匠等インサート射出成形品に使用される加飾印刷フィルムの耐熱性印刷インキとして好適である。

Claims (12)

  1. 下記一般式(1)で表される構造単位と下記一般式(2)で表される構造単位とを有するポリカーボネート樹脂からなるインキ用結着樹脂であって、下記一般式(1)で表される構造単位の含有量が、前記ポリカーボネート樹脂を構成する全構造単位に対して20モル%以上70モル%以下である、前記インキ用結着樹脂。
    Figure 2016160291
    (式中、R〜Rは、それぞれ独立して、水素、各々置換基を有してもよい、炭素数1〜9のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数2〜5のアルケニル基、又は炭素数7〜17のアラルキル基を表す。)
    Figure 2016160291
    (式中、RとRは、それぞれ独立して、水素、各々置換基を有してもよい、炭素数1〜16のアルキル基、又は炭素数2〜12のアルケニル基を表す(ただし、RとRは同一ではない)、又は、RとRが結合して、炭素数5〜20の炭素環または元素数5〜12の複素環を形成する。R7〜R10は、それぞれ独立して、水素、各々置換基を有してもよい、炭素数1〜9のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数2〜12のアルケニル基、又は炭素数6〜12アリール基を表す。)
  2. 一般式(1)中、R〜Rが水素である、請求項1に記載のインキ用結着樹脂。
  3. 一般式(2)中、RとRは、それぞれ独立して、水素、各々置換基を有してもよい、炭素数1〜16のアルキル基、又は炭素数2〜12のアルケニル基を表す(ただし、RとRは同一ではない)、請求項1または2に記載のインキ用結着樹脂。
  4. 一般式(2)中、RとRは、水素、又は炭素数1〜16のアルキル基を表す(ただし、RとRは同一ではない)、請求項3に記載のインキ用結着樹脂。
  5. 一般式(2)中、R7〜R10が水素である、請求項1から4のいずれかに記載のインキ用結着樹脂。
  6. 一般式(2)で表される構造単位が、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルプロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘキサン、1,1-ビス(4−ヒドロキシ−2−メチル−5−tert-ブチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、又は1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロドデカンから誘導される、請求項1または2に記載のインキ用結着樹脂。
  7. 一般式(2)で表される構造単位が、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルプロパン、又は1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘキサンから誘導される、請求項1から6のいずれかに記載のインキ用結着樹脂。
  8. ポリカーボネート樹脂の極限粘度が0.4〜2.0dl/gである、請求項1から7のいずれかに記載のインキ用結着樹脂。
  9. 請求項1から8のいずれかに記載のインキ用結着樹脂を含有する印刷インキ。
  10. 更に、染料及び顔料から選択される1種以上の色素を含有する、請求項9に記載の印刷インキ。
  11. 更に、インキ調整用溶媒として非ハロゲン系有機溶媒を含有する、請求項9または10に記載の印刷インキ。
  12. 請求項9から11のいずれかに記載のインキを印刷したフィルムを金型内にインサートした後、熱溶融した樹脂を前記金型内に射出することを特徴とする加飾樹脂成形品の製造方法。
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