JP2001089690A - 印刷用インキ - Google Patents

印刷用インキ

Info

Publication number
JP2001089690A
JP2001089690A JP26693899A JP26693899A JP2001089690A JP 2001089690 A JP2001089690 A JP 2001089690A JP 26693899 A JP26693899 A JP 26693899A JP 26693899 A JP26693899 A JP 26693899A JP 2001089690 A JP2001089690 A JP 2001089690A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polycarbonate resin
ink
printing
printing ink
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP26693899A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3688529B2 (ja
Inventor
Toshimasa Tokuda
俊正 徳田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Chemicals Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Teijin Chemicals Ltd filed Critical Teijin Chemicals Ltd
Priority to JP26693899A priority Critical patent/JP3688529B2/ja
Publication of JP2001089690A publication Critical patent/JP2001089690A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3688529B2 publication Critical patent/JP3688529B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 インキの安定性が良好で、印刷後に乾燥させ
ても白化せず、耐熱性および熱安定性に優れ印刷部の良
好なインサートフィルム用の印刷インキとして好適な印
刷用インキを提供する。 【解決手段】 インキを構成するバインダー樹脂がポリ
カーボネート樹脂であって、該ポリカーボネート樹脂
は、9,9−ビスヒドロキシフェニルフルオレン系化合
物を構成単位として5〜95モル%含有するポリカーボ
ネート樹脂であることを特徴とする印刷用インキ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、印刷用インキに関
する。さらに詳しくはバインダー樹脂として、9,9−
ビスヒドロキシフェニルフルオレン系化合物を含有する
二価フェノールより得られたポリカーボネート樹脂を使
用することにより、インキの安定性が良好で、耐熱性お
よび熱安定性に優れ、印刷部の良好なインサートフィル
ム用の印刷インキとして好適な印刷用インキに関する。
【0002】
【従来の技術】ポリカーボネート樹脂は、透明性、耐熱
性、加工性および機械的強度に優れているが故に自動車
部品、事務用機器、家電部品、建材部品等用途に幅広く
利用されている。また、近年予め単色または多色印刷さ
れたポリカーボネート樹脂フィルム等の印刷フィルムを
成形金型に装着して所定の温度、圧力条件で印刷された
フィルム面に向け射出成形(インサート成形等)するこ
とで曲面、凹凸または平面を有する各種の印刷された射
出成形品を得る方法が用いられつつあり、例えば、自動
車の各種メーター盤や窓ガラスの縁、携帯電話のハウジ
ング、オーディオ製品のハウジング、電卓・複写機等の
表示部分、雑貨類などの射出成形品で既に実用化されて
いる。
【0003】市販の印刷用インキにおいて、従来使用さ
れているバインダー樹脂としては、ビニル系樹脂、ポリ
ウレタン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリエステル系
樹脂等が挙げられ、これらの樹脂がバインダー樹脂とし
て使用されているインキと希釈剤等とを調合して、熱可
塑性樹脂フィルム等のベースフィルムに印刷すると優れ
た仕上がりの印刷フィルムが得られる。しかしながら、
得られた印刷フィルムを金型内に装着して、成形用のポ
リカーボネート樹脂を用いてインサート成形等の射出成
形をする際、成形温度が300℃程度となり、印刷部分
に滲みやぼやけが発生し、成形品の外観が著しく損なわ
れて商品価値が低下する場合があり問題となっている。
【0004】また、印刷インキのバインダー樹脂として
ポリカーボネート樹脂が使用される際、従来から2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンから得られ
たポリカーボネート樹脂(以下、PC−A樹脂と略称す
ることがある)が使用されているが、該PC−A樹脂を
印刷インキのバインダー樹脂として調合した場合、該P
C−A樹脂がゲル化したり、印刷後の乾燥条件で印刷面
が白化したり、あるいはバインダー樹脂の耐熱性が不足
してインサート成形後印刷部分に滲みやぼやけが発生す
るなどの不具合が生じることがあり、不十分なものであ
った。
【0005】また、特開平8−3502号公報では、ス
クリーン印刷インキの結合剤(バインダー)として、特
殊なジヒドロキシジフェニルシクロアルカンをベースと
するポリカーボネート樹脂が使用されている。しかしな
がら、かかるポリカーボネート樹脂をバインダー樹脂と
して使用した印刷インキを印刷した樹脂フィルム(ベー
スフィルム)を金型内に装着して、ポリカーボネート樹
脂を用いインサート成形等の射出成形を行うと、耐熱性
は良好であるが、熱安定性が不十分で印刷インキの色調
に変化が生じることがあり、商品価値を著しく損なう場
合があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、イン
キの安定性が良好で、印刷後に乾燥させても白化せず、
耐熱性および熱安定性に優れ、印刷部の良好なインサー
トフィルム用の印刷インキとして好適な印刷用インキを
提供することにある。本発明者はこの目的を達成せんと
して鋭意研究を重ねた結果、インキを構成するバインダ
ー樹脂として、9,9−ビスヒドロキシフェニルフルオ
レン系化合物を含有する二価フェノールより得られたポ
リカーボネート樹脂を使用することによって、上記目的
を達成できることを見出し、本発明に到達した。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明によれ
ば、インキを構成するバインダー樹脂がポリカーボネー
ト樹脂であって、該ポリカーボネート樹脂は、下記一般
式[1]
【0008】
【化3】
【0009】[式中、R1〜R4は夫々独立して水素原
子、炭素原子数1〜9の芳香族基を含んでもよい炭化水
素基又はハロゲン原子を表す。]で表される構成単位お
よび下記一般式[2]
【0010】
【化4】
【0011】[式中、R5およびR6はそれぞれ独立して
水素原子、炭素原子数1〜9の芳香族基を含んでもよい
炭化水素基又はハロゲン原子であり、mおよびnはそれ
ぞれ独立して0〜4の整数であり、Wは単結合、炭素原
子数1〜20の芳香族基を含んでもよい炭化水素基、
O、S、SO、SO2、CO又はCOO基である。]で
表される構成単位からなり、上記一般式[1]で表され
る構成単位を5〜95モル%含有するポリカーボネート
樹脂であることを特徴とする印刷用インキが提供され
る。
【0012】本発明において、インキを構成するバイン
ダー樹脂として使用される芳香族ポリカーボネート樹脂
は、前記一般式[1]で表される構成単位および前記一
般式[2]で表される構成単位からなる芳香族ポリカー
ボネート共重合体である。
【0013】前記一般式[1]で表される構成単位を構
成する芳香族ジヒドロキシ成分としては、9,9−ビス
ヒドロキシフェニルフルオレン系化合物であり、例えば
9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、
9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)
フルオレン、9,9−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−エ
チル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−
ビス(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)フルオ
レン、9,9−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフ
ェニル)フルオレン等が挙げられるが、9,9−ビス
(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレンが
最も好ましい。これらのフルオレン系化合物は全芳香族
ジヒドロキシ成分の5〜95モル%、好ましくは10〜
95モル%、さらに好ましくは30〜85モル%用い
る。5モル%未満の場合、耐熱性に劣り好ましくない。
【0014】また、前記一般式[2]で表される構成単
位を構成する芳香族ジヒドロキシ成分としては、例えば
ハイドロキノン、レゾルシノール、4,4’−ビフェノ
ール、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロ
ヘキサン(ビスフェノールZ)、1,1−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)エタン(ビスフェノールE)、2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフ
ェノールA)、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メ
チルフェニル)プロパン(ビスフェノールC)、2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサ
ン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,
3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)ペンタン、4,4’−(p−フ
ェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール、α,α’
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピ
ルベンゼン(ビスフェノールM)、1,1−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)−4−イソプロピルシクロヘキサ
ンなどが挙げられ、なかでもビスフェノールA、ビスフ
ェノールZ、ビスフェノールC、ビスフェノールE、ビ
スフェノールMが好ましく、特にビスフェノールAが好
ましい。
【0015】インキを構成するバインダー樹脂として使
用される前記芳香族ポリカーボネート樹脂は、そのポリ
マー0.7gを塩化メチレン100mlに溶解した溶液
を20℃で測定した比粘度が0.2〜2.0のものが好
ましく、0.35〜0.92の範囲のものがより好まし
い。比粘度が0.2未満ではバインダー樹脂としての強
度が弱く、耐熱性が不十分であり、比粘度が2.0を超
えるとインキの溶剤に溶け難くなり、インキの安定性が
低下し好ましくない。
【0016】前記芳香族ポリカーボネート樹脂は、芳香
族ジヒドロキシ成分にホスゲンや炭酸ジエステルなどの
カーボネート前駆物質を反応させる方法により製造され
る。次にこれらの製造方法について基本的な手段を簡単
に説明する。
【0017】カーボネート前駆物質として、例えばホス
ゲンを使用する界面重縮合法では、通常酸結合剤および
溶媒の存在下に反応を行う。酸結合剤としては、例えば
水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属
水酸化物またはピリジンなどのアミン化合物が用いられ
る。溶媒としては、例えば塩化メチレン、クロロベンゼ
ンなどのハロゲン化炭化水素が用いられる。また反応促
進のために例えば第三級アミンまたは第四級アンモニウ
ム塩などの触媒を用いることもできる。その際、反応温
度は通常0〜40℃であり、反応時間は数分〜5時間で
ある。
【0018】カーボネート前駆物質として炭酸ジエステ
ルを用いる溶融法は、不活性ガス雰囲気下所定割合の芳
香族ジヒドロキシ成分を炭酸ジエステルと加熱しながら
撹拌して、生成するアルコールまたはフェノール類を留
出させる方法により行われる。反応温度は生成するアル
コールまたはフェノール類の沸点などにより異なるが、
通常120〜300℃の範囲である。反応はその初期か
ら減圧にして生成するアルコールまたはフェノール類を
留出させながら反応を完結させる。また反応を促進する
ために通常エステル交換反応に使用される触媒を使用す
ることもできる。前記エステル交換反応に使用される炭
酸ジエステルとしては、例えばジフェニルカーボネー
ト、ジナフチルカーボネート、ビス(ジフェニル)カー
ボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネー
ト、ジブチルカーボネートなどが挙げられる。これらの
うち特にジフェニルカーボネートが好ましい。
【0019】前記芳香族ポリカーボネート樹脂は、その
重合反応において、末端停止剤として通常使用される単
官能フェノール類を使用することができる。殊にカーボ
ネート前駆物質としてホスゲンを使用する反応の場合、
単官能フェノール類は末端停止剤として分子量調節のた
めに一般的に使用され、また得られた芳香族ポリカーボ
ネート樹脂は、末端が単官能フェノール類に基づく基に
よって封鎖されているので、そうでないものと比べて熱
安定性に優れている。
【0020】かかる単官能フェノール類としては、一般
にはフェノール又は低級アルキル置換フェノールであっ
て、下記一般式(3)で表される単官能フェノール類を
示すことができる。
【0021】
【化5】
【0022】[式中、Aは水素原子、炭素数1〜9の直
鎖または分岐のアルキル基あるいはアリールアルキル基
であり、rは1〜5、好ましくは1〜3の整数であ
る。]
【0023】上記単官能フェノール類の具体例として
は、例えばフェノール、p−tert−ブチルフェノー
ル、p−クミルフェノールおよびイソオクチルフェノー
ルが挙げられる。
【0024】また、他の単官能フェノール類としては、
長鎖のアルキル基あるいは脂肪族ポリエステル基を置換
基として有するフェノール類または安息香酸クロライド
類、もしくは長鎖のアルキルカルボン酸クロライド類を
使用することができる。なかでも、下記一般式(4)お
よび(5)で表される長鎖のアルキル基を置換基として
有するフェノール類が好ましく使用される。
【0025】
【化6】
【0026】
【化7】
【0027】[式中、Xは−R−O−、−R−CO−O
−または−R−O−CO−である、ここでRは単結合ま
たは炭素数1〜10、好ましくは1〜5の二価の脂肪族
炭化水素基を示し、nは10〜50の整数を示す。]
【0028】かかる式(4)の置換フェノール類として
はnが10〜30、特に10〜26のものが好ましく、
その具体例としては例えばデシルフェノール、ドデシル
フェノール、テトラデシルフェノール、ヘキサデシルフ
ェノール、オクタデシルフェノール、エイコシルフェノ
ール、ドコシルフェノール及びトリアコンチルフェノー
ル等を挙げることができる。
【0029】また、式(5)の置換フェノール類として
はXが−R−CO−O−であり、Rが単結合である化合
物が適当であり、nが10〜30、特に10〜26のも
のが好適であって、その具体例としては例えばヒドロキ
シ安息香酸デシル、ヒドロキシ安息香酸ドデシル、ヒド
ロキシ安息香酸テトラデシル、ヒドロキシ安息香酸ヘキ
サデシル、ヒドロキシ安息香酸エイコシル、ヒドロキシ
安息香酸ドコシル及びヒドロキシ安息香酸トリアコンチ
ルが挙げられる。
【0030】これらの末端停止剤は、得られたポリカー
ボネート樹脂の全末端に対して少くとも5モル%、好ま
しくは少くとも10モル%末端に導入されることが望ま
しく、また、末端停止剤は単独でまたは2種以上混合し
て使用してもよい。
【0031】前記芳香族ポリカーボネート樹脂は、芳香
族ジカルボン酸、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、
ナフタレンジカルボン酸あるいはその誘導体を共重合し
たポリエステルカーボネート樹脂であってもよい。また
少量の3官能化合物を共重合した分岐ポリカーボネート
樹脂であってもよい。
【0032】本発明において、インキを構成するバイン
ダー樹脂として使用されるポリカーボネート樹脂のガラ
ス転移温度は155〜230℃が好ましく、158〜2
25℃がより好ましく、160〜220℃が特に好まし
い。ガラス転移温度がかかる範囲内では、耐熱性が十分
でインサート成形等のベースフィルムの印刷インキに使
用すると印刷部分に滲みやぼやけが発生し難く好まし
い。
【0033】本発明の印刷用インキは、上記バインダー
樹脂と染・顔料を所望の溶剤に溶解して作製される。本
発明の印刷インキにおいて使用される染・顔料として
は、例えばアントラキノン系、ナフトキノン系等の染
料、酸化チタン、カーボンブラック、炭酸カルシウム等
の無機顔料、アゾ顔料、フタロシアニン顔料等の有機顔
料等が挙げられる。これらの染・顔料はインキ中に溶解
あるいは分散した状態でバインダー樹脂と共に存在す
る。
【0034】インキ調製のための溶剤としては、ジオキ
サン、ジオキソラン、イソホロン、テトラヒドロフラ
ン、トルエン、キシレン、酢酸エチル、シクロヘキサノ
ン等が挙げられ、なかでもジオキサン、ジオキソラン、
テトラヒドロフラン、トルエン、キシレン、シクロヘキ
サノンが好ましく用いられる。また溶剤は単独で用いて
も、2種以上の混合溶剤で用いても良い。
【0035】上記インキにはバインダー及び染・顔料の
他に必要に応じて、有機及び無機微粒子、離型剤、酸化
防止剤、可塑剤、分散剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤、
紫外線吸収剤、消泡剤、レベリング剤等を添加しても良
い。
【0036】また、インキ中のバインダー樹脂の配合量
は1〜70重量%が好ましく、5〜50重量%がより好
ましい。バインダー樹脂の濃度がかかる範囲内である
と、溶剤に溶け易く作業性も向上し好ましい。
【0037】本発明において、上記インキはベースフィ
ルム(殊にインサート成形の際に、金型内にインサート
するフィルム)に塗布される。かかるベースフィルムに
使用される樹脂フィルムとしては熱可塑性樹脂フィルム
であり、具体的にはポリカーボネート樹脂フィルム、ポ
リエステル樹脂フィルム等であり、特にポリカーボネー
ト樹脂フィルムが透明性、耐熱性、機械的強度等に優れ
好ましく用いられる。これらの樹脂フィルムは通常0.
1〜2mmの厚みであり0.1〜0.5mmの厚みが好
ましい。
【0038】インキをベースフィルムに塗布する方法と
しては、スクリーン印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷
等が挙げられるが、塗布するインキ層の膜厚範囲が広
く、インキ層を厚くすることができる点から、スクリー
ン印刷が特に好ましい。スクリーン印刷とは、スクリー
ンと称する網目状に組まれた絹、ナイロン、テトロン等
によるスクリーンの四周を版枠に、緊張、固定した上
に、手工的または光化学的な方法で図柄に応じてインキ
の通過を防ぐ皮膜(レジスト)を構成して、これを版と
し、船状になった版枠内にインキを入れ、スクイジーと
称するゴム状のヘラで版面内を加圧、摺動すると、イン
キはスクリーン目を通し、レジストのない部分(画線
部)より版の外に押出され、版の下に置かれた被印刷体
面に印刷される方式であり、例えば、平面印刷機、ロー
タリーシステム印刷機、シリンダータイプの印刷機の曲
面印刷機等を使用して行うことができ、乾燥方法として
は、自然放置、冷・温送風、赤外線照射、加熱焼付、紫
外線照射等が採用される。
【0039】本発明の上記印刷用インキは、特に成形用
のポリカーボネート樹脂をインサート成形する際に、金
型内にインサートするフィルムに印刷するためのインキ
として好適に使用することができる。ポリカーボネート
樹脂は、通常280℃以上の成形温度で射出成形される
ことから、金型内にインサートするフィルムに印刷され
たインキのバインダー樹脂においても高度な耐熱性と熱
安定性が要求され、上記9,9−ビスヒドロキシフェニ
ルフルオレン系化合物を含有する二価フェノールより得
られたポリカーボネート樹脂は、耐熱性および熱安定性
に優れ、インサート成形後の印刷部パターンに滲みやぼ
やけが見られず好ましく採用される。
【0040】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに説明す
る。なお、実施例中の部は重量部であり、%は重量%で
ある。なお、評価は下記の方法によった。
【0041】[スクリーン印刷後の外観]ポリカーボネ
ートフィルムの片面にスクリーン印刷し、100℃で6
0分間乾燥した後の、実施例で使用した印刷フィルムの
印刷部分に白化が見られない場合を○、白化がわずかで
も見られる場合を×で表示した。
【0042】[インキの保存安定性]ポリカーボネート
樹脂、染料または顔料、溶剤とを混合した、実施例で使
用の印刷用インキを、常温で1日間放置した後、インキ
がゲル化しているかどうかを目視で判定した。
【0043】[インサート成形後の印刷部の外観]実施
例で得られたインサート成形後の成形品の印刷部パター
ンに変化がない場合を○、印刷部パターンにわずかでも
滲みやぼやけ等変化がある場合を×で表示した。
【0044】[バインダー樹脂の比粘度(ηSP)の測定
方法]ポリカーボネート樹脂0.7gを塩化メチレン1
00mlに溶解し、20℃で測定し求めた。
【0045】[バインダー樹脂の熱安定性の測定方法]
ポリカーボネート樹脂5gを脱気した試験管中で350
℃に10分間保ち、前後の比粘度(ηSP)の変化(Δη
SP)を測定した。
【0046】[バインダー樹脂の耐熱性の測定方法]デ
ュポン社製910型DSC型DSC測定装置にて、48
ml/分の窒素気流下、20℃/分の昇温条件で測定
し、ガラス転移温度(Tg)を求めた。
【0047】[実施例1]バインダー樹脂として9,9
−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオ
レン(以下“ビスクレゾールフルオレン”と略称する)
と2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
(以下“ビスフェノールA”と略称する)からなる二価
フェノール{ビスクレゾールフルオレン:ビスフェノー
ルA=30:70(モル比)}、ホスゲンおよび末端停
止剤としてp−tert−ブチルフェノールを使用し
て、通常の界面重縮合反応させて得られたポリカーボネ
ート樹脂(比粘度;0.612、Tg;192℃、Δη
SP;0.006)30部、染料としてPlast Red 8370
(アントラキノン系染料;有本化学工業製)12部、溶
剤としてシクロヘキサノン50部およびジオキソラン5
0部を混合して、印刷用インキを調整した。
【0048】次いで、ベースフィルムとして厚み0.2
mmのポリカーボネートフィルム(パンライトフィルム
PC−2151 帝人化成製)の片面に、上記印刷用イ
ンキをシルクスクリーン印刷機(300型半自動スクリ
ーン印刷機、江口孔板製)を用いてスクリーン印刷し、
100℃で60分間乾燥させて、印刷フィルムを得た。
さらに、得られた印刷フィルムを射出成形金型内に印刷
面を内側にして装着し、ポリカーボネート樹脂ペレット
(パンライトL−1225 帝人化成製)を用いて31
0℃の成形温度でインサート成形を行った。印刷、乾燥
後の印刷フィルムの外観、調製したインキの保存安定性
及びインサート成形後の成形品の印刷部外観を評価し、
表2にその結果を示した。
【0049】[実施例2]バインダー樹脂としてビスク
レゾールフルオレンとビスフェノールAからなる二価フ
ェノール{ビスクレゾールフルオレン:ビスフェノール
A=50:50(モル比)}、ホスゲンおよび末端停止
剤としてp−tert−ブチルフェノールを使用して、
通常の界面重縮合反応させて得られたポリカーボネート
樹脂(比粘度;0.576、Tg;205℃、ΔηSP
0.005)を使用する以外は実施例1と同様にして、
インサート成形を行った。印刷、乾燥後の印刷フィルム
の外観、調製したインキの保存安定性及びインサート成
形後の成形品の印刷部外観を評価し、表2にその結果を
示した。
【0050】[実施例3]実施例1において、染料の代
わりに顔料(Lightfast Blue 100:バイエル製)を使用
する以外は実施例1と同様にして、インサート成形を行
った。印刷、乾燥後の印刷フィルムの外観、調製したイ
ンキの保存安定性及びインサート成形後の成形品の印刷
部外観を評価し、表2にその結果を示した。
【0051】[比較例1]バインダー樹脂としてビスフ
ェノールA、ホスゲンおよび末端停止剤としてp−te
rt−ブチルフェノールを使用して、通常の界面重縮合
反応させて得られたポリカーボネート樹脂(比粘度;
0.492、Tg;150℃、ΔηSP;0.006)を
使用し、溶剤として塩化メチレンを使用する以外は実施
例1と同様にして、インサート成形を行った。印刷、乾
燥後の印刷フィルムの外観、調製したインキの保存安定
性及びインサート成形後の成形品の印刷部外観を評価
し、表2にその結果を示した。
【0052】[比較例2]バインダー樹脂として1,1
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリ
メチルシクロヘキサン(以下“ビスフェノールTMC”
と略称する)とビスフェノールAからなる二価フェノー
ル{ビスフェノールTMC:ビスフェノールA=65:
35(モル比)}、ホスゲンおよび末端停止剤としてp
−tert−ブチルフェノールを使用して、通常の界面
重縮合反応させて得られたポリカーボネート樹脂(比粘
度;0.393、Tg;205℃、ΔηSP;0.03
1)を使用する以外は実施例1と同様にして、インサー
ト成形を行った。印刷、乾燥後の印刷フィルムの外観、
調製したインキの保存安定性及びインサート成形後の成
形品の印刷部外観を評価し、表2にその結果を示した。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】
【発明の効果】本発明の印刷用インキは、バインダー樹
脂として9,9−ビスヒドロキシフェニルフルオレン系
化合物を含有する二価フェノールより得られたポリカー
ボネート樹脂を使用することにより、印刷インキのゲル
化が防止され、また印刷後に白化せず、耐熱性および熱
安定性に優れ印刷部の良好なインキであり、殊にインサ
ートフィルム用の印刷インキとして好適に用いられ、自
動車の各種メーター盤、窓ガラスの縁、携帯電話のハウ
ジング等のインサート成形による射出成形品に極めて有
用であり、その工業的効果は格別のものがある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F206 AA28 AD09 JA07 JB12 JB19 4J029 AA09 AC02 AE03 AE11 AE18 BB12A BB12B BB13A BB13B BB18 BE05A BE05B BF14A BF14B BH02 HA01 HC01 HC03 4J039 AE06 BA04 BA13 BA16 BC17 BC39 BC60 BE01 BE02 BE12 CA02 CA05 EA37 EA42 GA03 GA09 GA10 GA34

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インキを構成するバインダー樹脂がポリ
    カーボネート樹脂であって、該ポリカーボネート樹脂
    は、下記一般式[1] 【化1】 [式中、R1〜R4は夫々独立して水素原子、炭素原子数
    1〜9の芳香族基を含んでもよい炭化水素基又はハロゲ
    ン原子を表す。]で表される構成単位および下記一般式
    [2] 【化2】 [式中、R5およびR6はそれぞれ独立して水素原子、炭
    素原子数1〜9の芳香族基を含んでもよい炭化水素基又
    はハロゲン原子であり、mおよびnはそれぞれ独立して
    0〜4の整数であり、Wは単結合、炭素原子数1〜20
    の芳香族基を含んでもよい炭化水素基、O、S、SO、
    SO2、CO又はCOO基である。]で表される構成単
    位からなり、上記一般式[1]で表される構成単位を5
    〜95モル%含有するポリカーボネート樹脂であること
    を特徴とする印刷用インキ。
  2. 【請求項2】 前記一般式[1]で表される構成単位
    が、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニ
    ル)フルオレンから構成されたものである請求項1記載
    の印刷用インキ。
  3. 【請求項3】 前記一般式[2]で表される構成単位
    が、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
    から構成されたものである請求項1記載の印刷用イン
    キ。
  4. 【請求項4】 ポリカーボネート樹脂をインサート成形
    する際に、金型内にインサートするフィルムとして、請
    求項1に記載のインキを印刷したフィルムを使用するこ
    とを特徴とするポリカーボネート樹脂のインサート成形
    方法。
JP26693899A 1999-09-21 1999-09-21 印刷用インキ Expired - Fee Related JP3688529B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26693899A JP3688529B2 (ja) 1999-09-21 1999-09-21 印刷用インキ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26693899A JP3688529B2 (ja) 1999-09-21 1999-09-21 印刷用インキ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001089690A true JP2001089690A (ja) 2001-04-03
JP3688529B2 JP3688529B2 (ja) 2005-08-31

Family

ID=17437782

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26693899A Expired - Fee Related JP3688529B2 (ja) 1999-09-21 1999-09-21 印刷用インキ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3688529B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002275405A (ja) * 2001-03-21 2002-09-25 Mitsubishi Gas Chem Co Inc 耐熱性印刷インキ

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002275405A (ja) * 2001-03-21 2002-09-25 Mitsubishi Gas Chem Co Inc 耐熱性印刷インキ

Also Published As

Publication number Publication date
JP3688529B2 (ja) 2005-08-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2997636B2 (ja) 耐熱性の印刷インク
US5733651A (en) Laminates comprising a colored layer and thermoplastic layers having specific thickness
US4126602A (en) Aromatic polyesters having improved properties
JP2011219667A (ja) 加飾用フィルム
JP5286654B2 (ja) 耐熱性印刷インキ
CN101296794A (zh) 多层热塑性膜及制备方法
JP2003255490A (ja) 記録・表示媒体用組成物および記録・表示媒体
WO1994019408A1 (en) Black-colored, laser-writable blends of carbonate polymer and polyester
JP6340811B2 (ja) ポリカーボネート樹脂組成物及びそれを用いた耐熱性印刷インキ
JP6398787B2 (ja) インキ用結着樹脂及び印刷インキ
JP2001019885A (ja) 印刷用インキ
JP2001089690A (ja) 印刷用インキ
JP6367656B2 (ja) 被膜形成用樹脂、塗液、加飾樹脂成形品およびその製造方法
JP4086530B2 (ja) 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物
JP2011046769A (ja) 耐熱性印刷インキ
JP3869742B2 (ja) 印刷用インキ
JP2010037416A (ja) 印刷インキ用バインダー樹脂及び印刷インキ
NL8005775A (nl) Carbonaat-carboxylaat-blokcopolyesters en werkwijze voor het bereiden van deze materialen.
US7125611B2 (en) Polyester compositions useful for image-receiving layers
JP4815684B2 (ja) 耐熱性印刷インキ
JP4159323B2 (ja) 耐熱性印刷インキ
JP4383811B2 (ja) 芳香族ポリカーボネート共重合体
JP2002080734A (ja) ポリマーの製造方法
WO2008050990A1 (en) Optical films, retardation films, and lcd comprising the sames
JP4950382B2 (ja) インモールド成形用フィルム

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050310

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050517

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050608

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080617

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080617

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090617

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090617

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100617

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100617

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110617

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130617

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140617

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees