JP4159323B2 - 耐熱性印刷インキ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐熱性が優れると共に、印刷物の圧縮成形時におけるクラック発生の少ないインサートフィルム用印刷インキに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、表面に加飾印刷が施されたフィルムを金型に装着し、フィルム印刷面に向け溶融した樹脂を金型中に射出して、樹脂表面に加飾印刷が施されたフィルムを一体化させる射出成形(以下、インサート成形という。)による、曲面、凹凸または平面を有する各種の印刷された射出成形品を得る方法が用いられている。例えば、自動車の各種メーター盤やサンルーフ、窓ガラスの縁、携帯電話のハウジング、AV製品のハウジング、携帯端末機器・複写機等の表示部分、雑貨類等の射出成形品に応用されている。
【0003】
前記加飾印刷用の印刷インキは、溶剤と染・顔料とバインダー樹脂を主成分に構成される。印刷インキはフィルムに印刷後乾燥することで溶剤を除去し、染・顔料をバインダー樹脂に固定すると同時にフィルムとバインダー樹脂が密着し、加飾印刷されたフィルムが得られる。加飾印刷されたフィルムは、インサート成形時に、溶融した樹脂に接触することや加温された金型に保持されても印刷面に滲みやぼやけが生じない耐熱性が要求される。
【0004】
加飾印刷されたフィルムの耐熱性は、バインダー樹脂の耐熱性に左右されるため、特開平8−3502号公報や特開2001−19885号公報では、耐熱性に優れ、溶剤溶解性もよい特殊なポリカーボネート樹脂をバインダー樹脂に用いた耐熱性印刷インキが開発されている。これらのバインダー樹脂は耐熱性が良好で、耐熱性印刷インキ用バインダー樹脂として好適であったが、バインダー樹脂が硬くて脆い性質があり、特に印刷フィルムを圧縮成形した場合、屈曲や延伸が大きい場合にクラックが生じることがあった。クラックが生じたフィルムはクラック部位から透過光が漏れるため、意匠価値が著しく損なわれるため改善の余地があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、耐熱性が優れると共に、印刷後フィルムの印刷部が圧縮成形された場合の屈曲や延伸に対する耐久性に優れ、印刷面クラック発生を低減した耐熱性印刷インキを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、従来の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、極限粘度が異なる複数のポリカーボネートをブレンドしたポリカーボネート樹脂組成物をバインダー樹脂に用いた印刷インキは、印刷性が良好で、印刷後のフィルム印刷面が圧縮成形下での屈曲や延伸に対する耐久性が高いインサート成形用加飾フィルムに好適な耐熱性印刷インキとなることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0007】
【発明実施の形態】
即ち、本発明は、(A)極限粘度[η]が0.40dl/g以上のポリカーボネート98〜40重量%と(B)極限粘度[η]が0.40dl/g未満のポリカーボネート2〜60重量%とからなるポリカーボネート樹脂組成物であって、(A)と(B)の極限粘度の差が0.05dl/g以上であるポリカーボネート樹脂組成物をバインダー樹脂として用いることを特徴とする耐熱性印刷インキを提供するものである。
【0008】
本発明の耐熱性印刷インキのバインダー樹脂に用いられるポリカーボネートは、ビスフェノール類と炭酸エステル形成化合物と反応させることによって、製造することができるものであり、ビスフェノールAから誘導されるポリカーボネートを製造する際に用いられている公知の方法、例えばビスフェノール類とホスゲンとの直接反応(ホスゲン法)、あるいはビスフェノール類とビスアリールカーボネートとのエステル交換反応(エステル交換法)等の方法を採用することができる。
【0009】
本発明においてポリカーボネートの製造に用いられる、ビスフェノール類としては、具体的には4,4’−ビフェニルジオール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルファイド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−アリルフェニル)プロパン、3,3,5−トリメチル−1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2−メチル−5−t−ブチルフェニル)−2−メチルプロパン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、両末端に3−(o−ヒドロキシフェニル)プロピル基を有するジメチルシロキサンとジフェニルシロキサンのランダム共重合体、α,ω−ビス[3−(o−ヒドロキシフェニル)プロピル]ポリジメチルシロキサン、4,4’−[1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビスフェノール、4,4’−[1,3−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビスフェノール等が例示される。これらは、2種類以上併用することも可能である。また、これらの中でも特に2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、3,3,5−トリメチル−1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンから選ばれることが好ましい。
【0010】
また、本発明においてポリカーボネートの製造に用いられる、炭酸エステル形成化合物としては、例えばホスゲンや、ジフェニルカーボネート、ジ−p−トリルカーボネート、フェニル−p−トリルカーボネート、ジ−p−クロロフェニルカーボネート、ジナフチルカーボネート等のビスアリルカーボネートが挙げられる。これらの化合物は2種類以上併用して使用することも可能である。
【0011】
本発明においてバインダー樹脂として用いる、ポリカーボネート樹脂組成物は、(A)極限粘度[η]が0.40dl/g以上のポリカーボネート98〜40重量%と(B)極限粘度[η]が0.40dl/g未満のポリカーボネート2〜60重量%とのブレンド物であり、かつ(A)と(B)の極限粘度の差が0.05dl/g以上のものである。極限粘度が異なる2種のポリカーボネートを上記の範囲で用いることで、耐熱性を保持すると共に、圧縮成形下での屈曲や延伸に耐久性が向上する。(B)が2重量%を未満では耐久性改善効果は低く、(B)が60重量%を越えると延伸性(流動性)が強くなりすぎて、インキが薄くなる。
【0012】
さらに、より耐久性を向上するため(A)の極限粘度が0.43〜1.50dl/g、(B)の極限粘度が0.10〜0.38dl/gであることが好ましい。また、(A)が95〜50重量%、(B)が5〜50重量%であることが好ましい。
【0013】
なお、前記極限粘度とブレンド比を満たす範囲において、複数の(A)および複数の(B)のポリカーボネートを組み合わせることも可能である。
【0014】
本発明の耐熱性印刷インキは、前記バインダー樹脂と染・顔料を所望の溶剤に溶解して作製される。本発明の印刷インキにおいて使用される染・顔料としては、例えば、アントラキノン系、ナフトキノン系等の染料、酸化チタン、カーボンブラック、炭酸カルシウム、金属粒子等の無機顔料、アゾ顔料、フタロシアニン顔料等の有機顔料等が挙げられる。これらの染・顔料はインキ中に溶解あるいは分散した状態でバインダー樹脂と共に存在する。
【0015】
インキ調製のための溶剤としては、非ハロゲン系有機溶剤が好ましく、例えばトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、イソホロン等の環状ケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等が挙げられ、なかでもジオキサン、テトラヒドロフラン、トルエン、キシレン、シクロヘキサノン、イソホロンが好ましい。また溶剤は単独で用いても、2種以上の混合溶剤で用いてもよい。さらには染・顔料分散性、塗布性や乾燥性等を向上させる目的で、メタノール、エタノール等のアルコール、メチルエチルケトン、アセトン等の非環状ケトン、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸メトキシプロピル等のエステル類、シクロヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、アルキレングリコール類及びその誘導体、シリコーンオイル、大豆油等のオイル類等の溶剤または貧溶剤を併用することも可能である。
【0016】
前記印刷インキにはバインダー樹脂及び染・顔料の他に必要に応じて、有機及び無機微粒子、離型剤、酸化防止剤、可塑剤、分散剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、消泡剤、レベリング剤等を添加してもよい。
【0017】
また、インキ中のバインダー樹脂の配合量は、極限粘度や溶剤溶解性に左右されるが、1〜70重量%が好ましく、5〜50重量%がより好ましい。バインダー樹脂の濃度がかかる範囲内であると、溶剤溶解性とインキ塗布性がバランスよく、作業性が向上する。
【0018】
本発明において、前記耐熱性印刷インキは基材フィルムに塗布され、インサート成形加飾用に用いられる。基材フィルムに使用される樹脂フィルムは、通常、熱可塑性樹脂フィルムであり、具体的にはポリカーボネート樹脂フィルム、ポリエステル樹脂フィルム、ポリアミド樹脂フィルム、耐熱ポリオレフィン樹脂フィルム、ポリカーボネート/ポリエステルブレンドフィルム、ポリカーボネート/ABSブレンドフィルム等が挙げられ、特にポリカーボネート樹脂フィルム、ポリカーボネート/ポリエステルブレンドフィルムが、透明性、耐熱性、機械的強度等に優れ好ましく用いられる。これらの樹脂フィルムは通常0.01〜2mmの厚みであり、0.1〜0.5mmの厚みが好ましい。
【0019】
本発明の耐熱性印刷インキを基材フィルムに塗布する方法としては、スクリーン印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷等が挙げられるが、塗布するインキ層の膜厚範囲が広く、インキ層を厚くすることができる点から、スクリーン印刷が特に好ましい。塗布されたインキは、自然放置、冷・温送風、赤外線照射、加熱焼付、紫外線照射等により乾燥することで乾燥した印刷面が得られる。
【0020】
本発明の耐熱性印刷インキは、熱可塑性樹脂を加飾する目的でインサート成形する際の加飾印刷フィルムのインキとして好適に使用することができる。特に、本発明の耐熱性印刷インキを用いた加飾印刷フィルムは、比較的高温で成形されるポリカーボネート樹脂やポリカーボネート/ポリエステルブレンド樹脂等に加飾を施す際にも、インサート成形後の印刷部パターンに滲みやぼやけが見られず印刷部の接着性も優れている。
【0021】
さらに、本発明の耐熱性印刷インキを用いた加飾印刷フィルムは、従来の印刷インキを用いたものに比して、圧縮成形条件下での加飾印刷フィルム印刷面の屈曲や延伸に優れた耐久性を示し、圧縮成形時の印刷面クラックの発生を低減できる利点を有する。
従って、本発明の耐熱性印刷インキを塗布した基材フィルムは、所望により圧縮成形した後、これを射出成形金型に装着した状態で、該金型中に溶融樹脂を射出し、いわゆるインサート成形を行い、加飾樹脂成形品の製造方法を実施するのに適する。射出成形する樹脂としては、通常、前記基材フィルムとして使用する熱可塑性樹脂と同一であるのが好ましく、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、耐熱ポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート/ポリエステルブレンド、ポリカーボネート/ABSブレンド等が挙げられる。
【0022】
【実施例】
次に実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
【0023】
[印刷フィルムの圧縮成形試験]
厚み0.2mmのポリカーボネートフィルムの片面に、実施例または比較例の印刷インキを用い、ベタ塗り状のスクリーン印刷を施し、100℃2時間乾燥後、印刷フィルム試験片を得た。得られた印刷フィルム試験片を上部直径21mm、下部直径25mm、高さ14mmの円錐台金型を用い、130℃、10MPaの条件で圧空真空成形を行った。得られたプリンカップ状圧縮成形品の外観について、側面と底面のクラックの有無を目視判定した。目視でクラックが多数確認できた場合は×、クラックがまばらに確認された場合は△、クラックが確認出来なかった場合は○と判定した。また、クラックやインキ抜けの定量的評価として、底面の平行線透過率を日本電色工業(株)製NDH2000型ヘイズメーターにて測定した。
【0024】
[印刷フィルムのインサート成形試験]
厚み0.2mmのポリカーボネートフィルムの片面に、実施例または比較例の印刷インキを用い、ベタ塗り状のスクリーン印刷を施し、100℃2時間乾燥後、印刷フィルム試験片を得た。得られた印刷フィルム試験片を縦6mm、横9mm、高さ1.5mmのボタン状突起が縦横5mm間隔で3列×5個並んだ金型を用い、130℃、10MPaの条件で圧空真空成形を行った。得られた並列ボタン状圧縮成形品を同様の凹凸が加工された射出成形金型に印刷面を内側に設置し、市販のポリカーボネート樹脂(三菱瓦斯化学(株)製ユーピロンS−3000)をシリンダー温度305℃で溶融射出成形を行った。得られた射出成形品の外観について、ボタン状凸部全てにクラックまたはインキムラが発生した場合は××、8個以上に発生した場合は×、3〜7個発生した場合は△、1〜2個発生した場合は○、全く発生しなかった場合は◎と判定した。
【0025】
[極限粘度の測定方法]
ポリカーボネート樹脂のジクロロメタン0.5w/v%溶液を20℃、ハギンズ定数0.45にて、ウベローデ粘度管を用いて求めた。
【0026】
合成例1
10%(w/v)の水酸化ナトリウム水溶液550mlに1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(以下BPZと略称)107.2gを加え溶解した。これにメチレンクロライド500mlを加え、15℃に保ちながら撹拌しつつ、ホスゲン51gを50分かけて吹き込んだ。
吹き込み終了後、撹拌を停止し、p−t―ブチルフェノール(以下PTBPと略称)1.1gと、さらに10%(w/v)の水酸化ナトリウム水溶液50ml加え、撹拌を再開した。10分後、0.2mlのトリエチルアミン(TEA)を加え、さらに約1時間撹拌を続け、重合を完結させた。
重合液を水相と有機相に分離し、有機相をリン酸で中和し、洗液の導電率が10μS/cm以下になるまで水洗を繰り返した。得られた重合樹脂液を、60℃に保った温水に滴下し、溶媒を蒸発除去しながら重合物を粒状化した。得られた白色粉末状重合物を濾過後、105℃、8時間乾燥して粉末状ポリカーボネート樹脂を得た。
この重合体は、塩化メチレンを溶媒とする濃度0.5g/dlの溶液の温度20℃におけるハギンズ定数0.45として得られた極限粘度[η]は0.64dl/gであった。
【0027】
合成例2
BPZの代わりに、3,3,5−トリメチル−1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(以下TMBPZと略称)を124g用い、PTBPを1.4gに変更した以外は合成例1と同様の界面重縮合反応させてポリカーボネート(極限粘度0.55dl/g)を得た。
【0028】
合成例3
BPZの代わりに2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下BPAと略称)を36.5gと2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン(以下BPCと略称)を61.4gを用い、PTBPを1.8gに変更した以外は合成例1と同様に界面重縮合反応させてポリカーボネート(極限粘度0.55dl/g)を得た。
【0029】
合成例4
PTBPを12g、ホスゲンを53gに変更した以外は合成例1と同様に界面重縮合反応させてポリカーボネート(極限粘度0.14dl/g)を得た。
【0030】
合成例5
PTBPを13g、ホスゲンを53gに変更した以外は合成例2と同様の界面重縮合反応させてポリカーボネート(極限粘度0.12dl/g)を得た。
【0031】
合成例6
PTBPを6.5g、ホスゲンを53gに変更した以外は、合成例3と同様の界面重縮合反応させてポリカーボネート(極限粘度0.25dl/g)を得た。
【0032】
合成例7
PTBPを1.6gに変更した以外は、合成例2と同様の界面重縮合反応させてポリカーボネート(極限粘度0.48dl/g)を得た。
【0033】
合成例8
PTBPを2.3gに変更した以外は、合成例3と同様の界面重縮合反応させてポリカーボネート(極限粘度0.43dl/g)を得た。
【0034】
実施例1
合成例1のポリカーボネートと合成例6のポリカーボネートを90:10(重量比)でブレンドしたものをバインダー樹脂(極限粘度0.60dl/g)として30重量部、染料としてアントラキノン系Plast Red 8370(有本化学工業製)10重量部、溶剤としてイソホロン100重量部およびシクロヘキサノン30重量部を混合して、印刷用インキを調整した。次に、基材フィルムとして厚み0.2mm×150mm×70mmの市販ポリカーボネートフィルム(三菱瓦斯化学製:ユーピロンFE−2000)の片面に、前記印刷用インキをスクリーン印刷し、100℃で2時間乾燥後、印刷フィルムを得た。得られた印刷フィルムを上部直径21mm、下部直径25mm、高さ14mmの円錐台金型を用い、130℃、10MPaの条件で圧空真空成形を行った。得られた圧縮成形品の外観評価と平行線透過率測定を行った。
一方、前記印刷フィルムを縦6mm、横9mm、高さ1.5mmのボタン状突起が縦横5mm間隔で3列×5個並んだ金型を用い、130℃、10MPaの条件で圧空真空成形を行った。得られた並列ボタン状圧縮成形品を同様の凹凸が加工された射出成形金型に印刷面を内側に設置し、市販のポリカーボネート樹脂(三菱瓦斯化学(株)製ユーピロンS−3000)をシリンダー温度305℃で溶融射出成形を行った。得られた射出成形品の外観評価を行った。
【0035】
実施例2
合成例3のポリカーボネートと合成例6のポリカーボネートを60:40(重量比)でブレンドしたものをバインダー樹脂(極限粘度0.43dl/g)として用いた以外は、実施例1と同様に印刷、成形、評価を行った。
【0036】
実施例3
合成例2のポリカーボネートと合成例4のポリカーボネートを80:20(重量比)でブレンドしたものをバインダー樹脂(極限粘度0.48dl/g)として用いた以外は、実施例1と同様に印刷、成形、評価を行った。
【0037】
実施例4
合成例1のポリカーボネートと合成例5のポリカーボネートと合成例6のポリカーボネートを80:10:10(重量比)でブレンドしたものをバインダー樹脂(極限粘度0.55dl/g)として用いた以外は、実施例1と同様に印刷、成形、評価を行った。
【0038】
実施例5
染料の代わりに、コバルトブルー系顔料(バイエル製:Lightfast Blue 100)を20重量部用いた以外は実施例1と同様に印刷、成形、評価を行った。
【0039】
実施例6
イソホロン100重量部をシクロペンタノン80重量部に変更し、シクロヘキサノン30重量部をトルエン20重量部に変更した以外は実施例1と同様に印刷、成形、評価を行った。
【0040】
比較例1
合成例1のポリカーボネートを単独でバインダー樹脂として用いた以外は実施例1と同様に印刷、成形、評価を行った。
【0041】
比較例2
合成例2のポリカーボネートを単独でバインダー樹脂として用いた以外は実施例1と同様に印刷、成形、評価を行った。
【0042】
比較例3
合成例3のポリカーボネートを単独でバインダー樹脂として用いた以外は実施例1と同様に印刷、成形、評価を行った。
【0043】
比較例4
合成例1のポリカーボネートと合成例6のポリカーボネートを10:90の割合(重量比)でブレンドしたものをバインダー樹脂として用いた以外は実施例1と同様に印刷、成形、評価を行った。
【0044】
比較例5
合成例1のポリカーボネートと合成例8のポリカーボネートを80:20の割合(重量比)でブレンドしたものをバインダー樹脂として用いた以外は実施例1と同様に印刷、成形、評価を行った。
【0045】
比較例6
合成例7のポリカーボネートと合成例4のポリカーボネートを99:1の割合(重量比)でブレンドしたものをバインダー樹脂として用いた以外は実施例1と同様に印刷、成形、評価を行った。
【0046】
比較例7
合成例8のポリカーボネートを単独でバインダー樹脂として用いた以外は実施例1と同様に印刷、成形、評価を行った。
【0047】
実施例1〜6および比較例1〜7の評価結果を表1に示す。
【0048】
【表1】
Figure 0004159323
【0049】
【発明の効果】
本発明の耐熱性印刷インキを用いた加飾印刷フィルムは、従来の印刷インキを用いたものに比して、耐熱性や密着性を維持するとともに圧縮成形下での加飾印刷フィルム印刷面の屈曲や延伸に対して優れた耐久性を保持する。故に、加飾フィルムの圧縮成形後にインサート成形が行われる射出成形品に好適である。特に自動車等の各種メーター盤、携帯電話を含む携帯端末機器のハウジングや入力キー、AV機器や家電機器製品のハウジングや操作パネル、玩具や雑貨の意匠等インサート射出成形品に使用される加飾印刷フィルムの印刷インキとして好適である。

Claims (7)

  1. (A)極限粘度[η]が0.40dl/g以上のポリカーボネート98〜40重量%と(B)極限粘度[η]が0.40dl/g未満のポリカーボネート2〜60重量%とからなるポリカーボネート樹脂組成物であって、(A)と(B)の極限粘度の差が0.05dl/g以上であるポリカーボネート樹脂組成物をバインダー樹脂として用いることを特徴とする耐熱性印刷インキ。
  2. (A)及び(B)が、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、3,3,5−トリメチル−1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンの群より選ばれた少なくとも1種以上を原料モノマーとして用いたポリカーボネートである請求項1記載の耐熱性印刷インキ。
  3. (A)の極限粘度が0.43〜1.50dl/g、(B)の極限粘度が0.10〜0.38dl/gである請求項1記載の耐熱性印刷インキ。
  4. (A)が95〜50重量%、(B)が5〜50重量%である請求項1記載の耐熱性印刷インキ。
  5. インキ調整用溶媒として非ハロゲン系有機溶媒を用いた請求項1記載の耐熱性印刷インキ。
  6. 請求項1記載の耐熱性印刷インキを塗布した基材フィルム。
  7. 請求項1記載の耐熱性印刷インキを塗布した基材フィルムを、所望により圧縮成形した後、射出成形金型に装着した状態で、該金型中に溶融樹脂を射出することを特徴とする加飾樹脂成形品の製造方法。
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