JPWO2018123282A1 - 易剥離性塗料組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、乾燥後の軽度の衝撃や傷による剥離を効果的に防止しつつ、剥離を目的とした操作によれば容易に剥離する剥離性塗料組成物、および該組成物が乾燥されてなる塗膜を提供するものである。上記課題は、一般式(1):【化1】で表される構成単位を有するポリカーボネート樹脂と、非ハロゲン系有機溶剤と、を含む易剥離性塗料組成物であって、組成物中のポリカーボネート樹脂の含有量が0.1〜50質量%であり、一般式(1)で表される構成単位中の下記一般式(2):【化2】で表される構成単位の割合が、モル比で0〜80%である、組成物によって解決することができる。

Description

本発明は、塗装後の傷や衝撃に強く、必要時に容易に剥離可能な易剥離性塗料組成物および該組成物が乾燥されてなる塗膜に関する。
物品の表面保護の方法はいくつかあるが、一時的に表面被膜(塗膜)を形成させ、必要に応じて被膜を剥離させることが可能なリムーバブル塗料やストリッパブル塗料と呼ばれる易剥離性塗料を用いる方法が知られている。それらの易剥離性塗料の目的の一つに、金属製品の輸送・保管時の傷や腐食(錆)防止がある。易剥離性塗料も環境への配慮から水性塗料が主流になりつつあるものの、水性塗料を用いた場合は鉄系金属製品表面に錆を誘発するため、現在も有機溶剤系の易剥離性塗料の需要も多い。
特開平5−059310号公報 特開2010−100713号公報
しかしながら有機溶剤系の易剥離性塗料には主に酢酸ビニル系、ポリブチラール系、シリコーン系の樹脂などが用いられているが、これらの樹脂から得られた塗膜は柔らかいゴム状である(特許文献1および2)。従って、傷や衝撃を受けるとすぐ剥離し、表面保護の性能が十分でないことから改善の余地があった。
本発明の課題は、乾燥後の軽度の衝撃や傷による剥離を効果的に防止しつつ、剥離を目的とした操作によれば容易に剥離する剥離性塗料組成物、および該組成物が乾燥されてなる塗膜を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定の構成単位を有するポリカーボネート樹脂が、有機溶剤に良溶で、透明感に優れ、かつ、乾燥後に適度な硬度と金属との密着性を有し、強固な保護膜を形成すると同時に容易に剥がせる塗膜を形成することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下に記載する特徴を有するものである。
[1]
一般式(1):

(式中、
〜Rは、それぞれ独立に、水素、フッ素、塩素、臭素、もしくはヨウ素、またはそれぞれ置換基を有してもよい、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、もしくは炭素数7〜17のアラルキル基であり、
aは、1〜1,000の整数であり、
Xは、

であり、
ここでRとRは、それぞれ独立に、水素、フッ素、塩素、臭素、もしくはヨウ素、またはそれぞれ置換基を有してもよい、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、もしくは炭素数6〜12アリール基を表すか、RとRが結合して、炭素数5〜20の炭素環または元素数5〜12の複素環を形成する基を表し、
とRは、それぞれ独立に、水素、フッ素、塩素、臭素、もしくはヨウ素、またはそれぞれ置換基を有してもよい、炭素数1〜9のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数2〜12のアルケニル基、もしくは炭素数6〜12アリール基を表し、
は、置換基を有してもよい炭素数1〜9のアルキレン基であり、
bは、0〜20の整数を表し、
cは、1〜500の整数を表す。)
で表される構成単位を有するポリカーボネート樹脂と、
非ハロゲン系有機溶剤と、を含む易剥離性塗料組成物であって、
前記組成物中の前記ポリカーボネート樹脂の含有量が0.1〜50質量%であり、
前記一般式(1)で表される構成単位中の下記一般式(2):

で表される構成単位の割合が、モル比で0〜80%である、組成物。
[2]
乾燥後の塗膜の塗膜剥離硬度が4H以上である、[1]に記載の組成物。
[3]
前記非ハロゲン系有機溶剤の主成分が、芳香族炭化水素系溶剤、エステル系溶剤、ケトン系溶剤、およびエーテル系溶剤からなる群から選択される少なくとも1種を含む溶剤である、[1]または[2]に記載の組成物。
[4]
一般式(1)で表される構成単位が、一般式(3)〜(10)で表される構成単位からなる群から選択されるいずれか1種以上である、[1]〜[3]のいずれかに記載の組成物。








[5]
金属製機器または部品の表面保護に用いられる、[1]〜[4]のいずれかに記載の組成物。
[6]
前記ポリカーボネート樹脂が、0.3〜2.0dl/gの極限粘度を有する、[1]〜[5]のいずれかに記載の組成物。
[7]
[1]〜[6]のいずれかに記載の組成物が乾燥されてなる塗膜。
本発明によると、従来の易剥離性塗料から得られる塗膜に比して、乾燥後の軽度の衝撃や傷による剥離を効果的に防止しつつ、剥離を目的とした操作によれば容易に剥離する易剥離性塗料組成物を提供することができる。本発明による易剥離性塗料組成物は、有機溶剤系塗料であり、金属製品、特に鉄系金属製品の表面被覆時に錆が生じにくい利点を有する。
[易剥離性塗料組成物]
本発明の易剥離性塗料組成物は、一般式(1):

で表される構成単位を有するポリカーボネート樹脂と、
非ハロゲン系有機溶剤とを含む組成物である。
上記一般式(1)において、
〜Rは、それぞれ独立に、水素、フッ素、塩素、臭素、もしくはヨウ素、またはそれぞれ置換基を有してもよい、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、もしくは炭素数7〜17のアラルキル基である。
aは、1〜1,000、好ましくは10〜900、より好ましくは30〜600、の整数である。
Xは、

である。
ここでRとRは、それぞれ独立に、水素、フッ素、塩素、臭素、もしくはヨウ素、またはそれぞれ置換基を有してもよい、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、もしくは炭素数6〜12アリール基を表すか、RとRが結合して、炭素数5〜20の炭素環または元素数5〜12の複素環を形成する基を表す。
とRは、それぞれ独立に、水素、フッ素、塩素、臭素、もしくはヨウ素、またはそれぞれ置換基を有してもよい、炭素数1〜9のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数2〜12のアルケニル基、もしくは炭素数6〜12アリール基を表す。
は、置換基を有してもよい炭素数1〜9のアルキレン基である。
bは、0〜20、好ましくは1〜15、より好ましくは1〜10、の整数を表す。
cは、1〜500、好ましくは1〜300、より好ましくは1〜200、の整数を表す。
一般式(1)で表される構成単位に含まれる構成単位のうち、下記一般式(2):

で表される構成単位の割合は、モル比で0〜80%あり、好ましくは0〜70%であり、より好ましくは0〜60%である。構成単位の下限値が0%であるため、一般式(2)で表される構成単位は一般式(1)で表される構成単位に含まれていなくてもよい、任意の構成単位である。また、後述の通り、一般式(2)で表される構成単位は2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンから誘導される構成単位である。一般式(1)で表される構成単位が2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンから誘導される構成単位のみからなる場合(すなわち100%)は、有機溶剤として一般的なトルエン、キシレン、メチルエチルケトン、酢酸エチルへの溶解性が低下するため、上限値を80%とした。各構成単位のモル比は、ポリカーボネート樹脂を合成する際に用いたモノマーのモル比に基づいて決定することができる。また、核磁気共鳴分光法などの分析により、モル比を算出することも可能である。
上記一般式(1)で表される構成単位としては、下記の一般式(3)〜(10)で表される構成単位からなる群から選択されるいずれか1種以上が好ましい。







本発明の易剥離性塗料組成物の粘度は、所望の塗布方法により任意に設定可能であるが、1〜20,000mPa・sの範囲が好ましい。エアレススプレー、はけ塗り、またはローラー塗りの場合は400〜20,000mPa・sの範囲がより好ましく、エアースプレーの場合は100〜6,000mPa・sの範囲がより好ましく、缶スプレーの場合は1〜500mPa・sの範囲がより好ましい。
本発明の易剥離性塗料組成物を塗布し、乾燥した後の塗膜硬さは、従来の易剥離性塗料組成物の塗膜に比べ、輸送、保管中の擦れ、衝撃等で傷や剥離が生じにくく、剥がす際に容易に剥がすことができる適度な硬さである。少なくとも鉛筆硬度でHB以上の硬さを有することが好ましい。さらに、塗膜剥離を生じる鉛筆硬度の硬さを塗膜剥離硬度と定義した場合、本発明の易剥離性塗料組成物の塗膜剥離硬度は4H以上であることが好ましい。さらには、鉛筆硬度がF以上であり、塗膜剥離硬度が5H以上であることが好ましい。また、鉛筆硬度は4H以下であり、塗膜剥離硬度が7H以下であることが好ましい。塗膜剥離硬度の具体的な測定方法は、実施例において説明する。
本発明の易剥離性塗料組成物を塗布し、乾燥した後の塗膜厚さは、1〜200μm厚の範囲であることが好ましく、特に、5〜120μm厚、さらには10〜60μm厚の範囲が好ましい。塗膜厚さを1μm以上とすることで、表面保護強度を確保することができ、200μm以下とすることで塗膜の収縮による剥離も抑えられ、最終的に剥離・廃棄する塗膜の用途を考慮しても経済的となるため好ましい。
本発明の易剥離性塗料組成物が乾燥されてなる塗膜は、上記の通り、従来の塗膜に比べ、輸送、保管中の擦れ、衝撃等で傷や剥離が生じにくく、かつ、剥離を目的とした操作によれば容易に剥がすことができる適度な硬さを有する。なお、本明細書において、「剥離を目的とした操作」とは、剥離が必要なときに行う操作を意味するものであり、例えば塗膜下限と物品表面の間にくさび状のものを差し込むことによる剥離や、粘着テープによる面剥離などを意味する。
<ポリカーボネート樹脂>
本発明の易剥離性塗料組成物に用いられるポリカーボネート樹脂は、構成単位(1)を誘導するビスフェノール類と炭酸エステル形成化合物を反応させることによって、製造することができるものである。従って、ビスフェノールAから誘導されるポリカーボネートを製造する際に用いられている公知の方法、例えばビスフェノール類とホスゲンとの直接反応(ホスゲン法)、あるいはビスフェノール類とビスアリールカーボネートとのエステル交換反応(エステル交換法)などの方法を用いて製造することができる。
本発明の易剥離性塗膜組成物に用いるポリカーボネート樹脂の原料モノマーとなる構成単位(1)を誘導するビスフェノール類は、下記構造式(11)で示されるものである。

(式中、R〜R、およびXは、それぞれ一般式(1)のものと同様である。)
上記構造式(11)で示されるモノマーとしては、具体的には、4,4’−ビフェニルジオール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、ビス(2−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルファイド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロウンデカン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロドデカン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−アリルフェニル)プロパン、3,3,5−トリメチル−1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、α,ω−ビス[3−(o−ヒドロキシフェニル)プロピル]ポリジメチルジフェニルランダム共重合シロキサン、α,ω−ビス[3−(o−ヒドロキシフェニル)プロピル]ポリジメチルシロキサン、4,4’−[1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビスフェノール、4,4’−[1,3−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビスフェノール、アダマンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルプロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−5,7−ジメチルアダマンタンなどが例示される。これらは、2種類以上併用することも可能である。また、これらの中でも特に4,4’−ビフェニルジオール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンが好ましい。なお、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを単独で使用した場合、有機溶剤として一般的なトルエン、キシレン、メチルエチルケトン、酢酸エチルへの溶解性が低いため好ましくない。従って、上記構造式(11)で示されるモノマーとして2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを用いる場合は、構造式(11)で示されるモノマー中の2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンの量は、モル比で0〜80%であり、好ましくは0〜70%であり、より好ましくは0〜60%である。
ホスゲン法においては、通常酸結合剤および溶媒の存在下において、前記一般式(11)で示されるモノマーとホスゲンを反応させる。酸結合剤としては、例えばピリジンや、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物などが用いられ、また溶媒としては、例えば塩化メチレン、クロロホルムなどが用いられる。さらに、縮重合反応を促進するために、トリエチルアミンのような第三級アミンまたはベンジルトリエチルアンモニウムクロライド等の第四級アンモニウム塩などの触媒を、また重合度調節には、フェノール、p−t−ブチルフェノール、p−クミルフェノール、および長鎖アルキル置換フェノール等の一官能基化合物を分子量調節剤として加えることが好ましい。また、所望に応じ亜硫酸ナトリウム、ハイドロサルファイトなどの酸化防止剤や、フロログルシン、イサチンビスフェノールなどの分岐化剤を少量添加してもよい。反応は通常0〜150℃、好ましくは5〜40℃の範囲とするのが適当である。反応時間は反応温度によって左右されるが、通常0.5分〜10時間、好ましくは1分〜2時間である。また、反応中は、反応系のpHを10以上に保持することが望ましい。
一方、エステル交換法においては、前記一般式(11)で示されるモノマーとビスアリールカーボネートとを混合し、減圧下で高温において反応させる。ビスアリールカーボネートの例としては、ジフェニルカーボネート、ジ−p−トリルカーボネート、フェニル−p−トリルカーボネート、ジ−p−クロロフェニルカーボネート、ジナフチルカーボネートなどのビスアリルカーボネートが挙げられる。これらの化合物は2種類以上併用して使用することも可能である。反応は通常150〜350℃、好ましくは200〜300℃の範囲の温度において行われ、また減圧度は最終で好ましくは1mmHg以下にして、エステル交換反応により生成した該ビスアリールカーボネートから由来するフェノール類を系外へ留去させる。反応時間は反応温度や減圧度などによって左右されるが、通常1〜24時間程度である。反応は窒素やアルゴンなどの不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましく。また、所望に応じ、分子量調節剤、酸化防止剤や分岐化剤を添加して反応を行ってもよい。
本発明の易剥離性塗料組成物に用いられるポリカーボネート樹脂は、易剥離性塗料用塗膜形成樹脂としての必要な溶剤溶解性、塗布性、剥離性、耐傷性、耐衝撃性等をバランス良く保持することが好ましい。樹脂の極限粘度の下限値を所定以上の値とすることで耐傷性や耐衝撃性強度が向上し、極限粘度の上限値を所定以下の値とすることで溶剤溶解性の低下と溶液粘度上昇が抑えられ、塗布性が維持される。極限粘度範囲は、0.3〜2.0dl/gの範囲であることが好ましく、0.35〜1.5dl/gの範囲であることがさらに好ましい。
本発明の易剥離性塗料組成物中のポリカーボネート樹脂の配合量は、0.1〜50質量%である。この配合量は極限粘度や溶剤溶解性に応じて、1〜30質量%とすることが好ましく、3〜25質量%とすることがより好ましい。ポリカーボネート樹脂の配合量がかかる範囲内であると、溶剤溶解性と塗布性がバランスよく、作業性と外観が向上する。
<非ハロゲン系有機溶剤>
本発明の易剥離性塗料組成物は、上記ポリカーボネート樹脂を非ハロゲン系有機溶剤に溶解した溶液であり、その状態では一般にクリアー色と呼ばれる塗料となる。本発明の易剥離性塗料組成物は、さらに所望の染料および/または顔料を溶解または分散させることで、着色した塗料組成物としてもよい。
本発明の易剥離性塗料組成物の溶剤としては、一般に強溶剤や弱溶剤と呼ばれる塗料用溶剤が主に用いられる。具体的には、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン、クメン等の芳香族炭化水素系、エステル系(例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸2−エトキシエチル、酢酸2−メトキシ−1−メチルエチル、乳酸エチル等のカルボン酸エステル系、および炭酸ジメチル、炭酸エチルメチルなどの炭酸エステル系)、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン系、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジエチルエーテル、アニソール、ジメトキシメタン、エチルセルソルブ等のエーテル系、エタノール、イソプロピルアルコール、イソブタノール、ノルマルブタノール等のアルコール系、n−ヘキサン、n−ヘプタン、イソヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ノナン等の脂肪族炭化水素系、ミネラルスピリット、シンナー、ターペン等の塗料用混合溶剤が挙げられる。これらの溶剤は、本発明に用いるポリカーボネート樹脂を溶解する範囲で、単独で使用してもよく、複数自由に組み合わせて使用してもよい。中でも、安価で作業性もよいトルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、クメン等の芳香族炭化水素、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤に溶解することが好ましく、特に、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、酢酸エチルが好ましい。なお、ハロゲン系有機溶剤(例えば、有機塩素系溶剤)は、取り扱う作業者の健康への影響や環境負荷が大きく、さらに使用する際の規制が厳しいため、塗料用溶剤としてほとんど使用されていない。そのため、本発明の剥離性塗料組成物の溶剤には、ハロゲン系有機溶剤を含まないこととした。
<任意の添加剤>
本発明の易剥離性塗料組成物に、色彩効果を高めるために顔料や染料、着色粒子、光干渉性を有する粒子を添加することができる。顔料や染料としては、有機顔料として、アゾ顔料、フタロシアニン顔料等が挙げられ、具体的には、例えば、赤色104号、赤色106号、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色215号、赤色220号、橙色203号、橙色204号、青色1号、青色404号、黄色205号、黄色401号、黄色405号等が挙げられる。また、白色、パール色、メタリック色、ラメ感を出すため、雲母チタン、酸化チタン、酸化鉄、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化クロム、オキシ塩化ビスマス、シリカ、クロム、窒化チタン、チタン、フッ化マグネシウム、金、銀、ニッケル等を使用することも可能である。光干渉性を有する粒子とは、光の反射や散乱によって色彩効果を高める粒子であり、例としてガラスビーズや微小な貝殻、雲母などが挙げられる。これらは、所望に応じ、塗料組成物中に0.0001〜10.0質量%の範囲で添加されることが好ましい。
さらに必要に応じて、防錆剤、酸化防止剤、分散剤、紫外線吸収剤、消泡剤、またはレベリング剤等を添加してもよい。
以下に本発明の実施例を比較例と共に示し、発明の内容を詳細に示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<溶剤溶解性>
実施例および比較例に用いる樹脂のみを、8〜25質量%の濃度で各溶剤に添加した後、密閉容器に入れた溶液をシェーカーで24時間振盪し、10mmガラスセルに入れた。このガラスセルについて、波長700nmの光線透過率を株式会社島津製作所製UV−1800分光光度計で測定した。なお、樹脂を溶解させずに溶媒のみを同様のガラスセルに入れた場合の透過率を100%とし、溶液の光線透過率を補正して溶液透過率(%)とした。目視で溶液中に固形物が確認できず、かつ溶液透過率が95%以上のものを溶解状態と判定した(=“A”)。目視で溶液中に固形物が確認されたもの、および、溶液透過率が95%未満のものは溶解不十分と判定した(=“C”)。なお、染料などを含んでいるために樹脂のみの評価が出来なかったものについては、測定不能とした(=“−”)。
<鉛筆硬度>
JIS K5600に準拠し、鋼板上に形成された厚み15〜60μm厚の乾燥塗膜の表面に対して、角度45度、荷重750gで乾燥塗膜表面に硬度の低い方から順番に鉛筆を押し付け、傷跡を生じなかった最も硬い鉛筆の硬度を鉛筆硬度として評価した。鉛筆硬度は、ランクが低い順に、2B、B、HB、F、H、2H、3H、4H、5H、6Hおよび7Hで示される。
<塗膜剥離硬度>
JIS K5600準拠で鉛筆硬度の測定と同様に測定した。鉛筆硬度試験とは異なり、傷跡を生じなかった最も硬い鉛筆の硬度ではなく、鋼板上に形成された厚み15〜60μm厚の乾燥塗膜の表面に鉛筆を押し付けることによって、塗膜剥がれが生じたときの鉛筆の硬度を塗膜剥離硬度とした。
<衝撃剥離耐性>
塗膜を形成させた金属板の塗膜面をJIS K7110のアイゾット衝撃試験における2Jハンマーにて打撃し、塗膜剥離の有無を目視で確認した。評価は以下の基準で行った。
A:剥離無し
B:剥離は無いがひびあり
C:剥離あり
<易剥離性>
15〜60μm厚の塗膜を形成させた薄鋼板(大きさ:100×100×0.4mm、種類:SPCC)のエッジ部分を樹脂製スパチュラで擦り、金属面と塗膜の接着面に樹脂製ヘラを差し込んで剥離させやすさを評価した。確認は目視で行い、評価は以下の基準で行った。
A:塗膜が3cm×3cm以上の大きさの1枚の塗膜として剥離できたもの
C:塗膜が3cm×3cm未満の断片でしか剥離出来なかったもの
<極限粘度の測定方法>
本発明のポリカーボネート樹脂の極限粘度[η]デシリットル/グラムは、0.5グラム/デシリットルのポリカーボネート樹脂の塩化メチレン溶液を、ウベローデ毛管粘度計によって20℃の温度で測定し、ハギンズ定数0.45を用いて、下記数式(I)により算出した。

η=1.23×10−4×Mv0.83 (I)
<塗料粘度の測定方法>
塗料粘度は、25℃で、株式会社エー・アンド・デイ製振動式粘度計(CJV5000)とリオン株式会社製VT−04粘度計(比較例5にのみ使用)を用いて測定した。
実施例1
5w/w%の水酸化ナトリウム水溶液1100mlに2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル−)プロパン(以下「BPC」と略称:本州化学工業株式会社製)102.4g(0.4mol)とハイドロサルファイト0.1gを溶解した。
これにメチレンクロライド500mlを加えて撹拌しつつ、0.5gのベンジルトリエチルアンモニウムクロライド(以下「TEBAC」と略称)を加え、さらに15℃に保ちながら、ついでホスゲン60gを60分で吹き込んだ。
ホスゲン吹き込み終了後、分子量調節剤としてp−t−ブチルフェノール(以下「PTBP」と略称:大日本インキ化学工業株式会社製)1.5gを加え激しく撹拌して、反応液を乳化させ、乳化後、0.4mlのトリエチルアミンを加え、20〜25℃にて約1時間撹拌し、重合させた。
重合終了後、反応液を水相と有機相に分離し、有機相をリン酸で中和し、先液(水相)の導電率が10μS/cm以下になるまで水洗を繰り返した。得られた重合体溶液を、45℃に保った温水に滴下し、溶媒を蒸発除去して白色粉末状沈殿物を得た。得られた沈殿物を濾過し、105℃、24時間乾燥して、重合体粉末を得た。
この重合体の塩化メチレンを溶媒とする濃度0.5g/dlの溶液の20℃における極限粘度は0.65dl/gであった。得られた重合体を赤外線吸収スペクトルにより分析した結果、1770cm−1付近の位置にカルボニル基による吸収、1240cm−1付近の位置にエーテル結合による吸収が認められ、カーボネート結合を有するポリカーボネート樹脂(以下「PC−1」と略称)であることが確認された。
得られたPC−1を10質量部と、トルエンを90質量部とを混合し、塗料溶液A(粘度:23mPa・s)を作製した。石井ブラシ産業株式会社製のスプレーガンにこの塗料溶液をセットし、薄鋼板(大きさ:100×100×0.4mm、種類:SPCC)片面全体にスプレーした。24時間風乾後、同薄鋼板について鉛筆硬度、塗膜剥離硬度、易剥離性の評価を行った。易剥離試験後の膜厚を測定したところ、平均膜厚は27μmであった。また、別の薄鋼板(大きさ:100×20×0.4mm、種類:SPCC)に同様に片面全体に塗料溶液Aをスプレーした後、乾燥し、アイゾット衝撃試験機にて、衝撃剥離耐性試験を行った。
実施例2
BPCを60.4g、PTBPを1.8gに変更し、同時に2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下「BPA」と略称:三菱化学株式会社製)40.1gを用いた以外は実施例1と同様に重合を行い、ポリカーボネート樹脂(極限粘度:0.58dl/g、以下「PC−2」と略称)を得た。得られたPC−2を10質量部を、トルエンを90質量部とを混合して塗料溶液B(粘度:17mPa・s)を作製し、実施例1と同様に塗布および評価を行った。
実施例3
BPCの代わりに1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン(以下「BPAP」と略称:本州化学工業株式会社製)116gを用い、PTBPを2.0gに変更し、TEBACを用いなかった以外は実施例1と同様に重合を行い、ポリカーボネート樹脂(極限粘度:0.43dl/g、以下「PC−3」と略称)を得た。得られたPC−3を15質量部と、トルエンを85質量部とを混合して塗料溶液C(粘度:52mPa・s)を作製し、実施例1と同様に塗布および評価を行った。
実施例4
BPCの代わりに1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(以下「BPZ」と略称:本州化学工業株式会社製)107.2gを用い、PTBPを0.6gに変更し、TEBACを用いなかった以外は実施例1と同様に重合を行い、ポリカーボネート樹脂(極限粘度:0.96dl/g、以下「PC−4」と略称)を得た。得られたPC−4を8質量部と、トルエンを92質量部とを混合して塗料溶液D(粘度:101mPa・s)を作製し、実施例1と同様に塗布および評価を行った。
実施例5
BPCの代わりにビス(4−ヒドロキシフェニル)メタンとビス(2−ヒドロキシフェニル)メタンと2,4’−ジヒドロキシジフェニルメタンの18:49:32質量%混合物(以下「BPF」と略称:群栄化学工業株式会社製)36gとBPA51gを用い、PTBPを1.4gに変更し、TEBACを用いなかった以外は実施例1と同様に重合を行い、ポリカーボネート樹脂(極限粘度:0.51dl/g、以下「PC−5」と略称)を得た。得られたPC−5を12質量部と、酢酸エチルを40質量部と、メチルエチルケトンを48質量部とを混合して塗料溶液E(粘度:31mPa・s)を作製し、実施例1と同様に塗布および評価を行った。
実施例6
BPCの代わりにビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル(以下「DHPE」と略称:東京化成工業株式会社製)40.4gとBPZ53.6gを用い、PTBPを1.56gに変更し、TEBACを用いなかった以外は実施例1と同様に重合を行い、ポリカーボネート樹脂(極限粘度:0.61dl/g、以下「PC−6」と略称)を得た。得られたPC−6を10質量部と、パラキシレンを40質量部と、トルエンを50質量部とを混合して塗料溶液F(粘度:36mPa・s)を作製し、実施例1と同様に塗布および評価を行った。
実施例7
BPCの代わりに4,4‘−ビフェニルジオール(以下「BP」と略称:本州化学工業株式会社製)13.4gとBPZ87.9gを用いた以外は実施例1と同様に重合を行い、ポリカーボネート樹脂(極限粘度:0.64dl/g、以下「PC−7」と略称)を得た。得られたPC−6を10質量部と、トルエンを90質量部とを混合して塗料溶液G(粘度:18mPa・s)を作製し、実施例1と同様に塗布および評価を行った。
実施例8
PC−1を25質量部と、メチルエチルケトンを30質量部と、トルエンを45質量部と、ランクセス社製青染料(商品名「マクロレックスバイオレットB」)を0.0001質量部と、東洋薬化学工業株式会社製防錆剤(商品名「Cebo101」)を1質量部とを混合して塗料溶液H(粘度:1050mPa・s)を作製し、はけを用いて薄鋼板に塗布し、実施例1と同様に評価を行った。
実施例9
トルエン90質量部の代わりに、メチルエチルケトン45質量部と、芳香族炭化水素と脂肪族炭化水素との混合物である市販弱溶剤(商品名「ハウス(HAWS)」、シェルケミカルズジャパン株式会社製)45質量部とを用い、PC−1を10質量部用いて混合し、塗料溶液I(粘度:18mPa・s)を作製した以外は、実施例1と同様に塗布および評価を行った。
比較例1
BPCをBPA91.2gに変更し、TEBACを用いなかった以外は実施例1と同様に重合を行い、ポリカーボネート樹脂(極限粘度:0.56dl/g、以下「PC−8」と略称)を得た。得られたPC−8を用いて、実施例1と同様にトルエン塗料溶液の作製を試みたが、溶剤に溶解せず塗布することは出来なかった。
比較例2
市販の塩化ビニルと酢酸ビニルの共重合物系リムーバブルスプレー塗料(株式会社オーデック製商品名ラスパック)を用いて、実施例1と同様に塗布および評価を行った。
比較例3
実施例1のPC−1の代わりに、市販のアクリル樹脂であるダイヤナールBR−116(三菱レイヨン株式会社製)を用いた以外は、実施例1と同様に塗料溶液を作製し、塗布および評価を行った。
比較例4
実施例2のPC−2を10質量部、純水を45質量部、エタノール45質量部を混合したが、24時間後もPC−2はほとんど溶解せず、溶液(粘度:3mPa・s)は粉体が浮いたスラリー状態であったため、塗布することは出来なかった。
比較例5
実施例2のPC−2を51質量部、トルエンを49質量部に変更し、実施例1と同様に塗料溶液を作製したが、溶液粘度が400Pa・sを超え、ほとんど流動性が無く、塗布することは出来なかった。
本発明の易剥離性塗料組成物は、物品を保護する易剥離性塗料として用いることができる。特に、錆が生じやすい金属製機器、部品の表面保護に効果がある。また、易剥離性塗料としては比較的硬く、乾燥後に強固な塗膜が得られるため、意匠目的の塗装にも応用可能である。

Claims (7)

  1. 一般式(1):

    (式中、
    〜Rは、それぞれ独立に、水素、フッ素、塩素、臭素、もしくはヨウ素、またはそれぞれ置換基を有してもよい、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、もしくは炭素数7〜17のアラルキル基であり、
    aは、1〜1,000の整数であり、
    Xは、

    であり、
    ここでRとRは、それぞれ独立に、水素、フッ素、塩素、臭素、もしくはヨウ素、またはそれぞれ置換基を有してもよい、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、もしくは炭素数6〜12アリール基を表すか、RとRが結合して、炭素数5〜20の炭素環または元素数5〜12の複素環を形成する基を表し、
    とRは、それぞれ独立に、水素、フッ素、塩素、臭素、もしくはヨウ素、またはそれぞれ置換基を有してもよい、炭素数1〜9のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数2〜12のアルケニル基、もしくは炭素数6〜12アリール基を表し、
    は、置換基を有してもよい炭素数1〜9のアルキレン基であり、
    bは、0〜20の整数を表し、
    cは、1〜500の整数を表す。)
    で表される構成単位を有するポリカーボネート樹脂と、
    非ハロゲン系有機溶剤と、を含む易剥離性塗料組成物であって、
    前記組成物中の前記ポリカーボネート樹脂の含有量が0.1〜50質量%であり、
    前記一般式(1)で表される構成単位中の下記一般式(2):

    で表される構成単位の割合が、モル比で0〜80%である、組成物。
  2. 乾燥後の塗膜の塗膜剥離硬度が4H以上である、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記非ハロゲン系有機溶剤の主成分が、芳香族炭化水素系溶剤、エステル系溶剤、ケトン系溶剤、およびエーテル系溶剤からなる群から選択される少なくとも1種を含む溶剤である、請求項1または2に記載の組成物。
  4. 一般式(1)で表される構成単位が、一般式(3)〜(10)で表される構成単位からなる群から選択されるいずれか1種以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。







  5. 金属製機器または部品の表面保護に用いられる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
  6. 前記ポリカーボネート樹脂が、0.3〜2.0dl/gの極限粘度を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物が乾燥されてなる塗膜。
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