JPH0559310A - 易剥離性塗料組成物 - Google Patents

易剥離性塗料組成物

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JPH0559310A
JPH0559310A JP25027891A JP25027891A JPH0559310A JP H0559310 A JPH0559310 A JP H0559310A JP 25027891 A JP25027891 A JP 25027891A JP 25027891 A JP25027891 A JP 25027891A JP H0559310 A JPH0559310 A JP H0559310A
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coating
coating film
pts
lecithin
resin
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JP25027891A
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English (en)
Inventor
Koju Kotake
弘寿 小竹
Satoshi Kozai
里志 小材
Yutaka Tagashira
裕 田頭
Akio Nishijima
昭夫 西島
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Denka Co Ltd
Original Assignee
Denki Kagaku Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ポリビニルブチラール樹脂、可塑剤、レシチ
ン及び有機溶剤を含有してなる易剥離性塗料組成物。 【効果】 塗料組成物の安定性、塗布作業性に優れ、か
つその塗膜は良好な易剥離性、低ブリード性、低不快臭
性などの優れた性状を示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、物体(以下、基体とい
うことがある)の面に塗布してもうけた塗膜により基体
の面を保護、遮蔽、彩色し、その目的を達成後の任意の
時期に、該塗膜を容易に剥離除去することができる易剥
離性塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に自動車、その他車両や航空機及び
それらを構成する部品等の金属製物体、塗装あるいは磨
き金属板、並びに金属、ガラス、各種プラスチック等の
成形物等の物体の取扱い、輸送、保管、貯蔵等におい
て、物体の面が他のものと接触するなどして傷が付いた
り、空気中の塵埃、煤煙、金属粉、油滴、潮風、光等に
より汚染、変色、劣化等が生じたりすることがある。例
えば、基体が金属(特に鉄系)の場合には、雨水、空気
中の水分、酸素、硫黄化合物等の作用によって錆等を生
じ易く、著しい品質や商品価値の低下が発生し、一度発
生した錆等の除去には、多大の労力と費用を要する。そ
こで、予め基体の面を保護、遮蔽しておくことにより問
題を回避すべく、基体の面の一時的な保護、遮蔽を目的
に、更に、場合によっては彩色をも目的に加えて、これ
まで多くの易剥離性塗料の利用がなされてきた。
【0003】易剥離性塗料には、基体の面に塗布しても
うけられた塗膜が目的を達成して基体の面から剥離され
るまでの間充分に密着して基体の面を保護、遮蔽、彩色
していること、易剥離性塗料やその塗膜が基体の材質、
半ば恒久的保護を目的とする塗装層等に影響を与えない
こと、剥離性が経時低下せず、所望する時期に連続膜と
して容易に剥離できること、塗膜の引張強さ(機械的強
度)及び伸び、耐水性、耐熱性、耐候性等が良好なこ
と、塗膜をもうけるための塗装が容易であること、塗装
後の乾燥が速やかで造膜性が良好なこと等種々の性能が
要求され、目的等に応じてこれまで主としてエマルジョ
ン型易剥離性塗料、有機溶剤型易剥離性塗料等が使用さ
れてきた。しかし、従来公知のものは上記の要求性能を
充分満足するものではなかった。
【0004】すなわち、従来広く使用されている水性樹
脂エマルジョン型易剥離性塗料としては、例えばエチレ
ン−酢酸ビニル共重合樹脂エマルジョンまたはアクリル
系樹脂エマルジョン等を造膜成分とし、これらの水性樹
脂エマルジョンに炭酸カルシウム、酸化チタン等の各種
微粉末やシリコンエマルジョン、パラフィンワックスエ
マルジョン等を混合したものがある。しかしながら、水
性樹脂エマルジョン型易剥離性塗料は、水を好まない基
体には塗布することができず、得られる塗膜の耐水性が
低く、乾燥が遅く、低温下では凍結して連続した塗膜を
形成し得なかったり、貯蔵中に凍結凝固すると融解後は
流動性を示さなくなったりする等の欠点を有している。
【0005】また、ポリ塩化ビニルや塩化ビニル−酢酸
ビニル共重合樹脂等の熱可塑性樹脂を造膜成分とする有
機溶剤型易剥離性塗料は、塗膜の乾燥が速く、塗膜が強
靱で柔軟性があり、耐水性、電気絶縁性等が良好である
ものの、溶解力の強いケトン系、THF 系などの溶剤を使
用するため、プラスチック基体面や塗料で塗装してある
基体面等には使用できないという欠点を有している。
【0006】さらに、広範な種類の塗装面及び金属、ガ
ラス、ゴム、プラスチック、木材等の基体を侵すことの
少ない速乾性の低級アルコールに可溶で、引張強さ、伸
び等の塗膜特性に優れたポリビニルブチラール樹脂を造
膜成分とし、これのアルコール等の有機溶剤溶液に可塑
剤、剥離剤などを配合した有機溶剤型易剥離性塗料、例
えばポリビニルブチラール樹脂、アルコール可溶性エポ
キシ樹脂および界面活性剤を含み、これらの低級脂肪族
アルコール溶液であるストリッパブルペイント組成物
(特開昭52−139146号公報)などが知られてい
る。しかしながら、該塗料を用いて基体の面にもうけた
塗膜は、その面に、経時的に可塑剤、剥離剤等がブリー
ドしやすく、そのため塗膜が基体より自然剥離したり、
また塗膜をもうけた基体の取扱時に滑り易く、更に基体
が平板状であるときは重ねたものを1枚づつ分離する作
業に手間が掛り、また該塗膜は、充分乾燥しても塗料に
用いた有機溶剤、可塑剤、剥離剤によるものとは異なる
ポリビニルブチラール樹脂を用いた場合に特有な不快臭
を、加熱乾燥時や経時により発する等の問題点を有して
いる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、この様な従
来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、塗膜が長
期間優れた性状を保ち、塗膜表面へのブリードが少なく
かつポリビニルブチラール樹脂特有の塗膜の不快臭を防
止抑制した易剥離性塗料組成物を提供することを目的と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、種々検討の
結果、ポリビニルブチラール樹脂、特定割合の特定物質
及び有機溶剤を含有する易剥離性塗料組成物が目的を達
成するものであるとの知見を得て、本発明を完成するに
至った。
【0009】すなわち、本発明は、ポリビニルブチラー
ル樹脂(A)100重量部に対し、下記群(イ) より選ばれた1
種以上の可塑剤(B) を5〜100 重量部、レシチン(C) を
0.1〜5重量部及び有機溶剤 (D)を含有してなる易剥離
性塗料組成物である。 群(イ) リン酸エステル系化合物、植物油脂系物質及び
脂肪酸エステル系化合物。
【0010】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
(A) 成分として用いるポリビニルブチラール樹脂(以
下、PVB という) には制限はなく、一般にポリビニルア
ルコール系樹脂(以下、PVA という)とブチルアルデヒ
ドをアセタール化反応させて得られるもの、更に詳しく
は溶解法、沈殿法、均一法あるいはこれらを組合せた方
法などにおいて、部分ケン化及び/又は完全ケン化PVA
、ブチルアルデヒド、酸触媒、媒体を含む系でアセタ
ール化反応を行なって得られるPVB を使用することが出
来る。
【0011】本発明で用いるPVB には、PVB を構成する
部分として、ブチルアセタール部分、ビニルアルコール
部分、脂肪酸ビニルエステル部分を有するもののみなら
ず、更にこれらの部分に加えて原料として用いる共重合
変性PVA 、後変性PVA などに由来する共重合変性による
部分、後変性による部分等を有するものも包含される。
本発明で用いるPVB は、ブチラール化度、平均重合度、
構成部分及びその割合等の異なる2種以上を組合せて用
いることも出来る。上記のPVB のブチラール化度は、有
機溶剤への溶解性、塗膜の柔軟性、可塑剤との相溶性等
の点より65重量%以上、更に好ましくは75重量%であ
り、またPVBの平均重合度は、塗膜が破断せずに連続し
た膜として剥離でき、厚塗り可能な不揮発分濃度におい
て塗布作業しやすい粘度を有する塗料を得られる等の点
より200 〜3000、更に好ましくは500 〜2000である。
【0012】本発明の塗料組成物は、可塑剤(B) として
リン酸エステル系化合物、植物油脂系物質及び脂
肪酸エステル系化合物より選ばれた1種又は2種以上の
物質を含有する。上記のリン酸エステル系化合物とし
ては、例えばトリメチルホスヘート、トリエチルホスヘ
ート、トリブチルホスヘート、トリフェニルホスヘー
ト、トリクレジルホスヘート、キシレニルジフェニルホ
スヘート等があり、植物油脂系物質としては、例えば
ヒマシ油、大豆油、エポキシ化大豆油、綿実油、パーム
油、木ろう、ロジン等、脂肪酸エステル系化合物とし
ては、例えばメチルアセチルリシノレート、ジオクチル
アジペート、ジオクチルセバケート、トリアセチルグリ
セリン等が挙げられる
【0013】前記の、及びの可塑剤の中でも、大
気圧下190 ℃で2時間加熱したときの加熱減量(JIS K
6751に準拠) が50重量%以下のものが長期にわたって塗
膜を柔軟に保つことができるので好ましく、具体的に
は、トリクレジルホスヘート、キシレニルジフェニルホ
スヘート、ヒマシ油、綿実油、メチルアセチルリシノレ
ート、ブチルアセチルリシノレート等が例示される。可
塑剤 (B)の配合割合は、PVB 100 重量部に対して5〜10
0 重量部であり、好ましくは25〜75重量部である。その
割合が5重量部未満では、塗膜は固く伸びが少ないた
め、塗膜を基体より剥離するに際し、塗膜の割れや破断
が発生しやすく、連続した膜としての剥離がしにくく、
剥離作業性が不良となる。また、その量が100 重量部を
越えると、塗膜強度が低下し、かつ伸びが増大するの
で、塗膜を剥離する際、塗膜が破断したり伸びすぎたり
して剥離作業がしにくく、また塗膜面に可塑剤がブリー
ドして、塗膜面がべとつき、例えば平板状の塗装基体を
積重ねた場合1枚づつの分離が困難であったり、滑った
りするので好ましくない。
【0014】本発明の塗料組成物には、所望により前記
の可塑剤、及び以外の公知の可塑剤、例えばトリ
エチレングリコール−ジ−2−エチルブチレート、トリ
エチレングリコール−ジ−2−エチルヘキソエート、 D
BP、 DOP、DOA 等により、使用する可塑剤の30重量%
以下の量を代替することができる。本発明の塗料組成物
には、塗膜を剥離する際の剥離性を容易にするための離
型剤としてレシチン(C) が配合される。
【0015】本明細書において、レシチンとは、フォス
ファチジルコリン、フォスファチジルエタノールアミ
ン、フォスファチジルイノシトールなどのリン脂質を主
成分とするものを意味し、例えば、大豆や卵黄などから
得られるリン脂質を95%程度含有する粉末状のもの、リ
ン脂質を約65%及び大豆油などの植物油を約35%程度含
有するペースト状のものなどがあり、いずれも市販品を
使用することができ、中でも大豆油から得られるレシチ
ンが好ましい。レシチンは、本発明の組成物において、
塗膜に優れた離型性を付与するのみならず、PVB を含
む、塗膜の加熱あるいは経時により発する特有の不快臭
を防止抑制し、また塗膜表面へのブリードが少ないの
で、塗膜のべとつきが少なく、塗装基体の取扱いがしや
すい。本発明の塗料組成物がレシチン(C) を含有する割
合は、PVB 100 重量部に対して0.1 〜5重量部、好まし
くは1〜3重量部である。この割合が0.1 重量部未満で
は、塗膜に離型性を付与したり、不快臭を防止抑制した
りする効果が少なく、また5重量部を越えると塗膜中で
レシチンが分離して、塗膜強度を低下させる。
【0016】本発明の塗料組成物には、所望によりレシ
チン以外の離型剤、例えば高分子界面活性剤、有機金属
界面活性剤、弗素系化合物、シリコン系化合物、パラフ
ィン、ワックスなどにより、使用するレシチン(C) の量
の30重量%以下の量を代替することができる。本発明の
塗料組成物は、有機溶剤(D) を含有し、その割合は所望
する塗料組成物の性状に応じて任意に選択される。該有
機溶剤に制限はなく、基体の材質、その表面処理等に応
じて任意に選択した1種あるいは2種以上を組合せて用
いることができ、有機溶剤としては、例えばアルコール
類(メタノール、エタノール、イソプロパノール、イソ
ブタノール等)、エステル類(酢酸メチル、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル等)、芳香族類(トルエン、キシレン
等)、ケトン類(メチルエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトン、アセトン、シクロヘキサノン等)、脂肪族炭
化水素類(N−ヘキサン等)、エーテル類(石油エーテ
ル等)が挙げられる。有機溶剤の中でも、PVBの溶解
性、塗膜の乾燥速さ、溶剤臭気の刺激性、基体やその表
面処理に対する影響などの点より炭素数4以下の低級脂
肪族アルコールの1種以上を主成分とするものが好まし
く、該アルコールにはメタノール、イソプロパノールな
どによる変性アルコールや少量の水分を含んでいるもの
も包含され、変性あるいは未変性のエタノールは望まし
い溶剤の一つである。
【0017】本発明の易剥離性塗料組成物には、既に述
べた(A) 、(B) 、(C) 及び(D) 成分のほかに、染料、顔
料、充填剤、消泡剤、分散剤、防錆剤、防虫剤、殺菌
剤、防カビ剤等の各種物質を含有させることができ、含
有させる物質とその割合を適宜選択することにより透
明、半透明あるいは不透明で、無色あるいは有色の塗膜
を得られる。また、該塗料組成物に含有する溶媒に不溶
で、粒径が2ミクロン以上程度の粉状物質、例えばプラ
スチック粉、珪藻土、ホワイトカーボンなどを含有させ
て、艶消表面を有する塗膜を得ることもできる。本発明
の塗料組成物は、通常塗料を製造する場合と同様な装
置、方法、手順により得ることができ、得られた塗料組
成物は、基体の形状、大きさ、材質、所望する塗膜厚
さ、使用する塗料組成物の性状等に応じて任意の方法、
例えば浸漬、刷毛塗り、スプレー、ローラー塗り等の塗
装方法により塗装して塗膜をもうけて、基体の面を保
護、遮蔽、彩色することができる。塗装は、1回塗りあ
るいは2回以上の重ね塗りすることができ、塗装後の乾
燥方法は特に制限されない。
【0018】本発明の易剥離性塗料組成物は、例えば磨
き板ガラス、表面サンドブラスト処理金属板、布(衣料
用布、ガラスクロス、カンバスなど)等の広範な表面性
状や種々の柔軟性を示す基体に対して使用することがで
きる。以下、本発明を実施例及び比較例を用いて説明す
る。尚、特に記載のない限り「部」及び「%」はそれぞ
れ重量部及び重量%を表わす。
【0019】
【実施例】
実施例1 攪拌機、還流冷却器及び温度計を備えたガラス容器内
に、変性エタノール(メタノール13%含有、日本化成品
社製、商品名ソルミックス)330 部と PVB(平均重合度
830 、ビニルアルコール部分20.5%、酢酸ビニル部分1.
8 %、ビニルブチラール部分77.7%)100部を入れ、内温
を25℃に保った状態で2時間攪拌を行ない、上記の樹脂
を溶解した。次いで、この溶液に可塑剤としてヒマシ油
(伊藤製油(株)製)を45部、離型剤としてレシチン
(リン脂質65%及び大豆油などの油脂分35%含有。味の
素社製)を2部添加し、内温を40℃に保ちながら、攪拌
下に混合溶解を2時間行ったのち、得られた液をナイロ
ンフィルター(目の開き200 μm)で濾過して易剥離性塗
料組成物を得た。この塗料組成物につき、その粘度、保
存安定性、塗布作業性、皮膜の引張強さ及び伸び、塗膜
の剥離抗力、剥離作業性、ブリード性、耐水性、耐熱
性、及び臭気を測定評価し、結果を表3に示した。
【0020】実施例2〜16及び比較例1〜8 塗料組成物の配合を、実施例2〜16については表1のよ
うに、また比較例1〜8については表2のようにそれぞ
れした以外は実施例1と同様にして塗料組成物を得た。
これらの得られた各塗料組成物につき、実施例1と同じ
項目につき測定評価し、その結果を、実施例2〜16につ
いては表3に、また比較例1〜8については表4にそれ
ぞれ示す。
【0021】実施例及び比較例で使用した物質の説明 アセチレンブラック:黒色顔料、電気化学工業社製デン
カブラックHS−100 ポリエステル:アデカアーガス社製アデカサイザーP−
200 シリコンオイル:信越化学工業社製KF−96−100
0CS ポリグリコール型エポキシ樹脂:ダウケミカル社製DE
R−732 #2000L:電気化学工業社製ポリビニルブチラール
樹脂(平均重合度 約300、ビニルブチラール部分約
78%)
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】
【表3】
【0025】
【表4】
【0026】測定評価法 (1) 粘度(CPS) 塗料組成物の25℃における粘度をB型回転粘度計を用い
て測定する。 (2) 保存安定性 塗料組成物を透明なガラス容器に入れて密閉し、それを
23℃の雰囲気下に静置する。30日経過後、容器中の塗料
及びそれをガラス板に塗布した未乾燥塗膜の状態を目視
観察し、下記の評価基準により表わす。 ○・・・ 測定開始時と較べて、塗料の状態がほとんど変化
していないもの。 ×・・・ 層分離あり、沈降物あり、ゲル化、流動性が大巾
減少又は細かいゲル状物を多く含むもの。
【0027】(3) 塗布作業性 サイズ50×50cmで23℃の金属板の片面全体に23℃の塗料
組成物を刷毛塗りし、塗布のしやすさで作業性を評価す
る。 ◎・・・ 抵抗が少なく、刷毛さばき良好でほぼ均一に塗布
できる。 ○・・・ 抵抗は少ないが粘度が低いため、塗料が基体より
一部流出するか、あるいは、やや抵抗大きいが、全面に
ほぼ均一に塗布できる。 ×・・・ 抵抗大きく、刷毛さばき重く、全面にほぼ均一に
塗布するのに繰り返し刷毛でこする必要がある。 (4) 引張強さ(kg/cm2)及び伸び(%) 塗料組成物の皮膜(厚さ約900 μm)につきJIS Z 1708に
準拠して引張強さ及び伸びを測定する。
【0028】(5) 剥離抗力 表面脱脂処理したSPCC鋼板上に、塗料組成物を刷毛塗り
して片面に塗膜(乾燥厚約150 μm)をもうけ、この鋼板
を23℃の雰囲気中に放置する。放置48時間後及び3ヵ月
後に塗膜の剥離抗力を測定(JIS Z 1708 準拠)する。
尚、塗膜が、鋼板から剥離できないものあるいは剥離途
中で破断したものは×印をもって示した。 (6) ブリード性 上記の (5)剥離抗力を測定するのと同様な方法で得た片
面に塗膜をもうけた鋼板(放置3ヵ月後)の塗膜表面を
指で軽く触れたときのベタツキなどの程度によりブリー
ド性を評価する。 ◎──ベタツキをほとんど感じず、ブリード性が低く、
優れている。 ○──ややベタツキを感ずる。 ×──ベタツキが大で、ブリード性が高く、滑りもあっ
て不良。
【0029】(7) 剥離作業性 表面脱脂処理したSPCC鋼板(300 ×300 mm)上の片面全
体に、塗料組成物を刷毛塗りして塗膜(乾燥厚約150 μ
m)をもうけ、この鋼板を23℃の雰囲気中に放置する。放
置3ヵ月後、鋼板の各外縁から5mm内側の塗膜上に各外
縁と並行して鋭利な刃物により鋼板面にまで達する線状
の切れ目を入れる。次いで、各外縁部の巾5mmの塗膜を
除く内側の塗膜(295 ×295 mm)を、手で一気に鋼板よ
り剥離し、剥離性を評価する。 ◎・・・ 放置中に自然剥離しておらず、全体を連続した柔
軟な膜として大きな抵抗なく剥離できる。 ○・・・ 膜がやや硬い、伸びが大きい、剥離に抵抗がある
あるいは一部に自然剥離がある等が認められるものの、
全体を連続した膜として剥離できる。 ×・・・ 膜が剥離できない、膜が破断してしまい全体が連
続した膜として剥離できない、膜の一部が破れて剥離さ
れずに残る、膜が伸びすぎて一気に剥離できない、ある
いは放置中に塗膜面積の50%以上が自然剥離している。
【0030】(8) 耐水性及び耐熱性 表面を脱脂処理したSPCC鋼板に、塗料組成物を刷毛で塗
布し、これを23℃の雰囲気中に48時間放置して塗膜(乾
燥厚約150 μm)をもうける。この塗膜をもうけた鋼板を
試料として塗膜の耐水性及び耐熱性を評価する。 耐水性 試料鋼板を温度20℃に保った水中に72時間浸漬したの
ち、水中より取出して塗膜の外観を目視観察する。 ◎・・・ 変化なし。 ○・・・ かすかにくもりを生ずるあるいはわずか変色す
る。 ×・・・ 白化あるいは変色する。 耐熱性 試料鋼板を80℃に保ったオーブン中に、塗膜面を上に
し、かつ重ねない状態で48時間放置したのち取り出して
放冷後、塗膜の外観、剥離性を加熱前と比較評価する。
尚、放置3ヵ月後の剥離抗力の評価が「×」であったも
のについては耐熱性評価はしなかった。 ◎・・・ 変化なし。 ○・・・ 塗膜面にやや粘着性を生ずるが、剥離性は変化な
し。 ×・・・ 剥離抵抗の大巾増大、塗膜の脆化により塗膜の全
部あるいは一部が剥離出来ず、又は塗膜が着色する。
【0031】(9) 臭気 前記(6) 剥離性の3ヵ月後測定において、剥離して得た
皮膜約0.5グラムを200 ミリリットルのガラス製共栓付
三角フラスコに入れ、内圧がかかっても栓がとれないよ
うに密閉する。ついで、このフラスコを150℃のオーブ
ン中に放置する。オーブンに入れてから2時間経過後に
三角フラスコを取出し、直ちに開栓し、フラスコ内の臭
気を嗅ぐ。 ◎・・・ PVB の分解による特有の不快な臭気をほとんど感
じない。 ○・・・ 上記の臭気をやや感じる。 ×・・・ 上記の臭気を強く感じる。
【0032】
【効果】本発明の易剥離性塗料組成物は、保存安定性、
塗布作業性に優れ、かつ該組成物を用いて基体の面にも
うけた塗膜は、長期にわたり良好な易剥離性を保ち、ブ
リードが少なくかつ不快臭を発生しないなど優れた性状
を示すものであって、基体の一時的な保護、遮蔽、彩色
などにおいて優れた効果を発揮するものである。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成3年10月9日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】本発明で用いるPVB には、PVB を構成する
部分として、ブチルアセタール部分、ビニルアルコール
部分、脂肪酸ビニルエステル部分を有するもののみなら
ず、更にこれらの部分に加えて原料として用いる共重合
変性PVA 、後変性PVA などに由来する共重合変性による
部分、後変性による部分等を有するものも包含される。
本発明で用いるPVB は、ブチラール化度、平均重合度、
構成部分及びその割合等の異なる2種以上を組合せて用
いることも出来る。上記のPVB のブチラール化度は、有
機溶剤への溶解性、塗膜の柔軟性、可塑剤との相溶性等
の点より65重量%以上、更に好ましくは75重量%であ
り、またPVBの平均重合度は、塗膜が破断せずに連続し
た膜として剥離でき、厚塗り可能な不揮発分濃度におい
て塗布作業しやすい粘度を有する塗料を得られる等の点
より200 〜3000、更に好ましくは500 〜2500である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】本発明の塗料組成物は、可塑剤(B) として
リン酸エステル系化合物、植物油脂系物質及び脂
肪酸エステル系化合物より選ばれた1種又は2種以上の
物質を含有する。上記のリン酸エステル系化合物とし
ては、例えばトリメチルホスヘート、トリエチルホスヘ
ート、トリブチルホスヘート、トリフェニルホスヘー
ト、トリクレジルホスヘート、キシレニルジフェニルホ
スヘート等があり、植物油脂系物質としては、例えば
ヒマシ油、大豆油、エポキシ化大豆油、綿実油、パーム
油等、脂肪酸エステル系化合物としては、例えばメチ
ルアセチルリシノレート、ジオクチルアジペート、ジオ
クチルセバケート、トリアセチルグリセリン等が挙げら
れる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正内容】
【0022】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西島 昭夫 群馬県渋川市中村1,135 電気化学工業 株式会社渋川工場内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリビニルブチラール樹脂(A)100重量部
    に対し、下記群(イ)より選ばれた1種以上の可塑剤(B)
    を5〜100 重量部、レシチン(C) を0.1 〜5重量部及び
    有機溶剤 (D)を含有してなる易剥離性塗料組成物。 群(イ) リン酸エステル系化合物、植物油脂系物質及び
    脂肪酸エステル系化合物。
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