JPH05112742A - 易剥離性塗料組成物 - Google Patents
易剥離性塗料組成物Info
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- JPH05112742A JPH05112742A JP29952291A JP29952291A JPH05112742A JP H05112742 A JPH05112742 A JP H05112742A JP 29952291 A JP29952291 A JP 29952291A JP 29952291 A JP29952291 A JP 29952291A JP H05112742 A JPH05112742 A JP H05112742A
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- coating
- film
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 ポリビニルアセタール樹脂、可塑剤、離型剤
及び有機溶剤を含有してなる易剥離性塗料組成物。 【効果】 易剥離性塗料組成物を用いて基体上にもうけ
た塗膜は、強くてかつ適度の伸びを有し、長期間放置し
ても基体より剥離しやすく、粗面にもうけた塗膜であっ
ても破断したり、破れたりすることなく連続した膜とし
て容易に剥離できる。
及び有機溶剤を含有してなる易剥離性塗料組成物。 【効果】 易剥離性塗料組成物を用いて基体上にもうけ
た塗膜は、強くてかつ適度の伸びを有し、長期間放置し
ても基体より剥離しやすく、粗面にもうけた塗膜であっ
ても破断したり、破れたりすることなく連続した膜とし
て容易に剥離できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、物体(以下、基体とい
うことがある)の面に塗布してもうけた塗膜により基体
の面を保護、遮蔽、彩色し、その目的を達成後の任意の
時期に、該塗膜を容易に剥離除去することができる易剥
離性塗料組成物に関する。
うことがある)の面に塗布してもうけた塗膜により基体
の面を保護、遮蔽、彩色し、その目的を達成後の任意の
時期に、該塗膜を容易に剥離除去することができる易剥
離性塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に自動車、その他車両や航空機及び
それらを構成する部品等の金属製物体、塗装あるいは磨
き金属板、並びに金属、ガラス、各種プラスチック等の
成形物等の物体の取扱い、輸送、保管、貯蔵等におい
て、物体の面が他のものと接触するなどして傷が付いた
り、空気中の塵埃、煤煙、金属粉、油滴、潮風、光等に
より汚染、変色、劣化等が生じたりすることがある。例
えば、基体が金属(特に鉄系)の場合には、雨水、空気
中の水分、酸素、硫黄化合物等の作用によって錆等を生
じ易く、著しい品質や商品価値の低下が発生し、一度発
生した錆等の除去には、多大の労力と費用を要する。そ
こで、予め基体の面を保護、遮蔽しておくことにより問
題を回避すべく、基体の面の一時的な保護、遮蔽を目的
に、更に、場合によっては彩色をも目的に加えて、これ
まで多くの易剥離性塗料の利用がなされてきた。
それらを構成する部品等の金属製物体、塗装あるいは磨
き金属板、並びに金属、ガラス、各種プラスチック等の
成形物等の物体の取扱い、輸送、保管、貯蔵等におい
て、物体の面が他のものと接触するなどして傷が付いた
り、空気中の塵埃、煤煙、金属粉、油滴、潮風、光等に
より汚染、変色、劣化等が生じたりすることがある。例
えば、基体が金属(特に鉄系)の場合には、雨水、空気
中の水分、酸素、硫黄化合物等の作用によって錆等を生
じ易く、著しい品質や商品価値の低下が発生し、一度発
生した錆等の除去には、多大の労力と費用を要する。そ
こで、予め基体の面を保護、遮蔽しておくことにより問
題を回避すべく、基体の面の一時的な保護、遮蔽を目的
に、更に、場合によっては彩色をも目的に加えて、これ
まで多くの易剥離性塗料の利用がなされてきた。
【0003】易剥離性塗料には、基体の面に塗布しても
うけられた塗膜が目的を達成して基体の面から剥離され
るまでの間充分に密着して基体の面を保護、遮蔽、彩色
していること、易剥離性塗料やその塗膜が基体の材質、
半ば恒久的保護等を目的とする塗装層等に影響を与えな
いこと、剥離性がほとんど経時低下せず、所望する時期
に連続膜として容易に剥離できること、塗膜の引張強さ
(機械的強度)、伸び、耐水性、耐候性等が良好なこ
と、塗膜をもうけるための塗装が容易であること、塗装
後の乾燥が速やかで造膜性が良好なこと等種々の性能が
要求され、目的等に応じてこれまで主としてエマルジョ
ン型易剥離性塗料、有機溶剤型易剥離性塗料等が使用さ
れてきた。しかし、従来公知のものは上記の要求性能を
充分満足するものではなかった。
うけられた塗膜が目的を達成して基体の面から剥離され
るまでの間充分に密着して基体の面を保護、遮蔽、彩色
していること、易剥離性塗料やその塗膜が基体の材質、
半ば恒久的保護等を目的とする塗装層等に影響を与えな
いこと、剥離性がほとんど経時低下せず、所望する時期
に連続膜として容易に剥離できること、塗膜の引張強さ
(機械的強度)、伸び、耐水性、耐候性等が良好なこ
と、塗膜をもうけるための塗装が容易であること、塗装
後の乾燥が速やかで造膜性が良好なこと等種々の性能が
要求され、目的等に応じてこれまで主としてエマルジョ
ン型易剥離性塗料、有機溶剤型易剥離性塗料等が使用さ
れてきた。しかし、従来公知のものは上記の要求性能を
充分満足するものではなかった。
【0004】すなわち、従来広く使用されている水性樹
脂エマルジョン型易剥離性塗料としては、例えばエチレ
ン−酢酸ビニル共重合樹脂エマルジョンまたはアクリル
系樹脂エマルジョン等を造膜成分とし、これらの水性樹
脂エマルジョンに炭酸カルシウム、酸化チタン等の各種
微粉末やシリコンエマルジョン、パラフィンワックスエ
マルジョン等を混合したものがある。しかしながら、水
性樹脂エマルジョン型易剥離性塗料は、水を好まない基
体には塗布することができず、得られる塗膜の耐水性が
低く、乾燥が遅く、低温下では凍結して連続した塗膜を
形成し得なかったり、貯蔵中に凍結凝固すると融解後は
流動性を示さなくなったりする等の欠点を有している。
脂エマルジョン型易剥離性塗料としては、例えばエチレ
ン−酢酸ビニル共重合樹脂エマルジョンまたはアクリル
系樹脂エマルジョン等を造膜成分とし、これらの水性樹
脂エマルジョンに炭酸カルシウム、酸化チタン等の各種
微粉末やシリコンエマルジョン、パラフィンワックスエ
マルジョン等を混合したものがある。しかしながら、水
性樹脂エマルジョン型易剥離性塗料は、水を好まない基
体には塗布することができず、得られる塗膜の耐水性が
低く、乾燥が遅く、低温下では凍結して連続した塗膜を
形成し得なかったり、貯蔵中に凍結凝固すると融解後は
流動性を示さなくなったりする等の欠点を有している。
【0005】また、ポリ塩化ビニルや塩化ビニル−酢酸
ビニル共重合樹脂等の熱可塑性樹脂を造膜成分とする有
機溶剤型易剥離性塗料は、塗膜の乾燥が速く、塗膜が強
靭で柔軟性があり、耐水性等が良好であるものの、溶解
力の強いケトン系、THF 系などの溶剤を使用するため、
プラスチック基体面や塗料で塗装してある基体面等には
使用できないという欠点を有している。さらに、広範な
種類の塗装面及び金属、ガラス、ゴム、プラスチック、
木材等の基体を侵すことの少ない速乾性の低級アルコー
ルに可溶で、引張強さ、伸び等の塗膜特性に優れたポリ
ビニルブチラール樹脂を造膜成分とし、これのアルコー
ル等の有機溶剤溶液に可塑剤、剥離剤などを配合した有
機溶剤型易剥離性塗料、例えばポリビニルブチラール樹
脂、アルコール可溶性エポキシ樹脂および界面活性剤を
含み、これらの低級脂肪族アルコール溶液であるストリ
ッパブルペイント組成物(特開昭52-139146 号公報)な
どが知られている。
ビニル共重合樹脂等の熱可塑性樹脂を造膜成分とする有
機溶剤型易剥離性塗料は、塗膜の乾燥が速く、塗膜が強
靭で柔軟性があり、耐水性等が良好であるものの、溶解
力の強いケトン系、THF 系などの溶剤を使用するため、
プラスチック基体面や塗料で塗装してある基体面等には
使用できないという欠点を有している。さらに、広範な
種類の塗装面及び金属、ガラス、ゴム、プラスチック、
木材等の基体を侵すことの少ない速乾性の低級アルコー
ルに可溶で、引張強さ、伸び等の塗膜特性に優れたポリ
ビニルブチラール樹脂を造膜成分とし、これのアルコー
ル等の有機溶剤溶液に可塑剤、剥離剤などを配合した有
機溶剤型易剥離性塗料、例えばポリビニルブチラール樹
脂、アルコール可溶性エポキシ樹脂および界面活性剤を
含み、これらの低級脂肪族アルコール溶液であるストリ
ッパブルペイント組成物(特開昭52-139146 号公報)な
どが知られている。
【0006】しかしながら、ポリビニルブチラール樹脂
を造膜成分とする易剥離性塗料の塗膜は、例えばそれを
もうけた基体の面が粗面であったり、面の全体あるいは
一部に凹部、角部、隅部、曲面部などを有していたり又
は面の材質自体が塗膜と親和性を有していたりする場合
は塗膜の剥離抵抗が大きく、剥離に際して塗膜の一部が
破れて基体面に残ったり、塗膜が破断して連続した膜と
して剥離が出来ないなどの問題がある。
を造膜成分とする易剥離性塗料の塗膜は、例えばそれを
もうけた基体の面が粗面であったり、面の全体あるいは
一部に凹部、角部、隅部、曲面部などを有していたり又
は面の材質自体が塗膜と親和性を有していたりする場合
は塗膜の剥離抵抗が大きく、剥離に際して塗膜の一部が
破れて基体面に残ったり、塗膜が破断して連続した膜と
して剥離が出来ないなどの問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、この様な従
来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、塗膜強度
が高くかつ柔軟で、易剥離性に優れ、塗料及びその塗膜
が長期間優れた性状を示す易剥離性塗料組成物を提供す
ることを目的とする。
来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、塗膜強度
が高くかつ柔軟で、易剥離性に優れ、塗料及びその塗膜
が長期間優れた性状を示す易剥離性塗料組成物を提供す
ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、種々検討の
結果、特定のポリビニルアセタール樹脂を造膜成分とし
て含有する易剥離性塗料組成物が目的を達成するもので
あるとの知見を得て、本発明を完成するに至った。
結果、特定のポリビニルアセタール樹脂を造膜成分とし
て含有する易剥離性塗料組成物が目的を達成するもので
あるとの知見を得て、本発明を完成するに至った。
【0009】即ち、本発明は、下記(A)100 重量部に
対して、(B)を5〜100 重量部、(C)を0.1〜5重
量部、及び(D)を含有してなる易剥離性塗料組成物で
ある。
対して、(B)を5〜100 重量部、(C)を0.1〜5重
量部、及び(D)を含有してなる易剥離性塗料組成物で
ある。
【0010】(A)アセトアセタール部分とブチルアセ
タール部分との割合が重量比で20:80〜80:20であるア
セトアセタール−ブチルアセタール混合ポリビニルアセ
タール樹脂 (B)可塑剤 (C)離型剤 (D)有機溶剤
タール部分との割合が重量比で20:80〜80:20であるア
セトアセタール−ブチルアセタール混合ポリビニルアセ
タール樹脂 (B)可塑剤 (C)離型剤 (D)有機溶剤
【0011】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おいて用いる(A)アセトアセタール−ブチルアセター
ル混合ポリビニルアセタール樹脂(以下、混合アセター
ル樹脂という)は、ポリビニルアルコール系樹脂(完全
ケン化あるいは部分ケン化の、ポリビニルアルコール又
は共重合変性ポリビニルアルコール、並びにこれらを後
変性した後変性ポリビニルアルコールを包含する)を、
例えば溶解法、沈澱法、均一法あるいはこれらを組合せ
た方法において酸触媒の存在下アセトアルデヒド及びブ
チルアルデヒドを共存させた反応系でアセタール化する
ことにより得られる。
おいて用いる(A)アセトアセタール−ブチルアセター
ル混合ポリビニルアセタール樹脂(以下、混合アセター
ル樹脂という)は、ポリビニルアルコール系樹脂(完全
ケン化あるいは部分ケン化の、ポリビニルアルコール又
は共重合変性ポリビニルアルコール、並びにこれらを後
変性した後変性ポリビニルアルコールを包含する)を、
例えば溶解法、沈澱法、均一法あるいはこれらを組合せ
た方法において酸触媒の存在下アセトアルデヒド及びブ
チルアルデヒドを共存させた反応系でアセタール化する
ことにより得られる。
【0012】当該混合アセタール樹脂は、アセトアセタ
ール部分(以下、a部分という)とブチルアセタール部
分(以下、b部分という)の両部分、原料として用いる
ポリビニルアルコール系樹脂(以下、PVA という)に基
づく未反応のビニルアルコール部分及び脂肪酸ビニルエ
ステル部分を通常有しており、原料として変性PVA を用
いたものは、これらの部分に加えて、その変性による部
分や変性に由来する部分を有している。当該混合アセタ
ール樹脂におけるa部分とb部分の割合(赤外線分光光
度計分析による)は、重量比で20:80〜80:20であり、
好ましくは30:70〜70:30である。
ール部分(以下、a部分という)とブチルアセタール部
分(以下、b部分という)の両部分、原料として用いる
ポリビニルアルコール系樹脂(以下、PVA という)に基
づく未反応のビニルアルコール部分及び脂肪酸ビニルエ
ステル部分を通常有しており、原料として変性PVA を用
いたものは、これらの部分に加えて、その変性による部
分や変性に由来する部分を有している。当該混合アセタ
ール樹脂におけるa部分とb部分の割合(赤外線分光光
度計分析による)は、重量比で20:80〜80:20であり、
好ましくは30:70〜70:30である。
【0013】上記a部分とb部分の重量割合において、
a部分が80を越えた場合は塗膜が硬くて伸びが少なく、
かつ溶剤溶解性が低い。また、a部分が20未満の場合は
塗膜の強度が低い。本発明の塗料組成物には、(A)混
合アセタール樹脂以外のポリビニルアセタール樹脂
(I)を含有させることができる。この樹脂(I)は、
例えばブチルアルデヒド、アセトアルデヒド、ホルムア
ルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンツアルデヒドな
どのアルデヒドを1種又は2種以上を組合せて用いる
(アセトアルデヒドとブチルアルデヒドの組合せを除
く)以外は前記の(A)を得るのと同様な方法によりPV
A をアセタール化して得られ、中でもブチルアルデヒド
を用いて得られるポリビニルブチルアセタール樹脂(ポ
リビニルブチラール樹脂)が好ましい。樹脂(I)を本
発明の組成物に含有させる場合の量は、(A)樹脂10
0重量部に対して30重量部以下程度が好ましい。
a部分が80を越えた場合は塗膜が硬くて伸びが少なく、
かつ溶剤溶解性が低い。また、a部分が20未満の場合は
塗膜の強度が低い。本発明の塗料組成物には、(A)混
合アセタール樹脂以外のポリビニルアセタール樹脂
(I)を含有させることができる。この樹脂(I)は、
例えばブチルアルデヒド、アセトアルデヒド、ホルムア
ルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンツアルデヒドな
どのアルデヒドを1種又は2種以上を組合せて用いる
(アセトアルデヒドとブチルアルデヒドの組合せを除
く)以外は前記の(A)を得るのと同様な方法によりPV
A をアセタール化して得られ、中でもブチルアルデヒド
を用いて得られるポリビニルブチルアセタール樹脂(ポ
リビニルブチラール樹脂)が好ましい。樹脂(I)を本
発明の組成物に含有させる場合の量は、(A)樹脂10
0重量部に対して30重量部以下程度が好ましい。
【0014】以上で説明した本発明で用いる混合アセタ
ール樹脂(A)及び(A)と併用できるポリビニルアセ
タール樹脂(I)は、(A)のa部分とb部分の重量比
が20:80〜80:20の範囲にある限り特に制限なく、いず
れもアセタール化度(2種以上のアセタール部分を有す
る場合はそれらアセタール部分の合計量の割合)は65重
量%以上が好ましく、更に好ましくは75重量%以上、平
均重合度は200 〜3000が好ましく、更に好ましくは500
〜2500である。これらの樹脂(A)及び(I)は、それ
ぞれアセタール化度、平均重合度、構成部分及びその割
合などの異なる2種以上を組合せて用いることができ
る。
ール樹脂(A)及び(A)と併用できるポリビニルアセ
タール樹脂(I)は、(A)のa部分とb部分の重量比
が20:80〜80:20の範囲にある限り特に制限なく、いず
れもアセタール化度(2種以上のアセタール部分を有す
る場合はそれらアセタール部分の合計量の割合)は65重
量%以上が好ましく、更に好ましくは75重量%以上、平
均重合度は200 〜3000が好ましく、更に好ましくは500
〜2500である。これらの樹脂(A)及び(I)は、それ
ぞれアセタール化度、平均重合度、構成部分及びその割
合などの異なる2種以上を組合せて用いることができ
る。
【0015】本発明で用いる(B)可塑剤、(C)離型
剤及び(D)有機溶剤は、本発明の塗料組成物及びその
塗膜において、それぞれの機能を発揮するものであれば
制限されず、(B)、(C)及び(D)はそれぞれの1
種又は2種以上を組合せて用いることができる。本発明
で用いる(B)可塑剤としては、リン酸エステル系化合
物(例えばトリメチルホスヘート、トリエチルホスヘー
ト、トリブチルホスヘート、トリフェニルホスヘート、
トリクレジルホスヘート、キシレニルジフェニルホスヘ
ート等)、植物油脂系物質(例えばヒマシ油、大豆油、
エポキシ化大豆油、綿実油、パーム油等)、脂肪酸エス
テル系化合物(例えばメチルアセチルリシノレート、ジ
オクチルアジペート、ジオクチルセバケート、トリアセ
チルグリセリン等のグリセリンの酢酸エステル等)が好
ましいものとして挙げられるが、熱可塑性樹脂の可塑剤
として用いられるもの〔例えば、ポリオキシアルキレン
グリコールのエステル系(トリエチレングリコール−ジ
−2−エチルブチレート、トリエチレングリコール−ジ
−2−エチルヘキエートなど)、フタル酸エステル系、
アジピン酸エステル系、エポキシ系、ポリエステル系な
どの可塑剤〕も使用できる。
剤及び(D)有機溶剤は、本発明の塗料組成物及びその
塗膜において、それぞれの機能を発揮するものであれば
制限されず、(B)、(C)及び(D)はそれぞれの1
種又は2種以上を組合せて用いることができる。本発明
で用いる(B)可塑剤としては、リン酸エステル系化合
物(例えばトリメチルホスヘート、トリエチルホスヘー
ト、トリブチルホスヘート、トリフェニルホスヘート、
トリクレジルホスヘート、キシレニルジフェニルホスヘ
ート等)、植物油脂系物質(例えばヒマシ油、大豆油、
エポキシ化大豆油、綿実油、パーム油等)、脂肪酸エス
テル系化合物(例えばメチルアセチルリシノレート、ジ
オクチルアジペート、ジオクチルセバケート、トリアセ
チルグリセリン等のグリセリンの酢酸エステル等)が好
ましいものとして挙げられるが、熱可塑性樹脂の可塑剤
として用いられるもの〔例えば、ポリオキシアルキレン
グリコールのエステル系(トリエチレングリコール−ジ
−2−エチルブチレート、トリエチレングリコール−ジ
−2−エチルヘキエートなど)、フタル酸エステル系、
アジピン酸エステル系、エポキシ系、ポリエステル系な
どの可塑剤〕も使用できる。
【0016】上記のリン酸エステル系化合物、植物油脂
系物質及び脂肪酸エステル系化合物の中でも、大気圧下
190 ℃で2時間加熱したときの加熱減量(JIS K 6751に
準拠)が50重量%以下のものが長期にわたって塗膜を柔
軟に保つことができるので特に好ましく、具体的には、
トリクレジルホスヘート、キシレニルジフェニルホスヘ
ート、ヒマシ油、綿実油、メチルアセチルリシノレー
ト、ブチルアセチルリシノレート等が例示される。
系物質及び脂肪酸エステル系化合物の中でも、大気圧下
190 ℃で2時間加熱したときの加熱減量(JIS K 6751に
準拠)が50重量%以下のものが長期にわたって塗膜を柔
軟に保つことができるので特に好ましく、具体的には、
トリクレジルホスヘート、キシレニルジフェニルホスヘ
ート、ヒマシ油、綿実油、メチルアセチルリシノレー
ト、ブチルアセチルリシノレート等が例示される。
【0017】(B)可塑剤の配合割合は、(A)樹脂又
は樹脂(A)と樹脂(I)の合計100 重量部に対して5
〜100 重量部であり、好ましくは25〜75重量部である。
その割合が5重量部未満では、塗膜は固く伸びが少ない
ため、塗膜を基体より剥離するに際し、塗膜の割れや破
断が発生しやすく、連続した膜としての剥離がしにく
く、剥離作業性が低い。また、100 重量部を越えると、
塗膜強度が低下し、かつ伸びが増大するので、塗膜を剥
離する際、塗膜が破断したり伸びすぎたりして剥離作業
がしにくく、また塗膜面に可塑剤がブリードして、塗膜
面がべとつき、例えば平板状の塗装基体を積重ねた場合
1枚づつの分離が困難であったり、滑ったりすることが
ある。
は樹脂(A)と樹脂(I)の合計100 重量部に対して5
〜100 重量部であり、好ましくは25〜75重量部である。
その割合が5重量部未満では、塗膜は固く伸びが少ない
ため、塗膜を基体より剥離するに際し、塗膜の割れや破
断が発生しやすく、連続した膜としての剥離がしにく
く、剥離作業性が低い。また、100 重量部を越えると、
塗膜強度が低下し、かつ伸びが増大するので、塗膜を剥
離する際、塗膜が破断したり伸びすぎたりして剥離作業
がしにくく、また塗膜面に可塑剤がブリードして、塗膜
面がべとつき、例えば平板状の塗装基体を積重ねた場合
1枚づつの分離が困難であったり、滑ったりすることが
ある。
【0018】本発明で用いる(C)離型剤としては、例
えばレシチン、界面活性剤(ポリオキシエチレン、ポリ
オキシプロピレン、又はエチレンオキサイド−プロピレ
ンオキサイド共重合体など及びそれらのアルキルエーテ
ル、アルキルフェニルエーテル又はアルキルエステルな
ど、ソルビタンアルキルエステル、ショ糖のアルキルエ
ステル、金属石ケン、高級アルコールの無機多塩基酸エ
ステル及びその塩類、高級パーフルオルアルカンスルフ
ォン酸及びその誘導体など)、シリコンオイル、パラフ
ィンワックスなどが挙げられ、中でもレシチンは、本発
明の組成物において、塗膜に優れた離型性を付与するの
みならず、(A)や(I)の樹脂を含む塗膜の加熱ある
いは経時により発する特有の不快臭を防止抑制し、また
塗膜表面へのブリードが少ないので、塗膜のべとつきが
少なく、塗装基体の取扱いがしやすいなど、好ましい離
型剤である。
えばレシチン、界面活性剤(ポリオキシエチレン、ポリ
オキシプロピレン、又はエチレンオキサイド−プロピレ
ンオキサイド共重合体など及びそれらのアルキルエーテ
ル、アルキルフェニルエーテル又はアルキルエステルな
ど、ソルビタンアルキルエステル、ショ糖のアルキルエ
ステル、金属石ケン、高級アルコールの無機多塩基酸エ
ステル及びその塩類、高級パーフルオルアルカンスルフ
ォン酸及びその誘導体など)、シリコンオイル、パラフ
ィンワックスなどが挙げられ、中でもレシチンは、本発
明の組成物において、塗膜に優れた離型性を付与するの
みならず、(A)や(I)の樹脂を含む塗膜の加熱ある
いは経時により発する特有の不快臭を防止抑制し、また
塗膜表面へのブリードが少ないので、塗膜のべとつきが
少なく、塗装基体の取扱いがしやすいなど、好ましい離
型剤である。
【0019】本明細書において、レシチンとは、フォス
ファチジルコリン、フォスファチジルエタノールアミ
ン、フォスファチジルイノシトールなどのリン脂質を主
成分とするものを意味し、例えば、大豆や卵黄などから
得られるリン脂質を95%程度含有する粉末状のもの、リ
ン脂質を約65%及び大豆油などの植物油を約35%程度含
有するペースト状のものなどがあり、いずれも市販品を
使用することができ、中でも大豆油から得られるレシチ
ンが好ましい。本発明の塗料組成物が(C)離型剤を含
有する割合は、(A)樹脂100 重量部に対して0.1〜5
重量部であり、好ましくは1〜3重量部である。この割
合が0.1重量部未満では、塗膜に離型性を付与する効果
が少なく、また5重量部を越えると塗膜中で離型剤が分
離して、塗膜強度を低下させる。
ファチジルコリン、フォスファチジルエタノールアミ
ン、フォスファチジルイノシトールなどのリン脂質を主
成分とするものを意味し、例えば、大豆や卵黄などから
得られるリン脂質を95%程度含有する粉末状のもの、リ
ン脂質を約65%及び大豆油などの植物油を約35%程度含
有するペースト状のものなどがあり、いずれも市販品を
使用することができ、中でも大豆油から得られるレシチ
ンが好ましい。本発明の塗料組成物が(C)離型剤を含
有する割合は、(A)樹脂100 重量部に対して0.1〜5
重量部であり、好ましくは1〜3重量部である。この割
合が0.1重量部未満では、塗膜に離型性を付与する効果
が少なく、また5重量部を越えると塗膜中で離型剤が分
離して、塗膜強度を低下させる。
【0020】本発明の塗料組成物は、(D)有機溶剤を
含有し、その割合は所望する塗料組成物の性状に応じて
任意に選択される。該有機溶剤に制限はなく、基体の材
質、その表面処理等に応じて任意に選択した1種あるい
は2種以上を組合せて用いることができ、有機溶剤とし
ては、例えばアルコール類(メタノール、エタノール、
イソプロパノール、イソブタノール等)、エステル類
(酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等)、芳香族類
(トルエン、キシレン等)、ケトン類(メチルエチルケ
トン、メチルイソブチルケトン、アセトン、シクロヘキ
サノン等)、脂肪族炭化水素類(N−ヘキサン等)、エ
ーテル類(石油エーテル等)が挙げられる。有機溶剤の
中でも、(A)樹脂の溶解性、塗膜の乾燥速さ、溶剤臭
気の刺激性、基体やその表面処理に対する影響などの点
より炭素数4以下の低級脂肪族アルコールの1種以上を
主成分とするものが好ましく、該アルコールにはメタノ
ール、イソプロパノールなどによる変性エタノールや少
量の水分を含んでいるものも包含され、変性あるいは未
変性のエタノールは望ましい溶剤の一つである。
含有し、その割合は所望する塗料組成物の性状に応じて
任意に選択される。該有機溶剤に制限はなく、基体の材
質、その表面処理等に応じて任意に選択した1種あるい
は2種以上を組合せて用いることができ、有機溶剤とし
ては、例えばアルコール類(メタノール、エタノール、
イソプロパノール、イソブタノール等)、エステル類
(酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等)、芳香族類
(トルエン、キシレン等)、ケトン類(メチルエチルケ
トン、メチルイソブチルケトン、アセトン、シクロヘキ
サノン等)、脂肪族炭化水素類(N−ヘキサン等)、エ
ーテル類(石油エーテル等)が挙げられる。有機溶剤の
中でも、(A)樹脂の溶解性、塗膜の乾燥速さ、溶剤臭
気の刺激性、基体やその表面処理に対する影響などの点
より炭素数4以下の低級脂肪族アルコールの1種以上を
主成分とするものが好ましく、該アルコールにはメタノ
ール、イソプロパノールなどによる変性エタノールや少
量の水分を含んでいるものも包含され、変性あるいは未
変性のエタノールは望ましい溶剤の一つである。
【0021】本発明の易剥離性塗料組成物には、既に述
べた(A)、(B)、(C)及び(D)のほかに、染
料、顔料、充填剤、消泡剤、分散剤、防錆剤、帯電防止
剤、防虫剤、殺菌剤、防カビ剤等の各種物質を含有させ
ることができ、含有させる物質とその割合を適宜選択す
ることにより透明、半透明あるいは不透明で、無色ある
いは有色の塗膜を得られる。また、該塗料組成物に含有
する溶媒に不溶で、粒径が2ミクロン以上程度の粉状物
質、例えばプラスチック粉、珪藻土、ホワイトカーボン
などを含有させて、艶消表面を有する塗膜を得ることも
できる。
べた(A)、(B)、(C)及び(D)のほかに、染
料、顔料、充填剤、消泡剤、分散剤、防錆剤、帯電防止
剤、防虫剤、殺菌剤、防カビ剤等の各種物質を含有させ
ることができ、含有させる物質とその割合を適宜選択す
ることにより透明、半透明あるいは不透明で、無色ある
いは有色の塗膜を得られる。また、該塗料組成物に含有
する溶媒に不溶で、粒径が2ミクロン以上程度の粉状物
質、例えばプラスチック粉、珪藻土、ホワイトカーボン
などを含有させて、艶消表面を有する塗膜を得ることも
できる。
【0022】本発明の塗料組成物は、通常塗料を製造す
る場合と同様な装置、方法、手順により得ることがで
き、得られた塗料組成物は、基体の形状、大きさ、材
質、所望する塗膜厚さ、使用する塗料組成物の性状等に
応じて任意の方法、例えば浸漬、刷毛塗り、スプレー、
ローラー塗り等の塗装方法により塗装して塗膜をもうけ
て、基体の面を保護、遮蔽、彩色することができる。塗
装は、1回塗りあるいは2回以上の重ね塗りすることが
でき、塗装後の乾燥方法は特に制限されない。本発明の
易剥離性塗料組成物は、例えば磨き板ガラス、表面サン
ドブラスト処理金属板、布(衣料用布、ガラスクロス、
カンバスなど)等の広範な表面性状や種々の柔軟性を示
す基体に対して使用することができる。
る場合と同様な装置、方法、手順により得ることがで
き、得られた塗料組成物は、基体の形状、大きさ、材
質、所望する塗膜厚さ、使用する塗料組成物の性状等に
応じて任意の方法、例えば浸漬、刷毛塗り、スプレー、
ローラー塗り等の塗装方法により塗装して塗膜をもうけ
て、基体の面を保護、遮蔽、彩色することができる。塗
装は、1回塗りあるいは2回以上の重ね塗りすることが
でき、塗装後の乾燥方法は特に制限されない。本発明の
易剥離性塗料組成物は、例えば磨き板ガラス、表面サン
ドブラスト処理金属板、布(衣料用布、ガラスクロス、
カンバスなど)等の広範な表面性状や種々の柔軟性を示
す基体に対して使用することができる。
【0023】本発明の塗料組成物の塗膜を基体の面から
剥離するには、例えば塗膜の端部を手で持ったり、工具
で挟むなどして行なうことが出来る。該塗料で基体の面
を塗装する前に予め、塗料に溶解しない材質のヒモ類
(ヒモ、糸、フィラメント、針金など)を、基体面の所
望する位置に設置し、その上から塗装して塗膜をもう
け、その塗膜を剥離する際には、予め上記のヒモ類を基
体の面と逆方向へ引張ってそれを除去することにより、
塗膜の分割や部分剥離を行なうと、塗膜を剥離しやすく
便利である。また、基体面にヒモ類を設置するには、そ
の面上にヒモ類を単に置く丈でもよいが、それでは不都
合のある場合は、例えばヒモ類に本発明の塗料組成物を
含浸させたのち基体面に取付ける方法、基体面に近接し
て設置したヒモ類の上を該塗料組成物を含浸させたロー
ル刷毛などで押えながら塗装して、塗料を接着剤の代り
に用いて取付ける方法、ヒモ類を接着剤や粘着テープな
どで基体面にとめる方法などがある。
剥離するには、例えば塗膜の端部を手で持ったり、工具
で挟むなどして行なうことが出来る。該塗料で基体の面
を塗装する前に予め、塗料に溶解しない材質のヒモ類
(ヒモ、糸、フィラメント、針金など)を、基体面の所
望する位置に設置し、その上から塗装して塗膜をもう
け、その塗膜を剥離する際には、予め上記のヒモ類を基
体の面と逆方向へ引張ってそれを除去することにより、
塗膜の分割や部分剥離を行なうと、塗膜を剥離しやすく
便利である。また、基体面にヒモ類を設置するには、そ
の面上にヒモ類を単に置く丈でもよいが、それでは不都
合のある場合は、例えばヒモ類に本発明の塗料組成物を
含浸させたのち基体面に取付ける方法、基体面に近接し
て設置したヒモ類の上を該塗料組成物を含浸させたロー
ル刷毛などで押えながら塗装して、塗料を接着剤の代り
に用いて取付ける方法、ヒモ類を接着剤や粘着テープな
どで基体面にとめる方法などがある。
【0024】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例を用いて説
明する。尚、特に記載のない限り「部」及び「%」(但
し、塗膜の伸びを除く)はそれぞれ重量部及び重量%を
表わす。
明する。尚、特に記載のない限り「部」及び「%」(但
し、塗膜の伸びを除く)はそれぞれ重量部及び重量%を
表わす。
【0025】実施例1 撹拌機、還流冷却器及び温度計を備えたガラス容器内
に、変性エタノール(メタノール13%含有、日本化成品
社製、商品名ソルミックス)330 部とポリビニルアセタ
ール樹脂として混合アセタール樹脂〔平均重合度890 。
ビニルアルコール部分16.5%、酢酸ビニル部分1.5 %、
ビニルアセタール部分82.0%でa部分:b部分=50:50
(重量比)。ガラス転移温度(Tg)=91℃〕100 部を入
れ、内液温を25℃に保った状態で2時間撹拌を行ない、
上記の樹脂を溶解した。次いで、この溶液に可塑剤とし
てヒマシ油〔伊藤製油(株)製〕を50部、離型剤として
レシチン(リン脂質65%及び大豆油などの油脂分35%含
有。味の素社製) を2.2 部添加し、内温を40℃に保ちな
がら、撹拌下に混合溶解を2時間行ったのち、得られた
液をナイロンフィルター(目の開き 200μm) で濾過し
て易剥離性塗料組成物を得た。この塗料組成物の塗料性
状及び塗膜性状を測定評価した結果を表4に示す。
に、変性エタノール(メタノール13%含有、日本化成品
社製、商品名ソルミックス)330 部とポリビニルアセタ
ール樹脂として混合アセタール樹脂〔平均重合度890 。
ビニルアルコール部分16.5%、酢酸ビニル部分1.5 %、
ビニルアセタール部分82.0%でa部分:b部分=50:50
(重量比)。ガラス転移温度(Tg)=91℃〕100 部を入
れ、内液温を25℃に保った状態で2時間撹拌を行ない、
上記の樹脂を溶解した。次いで、この溶液に可塑剤とし
てヒマシ油〔伊藤製油(株)製〕を50部、離型剤として
レシチン(リン脂質65%及び大豆油などの油脂分35%含
有。味の素社製) を2.2 部添加し、内温を40℃に保ちな
がら、撹拌下に混合溶解を2時間行ったのち、得られた
液をナイロンフィルター(目の開き 200μm) で濾過し
て易剥離性塗料組成物を得た。この塗料組成物の塗料性
状及び塗膜性状を測定評価した結果を表4に示す。
【0026】実施例2〜27及び比較例1〜9 塗料組成物の配合を、実施例2〜27については表1及び
表2のように、また比較例1〜9については表3のよう
にそれぞれした以外は実施例1と同様にして塗料組成物
を得た。これらの得られた各塗料組成物につき、塗料性
状及び塗膜性状を測定評価し、その結果を、実施例2〜
27については表4及び表5に、また比較例1〜9につい
ては表6にそれぞれ示す。
表2のように、また比較例1〜9については表3のよう
にそれぞれした以外は実施例1と同様にして塗料組成物
を得た。これらの得られた各塗料組成物につき、塗料性
状及び塗膜性状を測定評価し、その結果を、実施例2〜
27については表4及び表5に、また比較例1〜9につい
ては表6にそれぞれ示す。
【0027】実施例及び比較例で使用した物質の説明 アセチレンブラック:黒色顔料、電気化学工業社製デン
カブラックHS-100 ソルビタンモノオレート:界面活性剤、花王株式会社製
レオドールAO-10 ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル:界面活性
剤、花王株式会社製エマルゲン910 シリコンオイル:信越化学工業社製KF-96-1000CS ポリグリコール型エポキシ樹脂:ダウケミカル社製DER-
732 #2000L:電気化学工業社製ポリビニルブチラール樹脂
(平均重合度約300 、ビニルブチラール部分約78%)
カブラックHS-100 ソルビタンモノオレート:界面活性剤、花王株式会社製
レオドールAO-10 ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル:界面活性
剤、花王株式会社製エマルゲン910 シリコンオイル:信越化学工業社製KF-96-1000CS ポリグリコール型エポキシ樹脂:ダウケミカル社製DER-
732 #2000L:電気化学工業社製ポリビニルブチラール樹脂
(平均重合度約300 、ビニルブチラール部分約78%)
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
【表3】
【0031】
【表4】
【0032】
【表5】
【0033】
【表6】
【0034】測定評価法 (1)粘度(CPS) 塗料組成物の25℃における粘度をB型回転粘度計を用い
て測定する。 (2)保存安定性 塗料組成物を透明なガラス容器に入れて密閉し、それを
23℃の雰囲気下に静置する。30日経過後、容器中の塗料
及びそれをガラス板に塗布した未乾燥塗膜の状態を目視
観察し、下記の評価基準により表わす。 ○─測定開始時と較べて、塗料の状態がほとんど変化し
ていないもの。 ×─層分離あり、沈降物あり、ゲル化、流動性が大巾減
少又はゲル状物を多く含むもの。
て測定する。 (2)保存安定性 塗料組成物を透明なガラス容器に入れて密閉し、それを
23℃の雰囲気下に静置する。30日経過後、容器中の塗料
及びそれをガラス板に塗布した未乾燥塗膜の状態を目視
観察し、下記の評価基準により表わす。 ○─測定開始時と較べて、塗料の状態がほとんど変化し
ていないもの。 ×─層分離あり、沈降物あり、ゲル化、流動性が大巾減
少又はゲル状物を多く含むもの。
【0035】(3)塗布作業性 サイズ50×50cmで23℃の金属板の片面全体に23℃の塗料
組成物を刷毛塗りし、塗布のしやすさで作業性を評価す
る。 ◎─抵抗が少なく、刷毛さばき良好でほぼ均一に塗布で
きる。 ○─抵抗は少ないが粘度が低いため、塗料が基体より一
部流出するか、あるいは、やや抵抗大きいが、全面にほ
ぼ均一に塗布できる。 ×─抵抗大きく、刷毛さばき重く、全面にほぼ均一に塗
布するのに繰り返し刷毛でこする必要がある。
組成物を刷毛塗りし、塗布のしやすさで作業性を評価す
る。 ◎─抵抗が少なく、刷毛さばき良好でほぼ均一に塗布で
きる。 ○─抵抗は少ないが粘度が低いため、塗料が基体より一
部流出するか、あるいは、やや抵抗大きいが、全面にほ
ぼ均一に塗布できる。 ×─抵抗大きく、刷毛さばき重く、全面にほぼ均一に塗
布するのに繰り返し刷毛でこする必要がある。
【0036】(4)引張強さ(kg/cm2)及び伸び(%) 塗料組成物の皮膜(厚さ約 900μm)につきJIS Z 1708に
準拠して引張強さ及び伸びを測定する。 (5)剥離抗力 表面脱脂処理したSPCC鋼板上に、塗料組成物を刷毛塗り
して片面に塗膜(乾燥厚約 150μm)をもうけ、この鋼板
を23℃の雰囲気中に放置する。放置48時間後、3か月後
及び6か月後に塗膜の剥離抗力を測定(JIS Z 1708 準
拠)する。尚、塗膜が、鋼板から剥離できないものある
いは剥離途中で破断したものは×印をもって示す。
準拠して引張強さ及び伸びを測定する。 (5)剥離抗力 表面脱脂処理したSPCC鋼板上に、塗料組成物を刷毛塗り
して片面に塗膜(乾燥厚約 150μm)をもうけ、この鋼板
を23℃の雰囲気中に放置する。放置48時間後、3か月後
及び6か月後に塗膜の剥離抗力を測定(JIS Z 1708 準
拠)する。尚、塗膜が、鋼板から剥離できないものある
いは剥離途中で破断したものは×印をもって示す。
【0037】(6)剥離作業性 (イ)基体が鋼板の場合 表面脱脂処理したSPCC鋼板(30×30cm)上の片面全体
に、塗料組成物を刷毛塗りして塗膜(乾燥厚約 150μm)
をもうけ、この鋼板を23℃の雰囲気中に放置する。放置
6カ月後、鋼板の各外縁から0.5cm内側の塗膜上に各外
縁と並行して鋭利な刃物により鋼板面にまで達する線状
の切れ目を入れる。次いで、各外縁部の巾約0.5cmの塗
膜を除く内側の塗膜(約29.5×29.5cm)を、手で一気に
鋼板より剥離し、剥離作業性を基準に従い評価する。
に、塗料組成物を刷毛塗りして塗膜(乾燥厚約 150μm)
をもうけ、この鋼板を23℃の雰囲気中に放置する。放置
6カ月後、鋼板の各外縁から0.5cm内側の塗膜上に各外
縁と並行して鋭利な刃物により鋼板面にまで達する線状
の切れ目を入れる。次いで、各外縁部の巾約0.5cmの塗
膜を除く内側の塗膜(約29.5×29.5cm)を、手で一気に
鋼板より剥離し、剥離作業性を基準に従い評価する。
【0038】(ロ)基体が厚布の場合 50×50cmの木綿製厚布(経糸16本/cm、緯糸13本/cmの
織物密度を有し、単位面積当りの重量が約0.04グラム/
cm2 であり、粗面を有する綿カンバス)を、厚さ12mmの
平板状の合板の上に、シワができないように張って固定
する。次いで、この厚布上に、それに密着させて長さ約
60cmの4本の細い銅線を各々が30cm×30cmのほぼ正方形
を形づくるように張る。表面に4本の銅線が密着してい
る厚布全体の表面を塗料組成物を用いてスプレー法によ
り2回塗装して塗膜(乾燥厚さ約150 μm)をもうけ、こ
れを23℃の雰囲気中に放置する。放置48時間後、4本の
銅線の片端を1本づつ順次塗膜面と反対側にゆっくりと
引ぱっていくことにより銅線のあった部分の塗膜を切断
して、厚布上に約30cm×30cmのほぼ正方形に切断された
塗膜を得る。
織物密度を有し、単位面積当りの重量が約0.04グラム/
cm2 であり、粗面を有する綿カンバス)を、厚さ12mmの
平板状の合板の上に、シワができないように張って固定
する。次いで、この厚布上に、それに密着させて長さ約
60cmの4本の細い銅線を各々が30cm×30cmのほぼ正方形
を形づくるように張る。表面に4本の銅線が密着してい
る厚布全体の表面を塗料組成物を用いてスプレー法によ
り2回塗装して塗膜(乾燥厚さ約150 μm)をもうけ、こ
れを23℃の雰囲気中に放置する。放置48時間後、4本の
銅線の片端を1本づつ順次塗膜面と反対側にゆっくりと
引ぱっていくことにより銅線のあった部分の塗膜を切断
して、厚布上に約30cm×30cmのほぼ正方形に切断された
塗膜を得る。
【0039】次いで、各外縁部を除く内側の塗膜(約30
cm×30cm)を、手で一気に厚布より剥離し、剥離作業性
を基準に従い評価する。 剥離作業性の評価基準〔上記(イ)及び(ロ)に共通〕 ◎─放置中に自然剥離しておらず、全体を連続した柔軟
な膜として大きな抵抗なく剥離できる。 ○─膜がやや硬い、伸びが大きい、剥離に抵抗があるあ
るいは一部に自然剥離がある等が認められるものの、全
体を連続した膜として剥離できる。 ×─膜が剥離できない、膜が破断してしまい全体が連続
した膜として剥離できない、膜の一部が破れて剥離され
ずに残る、膜が伸びすぎて一気に剥離できない、あるい
は放置中に塗膜面積の50%以上が自然剥離している。
cm×30cm)を、手で一気に厚布より剥離し、剥離作業性
を基準に従い評価する。 剥離作業性の評価基準〔上記(イ)及び(ロ)に共通〕 ◎─放置中に自然剥離しておらず、全体を連続した柔軟
な膜として大きな抵抗なく剥離できる。 ○─膜がやや硬い、伸びが大きい、剥離に抵抗があるあ
るいは一部に自然剥離がある等が認められるものの、全
体を連続した膜として剥離できる。 ×─膜が剥離できない、膜が破断してしまい全体が連続
した膜として剥離できない、膜の一部が破れて剥離され
ずに残る、膜が伸びすぎて一気に剥離できない、あるい
は放置中に塗膜面積の50%以上が自然剥離している。
【0040】(7)耐水性 表面を脱脂処理したSPCC鋼板に、塗料組成物を刷毛で塗
布し、これを23℃の雰囲気中に48時間放置して塗膜(乾
燥厚約 150μm)をもうける。この塗膜をもうけた鋼板を
試料とし、この試料鋼板を温度20℃に保った水中に72時
間浸漬したのち、水中より取出して塗膜の外観を目視観
察する。 ◎─変化なし。 ○─かすかにくもりを生ずるあるいはわずか変色する。 ×─白化あるいは変色する。
布し、これを23℃の雰囲気中に48時間放置して塗膜(乾
燥厚約 150μm)をもうける。この塗膜をもうけた鋼板を
試料とし、この試料鋼板を温度20℃に保った水中に72時
間浸漬したのち、水中より取出して塗膜の外観を目視観
察する。 ◎─変化なし。 ○─かすかにくもりを生ずるあるいはわずか変色する。 ×─白化あるいは変色する。
【0041】
【発明の効果】本発明の易剥離性塗料組成物は、塗料及
びそれを用いてもうけた塗膜のいずれにおいても優れた
性状を示す。特に基体上にもうけた塗膜は、強くてかつ
適度の伸びを有し、長期間放置しても基体より剥離しや
すく、粗面にもうけた塗膜であっても破断したり、破れ
たりすることなく連続した膜として容易に剥離できると
いう優れた剥離作業性を有する。
びそれを用いてもうけた塗膜のいずれにおいても優れた
性状を示す。特に基体上にもうけた塗膜は、強くてかつ
適度の伸びを有し、長期間放置しても基体より剥離しや
すく、粗面にもうけた塗膜であっても破断したり、破れ
たりすることなく連続した膜として容易に剥離できると
いう優れた剥離作業性を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西島 昭夫 群馬県渋川市中村1,135 電気化学工業 株式会社渋川工場内
Claims (1)
- 【請求項1】 下記(A)100 重量部に対し、(B)を
5〜100 重量部、(C)を0.1〜5重量部、及び(D)
を含有してなる易剥離性塗料組成物。(A)アセトアセ
タール部分とブチルアセタール部分との割合が重量比で
20:80〜80:20であるアセトアセタール−ブチルアセタ
ール混合ポリビニルアセタール樹脂 (B)可塑剤 (C)離型剤 (D)有機溶剤
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29952291A JPH05112742A (ja) | 1991-10-21 | 1991-10-21 | 易剥離性塗料組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29952291A JPH05112742A (ja) | 1991-10-21 | 1991-10-21 | 易剥離性塗料組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05112742A true JPH05112742A (ja) | 1993-05-07 |
Family
ID=17873686
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29952291A Pending JPH05112742A (ja) | 1991-10-21 | 1991-10-21 | 易剥離性塗料組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05112742A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001508086A (ja) * | 1995-06-12 | 2001-06-19 | エコラボ インク | 洗浄性を高めるために表面に塗布される接着剤剥離剤 |
CN112831303A (zh) * | 2021-02-20 | 2021-05-25 | 上海清津光电子科技有限公司 | 一种可去除胶水及其制备方法 |
WO2022025466A1 (ko) * | 2020-07-27 | 2022-02-03 | 주식회사 해광 | 박리 용이성 도료 조성물 |
-
1991
- 1991-10-21 JP JP29952291A patent/JPH05112742A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001508086A (ja) * | 1995-06-12 | 2001-06-19 | エコラボ インク | 洗浄性を高めるために表面に塗布される接着剤剥離剤 |
WO2022025466A1 (ko) * | 2020-07-27 | 2022-02-03 | 주식회사 해광 | 박리 용이성 도료 조성물 |
JP2023515906A (ja) * | 2020-07-27 | 2023-04-14 | ヘ グァン カンパニー リミテッド | 易剥離性塗料組成物 |
US11952504B2 (en) | 2020-07-27 | 2024-04-09 | Hae Kwang Co., Ltd. | Easily-peelable paint composition |
CN112831303A (zh) * | 2021-02-20 | 2021-05-25 | 上海清津光电子科技有限公司 | 一种可去除胶水及其制备方法 |
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