JP2016160134A - 六方晶窒化ホウ素粉末及びその製造方法 - Google Patents

六方晶窒化ホウ素粉末及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 樹脂に充填して得られる樹脂組成物において、高い熱伝導性と高い絶縁耐力とを併せ持つ樹脂組成物を得ることが可能な六方晶窒化ホウ素粉末を提供する。【解決手段】 六方晶窒化ホウ素の一次粒子からなる凝集粒子を含み、BET比表面積が0.7〜1.3m2/gであり、且つ、JIS K 5101−13−1に基づき測定される吸油量が80g/100g以下であることを特徴とする六方晶窒化ホウ素粉末であり、この六方晶窒化ホウ素粉末は、ホウ素化合物、BET比表面積が70m2/g以下であり、且つ、JIS K 6217−4に基づき測定したDBP吸収量が100ml/100g以下のカーボンブラック及び含酸素カルシウム化合物を特定の割合で含有する混合物を還元窒化することにより得られる。【選択図】 図1

Description

本発明は、新規な六方晶窒化ホウ素粉末の製造方法に関する。詳しくは、樹脂に充填して得られる樹脂組成物に高い熱伝導性と高い絶縁耐力を付与することが可能な六方晶窒化ホウ素粉末及びその製造方法を提供するものである。
六方晶窒化ホウ素は、一般に黒鉛と同様の六方晶系の層状構造を有する白色粉末であり、熱伝導性、電気絶縁性、潤滑性、耐腐食性、離型性、高温安定性、化学的安定性等に優れている。そのため、六方晶窒化ホウ素粉末を充填した樹脂組成物は、成形加工することで熱伝導性絶縁シートとして好適に使用されている。
六方晶窒化ホウ素の製造方法としては、(i)ホウ素を窒素、アンモニア等を用いて直接窒化する方法、(ii)ハロゲン化ホウ素をアンモニアやアンモニウム塩と反応させる方法、(iii)ホウ酸、酸化ホウ素等のホウ素化合物とメラミン等の含窒素化合物とを800℃程度の温度で反応させてホウ素化合物を還元窒化するメラミン法、(iv)窒素雰囲気下、ホウ素化合物とカーボン源を1600℃以上の高温に加熱して、ホウ素化合物を還元窒化する還元窒化法などがある。そのうち、(iv)の還元窒化法は、低コストの原料を使用でき、六方晶窒化ホウ素の製造に最も好適な方法である。
上記還元窒化法において、得られる窒化ホウ素の結晶性を向上させて、六方晶窒化ホウ素を得るためには、通常、原料に結晶化触媒を添加する技術が採用されている。その際使用される結晶化触媒としては金属酸化物が多く用いられる。その中でも含酸素カルシウム化合物が多く用いられる。
そして、上記還元窒化法を代表とする前記製造方法により得られる六方晶窒化ホウ素粉末は、一般に、結晶形に由来する鱗片状粒子からなる一次粒子を含み、該鱗片状粒子は熱的異方性を有している。即ち、前記鱗片状粒子は厚さ方向よりも面方向の熱伝導率の方が格段に優れている。通常、上記鱗片状粒子を含む六方晶窒化ホウ素粉末を充填材として用いた熱伝導性絶縁シートの場合、成形時に鱗片状粒子の板面が該熱伝導性絶縁シート面と平行になるように配向し易いため、鱗片状粒子同士の接触の機会が少なく、該熱伝導性絶縁シートの厚さ方向の熱伝導率は低い。
このような熱的異方性を改善するために、上記鱗片状粒子が配向せずに、多方向を向いた粒子が凝集した松かさ状の六方晶窒化ホウ素凝集粒子が提案されている(特許文献1参照)が、かかる手法により得られる六方晶窒化ホウ素凝集粒子は、該凝集粒子を構成する鱗片状粒子が大きいことから、樹脂に混練すると凝集粒子が崩壊し易く、凝集粒子から遊離した鱗片状粒子の板面が熱伝導性絶縁シート面と平行になるように配向し、該熱伝導性絶縁シートの厚さ方向の熱伝導率が低いという問題があった。
前記六方晶窒化ホウ素凝集粒子の崩壊性を抑える改善策として、凝集粒子を構成する鱗片状粒子の粒子径を小さくすることで該鱗片状粒子同士の付着力を強めるという方法が提案されている(特許文献2参照)が、かかる手法により得られる六方晶窒化ホウ素凝集粒子は、該凝集粒子の表面で鱗片状粒子が放射状、即ち、鱗片状粒子の板面が凝集粒子表面と垂直になるように成長することから、凝集粒子表面に凹凸が多くなり樹脂との混練時に気泡が残存し易く、該気泡が絶縁破壊の起点となり、その結果、熱伝導性絶縁シート等の絶縁耐力が低いという問題があった。
特開平11−26661号公報 特開2013−241321号公報
従って、本発明の目的は、前記鱗片状粒子の熱的異方性を解消するために存在せしめる六方晶窒化ホウ素凝集粒子による熱伝導性絶縁シート等の絶縁耐力低下を抑えること、即ち、六方晶窒化ホウ素凝集粒子を含んでなる六方晶窒化ホウ素粉末を樹脂に充填して得られる樹脂組成物において、絶縁破壊の起点となり得る気泡の残存を抑えることで、高い熱伝導性を有しながらも高い絶縁性を損なわない樹脂組成物を得ることが可能な六方晶窒化ホウ素粉末及びその製造方法を提供することである。
本発明者等は、上記課題を解決するため鋭意検討を行った。その結果、六方晶窒化ホウ素の一次粒子からなる凝集粒子でありながら、比表面積が低く且つ吸油量も低い六方晶窒化ホウ素粉末により、上記課題を解決できるという知見を得た。即ち、前記六方晶窒化ホウ素粉末を構成する低比表面積且つ低吸油量の凝集粒子は、内部に空隙が少なく且つ表面に凹凸が少ないことから、樹脂混練時に前記凝集粒子の内部及び周囲に、絶縁破壊の起点となり得る気泡が残存しにくく、前記凝集粒子を含有してなる六方晶窒化ホウ素粉末を充填して得られる樹脂組成物に、高い熱伝導性を有しながらも高い絶縁性を損なわないという特性を付与することができる。
また、上記凝集粒子を得るには、凝集粒子を構成する六方晶窒化ホウ素一次粒子が微細で且つ該一次粒子の粒度分布が広いことが好適であることを見出した。即ち、かかる一次粒子からなる凝集粒子は、内部の一次粒子充填性が高く且つ表面の凹凸が少ない傾向があり、低比表面積且つ低吸油量である。
そして、更に検討を重ねた結果、ホウ素化合物、カーボン源及び含酸素カルシウム化合物を含有する混合物を原料とする還元窒化法において、カーボン源として低比表面積且つ一次粒子の樹枝状繋がり構造(以下、ストラクチャーともいう)の発達の程度が小さい、特定のカーボンブラックを使用することにより、微細且つ粒度分布の広い六方晶窒化ホウ素一次粒子からなる、低比表面積且つ低吸油量である六方晶窒化ホウ素凝集粒子を製造することに成功し、かかる方法により得られる凝集粒子を含有してなる六方晶窒化ホウ素粉末は、これを充填して得られる樹脂組成物に、高い熱伝導性を付与しながらも、樹脂が本来有する高い絶縁耐力を損なわないという特性を有することを確認し、本発明を完成するに至った。
尚、前記ストラクチャーの発達の程度は、フタル酸ジブチルの吸収量(以下、DBP吸収量)により好適に評価され、ストラクチャーが良く発達した高いストラクチャーを有するカーボンブラックでは高いDBP吸収量を示し、低いストラクチャーを有するカーボンブラックでは低いDBP吸収量を示す。
即ち、本発明によれば、六方晶窒化ホウ素の一次粒子からなる凝集粒子を含み、BET比表面積が0.7〜1.3m/gであり、且つ、JIS K 5101−13−1に基づき測定される吸油量が80g/100g以下であることを特徴とする六方晶窒化ホウ素粉末が提供される。
又、本発明は、前記六方晶窒化ホウ素粉末を含むことを特徴とする樹脂用充填材を提供する。
更に、本発明は、前記樹脂用充填材を40〜70体積%の割合で含むことを特徴とする樹脂組成物を提供する。
更に又、本発明は、前記樹脂組成物よりなる電子部品用放熱材料をも提供する。
尚、上記本発明の樹脂組成物において、用いられる樹脂がエポキシ樹脂であることが好ましい。
又、本発明の六方晶窒化ホウ素粉末は、ホウ素化合物、カーボン源及び含酸素カルシウム化合物を還元窒化して六方晶窒化ホウ素粉末を得るに際し、該カーボン源として、BET比表面積が70m/g以下であり、且つ、JIS K 6217−4に基づき測定したDBP吸収量が100ml/100g以下のカーボンブラックを使用することによって得ることができる。
本発明の六方晶窒化ホウ素粉末は、六方晶窒化ホウ素よりなる一次粒子の凝集粒子により構成されるが、前記BET比表面積、吸油量の値が示すように、かかる凝集粒子は、内部が緻密で且つ表面に凹凸が少ないものである。そのため、凝集粒子内の一次粒子が多方向に存在することで、六方晶窒化ホウ素の有する熱伝導性の異方性が解消される。また、内部が緻密で且つ表面に凹凸が少ないことにより、樹脂に樹脂混練時、前記凝集粒子の内部及び周囲に絶縁破壊の起点となり得る気泡が残存し難いという特性を有する。
従って、本発明の前記低比表面積且つ低吸油量を有する六方晶窒化ホウ素粉末を充填して得られる樹脂組成物は、該六方晶窒化ホウ素粉末による高い熱伝導性を付与されながら、該樹脂組成物内において絶縁破壊の起点となり得る六方晶窒化ホウ素粉末の凝集粒子内部及び周囲の気泡の残存を抑えることで、樹脂が本来有する高い絶縁耐力を維持した樹脂組成物を得ることができるという効果を発揮する。
また、上記本発明の六方晶窒化ホウ素粉末は、カーボン源として低比表面積且つ低いストラクチャーを有するカーボンブラックを使用することを特徴とする還元窒化法により、一段のプロセスにより再現性良く製造することが可能であり、六方晶窒化ホウ素粉末の製造後に造粒等のプロセスを含む製造方法よりも、工業的に有利に凝集粒子を含む六方晶窒化ホウ素粉末を得ることが可能であるという利点も有する。かかる本発明の製造方法において、低い比表面積且つ低いストラクチャーを有するカーボンブラックを使用することにより、本発明の六方晶窒化ホウ素粉末の特徴である内部が緻密で且つ表面に凹凸が少ない凝集粒子が生成する理由について、本発明者等は、次のように推定している。即ち、低比表面積のカーボンブラックは、還元窒化時の反応性が低いために、生成した六方晶窒化ホウ素が十分に粒成長しないため一次粒子が十分成長せず、また、低ストラクチャーのカーボンブラックは、ホウ素化合物や含酸素カルシウム化合物との混合が良好でなく、還元窒化時に部位による反応の不均一を生じるために、粒度分布の広い六方晶窒化ホウ素が生成し、かかる六方晶窒化ホウ素の一次粒子は、緻密な凝集粒子を形成し易く、内部が緻密で且つ表面に凹凸が少ない凝集粒子が生成するものと推定している。
実施例1に示す製造方法により得られた六方晶窒化ホウ素粉末の代表的な粒子の断面構造を示すSEM(Scanning Electron Microscope:走査型電子顕微鏡)写真である。
(六方晶窒化ホウ素粉末)
本発明の六方晶窒化ホウ素粉末は、六方晶窒化ホウ素の一次粒子からなる凝集粒子を含み、BET比表面積が0.7〜1.3m/gであり、且つ、JIS K 5101−13−1に基づき測定される吸油量が80g/100g以下であることを特徴とする。
従来、鱗片状の六方晶窒化ホウ素一次粒子を凝集させることにより、該一次粒子の熱的異方性を解消することは知られているが、かかる凝集粒子は、表面凹凸が多いために樹脂混練時に気泡が残存し易く、樹脂組成物の絶縁耐力が低いという問題があった。これに対し、本発明は、後述する特定の製造方法により、内部が緻密で且つ表面に凹凸が少ない六方晶窒化ホウ素凝集粒子を含んで成る、低い比表面積を有し且つ低い吸油量を有する。
従って、本発明のかかる六方晶窒化ホウ素凝集粒子を充填して得られる樹脂組成物は、六方晶窒化ホウ素の特性である高い熱伝導性を有しながら、絶縁破壊の起点となり得る凝集粒子内部及び周囲の気泡の残存を抑えることで、高い絶縁耐力を発揮することができる。
尚、六方晶窒化ホウ素であることの確認は、粉末X線回折分析によって行うことができ、実施例においても、かかる方法により六方晶窒化ホウ素であることの確認を行った。
一般に、六方晶窒化ホウ素粉末を充填してなる樹脂組成物の絶縁耐力(単位厚さあたりの絶縁破壊電圧)は、例えば、六方晶窒化ホウ素粉末を60体積%含有してなるエポキシ樹脂組成物の場合、30kV/mm程度以上が好適であるとされている。
従って、本発明の六方晶窒化ホウ素粉末において、樹脂に充填した際に上記高い絶縁耐力を発揮するためには、BET比表面積が0.7〜1.3m/g、特に、0.9〜1.3m/gであり、且つ、JIS K 5101−13−1に基づき測定される吸油量が80g/100g以下、特に、70〜80g/100gであることが好ましい。即ち、前記BET比表面積が1.3m/g以下であり、且つ、前記吸油量が80g/100g以下である六方晶窒化ホウ素粉末を樹脂に充填することで、高い絶縁耐力を有する樹脂組成物を得ることができる。しかし、前記BET比表面積が0.7m/g未満の場合には、六方晶窒化ホウ素凝集粒子を構成する一次粒子が大きいことから、樹脂に混練する際に凝集粒子が崩壊し易く、該六方晶窒化ホウ素粉末を充填してなる樹脂組成物において、凝集粒子から遊離した一次粒子が配向することで熱的異方性を生じ、熱伝導性が低下する虞がある。
本発明の六方晶窒化ホウ素粉末は、上記特性を有するものであれば、他の特性は特に制限されないが、一次粒子の平均粒子径は、5μm以下、特に、1〜4μmが好ましい。また、一次粒子径の標準偏差を一次粒子の平均粒子径で除した値により評価される、一次粒子の粒度分布広さは、0.3以上、特に0.3〜1.0が好ましい。尚、前記粒度分布広さの値は、大きい程粒度分布が広い。更に、六方晶窒化ホウ素の凝集粒子の平均粒子径は、60μm以下、特に30〜60μmであることが好ましい。六方晶窒化ホウ素粉末に占める、粒子径10μm以上の凝集粒子の割合は、50質量%以上、特に、60質量%以上であることが好ましい。
(樹脂用充填材)
本発明の六方晶窒化ホウ素粉末は、樹脂に充填した際に、前記した優れた特性を有することから、樹脂用充填材としての用途に好適に使用することができる。
その際、上記本発明の六方晶窒化ホウ素粉末は、樹脂用充填材として単独で好適に使用することができるが、該六方晶窒化ホウ素粉末を主成分とし、他の公知の樹脂用充填材、例えば、窒化アルミニウム粉末、酸化アルミニウム粉末、酸化マグネシウム粉末、酸化亜鉛粉末等を特に制限なく併用することができる。
(樹脂組成物)
上記本発明の樹脂用充填材を充填した本発明の樹脂組成物において、六方晶窒化ホウ素粉末を含有する割合は限定されないが、熱伝導性及び絶縁性の観点から、40〜70体積%であることが好ましい。即ち、樹脂組成物における該樹脂用充填材の含有率が40体積%未満では六方晶窒化ホウ素粒子同士の接触頻度が低いために、熱伝導性が低下する虞があり、樹脂組成物における該樹脂用充填材の含有率が70体積%を超えると樹脂組成物の粘度が上昇して気泡が残存し易くなり、絶縁性が低下する虞がある。
(電子部品用放熱材料)
本発明の電子部品用放熱材料において、上記本発明の樹脂組成物又は該樹脂組成物の成形加工品を、該放熱材料の構成材料として好適に使用することができる。
尚、上記本発明の電子部品用放熱材において、使用する樹脂はエポキシ樹脂であることが好ましい。
(六方晶窒化ホウ素粉末の製造方法)
本発明の六方晶窒化ホウ素粉末の製造方法は、ホウ素化合物、カーボン源及び結晶化触媒の混合物を窒素雰囲気下に加熱してホウ素化合物を還元窒化する方法を基本とするものであり、前記カーボン源に特定のカーボンブラックを使用することを特徴とする。
(原料)
上記本発明の製造方法において、原料のホウ素化合物としては、ホウ素原子を含有する化合物が制限なく使用される。例えば、ホウ酸、無水ホウ酸、メタホウ酸、過ホウ酸、次ホウ酸、四ホウ酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウム等が使用できる。一般的には、入手が容易なホウ酸が好適に用いられる。又、使用するホウ素化合物の平均粒子径も特に限定されないが、操作性及び還元反応制御の観点から、1〜1000μmが好ましく、10〜900μmがより好ましく、20〜800μmが更に好ましい。即ち、ホウ素化合物の平均粒子径が1μmより大きいものを使用することによって、取扱いが容易となる。しかし、1000μmを超えるとホウ素化合物の還元反応が進行し難くなる虞がある。
本発明の製造方法において、カーボン源としては、アセチレンブラック、ファーネスブラック、サーマルブラック等のカーボンブラックを使用することができる。
本発明の製造方法の最大の特徴は、前記カーボン源として、BET比表面積が70m/g以下、特に、10〜65m/gという低い比表面積を有し、且つ、JIS K 6217−4に基づき測定したDBP吸収量が100ml/100g以下、特に、20〜95ml/100gという低いストラクチャーを有するカーボンブラックを使用することにある。
上記特性を有するカーボンブラックを選択した理由は、微細且つ粒度分布の広い六方晶窒化ホウ素一次粒子を生成させるためであり、そして、上記微細且つ粒度分布の広い一次粒子によれば、内部が緻密で且つ表面に凹凸が少ない凝集粒子を構成することができ、前記したように、低い比表面積と低い吸油量を有する六方晶窒化ホウ素粉末を得ることができる。
かかるカーボンブラックを使用することによる作用は、明確にはされていないが、前記特定の比表面積を有するカーボンブラックは、還元窒化時の反応性が低いために、生成した六方晶窒化ホウ素が十分に粒成長しないため、得られる粒子が微細であると推定され、又、前記低いストラクチャーを有するカーボンブラックは、ホウ素化合物や含酸素カルシウム化合物との混合が良好でなく、還元窒化時に部位による反応の不均一を生じるために、粒度分布の広い六方晶窒化ホウ素が生成するものと推定される。
従って、本発明の製造方法において使用するカーボンブラックのBET比表面積が70m/gを超える場合、一次粒子径が大きい粒子が生成するようになり、また、前記DBP吸収量が100ml/100gを超えるカーボンブラックを使用した場合、ストラクチャーが強いものとなり、粒度分布が狭くなり、その結果、内部に隙間が多い又は表面に凹凸が多い六方晶窒化ホウ素凝集粒子となってしまう。
本発明の製造方法において、ホウ素化合物とカーボンブラックとの割合は、元素比(B/C)換算で0.5〜1.0が一般的である。上記割合が1.0を超えると、還元されずに揮散するホウ素化合物の割合が増加し、収率が低下するばかりでなく、前記揮散成分により、製造ラインに悪影響を及ぼす虞がある。又、前記割合が、0.5未満では、未反応のカーボン源の存在割合が増加し、着色の原因となる傾向がある。
また、本発明の製造方法において、結晶化触媒としては、公知の含酸素カルシウム化合物が特に制限無く使用される。前記含酸素カルシウム化合物としては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸水素カルシウム、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、硝酸カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、シュウ酸カルシウム等が挙げられる。その中でも、酸化カルシウム、炭酸カルシウムが好適に使用できる。
上記含酸素カルシウム化合物は、2種類以上を混合して使用することも可能である。又、上記含酸素カルシウム化合物の平均粒子径は、平均粒子径0.01〜600μmが好ましく、0.05〜500μmがより好ましく、0.1〜400μmが特に好ましい。
上記含酸素カルシウム化合物の添加量は、ホウ素化合物とカーボン源との合計量(HBO、C換算値)100質量部に対して、CaO換算で3〜30質量部とすることが好ましく、5〜25質量部とすることがより好ましく、5〜15質量部とすることが更に好ましい。即ち、前記含酸素カルシウム化合物の使用量が3質量部未満では結晶性の高い六方晶窒化ホウ素粉末が得られない。又、前記含酸素カルシウム化合物の使用量が30質量部を超える場合、生成物である六方晶窒化ホウ素粉末からの十分な除去が困難となり、得られる六方晶窒化ホウ素粉末の不純物濃度を上昇させる傾向がある。
本発明の製造方法において、上記の各原料を含む混合物の形態は特に制限されず、粉末状のままでもよいが、バルク体、造粒体を形成してもよい。尚、かかるバルク体は、例えば、ホウ酸、カーボン源、酸化カルシウムを含む混合粉末を加熱し、ホウ酸からメタホウ酸の生成、メタホウ酸の溶融によりバルク体を形成させる方法が挙げられる。
又、上記バルク体の形状は、混合粉末の加熱に使用する容器等の形状に応じて適宜決定すればよく、特に限定されるものではないが、例えば、四角柱状、円柱状、球状、多角形状、不定形状、針状及び板状等の形状が挙げられるが、ハンドリング性の観点から、四角柱状、円柱状、球状等の形状であることが好ましい。又、その大きさは、径(球状以外は相当径)5〜300mm程度が一般的である。
本発明の製造方法において、前記ホウ素化合物、カーボン源、含酸素カルシウム化合物の混合方法は特に制限されず、振動ミル、ビーズミル、ボールミル、ヘンシェルミキサー、ドラムミキサー、振動攪拌機、V字混合機等の一般的な混合機が使用可能である。
(還元窒化)
本発明の製造方法において、結晶性の高い六方晶窒化ホウ素粉末を得るために、通常1700℃以上、好ましくは、1700〜2200℃、更に好ましくは1800〜2000℃で熱処理を行うことが好ましい。即ち、かかる熱処理温度が1700℃未満では結晶性の高い六方晶窒化ホウ素粉末は得られ難い傾向にあり、2200℃を超える場合は、効果が頭打ちとなり、経済的に不利である。
本発明の六方晶窒化ホウ素粉末製造方法において、窒素雰囲気は、公知の手段によって形成することができる。使用するガスとしては、上記窒化処理条件でホウ素に窒素を与えることが可能なガスであれば特に制限されず、窒素ガス、アンモニアガスを使用することも可能であり、窒素ガス、アンモニアガスに、水素、アルゴン、ヘリウム等の非酸化性ガスを混合したガスも使用可能である。
本発明の六方晶窒化ホウ素粉末製造方法は、反応雰囲気制御の可能な公知の装置を使用して行うことができる。例えば、高周波誘導加熱やヒーター加熱により加熱処理を行う雰囲気制御型高温炉が挙げられ、バッチ炉の他、プッシャー式トンネル炉、縦型反応炉、ロータリーキルン等の連続炉も使用可能である。
(酸洗浄)
本発明の製造方法において、上述の還元窒化処理を施した直後は六方晶窒化ホウ素を主成分とするが、ホウ酸カルシウム等の副生成物も含まれているため、かかる副生成物を除去するために、酸を用いて洗浄する操作が一般に実施される。酸洗浄の方法は特に制限されず、公知の方法が制限無く採用されるが、例えば、窒化処理後に得られた副生成物含有六方晶窒化ホウ素を解砕して容器に投入し、該副生成物含有六方晶窒化ホウ素の5〜10倍量の希塩酸(10〜20質量%HCl)を加え、4〜8時間接触せしめる方法が挙げられる。
上記酸洗浄時に用いる酸としては、塩酸以外にも、硝酸、硫酸、酢酸等を用いることも可能である。
上記酸洗浄の後、残存する酸を除去する目的で、純水を用いて洗浄する。前記洗浄の方法としては、上記酸洗浄時の酸をろ過した後、使用した酸と同量の純水に酸洗浄した六方晶窒化ホウ素を分散させ、再度ろ過する。この操作を数回実施することで、六方晶窒化ホウ素粉末の純度が向上する。
(六方晶窒化ホウ素粉末の用途)
本発明の六方晶窒化ホウ素粉末の用途は、特に限定されず、公知の用途に特に制限無く適用可能である。好適に使用される用途を例示するならば、電気絶縁性向上や熱伝導性付与等の目的で樹脂用充填材として使用する用途が挙げられる。また、上記樹脂用充填材としての用途において得られる樹脂組成物は、高い電気絶縁性や熱伝導性を有する。
そして、前記樹脂組成物は、電子部品の放熱シートや放熱ゲルに代表される固体状又は液体状のサーマルインターフェイスマテリアル用などの電子部品用放熱材料として好適に使用できる。
前記樹脂としては、ポリオレフィン、塩化ビニル樹脂、メタクリル酸メチル樹脂、ナイロン、フッ素樹脂等の熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ケイ素樹脂等の熱硬化性樹脂、合成ゴム等が挙げられる。
また、本発明の六方晶窒化ホウ素粉末は、上記用途以外にも、立方晶窒化ホウ素や窒化ホウ素成型品等の窒化ホウ素加工品製品の原料、エンジニアリングプラスチックへの核材、フェーズチェンジマテリアル、固体状又は液体状のサーマルインターフェイスマテリアル、溶融金属や溶融ガラス成形型の離型材、化粧品、複合セラミックス原料等の用途にも使用することができる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例になんら限定されるものではない。
尚、実施例において、各測定値は、以下の方法により測定した値である。
(1)原料カーボンのBET比表面積及びDBP吸収量
原料カーボンのBET比表面積は窒素ガス吸着BET一点法により測定し、DBP吸収量はJIS K 6217−4に基づいて測定した。
(2)六方晶窒化ホウ素一次粒子の平均粒子径及び粒度分布広さ
得られた六方晶窒化ホウ素粉末をSEM観察し、倍率3000倍のSEM観察像から異なる凝集粒子100個を無作為に選び、各凝集粒子から無作為に一次粒子10個を選択し、それぞれの一次粒子について長軸の長さを測定し、合計1000個の一次粒子について、上記測定値の平均値を算出して、六方晶窒化ホウ素一次粒子の平均粒子径とした。また、上記測定値の標準偏差を算出して、前記平均粒子径で除した値を、六方晶窒化ホウ素一次粒子の粒度分布広さとした。
(3)六方晶窒化ホウ素凝集粒子の平均粒子径
得られた六方晶窒化ホウ素粉末0.3gを50ccの5%ドデシル硫酸ナトリウム水溶液と共に、容積100cc、直径4cmのスクリュー管瓶に投入し、マグネチックスターラー(直径7mm×長さ25mm)を使用し、300rpmの回転数で5分間撹拌することにより分散させた六方晶窒化ホウ素懸濁液について、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置(HORIBA製LA−950V2)を用いて、粒度分布を測定し、D50を求めて、六方晶窒化ホウ素凝集粒子の平均粒子径とした。
(4)六方晶窒化ホウ素粉末に占める、粒子径10μm以上の凝集粒子の割合
得られた六方晶窒化ホウ素粉末をSEM観察し、倍率500倍で観察した250μm×170μm四方のSEM観察像を画像解析装置(A像くん:旭化成エンジニアリング株式会社製)により解析し、異なる粒子5000個となるまで無作為に選び、凝集粒子と単粒子に選別した。尚、2つ以上の単粒子を含むものを凝集粒子とした。更に、選別された凝集粒子から、粒子径10μm以上の凝集粒子を画像解析にて抽出し、上記5000個の粒子に占める、抽出された前記凝集粒子の質量割合を算出した。
(5)六方晶窒化ホウ素粉末のBET比表面積及び吸油量
得られた六方晶窒化ホウ素粉末のBET比表面積は窒素ガス吸着BET一点法により測定し、吸油量はJIS K 5101−13−1に基づいて測定した。
(6)六方晶窒化ホウ素粉末を樹脂に充填した際の熱伝導率及び絶縁耐力
得られた六方晶窒化ホウ素粉末を樹脂に充填した際の粘度、熱伝導率及び絶縁耐力の評価は、以下のようにして行った。
基材樹脂として、エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製JER806)100質量部と硬化剤(脂環式ポリアミン系硬化剤、三菱化学株式会社製JERキュア113)28質量部との混合物を準備した。
次に、基材樹脂40体積%と、前記特定六方晶窒化ホウ素粉末60体積%とをメチルエチルケトンを溶媒として混合した後、溶媒を乾固させて樹脂組成物を得た。
これを金型体に注型し、熱プレスを使用し、温度:150℃、圧力:5MPa、保持時間:1時間の条件で硬化させ、直径10mm、厚さ1.2mmのシートを作製し、レーザーフラッシュ法にて熱伝導率を測定した。又、耐電圧試験機(多摩電測株式会社製)にて絶縁耐力を測定した。
実施例1
ホウ酸(平均粒子径75μm)、カーボンブラック(BET比表面積24m/g、DBP吸収量28ml/100g)、酸化カルシウム(平均粒子径:100μm)を表1に示す割合で含有する混合物100gをボールミルにて混合した。該混合物50gを、黒鉛製タンマン炉を用い、窒素ガス雰囲気下、15℃/分で1900℃まで昇温し、1900℃で6時間保持することで窒化処理した。
次いで、副生成物含有六方晶窒化ホウ素を解砕して容器に投入し、該副生成物含有六方晶窒化ホウ素の5倍量の塩酸(10質量%HCl)を加え、回転数800rpmで24時間撹拌した。該酸洗浄の後、酸をろ過し、使用した酸と同量の純水に、ろ過して得られた六方晶窒化ホウ素を分散させ、再度ろ過した。この操作を5回繰り返した後、150℃で8時間乾燥させた。
乾燥後に得られた粉末を目開き90μmの篩にかけて、粗大粒子を除去し、凝集粒子の平均粒子径38μmの白色の六方晶窒化ホウ素粉末を得た。得られた六方晶窒化ホウ素粉末について、前記(2)〜(4)の各測定値を表2に、BET比表面積及び吸油量を表3に示した。
又、得られた六方晶窒化ホウ素粉末について、エポキシ樹脂に充填して得られた樹脂組成物の熱伝導率及び絶縁耐力の評価結果を表4に示した。
実施例2
カーボンブラックのBET比表面積を60m/g、DBP吸収量を54ml/100gとした以外は実施例1と同様にして、凝集粒子の平均粒子径56μmの白色の六方晶窒化ホウ素粉末を得た。各測定値を表2及び表3に示した。
又、得られた六方晶窒化ホウ素粉末について、エポキシ樹脂に充填して得られた樹脂組成物の熱伝導率及び絶縁耐力の評価結果を表4に示した。
実施例3
カーボンブラックのBET比表面積を14m/g、DBP吸収量を90ml/100gとした以外は実施例1と同様にして、凝集粒子の平均粒子径47μmの白色の六方晶窒化ホウ素粉末を得た。各測定値を表2及び表3に示した。
又、得られた六方晶窒化ホウ素粉末について、エポキシ樹脂に充填して得られた樹脂組成物の熱伝導率及び絶縁耐力の評価結果を表4に示した。
実施例4
カーボンブラックのBET比表面積を55m/g、DBP吸収量を70ml/100gとした以外は実施例1と同様にして、凝集粒子の平均粒子径58μmの白色の六方晶窒化ホウ素粉末を得た。各測定値を表2及び表3に示した。
又、得られた六方晶窒化ホウ素粉末について、エポキシ樹脂に充填して得られた樹脂組成物の熱伝導率及び絶縁耐力の評価結果を表4に示した。
比較例1
カーボンブラックのBET比表面積を119m/g、DBP吸収量を114ml/100gとした以外は実施例1と同様にして、白色の六方晶窒化ホウ素粉末を得た。各測定値を表2及び表3に示した。カーボンブラックのBET比表面積が高く且つDBP吸収量が高いため、六方晶窒化ホウ素粉末のBET比表面積が1.4m/gと高く且つ吸油量が81g/100gと高かった。凝集粒子の平均粒子径は、97μmであった。
又、得られた六方晶窒化ホウ素粉末について、エポキシ樹脂に充填して得られた樹脂組成物の熱伝導率及び絶縁耐力の評価結果を表4に示した。六方晶窒化ホウ素粉末のBET比表面積が高く且つ吸油量が高いため、絶縁耐力が低かった。
比較例2
カーボンブラックのBET比表面積を315m/g、DBP吸収量を37ml/100gとした以外は実施例1と同様にして、白色の六方晶窒化ホウ素粉末を得た。各測定値を表2及び表3に示した。カーボンブラックのBET比表面積が高いため、六方晶窒化ホウ素粉末のBET比表面積が2.3m/gと高かった。凝集粒子の平均粒子径は、93μmであった。
又、得られた六方晶窒化ホウ素粉末について、エポキシ樹脂に充填して得られた樹脂組成物の熱伝導率及び絶縁耐力の評価結果を表4に示した。六方晶窒化ホウ素粉末のBET比表面積が高いため、絶縁耐力が低かった。
比較例3
カーボンブラックのBET比表面積を50m/g、DBP吸収量を180ml/100gとした以外は実施例1と同様にして、白色の六方晶窒化ホウ素粉末を得た。各測定値を表2及び表3に示した。カーボンブラックのDBP吸収量が高いため、六方晶窒化ホウ素粉末の吸油量が84g/100gと高かった。凝集粒子の平均粒子径は、76μmであった。
又、得られた六方晶窒化ホウ素粉末について、エポキシ樹脂に充填して得られた樹脂組成物の熱伝導率及び絶縁耐力の評価結果を表4に示した。六方晶窒化ホウ素粉末の吸油量が高いため、絶縁耐力が低かった。
比較例4
カーボンブラックのBET比表面積を145m/g、DBP吸収量を147ml/100gとした以外は実施例1と同様にして、白色の六方晶窒化ホウ素粉末を得た。各測定値を表2及び表3に示した。カーボンブラックのBET比表面積が高く且つDBP吸収量が高いため、六方晶窒化ホウ素粉末のBET比表面積が1.5m/gと高く且つ吸油量が83g/100gと高かった。凝集粒子の平均粒子径は、110μmであった。
又、得られた六方晶窒化ホウ素粉末について、エポキシ樹脂に充填して得られた樹脂組成物の熱伝導率及び絶縁耐力の評価結果を表4に示した。六方晶窒化ホウ素粉末のBET比表面積が高く且つ吸油量が高いため、絶縁耐力が低かった。
Figure 2016160134
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実施例5
ホウ酸(平均粒子径75μm)、カーボンブラック(BET比表面積24m/g、DBP吸収量28ml/100g)、酸化カルシウム(平均粒子径:100μm)をホウ酸とカーボンブラックとの割合(元素比B/C)が0.7、ホウ酸とカーボンブラックとの合計量100質量部に対する酸化カルシウム質量部が10となる割合で含有する混合物100gをボールミルにて混合した。該混合物50gを、黒鉛製タンマン炉を用い、窒素ガス雰囲気下、15℃/分で1900℃まで昇温し、1900℃で6時間保持することで窒化処理した。
次いで、副生成物含有六方晶窒化ホウ素を解砕して容器に投入し、該副生成物含有六方晶窒化ホウ素の5倍量の塩酸(10質量%HCl)を加え、回転数800rpmで24時間撹拌した。該酸洗浄の後、酸をろ過し、使用した酸と同量の純水に、ろ過して得られた六方晶窒化ホウ素を分散させ、再度ろ過した。この操作を5回繰り返した後、150℃で8時間乾燥させた。
乾燥後に得られた粉末を目開き90μmの篩にかけて、粗大粒子を除去し、凝集粒子の平均粒子径57μmの白色の六方晶窒化ホウ素粉末を得た。得られた六方晶窒化ホウ素粉末について、一次粒子の平均粒子径は3.3μm、一次粒子の粒度分布広さは0.65、凝集粒子の割合は80質量%、BET比表面積は、0.9m/g、吸油量は、78g/100gであった。
又、得られた六方晶窒化ホウ素粉末について、エポキシ樹脂に充填して得られた樹脂組成物の熱伝導率は、11.0W・m−1・K−1、また、絶縁耐力の評価結果は、38kV/mmであった。

Claims (6)

  1. 六方晶窒化ホウ素の一次粒子からなる凝集粒子を含み、BET比表面積が0.7〜1.3m/gであり、且つ、JIS K 5101−13−1に基づき測定される吸油量が80g/100g以下であることを特徴とする六方晶窒化ホウ素粉末。
  2. 請求項1に記載の六方晶窒化ホウ素粉末を含むことを特徴とする樹脂用充填材。
  3. 請求項2記載の樹脂用充填材を40〜70体積%の割合で含むことを特徴とする樹脂組成物。
  4. 請求項3の樹脂組成物よりなる電子部品用放熱材料。
  5. 樹脂がエポキシ樹脂である請求項2〜4のいずれか一項に記載の樹脂用充填材。
  6. ホウ素化合物、カーボン源及び含酸素カルシウム化合物を還元窒化して六方晶窒化ホウ素粉末を得るに際し、該カーボン源として、BET比表面積が70m/g以下であり、且つ、JIS K 6217−4に基づき測定したDBP吸収量が100ml/100g以下のカーボンブラックを使用することを特徴とする六方晶窒化ホウ素粉末の製造方法。
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