JP2016157823A - 電子部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】高いインピーダンス値を確保することができる電子部品を提供する。
【解決手段】電子部品としてのコモンモードチョークコイル10は、積層体12を含む。積層体12は、複数の絶縁体層28a〜28e,31が厚み方向に積層されて構成され、かつ、複数の絶縁体層28a〜28e,31の積層方向に窪んだ凹部30が設けられている。積層体12内には、2つのコイル導体16a,16bが設けられている。凹部30には、磁性樹脂材料21が充填されている。磁性樹脂材料21は、軟磁性金属粉を熱硬化性樹脂に混合した磁粉含有樹脂で形成されている。軟磁性金属粉は、平均粒径が12μm以下である。磁粉含有樹脂は、軟磁性金属粉を65vol%以上85vol%以下の範囲で混合した磁粉含有樹脂である。
【選択図】図3

Description

この発明は、電子部品に関し、特に、コイル導体および磁性樹脂材料を有する、たとえば、コモンモードチョークコイルなどの電子部品に関する。
特開2013−153184公報には、コモンモードチョークコイルが開示されている(特許文献1参照)。特許文献1に開示されているコモンモードチョークコイルは、Ni−Znフェライト等のフェライト焼結体から構成されているフェライト基板を含む。フェライト基板上には、加熱硬化されたポリイミド樹脂材料から構成されている絶縁層が形成されている。絶縁層に囲まれるように、Cu、Au、Al又はAg等の導電材料から構成されているコイル導体層が形成されている。コイル導体層の中央部(磁芯部)を含む絶縁層上には、フェライト粒子を含有するエポキシ樹脂材料から構成されている複合フェライト樹脂層が形成されている。
特開2013−153184公報
上述のコモンモードチョークコイルにおいて、フェライト粒子(酸化物磁性材料)として、高周波向けではNi−Znフェライトが挙げられる。しかしながら、Ni−Znフェライト粉は、オープンポアが多いため、エポキシ樹脂材料にフェライト粒子を62vol%以上充填することができない場合がある。その場合、複合フェライト樹脂層の透磁率μが低く(μ<6)、コモンモードチョークコイルにおける高周波域たとえば100MHzでのインピーダンス値(Z値)を十分に確保する上では向いていない。
それゆえに、この発明の主たる目的は、高いインピーダンス値を確保することができる電子部品を提供することである。
この発明にかかる電子部品は、複数の絶縁体層が厚み方向に積層されて構成され、かつ、複数の絶縁体層の積層方向に窪んだ凹部が設けられた積層体と、積層体内に設けられた少なくとも1つのコイル導体とを備え、凹部に磁性樹脂材料が充填された電子部品において、磁性樹脂材料は、軟磁性金属粉を熱硬化性樹脂に混合した磁粉含有樹脂で形成され、軟磁性金属粉は、平均粒径が12μm以下であり、磁粉含有樹脂は、軟磁性金属粉を65vol%以上85vol%以下の範囲で混合した磁粉含有樹脂であることを特徴とする、電子部品である。
この発明にかかる電子部品では、軟磁性金属粉は、結晶性Fe−Ni系合金または結晶性Fe−Si系合金であることが好ましく、熱硬化性樹脂は、芳香族テトラカルボン酸二無水物および芳香族ジアミンで構成されることが好ましい。
また、この発明にかかる電子部品では、軟磁性金属粉の粉体表面が絶縁コーティングされていることが好ましい。
この発明にかかる電子部品では、積層体の凹部に充填されている磁性樹脂材料は、軟磁性金属粉を熱硬化性樹脂に混合した磁粉含有樹脂で形成され、軟磁性金属粉は、平均粒径が12μm以下であり、磁粉含有樹脂は、軟磁性金属粉を65vol%以上85vol%以下の範囲で混合した磁粉含有樹脂である。そのため、この発明にかかる電子部品では、より高周波域での高Z値(高μ値)化が達成でき、たとえば高周波差動電送向けに対応したコモンモードフィルタとして用いられるコモンモードチョークコイルなどの電子部品が得られる。
この発明にかかる電子部品では、軟磁性金属粉が、結晶性Fe−Ni系合金または結晶性Fe−Si系合金であり、熱硬化性樹脂が、芳香族テトラカルボン酸二無水物および芳香族ジアミンで構成される場合、より高周波域での高Z値(高μ値)化が達成できるとともに、磁性樹脂材料において低粘度化による充填性の向上や印刷性の向上が可能である。
さらに、この発明にかかる電子部品では、軟磁性金属粉の粉体表面が絶縁コーティングされている場合、より高周波域での高Z値(高μ値)化および高Q値化が達成できるとともに、たとえば高周波差動電送向けに対応したコモンモードフィルタとして用いられるコモンモードチョークコイルなどの電子部品が得られる。
この発明によれば、高いインピーダンス値を確保することができる電子部品が得られる。
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明を実施するための形態の説明から一層明らかとなろう。
この発明にかかる電子部品としてのコモンモードチョークコイルの一例を示す外観斜視図である。 図1に示すコモンモードチョークコイルの分解斜視図である。 図1の線III−IIIにおける断面図である。
図1は、この発明にかかる電子部品としてのコモンモードチョークコイルの一例を示す外観斜視図であり、図2は、図1に示すコモンモードチョークコイルの分解斜視図であり、図3は、図1の線III−IIIにおける断面図である。
以下、図1に示すコモンモードチョークコイル10の積層方向をz軸方向と定義し、z軸方向から平面視したときに、コモンモードチョークコイル10の長辺に沿った方向をx軸方向と定義し、コモンモードチョークコイル10の短辺に沿った方向をy軸方向と定義する。x軸、y軸およびz軸は、互いに直交している。
コモンモードチョークコイル10は、図1に示すように、直方体状を成している。また、コモンモードチョークコイル10は、図1ないし図3に示すように、積層体12、外部電極14a〜14d、コイル導体16a,16b、引き出し導体17a〜17d、ビアホール導体v1,v2、磁性樹脂材料21,22(絶縁材料)、接着層24および磁性体基板29を備えている。なお、図1に示すように、コモンモードチョークコイル10のx軸方向の負方向側の面を側面S1と称し、x軸方向の正方向側の面を側面S2と称す。
積層体12は、図1および図2に示すように、直方体状を成しており、絶縁体層28a〜28eおよび磁性体基板31(第1の磁性体基板)が積層されて構成されている。絶縁体層28a〜28eは、z軸方向の正方向側からこの順に並ぶように積層されている。また、絶縁体層28a〜28eは、図2に示すように、z軸方向から平面視したときに、長方形状を成している。なお、絶縁体層28a〜28eは、ポリイミド樹脂またはポリイミドアミド樹脂などの絶縁樹脂材料で構成されている。また、絶縁体層28a〜28eは、ガラスセラミックスなどの絶縁性無機材料で構成されていてもよい。
磁性体基板31は、図2に示すように、積層体12においてz軸方向の負方向の一端に位置している。また、磁性体基板31は、z軸方向から平面視したときに、長方形状を成している。なお、磁性体基板31は、フェライトなどの磁性材料により構成された絶縁体層である。
さらに、積層体12には、図2および図3に示すように、凹部30が設けられている。凹部30は、積層体12のx軸方向およびy軸方向の略中心に設けられており、z軸方向から平面視したときに、円形を成している。凹部30は、絶縁体層28a〜28eを貫き、積層体12のz軸方向の正方向側の面(すなわち、絶縁体層28aのz軸方向の正方向側の面)からz軸方向の負方向側に窪んでいる。なお、凹部30の底部は、磁性体基板31(第1の磁性体基板)の主面間に位置している。
凹部30の形状は、図3に示すように、積層方向と直交する方向から平面視したときに、z軸方向の負方向側に凸である放物線状を成している。また、凹部30の内周面S10は、連続な面により構成されている。なお、ここにいう連続とは、角がなく滑らかであることを意味する。
凹部30には、図2および図3に示すように、磁性樹脂材料21(絶縁材料)が充填される。磁性樹脂材料21は、軟磁性金属粉を熱硬化性樹脂に混合した磁粉含有樹脂で形成されている。軟磁性金属粉は、平均粒径が12μm以下であり、好ましくは5μmである。また、磁粉含有樹脂は、軟磁性金属粉を65vol%以上85vol%以下の範囲で混合した磁粉含有樹脂である。軟磁性金属粉は、結晶性Fe−Ni系合金または結晶性Fe−Si系合金であることが好ましく、熱硬化性樹脂は、芳香族テトラカルボン酸二無水物および芳香族ジアミンで構成されることが好ましい。また、軟磁性金属粉の粉体表面がたとえばSiおよびPを含む絶縁体で絶縁コーティングされていることが好ましい。この磁性樹脂材料21の透磁率は、絶縁体層28a〜28eの透磁率よりも高い。
コイル導体16a(第1のコイル導体),16b(第2のコイル導体)は、図2および図3に示すように、積層体12内に設けられ、かつ、互いに電磁気的に結合することにより、コモンモードチョークコイルを構成している。より詳細には、コイル導体16aは、絶縁体層28cのz軸方向の正方向側の面に設けられている線状導体である。コイル導体16bは、絶縁体層28dのz軸方向の正方向側の面に設けられている線状導体である。すなわち、コイル導体16a,16bは、絶縁体層28cを挟んでz軸方向に対向している。また、コイル導体16a,16bは、共に、凹部30の周囲を時計回りに周回しながら中心に近づく渦巻き形状を成している。
引き出し導体17aは、図2に示すように、積層体12の絶縁体層28bのz軸方向の正方向側の面に設けられている。また、引き出し導体17aは、z軸方向から平面視したときに、コイル導体16aの内側の端部と重なる位置からコモンモードチョークコイル10の側面S2まで引き出されている。より詳細には、引き出し導体17aは、引き出し部19aおよび接続部20aを含んでいる。引き出し部19aのx軸方向の負方向側の一端は、z軸方向から平面視したときに、コイル導体16aの内側の端部と重なっている。引き出し部19aは、x軸方向の負方向側の一端から絶縁体層28bのx軸方向の正方向側の辺近傍まで直線的に延在していると共に、y軸方向の負方向側に向けて折れ曲がっている。接続部20aは、引き出し部19aの他端に接続され、絶縁体層28bのx軸方向の正方向側の辺に引き出されている。これにより、接続部20aは、コモンモードチョークコイル10の側面S2から、y軸方向に延在する線状に露出している。
引き出し導体17bは、図2に示すように、積層体12の絶縁体層28cのz軸方向の正方向側の面に設けられている。コイル導体16aの外側の端部からコモンモードチョークコイル10の側面S1まで引き出されている。より詳細には、引き出し導体17bは、引き出し部19bおよび接続部20bを含んでいる。引き出し部19bは、コイル導体16aの外側の端部から絶縁体層28cのx軸方向の負方向側の辺近傍まで直線的に延在していると共に、y軸方向の負方向側に向かって折れ曲がっている。接続部20bは、引き出し部19bの端部に接続され、絶縁体層28cのx軸方向の負方向側の辺に引き出されている。これにより、接続部20bは、コモンモードチョークコイル10の側面S1から、y軸方向に延在する線状に露出している。
引き出し導体17cは、図2に示すように、積層体12の絶縁体層28dのz軸方向の正方向側の面に設けられている。コイル導体16bの外側の端部からコモンモードチョークコイル10の側面S1まで引き出されている。より詳細には、引き出し導体17cは、引き出し部19cおよび接続部20cを含んでいる。引き出し部19cは、コイル導体16bの外側の端部から絶縁体層28dのx軸方向の負方向側の辺近傍まで直線的に延在していると共に、y軸方向の正方向側に向かって折れ曲がっている。接続部20cは、引き出し部19cの端部に接続され、絶縁体層28dのx軸方向の負方向側の辺に引き出されている。これにより、接続部20cは、コモンモードチョークコイル10の側面S1から、y軸方向に延在する線状に露出している。
引き出し導体17dは、図2に示すように、積層体12の絶縁体層28eのz軸方向の正方向側の面に設けられている。また、引き出し導体17dは、z軸方向から平面視したときに、コイル導体16bの内側の端部と重なる位置からコモンモードチョークコイル10の側面S2まで引き出されている。より詳細には、引き出し導体17dは、引き出し部19dおよび接続部20dを含んでいる。引き出し部19dのx軸方向の負方向側の一端は、z軸方向から平面視したときに、コイル導体16bの内側の端部と重なっている。引き出し部19dは、x軸方向の負方向側の一端から絶縁体層28eのx軸方向の正方向側の辺近傍まで直線的に延在していると共に、y軸方向の正方向側に向けて折れ曲がっている。接続部20dは、引き出し部19dの他端に接続され、絶縁体層28eのx軸方向の正方向側の辺に引き出されている。これにより、接続部20dは、コモンモードチョークコイル10の側面S2から、y軸方向に延在する線状に露出している。
ビアホール導体v1は、図2に示すように、絶縁体層28bをz軸方向に貫通しており、コイル導体16aの内側の端部と引き出し導体17aの引き出し部19aのx軸方向の負方向側の一端とを接続している。ビアホール導体v2は、図2に示すように、絶縁体層28dをz軸方向に貫通しており、コイル導体16bの内側の端部と引き出し導体17dの引き出し部19dのx軸方向の負方向側の一端とを接続している。
外部電極14a,14bは、それぞれ、図1に示すように、コモンモードチョークコイル10の側面S1に設けられており、引き出し導体17b,17cと接続されている。より詳細には、外部電極14a,14bは、それぞれ、側面S1において、z軸方向に延在するように設けられている。また、外部電極14a,14bは、y軸方向の負方向側から正方向側へとこの順に並んでいる。外部電極14aは、引き出し導体17bの接続部20bと接続されている。また、外部電極14bは、引き出し導体17cの接続部20cと接続されている。
外部電極14c,14dは、それぞれ、図1に示すように、コモンモードチョークコイル10の側面S2に設けられており、引き出し導体17a,17dと接続されている。より詳細には、外部電極14c,14dは、それぞれ、側面S2において、z軸方向に延在するように設けられている。また、外部電極14c,14dは、y軸方向の負方向側から正方向側へとこの順に並んでいる。外部電極14cは、引き出し導体17aの接続部20aと接続されている。また、外部電極14dは、引き出し導体17dの接続部20dと接続されている。
積層体12の絶縁体層28aのz軸方向の正方向側の面上には、図2および図3に示すように、層状の磁性樹脂材料22が設けられている。磁性樹脂材料22は、z軸方向から平面視したときに、長方形状を成している。また、磁性樹脂材料22は、軟磁性金属粉を熱硬化性樹脂に混合した磁粉含有樹脂で形成されている。軟磁性金属粉は、平均粒径が12μm以下であり、好ましくは5μmである。また、磁粉含有樹脂は、軟磁性金属粉を65vol%以上85vol%以下の範囲で混合した磁粉含有樹脂である。軟磁性金属粉は、結晶性Fe−Ni系合金または結晶性Fe−Si系合金であることが好ましく、熱硬化性樹脂は、芳香族テトラカルボン酸二無水物および芳香族ジアミンで構成されることが好ましい。また、軟磁性金属粉の粉体表面がたとえばSiおよびPを含む絶縁体で絶縁コーティングされていることが好ましい。この例においては、磁性樹脂材料22と磁性樹脂材料21は、同じ材料で構成されている。
磁性樹脂材料22のz軸方向の正方向側の面上には、図2および図3に示すように、接着層24を挟んで、磁性体基板29(第2の磁性体基板)が設けられている。磁性体基板29は、z軸方向から平面視したときに、長方形状を成している。磁性体基板29は、フェライトなどの磁性材料により構成された磁性体基板であり、コイル導体16a,16bなどが設けられた絶縁体層28a〜28e、磁性樹脂材料22および接着層24を挟んで、磁性体基板31(第1の磁性体基板)と反対側に位置している。なお、接着層24は、エポキシ樹脂などの熱硬化型の接着剤で構成され、磁性樹脂材料22と磁性体基板29との接着強度を高めるために用いられている。
以上のように構成されたコモンモードチョークコイル10では、コイル導体16a,16bは、z軸方向から平面視したときに重なっている。これにより、コイル導体16aが発生した磁束がコイル導体16bを通過するようになり、コイル導体16bが発生した磁束がコイル導体16aを通過するようになる。したがって、コイル導体16aとコイル導体16bとが磁気結合するようになり、コイル導体16aとコイル導体16bとがコモンモードチョークコイルを構成するようになる。そして、外部電極14a、14bが入力端子として用いられ、外部電極14c,14dが出力端子として用いられる。すなわち、差動伝送信号が、外部電極14a,14bから入力し、外部電極14c,14dから出力する。そして、差動伝送信号にコモンモードノイズが含まれている場合には、コイル導体16a,16bは、コモンモードノイズの電流により、同じ方向に磁束を発生する。そのため、磁束同士が強め合うようになり、コモンモードノイズの電流に対するインピーダンスが発生する。その結果、コモンモードノイズの電流は、熱に変換されて、コイル導体16a,16bを通過することが妨げられる。また、ノーマルモードの電流が流れた場合には、コイル導体16a,16bは、逆方向に磁束を発生する。そのため、磁束が打ち消し合うようになり、ノーマルモードの電流に対しては、インピーダンスが発生しない。したがって、ノーマルモードの電流は、コイル導体16a,16bを通過することができる。
次に、このコモンモードチョークコイル10の製造方法の一例について説明する。なお、以下では、1つのコモンモードチョークコイル10の製造方法について説明するが、実際には、複数の積層体12、磁性樹脂材料22、接着層24および磁性体基板29がつながったマザー積層体を作製し、マザー積層体をカットした後に外部電極14a〜14dを形成して、複数のコモンモードチョークコイル10を得る。
まず、磁性体基板31上にポリイミド樹脂またはポリイミドアミド樹脂からなる絶縁体層28eを形成する。具体的には、スピン法により、磁性体基板31上に樹脂膜を塗布することで、絶縁体層28eを形成する。
形成された絶縁体層28e上に、フォトリソグラフィにより、Ag、CuまたはAuなの電気導電性の高い材料を主成分とする引き出し導体17dを形成する。具体的には、めっき、蒸着、スパッタリングなどにより絶縁体層28eの表面全面に金属膜を形成する。そして、金属膜に対して感光性レジスト膜を塗布し、露光および現像を行う。この後、感光性レジスト膜から露出した金属膜の部分をエッチングにより除去した後、感光性レジスト膜を有機溶剤により除去する。これにより、引き出し導体17dが形成される。
次に、絶縁体層28eおよび引き出し導体17d上にフォトリソグラフィにより、ポリイミド樹脂またはポリイミドアミド樹脂からなる絶縁体層28dを形成する。具体的には、スピン法により、絶縁体層28e上に感光性樹脂膜を塗布する。そして、感光性樹脂膜に対して露光および現像を行って、ビアホール導体v2となるビアホールが形成された絶縁体層28dを形成する。
形成された絶縁体層28d上にフォトリソグラフィにより、Ag、CuまたはAuなどの電気導電性の高い材料を主成分とするコイル導体16b、引き出し導体17cおよびビアホール導体v2を形成する。具体的には、めっき、蒸着、スパッタリングなどにより絶縁体層28dの表面全面に金属膜を形成する。この際、絶縁体層28dのビアホールに金属が充填され、ビアホール導体v2が形成される。そして、金属膜に対して感光性レジスト膜を塗布し、露光および現像を行う。この後、感光性レジスト膜から露出した金属膜の部分をエッチングにより除去した後、感光性レジスト膜を除去する。これにより、コイル導体16b、引き出し導体17cおよびビアホール導体v2が形成される。
この後、絶縁体層28dの形成工程およびコイル導体16b、引き出し導体17cおよびビアホール導体v2の形成工程と同様の工程を繰り返す。これにより、絶縁体層28a〜28c、コイル導体16a、引き出し導体17a,17bおよびビアホール導体v1を形成する。以上の工程(第1の工程)により、積層体12が完成する。
さらに、ドライフィルムレジストおよびサンドブラストを用いて凹部30を形成する(第2の工程)。より詳細には、絶縁体層28a上に感光性樹脂フィルムを貼りつける。貼り付け後、凹部30を形成しない部分(受光部)に光を照射する。そして、光を照射していない部分(非受光部)を現像により除去する。続いて、現像により除去された部分に対して、サンドブラストを行う。これにより、絶縁体層28a〜28eおよび磁性体基板31が削られ、凹部30が形成される。なお、サンドブラストにより、凹部30は、絶縁体層28a〜28eを貫通する。さらに、凹部30の底部は、磁性体基板31に達する。なお、サンドブラストを用いて複数の絶縁体層28a〜28eおよび磁性体基板31に対して、同時に凹部30を形成するため、凹部30の内周面S10は、角がなく滑らかな面となる。凹部30を形成した後に、感光性樹脂フィルムの受光部を除去する。
次に、スクリーン印刷法により、磁性樹脂材料21(絶縁材料)を凹部30に埋め込むと共に層状の磁性樹脂材料22を形成する(第3の工程)。具体的には、ペースト状の磁粉含有樹脂を絶縁体層28a上に載せた状態で、スキージを押し当て摺動させる。その後、ペースト状の磁粉含有樹脂を熱硬化させる。これにより、磁性樹脂材料21を凹部30に埋め込むと共に、磁性樹脂材料22を形成する。
磁性樹脂材料21,22を形成するための磁粉含有樹脂としては、軟磁性金属粉を、芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンとを有機溶媒に溶かした樹脂ワニスに、混合した材料が用いられる。この場合、軟磁性金属粉は、平均粒径が12μm以下(望ましくは5.0μm)であり、かつ、扁平率がたとえば0.65である。また、磁粉含有樹脂としては、軟磁性金属粉が65vol%以上85vol%以下の範囲で混合した材料が用いられる。さらに、その軟磁性金属粉として結晶性Fe−Ni系合金または結晶性Fe−Si系合金を用いることが、それによってより高い透磁率μおよびZ値を確保できる点で望ましい。また、軟磁性金属粉の粉体表面がたとえばSiおよびPを含む絶縁体で絶縁コーティングされていることが好ましい。
上述の芳香族テトラカルボン酸二無水物として、ピロメリット酸二無水物(PMDA)、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸(BPDA)、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物(6FDA)、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3、3’、4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−1,2,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−1,2,6,7−テトラカルボン酸二無水物などが挙げられる。
また、芳香族ジアミンとして、4,6−ジメチル−m−フェニレンジアミン、2,5−ジメチル−p−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノメシチレン、2,4−トルエンジアミン、m−フェニレンジアミン、3,3’−ジアミノジフェニルプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルエタン、3,3’−ジアミノジフェニルエタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、ベンジジン、3,3’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメトキシベンジジン、4,4”−ジアミノ−p−ターフェニルなどが挙げられる。
さらに、芳香族テトラカルボン酸二無水物および芳香族ジアミンを溶解する有機溶剤としては、NMP(N−メチルピロリドン)またはγ−ブチロラクトンなどが用いられる。
また、上述の結晶性Fe−Ni系合金としては、78−パーマロイ(パーマロイA)、36−パーマロイ(パーマロイD)、45パーマロイ(パーマロイB)、42パーマロイなどが挙げられ、結晶性Fe−Si系合金としては、ケイ素鋼(6.5%ケイ素鋼、無方向性ケイ素鋼など)やFe−Si−Cr合金(Fe−4Si−5Cr、Fe−5Cr−3Siなど)、センダスト合金(Fe−9.5Si−5.5Al)などが挙げられ、これらの合金の1種または2種以上が軟磁性金属粉として使用される。
磁性樹脂材料21,22は、硬化温度250℃以上で硬化する。磁性樹脂材料21,22としては、上述の芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンとの当量比率が80:100〜100:80の範囲内において問題のない硬化物が得られる。
続いて、磁性樹脂材料22上にエポキシ樹脂などの熱硬化型の接着剤を塗布して、接着層24を形成する。そして、接着層24上に磁性体基板29を貼りつける。その後、熱処理を行うことによって、磁性樹脂材料22と磁性体基板29とを接着する。
次に、ダイシングにより、積層体12、磁性樹脂材料22、接着層24および磁性体基板29の集合体を複数のチップに分割する。そして、チップに対してバレル研磨を施して面取りを行う。
次に、メタルマスクなどの遮蔽板を用いて、Agを主成分とする導体膜を積層体12、磁性樹脂材料22、接着層24および磁性体基板29に形成する。
最後に、導体膜上にNi/Snめっきを施す。これにより、外部電極14a〜14dが形成される。以上の工程により、コモンモードチョークコイル10が完成する。
このコモンモードチョークコイル10では、積層体12の凹部30に充填されている磁性樹脂材料21は、軟磁性金属粉を熱硬化性樹脂に混合した磁粉含有樹脂で形成され、軟磁性金属粉は、平均粒径が12μm以下であり、磁性樹脂材料は、軟磁性金属粉を65vol%以上85vol%以下の範囲で混合した磁粉含有樹脂である。そのため、このコモンモードチョークコイル10では、より高周波域での高Z値(高μ値)化が達成でき、たとえば高周波差動電送向けに対応したコモンモードフィルタとして用いられる。
特に、このコモンモードチョークコイル10では、コイル導体16a,16bが磁気結合されるが、磁芯部(コイル導体16a,16bの中央部)に磁性樹脂材料21を用いることによって、その磁気結合が高められ、コモンモードインピーダンス値(Z値)を向上できると同時に、コイル導体の巻き線数の低減による低直流抵抗(Rdc)化が達成できる。
また、このコモンモードチョークコイル10では、軟磁性金属粉が、結晶性Fe−Ni系合金または結晶性Fe−Si系合金であり、熱硬化性樹脂が、芳香族テトラカルボン酸二無水物および芳香族ジアミンで構成される場合、より高周波域での高Z値(高μ値)化が達成できるとともに、磁性樹脂材料21,22において低粘度化による充填性の向上や印刷性の向上が可能である。
さらに、このコモンモードチョークコイル10では、軟磁性金属粉の粉体表面が絶縁コーティングされている場合、より高周波域での高Z値(高μ値)化および高Q値化が達成できるとともに、たとえば高周波差動電送向けに対応したコモンモードフィルタとして用いられる。
(実験例1)
実験例1では、図1に示すコモンモードチョークコイル10を表1に示す各条件のように条件を変えて作製し、それらの材料特性および商品特性を調べた。
Figure 2016157823
この場合、磁性樹脂材料21,22を形成するための軟磁性金属粉の金属種、結晶性、平均粒径および充填量を表1に示す各条件にした。
絶縁体層28a〜28eの材料として、ポリイミド樹脂を用いた。
また、コイル導体16a,16b、引き出し導体17a〜17dおよびビアホール導体v1,v2の材料として、Agを用いた。
さらに、コモンモードチョークコイル10の外形寸法を、0.45mm×0.30mm×0.30mmに形成した。
コモンモードチョークコイル10の材料特性としては、磁性樹脂材料21,22をリング状に形成した材料(トロイダルコア)について透磁率μの実数部μ’および虚数部μ”と透磁率μとを調べ、コモンモードチョークコイル10の商品特性としては、コモンモードチョークコイル10のインピーダンス値を調べた。
材料特性および商品特性を調べるための特性計測器に関しては、「Agilent E4991A RF インピーダンス/マテリアル・アナライザ(アジレント・テクノロジー社)」を用いて、それらの材料特性および商品特性を計測した。この場合、空洞共振器内に、磁性樹脂材料21,22をリング状に形成した材料(トロイダルコア)を挿入し、挿入前後でのトロイダルコアのインピーダンス変化量からZ値、L値およびR値を計測し、さらに、μ’値およびμ”値を算出した。また、コモンモードチョークコイル10の商品特性としては、コモンモードチョークコイル10の100MHzでのインピーダンス値(Z値)を計測した。
それらの材料特性および商品特性を調べた結果を表1にあわせて示した。
表1に示す結果より、コモンモードチョークコイル10では、軟磁性金属粉として42パーマロイ(平均粒径D50値が5.0μmの粉)の充填量が65vol%以上85vol%以下の範囲でコモンモードフィルタ特性すなわち100MHzでのZ値が58.5Ω以上である特性が得られることがわかる。なお、コモンモードチョークコイル10の部品規格としては、表1に示すように、インピーダンスの公称値が90.0Ωで、最大値が121.5Ωで、最小値が58.5Ωで、許容範囲が90Ω±35%である。
このように、この発明の範囲内のコモンモードチョークコイル10では、高いインピーダンス値を確保することができる。
(実験例2)
実験例2では、実験例1と比べて、図1に示すコモンモードチョークコイル10を表2に示す各条件のように条件を変えて作製し、それらの材料特性および商品特性を調べた。
Figure 2016157823
この場合、磁性樹脂材料21,22を形成するための軟磁性金属粉の金属種、結晶性、絶縁コート(絶縁コーティング)、平均粒径および充填量を表2に示す各条件にした。
軟磁性金属粉の絶縁コーティングについては、Fe42Ni(結晶)、Fe−Si−Cr(結晶)およびFe−Si(結晶)には、それぞれ、Pを含むリン酸コーティング剤を用いてリン酸コーティング処理で行い、Fe−Si−Cr(アモルファス)には、Siを含むシランカップリング剤を用いてシランカップリング処理で行っている。リン酸コーティング処理は、化成処理の代表的な方法の1つであり、鉄鋼や亜鉛などの金属表面にリン酸亜鉛などの金属塩の薄い皮膜(ミクロンオーダーの皮膜)を生成させるものである。また、シランカップリング処理は、無機質表面に水素結合的に吸着させた後に脱水縮合反応して強固に化学結合させる代表的な方法の1つであり、鉄鋼や亜鉛などの金属表面に酸化ケイ素などの酸化物の薄い皮膜(数十ミクロンオーダーの皮膜)を生成させるものである。特に粒度(平均粒径)の低い軟磁性金属粉は、酸化燃焼の危険性があって、酸化燃焼の防止を兼ねるために、絶縁コーティングが必須になる。
なお、実験例1と同様に、絶縁体層28a〜28eの材料として、ポリイミド樹脂を用いた。
また、コイル導体16a,16b、引き出し導体17a〜17dおよびビアホール導体v1,v2の材料として、Agを用いた。
さらに、コモンモードチョークコイル10の外形寸法を、0.45mm×0.30mm×0.30mmに形成した。
そして、実験例1と同様に、コモンモードチョークコイル10の材料特性および商品特性を調べ、それらの材料特性および商品特性を調べた結果を表2にあわせて示した。
表2に示す結果より、コモンモードチョークコイル10では、軟磁性金属粉の充填量がこの発明の範囲内である75vol%において、軟磁性金属粉の平均粒径が12μm以下でコモンモードフィルタ特性すなわち100MHzでのZ値が58.5Ω以上である特性が得られることがわかる。
また、表2に示す結果より、コモンモードチョークコイル10では、軟磁性金属粉の紛体表面が絶縁コーティングされていることで、高Q値化も達成されることがわかる。なお、軟磁性金属粉としてアモルファス粉を用いることで、コモンモードフィルタ特性がこの発明の目的の範囲内において低下するが、Q値の増加が見込める。
さらに、表2に示す結果より、高Z値および高Q値を確保するためには、結晶性でより粒径が細かい軟磁性金属粉を用いることが望ましいこともわかる。
上述のコモンモードチョークコイル10では、凹部30の形状が積層方向と直交する方向から平面視したときにz軸方向の負方向側に凸である放物線状を成し、さらに、磁性樹脂材料21の形状が凹部30に対応した形状であるが、この発明では、凹部30や磁性樹脂材料21の形状は、たとえば円柱状または角柱状などの他の形状に形成されてもよい。
また、上述のコモンモードチョークコイル10では、ドライフィルムレジストおよびサンドブラストを用いて凹部30が形成されているが、凹30は、レーザー加工を用いて形成されてもよい。
さらに、上述のコモンモードチョークコイル10では、2つのコイル導体16a,16bおよび磁性樹脂材料21を有するが、この発明は、1つのコイル導体および磁性樹脂材料を有するインダクタや3つ以上のコイル導体および磁性樹脂材料を有するフィルタなど他の電子部品にも適用され得る。また、この発明は、コイル導体および磁性樹脂材料のほかに、コンデンサ素子、抵抗素子または能動素子などの素子を有する電子部品にも適用され得る。
この発明にかかる電子部品は、特に、コイル導体および磁性樹脂材料を有する、たとえば、コモンモードチョークコイルなどの電子部品として好適に用いられる。
10 コモンモードチョークコイル
12 積層体
14a〜14d 外部電極
16a,16b コイル導体
17a〜17d 引き出し導体
21,22 磁性樹脂材料(絶縁材料)
24 接着層
28a〜28e 絶縁体層
29 磁性体基板
30 凹部
31 磁性体基板(絶縁体層)
v1,v2 ビアホール導体

Claims (3)

  1. 複数の絶縁体層が厚み方向に積層されて構成され、かつ、前記複数の絶縁体層の積層方向に窪んだ凹部が設けられた積層体と、前記積層体内に設けられた少なくとも1つのコイル導体とを備え、前記凹部に磁性樹脂材料が充填された電子部品において、
    前記磁性樹脂材料は、軟磁性金属粉を熱硬化性樹脂に混合した磁粉含有樹脂で形成され、
    前記軟磁性金属粉は、平均粒径が12μm以下であり、
    前記磁粉含有樹脂は、前記軟磁性金属粉を65vol%以上85vol%以下の範囲で混合した磁粉含有樹脂であることを特徴とする、電子部品。
  2. 前記軟磁性金属粉は、結晶性Fe−Ni系合金または結晶性Fe−Si系合金であり、
    前記熱硬化性樹脂は、芳香族テトラカルボン酸二無水物および芳香族ジアミンで構成されることを特徴とする、請求項1に記載の電子部品。
  3. 前記軟磁性金属粉の粉体表面が絶縁コーティングされていることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の電子部品。
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