JP4793661B2 - コモンモードフィルタ及びコモンモードフィルタの製造方法 - Google Patents

コモンモードフィルタ及びコモンモードフィルタの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、コモンモードフィルタに関し、特に薄膜が積層されて構成された小型の積層型のコモンモードフィルタに関する。
従来から薄膜が積層されて構成された積層型のコモンモードフィルタが知られている。例えば、特許第3601619号公報(特許公報1)には、この構成のコモンモードフィルタが記載されている。コモンモードフィルタは、一対の磁性体基板に挟まれるようにして積層体が設けられて構成されており、積層体は、絶縁体とコイル導体又は引出し電極とが交互に積層されて構成されている。しかし、特許第3601619号公報(特許公報1)記載のコモンモードフィルタでは、コイル導体の積層領域において閉磁路構造にはなっていないため磁気抵抗が高く、インピーダンス特性を高くすることが困難であった。
これに対して特開平11−54326号公報(特許公報2)には、コイル導体の積層領域において閉磁路構造をなす積層型のコモンモードフィルタが記載されている。コモンモードフィルタを構成する全ての絶縁体層の略中央位置に穴が形成され、穴には磁性体からなる接着剤が全ての絶縁体層の穴を貫通するようにして設けられている。
特許第3601619号公報 特開平11−54326号公報
しかし、特開平11−54326号公報記載のコモンモードフィルタでは、絶縁体層に穴を形成する工程や、穴に磁性体からなる接着剤を埋込む工程を行わなければならず、また、磁性体からなる接着剤のコストがかかり、製造コスト、材料コストの低減を図ることが困難である。また、積層型のコモンモードフィルタを使用する環境によっては、完全な閉磁路構造までは要求されない場合もある。
そこで本発明は、製造コスト、材料コストを押さえ、且つ所望のインピーダンスを得ることのでき信頼性の高いコモンモードフィルタ、及び当該コモンモードフィルタを製造するための製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、第1の磁性体基板と、該第1の磁性体基板の表面上に薄膜形成手段により第1の磁性体基板表面全面と重なる最下層絶縁体層が成膜され該最下層絶縁体層上に薄膜形成手段により引出し電極又はコイルパターンと絶縁体層とが交互に成膜され更に薄膜形成手段により絶縁体のみからなる最上層絶縁体層が成膜されることにより該第1の磁性体基板の表面上に設けられた積層体と、該積層体の上端面に対向配置され該積層体を該第1の磁性体基板とで挟むようにして設けられた第2の磁性体基板とを備え、該第1の磁性体基板と該積層体と該第2の磁性体基板とは積層構造体をなし該積層構造体の端面には外部電極が設けられ、該コイルパターンは少なくとも2つのコイルを有し、該引き出し電極間及び該コイルパターン間及び該引き出し電極と該コイルパターンとの間に配置された全ての該絶縁体層は、該第1の磁性体基板表面の中央部相当位置の部分が除去されておらず該絶縁体層を構成する絶縁体がそのまま存在しているか、又は該引き出し電極間及び該コイルパターン間及び該引き出し電極と該コイルパターンとの間に配置された該絶縁体層のうちの少なくとも1つの該絶縁体層は、該中央部相当位置の部分が除去されておらず該絶縁体層を構成する絶縁体がそのまま存在している状態とされて、各該コイルは、該積層体の積層方向においてそれぞれ該絶縁体層によって挟まれ、該第1の磁性体基板表面の中央部相当位置には配置されずに該中央部相当位置を取囲むように渦巻き状に配置され、該引出し電極に電気的に接続され、該引出し電極を介して該外部電極に電気的に接続され、該積層体の上端面の該中央部相当位置には、該積層体の積層方向において該積層体内の該コイルパターンよりも該積層体の上端面寄りの所定の位置に至るまで窪んだ凹部が形成され、該凹部には少なくとも該凹部全体を埋めるようにして充填された磁性体部が設けられ、該磁性体部は、該コイルに取り囲まれている領域よりも、該積層体の積層方向において該第2の磁性体基板寄りの位置に配置されているコモンモードフィルタを提供している。
凹部には少なくとも凹部全体を埋めるようにして充填された磁性体部が設けられているため、コイルの積層領域において閉磁路構造をなすことができ、磁気抵抗を低くすることができ、所望のインピーダンスを得ることができる。また、コイルを凹部から離間して配置させることができ凹部には磁性体が充填されているため、凹部内を空洞とせずに済み、コイル導体の絶縁保護を図ることができ、空洞からの湿度,イオンによりコイル導体に悪影響を及ぼすことを防止することができる。このため、信頼性の高いコモンモードフィルタとすることができる。
また、凹部は、積層体の積層方向において積層体内のコイルパターンよりも積層体の上端面寄りの所定の位置に至るまで窪んでおり、全ての絶縁体層に穴を形成して穴を貫通するように磁性体を充填せずに済み、使用する磁性体の量を少なくすることができ、また、製造工程を簡単にすることができ、製造コスト、材料コストの低減を図ることができる。
ここで、該磁性体部の一部は該積層体の上端面全面を覆う端面被覆部を有することが好ましい。磁性体部の一部は積層体の上端面全面を覆う端面被覆部を有するため、インピーダンス特性をより向上させることができる。
また、該積層体の積層方向における該コイルの厚さは5μm以上25μm以下であることが好ましい。積層体の積層方向におけるコイルの厚さは5μm以上25μm以下であるため、凹部の深さの値を相対的により大きくすることができる。
また、該最上層絶縁体層は真空成膜法で形成された無機材料層からなることが好ましい。最上層絶縁体層は真空成膜法で形成された無機材料層からなるため、凹部の形状を安定させることができ、凹部の底部を平らにすることができる。
また、各該コイル間にはコイル間絶縁体層が配置され、該最上層絶縁体層は該コイル間絶縁体層よりも厚いことが好ましい。各コイル間にはコイル間絶縁体層が配置され、最上層絶縁体層はコイル間絶縁体層よりも厚いため、凹部の深さの値を大きくすることができ、最上層絶縁体層の厚さを調整することで凹部の深さの値を調整することができる。
また、本発明は、第1の磁性体基板表面上に第1の磁性体基板表面全面と重なる最下層絶縁体層を薄膜形成手段により成膜し該最下層絶縁体層上に薄膜形成手段により引出し電極又はコイルパターンと絶縁体層とを交互に成膜し更に絶縁体のみからなる最上層絶縁体層を薄膜形成手段により成膜することにより該第1の磁性体基板表面上に積層体を製造し、該引き出し電極間及び該コイルパターン間及び該引き出し電極と該コイルパターンとの間に配置された全ての該絶縁体層を、該第1の磁性体基板表面の中央部相当位置の部分が除去されておらず該絶縁体層を構成する絶縁体がそのまま存在している状態とするか、又は該引き出し電極間及び該コイルパターン間及び該引き出し電極と該コイルパターンとの間に配置された該絶縁体層のうちの少なくとも1つの該絶縁体層を、該中央部相当位置の部分が除去されておらず該絶縁体層を構成する絶縁体がそのまま存在している状態とし、該コイルパターンの成膜を、該第1の磁性体基板表面の中央部相当位置に対しては行わずに該中央部相当位置を取囲むように渦巻き状に行うことにより、該最上層絶縁体層の上端面であって該中央部相当位置の部分に、該積層体の積層方向において該積層体内の該コイルパターンよりも該積層体の上端面寄りの所定の位置に至るまで窪んだ凹部を形成する積層体製造工程と、少なくとも該凹部に磁性体含有樹脂を充填し硬化させてなる磁性体部を少なくとも該凹部内に設け、該磁性体部は、該コイルに取り囲まれている領域よりも、該積層体の積層方向において第2の磁性体基板寄りの位置に配置される凹部埋め込み工程と、該磁性体部が設けられた最上層絶縁体層の上端面を平坦化する積層体上端面平坦化工程と、該最上層絶縁体層の上端面に接着剤を介して第2の磁性体基板を接着する接着工程とを有するコモンモードフィルタの製造方法を提供している。
少なくとも凹部に磁性体含有樹脂を充填し硬化させてなる磁性体部を少なくとも凹部内に設ける凹部埋め込み工程を行うため、コイルパターンの積層領域において閉磁路構造をなすことができ、磁気抵抗を低くすることができ、所望のインピーダンスを得ることができる。また、コイルを凹部から離間して配置させることができ凹部には磁性体が充填されているため、凹部内を空洞とせずに済み、コイル導体の絶縁保護を図ることができ、空洞からの湿度,イオンによりコイル導体に悪影響を及ぼすことを防止することができる。このため、信頼性の高いコモンモードフィルタとすることができる。
また、積層体の積層方向において積層体内のコイルパターンよりも積層体の上端面寄りの所定の位置に至るまで窪んだ凹部を形成する積層体製造工程を行うため、全ての絶縁体層に穴を形成して穴を貫通するように磁性体を充填せずに済み、凹部埋込み工程において使用する磁性体の量を少なくすることができ、また、製造工程を簡単にすることができ、製造コスト、材料コストの低減を図ることができる。
ここで、該磁性体部は該凹部内にのみ設けられ、該積層体上端面平坦化工程では該最上層絶縁体層の上端面であって凹部以外の部分と該磁性体部の上端面とが面一となるように研磨する面一研磨工程を有することが好ましい。
積層体上端面平坦化工程では最上層絶縁体層の上端面であって凹部以外の部分と磁性体部の上端面とが面一となるように研磨する面一研磨工程を有するため、凹部内及び最上層絶縁体層の上端面全面に磁性体部が設けられる場合と比較してコモンモードフィルタの低背化を図ることができる。
また、該磁性体部は該凹部内及び該最上層絶縁体層の上端面全面に設けられ、該積層体上端面平坦化工程では該磁性体部の上端面を研磨する平坦研磨工程を有することが好ましい。磁性体部は凹部内及び最上層絶縁体層の上端面全面に設けられ、積層体上端面平坦化工程では磁性体部の上端面を研磨する平坦研磨工程を有するため、磁性体部が凹部内にのみ設けられている場合と比較してインピーダンス特性を向上させることができる。
また、積層体製造工程の後であって該凹部埋め込み工程の前に、該最上層絶縁体層の該中央部相当位置の部分をエッチングにより除去して該凹部の深さの値を大きくする最上層エッチング工程を行うことが好ましい。積層体製造工程の後であって凹部埋め込み工程の前に、最上層絶縁体層の中央部相当位置の部分をエッチングにより除去して凹部の深さの値を大きくする最上層エッチング工程を行うため、当該エッチングを行わない場合と比較して凹部をより深く形成することができる。
また、該引出し電極とコイルパターンとは、該引出し電極とコイルパターンとの間の該絶縁体層にスルーホールが形成されることにより電気的に接続され、該積層体製造工程では該スルーホールが形成された該絶縁体層の該中央部相当位置の部分をエッチングにより除去して該凹部の深さの値を大きくする中間層エッチング工程を行うことが好ましい。
積層体製造工程ではスルーホールが形成された絶縁体層の中央部相当位置の部分をエッチングにより除去して凹部の深さの値を大きくする中間層エッチング工程を行うため、スルーホール形成とともに絶縁体層の中央部相当位置の部分を除去することができ、他の絶縁体層の中央部相当位置の部分を除去する場合と比較して製造工程を簡単にすることができる。
また、該積層体製造工程では、該最上層絶縁体層の厚さの値を該絶縁体層の厚さの値及び最下層絶縁体層の厚さの値のいずれよりも大きく形成することが好ましい。積層体製造工程では、最上層絶縁体層の厚さの値を絶縁体層の厚さの値及び最下層絶縁体層の厚さの値のいずれよりも大きく形成するため、凹部の深さの値を大きくすることができ、最上層絶縁体層の厚さを調整することで凹部の深さの値を調整することができる。
以上より、本発明は、製造コスト、材料コストを押さえ、且つ所望のインピーダンスを得ることのでき信頼性の高いコモンモードフィルタ、及び当該コモンモードフィルタを製造するための製造方法を提供することができる。
本発明の第1の実施の形態によるコモンモードフィルタについて図1及び図2に基づき説明する。コモンモードチョークコイル1は、薄膜が積層されて構成された小型のチップ型をなしており、第1の磁性体基板10の表面上の全面、即ち図1に示される上面上の全面に、最下層絶縁体層15と、第1引出し電極層20と、絶縁体層25と、第1コイル導体層30(スパイラル状コイル導体パターン)30と、コイル間絶縁体層35と、第2コイル導体層(スパイラル状コイル導体パターン)40と、絶縁体層45と、第2引出し電極層50と、最上層絶縁体層55とがこの順で薄膜形成工法によって形成され積層され、更に磁性体層60と接着層65とが積層され、更に接着層65を介して第2磁性基板70が磁性体層60に接着されることによって一体化されて積層構造体が構成される。最下層絶縁体層15と、第1引出し電極層20と、絶縁体層25、第1コイル導体層30と、コイル間絶縁体層35と、第2コイル導体層40と、絶縁体層45と、第2引出し電極層50と、最上層絶縁体層55とは積層体を構成する。積層構造体の寸法は、例えば、1210(L=1.25mm×W=1.0mm×T=0.6mm(又は0.8mm))、1005(L=0.5mm×W=1.0mm×T=0.4mm)である。
第1の磁性体基板10、第2の磁性基板70は焼結フェライト、複合フェライト等により構成されている。図1に示されるように第1の磁性体基板10、第2の磁性体基板70には、それぞれフォトリソグラフィーによるパターンニング工法で形成された電極11、12、71、72、73、74が設けられている。第1の磁性基板では電極11、12は、第1の磁性体基板10の互いに対向する一対の側面と底面とに跨るようにしてそれぞれ2つずつ計4つ設けられている。同様に、第2の磁性体基板70では電極71、72、73、74は、第2の磁性体基板70の互いに対向する一対の側面と上面とに跨るようにしてそれぞれ2つずつ計4つ設けられている。なお、図1においては第1の磁性体基板10には手前の2つの電極11、12のみが現れている。第2の磁性体基板70は、積層体の上端面に対向配置されており、積層体を第1の磁性体基板10とで挟むようにして設けられている。
最下層絶縁体層15、絶縁体層25、コイル間絶縁体層35、絶縁体層45、最上層絶縁体層55は、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂等の絶縁性に優れ加工性の良い材料により構成されている。絶縁体層25、絶縁体層45にはそれぞれ図示せぬスルーホールが形成されており、後述の第1引出し電極層20と第1コイル導体層30とが絶縁体層25の図示せぬスルーホールを介して電気的に接続され、また、後述の第2引出し電極層50と第2コイル導体層40とが絶縁体層45の図示せぬスルーホールを介して電気的に接続されている。
また、第1引出し電極層20、第1コイル導体層30、第2コイル導体層40、第2引出し電極層50は、フォトリソグラフィーによるパターンニング工法により形成されている。第1引出し電極層20は、積層体の積層方向において第1の磁性体基板10の一対の側面のうちの一方の側面に設けられた一方の電極11に相当する位置において当該一方の電極11に電気的に接続され、その位置から絶縁体層25の図示せぬスルーホールに至るまで延出して設けられている。第2引出し電極層50は、積層体の積層方向において第1の磁性体基板10の一対の側面のうちの一方の側面に設けられた他方の電極12に相当する位置において当該他方の電極12に電気的に接続され、その位置から絶縁体層45の図示せぬスルーホールに至るまで延出して設けられている。
第1コイル導体層30は、図1に示されるように、積層体の積層方向における第1の磁性体基板10表面の中央部相当位置には配置されずに、当該中央部相当位置を取囲むように渦巻き状に配置されている。第1コイル導体層30を構成するコイルの一端は当該中央部相当位置近傍に配置され、絶縁体層25の図示せぬスルーホールを介して第1引出し電極層20に電気的に接続されている。第1コイル導体層30を構成するコイルの他端は、積層体の積層方向において第2の磁性体基板70の一対の側面のうちの他方の側面に設けられた一方の電極73に相当する位置に配置され、当該一方の電極73に電気的に接続されている。積層体の積層方向における第1コイル導体層30の厚さは5μm以上25μm以下である。
また、第2コイル導体層40は、第1コイル導体層30と同様に、第1の磁性体基板10表面の中央部相当位置には配置されずに、当該中央部相当位置を取囲むように渦巻き状に配置されている。第2コイル導体層40を構成するコイルの一端は当該中央部相当位置近傍に配置され、絶縁体層45の図示せぬスルーホールを介して第2引出し電極層50に電気的に接続されている。第2コイル導体層40を構成するコイルの他端は、積層体の積層方向において第2の磁性体基板70の一対の側面のうちの他方の側面に設けられた他方の電極74に相当する位置に配置され、当該一方の電極74に電気的に接続されている。積層体の積層方向における第2コイル導体層40の厚さは5μm以上25μm以下である。第1コイル導体層30、第2コイル導体層40はコイルパターンに相当する。積層体の積層方向における第1コイル導体層30、第2コイル導体層40の厚さは5μm以上25μm以下であるため、後述の凹部55aの深さの値を相対的により大きくすることができる。
上述のように、第1コイル導体層30、第2コイル導体層40は、第1の磁性体基板10表面の中央部相当位置には配置されずに、当該中央部相当位置を取囲むように渦巻き状(スパイラル状)に配置されている。このため、第1の磁性体基板10表面上に積層されて構成される積層体の上端面(最上層絶縁体層55の図1における上端面)の当該中央部相当位置には、第1コイル導体層30及び第2コイル導体層40の厚さに略相当する深さの凹部55a(図2)が形成されている。凹部55aは、図2に示されるように、積層体の積層方向において第2コイル導体層40よりも積層体の上端面寄り(図2の上方に相当する最上層絶縁体層55寄り)の所定の位置に至るまで窪んでいる。
磁性体層60は、エポキシ樹脂等にフェライト等の磁粉を混入して構成される磁粉含有の樹脂からなり、最上層絶縁体層55の図1に示される上端面全面に塗布されて硬化されて設けられている。硬化後磁性体層60の上端面が研磨されることによって上端面の凹凸は削減され平坦化されている。磁性体層60の一部であって積層体の積層方向における第1の磁性体基板10表面の中央部相当位置には、図2の下方に突出する凸部61が設けられている。凸部61は凹部55aに一致する外形をなしており、最上層絶縁体層55の図1に示される上面全面に磁性体層60が設けられる際に、図2に示されるように、凹部55a内に磁性体層60を構成する磁粉含有の樹脂が充填されて設けられる。磁性体層60、凸部61は磁性体部に相当する。また、磁性体層60の一部は端面被覆部に相当する。磁性体部の一部は積層体の上端面全面を覆う端面被覆部を有するため、インピーダンス特性をより向上させることができる。
接着層65は、磁性体層60の上端面全面に接着剤が塗布されて硬化されて設けられており、接着層65を介して第2の磁性体基板70が磁性体層60に接着されて一体化されている。
コモンモードチョークコイルの製造方法は以下の通りである。なお、実際の製造時は複数個の部品を同時に基板上で製造するが、本実施の形態では説明の便宜上1個分(1素子分)で説明する。
先ず積層体製造工程を行う。積層体製造工程では、先ず第1の磁性体基板10の表面たる上面全面上に絶縁樹脂等からなる最下層絶縁体層15を1ミクロン〜20ミクロンの膜厚で形成する。形成方法としては薄膜形成工法、スピンコート法、ディップ法、スプレー法、印刷法等が採用される。薄膜形成工法を用いることにより、ばらつきの小さい精度のよい最下層絶縁体層15を成膜することができ、ばらつきの小さい高精度のインピーダンス値を得ることができる。
次に、最下層絶縁体層15の上端面上にパターンを形成し第1引出し電極層20が作成される。パターンを形成するためのパターンニング工法としては、フォトリソグラフィーを用いたエッチング法、フォトリソグラフィーを用いたアディティブ法(めっき)等が用いられる。
次に、第1引出し電極層20の上に、積層体の積層方向における第1の磁性体基板10の上面全面に相当する範囲で絶縁樹脂等からなる絶縁体層25を1ミクロン〜20ミクロンの膜厚で形成する。形成方法としては薄膜形成工法が採用される。そして、絶縁体層25に対してエッチングすることにより、第1引出し電極層20と第1コイル導体層30とを電気的に接続するための図示せぬスルーホールを形成する。次に、絶縁体層25の上端面上にパターンを形成し第1コイル導体層30を作成する。パターンを形成するためのパターンニング工法としては、第1引出し電極層20の場合と同様に、フォトリソグラフィーを用いたエッチング法、フォトリソグラフィーを用いたアディティブ法(めっき)等が用いられる。
次に、第1コイル導体層30の上に、積層体の積層方向における第1の磁性体基板10の上面全面に相当する範囲で絶縁樹脂等からなるコイル間絶縁体層35を1ミクロン〜20ミクロンの膜厚で形成する。形成方法としては薄膜形成工法が採用される。次に、コイル間絶縁体層35の上端面上にパターンを形成し第2コイル導体層40を作成する。パターンを形成するためのパターンニング工法としては、第1引出し電極層20の場合と同様に、フォトリソグラフィーを用いたエッチング法、フォトリソグラフィーを用いたアディティブ法(めっき)等が用いられる。
次に、第2コイル導体層40の上に、積層体の積層方向における第1の磁性体基板10の上面全面に相当する範囲で絶縁樹脂等からなる絶縁体層45を1ミクロン〜20ミクロンの膜厚で形成する。形成方法としては薄膜形成工法が採用される。そして、絶縁体層45に対してエッチングすることにより、後述の第2引出し電極層50と第2コイル導体層40とを電気的に接続するための図示せぬスルーホールを形成する。次に、絶縁体層45の上端面上にパターンを形成し第2引出し電極層50を作成する。パターンを形成するためのパターンニング工法としては、第1引出し電極層20の場合と同様に、フォトリソグラフィーを用いたエッチング法、フォトリソグラフィーを用いたアディティブ法(めっき)等が用いられる。
次に、第2引出し電極層50の上に、積層体の積層方向における第1の磁性体基板10の上面全面に相当する範囲で絶縁樹脂等からなる最上層絶縁体層55を1ミクロン〜20ミクロンの膜厚で形成する。以上の積層体製造工程を経て積層体が製造される。このとき、前述のように第1コイル導体層30、第2コイル導体層40は、積層体の積層方向における第1の磁性体基板10表面の中央部相当位置には配置されずに、当該中央部相当位置を取囲むように渦巻き状(スパイラル状)に配置されているため、第1の磁性体基板10表面上に積層されて構成される積層体の上端面(最上層絶縁体層55の図1における上端面)の当該中央部相当位置には、第1コイル導体層30、第2コイル導体層40の厚さに略相当する深さの凹部55a(図2)が形成された状態となっている。
次に最上層絶縁体層55の上端面全面に磁粉含有の樹脂を印刷により塗布する。この塗布により、磁粉含有の樹脂の一部は、積層体の上端面に形成された凹部55a内に流入し、凹部55a内に充填されて凸部61となる凹部埋め込み工程が行われる。次に磁粉含有の樹脂を硬化させ、その上端面全面を研磨することにより上端面全面を凹凸のある状態から平坦な状態として、磁性体層60が設けられた状態の積層体の上端面を平坦化する積層体上端面平坦化工程(平坦研磨工程)を行う。平坦研磨工程を行うようにしたため、磁性体部が凹部55a内にのみ設けられている場合と比較してインピーダンス特性を向上させたコモンモードフィルタ1を製造することができる。
次に、磁性体層60の上端面全面に接着剤を塗布して接着層65を設け、接着層65を介して磁性体層60に第2の磁性体基板70を貼り付けることにより接着工程を行う。実際には、前述のように複数個同時に基板上で作製されるのであるが、このように基板上で複数作製されたものを1素子形状のチップに切断し、チップ外面であって第1の磁性体基板10の互いに対向する一対の側面と底面とに跨る部分と、第2の磁性体基板70の互いに対向する一対の側面と上面とに跨る部分とにそれぞれ4つずつフォトリソグラフィーによるパターンニング工法で電極11、12、71、72、73、74を形成して、コモンモードチョークコイルが製造される。
このような積層型のコモンモードフィルタ1の場合には、前述のように第1コイル導体層30、第2コイル導体層40が中央位置の部分に存在していないため凹部55aが形成される。そしてコモンモードフィルタ1の小型化が進むにつれて、当該凹部55aはコイル導体に近接する。凹部55aがコイル導体に近接し凹部55a内が空洞の状態の場合には、コイル導体の絶縁保護や、空洞からの湿度,イオンに対するコイル導体の保護が低下してしまう恐れがあった。しかし上述の実施の形態では、第1コイル導体層30、第2コイル導体層40を凹部55aから離間して配置させることができ凹部55aには磁性体が充填されているため、凹部55a内を空洞とせずに済み、第1コイル導体層30、第2コイル導体層40の絶縁保護を図ることができ、空洞からの湿度,イオンにより第1コイル導体層30、第2コイル導体層40に悪影響を及ぼすことを防止することができる。このため、信頼性の高いコモンモードフィルタ1とすることができる。
また、凹部55aに磁性体含有樹脂を充填し硬化させてなる磁性体部を少なくとも凹部55a内に設ける凹部埋め込み工程を行うため、第1コイル導体層30、第2コイル導体層40の積層領域において閉磁路構造をなすことができ、磁気抵抗を低くすることができ、所望のインピーダンスを得ることができる。
また、積層体の積層方向において積層体内の第1コイル導体層30、第2コイル導体層40よりも積層体の上端面寄りの所定の位置に至るまで窪んだ凹部55aを形成する積層体製造工程を行うため、全ての絶縁体層15、25、35、45、55に穴を形成して穴を貫通するように磁性体を充填せずに済み、凹部埋込み工程において使用する磁性体の量を少なくすることができ、また、製造工程を簡単にすることができ、製造コスト、材料コストの低減を図ることができる。
次に、本発明の第2の実施の形態によるコモンモードフィルタについて図3及び図4に基づき説明する。第2の実施の形態によるコモンモードフィルタ101は、図3に示されるように、磁性体部として凸部61のみを有する点において第1の実施の形態によるコモンモードフィルタ1とは異なる。これ以外の構成は、第1の実施の形態によるコモンモードフィルタ1と同一である。
コモンモードフィルタの製造方法では、第1の実施の形態において最上層絶縁体層55の上端面全面に磁粉含有の樹脂を印刷することにより塗布することに代えて、積層体の上端面に形成された凹部55a内にのみ磁粉含有の樹脂を充填して凹部埋め込み工程を行う。次に磁粉含有の樹脂を硬化し、最上層絶縁体層55の上端面であって凹部55a以外の部分と凸部61の上端面とが面一となるように研磨する積層体上端面平坦化工程(面一研磨工程)を行う。これ以外の工程については、第1の実施の形態によるコモンモードフィルタの製造方法と同一である。
面一研磨工程を行うようにしたため、凹部55a内及び最上層絶縁体層55の上端面全面に磁性体層60が設けられる場合と比較してコモンモードフィルタ101の低背化を図ることができる。
次に、本発明の第3の実施の形態によるコモンモードフィルタについて図5及び図6に基づき説明する。第3の実施の形態によるコモンモードフィルタ201は、図5に示されるように、スルーホールが形成される絶縁体層225、245において第1の磁性体基板10の中央部相当位置の部分がエッチングにより除去されている点において第1の実施の形態とは異なる。このため、図6に示されるように、積層体の積層方向における凹部255aの深さは当該中央部相当位置の部分が除去されている分深くなっており、凸部261の積層方向の高さが高くなっている。これ以外の構成については第1の実施の形態と同一である。
コモンモードフィルタの製造方法では、第1の実施の形態の積層体製造工程において、絶縁体層25、絶縁体層45(本実施の形態の絶縁体層225、絶縁体層245に相当)に対してエッチングによりスルーホールを形成することに加えて、絶縁体層225、絶縁体層245において第1の磁性体基板10の中央部相当位置の部分をエッチングにより除去する中間層エッチング工程を行う。これ以外の工程については、第1の実施の形態によるコモンモードフィルタの製造方法と同一である。
積層体製造工程でスルーホールが形成された絶縁体層225、245の中央部相当位置の部分をエッチングにより除去して凹部255aの深さの値を大きくする中間層エッチング工程を行うため、スルーホール形成とともに絶縁体層225、245の中央部相当位置の部分を除去することができ、他の絶縁体層の中央部相当位置の部分を除去する場合と比較して製造工程を簡単にすることができる。
次に、本発明の第4の実施の形態によるコモンモードフィルタについて図7及び図8に基づき説明する。第4の実施の形態によるコモンモードフィルタ301は、最上層絶縁体層55´が真空成膜法で形成された無機材料層からなる点で第3の実施の形態とは異なる。これ以外の構成については第3の実施の形態と同一である。最上層絶縁体層55´は真空成膜法で形成された無機材料層からなるため、凹部255aの形状を安定させることができ、凹部255aの底部を平らにすることができる。
コモンモードフィルタの製造方法では、第3の実施の形態において第2引出し電極層50の上に、第1の磁性体基板10の上面全面に相当する範囲で絶縁樹脂等からなる最上層絶縁体層55を形成することに代えて、第2引出し電極層50の上に、積層体の積層方向における第1の磁性体基板10の上面全面に相当する範囲で真空成膜法により無機材料層からなる最上層絶縁体層55´を形成する。これ以外の工程については、第3の実施の形態によるコモンモードフィルタの製造方法と同一である。無機材料としては、例えばアルミナ、窒化アルミが用いられ、真空成膜法としてはスパッタ、CVD、ドライ製膜方法等が用いられる。
次に、本発明の第5の実施の形態によるコモンモードフィルタについて図9及び図10に基づき説明する。第5の実施の形態によるコモンモードフィルタ401は、図9に示されるように、最上層絶縁体層455において積層体の積層方向における第1の磁性体基板10の中央部相当位置の部分がエッチングにより除去されている点において第1の実施の形態とは異なる。このため、図10に示されるように、積層体の積層方向における凹部455aの深さは当該中央部相当位置の部分が除去されている分第1の実施の形態における凹部55aよりも深くなっている。これ以外の構成については第1の実施の形態と同一である。
コモンモードフィルタの製造方法では、第1の実施の形態の積層体製造工程において、引出し電極層9の上に、第1の磁性体基板10の上面全面に相当する範囲で絶縁樹脂等からなる最上層絶縁体層55に代えて最上層絶縁体層455を形成した後に、最上層絶縁体層455において第1の磁性体基板10の中央部相当位置の部分をエッチングにより除去する最上層エッチング工程を行う。これ以外の工程については、第1の実施の形態によるコモンモードフィルタ1の製造方法と同一である。
積層体製造工程の後であって凹部埋め込み工程の前に、最上層絶縁体層455の中央部相当位置の部分をエッチングにより除去して凹部455aの深さの値を大きくする最上層エッチング工程を行うため、当該エッチングを行わない第1の実施の形態と比較して凹部455aをより深く形成することができる。
本発明のコモンモードフィルタは、上述した実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載した範囲で種々の変形や改良が可能である。例えば、第3の実施の形態、第4の実施の形態、第5の実施の形態におけるコモンモードフィルタの製造方法の積層体製造工程では、最上層絶縁体層55、55´、455の厚さの値を、絶縁体層25、45、225、245の厚さの値、コイル間絶縁体層35の厚さの値、及び最下層絶縁体層15の厚さの値のいずれよりも大きく形成してもよい。より具体的には、積層体の積層方向における最上層絶縁体層55、55´、455の厚さは10μm以上50μm以下である。このようにすることで、凹部255a、455aの深さの値を大きくすることができ、最上層絶縁体層55、55´、455の厚さを調整することで凹部255a、455aの深さの値を調整することができる。
また、第1の実施の形態、第2の実施の形態におけるコモンモードフィルタ1、101では、最上層絶縁体層55をコイル間絶縁体層35よりも厚く構成してもよい。より具体的には、積層体の積層方向における最上層絶縁体層55の厚さは10μm以上50μm以下である。このようにすることで、凹部55aの深さの値を大きくすることができ、最上層絶縁体層55の厚さを調整することで凹部55aの深さの値を調整することができる。
また、第1コイル導体層30、第2コイル導体層40の2つのコイルの層が設けられたが、2つに限定されず、2つ以上であればよい。また、絶縁層の枚数はコイルの数に応じた枚数とすればよい。
本発明の第1の実施の形態によるコモンモードフィルタを示す分解斜視図。 本発明の第1の実施の形態によるコモンモードフィルタを示す断面図。 本発明の第2の実施の形態によるコモンモードフィルタを示す分解斜視図。 本発明の第2の実施の形態によるコモンモードフィルタを示す断面図。 本発明の第3の実施の形態によるコモンモードフィルタを示す分解斜視図。 本発明の第3の実施の形態によるコモンモードフィルタを示す断面図。 本発明の第4の実施の形態によるコモンモードフィルタを示す分解斜視図。 本発明の第4の実施の形態によるコモンモードフィルタを示す断面図。 本発明の第5の実施の形態によるコモンモードフィルタを示す分解斜視図。 本発明の第5の実施の形態によるコモンモードフィルタを示す断面図。
符号の説明
1、101、201、301、401、501 コモンモードフィルタ
10 第1の磁性体基板
15 最下層絶縁体層
20 第1引出し電極層
25、45、225、245 絶縁層
30 第1コイル導体層
35 コイル間絶縁体層
40 第2コイル導体層
50 第2引出し電極層
55、55´、455 最上層絶縁体層
55a、255a、455a 凹部
60 磁性体層
61、261 凸部
65 接着層
70 第2の磁性体基板

Claims (11)

  1. 第1の磁性体基板と、
    該第1の磁性体基板の表面上に薄膜形成手段により第1の磁性体基板表面全面と重なる最下層絶縁体層が成膜され該最下層絶縁体層上に薄膜形成手段により引出し電極又はコイルパターンと絶縁体層とが交互に成膜され更に薄膜形成手段により絶縁体のみからなる最上層絶縁体層が成膜されることにより該第1の磁性体基板の表面上に設けられた積層体と、
    該積層体の上端面に対向配置され該積層体を該第1の磁性体基板とで挟むようにして設けられた第2の磁性体基板とを備え、
    該第1の磁性体基板と該積層体と該第2の磁性体基板とは積層構造体をなし該積層構造体の端面には外部電極が設けられ、
    該コイルパターンは少なくとも2つのコイルを有し、
    該引き出し電極間及び該コイルパターン間及び該引き出し電極と該コイルパターンとの間に配置された全ての該絶縁体層は、該第1の磁性体基板表面の中央部相当位置の部分が除去されておらず該絶縁体層を構成する絶縁体がそのまま存在しているか、又は該引き出し電極間及び該コイルパターン間及び該引き出し電極と該コイルパターンとの間に配置された該絶縁体層のうちの少なくとも1つの該絶縁体層は、該中央部相当位置の部分が除去されておらず該絶縁体層を構成する絶縁体がそのまま存在している状態とされて、各該コイルは、該積層体の積層方向においてそれぞれ該絶縁体層によって挟まれ、該第1の磁性体基板表面の中央部相当位置には配置されずに該中央部相当位置を取囲むように渦巻き状に配置され、該引出し電極に電気的に接続され、該引出し電極を介して該外部電極に電気的に接続され、
    該積層体の上端面の該中央部相当位置には、該積層体の積層方向において該積層体内の該コイルパターンよりも該積層体の上端面寄りの所定の位置に至るまで窪んだ凹部が形成され、該凹部には少なくとも該凹部全体を埋めるようにして充填された磁性体部が設けられ、該磁性体部は、該コイルに取り囲まれている領域よりも、該積層体の積層方向において該第2の磁性体基板寄りの位置に配置されていることを特徴とするコモンモードフィルタ。
  2. 該磁性体部の一部は該積層体の上端面全面を覆う端面被覆部を有することを特徴とする請求項1記載のコモンモードフィルタ。
  3. 該積層体の積層方向における該コイルの厚さは5μm以上25μm以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のコモンモードフィルタ。
  4. 該最上層絶縁体層は真空成膜法で形成された無機材料層からなることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一記載のコモンモードフィルタ。
  5. 各該コイル間にはコイル間絶縁体層が配置され、該最上層絶縁体層は該コイル間絶縁体層よりも厚いことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のコモンモードフィルタ。
  6. 第1の磁性体基板表面上に第1の磁性体基板表面全面と重なる最下層絶縁体層を薄膜形成手段により成膜し該最下層絶縁体層上に薄膜形成手段により引出し電極又はコイルパターンと絶縁体層とを交互に成膜し更に絶縁体のみからなる最上層絶縁体層を薄膜形成手段により成膜することにより該第1の磁性体基板表面上に積層体を製造し、該引き出し電極間及び該コイルパターン間及び該引き出し電極と該コイルパターンとの間に配置された全ての該絶縁体層を、該第1の磁性体基板表面の中央部相当位置の部分が除去されておらず該絶縁体層を構成する絶縁体がそのまま存在している状態とするか、又は該引き出し電極間及び該コイルパターン間及び該引き出し電極と該コイルパターンとの間に配置された該絶縁体層のうちの少なくとも1つの該絶縁体層を、該中央部相当位置の部分が除去されておらず該絶縁体層を構成する絶縁体がそのまま存在している状態とし、該コイルパターンの成膜を、該第1の磁性体基板表面の中央部相当位置に対しては行わずに該中央部相当位置を取囲むように渦巻き状に行うことにより、該最上層絶縁体層の上端面であって該中央部相当位置の部分に、該積層体の積層方向において該積層体内の該コイルパターンよりも該積層体の上端面寄りの所定の位置に至るまで窪んだ凹部を形成する積層体製造工程と、
    少なくとも該凹部に磁性体含有樹脂を充填し硬化させてなる磁性体部を少なくとも該凹部内に設け、該磁性体部を、該コイルに取り囲まれている領域よりも、該積層体の積層方向において第2の磁性体基板寄りの位置に配置させる凹部埋め込み工程と、
    該磁性体部が設けられた最上層絶縁体層の上端面を平坦化する積層体上端面平坦化工程と、
    該最上層絶縁体層の上端面に接着剤を介して第2の磁性体基板を接着する接着工程とを有することを特徴とするコモンモードフィルタの製造方法。
  7. 該磁性体部は該凹部内にのみ設けられ、
    該積層体上端面平坦化工程では該最上層絶縁体層の上端面であって凹部以外の部分と該磁性体部の上端面とが面一となるように研磨する面一研磨工程を有することを特徴とする請求項6記載のコモンモードフィルタの製造方法。
  8. 該磁性体部は該凹部内及び該最上層絶縁体層の上端面全面に設けられ、
    該積層体上端面平坦化工程では該磁性体部の上端面を研磨する平坦研磨工程を有することを特徴とする請求項6記載のコモンモードフィルタの製造方法。
  9. 積層体製造工程の後であって該凹部埋め込み工程の前に、該最上層絶縁体層の該中央部相当位置の部分をエッチングにより除去して該凹部の深さの値を大きくする最上層エッチング工程を行うことを特徴とする請求項7又は請求項8記載のコモンモードフィルタの製造方法。
  10. 該引出し電極とコイルパターンとは、該引出し電極とコイルパターンとの間の該絶縁体層にスルーホールが形成されることにより電気的に接続され、
    該積層体製造工程では該スルーホールが形成された該絶縁体層の該中央部相当位置の部分をエッチングにより除去して該凹部の深さの値を大きくする中間層エッチング工程を行うことを特徴とする請求項7又は請求項8記載のコモンモードフィルタの製造方法。
  11. 該積層体製造工程では、該最上層絶縁体層の厚さの値を該絶縁体層の厚さの値及び最下層絶縁体層の厚さの値のいずれよりも大きく形成することを特徴とする請求項10記載のコモンモードフィルタの製造方法。
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