JP2016154518A - 防虫壁紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】飛翔昆虫が室内に飛来するのを防ぎさらに飛翔昆虫がとまりにくい壁紙を提供する。【解決手段】合成樹脂100質量部に対して、紫外線吸収剤として、特定の式で表されるトリアジン系化合物の一種以上を0.001〜20質量部含有する合成樹脂層を設けた壁紙。【選択図】なし

Description

本発明は、飛翔昆虫を寄せ付けない防虫壁紙に関する。
走光性を有する飛翔昆虫は、見苦しく不愉快なだけでなく、種々な分野で問題となっている。例えば、食品工場の製品に、ハエ、蚊等の飛翔性昆虫類が混入する事故は、衛生面の点から品質管理の上で大きな問題となっている。また、郊外に立地する工場においては、周辺の田畑等から、ウンカ、ヨコバイ等の農業害虫が、灯火に誘引されて工場に飛来し製品に混入する恐れがある。また郊外型のレストランや、終夜営業のコンビニエンスストア等でも、飛翔昆虫が飛来して顧客に対して不快な印象を与えることで営業に大きな支障をきたしかねない。さらには病院等の医療施設や一般住宅においても、飛翔昆虫の飛来は衛生面からも、見た目からも好ましくなく、問題となっていた。
これら飛翔昆虫は、340nm〜400nmの長波長領域の紫外線に強く感応して活動することがわかっている。飛翔昆虫は光源からの紫外線や、室内においては、光源からの紫外線と、光源からの紫外線の反射で、壁面や天井、床等の空間を把握、認識して活動している。
これら飛翔昆虫対策として、合成樹脂に紫外線吸収剤を含有させることで紫外線を遮蔽しつつ、可視光線に対しては透明な、防虫フィルムが提案されている。
この防虫フィルムは、蛍光灯や水銀灯、さらにはLED照明等の発光源に貼り付けたり、窓ガラスに貼り付けたりして、飛翔昆虫を誘引する紫外線を遮蔽する目的で使用される。(特許文献1及び2)
しかし、これら防虫フィルムを使用すると、照明の色が不自然になったり、窓ガラスに貼った場合、透明性に難があったり、自然光の取り入れに問題が出たりしていた。また飛翔昆虫の誘引阻止の効果も充分ではなかった。
また、室内に侵入した飛翔昆虫が、壁面や天井にとまると、衛生面の問題だけでなく、不快感や美観を損なう問題があった。
特開2003−16824号公報 特開2000−169767号公報
従って、本発明の目的は、飛翔昆虫が室内に飛来するのを防ぎ、さらに、飛翔昆虫がとまりにくい壁紙を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の構造を有するトリアジン系紫外線吸収剤を、合成樹脂層に含有する壁紙を見出した。これにより、飛翔昆虫が感応する紫外線(特に長波長領域の紫外線)を吸収することで、飛翔昆虫にとって室内が感知し難くなり、飛翔昆虫の室内への飛来を阻止でき、さらには室内に侵入してしまった飛翔昆虫についても、壁紙にとまりにくくなることを見出した。
すなわち本発明は、合成樹脂層を有する壁紙であって、前記合成樹脂層は、合成樹脂100質量部に対して、紫外線吸収剤として、下記一般式(1)で表されるトリアジン系化合物の一種以上を0.001〜20質量部含有することを特徴とする防虫壁紙を提供するものである。
Figure 2016154518
(一般式(1)中、R1〜R3は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数1〜12の直鎖又は分岐のアルキル基、炭素原子数3〜8のシクロアルキル基、炭素原子数2〜8のアルケニル基、炭素原子数6〜18のアリール基、炭素原子数7〜18のアルキルアリール基又は炭素原子数7〜18のアリールアルキル基を表す。但し、これらのアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルキルアリール基又はアリールアルキル基は、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、炭素原子数1〜12のアルキル基又はアルコキシ基で置換されていてもよく、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、エステル基、アミド基又はイミノ基で中断されていてもよい。また、上記の置換及び中断は組み合わされてもよい。R4〜R6は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数1〜8のアルキル基又は炭素原子数2〜8のアルケニル基を表す。)
また本発明は、上記一般式(1)で表されるトリアジン系化合物が下記一般式(2)で表されるトリアジン系化合物である前記防虫壁紙を提供するものである。
Figure 2016154518
(一般式(2)中、R7〜R9は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数1〜12の直鎖又は分岐のアルキル基を表す。但し、これらのアルキル基はヒドロキシ基、ハロゲン原子又は炭素原子数1〜12のアルコキシ基で置換されていてもよく、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、エステル基、アミド基又はイミノ基で中断されていてもよい。)
また本発明は、合成樹脂が塩素含有樹脂である上記防虫壁紙を提供するものである。
本発明によれば、飛翔昆虫の感応する紫外線、特に340nm〜400nmの長波長領域の紫外線を効率的に吸収し、飛翔昆虫の室内への飛来を防止することができる壁紙を提供することができる。さらには、飛翔昆虫がとまりにくい壁紙を提供することができる。
以下、本発明の壁紙について好ましい実施形態に基づき詳述する。
本発明の防虫壁紙は、合成樹脂層を有する壁紙であって、合成樹脂100質量部に対して、紫外線吸収剤として、下記一般式(1)で表されるトリアジン系化合物の一種以上を0.001〜20質量部含有する。
先ず、紫外線吸収剤である下記一般式(1)で表されるトリアジン系化合物について説明する。
Figure 2016154518
(一般式(1)中、R1〜R3は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数1〜12の直鎖又は分岐のアルキル基、炭素原子数3〜8のシクロアルキル基、炭素原子数2〜8のアルケニル基、炭素原子数6〜18のアリール基、炭素原子数7〜18のアルキルアリール基又は炭素原子数7〜18のアリールアルキル基を表す。但し、これらのアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルキルアリール基又はアリールアルキル基は、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、炭素原子数1〜12のアルキル基又はアルコキシ基で置換されていてもよく、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、エステル基、アミド基又はイミノ基で中断されていてもよい。また、上記の置換及び中断は組み合わされてもよい。R4〜R6は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数1〜8のアルキル基又は炭素原子数2〜8のアルケニル基を表す。)
上記一般式(1)においてR1〜R3で表される炭素原子数1〜12の直鎖又は分岐のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第二ブチル、第三ブチル、アミル、第三アミル、ヘキシル、オクチル、第二オクチル、第三オクチル、2−エチルヘキシル、デシル、ウンデシル、ドデシル等の直鎖又は分岐のアルキル基が挙げられ、
炭素原子数3〜8のシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル基等が挙げられ、

炭素原子数2〜8のアルケニル基としては、直鎖及び分岐のプロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル基が不飽和結合の位置によらず挙げられ、
炭素原子数6〜18のアリール基としては、例えば、フェニル、ナフチル、ビフェニル基等が挙げられ、
炭素原子数7〜18のアルキルアリール基としては、例えば、メチルフェニル、ジメチルフェニル、エチルフェニル、オクチルフェニル基等が挙げられ、
炭素原子数7〜18のアリールアルキル基としては、例えば、ベンジル、2−フェニルエチル、1−メチル−1−フェニルエチル基等が挙げられる。
上記のアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルキルアリール基又はアリールアルキル基は、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、炭素原子数1〜12のアルキル基又はアルコキシ基で置換されていてもよく、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、エステル基、アミド基又はイミノ基で中断されていてもよい。また、上記の置換及び中断は組み合わされてもよい。
上記の炭素原子数1〜12のアルキル基としては、上記一般式(1)におけるR1〜R3が表す直鎖又は分岐のアルキル基と同じ基が挙げられ、上記の炭素原子数1〜12のアルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ、ヘキサオキシ、オクトキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ、ウンデシルオキシ、ドデシルオキシ基が挙げられる。
また上記エステル基は、カルボン酸とアルコールが脱水縮合して形成される基であり、上記アミド基はカルボン酸とアミンの脱水縮合により形成される基である。
上記の置換基又は中断を有するアルキル基又はシクロアルキル基としては、2−ヒドロキシプロピル、2−メトキシエチル、3−スルホニル−2−ヒドロキシプロピル、4−メチルシクロヘキシル基等が挙げられ、
また、上記の置換基又は中断を有するアリール基としては、4−メチルフェニル、3−クロロフェニル、4−ベンジルオキシフェニル、4−シアノフェニル、4−フェノキシフェニル、4−グリシジルオキシフェニル、4−イソシアヌレートフェニル基等が挙げられる。
1〜R3で表される基の中でも、炭素原子数1〜12の直鎖又は分岐のアルキル基、特に、ヘキシル基が、長波長領域の紫外線の吸収に優れるため好ましい。
4〜R6で表される炭素原子数1〜8のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第二ブチル、第三ブチル、イソブチル、アミル、第三アミル、ヘキシル、オクチル、第三オクチル基等が挙げられ、炭素原子数2〜8のアルケニル基としては、上記一般式(1)におけるR1〜R3が表す炭素原子数2〜8のアルケニル基が挙げられる。
4〜R6の中でも、炭素原子数1〜8のアルキル基、特にメチル基が、長波長領域の紫外線の吸収に優れるため好ましい。
上記一般式(1)で表されるトリアジン系化合物の中でも、下記一般式(2)で表される化合物が好ましい。
Figure 2016154518
(一般式(2)中、R7〜R9は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数1〜12の直鎖又は分岐のアルキル基を表す。但し、これらのアルキル基はヒドロキシ基、ハロゲン原子又は炭素原子数1〜12のアルコキシ基で置換されていてもよく、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、エステル基、アミド基又はイミノ基で中断されていてもよい。)
上記一般式(2)におけるR7〜R9で表される炭素原子数1〜12の直鎖又は分岐のアルキル基としては、上記一般式(1)におけるR1〜R3が表す直鎖又は分岐のアルキル基と同じ基が挙げられる。
また、上記アルキル基を置換してもよい炭素原子数1〜12のアルコキシ基としては、上記一般式(1)におけるR1〜R3が表すアルキル基等を置換してもよい炭素原子数1〜12のアルコキシ基と同じ基が挙げられる。
本発明に係る上記一般式(1)又は(2)で表されるトリアジン系化合物としては、例えば、下記の化合物No.1〜No.5等の化合物が挙げられる。
Figure 2016154518
Figure 2016154518
Figure 2016154518
Figure 2016154518
Figure 2016154518
本発明の防虫壁紙では、紫外線吸収剤である上記一般式(1)又は(2)で表されるトリアジン系化合物を、そのまま、或いはバインダー樹脂や合成樹脂用添加剤とともに、合成樹脂に混練して、壁紙の合成樹脂層を形成してもよく、合成樹脂層の表面或いは壁紙の基材に、塗布又はコーティングしてもよい。
上記一般式(1)又は(2)で表されるトリアジン系化合物の添加量は、合成樹脂100質量部に対して、0.001〜20質量部であり、0.01〜10質量部が好ましく、0.1〜5質量部が特に好ましい。0.001質量部より少ないと紫外線吸収効果において充分ではなく、20質量部より多いと合成樹脂の物性に影響を及ぼす場合がある。
次に本発明の防虫壁紙に使用される合成樹脂について説明する。
本発明の防虫壁紙に使用される合成樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂、塩素含有樹脂が挙げられる。
上記ポリオレフィン系樹脂の例を挙げると、ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、アイソタクチックポリプロピレン、シンジオタクチックポリプロピレン、ヘミアイソタクチックポリプロピレン、ポリブテン、シクロオレフィンポリマー、ステレオブロックポリプロピレン、ポリ−3−メチル−1−ブテン、ポリ−3−メチル−1−ペンテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィン重合体、ブロックコポリマーポリプロピレン、ランダムコポリマーポリプロピレン等のエチレンとプロピレンのブロック又はランダム共重合体、エチレン以外のα−オレフィンとプロピレンのブロック又はランダム共重合体、インパクトコポリマーポリプロピレン、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、エチレン−メチルアクリレート共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−ブチルアクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のα−オレフィン共重合体、マレイン酸変性ポリプロピレン、さらにポリオレフィン系熱可塑性エラストマーが挙げられ、これらの2種以上の共重合体でもよい。これらのポリオレフィン系樹脂は2種以上を使用してもよい。
上記塩素含有樹脂の例を挙げると、塩素含有樹脂としては、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合等その重合方法には特に限定されず、例えば、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリエチレン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−エチレン共重合体、塩化ビニル−プロピレン共重合体、塩化ビニル−スチレン共重合体、塩化ビニル−イソブチレン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−スチレン−無水マレイン酸三元共重合体、塩化ビニル−スチレン−アクリロニリトル共重合体、塩化ビニル−ブタジエン共重合体、塩化ビニル−イソプレン共重合体、塩化ビニル−塩素化プロピレン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン−酢酸ビニル三元共重合体、塩化ビニル−マレイン酸エステル共重合体、塩化ビニル−メタクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−各種ビニルエーテル共重合体等の塩化ビニル系樹脂、及びそれら相互のブレンド品或いは他の塩素を含まない合成樹脂、例えば、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチル(メタ)アクリレート共重合体、ポリエステル等とのブレンド品、ブロック共重合体、グラフト共重合体等を挙げることができる。これら塩素含有樹脂は2種以上の混合物でもよく、他の合成樹脂との混合物でもよい。
本発明で使用される合成樹脂の中でも、プリントやエンボス加工等、多様な加工ができる点から、塩素含有樹脂が好ましく、特に、ポリ塩化ビニルがより好ましい。
次に本発明の壁紙について、詳しく説明する。
本発明の壁紙は、建築物の壁や天井等に内装仕上げとして貼り付けるものであり、顔料や染料等で着色されていてもよく、意匠性を高めるために印刷や表面への凹凸模様が施されていてもよい。
壁紙には、基材の紙の裏面に裏打紙を貼着し紙単体からなるものもあるが、本発明の壁紙は、合成樹脂層を有するものであればよいが、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂層と紙層とを積層したものが好ましい。また、本発明の壁紙の合成樹脂層は、1層でも多層でもよく、また紙層を有さず、合成樹脂層のみでもよい。
合成樹脂層と紙層を積層した壁紙の製法としては、従来公知の方法であればよく、例えば、普通紙等からなる紙層にポリ塩化ビニルの発泡性ペーストゾルをコーティングする方法(ペースト法)や、紙層にカレンダー成形された発泡ポリ塩化ビニルシートを貼着する方法(カレンダー法)等が挙げられる。
以下、合成樹脂層として塩素含有樹脂を使用した場合について、さらに詳しく説明する。
本発明の壁紙が有する合成樹脂層として使用される塩素含有樹脂には、可塑剤、安定剤、充填剤、発泡剤、発泡調整剤、着色剤等、通常の塩素含有樹脂壁紙の基材層となる合成樹脂層に添加する各種の任意成分を加えることができる。これらの任意成分の配合量は、各種壁紙の態様により適宜選択されるものであり制限されるものではないが、好ましくは、塩素含有樹脂100質量部に対して、合計で、200質量部以下とする。
合成樹脂層の成分に加える可塑剤としては、塩素含有樹脂に用いられる通常の可塑剤ならば特に制限されるものではなく、例えば、フタル酸ジ−n−ブチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソオクチル、フタル酸オクチルデシル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジC7 〜C9 混合アルキル、フタル酸ブチルベンジル、イソフタル酸ジ−2−エチルヘキシル、ジ−2−エチルヘキシルテレフタレート、ジブチルテレフタレート、ジイソブチルテレフタレート等のフタル酸系可塑剤、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アジピン酸ジイソデシル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル等の脂肪酸エステル系可塑剤、リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリクレジル、リン酸トリキシリル等のリン酸エステル系可塑剤、塩素化パラフィン、塩素化脂肪酸エステル等の塩素系可塑剤、エポキシ系可塑剤、ポリエステル系可塑剤、トリメリット酸系可塑剤、ピロメリット酸系可塑剤、ビフェニレンポリカルボン酸系可塑剤等が挙げられ、これらの一種又は二種以上を混合して使用することができる。
上記可塑剤の配合量は、塩素含有樹脂100質量部に対して、30〜100重量部、好ましくは50〜80質量部である。
合成樹脂層の成分に加える安定剤としては、従来技術と同様に、金属石ケンを用いることができる。この金属石ケンは、脂肪族カルボン酸の金属塩で、脂肪酸亜鉛、脂肪酸マグネシウム塩、脂肪酸カルシウム塩又は脂肪酸バリウム塩、或いはこれらの組合せが好ましく、塩素含有樹脂100質量部に対し1〜8質量部程度用いることができる。
特に、脂肪酸亜鉛と、脂肪酸バリウム、脂肪酸カルシウム及び脂肪酸マグネシウムから選ばれた少なくとも1種の脂肪酸塩との組合せが好ましく、塩素含有樹脂100重量部に対し、脂肪酸亜鉛を2.0〜4.0質量部、或いは脂肪酸バリウム、脂肪酸カルシウム及び脂肪酸マグネシウムから選ばれた少なくとも1種の脂肪酸塩を2.0〜4.0質量部加えるのが好ましい。
合成樹脂層の成分に加える充填剤としては、炭酸カルシウム、タルク、カオリンクレー、マイカ、合成珪酸、珪石粉、硫酸バリウム等が挙げられる。これらの中でも、炭酸カルシウムがより好ましい。これらの充填剤は塩素含有樹脂100質量部に対して40〜150質量部程度、特に、炭酸カルシウムは、難燃性を考慮すると、塩素含有樹脂100質量部に対して100〜140質量部用いることが好ましい。
合成樹脂層の成分に加える発泡剤としては、アゾジカルボンアミド(ADCA)、アゾビスイソブチルニトリル(AIBN)、p,p'−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH)、ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)等、或いはこれらの混合物であり、その配合量は、例えば、塩素含有樹脂100質量部に対し1〜8質量部程度である。
本発明の合成樹脂層を発泡させる場合は、従来の方法で発泡させればよい。
合成樹脂層の成分に加える発泡セル調整剤は、発泡セルの細かさ、均一さを調整するもので、数平均重合度で10〜800の(メタ)アクリル酸エステルポリマーを用いることができる。この(メタ)アクリル酸エステルポリマーは、例えばアクリル酸イソブチルエステルポリマー、アクリル酸−2−エチルヘキシルエステルポリマー、アクリル酸イソデシルエステルポリマー、アクリル酸ノニルエステルポリマー、アクリル酸ドデシルエステルポリマー、メタクリル酸イソブチルエステルポリマー、メタクリル酸−2−エチルヘキシルエステルポリマー、メタクリル酸イソデシルエステルポリマー、メタクリル酸ノニルエステルポリマー、メタクリル酸ドデシルエステルポリマー等である。この発泡セル調整剤は、例えば、塩素含有樹脂100質量部に対して0.2〜2.0質量部重量部程度用いる。
合成樹脂層の成分に加える着色剤としては、酸化チタンがあり、これは白色の着色剤であって隠蔽性が良い。そのため光による変色を防ぐとともに、変色してもその変色を分かりにくくするために用いることができる。着色剤は塩素含有樹脂100質量部に対し5〜50質量部程度用いることができる。また、必要に応じて、着色のために他の顔料を適宜の量で併用してもよい。
本発明の合成樹脂層に加えてもよい成分を、更に、挙げると、ハイドロタルサイト化合物、ゼオライト化合物、有機ホスファイト化合物、β−ジケトン化合物、フェノール系又は硫黄系抗酸化剤、エポキシ化合物、ポリオール類、上記一般式(1)又は(2)で表される化合物以外の紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤、過塩素酸塩類、その他の無機金属化合物、その他の安定化助剤を挙げることができる。
上記ハイドロタルサイト化合物としては、下記一般式(3)で表される、マグネシウムとアルミニウム、又は亜鉛、マグネシウム及びアルミニウムからなる複塩化合物を好ましく挙げることができる。またハイドロタルサイト化合物は、結晶水を脱水したものであってもよい。
Mgx1Znx2Al2・(OH)2(x1+x2)+4・(CO31-y/2(ClO4)y・mH2O (3)
(式中、x1、x2及びyは各々下記式で表される条件を満足する数を示し、mは0又は任意の整数を示す。0≦x2/x1<10、2≦x1+x2<20、0≦y≦2)
上記ハイドロタルサイト化合物は、天然物であってもよく、また合成品であってもよい。該合成品の合成方法としては、特公昭46−2280号公報、特公昭50−30039号公報、特公昭51−29129号公報、特公平3−36839号公報、及び特開昭61−174270号公報等に記載の公知の方法を例示することができる。また、本発明においては、上記ハイドロタルサイト化合物は、その結晶構造、結晶粒子径等に制限されることなく使用することが可能である。
また上記ハイドロタルサイト化合物は、その表面をステアリン酸のごとき高級脂肪酸、オレイン酸アルカリ金属塩のごとき高級脂肪酸金属塩、ドデシルベンゼンスルホン酸アルカリ金属塩のごとき有機スルホン酸金属塩、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エステル又はワックス等で被覆したものも使用できる。
また上記ゼオライト化合物は、独特の三次元のゼオライト結晶構造を有するアルカリ金属又はアルカリ土類金属のアルミノケイ酸塩であり、その代表例としては、A型、X型、Y型及びP型ゼオライト、モノデナイト、アナルサイト、ソーダライト族アルミノケイ酸塩、クリノブチロライト、エリオナイト及びチャバサイト等を挙げることができ、これらゼオライト化合物の結晶水(いわゆるゼオライト水)を有する含水物又は結晶水を除去した無水物のいずれでもよい。
また上記有機ホスファイト化合物としては、例えば、トリフェニルホスフエイト、トリス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(モノ、ジ混合ノニルフェニル)ホスファイト、ジフェニルアシッドホスファイト、2,2'−メチレンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ジフェニルデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリブチルホスファイト、トリ(2−エチルヘキシル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリラウリルホスファイト、ジブチルアシッドホスファイト、ジラウリルアシッドホスファイト、トリラウリルトリチオホスファイト、ビス(ネオペンチルグリコール)・1,4−シクロヘキサンジメチルジホスファイト、ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、フェニル−4,4'−イソプロピリデンジフェノール・ペンタエリスリトールジホスファイト、テトラ(C12〜C15混合アルキル)−4,4'−イソプロピリデンジフェニルジホスファイト、水素化−4,4'−イソプロピリデンジフェノールポリホスファイト、ビス(オクチルフェニル)・ビス〔4,4'−n−ブチリデンビス(2−第三ブチル−5−メチルフェノール)〕・1,6−ヘキサンジオール・ジホスファイト、テトラトリデシル・4,4'−ブチリデンビス(2−第三ブチル−5−メチルフェノール)ジホスファイト、ヘキサ(トリデシル)・1,1,3−トリス(2−メチル−5−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン・トリホスファイト等が挙げられる。
また上記β−ジケトン化合物としては、例えば、ジベンゾイルメタン、ベンゾイルアセトン、ステアロイルベンゾイルメタン、カプロイルベンゾイルメタン、デヒドロ酢酸等及びこれらの金属(亜鉛、銅、コバルト、ニッケル等)塩等が挙げられる。
また上記フェノール系抗酸化剤としては、例えば、2,6−ジ第三ブチル−p−クレゾール、2,6−ジフェニル−4−オクタデシロキシフェノール、ステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ジステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ホスホネート、チオジエチレンビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、4,4'−チオビス(6−第三ブチル−m−クレゾール)、2−オクチルチオ−4,6−ジ(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−s−トリアジン、2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−第三ブチルフェノール)、ビス〔3,3−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)ブチリックアシッド〕グリコールエステル、4,4'−ブチリデンビス(6−第三ブチル−m−クレゾール)、2,2'−エチリデンビス(4,6−ジ第三ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタン、ビス〔2−第三ブチル−4−メチル−6−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−メチルベンジル)フェニル〕テレフタレート、1,3,5−トリス(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−第三ブチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,3,5−トリス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブロピオニルオキシエチル〕イソシアヌレート、テトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、2−第三ブチル−4−メチル−6−(2−アクリロイルオキシ−3−第三ブチル−5−メチルベンジル)フェノール、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン−ビス〔β−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−ブチルフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコールビス〔β−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート〕等が挙げられる。
また、上記硫黄系抗酸化剤としては、例えば、チオジプロピオン酸のジラウリル、ジミリスチル、ミリスチルステアリル、ジステアリルエステル等のジアルキルチオジプロピオネート類及びペンタエリスリトールテトラ(β−ドデシルチオロピオネート)等のポリオールのβ−アルキルチオプロピオン酸エステル類等が挙げられる。
また上記エポキシ化合物としては、例えば、エポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油、エポキシ化桐油、エポキシ化魚油、エポキシ化牛脂油、エポキシ化ヒマシ油、エポキシ化サフラワー油等のエポキシ化動植物油、エポキシ化ステアリン酸メチル、−ブチル、−2−エチルヘキシル、−ステアリルエステル、エポキシ化ポリブタジエン、トリス(エポキシプロピル)イソシアヌレート、エポキシ化トール油脂肪酸エステル、エポキシ化アマニ油脂肪酸エステル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビニルシクロヘキセンジエポキサイド、ジシクロヘキセンジエポキサイド、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルエポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビスフェノール型或いはノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。
また上記ポリオール類としては、例えば、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタリスリトール、ポリペンタエリスリトール、ペンタエリスリトール又はジペンタリスリトールのステアリン酸ハーフエステル、ビス(ジペンタエリスリトール)アジペート、グリセリン、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、トレハロース等が挙げられる。
また、上記一般式(1)又は(2)で表される化合物以外の紫外線吸収剤としては、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、5,5’−メチレンビス(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)等の2−ヒドロキシベンゾフェノン類;2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ第三ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾ−ル、2−(2’−ヒドロキシ−3’−第三ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾ−ル、2−(2’−ヒドロキシ−5’−第三オクチルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2,2’−メチレンビス(4−第三オクチル−6−(ベンゾトリアゾリル)フェノール)、2−(2’−ヒドロキシ−3’−第三ブチル−5’−カルボキシフェニル)ベンゾトリアゾール等の2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール類;フェニルサリシレート、レゾルシノールモノベンゾエート、2,4−ジ第三ブチルフェニル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2,4−ジ第三アミルフェニル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等のベンゾエート類;2−エチル−2’−エトキシオキザニリド、2−エトキシ−4’−ドデシルオキザニリド等の置換オキザニリド類;エチル−α−シアノ−β、β−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート等のシアノアクリレート類;2−(2−ヒドロキシ−4−オクトキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)−s−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4,6−ジフェニル−s−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−プロポキシ−5−メチルフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)−s−トリアジン等のトリアリールトリアジン類;各種の金属塩又は金属キレート、例えばニッケル又はクロムの塩又はキレート類等が挙げられる。
また上記ヒンダードアミン系光安定剤としては、例えば、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルステアレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルステアレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−ブチル−2−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノール/コハク酸ジエチル重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラエチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/ジブロモエタン重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−モルホリノ−s−トリアジン重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−第三オクチルアミノ−s−トリアジン重縮合物、1,5,8,12−テトラキス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1,5,8,12−テトラキス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1,6,11−トリス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イルアミノ〕ウンデカン、1,6,11−トリス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イルアミノ〕ウンデカン等のヒンダードアミン化合物が挙げられる。
また上記過塩素酸塩類としては、過塩素酸のリチウム、ナトリウム、カリウム、ストロンチウム、バリウム、亜鉛、カドミニウム、鉛、アルミニウム、アンモニウム塩等が例示でき、これらの過塩素酸の金属塩は無水物でも含水塩でもよく、また、ブチルジグリコール、ブチルジグリコールアジペート等のアルコール系若しくはエステル系の溶剤に溶かしたもの又はその脱水物でもよい。
また上記のその他の無機金属化合物としては、例えば、珪酸カルシウム、リン酸カルシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、珪酸マグネシウム、リン酸マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム等が挙げられる。
また、上記のその他の安定化助剤としては、例えば、ジフェニルチオ尿素、アニリノジチオトリアジン、メラミン、安息香酸、ケイヒ酸、p−第三ブチル安息香酸等が挙げられる。
その他必要に応じて、さらに例えば、架橋剤、帯電防止剤、プレートアウト防止剤、表面処理剤、滑剤、蛍光剤、防黴剤、殺菌剤、光劣化剤、非金属安定剤、加工助剤、離型剤等を包含させることができる。
本発明の防虫壁紙は、紫外線、特に340nm〜400nmの長波長領域の紫外線を効率よく吸収する。これにより室内へ飛翔昆虫が飛来することを防ぐことができる。具体的には、太陽光はもとより、蛍光灯、水銀灯、LED照明等の光源から紫外線を出す照明下において、紫外線を吸収するため、昼夜を問わず、室内への飛翔昆虫の飛来を防ぐことができる。また、室内に侵入した飛翔昆虫も、本発明の壁紙にとまりにくくなる。
本発明の防虫壁紙の効果がある飛翔昆虫とは、紫外線に対して、正の走光性を有する飛翔昆虫であればよく、例えば、オオヨコバイ、ツマグロヨコバイ、ツマグロオオヨコバイ、ヒシモンヨコバイ、リンゴマダラヨコバイ、イネマダラヨコバイ、イナズマヨコバイ、オサヨコバイ、ヒメヨコバイ等のヨコバイ類、セジロウンカ、トビイロウンカ、ヒメトビウンカ等のウンカ類、オオチョウバエ、ホシチョウバエ等のチョウバエ類、オオユスリカ、アカムシユスリカ、セスジユスリカ等のユスリカ類、マイマイガ、ヨトウガ、スズメガ、ミノガ、コナガ、バクガ、イラガ、ヤママユガ、マイマイガ等の蛾類等が挙げられる。
以下、実施例及び比較例により本発明を詳細に示す。但し、本発明は以下の実施例等により何ら制限されるものではない。
〔実施例1〕
ポリ塩化ビニル100質量部に対して、炭酸カルシウムを100質量部、二酸化チタンを15質量部、可塑剤としてジ−2−エチルヘキシルフタレートを60質量部、バリウム−亜鉛系安定剤を3.0質量部、発泡剤としてアゾジカルボンアミドを3.0質量部、紫外線吸収剤として、下記化合物No.1を0.5質量部配合して、ポリ塩化ビニル組成物を調製し、これに発泡処理を230℃で30秒加熱を行い、普通紙の上に、合成樹脂層を形成し、壁紙を作製した。
得られた壁紙の防虫効果を以下のように測定した。
即ち、横1.8m、奥行き1.8m及び高さ1.8mの木製の箱を用意し、箱の天井の中央に、40Wの白色蛍光灯を設置し、箱の前面中央に、30cm×30cmの開口部を設けた。そして、すべての壁面と天井(上面)と床(底面)に、上記で得られた壁紙を貼りつけた。また、開口部の上端から、箱の内側に向けて、幅30cm、長さ1.2mの木製の仕切り板を、白色蛍光灯からの直接光が、箱の外部に漏れないように取り付けた。これにより、開口部から箱の外に洩れる光のほとんどは、箱内の壁面、天井、床面に反射した間接光となった。
その後、屋外に箱を設置し、8月の午後7時〜午後8時の1時間(雨天を除く)、白色蛍光灯を点灯させた後、箱内に殺虫剤を噴霧し、開口部を閉じた。虫が死滅した後、箱内の虫の数を数えた。測定は日を変えて5日間行い、その平均値を表1に示した。
Figure 2016154518
〔比較例1〕
紫外線吸収剤を使用しない以外は、実施例1と同様にして壁紙を作製した。得られた壁紙の防虫効果を実施例1と同様にして測定した。結果を表1に示す。
〔比較例2〕
紫外線吸収剤として、化合物No.1の代わりに、本願発明に係るトリアジン化合物と類似構造のモノヒドロキシフェニルトリアジン化合物である、下記の化合物No.6を用いた以外は、実施例1と同様にして壁紙を作製した。得られた壁紙の防虫効果を実施例1と同様にして測定した。結果を表1に示す。
Figure 2016154518
〔比較例3〕
紫外線吸収剤として、化合物No.1の代わりに、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤である、下記の化合物No.7を用いた以外は、実施例1と同様にして壁紙を作製した。得られた壁紙の防虫効果を実施例1と同様にして測定した。結果を表1に示す。
Figure 2016154518
〔比較例4〕
紫外線吸収剤として、化合物No.1の代わりに、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤である、下記の化合物No.8を用いた以外は、実施例1と同様にして壁紙を作製した。得られた壁紙の防虫効果を実施例1と同様にして測定した。結果を表1に示す。
Figure 2016154518
〔比較例5〕
紫外線吸収剤として、化合物No.1の代わりに、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤である、下記の化合物No.9を用いた以外は、実施例1と同様にして壁紙を作製した。得られた壁紙の防虫効果を実施例1と同様にして測定した。結果を表1に示す。
Figure 2016154518
Figure 2016154518
表1の結果から、本発明の壁紙は、飛翔昆虫を寄せ付けず、防虫効果に優れることがわかった。
〔実施例2及び比較例6〕
横1.8m、奥行き1.8m及び高さ1.8mの木製の箱を用意し、箱の天井の中央に、40Wの白色蛍光灯を設置し、その箱の前面の壁面をすべて取り外し開口部とした。開口部の反対側の壁面の左半分に、実施例1で得られた壁紙を貼りつけ、右半分に、比較例1で得られた壁紙を貼りつけた。
その後、屋外に箱を設置し、8月の午後7時〜午後7時20分の20分間(雨天を除く)、白色蛍光灯を点灯させた後、壁紙を貼った壁面を、デジタルカメラで撮影し、その画像から虫の数を数えた。測定は日を変えて5日間行い、その平均値を表2に示した。
Figure 2016154518
表2の結果より、本発明の壁紙は、飛翔昆虫がとまりにくいことがわかった。

Claims (3)

  1. 合成樹脂層を有する壁紙であって、前記合成樹脂層は、合成樹脂100質量部に対して、紫外線吸収剤として、下記一般式(1)で表されるトリアジン系化合物の一種以上を0.001〜20質量部含有することを特徴とする防虫壁紙。
    Figure 2016154518
    (上記一般式(1)中、R1〜R3は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数1〜12の直鎖又は分岐のアルキル基、炭素原子数3〜8のシクロアルキル基、炭素原子数2〜8のアルケニル基、炭素原子数6〜18のアリール基、炭素原子数7〜18のアルキルアリール基又は炭素原子数7〜18のアリールアルキル基を表す。但し、これらのアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルキルアリール基又はアリールアルキル基は、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、炭素原子数1〜12のアルキル基又はアルコキシ基で置換されていてもよく、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、エステル基、アミド基又はイミノ基で中断されていてもよい。また、上記の置換及び中断は組み合わされてもよい。R4〜R6は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数1〜8のアルキル基又は炭素原子数2〜8のアルケニル基を表す。)
  2. 上記一般式(1)で表されるトリアジン系化合物が下記一般式(2)で表されるトリアジン系化合物である請求項1記載の防虫壁紙。
    Figure 2016154518
    (上記一般式(2)中、R7〜R9は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数1〜12の直鎖又は分岐のアルキル基を表す。但し、これらのアルキル基はヒドロキシ基、ハロゲン原子又は炭素原子数1〜12のアルコキシ基で置換されていてもよく、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、エステル基、アミド基又はイミノ基で中断されていてもよい。)
  3. 上記合成樹脂が塩素含有樹脂である請求項1又は2記載の防虫壁紙。
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