JPWO2016152484A1 - 塩化ビニル系樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、耐候性と耐着色性、熱意安定性に優れ、更に透明性にも優れる塩化ビニル系樹脂組成物及び該塩化ビニル系樹脂組成物を用いた成形体を提供するものであり、具体的には、塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、(A)成分として、有機酸亜鉛塩を0.01〜10.0質量部、(B)成分として、β−ジケトン化合物を0.01〜10.0質量部、及び(C)成分として、下記一般式(1)で表されるトリアジン系化合物の一種以上を0.01〜20.0質量部含有する塩化ビニル系樹脂組成物を提供するものである。(一般式(1)中、R1〜R3は、炭素原子数1〜12の直鎖又は分岐のアルキル基等を表し、R4〜R6は、炭素原子数1〜8のアルキル基等を表す。)

Description

本発明は、塩化ビニル系樹脂組成物に関し、詳しくは、耐候性と耐着色性に優れた塩化ビニル系樹脂組成物に関する。
塩化ビニル系樹脂は、硬質用途や、或いは可塑剤を使用することで容易に硬さを調整することができるため、農業用のシートから窓枠等の建材用途まで、種々の用途に使用することができる。
しかし、塩化ビニル系樹脂は、光や熱に対する安定性に難があり、加熱成型加工時や製品の使用時に、主として脱ハロゲン化水素に起因する分解を起こしやすいことが知られている。このため、熱安定剤、安定化助剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の種々の安定剤を配合して塩化ビニル系樹脂の安定性を改善する試みがなされている。中でも特に耐候性を付与するために、紫外線吸収剤が使用されている。(特許文献1及び2)
しかしながら、従来の配合では、充分な耐候性が得られず、また熱安定性や、黄色に変色することを防止する耐着色性等の性能が不十分であった。更に透明性が必要とされる透明製品用途に使用した場合に、充分な透明性が得られないという問題もあった。
特開2001−181461号公報 US2006/0122293A1
従って本発明の目的は、耐候性と耐着色性、熱安定性に優れる塩化ビニル系樹脂組成物を提供することにある。また、耐候性と耐着色性、熱安定性に優れ、更に透明性にも優れる塩化ビニル系樹脂組成物を提供することにある。また、耐候性と耐着色性、熱安定性に優れた成形体を提供することにある。また、耐候性と耐着色性、熱安定性に優れ、更に透明性に優れた成形体を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、
(A)成分として、有機酸亜鉛塩を0.01〜10.0質量部、
(B)成分として、β−ジケトン化合物を0.01〜10.0質量部、及び
(C)成分として、下記一般式(1)で表されるトリアジン系化合物の一種以上を0.01〜20.0質量部含有する塩化ビニル系樹脂組成物を提供するものである。
Figure 2016152484
(一般式(1)中、R1〜R3は、互いに同一であっても異なっていてもよく、炭素原子数1〜12の直鎖若しくは分岐のアルキル基、炭素原子数3〜8のシクロアルキル基、炭素原子数2〜8のアルケニル基、炭素原子数6〜18のアリール基、炭素原子数7〜18のアルキルアリール基又は炭素原子数7〜18のアリールアルキル基を表す。但し、これらのアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルキルアリール基又はアリールアルキル基は、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、炭素原子数1〜12のアルキル基又は炭素原子数1〜12のアルコキシ基で置換されている場合もあり、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、エステル基、アミド基又はイミノ基で中断されている場合もある。また、前記の置換及び中断は組み合わされている場合もある。R4〜R6は、互いに同一であっても異なっていてもよく、炭素原子数1〜8のアルキル基又は炭素原子数2〜8のアルケニル基を表す。)
また本発明は、前記一般式(1)で表されるトリアジン系化合物が下記一般式(2)で表されるトリアジン系化合物である前記塩化ビニル系樹脂組成物を提供するものである。
Figure 2016152484
(一般式(2)中、R7〜R9は、互いに同一であっても異なっていてもよく、炭素原子数1〜12の直鎖又は分岐のアルキル基を表す。但し、これらのアルキル基はヒドロキシ基、ハロゲン原子又は炭素原子数1〜12のアルコキシ基で置換されている場合もあり、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、エステル基、アミド基又はイミノ基で中断されている場合もある。)
また本発明は、さらに(D)成分として、ハイドロタルサイト化合物を0.01〜10.0質量部含有する前記塩化ビニル系樹脂組成物を提供するものである。
また本発明は、透明製品用途である前記塩化ビニル系樹脂組成物を提供するものである。
また本発明は、前記塩化ビニル系樹脂組成物の成形体を提供するものである。
本発明によれば、耐候性と耐着色性、熱安定性に優れる塩化ビニル系樹脂組成物を提供することができる。また、耐候性と耐着色性、熱安定性に優れ、更に透明性にも優れる塩化ビニル系樹脂組成物を提供することができる。また、耐候性と耐着色性、熱安定性に優れた成形体を提供することができる。また、耐候性と耐着色性、熱安定性に優れ、更に透明性に優れた成形体を提供することができる。
以下、本発明について好ましい実施形態に基づき詳述する。
先ず本発明の塩化ビニル系樹脂組成物で用いられる塩化ビニル系樹脂について説明する。塩化ビニル系樹脂としては、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合等その重合方法には特に限定されず、例えば、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリエチレン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−エチレン共重合体、塩化ビニル−プロピレン共重合体、塩化ビニル−スチレン共重合体、塩化ビニル−イソブチレン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−スチレン−無水マレイン酸三元共重合体、塩化ビニル−スチレン−アクリロニリトル共重合体、塩化ビニル−ブタジエン共重合体、塩化ビニル−イソプレン共重合体、塩化ビニル−塩素化プロピレン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン−酢酸ビニル三元共重合体、塩化ビニル−マレイン酸エステル共重合体、塩化ビニル−メタクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−各種ビニルエーテル共重合体等の塩化ビニル系樹脂、及びそれら相互のブレンド品或いは他の塩素を含まない合成樹脂、例えば、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチル(メタ)アクリレート共重合体、ポリエステル等とのブレンド品、ブロック共重合体、グラフト共重合体等を挙げることができる。これら塩化ビニル系樹脂は2種以上の混合物でもよく、他の合成樹脂との混合物でもよい。
本発明に使用される塩化ビニル系樹脂としては、耐候性、耐着色性、熱安定性の点から、ポリ塩化ビニルが好ましい。
次に本発明の塩化ビニル系樹脂組成物の(A)成分について説明する。
本発明では、(A)成分として有機酸亜鉛塩を使用する。かかる有機酸亜鉛塩としては、有機カルボン酸、フェノール類又は有機リン酸類等の亜鉛塩が挙げられる。
有機カルボン酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、2−エチルヘキシル酸、ネオデカン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、イソステアリン酸、ステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ベヘニン酸、モンタン酸、安息香酸、モノクロル安息香酸、p−第三ブチル安息香酸、ジメチルヒドロキシ安息香酸、3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸、トルイル酸、ジメチル安息香酸、エチル安息香酸、クミン酸、n−プロピル安息香酸、アミノ安息香酸、N,N−ジメチルアミノ安息香酸、アセトキシ安息香酸、サリチル酸、p−第三オクチルサリチル酸、エライジン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、チオグリコール酸、メルカプトプロピオン酸、オクチルメルカプトプロピオン酸等の一価カルボン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ヒドロキシフタル酸、クロルフタル酸、アミノフタル酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メタコン酸、イタコン酸、アコニット酸、チオジプロピオン酸等の二価カルボン酸或いはこれらのモノエステル又はモノアマイド化合物;ブタントリカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸、ヘミメリット酸、トリメリット酸、メロファン酸、ピロメリット酸等の三価又は四価カルボン酸のジ又はトリエステル化合物が挙げられる。
また、前記フェノール類としては、例えば、第三ブチルフェノール、ノニルフェノール、ジノニルフェノール、シクロヘキシルフェノール、フェニルフェノール、オクチルフェノール、フェノール、クレゾール、キシレノール、n−ブチルフェノール、イソアミルフェノール、エチルフェノール、イソプロピルフェノール、イソオクチルフェノール、2−エチルヘキシルフェノール、第三ノニルフェノール、デシルフェノール、第三オクチルフェノール、イソヘキシルフェノール、オクタデシルフェノール、ジイソブチルフェノール、メチルプロピルフェノール、ジアミルフェノール、メチルイソフキシルフェノール、メチル第三オクチルフェノール等が挙げられる。
また、前記有機リン酸類としては、例えば、モノ又はジオクチルリン酸、モノ又はジドデシルリン酸、モノ又はジオクタデシルリン酸、モノ又はジ−(ノニルフェニル)リン酸、ホスホン酸ノニルフェニルエステル、ホスホン酸ステアリルエステル等が挙げられる。
本発明の(A)成分である有機酸亜鉛塩は、酸性塩、中性塩、塩基性塩或いは塩基性塩の塩基の一部又は全部を炭酸で中和した過塩基性錯体であってもよい。
また、前記有機酸亜鉛塩は、1種類のみ使用しても、2種類以上を併用してもよい。
本発明では、前記(A)成分である有機酸亜鉛塩として、熱安定性と耐着色性の点から、有機カルボン酸塩が好ましい。
本発明の塩化ビニル系樹脂組成物において、(A)成分の含有量は、塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、0.01〜10.0質量部であり、熱安定性と耐着色性の点から、0.05〜5.0質量部が好ましく、0.1〜3.0質量部がさらにより好ましい。0.01質量部未満では、熱安定性及び耐着色性が不充分であり、10.0質量部を超えると熱安定性が低下する場合がある。
次に本発明の塩化ビニル系樹脂組成物の(B)成分について説明する。
本発明では(B)成分としてβ−ジケトン化合物を使用する。β−ジケトン化合物としては、例えば、アセチルアセトン、トリアセチルメタン、2,4,6−ヘプタトリオン、ブタノイルアセチルメタン、ラウロイルアセチルメタン、パルミトイルアセチルメタン、ステアロイルベンゾイルメタン、パルミトイルベンゾイルメタン、ジステアロイルメタン、ステアロイルアセチルメタン、フェニルアセチルアセチルメタン、ジシクロヘキシルカルボニルメタン、ベンゾイルホルミルメタン、ベンゾイルアセチルメタン、ジベンゾイルメタン、オクチルベンゾイルメタン、ビス(4−オクチルベンゾイル)メタン、ベンゾイルジアセチルメタン、4−メトキシベンゾイルベンゾイルメタン、ビス(4−カルボキシメチルベンゾイル)メタン、2−カルボキシメチルベンゾイルアセチルオクチルメタン、デヒドロ酢酸、アセト酢酸エチル、シクロヘキサン−1,3−ジオン、3,6−ジメチル−2,4−ジオキシシクロヘキサン−1カルボン酸メチル、2−アセチルシクロヘキサノン、ジメドン、2−ベンゾイルシクロヘキサン等が挙げられ、これらの金属塩も同様に有用である。金属塩の金属の例としては、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、亜鉛塩、マグネシウム塩、アルミニウム塩が挙げられる。好ましい金属塩の例としては、カルシウムアセチルアセトネート、亜鉛アセチルアセトネート等が挙げられる。かかるβ−ジケトン化合物は1種類のみ使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記(B)成分であるβ−ジケトン化合物の中でも、熱安定性と耐着色性の点から、ジベンゾイルメタン、ステアロイルベンゾイルメタンが好ましい。
本発明の塩化ビニル系樹脂組成物において、(B)成分であるβ−ジケトン化合物の含有量は、塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、0.01〜10.0質量部であり、熱安定性と耐着色性の点から0.03〜5.0質量部が好ましく、0.05〜3.0質量部がより好ましい。0.01質量部未満では、耐着色性が不充分であり、10.0質量部を超えると熱安定性が低下する場合がある。
次に本発明の塩化ビニル系樹脂組成物の(C)成分について説明する。
本発明では(C)成分として、下記一般式(1)で表されるトリアジン系化合物の一種以上を含有する。
Figure 2016152484
(一般式(1)中、R1〜R3は、互いに同一であっても異なっていてもよく、炭素原子数1〜12の直鎖若しくは分岐のアルキル基、炭素原子数3〜8のシクロアルキル基、炭素原子数2〜8のアルケニル基、炭素原子数6〜18のアリール基、炭素原子数7〜18のアルキルアリール基又は炭素原子数7〜18のアリールアルキル基を表す。ただし、これらのアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルキルアリール基又はアリールアルキル基は、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、炭素原子数1〜12のアルキル基又は炭素原子数1〜12のアルコキシ基で置換されている場合もあり、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、エステル基、アミド基又はイミノ基で中断されている場合もある。また、前記の置換及び中断は組み合わされている場合もある。R4〜R6は、互いに同一であっても異なっていてもよく、炭素原子数1〜8のアルキル基又は炭素原子数2〜8のアルケニル基を表す。)
前記一般式(1)においてR1〜R3で表される炭素原子数1〜12の直鎖又は分岐のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第二ブチル、第三ブチル、アミル、第三アミル、ヘキシル、オクチル、第二オクチル、第三オクチル、2−エチルヘキシル、デシル、ウンデシル、ドデシル等の直鎖又は分岐のアルキル基が挙げられ、
炭素原子数3〜8のシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル基等が挙げられ、
炭素原子数2〜8のアルケニル基としては、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル基等の直鎖又は分岐のアルケニル基が不飽和結合の位置によらず挙げられ、
炭素原子数6〜18のアリール基としては、例えば、フェニル、ナフチル、ビフェニル基等が挙げられ、
炭素原子数7〜18のアルキルアリール基としては、例えば、メチルフェニル、ジメチルフェニル、エチルフェニル、オクチルフェニル基等が挙げられ、
炭素原子数7〜18のアリールアルキル基としては、例えば、ベンジル、2−フェニルエチル、1−メチル−1−フェニルエチル基等が挙げられる。
前記のアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルキルアリール基又はアリールアルキル基は、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、炭素原子数1〜12のアルキル基又は炭素原子数1〜12のアルコキシ基で置換されている場合もあり、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、エステル基、アミド基又はイミド基で中断されている場合もある。酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、エステル基、アミド基又はイミド基で中断されているとは、上記のアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルキルアリール基又はアリールアルキル基中の−CH2−又は−CH=が、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、エステル基、アミド基又はイミド基と置き換わっていることを意味する。
また上記の置換及び中断は組み合わされている場合もあるが、酸素原子による中断が連続することはない。
前記の炭素原子数1〜12のアルキル基としては、前記一般式(1)におけるR1〜R3が表す直鎖又は分岐のアルキル基と同じ基が挙げられ、前記の炭素原子数1〜12のアルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ、ヘキサオキシ、オクトキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ、ウンデシルオキシ、ドデシルオキシ基が挙げられる。
また前記エステル基は、カルボン酸とアルコールが脱水縮合して形成される基であり、前記アミド基はカルボン酸とアミンの脱水縮合により形成される基である。
前記の置換基又は中断を有するアルキル基又はシクロアルキル基としては、2−ヒドロキシプロピル、2−メトキシエチル、3−スルホニル−2−ヒドロキシプロピル、4−メチルシクロヘキシル基等が挙げられ、また、前記の置換基又は中断を有するアリール基としては、4−メチルフェニル、3−クロロフェニル、4−ベンジルオキシフェニル、4−シアノフェニル、4−フェノキシフェニル、4−グリシジルオキシフェニル、4−イソシアヌレートフェニル基等が挙げられる。
1〜R3で表される基の中でも、耐候性と耐着色性、熱安定性の点から、酸素原子、カルボニル基又はエステル基で中断されている場合もある炭素原子数1〜12の直鎖又は分岐のアルキル基が好ましく、炭素原子数4〜8の直鎖のアルキル基がより好ましく、へキシル基が、最も好ましい。
4〜R6で表される炭素原子数1〜8のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第二ブチル、第三ブチル、イソブチル、アミル、第三アミル、ヘキシル、オクチル、第三オクチル基等が挙げられ、炭素原子数2〜8のアルケニル基としては、前記一般式(1)におけるR1〜R3が表す炭素原子数2〜8のアルケニル基が挙げられる。
4〜R6の中でも、炭素原子数1〜8のアルキル基、特にメチル基が、耐候性と耐着色性、熱安定性の点から好ましい。
前記一般式(1)で表されるトリアジン系化合物の中でも、下記一般式(2)で表される化合物が、耐候性と耐着色性、熱安定性の点から好ましい。
Figure 2016152484
(一般式(2)中、R7〜R9は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数1〜12の直鎖又は分岐のアルキル基を表す。但し、これらのアルキル基はヒドロキシ基、ハロゲン原子又は炭素原子数1〜12のアルコキシ基で置換されている場合もあり、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、エステル基、アミド基又はイミノ基で中断されている場合もある。)
前記一般式(2)におけるR7〜R9で表される炭素原子数1〜12の直鎖又は分岐のアルキル基としては、前記一般式(1)におけるR1〜R3が表す直鎖又は分岐のアルキル基と同じ基が挙げられる。
また、前記アルキル基を置換してもよい炭素原子数1〜12のアルコキシ基としては、前記一般式(1)におけるR1〜R3が表すアルキル基等を置換してもよい炭素原子数1〜12のアルコキシ基と同じ基が挙げられる。
7〜R9の中では、耐候性と耐着色性、熱安定性の点から、酸素原子、カルボニル基又はエステル基で中断されている場合もある炭素原子数1〜12の直鎖又は分岐のアルキル基が好ましく、炭素原子数4〜8の直鎖のアルキル基がより好ましく、へキシル基が、最も好ましい。
本発明に係る前記一般式(1)又は(2)で表されるトリアジン系化合物としては、例えば、下記の化合物No.1〜No.5等の化合物が挙げられる。
Figure 2016152484
Figure 2016152484
Figure 2016152484
Figure 2016152484
Figure 2016152484
本発明の塩化ビニル系樹脂組成物において、(C)成分である前記トリアジン系化合物の含有量は、塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、0.01〜20.0質量部であり、耐候性と耐着色性、熱安定性の点から、0.05〜10.0質量部が好ましく、0.1〜5.0質量部がより好ましい。
本発明の塩化ビニル系樹脂組成物は(D)成分としてハイドロタルサイト化合物を配合することも好ましい。
本発明において、ハイドロタルサイト化合物とは、マグネシウム及び/又は亜鉛とアルミニウムとの炭酸複塩化合物をいう。前記ハイドロタルサイト化合物は、天然物であってもよく、また合成品であってもよい。前記合成品の合成方法としては、特公昭46−2280号公報、特公昭50−30039号公報、特公昭51−29129号公報、特開昭61−174270号公報等に記載の公知の方法を例示することができる。また、本発明においては、前記ハイドロタルサイト化合物の結晶構造、結晶粒子径或いは結晶水の有無及びその量等に制限されることなく使用することできる。
また、前記ハイドロタルサイトは、過塩素酸処理することもでき、その表面をステアリン酸の如き高級脂肪酸、オレイン酸アルカリ金属塩の如き高級脂肪酸金属塩、ドデシルベンゼンスルホン酸アルカリ金属塩の如き有機スルホン酸金属塩、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エステル又はワックス等で被覆したものも使用できる。
前記(D)成分であるハイドロタルサイト化合物としては、下記一般式(3)で表される化合物が挙げられる。
Mgx1Znx2Al2(OH)2(x1+x2)+4・CO3・mH2O (3)
但し、式中の、x1及びx2は各々下記式で表される条件を満たす数であり、mは実数である。0≦x2/x1<10、2≦x1+x2<20)
また、本発明の(D)成分であるハイドロタルサイト化合物は、熱安定性と耐着色性の点から、亜鉛変性ハイドロタルサイト化合物が好ましく、透明製品用の塩化ビニル系樹脂組成物の場合は特に好ましい。
前記亜鉛変性ハイドロタルサイト化合物としては、下記一般式(4)で表されるものを使用することが好ましい。
y1Zny2Alx(OH)2(CO3x/2・mH2O (4)
(但し、式中のMは、マグネシウム、又は、マグネシウム及びカルシウムであり、mは0又は任意の正数である。また、x、y1及びy2は各々下記の式で表される条件を満足する数である。0<x≦0.5、y1+y2=1−x、y1≧y2、0.3≦y1<1、0<y2<0.5)
本発明で用いられる亜鉛変性ハイドロタルサイト化合物の具体例としては、次に示すような化合物があげられる。
Mg0.38Zn0.3Al0.32(OH)2(CO30.16・0.2H2
Mg0.45Zn0.23Al0.32(OH)2(CO30.16
Mg0.48Zn0.18Al0.34(OH)2(CO30.17
Mg0.48Zn0.2Al0.32(OH)2(CO30.16
Mg0.5Zn0.17Al0.33(OH)2(CO30.165・0.45H2
Mg0.5Zn0.18Al0.32(OH)2(CO30.16
Mg0.5Zn0.2Al0.3(OH)2(CO30.16
Mg0.5Zn0.2Al0.3(OH)2(CO30.15・0.52H2
Mg0.5Zn0.25Al0.25(OH)2(CO30.125
Mg0.51Zn0.17Al0.32(OH)2(CO30.16
Mg0.52Zn0.16Al0.32(OH)2(CO30.16・0.5H2
Mg0.55Zn0.15Al0.32(OH)2(CO30.15
Mg0.6Zn0.14Al0.26(OH)2(CO30.13
Mg0.6Zn0.16Al0.24(OH)2(CO30.12
Mg0.6Zn0.2Al0.2(OH)2(CO30.1
Mg0.4Ca0.1Zn0.18Al0.32(OH)2(CO30.16
Mg0.3Ca0.2Zn0.2Al0.3(OH)2(CO30.15
Mg0.5Zn0.17Al0.33(OH)2(CO30.17・0.5H2
Mg0.5Zn0.17Al0.33(OH)2(CO30.17・0.42H2
Mg0.6Zn0.16Al0.24(OH)2(CO30.12・0.45H2
Mg0.5Zn0.25Al0.25(OH)2(CO30.13・0.39H2
Mg0.5Zn0.17Al0.33(OH)2(CO30.17
Mg0.5Zn0.25Al0.25(OH)2(CO30.13
Mg3/6Zn1/6Al2/6(OH)2(CO31/6・0.5H2
Mg3/6Zn1/6Al2/6(OH)2(CO31/6
Mg3.0ZnAl2(OH)12(CO3)・3H2
市販品としては、アルカマイザー4(アルカマイザーP−93)、アルカマイザー7等(何れも協和化学工業製の商品名)が挙げられる。耐熱性と耐着色性の点と、透明製品用塩化ビニル系樹脂組成物に配合する場合は、さらに透明性の点から、アルカマイザー4(アルカマイザーP−93)を使用することが好ましい。
また亜鉛変性ハイドロタルサイト化合物の屈折率は、透明性の点から1.52〜1.56が好ましい。
本発明においては、ハイドロタルサイト化合物を1種類のみ使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明においては、前記ハイドロタルサイト化合物の表面を、ステアリン酸等の高級脂肪酸類、オレイン酸アルカリ金属塩等の高級脂肪酸金属塩類、ドデシルベンゼンスルホン酸アルカリ金属塩等の有機スルホン酸金属塩類、高級脂肪酸アミド類、高級脂肪酸エステル類又はワックス等で被覆したものも使用することができる。また結晶水を脱水したものも使用することできる。
本発明の塩化ビニル系樹脂組成物において、(D)成分であるハイドロタルサイト化合物の含有量は、塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、0.01〜10.0質量部含有するのが、熱安定性と耐着色性の点から好ましく、0.1〜6.0質量部がより好ましく、0.5〜4.0質量部がさらにより好ましい。0.01質量部未満では、熱安定性が不充分であり、10.0質量部を超えると耐着色性が低下する場合がある。
本発明の塩化ビニル系樹脂組成物は、熱安定性と耐着色性の点から、さらに有機酸カルシウム塩を配合してもよい。かかる有機酸カルシウム塩としては、有機カルボン酸、フェノール類又は有機リン酸類等のカルシウム塩が挙げられる。
前記有機カルボン酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、2−エチルヘキシル酸、ネオデカン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、イソステアリン酸、ステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ベヘニン酸、モンタン酸、安息香酸、モノクロル安息香酸、p−第三ブチル安息香酸、ジメチルヒドロキシ安息香酸、3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸、トルイル酸、ジメチル安息香酸、エチル安息香酸、クミン酸、n−プロピル安息香酸、アミノ安息香酸、N,N−ジメチルアミノ安息香酸、アセトキシ安息香酸、サリチル酸、p−第三オクチルサリチル酸、エライジン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、チオグリコール酸、メルカプトプロピオン酸、オクチルメルカプトプロピオン酸等の一価カルボン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ヒドロキシフタル酸、クロルフタル酸、アミノフタル酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メタコン酸、イタコン酸、アコニット酸、チオジプロピオン酸等の二価カルボン酸或いはこれらのモノエステル又はモノアマイド化合物;ブタントリカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸、ヘミメリット酸、トリメリット酸、メロファン酸、ピロメリット酸等の三価又は四価カルボン酸のジ又はトリエステル化合物が挙げられる。
また、前記フェノール類としては、例えば、第三ブチルフェノール、ノニルフェノール、ジノニルフェノール、シクロヘキシルフェノール、フェニルフェノール、オクチルフェノール、フェノール、クレゾール、キシレノール、n−ブチルフェノール、イソアミルフェノール、エチルフェノール、イソプロピルフェノール、イソオクチルフェノール、2−エチルヘキシルフェノール、第三ノニルフェノール、デシルフェノール、第三オクチルフェノール、イソヘキシルフェノール、オクタデシルフェノール、ジイソブチルフェノール、メチルプロピルフェノール、ジアミルフェノール、メチルイソフキシルフェノール、メチル第三オクチルフェノール等が挙げられる。
また、前記有機リン酸類としては、例えば、モノ又はジオクチルリン酸、モノ又はジドデシルリン酸、モノ又はジオクタデシルリン酸、モノ又はジ−(ノニルフェニル)リン酸、ホスホン酸ノニルフェニルエステル、ホスホン酸ステアリルエステル等が挙げられる。
本発明の有機酸カルシウム塩は、酸性塩、中性塩、塩基性塩或いは塩基性塩の塩基の一部又は全部を炭酸で中和した過塩基性錯体であってもよい。
また、有機酸カルシウム塩は、1種類のみ使用しても、2種類以上を併用してもよい。
本発明では、有機酸カルシウム塩として、熱安定性と耐着色性の点から、特に有機カルボン酸カルシウム塩が好ましい。
本発明の塩化ビニル系樹脂組成物に有機酸カルシウム塩を配合する場合、(A)成分の有機酸亜鉛塩との質量比(有機酸カルシウム塩/有機酸亜鉛塩)が、0.1〜2.0であることが好ましく、0.2〜1.5であることが更に好ましい。但し、透明製品用の塩化ビニル系樹脂組成物に使用する場合には、有機酸亜鉛塩のみを使用することが好ましい。
本発明の塩化ビニル系樹脂組成物は、さらに有機酸バリウム塩を配合してもよい。かかる有機酸バリウム塩としては、有機カルボン酸、フェノール類又は有機リン酸類等のカルシウム塩が挙げられる。
前記有機カルボン酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、2−エチルヘキシル酸、ネオデカン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、イソステアリン酸、ステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ベヘニン酸、モンタン酸、安息香酸、モノクロル安息香酸、p−第三ブチル安息香酸、ジメチルヒドロキシ安息香酸、3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸、トルイル酸、ジメチル安息香酸、エチル安息香酸、クミン酸、n−プロピル安息香酸、アミノ安息香酸、N,N−ジメチルアミノ安息香酸、アセトキシ安息香酸、サリチル酸、p−第三オクチルサリチル酸、エライジン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、チオグリコール酸、メルカプトプロピオン酸、オクチルメルカプトプロピオン酸等の一価カルボン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ヒドロキシフタル酸、クロルフタル酸、アミノフタル酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メタコン酸、イタコン酸、アコニット酸、チオジプロピオン酸等の二価カルボン酸或いはこれらのモノエステル又はモノアマイド化合物;ブタントリカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸、ヘミメリット酸、トリメリット酸、メロファン酸、ピロメリット酸等の三価又は四価カルボン酸のジ又はトリエステル化合物が挙げられる。
また、前記フェノール類としては、例えば、第三ブチルフェノール、ノニルフェノール、ジノニルフェノール、シクロヘキシルフェノール、フェニルフェノール、オクチルフェノール、フェノール、クレゾール、キシレノール、n−ブチルフェノール、イソアミルフェノール、エチルフェノール、イソプロピルフェノール、イソオクチルフェノール、2−エチルヘキシルフェノール、第三ノニルフェノール、デシルフェノール、第三オクチルフェノール、イソヘキシルフェノール、オクタデシルフェノール、ジイソブチルフェノール、メチルプロピルフェノール、ジアミルフェノール、メチルイソフキシルフェノール、メチル第三オクチルフェノール等が挙げられる。
また、前記有機リン酸類としては、例えば、モノ又はジオクチルリン酸、モノ又はジドデシルリン酸、モノ又はジオクタデシルリン酸、モノ又はジ−(ノニルフェニル)リン酸、ホスホン酸ノニルフェニルエステル、ホスホン酸ステアリルエステル等が挙げられる。
本発明の有機酸バリウム塩は、酸性塩、中性塩、塩基性塩或いは塩基性塩の塩基の一部又は全部を炭酸で中和した過塩基性錯体であってもよい。
また、有機酸バリウム塩は、1種類のみ使用しても、2種類以上を併用してもよい。
本発明では、有機酸バリウム塩の中でも、熱安定性と耐着色性の点から、有機カルボン酸バリウム塩が好ましい。
本発明の塩化ビニル系樹脂組成物は、熱安定性と耐着色性の点から、有機酸バリウム塩を配合することができるが、バリウム塩の人体や環境へ与える影響を考慮しなければならない用途の場合は、有機酸バリウム塩よりも、有機酸カルシウム塩の配合が好ましい。
本発明の塩化ビニル系樹脂組成物に、有機酸バリウム塩を配合する場合、(A)成分の有機酸亜鉛塩との質量比(有機酸バリウム塩/有機酸亜鉛塩)が、0.1〜2.0であることが好ましく、0.2〜1.5であることが更に好ましい。但し、透明製品用の塩化ビニル系樹脂組成物に使用する場合には、有機酸亜鉛塩のみを使用することが好ましい。
本発明の塩化ビニル系樹脂組成物は、さらに有機酸マグネシウム塩を配合してもよい。かかる有機酸バリウム塩としては、有機カルボン酸、フェノール類又は有機リン酸類等のカルシウム塩が挙げられる。
前記有機カルボン酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、2−エチルヘキシル酸、ネオデカン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、イソステアリン酸、ステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ベヘニン酸、モンタン酸、安息香酸、モノクロル安息香酸、p−第三ブチル安息香酸、ジメチルヒドロキシ安息香酸、3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸、トルイル酸、ジメチル安息香酸、エチル安息香酸、クミン酸、n−プロピル安息香酸、アミノ安息香酸、N,N−ジメチルアミノ安息香酸、アセトキシ安息香酸、サリチル酸、p−第三オクチルサリチル酸、エライジン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、チオグリコール酸、メルカプトプロピオン酸、オクチルメルカプトプロピオン酸等の一価カルボン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ヒドロキシフタル酸、クロルフタル酸、アミノフタル酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メタコン酸、イタコン酸、アコニット酸、チオジプロピオン酸等の二価カルボン酸或いはこれらのモノエステル又はモノアマイド化合物;ブタントリカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸、ヘミメリット酸、トリメリット酸、メロファン酸、ピロメリット酸等の三価又は四価カルボン酸のジ又はトリエステル化合物が挙げられる。
また、前記フェノール類としては、例えば、第三ブチルフェノール、ノニルフェノール、ジノニルフェノール、シクロヘキシルフェノール、フェニルフェノール、オクチルフェノール、フェノール、クレゾール、キシレノール、n−ブチルフェノール、イソアミルフェノール、エチルフェノール、イソプロピルフェノール、イソオクチルフェノール、2−エチルヘキシルフェノール、第三ノニルフェノール、デシルフェノール、第三オクチルフェノール、イソヘキシルフェノール、オクタデシルフェノール、ジイソブチルフェノール、メチルプロピルフェノール、ジアミルフェノール、メチルイソフキシルフェノール、メチル第三オクチルフェノール等が挙げられる。
また、前記有機リン酸類としては、例えば、モノ又はジオクチルリン酸、モノ又はジドデシルリン酸、モノ又はジオクタデシルリン酸、モノ又はジ−(ノニルフェニル)リン酸、ホスホン酸ノニルフェニルエステル、ホスホン酸ステアリルエステル等が挙げられる。
本発明の有機酸マグネシウム塩は、酸性塩、中性塩、塩基性塩或いは塩基性塩の塩基の一部又は全部を炭酸で中和した過塩基性錯体であってもよい。
また、有機酸マグネシウム塩は、1種類のみ使用しても、2種類以上を併用してもよい。
本発明では、前記有機酸マグネシウム塩の中でも、熱安定性と耐着色性の点から、有機カルボン酸マグネシウム塩が好ましい。
本発明の塩化ビニル系樹脂組成物に有機酸マグネシウム塩を配合する場合、(A)成分の有機酸亜鉛塩との質量比(有機酸マグネシウム塩/有機酸亜鉛塩)が、0.1〜2.0であることが好ましく、0.2〜1.5であることが更に好ましい。但し、透明製品用の塩化ビニル系樹脂組成物に使用する場合には、有機酸亜鉛塩のみを使用することが好ましい。
本発明の塩化ビニル系樹脂組成物は、さらにフェノール系酸化防止剤を配合することが好ましい。
本発明に使用するフェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ第三ブチル−p−クレゾール、2,6−ジフェニル−4−オクタデシロキシフェノール、ステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、ジステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ホスホネート、チオジエチレングリコールビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサメチレンビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサメチレンビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アミド〕、4,4'−チオビス(6−第三ブチル−m−クレゾール) 、2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−第三ブチルフェノール)、2,2'−メチレンビス(4−エチル−6−第三ブチルフェノール)、ビス〔3,3−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)ブチリックアシッド〕グリコールエステル、4,4'−ブチリデンビス(6−第三ブチル−m−クレゾール)、2,2'−エチリデンビス(4,6−ジ第三ブチルフェノール)、2,2'−エチリデンビス(4−第二ブチル−6−第三ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタン、ビス〔2−第三ブチル−4−メチル−6−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−メチルベンジル)フェニル〕テレフタレート、1,3,5−トリス(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−第三ブチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドルキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,3,5−トリス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル〕イソシアヌレート、テトラキス〔メチレン−3−(3’,5’−ジ第三ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、2−第三ブチル−4−メチル−6−(2−アクリロイルオキシ−3−第三ブチル−5−メチルベンジル)フェノール、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−{(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、トリエチレングリコールビス〔(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート〕等が挙げられる。これらのフェノール系酸化防止剤は、1種のみを使用しても、2種以上を併用してもよい。
本発明の塩化ビニル系樹脂組成物において、フェノール系酸化防止剤の含有量は、熱安定性と耐着色性の点から、塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、0.01〜5.0質量部であることが好ましく、0.03〜3.0質量部であることがより好ましく、0.05〜1.0質量部であることが最も好ましい。
本発明の塩化ビニル系樹脂組成物には、塩化ビニル系樹脂に用いられる金属系安定剤のうち、鉛系安定剤、(有機)スズ系安定剤、カドミウム系安定剤を添加することは、環境に対する影響や毒性の点から好ましくない。
本発明の塩化ビニル系樹脂組成物は、可塑剤を配合せずに、硬質用途として使用することもできるし、少量の可塑剤を配合して、例えば、塩化ビニル系樹脂100質量部に対して30質量部以下の可塑剤を配合して、半硬質用途として使用することもできるし、塩化ビニル系樹脂100質量部に対して30質量部を超える可塑剤を配合して、軟質用途としても使用できる。
前記可塑剤の例としては、例えば、ジブチルフタレート、ブチルヘキシルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジイソノニルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジラウリルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジオクチルテレフタレート等のフタレート系可塑剤;ジオクチルアジペート、ジイソノニルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジ(ブチルジグリコール)アジペート等のアジペート系可塑剤;トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、トリ(イソプロピルフェニル)ホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリ(ブトキシエチル)ホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート等のホスフェート系可塑剤;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等の多価アルコールと、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバチン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の二塩基酸を用い、必要により一価アルコール、モノカルボン酸をストッパーとして使用したポリエステル系可塑剤;その他、テトラヒドロフタル酸系可塑剤、アゼライン酸系可塑剤、セバチン酸系可塑剤、ステアリン酸系可塑剤、クエン酸系可塑剤、トリメリット酸系可塑剤、ピロメリット酸系可塑剤、ビフェニレンポリカルボン酸系可塑剤等が挙げられる。
本発明の塩化ビニル系樹脂組成物は、前記、必須成分の(A)〜(C)成分、好ましい配合成分の(D)成分、前記配合してもよい成分以外に、任意成分として、滑剤、リン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、加工助剤、多価アルコール化合物、エポキシ化合物、前記一般式(1)で表されるトリアジン系化合物以外の紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系等の光安定剤、衝撃改良剤、充填剤、難燃剤、難燃助剤、ゼオライト化合物、過塩素酸塩類、発泡剤等を、本発明の効果を損なわない範囲で配合することができる。
前記滑剤の例としては、例えば、低分子ワックス、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、塩素化炭化水素、フルオロカーボン等の炭化水素系滑剤;カルナバワックス、キャンデリラワックス等の天然ワックス系滑剤;ラウリン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸等の高級脂肪酸、又はヒドロキシステアリン酸のようなオキシ脂肪酸等の脂肪酸系滑剤;ステアリルアミド、ラウリルアミド、オレイルアミド等の脂肪族アミド化合物又はメチレンビスステアリルアミド、エチレンビスステアリルアミドのようなアルキレンビス脂肪族アミド等の脂肪族アミド系滑剤;ステアリルステアレート、ブチルステアレート、ジステアリルフタレート等の脂肪酸1価アルコールエステル化合物又は、グリセリントリステアレート、ソルビタントリステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ジペンタエリスリトールヘキサステアレート、ポリグリセリンポリリシノレート、硬化ヒマシ油等の脂肪酸多価アルコールエステル化合物、又は、ジペンタエリスリトールのアジピン酸・ステアリン酸エステルのような1価脂肪酸及び多塩基性有機酸と多価アルコールの複合エステル化合物等の脂肪酸アルコールエステル系滑剤;ステアリルアルコール、ラウリルアルコール、パルミチルアルコール等の脂肪族アルコール系滑剤;金属石鹸類;部分ケン化モンタン酸エステル等のモンタン酸系滑剤;アクリル系滑剤;シリコーンオイル等が挙げられる。これらの滑剤は、1種類のみ使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明においては、特に透明製品用の塩化ビニル系樹脂に使用する場合に、1価脂肪酸及び多塩基性有機酸と多価アルコールの複合エステル化合物等の、脂肪酸アルコールエステル系滑剤を使用することが好ましい。
前記滑剤を使用する場合は、塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、0.01〜5.0質量部が好ましく、加工性の点から0.05〜3.0質量部であることがより好ましく、0.1〜2.0質量部がさらにより好ましい。
前記リン系酸化防止剤としては、例えば、トリフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(モノ、ジ混合ノニルフェニル)ホスファイト、ビス(2−第三ブチル−4,6−ジメチルフェニル)・エチルホスファイト、ジフェニルアシッドホスファイト、2,2'−メチレンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ジフェニルデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリブチルホスファイト、トリス(2−エチルヘキシル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリラウリルホスファイト、ジブチルアシッドホスファイト、ジラウリルアシッドホスファイト、トリラウリルトリチオホスファイト、ビス(ネオペンチルグリコール)−1,4−シクロヘキサンジメチルジホスフィト、ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ第三ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、テトラ(C12−15混合アルキル)−4,4'−イソプロピリデンジフェニルホスファイト、ビス[2,2'−メチレンビス(4,6−ジアミルフェニル)]・イソプロピリデンジフェニルホスファイト、水素化−4,4'−イソプロピリデンジフェノールポリホスファイト、テトラトリデシル[4,4'−ブチリデンビス(2−第三ブチル−5−メチルフェノール)]ジホスファイト、ヘキサキス(トリデシル)−1,1,3−トリス(2'−メチル−5'−第三ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)ブタントリホスファイト、9,10−ジハイドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド、2−ブチル−2−エチルプロパンジオール・2,4,6−トリ第三ブチルフェノールモノホスファイト等が挙げられる。
これらのリン系酸化防止剤は、1種類のみ使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
リン系酸化防止剤を使用する場合は、塩化ビニル系樹脂100質量部に対して0.01〜5.0質量部配合されるのが、熱安定性と耐着色性の点から好ましく、0.03〜3.0質量部がより好ましく、0.05〜2.0質量部がさらにより好ましい。
前記硫黄系酸化防止剤としては、例えば、チオジプロピオン酸ジラウリル、チオジプロピオン酸ジミリスチル、チオジプロピオン酸ジステアリル等のジアルキルチオジプロピオネート類、及びペンタエリスリトールテトラ(β−アルキルチオプロピオン酸)エステル類が挙げられる。
硫黄系酸化防止剤を使用する場合は、塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、0.01〜5.0質量部配合されるのが、熱安定性と耐着色性の点から好ましく、0.03〜3.0質量部がより好ましく、0.05〜1.0質量部がさらにより好ましい。
前記加工助剤としては、公知の加工助剤の中から適宜選択することができるが、アクリル酸系加工助剤が好ましい。加工助剤の例を挙げると、例えばメチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート等のアルキルメタクリレートの単独重合体又は共重合体;前記アルキルメタクリレートと、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート等のアルキルアクリレートとの共重合体;前記アルキルメタクリレートと、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニル化合物との共重合体;前記アルキルメタクリレートと、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルシアン化合物等との共重合体等を挙げることができる。これらの加工助剤は、1種類のみ使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
加工助剤を使用する場合は、塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、0.01〜10質量部であることが好ましく、特に0.05〜5質量部であることが好ましい。
前記多価アルコール化合物としては、例えば、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、ポリペンタエリスリトール 、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、ポリエチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、マンニトール、マルチトール、ラクチトール、ソルビトール、エリスリトール、キシリトール、キシロース、スクロース(シュクロース)、トレハロース、イノシトール、フルクトース、マルトース、ラクトース等が挙げられ、これらの2種以上を併用してもよい。
多価アルコール化合物を使用する場合は、塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、熱安定性、耐着色性の点と、透明用途の場合、透明性の点から、0.001〜5.0質量部が好ましく、0.005〜3.0質量部がより好ましく、0.01〜2.0質量部がさらにより好ましい。
前記エポキシ化合物としては、例えば、エポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油、エポキシ化桐油、エポキシ化魚油、エポキシ化牛脂油、エポキシ化ヒマシ油、エポキシ化サフラワー油等のエポキシ化動植物油、エポキシ化ステアリン酸メチル、エポキシ化ステアリン酸ブチル、エポキシ化ステアリン酸2−エチルヘキシル、エポキシ化ステアリン酸ステアリルエステル、エポキシ化ポリブタジエン、トリス(エポキシプロピル)イソシアヌレート、エポキシ化トール油脂肪酸エステル、エポキシ化アマニ油脂肪酸エステル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビニルシクロヘキセンジエポキサイド、ジシクロヘキセンジエポキサイド、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、エポキシシクロヘキサンカルボキシレート等のエポキシ化合物が挙げられる。
前記一般式(1)で表されるトリアジン系化合物以外の紫外線吸収剤としては、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、5,5’−メチレンビス(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)等の2−ヒドロキシベンゾフェノン類;2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−第三オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ第三ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス(4−第三オクチル−6−ベンゾトリアゾリル)フェノール、2−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−カルボキシフェニル)ベンゾトリアゾールのポリエチレングリコールエステル等の2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール類;フェニルサリシレート、レゾルシノールモノベンゾエート、2,4−ジ第三ブチルフェニル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等のベンゾエート類;2−エチル−2’−エトキシオキザニリド、2−エトキシ−4’−ドデシルオキザニリド等の置換オキザニリド類;エチル−α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート等のシアノアクリレート類;2−(2−ヒドロキシ−4−オクトキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−s−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシフェニル)−4,6−ジフェニル−s−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−プロポキシ−5−メチルフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−s−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシフェニル)−4,6−ジビフェニル−s−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−オクトキシフェニル)−6−(2,4−ジメチルフェニル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−オクトキシフェニル)−s−トリアジン、2−(4−イソオクチルオキシカルボニルエトキシフェニル)−4,6−ジフェニル−s−トリアジン等のトリアリールトリアジン類等が挙げられる。
前記ヒンダードアミン系光安定剤としては、例えば、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルステアレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルステアレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−ブチル−2−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノール/コハク酸ジエチル重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラエチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/ジブロモエタン重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−モルホリノ−s−トリアジン重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−第三オクチルアミノ−s−トリアジン重縮合物、1,5,8,12−テトラキス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1,5,8,12−テトラキス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1,6,11−トリス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イルアミノ〕ウンデカン、1,6,11−トリス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イルアミノ〕ウンデカン等のヒンダードアミン化合物が挙げられる。
前記衝撃改良剤としては、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、フッ素ゴム、スチレン−ブタジエン系共重合体ゴム、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン系共重合体、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン系グラフト共重合体、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン系共重合体ゴム、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン系グラフト共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体ゴム、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体ゴム、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム(EPDM)、シリコーン含有アクリル系ゴム、シリコーン/アクリル複合ゴム系グラフト共重合体、シリコーン系ゴム等を挙げることができる。なお、前記のエチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム(EPDM)のジエンとしては、1,4−ヘキサンジエン、ジシクロペンタジエン、メチレンノルボルネン、エチリデンノルボルネン、プロペニルノルボルネン等を挙げることができる。
前記充填剤の具体例としては、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、水酸化亜鉛、炭酸亜鉛、硫化亜鉛、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、アルミナケイ酸ナトリウム、ハイドロカルマイト、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ゼオライト等のケイ酸金属塩、活性白土、タルク、クレイ、ベンガラ、アスベスト、三酸化アンチモン、シリカ、ガラスビーズ、マイカ、セリサイト、ガラスフレーク、アスベスト、ウオラストナイト、チタン酸カリウム、PMF、石膏繊維、ゾノライト、MOS,ホスフェートファイバー、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維等が挙げられる。
前記難燃剤や難燃助剤の例としては、トリアジン環含有化合物、金属水酸化物、その他無機リン、ハロゲン系難燃剤、シリコーン系難燃剤、リン酸エステル系難燃剤、縮合リン酸エステル系難燃剤、イントメッセント系難燃剤、三酸化アンチモン等の酸化アンチモン、その他の無機系難燃助剤、有機系難燃助剤等が挙げられる。
前記トリアジン環含有化合物としては、例えば、メラミン、アンメリン、ベンズグアナミン、アセトグアナミン、フタロジグアナミン、メラミンシアヌレート、ピロリン酸メラミン、ブチレンジグアナミン、ノルボルネンジグアナミン、メチレンジグアナミン、エチレンジメラミン、トリメチレンジメラミン、テトラメチレンジメラミン、ヘキサメチレンジメラミン、1,3−ヘキシレンジメランミン等が挙げられる。
前記金属水酸化物としては、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化亜鉛、キスマー5A(水酸化マグネシウム:協和化学工業(株)製)等が挙げられる。
前記リン酸エステル系難燃剤の例としては、例えば、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリスクロロエチルホスフェート、トリスジクロロプロピルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート、トリスイソプロピルフェニルホスフェート、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート、t-ブチルフェニルジフェニルホスフェート、ビス-(t-ブチルフェニル)フェニルホスフェート、トリス-(t-ブチルフェニル)ホスフェート、イソプロピルフェニルジフェニルホスフェート、ビス-(イソプロピルフェニル)ジフェニルホスフェート、トリス-(イソプロピルフェニル)ホスフェート等が挙げられる。
前記縮合リン酸エステル系難燃剤の例としては、1,3−フェニレン ビス(ジフェニルホスフェート)、1,3−フェニレン ビス(ジキシレニルホスフェート)、ビスフェノールA ビス(ジフェニルホスフェート)等が挙げられ、イントメッセント系難燃剤としては、ポリリン酸アンモニウム、ポリリン酸メラミン、ポリリン酸ピペラジン、ピロリン酸アンモニウム、ピロリン酸メラミン、ピロリン酸ピペラジン等の、(ポリ)リン酸のアンモニウム塩やアミン塩が挙げられる。
前記その他の無機系難燃助剤としては、例えば、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、タルク等の無機化合物、及びその表面処理品が挙げられ、例えば、TIPAQUE R−680(酸化チタン:石原産業(株)製)、キョーワマグ150(酸化マグネシウム:協和化学工業(株)製)、等の種々の市販品を用いることができる。
また、前記その他の有機系難燃助剤としては、例えば、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等が挙げられる。
前記ゼオライト化合物は、独特の三次元のゼオライト結晶構造を有するアルカリ又はアルカリ土類金属のアルミノケイ酸塩であり、その代表例としては、A型、X型、Y型及びP型ゼオライト、モノデナイト、アナルサイト、ソーダライト族アルミノケイ酸塩、クリノブチロライト、エリオナイト及びチャバサイト等を挙げることができ、これらのゼオライト化合物の結晶水(いわゆるゼオライト水)を有する含水物又は結晶水を除去した無水物の何れでもよく、またその粒径が0.1〜50μmのものを用いることができ、特に、0.5〜10μmのものが好ましい。
前記過塩素酸塩類としては、過塩素酸金属塩、過塩素酸アンモニウム、過塩素酸処理珪酸塩等が挙げられる。これらの金属塩を構成する金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、ストロンチウム、バリウム、亜鉛、カドミウム、鉛、アルミニウム等が例示できる。前記過塩素酸金属塩は、無水物でも含水塩でもよく、また、ブチルジグリコール、ブチルジグリコールアジペート等のアルコール系及びエステル系の溶剤に溶かしたもの及びその脱水物でもよい。
前記発泡剤としては、例えば、アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、p,p'−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド、n,n'−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、p−トルエンスルホニルセミカルバジド、トリヒドラゾトリアジン等の分解型有機発泡剤及び重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウム、アジド化合物、ホウ水素化ナトリウム等の分解型無機発泡剤が挙げられる
さらに任意成分の例を挙げると、通常塩化ビニル系樹脂に使用される安定化助剤を、本発明の効果を損なわない範囲内で添加することができる。かかる安定化助剤としては、例えば、ジフェニルチオ尿素、アニリノジチオトリアジン、メラミン、安息香酸、ケイヒ酸、p−第三ブチル安息香酸、ゼオライト、過塩素酸塩等が挙げられる。
その他、本発明の塩化ビニル系樹脂用安定剤組成物、又は塩化ビニル用樹脂組成物には、必要に応じて通常塩化ビニル系樹脂に使用される添加剤、例えば、架橋剤、帯電防止剤、防曇剤、プレートアウト防止剤、表面処理剤、蛍光剤、防黴剤、殺菌剤、金属不活性剤、離型剤、二酸化チタン等の白色顔料、ウルトラマリンブルー、フタロシアニンブルー等の青色顔料等の顔料等を、本発明の効果を損なわない範囲で配合することができる。
本発明の塩化ビニル系樹脂組成物は、例えば、ロール加工、押出成型加工、溶融流延法、加圧成型加工等、加工方法によらず好適に使用することができる。
本発明の塩化ビニル系樹脂組成物から得られる成形品は、パイプ、継手、配管部品等の配管材料;壁材、床材、窓枠、波板、雨樋等の建材・構造材;自動車用内外装材;電線用被覆材;農業用資材;食品包装材;パッキン、ガスケット、ホース、シート、トレー、ボトル、玩具等の雑貨、化粧板、工業板、ICケース等の製品に利用することができるが、透明製品に好適に使用できる。
以下に、実施例及び比較例によって本発明を更に詳述するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
〔実施例1、2及び比較例1〜13〕
<透明製品用硬質塩化ビニル系樹脂組成物>
下記表1記載の配合物をブレンドして本発明の透明製品用硬質塩化ビニル系樹脂組成物を得た。実施例では(C)成分として、下記化合物No.1を使用した。得られた樹脂組成物を190℃×30rpm×0.6mm×3分の条件でロール混練してシートを作製した。
得られたシートを190℃と、200℃のギヤーオーブンに入れて<熱安定性試験>として、黒化時間(分)を測定した。結果を表1に示す。
また、前記で得られた0.6mm厚のシートを張り合わせて190℃で5分プレス加工を行って1mm厚のシートを作製した。また、前記で得られた0.6mm厚のシートを張り合わせて190℃で30分プレス加工を行って1mm厚のシートを作製した。
これらのシートを用いて、以下の方法で、<透明性試験>、<耐熱着色性試験>及び<耐候着色性試験−1>を行った。結果を表1に示す。
Figure 2016152484
比較例として、表1及び表2に記載の配合で、実施例1と同様に比較試験を行った。結果を表1及び表2に示す。
比較例では、実施例1の(C)成分である化合物No.1の替りに、下記比較紫外線吸収剤−1〜6を使用した。
Figure 2016152484
Figure 2016152484
Figure 2016152484
Figure 2016152484
Figure 2016152484
Figure 2016152484
<耐熱着色性試験>
耐熱着色性として、前記の90℃で30分プレス加工した1mm厚のシートについて、黄色度(YI)を測定した。黄色度の数値が小さいほど着色がなく耐熱着色性に優れるといえる。
<耐候着色性試験−1>
前記の190℃で5分プレス加工した1mm厚のシートについてメタルウエザー 型式KU−R5NCI(ダイプラ・ウィンテス(株)製)を用いて、下記試験条件で、耐候性の促進試験を4日間行った。試験前と試験後のシートの黄色度(YI)を測定し、試験前と試験後の黄色度の差(ΔYI)を耐候着色性として評価した。ΔYIの数値が小さいほど着色がなく耐候性に優れるといえる。
試験条件
光源:水冷式メタルハライドランプ
放射照度:39.6mW/cm2
照射条件:以下のサイクルを繰り返した。
ライト点灯:50℃、50%RHで4時間
水噴霧:10秒
ライト無点灯:30℃、98%RHで4時間
水噴霧:10秒
<透明性試験>
前記の190℃で5分プレス加工した1mm厚のシートについて、Haze値を測定した。
Figure 2016152484
Figure 2016152484
〔実施例3及び比較例14〜19〕
<透明製品用軟質塩化ビニル系樹脂組成物>
下記表3記載の配合物をブレンドして本発明の透明製品用軟質塩化ビニル系樹脂組成物を得た。実施例では(C)成分として、前記実施例1及び2で使用した化合物No.1を使用した。得られた樹脂組成物を160℃×30rpm×0.7mm×5分の条件でロール混練してシートを作成した。得られた0.7mm厚のシートを張り合わせて180℃で5分プレス加工を行って1mm厚のシートを作製した。
このシートを用いて、以下の方法で、<耐候着色性試験−2>を行った。結果を表3に示す。
比較例として、表3に記載の配合で、実施例3と同様に比較試験を行った。結果を表3に示す。比較例では実施例3の(C)成分である化合物No.1の替りに、前記比較紫外線吸収剤−1〜6を使用した。
<耐候着色性試験−2>
前記の190℃で5分プレス加工した1mm厚のシートについてメタルウエザー 型式KU−R5NCI(ダイプラ・ウィンテス(株)製)を用いて、下記試験条件で、耐候性の促進試験を6日間行った。試験前と試験後のシートの黄色度(YI)を測定し、試験前と試験後の黄色度の差(ΔYI)を耐候着色性として評価した。ΔYIの数値が小さいほど着色がなく耐候性に優れるといえる。
試験条件
光源:水冷式メタルハライドランプ
放射照度:75mW/cm2
照射条件:63℃、50%RHで連続照射。2時間ごとに120秒間水噴霧。
Figure 2016152484

Claims (5)

  1. 塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、
    (A)成分として、有機酸亜鉛塩を0.01〜10.0質量部、
    (B)成分として、β−ジケトン化合物を0.01〜10.0質量部、及び
    (C)成分として、下記一般式(1)で表されるトリアジン系化合物の一種以上を0.01〜20.0質量部含有する塩化ビニル系樹脂組成物。
    Figure 2016152484
    (一般式(1)中、R1〜R3は、互いに同一であっても異なっていてもよく、炭素原子数1〜12の直鎖若しくは分岐のアルキル基、炭素原子数3〜8のシクロアルキル基、炭素原子数2〜8のアルケニル基、炭素原子数6〜18のアリール基、炭素原子数7〜18のアルキルアリール基又は炭素原子数7〜18のアリールアルキル基を表す。ただし、これらのアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルキルアリール基又はアリールアルキル基は、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、炭素原子数1〜12のアルキル基又は炭素原子数1〜12のアルコキシ基で置換されている場合もあり、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、エステル基、アミド基又はイミノ基で中断されている場合もある。また、前記の置換及び中断は組み合わされている場合もある。R4〜R6は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数1〜8のアルキル基又は炭素原子数2〜8のアルケニル基を表す。)
  2. 前記一般式(1)で表されるトリアジン系化合物が下記一般式(2)で表されるトリアジン系化合物である請求項1記載の塩化ビニル系樹脂組成物。
    Figure 2016152484
    (一般式(2)中、R7〜R9は、互いに同一であっても異なっていてもよく、炭素原子数1〜12の直鎖又は分岐のアルキル基を表す。但し、これらのアルキル基はヒドロキシ基、ハロゲン原子又は炭素原子数1〜12のアルコキシ基で置換されている場合もあり、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、エステル基、アミド基又はイミノ基で中断されている場合もある。)
  3. さらに(D)成分として、ハイドロタルサイト化合物を0.01〜10.0質量部含有する請求項1又は2記載の塩化ビニル系樹脂用安定剤組成物。
  4. 透明製品用途である請求項1〜3の何れか1項に記載の塩化ビニル系樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載の塩化ビニル系樹脂組成物の成形体。
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