JP2017190384A - 塩化ビニル系樹脂組成物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ハイドロタルサイトを非含有であって、熱安定性、耐着色性及び成形品の外観不良防止に優れた塩化ビニル系樹脂組成物の製造方法を提供すること。【解決手段】ハイドロタルサイトを非含有である塩化ビニル系樹脂に対し、(A)成分:脂肪酸金属塩、(B)成分:β−ジケトン化合物、(C)成分:塩化ビニル系樹脂組成物に含有させる前の含水率が10質量%以下であるゼオライト及び(D)成分:滑剤を含有させてなる塩化ビニル系樹脂組成物の製造方法。【選択図】なし
Description
本発明は塩化ビニル系樹脂組成物の製造方法に関し、詳しくは耐熱性、耐着色性、加工性に優れた塩化ビニル系樹脂組成物の製造方法に関する。
塩化ビニル系樹脂は難燃性、耐薬品性、機械的安定性、透明性、接着性、印刷性等に優れ、また、可塑剤を添加することにより硬質から軟質まで容易に硬さを変えられることから、様々な用途で用いられている。特に可塑剤を全く含有しない硬質、或いは少量の可塑剤を含有する半硬質の塩化ビニル系樹脂組成物は剛性に優れるため、建材等に広く使用されている。従って、それらは高温高圧に曝される加工時はもとより、成形品としての熱安定性及び耐候性においても、より高度な性能が要求される。
しかし、塩化ビニル系樹脂は光や熱に対する安定性が不十分であることに加え、加熱成型加工時や製品の使用時に、主として脱ハロゲン化水素に起因する分解を起こしやすいという欠点のあることが知られている。このような欠点を改善するために従来から、有機酸の金属塩、有機スズ化合物、有機ホスファイト化合物、ハイドロタルサイト、ゼオライト、エポキシ化合物、β−ジケトン化合物、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の種々の安定剤を配合して塩化ビニル系樹脂の安定性を改善することが試みられている(特許文献1、2、3及び4参照)。
しかし、塩化ビニル系樹脂は光や熱に対する安定性が不十分であることに加え、加熱成型加工時や製品の使用時に、主として脱ハロゲン化水素に起因する分解を起こしやすいという欠点のあることが知られている。このような欠点を改善するために従来から、有機酸の金属塩、有機スズ化合物、有機ホスファイト化合物、ハイドロタルサイト、ゼオライト、エポキシ化合物、β−ジケトン化合物、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の種々の安定剤を配合して塩化ビニル系樹脂の安定性を改善することが試みられている(特許文献1、2、3及び4参照)。
これらの安定剤の中でも、ハイドロタルサイトは熱分解による樹脂の変色防止効果が高く、近年では一般的な耐熱着色剤として用いられている。しかしながら、ハイドロタルサイトは層間に多量の結晶水を有しており、樹脂の加工時にその結晶水が放出され発泡が生じ、成形品の外観不良や樹脂層の亀裂が発生することが問題となっていた。またハイドロタルサイトは高温では分解するため、あらかじめ焼成脱水を行うことは困難であり、ハイドロタルサイトの代替として加工時の温度では吸着水を放出しにくいゼオライトの使用が試みられているが、ゼオライトを使用した場合は、樹脂加工時のせん断熱の増加による熱着色が問題となっていた。
従って、本発明は、ハイドロタルサイトを非含有であって、熱安定性、耐着色性及び成形品の外観不良防止に優れた塩化ビニル系樹脂組成物の製造方法を提供することにある。
そこで本発明者等は前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、含水率が低いゼオライトと滑剤を併用することにより、樹脂加工時の熱着色を防止しながら、水分放出による成形品の外観不良を防止することで熱安定性、耐着色性、加工性に優れた塩化ビニル系樹脂組成物が得られることを見出し、本発明に至った。
即ち、本発明は、ハイドロタルサイトを非含有である塩化ビニル系樹脂に対し、下記(A)成分、(B)成分、(C)成分及び(D)成分を含有させてなる塩化ビニル系樹脂組成物の製造方法に関する。
(A)成分:脂肪酸金属塩
(B)成分:β−ジケトン化合物
(C)成分:含水率が10質量%以下であるゼオライト
(D)成分:滑剤
(A)成分:脂肪酸金属塩
(B)成分:β−ジケトン化合物
(C)成分:含水率が10質量%以下であるゼオライト
(D)成分:滑剤
本発明によれば、熱安定性、耐着色性及び成形品の外観不良防止に優れた塩化ビニル系樹脂組成物を製造することができる。
以下、本発明の塩化ビニル系樹脂組成物の製造方法について詳述する。
本発明の塩化ビニル系樹脂組成物の製造方法は、ハイドロタルサイト非含有の反応系において、塩化ビニル系樹脂に対し、(A)成分:脂肪酸金属塩及び(B)成分:β−ジケトン化合物に加えて、反応系中に(C)成分:含水率が10質量%以下であるゼオライト及び(D)成分:滑剤を存在させるものである。つまりハイドロタルサイトの非存在下に、塩化ビニル系樹脂と、(A)成分と、(B)成分と、(C)成分と、(D)成分とを混合する工程(特に溶融混練する工程)を有するものである。好ましくは、反応系中に(A)成分:脂肪酸金属塩、(B)成分:β−ジケトン化合物、(C)成分:含水率が10質量%以下であるゼオライト及び(D)成分:滑剤に加えて、(E)成分:多価アルコール及び(F)成分:フェノール系酸化防止剤を存在させるものである。
本発明の塩化ビニル系樹脂組成物の製造方法は、ハイドロタルサイト非含有の反応系において、塩化ビニル系樹脂に対し、(A)成分:脂肪酸金属塩及び(B)成分:β−ジケトン化合物に加えて、反応系中に(C)成分:含水率が10質量%以下であるゼオライト及び(D)成分:滑剤を存在させるものである。つまりハイドロタルサイトの非存在下に、塩化ビニル系樹脂と、(A)成分と、(B)成分と、(C)成分と、(D)成分とを混合する工程(特に溶融混練する工程)を有するものである。好ましくは、反応系中に(A)成分:脂肪酸金属塩、(B)成分:β−ジケトン化合物、(C)成分:含水率が10質量%以下であるゼオライト及び(D)成分:滑剤に加えて、(E)成分:多価アルコール及び(F)成分:フェノール系酸化防止剤を存在させるものである。
本発明における塩化ビニル系樹脂組成物の具体的な製造方法としては、例えば、予め前記(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分、必要に応じ添加される(E)成分及び(F)成分並びにその他の任意成分の中から選択される2種以上をワンパック化してから塩化ビニル系樹脂に配合し、得られる配合物を、任意の混合手段により混合して塩化ビニル系樹脂組成物とする方法や、前記(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分、必要に応じ添加される(E)成分及び(F)成分並びにその他の任意成分を一括して塩化ビニル系樹脂に対して配合し、得られる配合物を、任意の混合手段により混合して塩化ビニル系樹脂組成物とする方法が挙げられる。
ワンパック化する場合には、各成分を予め各々粉砕してから混合してもよく、予め各成分を混合してから粉砕してもよい。
前記の方法により得られた塩化ビニル系樹脂組成物は、任意の成形方法により成形し、各種成形品とすることができる。
ワンパック化する場合には、各成分を予め各々粉砕してから混合してもよく、予め各成分を混合してから粉砕してもよい。
前記の方法により得られた塩化ビニル系樹脂組成物は、任意の成形方法により成形し、各種成形品とすることができる。
前記の混合手段としては、例えば、V型ブレンダー、リボンブレンダー、ヘンシェルミキサー、ロッキングミキサー、ターブラーミキサー、プラネタリミキサー、バンバリーミキサー、ミルミキサー、ミキシングロール、ニーダー等混合器や混練機等の手段が挙げられ、前記の成形方法としては、押し出し加工、カレンダー加工、射出成形、ロール、圧縮成形、ブロー成形等が挙げられ、樹脂板、シート、フィルム、異形品等の種々の形状の成形品が製造できる。
次に、本発明の塩化ビニル系樹脂組成物の製造方法で使用される各成分について順に説明する。
次に、本発明の塩化ビニル系樹脂組成物の製造方法で使用される各成分について順に説明する。
〔塩化ビニル系樹脂〕
本発明に使用される塩化ビニル系樹脂としては、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合等その重合方法には特に限定されず、例えば、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリエチレン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−エチレン共重合体、塩化ビニル−プロピレン共重合体、塩化ビニル−スチレン共重合体、塩化ビニル−イソブチレン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−スチレン−無水マレイン酸三元共重合体、塩化ビニル−スチレン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−ブタジエン共重合太、塩化ビニル−イソプレン共重合体、塩化ビニル−塩素化プロピレン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン−酢酸ビニル三元共重合体、塩化ビニル−マレイン酸エステル共重合体、塩化ビニル−メタクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−各種ビニルエーテル共重合体等の塩化ビニル系樹脂;これらの塩化ビニル系樹脂の相互のブレンド品;これらの塩化ビニル系樹脂と他の塩素を含まない合成樹脂、例えば、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチル(メタ)アクリレート共重合体、ポリエステル等とのブレンド品、ブロック共重合体、グラフト共重合体等を挙げることができる。
本発明に使用される塩化ビニル系樹脂としては、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合等その重合方法には特に限定されず、例えば、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリエチレン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−エチレン共重合体、塩化ビニル−プロピレン共重合体、塩化ビニル−スチレン共重合体、塩化ビニル−イソブチレン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−スチレン−無水マレイン酸三元共重合体、塩化ビニル−スチレン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−ブタジエン共重合太、塩化ビニル−イソプレン共重合体、塩化ビニル−塩素化プロピレン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン−酢酸ビニル三元共重合体、塩化ビニル−マレイン酸エステル共重合体、塩化ビニル−メタクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−各種ビニルエーテル共重合体等の塩化ビニル系樹脂;これらの塩化ビニル系樹脂の相互のブレンド品;これらの塩化ビニル系樹脂と他の塩素を含まない合成樹脂、例えば、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチル(メタ)アクリレート共重合体、ポリエステル等とのブレンド品、ブロック共重合体、グラフト共重合体等を挙げることができる。
〔(A)成分:脂肪酸金属塩〕
本発明において(A)成分として使用される脂肪酸金属塩はカルボン酸の金属塩であり、カルボン酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、2−エチルヘキシル酸、ネオデカン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、イソステアリン酸、ステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ベヘニン酸、モンタン酸、安息香酸、モノクロル安息香酸、p−第三ブチル安息香酸、ジメチルヒドロキシ安息香酸、3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸、アミノ安息香酸、N,N−ジメチルアミノ安息香酸、アセトキシ安息香酸、サリチル酸、p−第三オクチルサリチル酸、エライジン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、チオグリコール酸、メルカプトプロピオン酸、オクチルメルカプトプロピオン酸等の一価カルボン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバチン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ヒドロキシフタル酸、クロルフタル酸、アミノフタル酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メタコン酸、イタコン酸、アコニット酸、チオジプロピオン酸等の二価カルボン酸;これらの一価カルボン酸又は二価カルボン酸のモノエステル又はモノアマイド化合物;ブタントリカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸、ヘミメリット酸、トリメリット酸、メロファン酸、ピロメリット酸等の三価又は四価カルボン酸のジ又はトリエステル化合物が挙げられる。
本発明の(A)成分である脂肪酸金属塩に使用される金属としては、ナトリウム、カリウム、カルシウム、バリウム、アルミニウム、亜鉛、マグネシウム等が挙げられる。
また本発明の(A)成分である脂肪酸金属塩は単独で用いられても2種以上の混合物で用いてもよい。
これらの脂肪酸金属塩の中では、耐熱性や耐着色性の観点から、カルボン酸はオクチル酸、ラウリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、バーサチック酸、安息香酸が好ましく、これらのカルボン酸と塩を形成する金属としては亜鉛、カルシウム、マグネシウム、バリウムが好ましい。脂肪酸金属塩の形で示すと、オクチル酸、ラウリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、バーサチック酸又は安息香酸と亜鉛との亜鉛塩;ラウリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、バーサチック酸又は安息香酸とカルシウムとのカルシウム塩;ラウリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、バーサチック酸又は安息香酸とマグネシウムとのマグネシウム塩;ラウリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、バーサチック酸又は安息香酸とバリウムとのバリウム塩が好ましい脂肪酸金属塩である。
本発明において(A)成分として使用される脂肪酸金属塩はカルボン酸の金属塩であり、カルボン酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、2−エチルヘキシル酸、ネオデカン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、イソステアリン酸、ステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ベヘニン酸、モンタン酸、安息香酸、モノクロル安息香酸、p−第三ブチル安息香酸、ジメチルヒドロキシ安息香酸、3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸、アミノ安息香酸、N,N−ジメチルアミノ安息香酸、アセトキシ安息香酸、サリチル酸、p−第三オクチルサリチル酸、エライジン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、チオグリコール酸、メルカプトプロピオン酸、オクチルメルカプトプロピオン酸等の一価カルボン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバチン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ヒドロキシフタル酸、クロルフタル酸、アミノフタル酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メタコン酸、イタコン酸、アコニット酸、チオジプロピオン酸等の二価カルボン酸;これらの一価カルボン酸又は二価カルボン酸のモノエステル又はモノアマイド化合物;ブタントリカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸、ヘミメリット酸、トリメリット酸、メロファン酸、ピロメリット酸等の三価又は四価カルボン酸のジ又はトリエステル化合物が挙げられる。
本発明の(A)成分である脂肪酸金属塩に使用される金属としては、ナトリウム、カリウム、カルシウム、バリウム、アルミニウム、亜鉛、マグネシウム等が挙げられる。
また本発明の(A)成分である脂肪酸金属塩は単独で用いられても2種以上の混合物で用いてもよい。
これらの脂肪酸金属塩の中では、耐熱性や耐着色性の観点から、カルボン酸はオクチル酸、ラウリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、バーサチック酸、安息香酸が好ましく、これらのカルボン酸と塩を形成する金属としては亜鉛、カルシウム、マグネシウム、バリウムが好ましい。脂肪酸金属塩の形で示すと、オクチル酸、ラウリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、バーサチック酸又は安息香酸と亜鉛との亜鉛塩;ラウリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、バーサチック酸又は安息香酸とカルシウムとのカルシウム塩;ラウリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、バーサチック酸又は安息香酸とマグネシウムとのマグネシウム塩;ラウリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、バーサチック酸又は安息香酸とバリウムとのバリウム塩が好ましい脂肪酸金属塩である。
本発明における(A)成分である脂肪酸金属塩の含有量は、塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、好ましくは0.01〜5.0質量部であり、熱安定性、耐着色性の観点から、より好ましくは0.01〜4.0質量部であり、更により好ましくは0.05〜3.0質量部であり、最も好ましくは0.1〜2.0質量部である。その含有量が0.01質量部未満では、耐着色性が不十分となる場合があり、5.0質量部を超えると熱安定性を低下させる場合がある。
尚、前記の含有量は、(A)成分が混合物である場合は、その合計の含有量を意味する。
尚、前記の含有量は、(A)成分が混合物である場合は、その合計の含有量を意味する。
〔(B)成分:β−ジケトン化合物〕
本発明において(B)成分として使用されるβ−ジケトン化合物としては、例えば、アセチルアセトン、トリアセチルメタン、2,4,6−ヘプタトリオン、ブタノイルアセチルメタン、ラウロイルアセチルメタン、パルミトイルアセチルメタン、ステアロイルアセチルメタン、フェニルアセチルアセチルメタン、ジシクロヘキシルカルボニルメタン、ベンゾイルホルミルメタン、ベンゾイルアセチルメタン、ジベンゾイルメタン、オクチルベンゾイルメタン、ステアロイルベンゾイルメタン、ビス(4−オクチルベンゾイル)メタン、ベンゾイルジアセチルメタン、4−メトキシベンゾイルベンゾイルメタン、ビス(4−カルボキシメチルベンゾイル)メタン、2−カルボキシメチルベンゾイルアセチルオクチルメタン、デヒドロ酢酸、シクロヘキサン−1,3−ジオン、3,6−ジメチル−2,4−ジオキシシクロヘキサン−1カルボン酸メチル、2−アセチルシクロヘキサノン、ジメドン、2−ベンゾイルシクロヘキサン等が挙げられる。また、これらβ−ジケトン化合物の金属塩も使用することができる。該β−ジケトン金属塩を提供し得る金属種としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属;マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、亜鉛、アルミニウム等が挙げられる。
また本発明における(B)成分であるβ−ジケトン化合物は単独で用いても、2種以上の混合物で用いてもよい。
これらのβ−ジケトン化合物としては、耐着色性の観点から、アセチルアセトンカルシウム、アセチルアセトン亜鉛、ジベンゾイルメタン、ステアロイルベンゾイルメタンが好ましい。
本発明において(B)成分として使用されるβ−ジケトン化合物としては、例えば、アセチルアセトン、トリアセチルメタン、2,4,6−ヘプタトリオン、ブタノイルアセチルメタン、ラウロイルアセチルメタン、パルミトイルアセチルメタン、ステアロイルアセチルメタン、フェニルアセチルアセチルメタン、ジシクロヘキシルカルボニルメタン、ベンゾイルホルミルメタン、ベンゾイルアセチルメタン、ジベンゾイルメタン、オクチルベンゾイルメタン、ステアロイルベンゾイルメタン、ビス(4−オクチルベンゾイル)メタン、ベンゾイルジアセチルメタン、4−メトキシベンゾイルベンゾイルメタン、ビス(4−カルボキシメチルベンゾイル)メタン、2−カルボキシメチルベンゾイルアセチルオクチルメタン、デヒドロ酢酸、シクロヘキサン−1,3−ジオン、3,6−ジメチル−2,4−ジオキシシクロヘキサン−1カルボン酸メチル、2−アセチルシクロヘキサノン、ジメドン、2−ベンゾイルシクロヘキサン等が挙げられる。また、これらβ−ジケトン化合物の金属塩も使用することができる。該β−ジケトン金属塩を提供し得る金属種としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属;マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、亜鉛、アルミニウム等が挙げられる。
また本発明における(B)成分であるβ−ジケトン化合物は単独で用いても、2種以上の混合物で用いてもよい。
これらのβ−ジケトン化合物としては、耐着色性の観点から、アセチルアセトンカルシウム、アセチルアセトン亜鉛、ジベンゾイルメタン、ステアロイルベンゾイルメタンが好ましい。
本発明における(B)成分であるβ−ジケトン化合物の含有量は、塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、好ましくは0.01〜5.0質量部であり、耐着色性の点から、より好ましくは0.05〜2.0質量部であり、更により好ましくは0.1〜1.0質量部である。β−ジケトン化合物の含有量が0.01質量部未満では、耐着色性が不十分な場合があり、5.0質量部を超えると、熱安定性を低下させる等の性能低下を起こす場合がある。
尚、前記の含有量は、(B)成分が混合物である場合は、その合計の含有量を意味する。
尚、前記の含有量は、(B)成分が混合物である場合は、その合計の含有量を意味する。
〔(C)成分:含水率10質量%以下のゼオライト〕
本発明では、(C)成分として、含水率10質量%以下のゼオライトを使用する。
塩化ビニル樹脂の安定化助剤としては着色抑制に寄与するホスファイトやβ−ジケトン、熱安定性に寄与するポリオール、エポキシ化合物、ハイドロタルサイト、ゼオライト等が一般的に使用されている。無機系安定化助剤の使用において、塩化ビニル樹脂成形品の生産性向上のため加工条件を200℃以上に設定した場合、無機系安定化助剤の種類により、加工後の成形品に亀裂や外観不良等の不具合が発生する場合があった。
またハイドロタルサイトは他の無機系安定化助剤と異なり、コンパウンド調整時のプレヒートの温度帯(100〜140℃)では水分を放出せず、樹脂加工時の高温領域(190℃以上)で水分を放出する事が分かった。つまり、無機系安定化助剤としてハイドロタルサイトを使用すると、その含水量と関係なく成形品不良等の不具合を起こすことが判明した。
本発明者等は、数々の研究の結果、これらの不具合の原因が、無機安定化助剤に含有する水分であることを特定し、これに対し、特定含水率以下のゼオライトを使用することで、こうした外観不良等の不具合を抑制できることを見出したものである。
本発明では、前記の理由により、(C)成分として、含水率10質量%以下のゼオライトを使用するものである。
本発明では、(C)成分として、含水率10質量%以下のゼオライトを使用する。
塩化ビニル樹脂の安定化助剤としては着色抑制に寄与するホスファイトやβ−ジケトン、熱安定性に寄与するポリオール、エポキシ化合物、ハイドロタルサイト、ゼオライト等が一般的に使用されている。無機系安定化助剤の使用において、塩化ビニル樹脂成形品の生産性向上のため加工条件を200℃以上に設定した場合、無機系安定化助剤の種類により、加工後の成形品に亀裂や外観不良等の不具合が発生する場合があった。
またハイドロタルサイトは他の無機系安定化助剤と異なり、コンパウンド調整時のプレヒートの温度帯(100〜140℃)では水分を放出せず、樹脂加工時の高温領域(190℃以上)で水分を放出する事が分かった。つまり、無機系安定化助剤としてハイドロタルサイトを使用すると、その含水量と関係なく成形品不良等の不具合を起こすことが判明した。
本発明者等は、数々の研究の結果、これらの不具合の原因が、無機安定化助剤に含有する水分であることを特定し、これに対し、特定含水率以下のゼオライトを使用することで、こうした外観不良等の不具合を抑制できることを見出したものである。
本発明では、前記の理由により、(C)成分として、含水率10質量%以下のゼオライトを使用するものである。
本発明で使用されるゼオライトは、独特の三次元のゼオライト結晶構造を有するアルカリ又はアルカリ土類金属のアルミノケイ酸塩であり、含水率が10質量%以下である限り、特に限定されない。ゼオライトとしては、天然ゼオライト及び合成ゼオライトのいずれを用いてもよい。ゼオライトの例としては、単4員環型、二重6員環型、単6員環型、複合型等が挙げられるが、これに限定されない。また本発明における(C)成分であるゼオライトは単独で用いても、2種以上の混合で用いてもよい。
これらのゼオライトの中では、品質安定性の点から、合成ゼオライトが好ましい。合成ゼオライトとしては、A型、フェリライト、MCM−22型、ZSM−5型、モルデナイト、L型、Y型、X型、LSX型、ベータ型、シャバサイト、エリオナイト、オフレタイト、タライノタイロライト等が挙げられる。これらの合成ゼオライトの中では、着色性の観点から、A型、ZSM−5型、モルデナイト、ベータ型、X型、フェリライト等が好ましい。
またゼオライトは、含水率が10質量%以下である限り、ゼオライト中に結晶水(いわゆるゼオライト水)を有する含水物であってもよく、また結晶水を除去した無水物であってもよい。
ゼオライトの含水率は8質量%以下が好ましく、6質量%がより好ましく、5質量%以下がさらにより好ましい。含水率が10質量%を超える場合は成形品の外観を損ねる恐れがある。
含水率が10質量%を超えるゼオライトを使用するためには、前処理として、例えば各種の乾燥器による加熱乾燥等の手段を用いればよい。本発明におけるゼオライトの含水率は、熱重量分析(TG−DTA)により測定される。測定は、窒素雰囲気下、昇温速度10℃/minで、125℃〜400℃の範囲で行われる。
これらのゼオライトの中では、品質安定性の点から、合成ゼオライトが好ましい。合成ゼオライトとしては、A型、フェリライト、MCM−22型、ZSM−5型、モルデナイト、L型、Y型、X型、LSX型、ベータ型、シャバサイト、エリオナイト、オフレタイト、タライノタイロライト等が挙げられる。これらの合成ゼオライトの中では、着色性の観点から、A型、ZSM−5型、モルデナイト、ベータ型、X型、フェリライト等が好ましい。
またゼオライトは、含水率が10質量%以下である限り、ゼオライト中に結晶水(いわゆるゼオライト水)を有する含水物であってもよく、また結晶水を除去した無水物であってもよい。
ゼオライトの含水率は8質量%以下が好ましく、6質量%がより好ましく、5質量%以下がさらにより好ましい。含水率が10質量%を超える場合は成形品の外観を損ねる恐れがある。
含水率が10質量%を超えるゼオライトを使用するためには、前処理として、例えば各種の乾燥器による加熱乾燥等の手段を用いればよい。本発明におけるゼオライトの含水率は、熱重量分析(TG−DTA)により測定される。測定は、窒素雰囲気下、昇温速度10℃/minで、125℃〜400℃の範囲で行われる。
本発明における(C)成分であるゼオライトの含有量は、塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、好ましくは0.01〜10質量部であり、熱分解による観点から、より好ましくは0.05〜8質量部であり、更により好ましくは0.1〜5質量部である。ゼオライトの含有量が0.01未満では耐着色性が不十分な場合があり、10質量部を超えると加工性が低下する場合がある。
尚、前記の含有量は、(C)成分が混合物である場合は、その合計の含有量を意味する。
尚、前記の含有量は、(C)成分が混合物である場合は、その合計の含有量を意味する。
〔(D)成分:滑剤〕
本発明では、(C)成分である含水率10質量%以下のゼオライトと共に、(D)成分として、滑剤を併用する。
本発明者等は、前記の通り、無機系安定化助剤としてハイドロタルサイトではなくゼオライトを使用した場合、樹脂成形品の生産性向上を目的としたサイクルタイム短縮の厳しい加工条件においては、熱分解による樹脂のヤケが発生するという問題があった。本発明者等は、この問題の原因を、塩化ビニル樹脂同士の摩擦による温度上昇であると推測し、(C)成分であるゼオライトと共に、滑剤を添加することにより動的耐熱性が向上し、樹脂のヤケを抑制できることを見出したものである。
本発明では、(C)成分である含水率10質量%以下のゼオライトと共に、(D)成分として、滑剤を併用する。
本発明者等は、前記の通り、無機系安定化助剤としてハイドロタルサイトではなくゼオライトを使用した場合、樹脂成形品の生産性向上を目的としたサイクルタイム短縮の厳しい加工条件においては、熱分解による樹脂のヤケが発生するという問題があった。本発明者等は、この問題の原因を、塩化ビニル樹脂同士の摩擦による温度上昇であると推測し、(C)成分であるゼオライトと共に、滑剤を添加することにより動的耐熱性が向上し、樹脂のヤケを抑制できることを見出したものである。
本発明において(D)成分として用いられる滑剤としては例えば、低分子ワックス、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、塩素化炭化水素、フルオロカーボン等の炭化水素系滑剤;カルナバワックス、キャンデリラワックス等の天然ワックス系滑剤;ラウリン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸等の高級脂肪酸、又はヒドロキシステアリン酸のようなオキシ脂肪酸等の脂肪酸系滑剤;ステアリルアミド、ラウリルアミド、オレイルアミド等の脂肪族アミド化合物又はメチレンビスステアリルアミド、エチレンビスステアリルアミドのようなアルキレンビス脂肪族アミド等の脂肪族アミド系滑剤;ステアリルステアレート、ブチルステアレート、ジステアリルフタレート等の脂肪酸1価アルコールエステル化合物又は、グリセリントリステアレート、ソルビタントリステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ジペンタエリスリトールヘキサステアレート、ポリグリセリンポリリシノレート、硬化ヒマシ油等の脂肪酸多価アルコールエステル化合物、又は、ジペンタエリスリトールのアジピン酸・ステアリン酸エステルのような1価脂肪酸及び多塩基性有機酸と多価アルコールの複合エステル化合物等の脂肪酸アルコールエステル系滑剤;ステアリルアルコール、ラウリルアルコール、パルミチルアルコール等の脂肪族アルコール系滑剤;金属石鹸類;部分ケン化モンタン酸エステル等のモンタン酸系滑剤;アクリル系滑剤;シリコーンオイル等が挙げられる。これらの滑剤は、1種類のみ使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、エチレングリコールジステアレート、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノ12ヒドロキシステアレート、フタル酸ジステアレートが好ましい。
本発明における(D)成分である滑剤の含有量は、塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、好ましくは0.01〜5.0質量部であり、加工性の点から、より好ましくは0.05〜3.0質量部である。滑剤の含有量が0.01質量部未満では、加工性が不十分で熱着色する場合があり、5.0質量部を超えると、樹脂物性を低下させる等の性能低下が起こる場合がある。
尚、前記の含有量は、(D)成分が混合物である場合は、その合計の含有量を意味する。
これらの中でも、エチレングリコールジステアレート、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノ12ヒドロキシステアレート、フタル酸ジステアレートが好ましい。
本発明における(D)成分である滑剤の含有量は、塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、好ましくは0.01〜5.0質量部であり、加工性の点から、より好ましくは0.05〜3.0質量部である。滑剤の含有量が0.01質量部未満では、加工性が不十分で熱着色する場合があり、5.0質量部を超えると、樹脂物性を低下させる等の性能低下が起こる場合がある。
尚、前記の含有量は、(D)成分が混合物である場合は、その合計の含有量を意味する。
〔(E)成分:多価アルコール化合物〕
本発明では、熱安定性及び耐熱老化性を向上させるために、(E)成分として多価アルコール化合物を使用することが好ましい。このような多価アルコールとして例えば、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ポリペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、マルチトール、ラクチトール、キシリトール、キシロース、スクロース、トレハロース、イノシトール、フルクトース、マルトース、ラクトース、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール又はジペンタエリスリトールのステアリン酸部分エステル、ビス(ジペンタエリスリトール)アジペート、グリセリン、ジグリセリン、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等が挙げられる。これら多価アルコールは単独で用いられても、2種以上の混合で用いられても良い。これらの中でも、熱安定性及び耐熱老化性の観点から、ジペンタエリスリトール、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートが好ましい。
本発明において、(E)成分である多価アルコール化合物を使用する場合の含有量は、塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、好ましくは0.01〜5.0質量部であり、より好ましくは0.05〜4.0質量部であり、さらにより好ましくは0.1〜3.0質量部である。多価アルコールの含有量が0.01質量部未満では、熱安定性、耐熱老化性が低下する場合があり、5.0質量部を超えると耐水性が損なわれる場合がある。尚、前記の含有量は、(E)成分が混合物である場合は、その合計の含有量を意味する。
本発明では、熱安定性及び耐熱老化性を向上させるために、(E)成分として多価アルコール化合物を使用することが好ましい。このような多価アルコールとして例えば、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ポリペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、マルチトール、ラクチトール、キシリトール、キシロース、スクロース、トレハロース、イノシトール、フルクトース、マルトース、ラクトース、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール又はジペンタエリスリトールのステアリン酸部分エステル、ビス(ジペンタエリスリトール)アジペート、グリセリン、ジグリセリン、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等が挙げられる。これら多価アルコールは単独で用いられても、2種以上の混合で用いられても良い。これらの中でも、熱安定性及び耐熱老化性の観点から、ジペンタエリスリトール、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートが好ましい。
本発明において、(E)成分である多価アルコール化合物を使用する場合の含有量は、塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、好ましくは0.01〜5.0質量部であり、より好ましくは0.05〜4.0質量部であり、さらにより好ましくは0.1〜3.0質量部である。多価アルコールの含有量が0.01質量部未満では、熱安定性、耐熱老化性が低下する場合があり、5.0質量部を超えると耐水性が損なわれる場合がある。尚、前記の含有量は、(E)成分が混合物である場合は、その合計の含有量を意味する。
〔(F)成分:フェノール系酸化防止剤〕
本発明では、熱安定性及び耐着色性を向上させるために、(F)成分としてフェノール系酸化防止剤を使用することが好ましい。フェノール系酸化防止剤としては例えば、2,6−ジ第三ブチル−p−クレゾール、2,6−ジフェニル−4−オクタデシロキシフェノール、ステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、ジステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ホスホネート、チオジエチレングリコールビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサメチレンビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサメチレンビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アミド〕、4,4'−チオビス(6−第三ブチル−m−クレゾール) 、2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−第三ブチルフェノール)、2,2'−メチレンビス(4−エチル−6−第三ブチルフェノール)、ビス〔3,3−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)ブチリックアシッド〕グリコールエステル、4,4'−ブチリデンビス(6−第三ブチル−m−クレゾール)、2,2'−エチリデンビス(4,6−ジ第三ブチルフェノール)、2,2'−エチリデンビス(4−第二ブチル−6−第三ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタン、ビス〔2−第三ブチル−4−メチル−6−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−メチルベンジル)フェニル〕テレフタレート、1,3,5−トリス(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−第三ブチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドルキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,3,5−トリス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル〕イソシアヌレート、テトラキス〔メチレン−3−(3’,5’−ジ第三ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、2−第三ブチル−4−メチル−6−(2−アクリロイルオキシ−3−第三ブチル−5−メチルベンジル)フェノール、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−{(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、トリエチレングリコールビス〔(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート〕等が挙げられる。これらフェノール系酸化防止剤は単独で用いても、2種以上の併用でもよい。
これらの中でも1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、ステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、テトラキス〔メチレン−3−(3’,5’−ジ第三ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタンが好ましい。
本発明において、(E)成分であるフェノール系酸化防止剤を使用する場合の含有量は、塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、好ましくは0.01〜5.0質量部であり、熱安定性、耐着色性の観点から、より好ましくは0.05〜3.0質量部であり、更により好ましくは0.05〜1.0質量部である。その含有量が0.01質量部未満では、耐着色が不十分な場合があり、5.0質量部を超えると、樹脂物性の低下が起こる場合がある。尚、前記の含有量は、(F)成分が混合物である場合は、その合計の含有量を意味する。
本発明では、熱安定性及び耐着色性を向上させるために、(F)成分としてフェノール系酸化防止剤を使用することが好ましい。フェノール系酸化防止剤としては例えば、2,6−ジ第三ブチル−p−クレゾール、2,6−ジフェニル−4−オクタデシロキシフェノール、ステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、ジステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ホスホネート、チオジエチレングリコールビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサメチレンビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサメチレンビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アミド〕、4,4'−チオビス(6−第三ブチル−m−クレゾール) 、2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−第三ブチルフェノール)、2,2'−メチレンビス(4−エチル−6−第三ブチルフェノール)、ビス〔3,3−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)ブチリックアシッド〕グリコールエステル、4,4'−ブチリデンビス(6−第三ブチル−m−クレゾール)、2,2'−エチリデンビス(4,6−ジ第三ブチルフェノール)、2,2'−エチリデンビス(4−第二ブチル−6−第三ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタン、ビス〔2−第三ブチル−4−メチル−6−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−メチルベンジル)フェニル〕テレフタレート、1,3,5−トリス(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−第三ブチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドルキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,3,5−トリス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル〕イソシアヌレート、テトラキス〔メチレン−3−(3’,5’−ジ第三ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、2−第三ブチル−4−メチル−6−(2−アクリロイルオキシ−3−第三ブチル−5−メチルベンジル)フェノール、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−{(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、トリエチレングリコールビス〔(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート〕等が挙げられる。これらフェノール系酸化防止剤は単独で用いても、2種以上の併用でもよい。
これらの中でも1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、ステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、テトラキス〔メチレン−3−(3’,5’−ジ第三ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタンが好ましい。
本発明において、(E)成分であるフェノール系酸化防止剤を使用する場合の含有量は、塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、好ましくは0.01〜5.0質量部であり、熱安定性、耐着色性の観点から、より好ましくは0.05〜3.0質量部であり、更により好ましくは0.05〜1.0質量部である。その含有量が0.01質量部未満では、耐着色が不十分な場合があり、5.0質量部を超えると、樹脂物性の低下が起こる場合がある。尚、前記の含有量は、(F)成分が混合物である場合は、その合計の含有量を意味する。
〔その他の塩化ビニル系樹脂用添加剤〕
また、本発明の塩化ビニル系樹脂組成物には通常塩化ビニル系樹脂組成物に用いられる他の添加剤、例えば、可塑剤、前記脂肪酸金属塩以外の有機酸金属塩、過塩素酸塩類、エポキシ化合物、リン系、及び硫黄系等の酸化防止剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤、充填材、難燃剤、難燃助剤等を本発明の効果を損なわない範囲で配合することもできる。
また、本発明の塩化ビニル系樹脂組成物には通常塩化ビニル系樹脂組成物に用いられる他の添加剤、例えば、可塑剤、前記脂肪酸金属塩以外の有機酸金属塩、過塩素酸塩類、エポキシ化合物、リン系、及び硫黄系等の酸化防止剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤、充填材、難燃剤、難燃助剤等を本発明の効果を損なわない範囲で配合することもできる。
前記の可塑剤としては、例えば、ジブチルフタレート、ブチルヘキシルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジイソノニルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジラウリルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジオクチルテレフタレート等のフタレート系可塑剤;ジオクチルアジペート、ジイソノニルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジ(ブチルジグリコール)アジペート等のアジペート系可塑剤;トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、トリ(イソプロピルフェニル)ホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリ(ブトキシエチル)ホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート等のホスフェート系可塑剤;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等の多価アルコールと、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバチン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の二塩基酸を用い、必要により一価アルコール、モノカルボン酸をストッパーとして使用したポリエステル系可塑剤;その他、テトラヒドロフタル酸系可塑剤、アゼライン酸系可塑剤、セバチン酸系可塑剤、ステアリン酸系可塑剤、クエン酸系可塑剤、トリメリット酸系可塑剤、ピロメリット酸系可塑剤、ビフェニレンポリカルボン酸系可塑剤等が挙げられる。これら可塑剤は単独で用いられても、2種以上の混合で用いられても良い。
前記脂肪酸金属塩以外の有機酸金属塩としては、フェノール類及び有機リン酸類の金属(ナトリウム、カリウム、カルシウム、バリウム、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛)塩が挙げられる。
前記フェノール類としては、例えば、第三ブチルフェノール、ノニルフェノール、ジノニルフェノール、シクロヘキシルフェノール、フェニルフェノール、オクチルフェノール、フェノール、クレゾール、キシレノール、n−ブチルフェノール、イソアミルフェノール、エチルフェノール、イソプロピルフェノール、イソオクチルフェノール、2−エチルヘキシルフェノール、第三ノニルフェノール、デシルフェノール、第三オクチルフェノール、イソヘキシルフェノール、オクタデシルフェノール、ジイソブチルフェノール、メチルプロピルフェノール、ジアミルフェノール、メチルイソフキシルフェノール、メチル第三オクチルフェノール等が挙げられる。
また、前記有機リン酸類としては、例えば、モノ又はジオクチルリン酸、モノ又はジドデシルリン酸、モノ又はジオクタデシルリン酸、モノ又はジ−(ノニルフェニル)リン酸、ホスホン酸ノニルフェニルエステル、ホスホン酸ステアリルエステル等が挙げられる。
また、前記のフェノール類及び有機リン酸類の金属塩は、酸性塩、中性塩、塩基性塩或いは塩基性塩の塩基の一部又は全部を炭酸で中和した過塩基性錯体であってもよい。
前記フェノール類としては、例えば、第三ブチルフェノール、ノニルフェノール、ジノニルフェノール、シクロヘキシルフェノール、フェニルフェノール、オクチルフェノール、フェノール、クレゾール、キシレノール、n−ブチルフェノール、イソアミルフェノール、エチルフェノール、イソプロピルフェノール、イソオクチルフェノール、2−エチルヘキシルフェノール、第三ノニルフェノール、デシルフェノール、第三オクチルフェノール、イソヘキシルフェノール、オクタデシルフェノール、ジイソブチルフェノール、メチルプロピルフェノール、ジアミルフェノール、メチルイソフキシルフェノール、メチル第三オクチルフェノール等が挙げられる。
また、前記有機リン酸類としては、例えば、モノ又はジオクチルリン酸、モノ又はジドデシルリン酸、モノ又はジオクタデシルリン酸、モノ又はジ−(ノニルフェニル)リン酸、ホスホン酸ノニルフェニルエステル、ホスホン酸ステアリルエステル等が挙げられる。
また、前記のフェノール類及び有機リン酸類の金属塩は、酸性塩、中性塩、塩基性塩或いは塩基性塩の塩基の一部又は全部を炭酸で中和した過塩基性錯体であってもよい。
前記過塩素酸塩類としては、過塩素酸金属塩、過塩素酸アンモニウム、過塩素酸処理ハイドロタルサイト、過塩素酸処理珪酸塩等が挙げられる。
ここで過塩素酸金属塩を構成する金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、ストロンチウム、バリウム、亜鉛、カドミウム、鉛、アルミニウム等が例示できる。前記過塩素酸金属塩は無水物でも含水塩でもよく、また、ブチルジグリコール、ブチルジグリコールアジペート等のアルコール系及びエステル系の溶剤に溶かしたもの及びその脱水物でも良い。
ここで過塩素酸金属塩を構成する金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、ストロンチウム、バリウム、亜鉛、カドミウム、鉛、アルミニウム等が例示できる。前記過塩素酸金属塩は無水物でも含水塩でもよく、また、ブチルジグリコール、ブチルジグリコールアジペート等のアルコール系及びエステル系の溶剤に溶かしたもの及びその脱水物でも良い。
前記エポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノール型及びノボラック型のエポキシ樹脂、エポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油、エポキシ化桐油、エポキシ化魚油、エポキシ化牛脂油、エポキシ化ひまし油、エポキシ化サフラワー油、エポキシ化トール油脂肪酸オクチル、エポキシ化亜麻仁油脂肪酸ブチル、エポキシステアリン酸メチル,−ブチル,−2−エチルヘキシル又はステアリル、トリス(エポキシプロピル)イソシアヌレート、3−(2−キセノキシ)−1,2−エポキシプロパン、エポキシ化ポリブタジエン、ビスフェノール−Aジグリシジルエーテル、ビニルシクロヘキセンジエポキサイド、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、3,4−エポキシシクロヘキシル−6−メチルエポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート等が挙げられる。
前記リン系酸化防止剤としては、例えば、トリフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(モノ、ジ混合ノニルフェニル)ホスファイト、ビス(2−第三ブチル−4,6−ジメチルフェニル)・エチルホスファイト、ジフェニルアシッドホスファイト、2,2'−メチレンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ジフェニルデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリブチルホスファイト、トリス(2−エチルヘキシル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリラウリルホスファイト、ジブチルアシッドホスファイト、ジラウリルアシッドホスファイト、トリラウリルトリチオホスファイト、ビス(ネオペンチルグリコール)・1,4−シクロヘキサンジメチルジホスファイト、ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ第三ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、テトラ(C12−15混合アルキル)−4,4'−イソプロピリデンジフェニルホスファイト、ビス[2,2'−メチレンビス(4,6−ジアミルフェニル)]・イソプロピリデンジフェニルホスファイト、水素化−4,4'−イソプロピリデンジフェノールポリホスファイト、テトラトリデシル・4,4'−ブチリデンビス(2−第三ブチル−5−メチルフェノール)ジホスファイト、ヘキサ(トリデシル)・1,1,3−トリス(2−メチル−5−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン・トリホスホナイト、9,10−ジハイドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド、2−ブチル−2−エチルプロパンジオール・2,4,6−トリ第三ブチルフェノールモノホスファイト等が挙げられる。
前記硫黄系酸化防止剤としては、例えば、チオジプロピオン酸ジラウリル、ジミリスチル、ジステアリル等のジアルキルチオジプロピオネート類及びペンタエリスリトールテトラ(β−ドデシルメルカプトプロピオネート)等のポリオールのβ−アルキルメルカプトプロピオン酸エステル類が挙げられる。
前記紫外線吸収剤としては、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、5,5’−メチレンビス(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)等の2−ヒドロキシベンゾフェノン類;2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−第三オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ第三ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス(4−第三オクチル−6−ベンゾトリアゾリル)フェノール、2−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−カルボキシフェニル)ベンゾトリアゾールのポリエチレングリコールエステル等の2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール類;フェニルサリシレート、レゾルシノールモノベンゾエート、2,4−ジ第三ブチルフェニル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等のベンゾエート類;2−エチル−2’−エトキシオキザニリド、2−エトキシ−4’−ドデシルオキザニリド等の置換オキザニリド類;エチル−α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート等のシアノアクリレート類等が挙げられる。
前記ヒンダードアミン系光安定剤としては、例えば、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルステアレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルステアレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−ブチル−2−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノール/コハク酸ジエチル重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラエチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/ジブロモエタン重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−モルホリノ−s−トリアジン重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−第三オクチルアミノ−s−トリアジン重縮合物、1,5,8,12−テトラキス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1,5,8,12−テトラキス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1,6,11−トリス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イルアミノ〕ウンデカン、1,6,11−トリス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イルアミノ〕ウンデカン等のヒンダードアミン化合物が挙げられる。
前記充填剤の具体例としては、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、水酸化亜鉛、炭酸亜鉛、硫化亜鉛、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、アルミナケイ酸ナトリウム、ハイドロカルマイト、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ゼオライト等のケイ酸金属塩、活性白土、タルク、クレイ、ベンガラ、アスベスト、三酸化アンチモン、シリカ、ガラスビーズ、マイカ、セリサイト、ガラスフレーク、アスベスト、ウオラストナイト、チタン酸カリウム、PMF、石膏繊維、ゾノライト、MOS,ホスフェートファイバー、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維等が挙げられる。
前記難燃剤や難燃助剤の例としては、トリアジン環含有化合物、金属水酸化物、その他無機リン、ハロゲン系難燃剤、シリコン系難燃剤、リン酸エステル系難燃剤、縮合リン酸エステル系難燃剤、イントメッセント系難燃剤、三酸化アンチモン等の酸化アンチモン、その他の無機系難燃助剤、有機系難燃助剤等が挙げられる。
前記トリアジン環含有化合物としては、例えば、メラミン、アンメリン、ベンズグアナミン、アセトグアナミン、フタロジグアナミン、メラミンシアヌレート、ピロリン酸メラミン、ブチレンジグアナミン、ノルボルネンジグアナミン、メチレンジグアナミン、エチレンジメラミン、トリメチレンジメラミン、テトラメチレンジメラミン、ヘキサメチレンジメラミン、1,3−ヘキシレンジメランミン等が挙げられる。
前記金属水酸化物としては、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化亜鉛等が挙げられる。
前記リン酸エステル系難燃剤の例としては、例えば、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリスクロロエチルホスフェート、トリスジクロロプロピルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート、トリスイソプロピルフェニルホスフェート、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート、t-ブチルフェニルジフェニルホスフェート、ビス-(t-ブチルフェニル)フェニルホスフェート、トリス-(t-ブチルフェニル)ホスフェート、イソプロピルフェニルジフェニルホスフェート、ビス-(イソプロピルフェニル)ジフェニルホスフェート、トリス-(イソプロピルフェニル)ホスフェート等が挙げられる。
前記縮合リン酸エステル系難燃剤の例としては、1,3−フェニレン ビス(ジフェニルホスフェート)、1,3−フェニレン ビス(ジキシレニルホスフェート)、ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)等が挙げられ、イントメッセント系難燃剤としては、ポリリン酸アンモニウム、ポリリン酸メラミン、ポリリン酸ピペラジン、ピロリン酸アンモニウム、ピロリン酸メラミン、ピロリン酸ピペラジン等の、(ポリ)リン酸のアンモニウム塩やアミン塩が挙げられる。
前記その他の無機系難燃助剤としては、例えば、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、タルク等の無機化合物、及びその表面処理品が挙げられ、種々の市販品を用いることができる。
本発明の塩化ビニル系樹脂組成物には、通常塩化ビニル系樹脂に使用される安定化助剤を、本発明の効果を損なわない範囲内で添加することができる。かかる安定化助剤としては、例えば、ジフェニルチオ尿素、アニリノジチオトリアジン、メラミン、安息香酸、ケイヒ酸、p−第三ブチル安息香酸等が挙げられる。
その他、本発明の塩化ビニル系樹脂組成物には、必要に応じて通常塩化ビニル系樹脂に使用される添加剤、例えば、架橋剤、帯電防止剤、防曇剤、プレートアウト防止剤、表面処理剤、蛍光剤、防黴剤、殺菌剤、発泡剤、金属不活性剤、離型剤、顔料、酸化防止剤、光安定剤等を、本発明の効果を損なわない範囲で配合することができる。
本発明の塩化ビニル系樹脂組成物の製造方法により得られる塩化ビニル系樹脂組成物又はその成形品は、パイプ、硬質平板、波板・雨樋、電線被覆材等の土木建築材料や、硬質シート、ラップ材料等の包装材料、樹脂サッシ、樹脂サイディング、タイルカーペット、床材等の住宅材料、塩ビ鋼板、壁紙・化粧フィルム、ビニルレザー等の内層材料、手袋、長靴、バッグ等の一般材料、農業用フィルム、ホース・チューブ等の園芸関連材料等様々な用途に用いられる。
以下本発明を実施例及び比較例により、具体的に説明する。但し、本発明は以下の実施例等により何ら制限されるものではない。尚、以下の実施例等において%は特に記載が無い限り質量基準である。
〔実施例1〜3及び比較例1〜3〕
下記表1に従い各成分を配合した各配合物をそれぞれヘンシェルミキサーにより125℃でブレンド後、射出成形機を用いて継手用金型にて射出成形を行い、継手を作製した。得られた成形品を用いて下記試験方法で各種試験を行った。また、動的耐熱性試験においては下記表1に従い各成分を配合した各配合物のコンパウンドを用いて試験を行った。表1中、ゼオライト(1)及び(2)については、使用前に乾燥器内で加熱乾燥させて含水率を調整した。
下記表1に従い各成分を配合した各配合物をそれぞれヘンシェルミキサーにより125℃でブレンド後、射出成形機を用いて継手用金型にて射出成形を行い、継手を作製した。得られた成形品を用いて下記試験方法で各種試験を行った。また、動的耐熱性試験においては下記表1に従い各成分を配合した各配合物のコンパウンドを用いて試験を行った。表1中、ゼオライト(1)及び(2)については、使用前に乾燥器内で加熱乾燥させて含水率を調整した。
<動的耐熱性試験>
下記表1に従い各成分を配合した各配合物のコンパウンドをラボプラストミルに投入し、190℃、40rpmにてコンパウンドが分解するまで混練を行った。コンパウンドの分解時間は、トルクが定常状態から上昇を開始した点迄を分解時間として評価した。分解時間は長い方が良好であり、分解時間が10分以下のものは実使用に耐えられない。
下記表1に従い各成分を配合した各配合物のコンパウンドをラボプラストミルに投入し、190℃、40rpmにてコンパウンドが分解するまで混練を行った。コンパウンドの分解時間は、トルクが定常状態から上昇を開始した点迄を分解時間として評価した。分解時間は長い方が良好であり、分解時間が10分以下のものは実使用に耐えられない。
<フラッシュ>
射出成形にて作製した継手サンプルのフラッシュを目視により評価した。フラッシュとは成形品の表面で樹脂の流れ方向に沿って銀白色のスジが発生する現象である。評価は1〜10点の10段階評価とし1点が良好であり、10点に行くほどフラッシュが多く不良品となる。フラッシュが5点以上のものは実使用に耐えない。
射出成形にて作製した継手サンプルのフラッシュを目視により評価した。フラッシュとは成形品の表面で樹脂の流れ方向に沿って銀白色のスジが発生する現象である。評価は1〜10点の10段階評価とし1点が良好であり、10点に行くほどフラッシュが多く不良品となる。フラッシュが5点以上のものは実使用に耐えない。
<層間剥離試験>
射出成形にて作製した継手サンプルを150℃のオーブンにて60分間加熱し、切断した断面を目視により評価した。評価はA〜Eの5段階評価とし、Aが良好でありEに近づくほど不良とした。
射出成形にて作製した継手サンプルを150℃のオーブンにて60分間加熱し、切断した断面を目視により評価した。評価はA〜Eの5段階評価とし、Aが良好でありEに近づくほど不良とした。
<樹脂ヤケ試験>
射出成形にて作製した継手サンプルの表面ヤケを目視により評価した。ヤケとは成形品表面に部分的、もしくは全体的に変色が見られる現象である。評価は1〜10点の10段階評価とし、1点が良好であり、10点に行くほど変色が激しく不良品となる。ヤケが5点を超えると実使用に耐えない。
射出成形にて作製した継手サンプルの表面ヤケを目視により評価した。ヤケとは成形品表面に部分的、もしくは全体的に変色が見られる現象である。評価は1〜10点の10段階評価とし、1点が良好であり、10点に行くほど変色が激しく不良品となる。ヤケが5点を超えると実使用に耐えない。
Claims (5)
- ハイドロタルサイトを非含有である塩化ビニル系樹脂に対し、下記(A)成分、(B)成分、(C)成分及び(D)成分を含有させてなる塩化ビニル系樹脂組成物の製造方法。
(A)成分:脂肪酸金属塩
(B)成分:β−ジケトン化合物
(C)成分:含水率が10質量%以下であるゼオライト
(D)成分:滑剤 - 塩化ビニル系樹脂100質量部に対し、前記(A)、(B)、(C)及び(D)成分の含有量が下記の通りである請求項1に記載の塩化ビニル系樹脂組成物の製造方法。
(A)成分:0.01〜5.0質量部
(B)成分:0.01〜5.0質量部
(C)成分:0.01〜10質量部
(D)成分:0.01〜5.0質量部 - さらに(E)成分として、多価アルコール化合物を含有させてなる請求項1又は2に記載の塩化ビニル系樹脂組成物の製造方法。
- さらに(F)成分として、フェノール系酸化防止剤を含有させてなる請求項1〜3の何れか1項に記載の塩化ビニル系樹脂組成物の製造方法。
- 前記(A)成分である脂肪酸金属塩が、亜鉛塩、カルシウム塩及びマグネシウム塩から選択される少なくとも一種である請求項1〜4の何れか1項に記載の塩化ビニル系樹脂組成物の製造方法。
Priority Applications (1)
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JP2016079751A JP2017190384A (ja) | 2016-04-12 | 2016-04-12 | 塩化ビニル系樹脂組成物の製造方法 |
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Publications (1)
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-
2016
- 2016-04-12 JP JP2016079751A patent/JP2017190384A/ja active Pending
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