JP2016152379A - 積層コンデンサおよびその製造方法 - Google Patents

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祐樹 月田
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Abstract

【課題】耐湿性の低下および層間剥離の発生をともに抑制できる小型で大容量の積層コンデンサを得る。
【解決手段】積層方向から見て各辺の寸法が0.3mm以下である外形寸法を有する積層体と、積層体の長さ方向にて互いに離間して積層体の表面に設けられた第1外部電極および第2外部電極とを備える。複数の導電体層のうちの上記積層方向の最も外側に位置する1つの導電体層は、上記積層方向に湾曲し、かつ、上記積層方向に貫通した複数の貫通部を含む。積層体の長さ方向に直交する断面において、湾曲している導電体層を積層体の幅方向において等間隔に4等分して上記幅方向の一方側から順にA領域、B領域、C領域およびD領域とすると、複数の貫通部の最小寸法の合計値は、A領域においてB領域より大きく、かつ、D領域においてC領域より大きい。
【選択図】図6

Description

本発明は、積層コンデンサおよびその製造方法に関し、特に、極小型の積層コンデンサおよびその製造方法に関する。
一般に、積層コンデンサは、導電体層と誘電体層とが交互に積層された積層体と、積層体の外表面に設けられた外部電極とを備えている。電子機器の小型化および薄型化に対応するため、積層コンデンサには、小型であるとともに静電容量が大きいことが求められている。積層コンデンサを大容量化する手法として、隣り合う導電体層同士の対向面積を大きくするとともに導電体層の積層数を増やすことが一般的である。
上記の一般的な手法により積層コンデンサを小型化および大容量化した場合、導電体層と積層体の表面との間の距離が短くなる。一般的に積層体の角部を覆う部分の外部電極は薄くなる傾向にある。これらの要因により、積層体の角部の近傍に位置する導電体層に、外部電極を通じて侵入した水分が到達しやすくなって、積層コンデンサの絶縁抵抗が低下する。すなわち、積層コンデンサの耐湿性が低下する。
耐湿性に対する信頼性の高い小型化された積層コンデンサを開示した先行文献として、特開2010−103566号公報(特許文献1)がある。特許文献1に記載された積層コンデンサにおいては、導電体層と積層体の側面との間に位置する誘電体が含有するMg濃度を高くすることにより、積層コンデンサの耐湿性を確保している。
特開2010−103566号公報
導電体層の積層数が多くなると、積層コンデンサの焼成時の誘電体層および導電体層の熱収縮率の差によって生ずる内部応力が大きくなり、層間剥離が発生しやすくなる。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであって、耐湿性の低下および層間剥離の発生をともに抑制できる小型で大容量の積層コンデンサを提供することを目的とする。
本発明に基づく積層コンデンサの製造方法は、交互に積層された複数の導電体層および複数の誘電体層を含み、積層方向から見て各辺の寸法が0.3mm以下である外形寸法を有する積層体と、積層体の表面に設けられた第1外部電極および第2外部電極を備える積層コンデンサの製造方法である。積層コンデンサの製造方法は、上記積層方向から見て上記複数の導電体層が第1配置および第1配置とは異なる第2配置に位置するように、複数の導電体層の各々を第1配置または第2配置に位置させつつ複数の誘電体層の各々と交互に積層することにより、積層体を形成する積層工程と、積層体を加圧して、複数の導電体層を上記積層方向と直交する方向に延伸させる延伸工程と、積層体を加圧して、複数の導電体層のうちの少なくとも1つを上記積層方向に湾曲させる湾曲工程と、第1外部電極が複数の導電体層のうちの第1配置に位置する導電体層と接続され、かつ、第2外部電極が複数の導電体層のうちの第2配置に位置する導電体層と接続されるように、第1外部電極および第2外部電極の各々を積層体の表面に形成する外部電極形成工程とを備える。
本発明の一形態においては、複数の導電体層の各々の厚さが、中央部から縁部に行くに従って薄くなっている。
本発明の一形態においては、複数の導電体層の各々が、チタン酸バリウムおよびケイ素の少なくとも一方を含む。
本発明の一形態においては、上記積層工程において、複数の誘電体層のうちのいずれか1つを挟んで隣り合う少なくとも一対の導電体層を共に第1配置または共に第2配置に位置させる。
本発明の一形態においては、上記少なくとも一対の導電体層は、上記積層方向において最も外側に位置する2つの導電体層のうちの少なくとも一方を含む。
本発明に基づく積層コンデンサは、交互に積層された複数の導電体層および複数の誘電体層を含み、積層方向から見て各辺の寸法が0.3mm以下である外形寸法を有する積層体と、積層体の長さ方向にて互いに離間して積層体の表面に設けられた第1外部電極および第2外部電極とを備える。積層コンデンサは、積層体においては、上記積層方向から見て上記複数の導電体層が第1配置および第1配置とは異なる第2配置に位置するように、複数の導電体層の各々が第1配置または第2配置に位置しつつ複数の誘電体層の各々と交互に積層されている。第1外部電極は、複数の導電体層のうちの第1配置に位置する導電体層と接続されている。第2外部電極は、複数の導電体層のうちの第2配置に位置する導電体層と接続されている。複数の導電体層のうちの少なくとも上記積層方向の最も外側に位置する1つの導電体層は、上記積層方向に湾曲し、かつ、上記積層方向に貫通した複数の貫通部を含む。積層体の長さ方向に直交する断面において、湾曲している導電体層を積層体の幅方向において等間隔に4等分して上記幅方向の一方側から順にA領域、B領域、C領域およびD領域とすると、湾曲している導電体層の傾斜角は、A領域においてB領域より大きく、かつ、D領域においてC領域より大きく、複数の貫通部の最小寸法の合計値は、A領域においてB領域より大きく、かつ、D領域においてC領域より大きい。
本発明の一形態においては、複数の導電体層の各々の幅は、積層体の幅の80%以下であり、積層体の幅と複数の導電体層の各々の幅との差の最大値は0.07mm未満である。ここで幅とは、各部における幅方向に沿った寸法を意味する。
本発明の一形態においては、複数の誘電体層のうちの少なくとも1つは、第1配置および第2配置のいずれか一方に位置している導電体層同士に挟まれた無効誘電体層である。複数の誘電体層のうちの少なくとも1つは、第1配置に位置する導電体層と第2配置に位置する導電体層とに挟まれた有効誘電体層である。
本発明の一形態においては、無効誘電体層が、上記積層方向において最も外側に位置する2つの導電体層のうちの少なくとも一方に隣接している。
本発明の一形態においては、上記湾曲している導電体層の積層体の長さ方向に直交する断面における湾曲量は、この導電体層に隣接している誘電体層の厚さより大きい。
本発明の一形態においては、A領域およびD領域の各々に位置する複数の貫通部のうちの少なくとも一部は、充填部材を含む。
本発明の一形態においては、充填部材は、複数の誘電体層を構成する誘電体材料を含む。
本発明の一形態においては、充填部材は、ケイ素を含む。
本発明によれば、耐湿性の低下および層間剥離の発生をともに抑制できる小型で大容量の積層コンデンサを得られる。
本発明の実施形態1に係る積層コンデンサの外観を示す斜視図である。 図1の積層コンデンサをII−II線矢印方向から見た断面図である。 図1の積層コンデンサをIII−III線矢印方向から見た断面図である。 図2の積層コンデンサをIV−IV線矢印方向から見た断面図である。 図2の積層コンデンサをV−V線矢印方向から見た断面図である。 図3において一点鎖線で囲まれたVI部を拡大して示す部分断面図である。 図6の一部をさらに拡大して示す部分拡大図である。 本発明の実施形態1に係る積層セラミックコンデンサの製造方法を示すフローチャートである。 本発明の実施形態1に係る積層コンデンサの加圧される前のマザーの積層体を示す、積層コンデンサの長さ方向Lに沿った断面図である。 本発明の実施形態1に係る積層コンデンサの加圧される前のマザーの積層体を示す、積層コンデンサの幅方向Wに沿った断面図である。 本発明の実施形態1に係る積層コンデンサの加圧された後のマザーの積層体を示す、積層コンデンサの長さ方向Lに沿った断面図である。 本発明の実施形態1に係る積層コンデンサの加圧された後のマザーの積層体を示す、積層コンデンサの幅方向Wに沿った断面図である。 本発明の実施形態2に係る積層コンデンサの構成を示す断面図である。 本発明の実施形態2に係る積層コンデンサの加圧される前のマザーの積層体を示す、積層コンデンサの長さ方向Lに沿った断面図である。 本発明の実施形態2に係る積層コンデンサの加圧された後のマザーの積層体を示す、積層コンデンサの長さ方向Lに沿った断面図である。 本発明の実施形態3に係る積層コンデンサの構成を示す断面図である。 図16の積層コンデンサをXVII−XVII線矢印方向から見た断面図である。 本発明の実施形態3に係る積層コンデンサの加圧される前のマザーの積層体を示す、積層コンデンサの長さ方向Lに沿った断面図である。 本発明の実施形態3に係る積層コンデンサの加圧された後のマザーの積層体を示す、積層コンデンサの長さ方向Lに沿った断面図である。 本発明の実施形態4に係る積層コンデンサの構成を示す断面図である。 本発明の実施形態4に係る積層コンデンサの加圧される前のマザーの積層体を示す、積層コンデンサの長さ方向Lに沿った断面図である。 本発明の実施形態4に係る積層コンデンサの加圧された後のマザーの積層体を示す、積層コンデンサの長さ方向Lに沿った断面図である。
以下、本発明の各実施形態に係る積層コンデンサおよびその製造方法について図を参照して説明する。以下の実施形態の説明においては、図中の同一または相当部分には同一符号を付して、その説明は繰り返さない。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る積層コンデンサの外観を示す斜視図である。図2は、図1の積層コンデンサをII−II線矢印方向から見た断面図である。図3は、図1の積層コンデンサをIII−III線矢印方向から見た断面図である。図4は、図2の積層コンデンサをIV−IV線矢印方向から見た断面図である。図5は、図2の積層コンデンサをV−V線矢印方向から見た断面図である。図6は、図3において一点鎖線で囲まれたVI部を拡大して示す部分断面図である。図7は、図6の一部をさらに拡大して示す部分拡大図である。図1においては、後述する、積層体の長さ方向L、積層体の幅方向W、および、積層体の積層方向Tを図示している。なお、導電体層および誘電体層においては、視認し易くするために一部について図示している。
図1〜7に示すように、本発明の実施形態1に係る積層コンデンサ100は、1層ずつ交互に積層された複数の導電体層140および複数の誘電体層130を含む積層体110と、積層体110の表面に設けられた第1外部電極121および第2外部電極122からなる1対の外部電極120とを備える。
複数の誘電体層130と複数の導電体層140との積層方向Tは、積層体110の長さ方向Lおよび積層体110の幅方向Wに対して直交している。
積層体110は、互いに反対側に位置する第1主面111および第2主面112を有する。積層体110は、第1主面111と第2主面112とを結び互いに反対側に位置する第1端面115および第2端面116、第1主面111と第2主面112とを結ぶとともに第1端面115と第2端面116とを結んで互いに反対側に位置する第1側面113および第2側面114をさらに有する。第1側面113と第2側面114との最短距離は、第1端面115と第2端面116との最短距離未満である。すなわち、積層体110の幅方向Wの寸法は、積層体110の長さ方向Lの寸法より小さい。ただし、積層体110の幅方向Wの寸法が、積層体110の長さ方向Lの寸法より大きくてもよい。積層体110は、直方体状の外形を有する。直方体状の外形とは、直方体の角部および稜線部の少なくとも一方に丸みを有した形状も含む概念である。
本発明の実施形態は、積層方向Tから見て、矩形状を成し、各辺の寸法が0.3mm以下である積層体110を備える積層コンデンサを対象とする。好ましくは、積層体110は、0.3mm以下の長さ、および、0.15mm以下の幅の外形寸法を有する。本実施形態においては、積層体110の外形寸法(設計値)は、長さが0.213mm、幅が0.103mm、厚さが0.103mmである。
本実施形態においては、1対の外部電極120は、積層体110の長さ方向Lにて互いに離間して積層体110の表面に設けられている。具体的には、1対の外部電極120は、積層体110の長さ方向Lの第1端面115側に設けられた第1外部電極121、および、積層体110の長さ方向Lの第2端面116側に設けられた第2外部電極122により構成されている。
積層体110においては、積層方向Tから見て複数の導電体層140が第1配置およびこの第1配置とは異なる第2配置に位置するように、複数の導電体層140の各々が第1配置または第2配置に位置しつつ複数の誘電体層130の各々と交互に積層されている。
複数の導電体層140は、第1配置に位置して第1外部電極121に接続された複数の第1導電体層141と、第2配置に位置して第2外部電極122に接続された複数の第2導電体層142とを含む。
複数の第1導電体層141および複数の第2導電体層142の各々は、平面視にて略矩形状である。より詳細には、複数の第1導電体層141の各々は、平面視にて、第1端面115側を除く3辺の各々が、外側に膨らんでいる。複数の第2導電体層142の各々は、平面視にて、第2端面116側を除く3辺の各々が、外側に膨らんでいる。
好ましくは、複数の第1導電体層141および複数の第2導電体層142の各々において、長さ方向Lに延びる2辺の幅方向Wにおける膨らみ量の合計値が、幅方向Wに延びる1辺の長さ方向Lにおける膨らみ量よりも大きい。この場合、積層体110の角部に第1導電体層141および第2導電体層142が近づくことを抑制して耐湿性をより維持しつつ、第1導電体層141および第2導電体層142の各々の全長に亘って幅が広がることによって第1導電体層141と第2導電体層142との対向面積が広くなるため静電容量をより増大させることができる。同様の理由により、好ましくは、長さ方向Lに延びる2辺の幅方向Wにおける各々の膨らみ量が、幅方向Wに延びる1辺の長さ方向Lにおける膨らみ量よりも大きい。
長さ方向Lに延びる2辺の幅方向Wにおける各々の膨らみ量、これらの合計値、および、幅方向Wに延びる1辺の長さ方向Lにおける膨らみ量の各々は、次のように計算される。
図4に示すように、積層体の端面115に露出する第1導電体層141の長さ方向Lの一端から側面に平行な2本の直線SL1を引く。2本の直線SL1と第1導電体層141との縁との交点を通る直線SL3を引く。図5に示すように、積層体の端面116に露出する第2導電体層142の長さ方向Lの他端から側面に平行な2本の直線SL2を引く。2本の直線SL2と第2導電体層142の縁との交点を通る直線SL3を引く。
長さ方向Lに延びる2辺の幅方向Wにおける各々の膨らみ量は、図4においては、第1導電体層141の第1側面113側の縁と直線SL1との最長距離V1、および、第1導電体層141の第2側面114側の縁と直線SL1との最長距離V2であり、これらの合計値は(V1+V2)である。図5においては、第2導電体層142の第1側面113側の縁と直線SL2との最長距離V1、および、第2導電体層142の第2側面114側の縁と直線SL2との最長距離V2であり、これらの合計値は(V1+V2)である。
幅方向Wに延びる1辺の長さ方向Lにおける膨らみ量は、図4においては、第1導電体層141の第2端面116側の縁と直線SL3との最長距離V3であり、図5においては、第2導電体層142の第1端面115側の縁と直線SL3との最長距離V3である。
本実施形態においては、複数の第1導電体層141の各々は、積層体110の第1端面115に露出し、第1外部電極121と第1端面115にて接続されている。複数の第2導電体層142の各々は、積層体110の第2端面116に露出し、第2外部電極122と第2端面116にて接続されている。本実施形態においては、第1導電体層141の積層数が21層、第2導電体層142の積層数が21層であり、導電体層140の積層数は42層である。
図3に示す、複数の導電体層140の各々の幅H140は、積層体110の幅H110の80%以下である。積層体110の幅H110と複数の導電体層140の各々の幅H140との差の最大値は0.07mm未満である。これにより、後述するように複数の導電体層140を押し広げ易く、かつ、湾曲させ易くすることができる。本実施形態においては、複数の導電体層140の各々の幅H140(設計値)は、0.063mmである。よって、複数の導電体層140の各々の幅H140(設計値)は、積層体110の幅H110(設計値)の61%である。積層体110の幅H110(設計値)と複数の導電体層140の各々の幅H140(設計値)との差の最大値は0.04mmである。
幅方向Wにおいて、積層体110の第2側面114と複数の導電体層140の各々との間の隙間の最大値G1(設計値)は、0.02mmである。幅方向Wにおいて、積層体110の第1側面113と複数の導電体層140の各々との間の隙間の最大値G2(設計値)は、0.02mmである。
複数の導電体層140の各々の長さ(設計値)は、0.135mmである。積層体110の長さ(設計値)と複数の導電体層140の各々の長さ(設計値)との差の最大値は0.078mmである。複数の導電体層140の各々の厚さ(設計値)は、0.6μmである。
複数の誘電体層130は、第1主面111を構成する第1外層部131と、第2主面112を構成する第2外層部132と、第1導電体層141および第2導電体層142に挟まれた複数の有効誘電体層133とを含む。積層体110のうち、第1外層部131および第2外層部132に挟まれた領域を内層部とする。本実施形態においては、複数の有効誘電体層133の各々の厚さ(設計値)は、0.75μmである。有効誘電体層133の積層数は41層である。第1外層部131および第2外層部132の各々の厚さ(設計値)は、23μmである。
複数の導電体層140および複数の誘電体層130の各々の厚さは、研磨により露出させた積層体110の長さ方向Lに直交する断面を走査型電子顕微鏡にて観察し、積層方向Tに沿った積層体110の中心線およびこの中心線から両側に等間隔に2本ずつ引いた線の合計5本の線上における厚さを測定し、この5つの測定値の平均値とする。
本実施形態に係る積層コンデンサ100においては、複数の導電体層140の各々が湾曲している。具体的には、図2に示すように、複数の導電体層140の各々は、積層体110の幅方向Wに直交する断面において、積層体110の中央から積層方向Tに沿って離れる方向に凸状に湾曲している。図3に示すように、複数の導電体層140の各々は、積層体110の長さ方向Lに直交する断面において、積層体110の中央から積層方向Tに沿って離れる方向に凸状に湾曲している。なお、複数の導電体層140の全てが積層方向Tに湾曲している必要はなく、少なくとも1つの導電体層140が積層方向Tに湾曲していればよい。
積層方向Tにおいて積層体110の端側に行くに従って、導電体層140の徐々に湾曲量が大きくなっていることが好ましい。この場合、誘電体層130が過度に厚くなることによる静電容量の低下、および、誘電体層130が過度に薄くなることによる絶縁抵抗の低下の各々を、抑制することができる。
図3に示すように、積層体110の積層方向Tにおいて両端に位置する2つの導電体層140の各々の積層体110の長さ方向Lに直交する断面における湾曲量は、この導電体層140に隣接している有効誘電体層133の厚さより大きい。具体的には、積層体110の積層方向Tにおいて最も第1主面111に近い最外導電体層148の湾曲量B1が、最外導電体層148に隣接している有効誘電体層133の厚さより大きい。積層体110の積層方向Tにおいて最も第2主面112に近い最外導電体層149の湾曲量B2が、最外導電体層149に隣接している有効誘電体層133の厚さより大きい。本実施形態においては、最外導電体層148の湾曲量B1および最外導電体層149の湾曲量B2の各々は、7.1μmである。
最外導電体層148,149について、積層体110の長さ方向Lに直交する断面における湾曲量は、積層体110の幅方向Wに直交する断面における湾曲量より大きい方が好ましい。
図6に示すように、積層体110の長さ方向Lに直交する断面において、湾曲している導電体層140を幅方向Wにおいて等間隔に4等分して上記幅方向Wの一方側から順にA領域、B領域、C領域およびD領域とすると、湾曲している導電体層140の傾斜角は、A領域においてB領域より大きく、かつ、D領域においてC領域より大きい。
最外導電体層148を例にして具体的に説明すると、最外導電体層148を幅方向Wにおいて等間隔に4等分する、積層体110の積層方向Tに沿って延びる5本の直線X1〜X5を引く。直線X1と直線X2との間の領域がA領域、直線X2と直線X3との間の領域がB領域、直線X3と直線X4との間の領域がC領域、直線X4と直線X5との間の領域がD領域である。
積層体110の長さ方向Lに直交する断面において、最外導電体層148の中心を通る湾曲した中心線をLwとする。積層体110の第1側面113の中心と第2側面114の中心とを通る直線に平行な基準線をL0とする。A領域における中心線Lwの両端を結ぶ線分LAと基準線L0とのなす鋭角θAを、A領域における最外導電体層148の傾斜角とする。同様に、B領域における中心線Lwの両端を結ぶ線分LBと基準線L0とのなす鋭角θBを、B領域における最外導電体層148の傾斜角とする。C領域における中心線Lwの両端を結ぶ線分LCと基準線L0とのなす鋭角θCを、C領域における最外導電体層148の傾斜角とする。D領域における中心線Lwの両端を結ぶ線分LDと基準線L0とのなす鋭角θDを、D領域における最外導電体層148の傾斜角とする。
本実施形態においては、2つの最外導電体層148,149において、A,B,C,D領域における傾斜角の各平均値は、θA=22.4°、θB=6.0°、θC=7.3°、θD=23.9°である。導電体層140の傾斜角は、研磨により露出させた積層体110の長さ方向Lに直交する断面を光学顕微鏡にて観察することにより測定することができる。
図6,7に示すように、複数の導電体層140の各々は、積層体110の積層方向Tに貫通した複数の貫通部が形成されている。図3においては、貫通部は図示していない。なお、複数の導電体層140の全てに積層体110の積層方向Tに貫通した複数の貫通部が形成されている必要はなく、少なくとも1つの導電体層140に積層体110の積層方向Tに貫通した複数の貫通部が形成されていればよい。
最外導電体層148を例にして具体的に説明すると、最外導電体層148には、A領域において3つの貫通部hA1,hA2,hA3、B領域において1つの貫通部hB1、C領域において1つの貫通部hC1、D領域において3つの貫通部hD1,hD2,hD3が形成されている。
これらの複数の貫通部の各々の湾曲している導電体層140に沿った幅の最小寸法の合計値は、A領域においてB領域より大きく、かつ、D領域においてC領域より大きい。貫通部の湾曲している導電体層140に沿った幅の最小寸法は、貫通部の中心線Lw上の両端を結ぶ最短距離である。
最外導電体層148を例にして具体的に説明すると、貫通部hA1、hA2、hA3、hB1、hD1、hD2、hD3の幅の最小寸法は、それぞれ、HA1、HA2、HA3、HB1、HC1、HD1、HD2、HD3である。HA1+HA2+HA3>HB1を満たす。HD1+HD2+HD3>HC1を満たす。
上記のように、複数の導電体層140の各々においては、幅方向Wの端部に近づくに従って、貫通部の数および幅の合計値が増加する。これは、後述するように、複数の導電体層140の各々が押し広げられ、かつ、湾曲させられることにより、密度が低くなるためである。特に、積層体110の積層方向Tにおいて最も外側に位置する導電体層140である、最外導電体層148,149においては、湾曲の曲率半径が小さく、湾曲する際に密度がより低くなるため比較的大きな貫通部が多く形成される。
本実施形態においては、複数の導電体層140の全てにおけるA領域〜D領域の貫通部の数の平均値は、A領域にて1.5個、B領域にて0.2個、C領域にて0.2個、D領域にて1.2個である。また、複数の導電体層140の全てにおけるA領域〜D領域の貫通部の上記幅の合計値の平均値は、A領域にて2.2μm、B領域にて0.2μm、C領域にて0.2μm、D領域にて1.8μmである。
貫通部の上記幅は、研磨により露出させた積層体110の長さ方向Lに直交する断面を走査型電子顕微鏡にて観察することにより測定することができる。
図6においては、複数の貫通部の全てが、複数の誘電体層130を構成する誘電体材料を含有する充填部材を含むように図示しているが、実際には、図7に示すように、複数の貫通部のうちの一部は充填部材を含み、複数の貫通部のうちの残部は空隙150となっている。最外導電体層148を例にして具体的に説明すると、A領域において、貫通部hA1および貫通部hA3の各々は誘電体材料を含有する充填部材を含み、貫通部hA2は空隙150となっている。
貫通部が誘電体材料を含有する充填部材を含むことにより、導電体層140を互いの間に挟んで隣接する誘電体層130同士の密着力が増加する。この密着力を増加させるために、たとえば、誘電体材料であるチタン酸バリウムにケイ素が含まれていることが好ましい。充填部材の組成は、研磨により露出させた積層体110の長さ方向Lに直交する断面を走査型電子顕微鏡に付帯された電界放出型波長分散X線分光器にて観察することにより特定することができる。
また、上記の密着力を増加させるために、図6に示すように、複数の導電体層140の各々の幅方向Wにおける端部の位置がずれていることが好ましい。幅方向Wにおける一端の位置が、最外導電体層148は直線X1上であり、最外導電体層148に隣接する第2導電体層142は直線X11上であり、この第2導電体層142に隣接する第1導電体層141は直線X21上であり、直線X1と直線X11と直線X21とが幅方向Wに互いにずれて位置している。
同様に、複数の導電体層140の各々の幅方向Wにおける他端の位置が、最外導電体層148は直線X5上であり、最外導電体層148に隣接する第2導電体層142は直線X15上であり、この第2導電体層142に隣接する第1導電体層141は直線X25上であり、直線X5と直線X15と直線X25とが幅方向Wに互いにずれて位置している。
以下、積層コンデンサ100の各々の構成について詳細に説明する。
誘電体層130を構成する材料としては、BaTiO3、CaTiO3、SrTiO3またはCaZrO3などを主成分とする誘電体セラミックスを用いることができる。また、これらの主成分に、副成分として、Mn化合物、Mg化合物、Si化合物、Co化合物,Ni化合物または希土類化合物などが添加された誘電体セラミックスを、誘電体層130を構成する材料として用いてもよい。本実施形態においては、BaTiO3(チタン酸バリウム)を主成分とする比誘電率が3400である誘電体セラミックスにて誘電体層130を構成し、積層コンデンサ100の静電容量(設計値)を0.01μFとしている。
導電体層140を構成する材料としては、Ni、Cu、Ag、Pd、Auなどの金属、または、これらの金属の少なくとも1種を含む合金、たとえばAgとPdとの合金などを用いることができる。導電体層140は、共材として、誘電体層130を構成する誘電体材料をさらに含むことが好ましい。たとえば誘電体層130を構成する誘電体材料がBaTiO3である場合には、共材としてBaTiO3を含むことが好ましい。また、導電体層140は、共材としてSi(ケイ素)をさらに含むことが好ましい。複数の導電体層140の各々の厚さは、焼成後において0.2μm以上2.0μm以下であることが好ましい。
1対の外部電極120は、積層体110の両端部を覆うように設けられた下地層と、この下地層を覆うように設けられためっき層とを含む。下地層を構成する材料としては、Ni、Cu、Ag、Pd、Auなどの金属、または、これらの金属の少なくとも1種を含む合金、たとえばAgとPdとの合金などを用いることができる。下地層の厚さは、5μm以上20μm以下であることが好ましい。
下地層としては、積層体110の両端部に導電性ペーストを塗布して焼き付けたもの、または、導電体層140と同時に焼成したものでもよい。それ以外にも、下地層としては、積層体110の両端部にめっきすることにより形成したもの、または、積層体110の両端部に金属粒子を含む樹脂ペーストを塗布して硬化させたものでもよい。
めっき層を構成する材料としては、Ni、Cu、Ag、Pd、Auなどの金属、または、これらの金属の少なくとも1種を含む合金、たとえばAgとPdとの合金などを用いることができる。
めっき層は、複数の層から構成されていてもよい。この場合、めっき層としては、Niめっき層の上にSnめっき層が形成された2層構造であることが好ましい。Niめっき層は、半田バリア層として機能する。Snめっき層は、半田との濡れ性が良好である。1層当たりのめっき層の厚さは、0.5μm以上5μm以下であることが好ましい。
以下、本実施形態に係る積層コンデンサ100の製造方法について説明する。図8は、本発明の実施形態1に係る積層セラミックコンデンサの製造方法を示すフローチャートである。
図8に示すように、積層コンデンサ100を製造する際には、まず、セラミックスラリーの調製が行なわれる(工程S1)。具体的には、セラミックス粉末、バインダーおよび溶剤などが所定の配合比率で混合され、これによりセラミックスラリーが形成される。
次に、セラミックグリーンシートが形成される(工程S2)。具体的には、セラミックスラリーがキャリアフィルム上においてダイコータ、グラビアコータ、または、マイクログラビアコータなどを用いてシート状に成形されることにより、セラミックグリーンシートが作製される。
次に、マザーシートが形成される(工程S3)。具体的には、作製した複数のセラミックグリーンシートのうちの一部において、セラミックグリーンシート上に、スクリーン印刷法またはグラビア印刷法などにより導電体層を形成するための導電ペーストを所定のパターンとなるように塗布する。好ましくは、導電ペーストは、上記の共材を含んでいる。後述する図10に示すように、導電パターン14は、幅方向において、導電パターン14の中央部から端部に行くに従って薄くなる円弧形状を有している。
上記のように、導電体層となる導電パターンが形成されたセラミックグリーンシートと、導電パターンが形成されていないセラミックグリーンシートとを、マザーシートとして用意する。なお、導電体層を形成するための導電ペーストには、公知のバインダーおよび溶媒が含まれていてもよい。
次に、マザーシートが積層される(工程S4)。具体的には、第2外層部132を形成するために導電パターンが形成されていないセラミックグリーンシートを所定枚数積層し、その上に、内層部を形成するために導電パターンが形成された複数のセラミックグリーンシートを順次積層し、その上に、第1外層部131を形成するために導電パターンが形成されていないセラミックグリーンシートを所定枚数積層することにより、複数のマザーシートが積層されたマザーの積層体を構成する。
次に、マザーの積層体が加圧され、導電体層となる導電パターンが延伸させられる(工程S5)とともに湾曲させられる(工程S6)。なお、本実施形態においては、導電体層となる導電パターンを延伸させる工程S5と、導電体層となる導電パターンを湾曲させる工程S6とが同時に行なわれるが、これに限られず、それぞれ別々に行われてもよい。たとえば、内層部のみを構成するマザーの積層体を加圧することにより、導電体層となる導電パターンを延伸させる工程S5を行なった後、そのマザーの積層体に第1外層部131および第2外層部132の少なくとも一方を構成するセラミックグリーンシートを所定枚数積層して再度加圧することにより、導電体層となる導電パターンを湾曲させる工程S6を行なってもよい。
図9は、本発明の実施形態1に係る積層コンデンサの加圧される前のマザーの積層体を示す、積層コンデンサの長さ方向Lに沿った断面図である。図10は、本発明の実施形態1に係る積層コンデンサの加圧される前のマザーの積層体を示す、積層コンデンサの幅方向Wに沿った断面図である。図11は、本発明の実施形態1に係る積層コンデンサの加圧された後のマザーの積層体を示す、積層コンデンサの長さ方向Lに沿った断面図である。図12は、本発明の実施形態1に係る積層コンデンサの加圧された後のマザーの積層体を示す、積層コンデンサの幅方向Wに沿った断面図である。
図9に示すように、マザーの積層体11には、長さ方向Lにおいて、導電パターン14が多数存在する領域Yと、導電パターン14が比較的少数のみ存在する領域Zとが交互に存在する。一方、図10に示すように、マザーの積層体11には、幅方向Wにおいて、導電パターン14が多数存在する領域Yと、導電パターン14が存在せずに誘電体部13のみが存在する領域Nとが交互に存在する。
図9〜12に示すように、1対の平板金型91によって、マザーの積層体11が積層方向Tに加圧されて圧着される。マザーの積層体11においては、領域Yにおける積層密度が、領域Z,Nにおける積層密度より密である。そのため、領域Yに位置する導電パターン14が領域Z,Nに向かって押し広げられる。導電パターン14は、断面視にて中央部から縁部に行くに従って薄くなる円弧形状を有しているため、押し広げられた部分は著しく薄くなる。さらに、領域Z,Nに押し広げられた導電パターン14は、第1外層部または第2外層部から流動したセラミック材料によって押圧され、下側に凸状に突出する。これにより、導電パターン14の縁部はさらに薄くなる。図9〜12に示すように、1対の平板金型91の押圧面にラバー92を取り付けてマザーの積層体11を加圧することが好ましい。これにより、より効果的に導電パターン14を湾曲させることができる。上記のように、マザーの積層体11aが成形される。
ここで、後述するようにマザーの積層体が分断された際に積層体の長さ方向にて互いに隣接する積層体同士のうちの一方において、第1導電体層141となる第1配置に位置する導電パターンが形成されたセラミックグリーンシートをAパターン、第2導電体層142となる第2配置に位置する導電パターンが形成されたセラミックグリーンシートをBパターンとしたときに、AパターンとBパターンとを重ねることにより各導電パターンに挟まれるセラミックグリーンシートは、有効誘電体層133となる。
なお、AパターンおよびBパターンは、1種類の導電パターンが形成されたセラミックグリーンシートを積層時に位置をずらすことにより兼用して使用することができる。したがって、1種類の導電パターンが形成されたセラミックグリーンシートでマザーの積層体を製造することができる。
後述するようにマザーの積層体が分断された際に積層体の長さ方向にて互いに隣接する積層体同士のうちの他方においては、第1導電体層141となる第1配置に位置する導電パターンが形成されたセラミックグリーンシートがBパターン、第2導電体層142となる第2配置に位置する導電パターンが形成されたセラミックグリーンシートがAパターンとなる。このように、マザーの積層体が分断された際に積層体の長さ方向にて互いに隣接する積層体同士のいずれにおいても、積層工程(工程S4)において、第1配置に位置する導電体層と第2配置に位置する導電体層とが誘電体層を挟んで積層されている。
次に、マザーの積層体が分断される(工程S7)。具体的には、押し切りまたはダイシングによってマザーの積層体が領域Zおよび領域NにおいてカットラインC1に沿って分断されることにより、複数の直方体状の軟質積層体が作製される。次に、適宜、軟質積層体のバレル研磨が行なわれ(工程S8)、軟質積層体の外表面(特に角部および稜線部)に曲面状の丸みがもたらされる。
次に、軟質積層体の焼成が行なわれる(工程S9)。具体的には、軟質積層体が所定の温度に加熱され、これによりセラミック材料および導電材料が焼結されることによって、積層体110が形成される。この加熱処理時に、導電パターン14に含まれる金属成分が凝集する。導電パターン14の縁部は著しく薄くなっているため、金属成分が凝集することにより導電パターン14の縁部に貫通部が形成される。上記のように、断面視にて円弧形状に導電パターン14を形成し、その導電パターン14を押し広げるとともに湾曲させ、さらに導電パターン14を加熱することにより、上記の領域A,Dに比較的多くの貫通部を形成することができる。
次に、外部電極が形成される(工程S10)。具体的には、外部電極形成用の導電ペーストを積層体110の両端部に各種印刷法またはディップ法などにより塗布し、加熱することにより下地層を設ける。
次に、下地層上に、めっき法により金属成分を付着させることによってめっき層を設ける。下地層を設ける工程およびめっき層を設ける工程により、導電体層140と電気的に接続されるように積層体110の両端部に外部電極120を設けることができる。上記の一連の工程により、本実施形態に係る積層コンデンサ100を作製することができる。
本実施形態に係る積層コンデンサ100においては、有効誘電体層133を互いの間に挟む導電体層140が延伸しつつ湾曲していることにより、互いに隣接する導電体層140同士の対向面積が増加している。これにより外形を大きくすることなく静電容量を増加することができる。すなわち、積層コンデンサ100を小型で大容量にすることができる。
さらに、導電体層140が湾曲していることにより、導電体層140の端部と積層体110の角部との距離を長くすることができる。その結果、積層コンデンサ110の耐湿性が低下することを抑制できる。特に、最外導電体層148,149が湾曲していることにより、積層コンデンサ110の耐湿性の低下を抑制できる。
積層コンデンサ100においては、複数の導電体層140の各々の幅H140は、積層体110の幅H110の80%以下であり、かつ、積層体110の幅H110と複数の導電体層140の各々の幅H140との差の最大値は0.07mm未満であることにより、導電パターンを効果的に延伸および湾曲させることができる。
具体的には、図10において、領域Nが狭すぎる場合、導電パターンが押し広げられ難くなる。この観点から、導電パターンを十分に押し広げるためには、導電体層140の幅が、積層体110の幅の80%以下であることが好ましい。逆に領域Nが広すぎる場合、導電パターンが十分に押し広げられる前に、セラミックグリーンシート同士が圧着して領域Nの空隙を埋めてしまうため、導電パターンが押し広げられ難くなる。この観点から、導電パターンを十分に押し広げるためには、導電体層140の幅は、積層体110の幅との差の最大値が0.07mm未満であることが好ましい。導電体パターンを十分に押し広げることにより、領域Nに流動したセラミックグリーンシートによって、導電パターンを十分に湾曲させることができる。
本実施形態に係る積層コンデンサ100のように、積層体110の積層方向Tにおいて両端に位置する2つの最外導電体層148,149のうちの少なくとも一方の、積層体110の長さ方向Lに直交する断面における湾曲量B1,B2が、この導電体層に隣接している有効誘電体層133の厚さより大きいことが、静電容量に寄与する導電体層の実質的な対向面積を確実に確保するために好ましい。
本実施形態に係る積層コンデンサ100においては、導電体層140の貫通部が誘電体材料を含有する充填部材を含むことにより、導電体層140を互いの間に挟んで隣接する誘電体層130同士の密着力が増加している。これにより、層間剥離の発生を抑制できる。特に、焼成時の誘電体層130および導電体層140の熱収縮率の差によって生ずる内部応力によって層間剥離が発生し易い最外導電体層148,149において貫通部が誘電体材料を含有する充填部材を含むことにより、積層コンデンサ110にて層間剥離の発生を抑制できる。導電体層140を形成するための導電ペーストに誘電体材料を共材として含有させることにより、誘電体材料を含有する充填部材の形成を促進することができる。
本実施形態に係る積層コンデンサ100においては、充填部材が含有する誘電体材料であるチタン酸バリウムにケイ素が含まれているため、焼成時に粒成長して粗大化したセラミック粒子の粒界からケイ素が偏析する。偏析したケイ素は、セラミック粒子の粒界に沿って移動して互いに隣接する誘電体層130の界面に集まる。隣接する誘電体層130の界面には多数の微小な隙間が存在し、この隙間がケイ素によって埋められることにより、互いに隣接する誘電体層130同士が結合されて密着力が増加するものと考えられる。導電体層140を形成するための導電ペーストに共材としてケイ素を含有させることにより、ケイ素を含有する充填部材の形成を促進することができる。なお、充填部材が、ケイ素のみで構成されていてもよい。
本実施形態に係る積層コンデンサ100においては、図6に示すように、複数の導電体層140の各々の幅方向Wにおける端部の位置がずれていることにより、これらの端部の近傍に位置する誘電体層130同士がジグザグ状に繋がって結合するため、互いに隣接する誘電体層130同士の密着力が増加する。その結果、積層コンデンサ110にて層間剥離の発生をさらに抑制できる。
以下、本実施形態に係る積層コンデンサにおいて、耐湿性について検証した実験例について説明する。
(実験例)
実験条件について説明する。静電容量が0.01μFである72個の積層コンデンサを、温度が85℃で湿度が85%RHの雰囲気中に2000時間保持した後、6.3Vの電圧を印加して抵抗値を測定した。抵抗値が1.0×108Ω以下の積層コンデンサを耐湿性不良と判定した。その結果、本実施形態に係る積層コンデンサにおいては、耐湿性不良の積層セラミックコンデンサはなかった。
上記の実験例から、本実施形態に係る積層コンデンサ100に、耐湿性の低下が認められないことが確認できた。すなわち、耐湿性を低下させることなく、小型で大容量の積層コンデンサが得られた。
以下、本発明の実施形態2に係る積層コンデンサおよびその製造方法について説明する。なお、本実施形態に係る積層コンデンサおよびその製造方法は、積層体の積層パターンのみ実施形態1に係る積層コンデンサおよびその製造方法と異なるため、他の構成については説明を繰り返さない。
(実施形態2)
図13は、本発明の実施形態2に係る積層コンデンサの構成を示す断面図である。図13においては、図2と同一の断面視にて示している。図13の積層コンデンサのIII−III線矢印方向から見た断面は、図3に示す通りである。
図13に示すように、本発明の実施形態2に係る積層コンデンサ200は、第1導電体層141の第2端面116側の端部に間隔を置いて、第2外部電極122に接続された第3導電体層240が設けられている。第2導電体層142の第1端面115側の端部に間隔を置いて、第1外部電極121に接続された第4導電体層241が設けられている。
本発明の実施形態2に係る積層コンデンサ200においては、第3導電体層240および第4導電体層241が存在することにより、第1導電体層141および第2導電体層142が長さ方向Lに広がりにくくなる。その結果、第1導電体層141および第2導電体層142は幅方向Wに広がりやすくなる。この場合、積層体110の角部に第1導電体層141および第2導電体層142が近づくことを抑制して耐湿性をより維持しつつ、第1導電体層141および第2導電体層142の各々の全長に亘って幅が広がることによって第1導電体層141と第2導電体層142との対向面積が広くなるため静電容量をより増大させることができる。
本発明の実施形態2に係る積層コンデンサの製造方法において、マザーの積層体を圧着する際は下記のようになる。
図14は、本発明の実施形態2に係る積層コンデンサの加圧される前のマザーの積層体を示す、積層コンデンサの長さ方向Lに沿った断面図である。図15は、本発明の実施形態2に係る積層コンデンサの加圧された後のマザーの積層体を示す、積層コンデンサの長さ方向Lに沿った断面図である。なお、積層コンデンサの幅方向Wに沿った断面については、実施形態1に係るマザーの積層体と同様であるため説明を繰り返さない。
図14に示すように、マザーの積層体21には、長さ方向Lにおいて、導電パターン24が多数存在する領域Y1およびY2と、導電パターン24が比較的少数のみ存在する領域Z1およびZ2とが、Y1,Z1,Y2,Z2の順に繰り返し存在する。
図14に示すように、静水圧プレスなどの手段により、押圧面にラバー92が取り付けられた1対の平板金型91によって、マザーの積層体21が積層方向Tに加圧されて圧着される。マザーの積層体21においては、領域Y1,Y2における積層密度が、領域Z1,Z2における積層密度より密である。そのため、マザーの積層体に押し付けられたラバー92は、図15に示すように、領域Y1,Y2から領域Z1,Z2に向けて流動変形して下側に凸状に突出し、マザーの積層体の領域Z1,Z2に位置するマザーシート同士を絞るように圧着して密着させる。これにより、マザーの積層体21aが形成される。
次に、マザーの積層体が分断される(工程S6)。具体的には、押し切りまたはダイシングによってマザーの積層体が領域Y2においてカットラインC2に沿って分断されることにより、複数の直方体状の軟質積層体が作製される。
本実施形態に係る積層コンデンサの製造方法においても、耐湿性の低下および層間剥離の発生をともに抑制できる小型で大容量の積層コンデンサを製造することが可能である。
以下、本発明の実施形態3に係る積層コンデンサおよびその製造方法について説明する。なお、本実施形態に係る積層コンデンサおよびその製造方法は、無効誘電体層を含む点のみ実施形態1に係る積層コンデンサおよびその製造方法と異なるため、他の構成については説明を繰り返さない。
(実施形態3)
図16は、本発明の実施形態3に係る積層コンデンサの構成を示す断面図である。図17は、図16の積層コンデンサをXVII−XVII線矢印方向から見た断面図である。図16においては、図2と同一の断面視にて示している。
図16,17に示すように、本発明の実施形態3に係る積層コンデンサ300においては、誘電体層130は、第1主面111を構成する第1外層部131と、第2主面112を構成する第2外層部132と、第1導電体層141および第2導電体層142に挟まれた少なくとも1つの有効誘電体層133と、第1導電体層141同士または第2導電体層142同士に挟まれた少なくとも1つの無効誘電体層とを含む。無効誘電体層としては、第1導電体層141同士に挟まれた第1無効誘電体層134と、第2導電体層142同士に挟まれた第2無効誘電体層135とがある。
無効誘電体層の厚さは、有効誘電体層133の厚さと実質的に同等である。具体的には、無効誘電体層の厚さは、有効誘電体層133の厚さの0.5倍より大きくかつ2倍未満である。無効誘電体層および有効誘電体層133の各々は、同じ厚さのセラミックグリーンシートから形成されている。
複数の導電体層140の中には、有効誘電体層133と無効誘電体層とに挟まれている導電体層140がある。具体的には、第1導電体層141と第2導電体層142との間に、第1導電体層141または第2導電体層142が、誘電体層130をそれぞれの間に挟みつつ積層されている。
積層体110のうち、第1外層部131および第2外層部132に挟まれた領域を内層部とする。本実施形態においては、内層部に、1層の第1無効誘電体層134と、2層の第2無効誘電体層135とが含まれている。
第1無効誘電体層134は、内層部の第2主面112側の端に位置している。2層の第2無効誘電体層135のうちの1層は、内層部の第1主面111側の端に位置している。すなわち、積層体110の積層方向Tにおいて両端に位置する2つの導電体層140の各々が、無効誘電体層に隣接している。具体的には、積層体110の積層方向Tにおいて最も第1主面111に近い最外導電体層348が、第2無効誘電体層135に隣接している。積層体110の積層方向Tにおいて最も第2主面112に近い最外導電体層349が、第1無効誘電体層134に隣接している。
2層の第2無効誘電体層135のうちの他の1層は、積層体110の積層方向Tにおいて両端に位置する2つの導電体層140の間を三等分したうちの中央部に位置し、内層部の中央に最も近く位置している。すなわち、積層体110の積層方向Tにおいて両端に位置する2つの導電体層140の間を三等分したうちの中央部に位置する導電体層140が、無効誘電体層に隣接している。
ただし、無効誘電体層の配置は上記に限られず、無効誘電体層が、積層体110の積層方向Tにおいて最も外側に位置する最外導電体層349および最外導電体層348のうちの少なくとも一方に隣接していればよい。
図17に示すように、積層体110の積層方向Tにおいて両端に位置する2つの導電体層140の各々の積層体110の長さ方向Lに直交する断面における湾曲量は、この導電体層140に隣接している無効誘電体層の厚さより大きい。具体的には、積層体110の積層方向Tにおいて最も第1主面111に近い最外導電体層348の湾曲量B1が、最外導電体層348に隣接している第2無効誘電体層135の厚さより大きい。積層体110の積層方向Tにおいて最も第2主面112に近い最外導電体層349の湾曲量B2が、最外導電体層349に隣接している第1無効誘電体層134の厚さより大きい。
本実施形態に係る積層コンデンサ300においては、最外導電体層348,349が、内側に位置する導電体層140を保護する機能を果たす。さらには、導電体層140の積層枚数が増えるので、プレス工程において、導電体層140となる導電パターンが存在する領域と導電体層140となる導電パターンが存在しない領域とにおける圧力差がより大きくなり、導電体層140となる導電パターンをより押し広げることができる。
本発明の実施形態3に係る積層コンデンサの製造方法において、マザーの積層体を圧着する際は下記のようになる。
図18は、本発明の実施形態3に係る積層コンデンサの加圧される前のマザーの積層体を示す、積層コンデンサの長さ方向Lに沿った断面図である。図19は、本発明の実施形態3に係る積層コンデンサの加圧された後のマザーの積層体を示す、積層コンデンサの長さ方向Lに沿った断面図である。なお、積層コンデンサの幅方向Wに沿った断面については、実施形態1に係るマザーの積層体と同様であるため説明を繰り返さない。
図18,19に示すように、マザーの積層体31には、長さ方向Lにおいて、導電パターン14が多数存在する領域Yと、導電パターン14が比較的少数のみ存在する領域Zとが交互に存在する。
ここで、マザーの積層体31aが分断された際に積層体の長さ方向にて互いに隣接する積層体同士のうちの一方において、第1導電体層141となる第1配置に位置する導電パターンが形成されたセラミックグリーンシートをAパターン、第2導電体層142となる第2配置に位置する導電パターンが形成されたセラミックグリーンシートをBパターンとしたときに、Aパターン同士を重ねることにより各導電パターンに挟まれるセラミックグリーンシートは第1無効誘電体層134となる。Bパターン同士を重ねることにより各導電パターンに挟まれるセラミックグリーンシートは第2無効誘電体層135となる。
すなわち、導電パターンが形成されたセラミックグリーンシートについてAパターンおよびBパターンのみを用意することで、有効誘電体層133、第1無効誘電体層134および第2無効誘電体層135を形成することが可能になり、マザーの積層体を容易かつ効率的に製造することができる。なお、AパターンおよびBパターンは、1種類の導電パターンが形成されたセラミックグリーンシートを積層時に位置をずらすことにより兼用して使用することができる。したがって、1種類の導電パターンが形成されたセラミックグリーンシートでマザーの積層体を製造することができる。
本実施形態においては、複数の誘電体層130のうちのいずれか1つを挟んで隣り合う少なくとも一対の導電体層を共に第1配置または共に第2配置に位置させている。また、上記少なくとも一対の導電体層が、積層体110の積層方向Tにおいて最も外側に位置する2つの導電体層のうちの少なくとも一方を含む。
すなわち、積層体110の積層方向Tにおいて両端に位置する2つの導電体層140のうちの少なくとも一方の導電体層140が、無効誘電体層に隣接するように、無効誘電体層を配置している。この場合、積層体110の積層方向Tの端に位置する無効誘電体層が、内層部の内側に位置する有効誘電体層を保護する機能を有するため、積層コンデンサ100の耐湿性の低下を抑制して信頼性を向上することができる。
本実施形態においては、積層体110の積層方向Tにおいて中央に位置する導電体層140が、無効誘電体層に隣接するように、無効誘電体層をさらに配置している。この場合、マザーシートの圧着時に最も薄くなりやすい積層体110の中央に位置する誘電体層を無効誘電体層にすることにより、無効誘電体層が薄くなって絶縁抵抗が低下したとしても短絡の可能性が無いため、積層コンデンサ300の信頼性を向上することができる。
本実施形態に係る積層コンデンサにおいても、耐湿性の低下および層間剥離の発生をともに抑制できる小型で大容量の積層コンデンサを製造することが可能である。
以下、本発明の実施形態4に係る積層コンデンサおよびその製造方法について説明する。なお、本実施形態に係る積層コンデンサおよびその製造方法は、積層体の積層パターンのみ実施形態3に係る積層コンデンサおよびその製造方法と異なるため、他の構成については説明を繰り返さない。
(実施形態4)
図20は、本発明の実施形態4に係る積層コンデンサの構成を示す断面図である。図20においては、図2と同一の断面視にて示している。図20の積層コンデンサのXVII−XVII線矢印方向から見た断面は、図17に示す通りである。
図20に示すように、本発明の実施形態4に係る積層コンデンサ400は、第1導電体層141の第2端面116側の端部に間隔を置いて、第2外部電極122に接続された第3導電体層240が設けられている。第2導電体層142の第1端面115側の端部に間隔を置いて、第1外部電極121に接続された第4導電体層241が設けられている。本実施形態に係る積層コンデンサ400は、実施形態2に係る積層コンデンサ200および実施形態3に係る積層コンデンサ300の各々の利点を併せ持っている。
本発明の実施形態4に係る積層コンデンサの製造方法において、マザーの積層体を圧着する際は下記のようになる。
図21は、本発明の実施形態4に係る積層コンデンサの加圧される前のマザーの積層体を示す、積層コンデンサの長さ方向Lに沿った断面図である。図22は、本発明の実施形態4に係る積層コンデンサの加圧された後のマザーの積層体を示す、積層コンデンサの長さ方向Lに沿った断面図である。なお、積層コンデンサの幅方向Wに沿った断面については、実施形態1に係るマザーの積層体と同様であるため説明を繰り返さない。
図21に示すように、マザーの積層体41には、長さ方向Lにおいて、導電パターン24が多数存在する領域Y1およびY2と、導電パターン24が比較的少数のみ存在する領域Z1およびZ2とが、Y1,Z1,Y2,Z2の順に繰り返し存在する。
図21に示すように、静水圧プレスなどの手段により、押圧面にラバー92が取り付けられた1対の平板金型91によって、マザーの積層体41が積層方向Tに加圧されて圧着される。マザーの積層体41においては、領域Y1,Y2における積層密度が、領域Z1,Z2における積層密度より密である。そのため、マザーの積層体に押し付けられたラバー92は、図22に示すように、領域Y1,Y2から領域Z1,Z2に向けて流動変形して下側に凸状に突出し、マザーの積層体の領域Z1,Z2に位置するマザーシート同士を絞るように圧着して密着させる。これにより、マザーの積層体41aが形成される。
次に、マザーの積層体が分断される(工程S6)。具体的には、押し切りまたはダイシングによってマザーの積層体が領域Y2においてカットラインC2に沿って分断されることにより、複数の直方体状の軟質積層体が作製される。
本実施形態に係る積層コンデンサの製造方法においても、耐湿性の低下および層間剥離の発生をともに抑制できる小型で大容量の積層コンデンサを製造することが可能である。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
11,11a,21,21a,31,31a,41,41a マザーの積層体、110 積層体、13,23 誘電体部、14,24 導電パターン、91 平板金型、92 ラバー、100,110,200,300,400 積層コンデンサ、111 第1主面、112 第2主面、113 第1側面、114 第2側面、115 第1端面、116 第2端面、120 外部電極、121 第1外部電極、122 第2外部電極、130 誘電体層、131 第1外層部、132 第2外層部、133 有効誘電体層、134 第1無効誘電体層、135 第2無効誘電体層、140 導電体層、141 第1導電体層、142 第2導電体層、148,149,348,349 最外導電体層、150 空隙、240 第3導電体層、241 第4導電体層、B1,B2 湾曲量、C1,C2 カットライン、G1,G2 隙間の最大値、L0 基準線、Lw 中心線、hA1,hA2,hA3,hB1,hC1,hD1,hD2,hD3 貫通部。

Claims (13)

  1. 交互に積層された複数の導電体層および複数の誘電体層を含み、積層方向から見て各辺の寸法が0.3mm以下である外形寸法を有する積層体と、
    前記積層体の表面に設けられた第1外部電極および第2外部電極を備える積層コンデンサの製造方法であって、
    前記積層方向から見て前記複数の導電体層が第1配置および該第1配置とは異なる第2配置に位置するように、前記複数の導電体層の各々を前記第1配置または前記第2配置に位置させつつ前記複数の誘電体層の各々と交互に積層することにより、積層体を形成する積層工程と、
    前記積層体を加圧して、前記複数の導電体層を前記積層方向と直交する方向に延伸させる延伸工程と、
    前記積層体を加圧して、前記複数の導電体層のうちの少なくとも1つを前記積層方向に湾曲させる湾曲工程と、
    前記第1外部電極が前記複数の導電体層のうちの前記第1配置に位置する導電体層と接続され、かつ、前記第2外部電極が前記複数の導電体層のうちの前記第2配置に位置する導電体層と接続されるように、前記第1外部電極および前記第2外部電極の各々を前記積層体の表面に形成する外部電極形成工程とを備える、積層コンデンサの製造方法。
  2. 前記複数の導電体層の各々の厚さが、中央部から縁部に行くに従って薄くなっている、請求項1に記載の積層コンデンサの製造方法。
  3. 前記複数の導電体層の各々が、チタン酸バリウムおよびケイ素の少なくとも一方を含む、請求項1または2に記載の積層コンデンサの製造方法。
  4. 前記積層工程において、前記複数の誘電体層のうちのいずれか1つを挟んで隣り合う少なくとも一対の導電体層を共に前記第1配置または共に前記第2配置に位置させる、請求項1から3のいずれか1項に記載の積層コンデンサの製造方法。
  5. 前記少なくとも一対の導電体層は、前記積層方向において最も外側に位置する2つの導電体層のうちの少なくとも一方を含む、請求項4に記載の積層コンデンサの製造方法。
  6. 交互に積層された複数の導電体層および複数の誘電体層を含み、積層方向から見て各辺の寸法が0.3mm以下である外形寸法を有する積層体と、
    前記積層体の長さ方向にて互いに離間して前記積層体の表面に設けられた第1外部電極および第2外部電極とを備え、
    前記積層体においては、前記積層方向から見て前記複数の導電体層が第1配置および該第1配置とは異なる第2配置に位置するように、前記複数の導電体層の各々が前記第1配置または前記第2配置に位置しつつ前記複数の誘電体層の各々と交互に積層されており、
    前記第1外部電極は、前記複数の導電体層のうちの前記第1配置に位置する導電体層と接続されており、
    前記第2外部電極は、前記複数の導電体層のうちの前記第2配置に位置する導電体層と接続されており、
    前記複数の導電体層のうちの少なくとも前記積層方向の最も外側に位置する1つの導電体層は、前記積層方向に湾曲し、かつ、前記積層方向に貫通した複数の貫通部を含み、
    前記積層体の長さ方向に直交する断面において、湾曲している導電体層を前記積層体の幅方向において等間隔に4等分して前記幅方向の一方側から順にA領域、B領域、C領域およびD領域とすると、
    前記湾曲している導電体層の傾斜角は、前記A領域において前記B領域より大きく、かつ、前記D領域において前記C領域より大きく、
    前記複数の貫通部の最小寸法の合計値は、前記A領域において前記B領域より大きく、かつ、前記D領域において前記C領域より大きい、積層コンデンサ。
  7. 前記複数の導電体層の各々の幅は、前記積層体の幅の80%以下であり、
    前記積層体の幅と前記複数の導電体層の各々の幅との差の最大値は0.07mm未満である、請求項6に記載の積層コンデンサ。
  8. 前記複数の誘電体層のうちの少なくとも1つは、前記第1配置および前記第2配置のいずれか一方に位置している導電体層同士に挟まれた無効誘電体層であり、
    前記複数の誘電体層のうちの少なくとも1つは、前記第1配置に位置する導電体層と前記第2配置に位置する導電体層とに挟まれた有効誘電体層である、請求項6または7に記載の積層コンデンサ。
  9. 前記無効誘電体層が、前記積層方向において最も外側に位置する2つの導電体層のうちの少なくとも一方に隣接している、請求項8に記載の積層コンデンサ。
  10. 前記湾曲している導電体層の前記積層体の長さ方向に直交する断面における湾曲量は、該導電体層に隣接している誘電体層の厚さより大きい、請求項6から9のいずれか1項に記載の積層コンデンサ。
  11. 前記A領域および前記D領域の各々に位置する前記複数の貫通部のうちの少なくとも一部は、充填部材を含む、請求項6から10のいずれか1項に記載の積層コンデンサ。
  12. 前記充填部材は、前記複数の誘電体層を構成する誘電体材料を含む、請求項11に記載の積層コンデンサ。
  13. 前記充填部材は、ケイ素を含む、請求項11または12に記載の積層コンデンサ。
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