JP2021061302A - 積層セラミックコンデンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】誘電体層の厚さが薄い場合においても、絶縁抵抗の低下を抑制することのできる積層セラミックコンデンサを提供する。【解決手段】交互に積層された複数の誘電体層20と内部電極層21を含む積層セラミックコンデンサ1であり、内部電極層は、有効領域となる内部電極本体部と、内部電極本体部を端面に引き出す内部電極引き出し部とを有する。積層体10の幅方向における、内部電極引き出し部の長さは、内部電極本体部の長さの1/2以下である。内部電極層は、内部電極層を構成する導電成分の連続性が相対的に高い第1領域と、導電成分の連続性が相対的に低い第2領域とを有しており、内部電極本体部の略中央部は第1領域で、内部電極引き出し部の少なくとも一部は第2領域で構成されている。【選択図】図3

Description

本発明は、積層セラミックコンデンサに関する。
積層セラミックコンデンサの一例として、特許文献1には、セラミック素子中に、複数の内部電極がセラミック層を介して対向するように配置され、かつ、互いに対向する内部電極が交互にセラミック素子の逆側の端面に引き出され、該端面に形成された外部電極に接続された構造を有する積層セラミック電子部品において、内部電極の引き出し部を、セラミック素子の端面に近づくにつれて幅が徐々に狭くなるテーパー形状部とすることで、セラミック素子の内部に水分が侵入することを防ぐことが開示されている。
特開2004−179531号公報
特許文献1に記載の積層セラミックコンデンサは、例えば、内部電極を印刷したセラミックグリーンシートを積層、圧着、焼成した後、外部電極を形成することで作製される。
積層セラミックコンデンサの静電容量の向上のためには、内部電極を絶縁する誘電体層の厚さを薄くして内部電極間の距離を短くすることが考えられるが、誘電体層の厚さを薄くすると内部電極間の絶縁性が低下し、積層セラミックコンデンサの絶縁抵抗が低下するという問題があった。
本発明は、誘電体層の厚さが薄い場合においても、絶縁抵抗の低下を抑制することのできる積層セラミックコンデンサを提供することを目的とする。
本発明の積層セラミックコンデンサは、交互に積層された複数の誘電体層及び複数の内部電極層を含み、積層方向に相対する第1の主面及び第2の主面と、上記積層方向に直交する長さ方向に相対する第1の端面及び第2の端面と、上記積層方向及び上記長さ方向に直交する幅方向に相対する第1の側面及び第2の側面とを有する積層体と、上記積層体の表面に設けられ、上記内部電極層と接続された外部電極と、を備える積層セラミックコンデンサであって、上記誘電体層の平均厚さは0.5μm以下であり、上記内部電極層を上記積層方向から平面視した際に、上記内部電極層は、有効領域となる内部電極本体部と、上記内部電極本体部を上記積層体の上記第1の端面又は上記第2の端面に引き出す内部電極引き出し部とを有し、上記積層体の幅方向における、上記内部電極引き出し部の長さは、上記内部電極本体部の長さの1/2以下であり、上記内部電極層は、内部電極層を構成する導電成分の連続性が相対的に高い第1領域と、上記導電成分の連続性が相対的に低い第2領域とを有しており、上記内部電極本体部の略中央部は、上記第1領域で構成されており、上記内部電極引き出し部の少なくとも一部は、上記第2領域で構成されていることを特徴とする。
また、本発明の積層セラミックコンデンサの別の形態は、交互に積層された複数の誘電体層及び複数の内部電極層を含み、積層方向に相対する第1の主面及び第2の主面と、上記積層方向に直交する長さ方向に相対する第1の端面及び第2の端面と、上記積層方向及び上記長さ方向に直交する幅方向に相対する第1の側面及び第2の側面とを有する積層体と、上記積層体の表面に設けられ、上記内部電極層と接続された外部電極と、を備える積層セラミックコンデンサであって、上記誘電体層の平均厚さが、上記誘電体層を構成する誘電体グレインの平均粒径の3.4倍以下であり、上記内部電極層を上記積層方向から平面視した際に、上記内部電極層は、有効領域となる内部電極本体部と、上記内部電極本体部を上記積層体の上記第1の端面又は上記第2の端面に引き出す内部電極引き出し部とを有し、上記積層体の幅方向における、上記内部電極引き出し部の長さは、上記内部電極本体部の長さの1/2以下であり、上記内部電極層は、内部電極層を構成する導電成分の連続性が所定のしきい値以上の第1領域と、上記導電成分の連続性が所定のしきい値未満の第2領域とを有しており、上記内部電極本体部の略中央部は、上記第1領域で構成されており、上記内部電極引き出し部の少なくとも一部は、上記第2領域で構成されており、上記内部電極本体部の上記第1の側面側の端部において、上記積層体を上記長さ方向及び上記高さに並行、かつ、上記幅方向に垂直な方向に切断した切断面において、上記内部電極本体部を上記長さ方向に5等分して、上記第1の端面から順に領域La、領域Lb、領域Lc、領域Ld及び領域Leと設定した場合の、上記領域Lbにおける上記内部電極層の導電成分の連続性が、上記領域La及び上記領域Lcにおける上記内部電極層の導電成分の連続性よりも高く、上記内部電極本体部の上記第1の側面側の端部から上記第2の側面側に20μm移動した位置、及び、上記内部電極本体部の幅方向の中央の位置において、上記積層体を上記長さ方向及び上記高さ方向に並行、かつ、上記幅方向に垂直な方向に切断した切断面において、上記内部電極本体部を上記長さ方向に5等分した際の、上記第1の端面側の領域における上記内部電極層の導電成分の連続性が、上記内部電極本体部の略中央の領域における上記内部電極層の導電成分の連続性よりも低いことを特徴とする。
本発明によれば、誘電体層の厚さが薄い場合においても、絶縁抵抗の低下を抑制することのできる積層セラミックコンデンサを提供することができる。
図1は、本発明の積層セラミックコンデンサの一例を模式的に示す斜視図である。 図2は、図1に示す積層セラミックコンデンサのI−I線断面図である。 図3は、LT断面において線カバレッジを測定する方法を模式的に示す図である。 図4は、図3において破線で示した領域を実際の積層セラミックコンデンサにおいて拡大したSEM画像である。 図5は、図1に示す積層セラミックコンデンサのII−II線断面図である。 図6は、図1に示す積層セラミックコンデンサのIII−III線断面図である。 図7は、図1に示す積層セラミックコンデンサのIV−IV線断面図である。 図8は、実施例1に係る積層セラミックコンデンサにおいてLT断面を露出させる位置を説明するWT断面のSEM画像である。 図9は、実施例1に係る積層セラミックコンデンサの領域Laを示すSEM画像である。 図10は、実施例1に係る積層セラミックコンデンサの領域Lbを示すSEM画像である。 図11は、実施例1に係る積層セラミックコンデンサの領域Lcを示すSEM画像である。 図12は、実施例1に係る積層セラミックコンデンサのWT断面のSEM画像である。 図13は、図12の上部を上下方向に引き伸ばした拡大図である。 図14は、比較例1に係る積層セラミックコンデンサの領域Waを示すSEM画像である。 図15は、比較例1に係る積層セラミックコンデンサの領域Wbを示すSEM画像である。 図16は、比較例1に係る積層セラミックコンデンサの領域Wcを示すSEM画像である。
以下、本発明の積層セラミックコンデンサについて説明する。
しかしながら、本発明は、以下の構成に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して適用することができる。なお、以下において記載する個々の望ましい構成を2つ以上組み合わせたものもまた本発明である。
[積層セラミックコンデンサ]
本発明の積層セラミックコンデンサは、交互に積層された複数の誘電体層及び複数の内部電極層を含み、積層方向に相対する第1の主面及び第2の主面と、上記積層方向に直交する長さ方向に相対する第1の端面及び第2の端面と、上記積層方向及び上記長さ方向に直交する幅方向に相対する第1の側面及び第2の側面とを有する積層体と、上記積層体の表面に設けられ、上記内部電極層と接続された外部電極と、を備える。
本明細書においては、積層セラミックコンデンサ及び積層体の積層方向、長さ方向、幅方向を、図1において、それぞれT、L、Wで定める方向とする。ここで、積層方向(T方向)と長さ方向(L方向)と幅方向(W方向)とは互いに直交する。積層方向(T方向)は、複数の誘電体層と複数の内部電極層とが積み上げられていく方向である。
図1は、本発明の積層セラミックコンデンサの一例を模式的に示す斜視図である。
図1に示すように、積層セラミックコンデンサ1は、積層体10と積層体10の表面に設けられる第1の外部電極51及び第2の外部電極52からなる。
積層体10は、積層方向(T方向)に相対する第1の主面11及び第2の主面12と、積層方向(T方向)に直交する幅方向(W方向)に相対する第1の側面13及び第2の側面14と、積層方向(T方向)及び幅方向(W方向)に直交する長さ方向(L方向)に相対する第1の端面15及び第2の端面16とを有する。
本明細書においては、第1の端面15及び第2の端面16に直交し、かつ、積層方向(T方向)と平行な積層セラミックコンデンサ1又は積層体10の断面をLT断面という。また、第1の側面13及び第2の側面14に直交し、かつ、積層方向(T方向)と平行な積層セラミックコンデンサ1又は積層体10の断面をWT断面という。また、第1の端面15、第2の端面16、第1の側面13及び第2の側面14に直交し、かつ、積層方向(T方向)に直交する積層セラミックコンデンサ1又は積層体10の断面をLW断面という。
積層体10は、角部及び稜線部に丸みが付けられていることが好ましい。角部は、積層体の3面が交わる部分であり、稜線部は、積層体の2面が交わる部分である。
図1に示す積層セラミックコンデンサ1では、積層体10の長さ方向(L方向)の寸法は、幅方向(W方向)の寸法より長い。しかし、積層体10の長さ方向の寸法は、幅方向の寸法より短くてもよいし、幅方向の寸法と同じであってもよい。
第1の外部電極51は、積層体10の第1の端面15に配置される。第1の外部電極51は、積層体10の第1の端面15から延伸して第1の主面11、第2の主面12、第1の側面13及び第2の側面14の一部を覆うように配置されることが好ましい。
第2の外部電極52は、積層体10の第2の端面16に配置される。第2の外部電極52は、積層体10の第2の端面16から延伸して第1の主面11、第2の主面12、第1の側面13及び第2の側面14の一部を覆うように配置されることが好ましい。
図2は、図1に示す積層セラミックコンデンサのI−I線断面図である。
積層体10は、交互に積層された複数の誘電体層20と複数の内部電極層21とを含む。
図2に示すように、積層体10の第1の端面15及び第2の端面16の近傍において、内部電極層21が積層方向の中央側に向かって変形している。
この変形は、表面に内部電極層となる電極パターンを付与したセラミックグリーンシートを用いて積層体を作製するという積層セラミックコンデンサの製造プロセスに由来するものである。
内部電極を引き出す部分において誘電体層に次の挙動が発生すると推測される。内部電極層となる電極パターンを印刷したセラミックグリーンシートを複数枚積層すると、電極パターンが形成されている部分が厚くなり、電極パターンが形成されていない部分が薄くなる。内部電極層を引き出す部分については、内部電極層が対向する端面に交互に引き出されるため、その厚さが有効部となる内部電極層が形成される領域よりも薄くなる。
このような積層体を加圧成形すると、セラミックグリーンシートの厚さの薄い領域である内部電極層を引き出す部分において積層方向以外の方向からの力が加わって、誘電体層が変位して内部電極間の絶縁抵抗の低下が発生すると推測される。特に、誘電体層の厚さが薄くなると、絶縁抵抗の低下の程度が、無視できなくなると考えられる。
内部電極層21に挟まれた誘電体層20の平均厚さは、0.5μm以下である。
内部電極層21に挟まれた誘電体層20の平均厚さは、好ましくは、0.1μm以上、0.5μm以下である。
誘電体層20は、誘電体材料により形成される。誘電体材料としては、例えば、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウムカルシウム又はジルコン酸カルシウムなどの主成分を含む誘電体セラミックを用いることができる。上記の誘電体材料を主成分として含む場合、所望する積層セラミックコンデンサ1の特性に応じて、例えば、Mg化合物、Mn化合物、Si化合物、Al化合物、V化合物、Ni化合物などの主成分よりも含有量の少ない副成分を添加したものを用いてもよい。
誘電体層20となるセラミックグリーンシートを構成する焼成前の誘電体材料の平均粒子径は、150nm以下であることが好ましい。セラミックグリーンシートの平均厚さは、焼成前の誘電体材料の平均粒子径の4.7倍以下であることが誘電体層の薄層化にとって好ましい。
また、焼成後の誘電体層20を構成する誘電体グレインの粒径は、粒成長によって概ね100nmから400nmの範囲内となる。誘電体グレインの平均粒径は、150nmから300nmの範囲内であることが好ましい。積層セラミックコンデンサの低背化にとって、焼成後の誘電体層20の平均厚さが0.5μm以下であることが好ましく、誘電体層20の平均厚さが、誘電体グレインの平均粒径の3.4倍以下であることが好ましい。誘電体層20による内部電極層21の電気的絶縁を充分に得るため、誘電体層20の平均厚さが、誘電体グレインの平均粒径の1.3倍以上であることが好ましい。
なお、複数の内部電極層および複数の誘電体層の各々の平均厚さは、研磨により露出させた積層体の長さ方向に直交する断面をSEMにて観察し、積層体の断面の中心を通る積層方向に沿った中心線、およびこの中心線から両側に等間隔に2本ずつ引いた線の合計5本の線上における厚さを測定し、この5つの測定値の平均値とする。
また、誘電体グレインの平均粒径は、SEMでスキャンされた断面画像を解析することで測定できる。例えば、JIS G 0511の規格に準拠する平均粒径を測定するソフトウェアを用いることで、誘電体グレインの平均粒径が測定される。
内部電極層21は、適宜の導電成分により構成することができる。内部電極層21は、例えば、Ni、Cu、Ag、Pd、Auなどの金属や、これらの金属の1種を含む例えばAg−Pd合金などの合金を含有している。内部電極層21は、さらに誘電体層20に含まれる誘電体材料と同一組成系の誘電体粒子を含んでいてもよい。
内部電極層21の合計の積層枚数は、5枚以上2000枚以下であることが好ましく、40枚以上400枚以下であることがより好ましい。
内部電極層21の平均厚さは、0.3μm以上30μm以下であることが好ましい。
第1の端面15に露出する内部電極層21の表面には、第1の外部電極51を構成する導電成分の比率が相対的に高く空隙率が相対的に低い部分である緻密部51aが連続的に形成されていることが好ましい。
また、第2の端面16に露出する内部電極層21の表面には、第2の外部電極52を構成する導電成分の比率が相対的に高く空隙率が相対的に低い部分である緻密部52aが連続的に形成されていることが好ましい。
第1の端面15に露出する内部電極層21の表面及び第2の端面16に露出する内部電極層21の表面にそれぞれ、緻密部51a及び緻密部52aが形成されていると、内部電極層21と第1の外部電極51又は第2の外部電極52との接触性を向上させることができる。
第1の外部電極51の緻密部51a及び第2の外部電極52の緻密部52aにおける導電成分の比率は、第1の外部電極51及び第2の外部電極52の緻密部以外の部分における導電成分の比率に比べて高いことが好ましい。また第1の外部電極51の緻密部51a及び第2の外部電極52の緻密部52aにおける空隙率は、第1の外部電極51及び第2の外部電極52の緻密部以外の部分における空隙率に比べて低いことが好ましい。
第1の外部電極51及び第2の外部電極52の導電成分の比率は、SEM−EDXによって測定することができる。
具体的には、積層セラミックコンデンサをLT方向に切断した際の第1の外部電極51及び第2の外部電極52の切断面をSEM−EDXにより測定して得られる元素マッピング画像から、100nm×100nmの面積に占める導電成分が占める面積の割合を導電成分の比率とし、外部電極を長さ方向に3分割した各領域から3箇所ずつ測定した導電成分の比率の平均値を外部電極の導電成分の比率とする。
一方、緻密部における導電成分の比率は、積層体10の第1の端面15又は第2の端面16に露出する内部電極層21の表面の100nm×100nmの領域を5箇所で測定して得られた導電成分の比率の平均値とする。
第1の外部電極51及び第2の外部電極52の空隙率は、SEMによって測定することができる。
具体的には、積層セラミックコンデンサをLT方向に切断した際の第1の外部電極51及び第2の外部電極52の切断面をSEMにより観測して得られる拡大画像において、100nm×100nmの面積に占める空隙の面積の割合を空隙率とする。
一方、緻密部における空隙率は、積層体10の第1の端面15又は第2の端面16に露出する内部電極層21の表面の100nm×100nmの領域を5箇所で測定して得られた空隙率の平均値とする。
本発明の積層セラミックコンデンサでは、内部電極層が、内部電極層を構成する導電成分の連続性が相対的に高い第1領域と、導電成分の連続性が相対的に低い第2領域とを有している。
内部電極層を構成する導電成分の連続性の高低は、以下の方法で測定される線カバレッジにより比較される。
まず、内部電極層が露出するように、積層体のLT断面を研磨して内部電極層を露出させる。このとき、研磨により内部電極ダレを除去する。続いて、積層体のうち、内部電極層の有効部となる領域を積層体の長さ方向に5等分し、積層体の一方の端面に最も近い領域(領域La)、中央の領域(領域Lc)及びこれに挟まれる領域(領域Lb)の3つの領域を区画する。その後、各領域の全ての内部電極層に対して、内部電極層を厚さの均一なシートと仮定した場合の内部電極層の面積と、実際の内部電極層を構成する導電成分が占める面積とを比較して、内部電極層を厚さの均一なシートと仮定した場合の内部電極層の面積に対する、実際の内部電極層を構成する導電成分が占める面積の割合を線カバレッジとする。求めた全ての内部電極層の線カバレッジの平均値を、各領域の線カバレッジの平均値とする。
SEMの拡大倍率は1000倍以上、5000倍以下であればよいが、2000倍であることが好ましい。なお、すべての領域において、加速電圧、倍率等の測定条件は固定するものとする。
なお、線カバレッジを測定する際に露出させる積層体の断面は、WT断面であってもよい。この場合、内部電極層の有効部となる領域を積層体の幅方向に5等分し、積層体の一方の側面に最も近い領域を領域Wa、中央の領域をWc、これらに挟まれる領域をWbとして、各領域における線カバレッジの平均値を求める。
線カバレッジの測定方法を、図3及び図4を参照しながら説明する。
図3は、LT断面において線カバレッジを測定する方法を模式的に示す図であり、図2に示す積層セラミックコンデンサの断面図に補助線を追加したものである。
図3に示す積層セラミックコンデンサ1において有効部となる領域は、第1の端部15に露出する内部電極層21と第2の端部16に露出する内部電極層21とが対向する領域(図3において、両矢印Lで示される領域)である。有効部となる領域Lを積層体10の長さ方向に5等分した各領域(La、Lb、Lc、Ld、Le)のうち、第2の端部15に最も近い領域La、中央の領域Lc、これらに挟まれる領域Lbを区画する。
図3に示す領域Laを実際の積層セラミックコンデンサにおいて観察したSEM画像を、図4に示す。図4は、図3において破線で示した領域を実際の積層セラミックコンデンサにおいて拡大したSEM画像である。
図4に示すように、領域Laでは、内部電極層21と誘電体層20とが交互に積層されている。
誘電体層20は、誘電体グレイン120で構成されている。
内部電極層21は、導電成分121が存在する領域と導電成分121が存在しない領域122とを有している。
図4に示すSEM画像において、領域Laと同じ長さの仮想線Lpの長さに対する、実際に内部電極層21を構成する導電成分121が占める領域の長さ(すなわち、導電成分121が存在しない領域を除いた長さ)の割合が線カバレッジとなる。
この線カバレッジの測定を各領域の全ての内部電極層で行い、平均値を求める。
上記方法による線カバレッジの測定を、積層体の幅方向における切断位置を変更した複数のLT断面において測定することによって、内部電極層を構成する内部電極本体部における線カバレッジの分布を求めることができる。
上記方法によって求めた線カバレッジの平均値が、所定のしきい値以上の領域が第1領域であり、所定のしきい値未満の領域が第2領域である。
線カバレッジの所定のしきい値は、積層体を幅方向の中央で切断したLT断面における領域Lcの線カバレッジの値の90%とする。
上述した線カバレッジの測定を、積層体の幅方向における切断位置を変更して複数回行うことで、内部電極層における第1領域及び第2領域のLW面における分布を確認することができる。
積層体を幅方向の中央で切断したLT断面における領域Lcは、内部電極本体部の略中央部に相当する。一方、内部電極層の側面側の端部に近い部分が露出するように積層体を切断したLT断面における領域La、領域Lb及び領域Lcはいずれも、内部電極本体部の周縁部(略中央部ではない部分)に相当する。
従って、例えば、積層体を幅方向の中央で切断したLT断面における領域Lcの線カバレッジの値が、積層体を内部電極層の側面側の端部に近い部分が露出するように積層体を切断したLT断面における領域La、領域Lb及び領域Lcにおける線カバレッジの値よりも高いことを確認することで、内部電極本体部の略中央部が第1領域で構成されていることを確認することができる。
図5は、図1に示す積層セラミックコンデンサのII−II線断面図である。
内部電極層21を積層体10の積層方向(T方向)からみた場合、内部電極層21は、有効領域となる略矩形形状の内部電極本体部23と、内部電極本体部23を第1の端面15又は第2の端面16に引き出す内部電極引き出し部22とを有する。
図5では、内部電極層21が積層体10の第1の端面15に引き出されている。
なお、内部電極本体部が第1領域に、内部電極引き出し部が第2領域に、それぞれ対応しているわけではない。従って、内部電極本体部が第1領域及び第2領域で構成されていてもよいし、内部電極引き出し部が第1領域及び第2領域で構成されていてもよい。
内部電極本体部23の略中央部は、第1領域で構成されている。
内部電極本体部23の略中央部が第1領域で構成されていると、誘電体層20を介して対向する内部電極本体部との間で充分な静電容量を発生させることができる。
内部電極本体部の中央とは、内部電極本体部を矩形形状とみなした場合の対角線の交点Pであり、内部電極本体部の略中央部は、内部電極本体部の中央を含む領域である。
内部電極引き出し部22の少なくとも一部は、第2領域で構成されている。
内部電極引き出し部22の少なくとも一部が第2領域で構成されていると、誘電体層の平均厚さが0.5μm以下の場合であっても、内部電極層21同士が接触することによる絶縁不良を抑制することができる。
一方、内部電極引き出し部22の少なくとも一部が第2領域で構成されていると、内部電極層21と第1の外部電極51又は第2の外部電極52との接触性が低下する。このとき、第1の外部電極51及び第2の外部電極52の内部電極層21と接触する部分に緻密部51a及び緻密部52aが連続的に形成されていると、内部電極層21と第1の外部電極51及び内部電極層21と第2の外部電極52との接触性を向上させることができる。
さらに、内部電極層は、第1の端面15と第2の端面16とに交互に引き出されるため、内部電極引き出し部22は積層時に段差が生じやすく、段差によって内部電極層21と誘電体層20との密着性が低下してしまう場合がある。これに対して、内部電極引き出し部22の少なくとも一部が第2領域で構成されていると、内部電極引き出し部22と誘電体層20との密着性を向上させることができる。
第1領域は内部電極層を構成する導電成分の連続性が相対的に高い、すなわち線カバレッジが高いため、相対的に導電性が高い。
第2領域は内部電極層を構成する導電成分の連続性が相対的に低い、すなわち線カバレッジが低いため、相対的に導電性が低い。
第1領域の線カバレッジの値Cは、80%以上、98%以下であることが好ましい。
第2領域の線カバレッジの値Cは、55%以上、80%未満であることが好ましい。
第1領域の線カバレッジの値Cに対する第2領域の線カバレッジの値Cの割合[C/C]は、0.89以下であることが好ましい。
積層方向から内部電極層21及び誘電体層20を平面視した際に、内部電極層21が誘電体層20を覆っている面積の割合は、55%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましい。
第2領域においては、積層方向から内部電極層21を上面視した際に、内部電極層21を構成する導電成分が存在しない箇所があってもよい。
この場合、対向する誘電体層20同士が直接接合することによって誘電体層20同士の接着力が向上し、層間剥離を抑制することができる。
積層セラミックコンデンサ1では、積層体10の幅方向(W方向)における内部電極引き出し部22の長さWが、内部電極本体部23の長さWの1/2以下となっている。
幅方向における内部電極引き出し部22の長さWが、内部電極本体部23の長さWの1/2以下であると、積層体10の端面に露出する内部電極層21の面積が小さくなり、積層体10への水分の侵入等に起因する積層セラミックコンデンサ1の劣化を抑制することができる。
積層体の幅方向における内部電極引き出し部の長さWは、内部電極本体部23の長さWの長さの1/3以上、1/2以下であることが好ましい。
図5に示すように、積層体10の第1の側面13又は第2の側面14から内部電極本体部23までに所定の距離W(以下、「Wギャップ」ともいう。)が設けられている。
また、積層体10の第1の端面15又は第2の端面16から内部電極本体部23までに所定の距離L(以下、「Lギャップ」ともいう。)が設けられている。
本発明の積層セラミックコンデンサにおいて、Wギャップは、15μm以下であることが好ましく、6μm以上、15μm以下であることがより好ましい。
本発明の積層セラミックコンデンサにおいて、Lギャップは、25μm以下であることが好ましく、12μm以上、25μm以下であることがより好ましい。
本発明の積層セラミックコンデンサにおいては、第2領域における内部電極層の厚さが、第1領域における内部電極層の厚さよりも小さいことが好ましい。
内部電極層を平面視した際の、内部電極本体部の外周は、加圧成形によって内部電極層同士が接触しやすい箇所である。従って、第2領域における内部電極層の厚さが、第1領域における内部電極層の厚さよりも小さいと、内部電極層の外周部において内部電極層同士の接触が起こりにくくなり、絶縁破壊を抑制することができる。
第2領域における内部電極層の厚さは、各内部電極層で同じであってもよく、異なっていてもよい。
内部電極層の厚さの最も厚い箇所、及び、厚さの最も薄い箇所については、第1の端面に内部電極引き出し部を有する内部電極層と、第2の端面に内部電極引き出し部を有する内部電極層とで、それぞれ異なっていることが好ましい。
第1の端面に内部電極引き出し部を有する内部電極層と、第2の端面に内部電極引き出し部を有する内部電極層とで、内部電極層の厚さの最も厚い箇所及び最も薄い箇所がそれぞれ異なっていると、積層体の厚さが極端に厚い箇所及び極端に薄い箇所が生じにくく好ましい。
内部電極層21を構成する内部電極本体部23と内部電極引き出し部22との接続部の隅部には、Rが設けられていることが好ましい。
内部電極本体部23と内部電極引き出し部22との接続部の隅部にRが設けられていると、応力集中を避けることができ、積層体の角部にクラックが発生することを抑制できる。
図5に示す内部電極層21では、内部電極本体部23と内部電極引き出し部22との接続部の隅部R及びRに、Rが設けられている。
本発明の積層セラミックコンデンサの外形寸法は、長さ寸法(L寸法):275μm以下、幅寸法(W寸法):143μm以下、高さ寸法(T寸法):143μm以下であることが好ましい。なお、積層セラミックコンデンサの外形寸法には、積層体だけでなく第1の外部電極及び第2の外部電極を含む。
後述する実施例では、積層セラミックコンデンサの外形寸法を、長さ寸法(L寸法):225μm以上、275μm以下、幅寸法(W寸法):117μm以上、143μm以下、高さ寸法(T寸法):117μm以上、143μm以下の範囲とした。
本発明の積層セラミックコンデンサにおいて、内部電極層を平面視した際に、有効領域となる内部電極本体部の平面視形状が、長さ方向の両端部の幅が広く、略中央部の幅が細い、糸巻形状であることが好ましい。
グリーンシート上に配置された電極ペーストを、積層体を作製する際の加圧によって変形させることによって、内部電極本体部の平面視形状を上記糸巻形状とすることができる。内部電極本体部の平面視形状が上記糸巻形状であると、内部電極本体部の面積が増加するため、積層セラミックコンデンサとしての静電容量を向上させることができる。
上記糸巻形状は、略矩形形状の4角が外側に向かって伸びた(滲んだ)形状であるともいえる。従って、内部電極本体部の平面視形状において、内部電極本体部内に収容可能な最大の矩形形状を仮定した場合に、内部電極本体部のうち該矩形形状の外側にはみ出す部分(以下、「にじみ部」ともいう)については、第2の領域で構成されていることが好ましい。さらに、にじみ部における内部電極本体部の厚さが、略矩形形状の内側における内部電極本体部の厚さよりも薄いことがより好ましい。
上記にじみ部は、セラミックグリーンシート上に配置される内部電極層の厚さが薄い箇所となる。従って、内部電極本体部の平面視形状が、上記糸巻形状であると、セラミックグリーンシートを積層する際に、上記にじみ部が内部電極本体部の位置を決めるアンカーの役割を果たし、積層時の位置ずれを抑制することができる。
本発明の積層セラミックコンデンサにおいては、長さ方向に垂直な方向における積層体の断面において、内部電極本体部の形状が屈曲部を有する形状であることが好ましい。屈曲部を有する形状としては、例えば、V字形状、M字形状等が挙げられ、M字形状がより好ましい。
内部電極本体部の上記形状が屈曲部を有する形状であると、アンカー効果により内部電極層と誘電体層との密着性が向上する。
図6は、図1に示す積層セラミックコンデンサのIII−III線断面図である。
図6に示すように、積層体10の長さ方向に垂直な方向における積層体10の断面において、第1の主面11及び第2の主面12に近い位置に配置された内部電極本体部23の形状が、略中央部に屈曲部(窪み)を有するM字形状であることが好ましい。
屈曲部は、積層体10の積層方向の中央に向かって凸となっている。
積層方向の中央に配置される内部電極本体部23は屈曲部を有していない。
また、内部電極本体部の断面形状が上記のような屈曲部を有する形状であると、屈曲部を有していない断面形状を有する積層セラミックコンデンサと比較して、積層セラミックコンデンサを実装する際の姿勢安定性がよい。
本発明の積層セラミックコンデンサにおいては、長さ方向に垂直な方向における積層体の断面において、内部電極引き出し部の形状が屈曲部を有する形状であることが好ましい。屈曲部を有する形状としては、例えば、V字形状が挙げられる。
内部電極本体部の上記形状が屈曲部を有する形状であると、アンカー効果により内部電極層と誘電体層との密着性が向上する。
図7は、図1に示す積層セラミックコンデンサのIV−IV線断面図である。
図7に示すように、積層体10のLW断面において、第1の主面11及び第の2主面12に近い位置に配置された内部電極層21を構成する内部電極引き出し部22の形状が、略中央部に屈曲部(窪み)を有するV字形状であることが好ましい。
屈曲部は、積層体10の積層方向の中央に向かって凸となっている。
積層方向の略中央に配置される内部電極引き出し部22は、屈曲部を有していない。
LW断面における内部電極引き出し部の断面形状が屈曲部を有する形状であると、アンカー効果により内部電極層と誘電体層との密着性が向上する。
第1の端面15に露出する内部電極引き出し部22の表面を、第1の外部電極51の緻密部51aが連続的に覆っている。図7には図示していないが、第2の外部電極52の緻密部52aについても、第2の端面16に露出する内部電極層21の表面に連続的に形成されている。
また、図7には図示していないが、第2の端面16に露出する内部電極層引き出し部22の表面の形状は、屈曲部を有するV字形状であることが好ましい。
[積層セラミックコンデンサの製造方法]
本発明の積層セラミックコンデンサは、例えば、以下の方法により製造することができる。
まず、誘電体層20を形成するためのセラミックグリーンシートを準備する。
別途、内部電極層21を形成するための内部電極用導電性ペースト、並びに、第1の外部電極51及び第2の外部電極52を形成するための外部電極用導電性ペーストを準備する。
なお、セラミックグリーンシート、内部電極用導電性ペースト及び外部電極用導電性ペーストには、有機バインダ及び溶剤が含まれ、公知の有機バインダや有機溶剤を用いることができる。
セラミックグリーンシート上に、例えば、所定のパターンで内部電極用導電性ペーストを付与して、内部電極パターンが形成される。このとき、内部電極パターンを、内部電極本体部となる略矩形形状の領域と、内部電極本体部と外部電極とを接続するための内部電極引き出し部となる略矩形形状の領域とを有する形状、とすることが好ましい。
さらに、内部電極引き出し部となる略矩形形状の領域の幅方向における長さを、内部電極本体部となる略矩形形状の領域の幅方向における長さの1/2以下とすることが好ましい。
内部電極パターンは、セラミックグリーンシート上に均一に付与するのではなく、内部電極本体部の略中央部となる領域には導電成分が相対的に濃く、内部電極本体部の外周部となる領域には導電成分が相対的に薄くなるように、内部電極用導電性ペーストを付与することが好ましい。
導電成分が相対的に濃い箇所は、焼結時に導電成分同士が連続的に焼結しやすいため、線カバレッジの高い第1領域となる。導電成分が相対的に薄い箇所は、焼結時に導電成分同士が連続的に焼結しにくいため、線カバレッジの低い第2領域となる。
例えば、セラミックグリーンシート上の内部電極本体部の略中央部となる領域に集中的に内部電極用導電性ペーストを付与し、内部電極用導電性ペーストの流動性及び積層後の加圧を利用して内部電極用導電性ペーストを外周部まで拡散させる方法が挙げられる。
このような方法を採用することで、内部電極層中において導電成分の連続性が高い領域と低い領域とが形成され、第1領域及び第2領域を有する内部電極層を得ることができる。
上記構成の内部電極層を得る方法としては、例えば、ペースト充填口の位置を、内部電極本体部に均一に内部電極用導電性ペーストを充填できるような位置から、略中央部に寄せる方法が考えられる。ペースト充填口を略中央部に寄せることで、略中央部から遠い外周部に均一に内部電極用導電性ペーストが供給されにくくなる。この状態で内部電極用導電性ペーストを焼成することで、充填口に近い内部電極本体部の略中央部に導電成分の連続性が高い内部電極層(第1領域)を形成し、内部電極本体部の外周部に導電成分の連続性が低い内部電極層(第2領域)を形成することが好ましい。
次に、内部電極パターンの周囲のセラミックグリーンシート上に、内部電極パターンの周縁部に重ならないようにセラミックペーストを付与して、内部電極パターンの厚さによる段差を低減するためのセラミックペースト層を形成する。
なお、内部電極パターンを形成する工程とセラミックペースト層を形成する工程の順序は特に限定されず、セラミックペースト層を形成した後に、内部電極パターンを形成してもよい。
続いて、内部電極パターン及びセラミックペースト層が形成されていない外層用セラミックグリーンシートを所定枚数積層し、その上に内部電極パターン及びセラミックペースト層が形成されたセラミックグリーンシートを順次積層し、その上に、外層用セラミックグリーンシートを所定枚数積層し、マザー積層体を作製する。必要に応じて、マザー積層体は、静水圧プレスなどの手段により積層方向に圧着させてもよい。
その後、マザー積層体が切断線に沿って切断され、未焼成の積層体が切り出される。このとき、バレル研磨などにより積層体の角部や稜線部に丸みをつけてもよい。
未焼成の積層体が焼成される。その結果、内部に内部電極層21が配設された積層体10が作製される。焼成温度は、用いた誘電体材料や導電成分に応じて適宜設定することができ、例えば、900℃以上1300℃以下程度である。セラミックグリーンシートと内部電極用導電性ペーストとセラミックペーストとは、同時に焼成される。
得られた積層体10の第1の端面15に外部電極用導電性ペーストが塗布・焼き付けられて、第1の外部電極51の下地電極層が形成され、第2の端面に外部電極用導電性ペーストが塗布・焼き付けられて、第2の外部電極52の下地電極層が形成される。焼き付け温度は、700℃以上900℃以下であることが好ましい。
第1の外部電極51及び第2の外部電極52の下地電極層を形成するための外部電極用導電性ペーストは、導電性材料を含む。
導電性材料を含む外部電極用導電性ペーストを積層体10の第1の端面15及び第2の端面16に塗布し焼き付けることで、第1の端面15及び第2の端面の全体に下地電極層が形成される。このとき、微小な導電性材料が内部電極層21の表面で優先的に焼結し、緻密部51a及び緻密部52aを形成することができる。
緻密部を形成するための外部電極用導電性ペーストとしては、平均粒子径0.7μm以下の銅粒子を含んだ外部電極用導電性ペーストが好ましい。
外部電極用導電性ペーストに含まれる導電性材料としては、内部電極用導電性ペーストに含まれる導電成分と同様のものを好適に用いることができる。
第1の外部電極51の下地電極層の表面にめっき層が形成され、第2の外部電極52の下地電極層の表面にめっき層が形成される。
上述のようにして、図1に示す積層セラミックコンデンサ1が製造される。
本発明の積層セラミックコンデンサの別の形態は、交互に積層された複数の誘電体層及び複数の内部電極層を含み、積層方向に相対する第1の主面及び第2の主面と、上記積層方向に直交する長さ方向に相対する第1の端面及び第2の端面と、上記積層方向及び上記長さ方向に直交する幅方向に相対する第1の側面及び第2の側面とを有する積層体と、上記積層体の表面に設けられ、上記内部電極層と接続された外部電極と、を備える積層セラミックコンデンサであって、上記誘電体層の平均厚さが、上記誘電体層を構成する誘電体グレインの平均粒径の3.4倍以下であり、上記内部電極層を上記積層方向から平面視した際に、上記内部電極層は、有効領域となる内部電極本体部と、上記内部電極本体部を上記積層体の上記第1の端面又は上記第2の端面に引き出す内部電極引き出し部とを有し、上記積層体の幅方向における、上記内部電極引き出し部の長さは、上記内部電極本体部の長さの1/2以下であり、上記内部電極層は、内部電極層を構成する導電成分の連続性が所定のしきい値以上の第1領域と、上記導電成分の連続性が所定のしきい値未満の第2領域とを有しており、上記内部電極本体部の略中央部は、上記第1領域で構成されており、上記内部電極引き出し部の少なくとも一部は、上記第2領域で構成されており、上記内部電極本体部の上記第1の側面側の端部において、上記積層体を上記長さ方向及び上記高さに並行、かつ、上記幅方向に垂直な方向に切断した切断面において、上記内部電極本体部を上記長さ方向に5等分して、上記第1の端面から順に領域La、領域Lb、領域Lc、領域Ld及び領域Leと設定した場合の、上記領域Lbにおける上記内部電極層の導電成分の連続性が、上記領域La及び上記領域Lcにおける上記内部電極層の導電成分の連続性よりも高く、上記内部電極本体部の上記第1の側面側の端部から上記第2の側面側に20μm移動した位置、及び、上記内部電極本体部の幅方向の中央の位置において、上記積層体を上記長さ方向及び上記高さ方向に並行、かつ、上記幅方向に垂直な方向に切断した切断面において、上記内部電極本体部を上記長さ方向に5等分した際の、上記第1の端面側の領域における上記内部電極層の導電成分の連続性が、上記内部電極本体部の略中央の領域における上記内部電極層の導電成分の連続性よりも低いことを特徴とする。
以下、本発明の積層セラミックコンデンサの実施例を示す。なお、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
[実施例1]
<積層セラミックコンデンサの製造方法>
まず、チタン酸バリウムを主成分とするセラミックグリーンシートと、内部電極用導電性ペーストと、チタン酸バリウムを主成分とするセラミックペーストとを準備した。
平均粒子径150nmのセラミック粒子を含む誘電体ペーストを用いて、ドクターブレード法等により厚み0.7μmのセラミックグリーンシートをシート成形する。このセラミックグリーンシート上に、図5に示す形状となるように、内部電極用導電ペーストであるNi導電性ペーストを塗布して内部電極パターンを形成し、内部電極パターンの周囲のセラミックグリーンシート上に、内部電極パターンの周縁部に重ならないようにセラミックペーストをさらに付与し、内部電極パターンが形成されたセラミックグリーンシートを得た。
内部電極用導電ペーストは、所定の位置に設けられたペースト供給口からセラミックグリーンシート上に供給されるようにした。ただし、所定領域に内部電極用導電ペーストが略均一に設けられるよう配置されたペースト供給口の位置を、内部電極本体部となる領域の外周部における内部電極用導電ペーストの供給量が少なくなるように変更したものを用いた。
内部電極パターンが形成されたセラミックグリーンシートを、引き出し位置が対向する端面に交互に配置されるように119枚積層し、さらに、上下に内部電極パターン及びセラミックペースト層が形成されていない外装用セラミックグリーンシートを所定枚数積層し、ラバーを用いて圧着することによりマザー積層体を作製した。
得られたマザー積層体を所定の位置で切断することにより、未焼成の積層体に分割した。
その後、未焼成の積層体を焼成し、得られた焼成体似外部電極を形成することにより、積層セラミックコンデンサを作製した。積層セラミックコンデンサを構成する誘電体層の平均厚みは0.5μmであり、内部電極層の層数は119層であった。また、誘電体層を構成する誘電体グレインの平均粒径は、150〜250nmであった。
外部電極の形成は、ガラス入りCuペーストを塗布・焼付け後、Niめっき及びSnめっきを施した。
外部電極を含めた積層セラミックコンデンサの外形寸法は、長さ:250μm、幅:130μm、高さ:130μmであった。
[比較例1]
セラミックグリーンシートの厚さを変更し、スクリーン印刷を用いて、セラミックグリーンシート上に内部電極用導電ペーストを均一に付与したほかは、実施例1と同様の手順で、積層セラミックコンデンサを作製した。
積層セラミックコンデンサを構成する誘電体層の平均厚みは0.7μmであり、内部電極層の層数は41層であった。
外形寸法は、実施例1に係る積層セラミックコンデンサと同じとした。
[LT断面における線カバレッジの測定]
実施例1及び比較例1に係る積層セラミックコンデンサを図5におけるA断面、A’断面、B断面で切断し、切断面をSEMにより観察して、線カバレッジを求めた。
図8は、実施例1に係る積層セラミックコンデンサにおいてLT断面を露出させる位置を説明するWT断面のSEM画像である。実施例1及び比較例1に係る積層セラミックコンデンサを図5及び図8に示す位置で切断してLT断面を露出させた。A断面は、内部電極層の幅方向の端部の位置であり、A’断面はA断面から20μmだけ内側に移動した位置であり、B断面は積層体の幅方向の中間の位置である。
続いて、得られたLT断面から、有効部となる内部電極層同士が対向している領域を求め、これを積層体の長さ方向に5等分し、領域La、領域Lb及び領域Lcにおける線カバレッジを測定した。
図9は、実施例1に係る積層セラミックコンデンサの領域Laを示すSEM画像であり、図10は、実施例1に係る積層セラミックコンデンサの領域Lbを示すSEM画像であり、図11は、実施例1に係る積層セラミックコンデンサの領域Lcを示すSEM画像である。ただし、図9、図10及び図11はいずれも、図5及び図8に示すB断面で切断した断面である。
領域La、領域Lb及び領域Lcにおいて、それぞれ内部電極層の線カバレッジを測定し、平均値を求めた。結果を表1に示す。
Figure 2021061302
表1の結果より、積層体を幅方向の中央で切断したB断面の領域Lcにおける線カバレッジの値が、実施例1で89.8%、比較例1で95.5%であるため、第1領域と第2領域とを区別するしきい値となる線カバレッジの値を、実施例1で80.8%、比較例1で86.0%と定めた。表1では、第1領域を「O」で示し、第2領域を「V」で示している。
B断面の領域Lcにおける線カバレッジの測定値が、全測定値の中で最大値となり、A断面の領域La、領域Lb及び領域Lcにおける線カバレッジの値よりも高くなっていることを確認した。このことから、実施例1に係る積層セラミックコンデンサでは、内部電極本体部の略中央部が第1領域で構成されているといえる。
また、実施例1に係る積層セラミックコンデンサのA断面、A’断面及びB断面における領域Laの線カバレッジが同断面の領域Lb及び領域Lcよりも低くなっている。このことから、内部電極本体部を積層体の第1の端面又は第2の端面に引き出す内部電極引き出し部の線カバレッジも領域Laと同様に低く、内部電極引き出し部の少なくとも一部が第2領域で構成されていると推測できる。
[絶縁信頼性の確認]
実施例1に係るセラミックコンデンサと比較例1に係るセラミックコンデンサは、ともに絶縁信頼性を示す値として、絶縁抵抗の測定値の平均値が1[GΩ]を満足していることを確認した。
このことから、実施例1に係るセラミックコンデンサでは、誘電体層の厚みが厚い従来の積層セラミックコンデンサと同程度の絶縁信頼性を確保しつつ、誘電体層の厚みを薄くすることができた。
従って、本発明の積層セラミックコンデンサは、誘電体層の厚さが薄い場合においても、従来と同程度の絶縁抵抗を確保できると考えられる。
[WT断面における内部電極本体部の断面形状の確認]
実施例1に係るセラミックコンデンサを、積層体の長さ方向の略中央部において長さ方向に垂直な方向に切断したWT断面をSEMにより観察し、内部電極層(内部電極本体部)の断面形状を確認した。結果を図12及び図13に示す。
図12は、実施例1に係る積層セラミックコンデンサのWT断面のSEM画像であり、図13は、図12の上部を上下方向に引き伸ばした拡大図である。
図12及び図13に示すように、実施例1に係る積層セラミックコンデンサでは、長さ方向に垂直な方向における積層体の断面において、内部電極本体部の形状が、屈曲部を有するM字形状であることが確認できる。
[WT断面における線カバレッジの測定]
実施例1及び比較例1に係る積層セラミックコンデンサを、積層体の長さ方向の中間地点で長さ方向に直交する方向に切断し、切断面をSEMにより観察して線カバレッジを求めた。結果を表2に示す。
図14は、比較例1に係る積層セラミックコンデンサの領域Waを示すSEM画像であり、図15は、比較例1に係る積層セラミックコンデンサの領域Wbを示すSEM画像であり、図16は、比較例1に係る積層セラミックコンデンサの領域Wcを示すSEM画像である。ただし、図14、図15及び図16はいずれも、積層体の長さ方向の中間地点で切断したWT断面である。
Figure 2021061302
表2の結果より、積層体を長さ方向の中央で切断した断面の領域Wcにおける線カバレッジの値が、実施例1で91.8%、比較例1で95.5%となった。第1領域と第2領域とを区別するしきい値となる線カバレッジの値は、表1の結果から実施例1で80.8%、比較例1で86.0%である。表2では、第1領域を「O」で示し、第2領域を「V」で示している。
また、表2の結果より、実施例1では領域Waから領域Wbを経て領域Wcへと徐々に線カバレッジの値が増加している。これに対して、比較例1でも、領域Waから領域Wbを経て領域Wcへと徐々に線カバレッジの値が増加しているものの、線カバレッジの値が実施例1よりも小さく、領域Waから領域Wcにおける線カバレッジの変化率が、比較例1では1.70倍となっているのに対して、実施例1では1.90倍となっている。内部電極層の端部に近い領域Waにおいて、線カバレッジの測定値が48.2%である実施例1は、56.1%である比較例1より小さい。また、内部電極層の端部に近い領域Waに対する内部電極層の中央に位置する領域Wcの変化率について、1.90である実施例1は、1.70である比較例1より大きい。すなわち、実施例1の方が比較例1よりも、中央部に比べて線カバレッジにおいて相対的により低い端部を有する。これにより、実施例1の方が比較例1よりも、積層セラミックコンデンサにおける内部電極層の端部近傍における、内部電極層の有無の影響を小さくできると推測される。
[参考例1]
従来技術として、実施例1に係る積層セラミックコンデンサと同様の寸法、同一の誘電体ペースト及び内部電極用導電ペーストを用いて、誘電体層の厚さが0.5μmとなるように製造条件を変更して、参考例1に係る積層セラミックコンデンサを作製した。なお、参考例1では、従来技術を用いて、内部電極用導電ペーストをセラミックグリーンシート上に均一に付与した。
参考例1に係る積層セラミックコンデンサの線カバレッジを測定したが、各領域に大きなばらつきは見られなかった。このため、参考例1に係る積層セラミックコンデンサを構成する内部電極層は、第1領域及び第2領域を有していないと考えられる。
[絶縁抵抗値の測定]
実施例1及び参考例1に係る積層セラミックコンデンサの絶縁抵抗値を100個ずつ測定し、絶縁抵抗の最大値、最小値、平均値及び標準偏差を求め、絶縁抵抗の値を常用対数log10で変換した値を表3に示す。
なお、絶縁抵抗[Ω]の測定値の平均値を常用対数log10で変換した値が9以上となる、すなわち、絶縁抵抗の値が1GΩ以上であれば、充分な絶縁抵抗が得られたと判断した。
Figure 2021061302
表3の結果から、実施例1に係る積層セラミックコンデンサは、誘電体層の厚さが0.5μm以下と薄い場合においても、絶縁抵抗値の平均が1[GΩ]以上であった。このことから、実施例1に係る積層セラミックコンデンサは、充分な絶縁抵抗を備えていることを確認した。また、実施例1では、サンプルごとの絶縁抵抗値のばらつきが少なく、絶縁抵抗値が最も低いものであっても、充分な絶縁抵抗を備えることを確認した。
一方、参考例1に係る積層セラミックコンデンサでは、誘電体層の厚さが0.5μm以下と薄い場合に、絶縁抵抗の測定値の平均値が1GΩ未満となり、絶縁抵抗が充分ではなかった。さらに、サンプルごとの絶縁抵抗値のばらつきが大きいことを確認した。
以上の結果より、高さ寸法(T寸法)が143μm以下、内部電極引き出し部の幅寸法が内部電極本体部の幅寸法の1/2以下、誘電体層の平均厚さが0.5μm以下の積層セラミックコンデンサであっても、本発明の構成を適用することにより、絶縁抵抗の低下を抑制できたと考えられる。
1 積層セラミックコンデンサ
10 積層体
11 第1の主面
12 第2の主面
13 第1の側面
14 第2の側面
15 第1の端面
16 第2の端面
20 誘電体層
21 内部電極層
22 内部電極引き出し部
23 内部電極本体部
51 第1の外部電極
51a 第1の外部電極の緻密部
52 第2の外部電極
52a 第2の外部電極の緻密部
120 誘電体グレイン
121 導電成分
122 導電成分が存在しない領域
有効部の長さ
La、Lb、Lc、Ld、Le 線カバレッジを測定するための各領域
Lp 仮想線
P 内部電極本体部を矩形形状とみなした場合の対角線の交点
、R 内部電極本体部と内部電極引き出し部との間の隅部
Wa、Wb、Wc 線カバレッジを測定するための各領域

Claims (8)

  1. 交互に積層された複数の誘電体層及び複数の内部電極層を含み、積層方向に相対する第1の主面及び第2の主面と、前記積層方向に直交する長さ方向に相対する第1の端面及び第2の端面と、前記積層方向及び前記長さ方向に直交する幅方向に相対する第1の側面及び第2の側面とを有する積層体と、
    前記積層体の表面に設けられ、前記内部電極層と接続された外部電極と、を備える積層セラミックコンデンサであって、
    前記誘電体層の平均厚さは0.5μm以下であり、
    前記内部電極層を前記積層方向から平面視した際に、前記内部電極層は、有効領域となる内部電極本体部と、前記内部電極本体部を前記積層体の前記第1の端面又は前記第2の端面に引き出す内部電極引き出し部とを有し、前記積層体の幅方向における、前記内部電極引き出し部の長さは、前記内部電極本体部の長さの1/2以下であり、
    前記内部電極層は、内部電極層を構成する導電成分の連続性が相対的に高い第1領域と、前記導電成分の連続性が相対的に低い第2領域とを有しており、
    前記内部電極本体部の略中央部は、前記第1領域で構成されており、
    前記内部電極引き出し部の少なくとも一部は、前記第2領域で構成されていることを特徴とする積層セラミックコンデンサ。
  2. 交互に積層された複数の誘電体層及び複数の内部電極層を含み、積層方向に相対する第1の主面及び第2の主面と、前記積層方向に直交する長さ方向に相対する第1の端面及び第2の端面と、前記積層方向及び前記長さ方向に直交する幅方向に相対する第1の側面及び第2の側面とを有する積層体と、
    前記積層体の表面に設けられ、前記内部電極層と接続された外部電極と、を備える積層セラミックコンデンサであって、
    前記誘電体層の平均厚さが、前記誘電体層を構成する誘電体グレインの平均粒径の3.4倍以下であり、
    前記内部電極層を前記積層方向から平面視した際に、前記内部電極層は、有効領域となる内部電極本体部と、前記内部電極本体部を前記積層体の前記第1の端面又は前記第2の端面に引き出す内部電極引き出し部とを有し、前記積層体の幅方向における、前記内部電極引き出し部の長さは、前記内部電極本体部の長さの1/2以下であり、
    前記内部電極層は、内部電極層を構成する導電成分の連続性が所定のしきい値以上の第1領域と、前記導電成分の連続性が所定のしきい値未満の第2領域とを有しており、
    前記内部電極本体部の略中央部は、前記第1領域で構成されており、
    前記内部電極引き出し部の少なくとも一部は、前記第2領域で構成されており、
    前記内部電極本体部の前記第1の側面側の端部において、前記積層体を前記長さ方向及び前記高さに並行、かつ、前記幅方向に垂直な方向に切断した切断面において、前記内部電極本体部を前記長さ方向に5等分して、前記第1の端面から順に領域La、領域Lb、領域Lc、領域Ld及び領域Leと設定した場合の、前記領域Lbにおける前記内部電極層の導電成分の連続性が、前記領域La及び前記領域Lcにおける前記内部電極層の導電成分の連続性よりも高く、
    前記内部電極本体部の前記第1の側面側の端部から前記第2の側面側に20μm移動した位置、及び、前記内部電極本体部の幅方向の中央の位置において、前記積層体を前記長さ方向及び前記高さ方向に並行、かつ、前記幅方向に垂直な方向に切断した切断面において、前記内部電極本体部を前記長さ方向に5等分した際の、前記第1の端面側の領域における前記内部電極層の導電成分の連続性が、前記内部電極本体部の略中央の領域における前記内部電極層の導電成分の連続性よりも低いことを特徴とする積層セラミックコンデンサ。
  3. 前記第1の端面又は前記第2の端面から前記内部電極本体部までの距離が15μm以下である、請求項1又は2に記載の積層セラミックコンデンサ。
  4. 前記第1の側面又は前記第2の側面から前記内部電極本体部までの距離が25μm以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層セラミックコンデンサ。
  5. 前記第2領域における前記内部電極層の厚さが、前記第1領域における前記内部電極層の厚さよりも小さい請求項1〜4のいずれか1項に記載の積層セラミックコンデンサ。
  6. 前記長さ方向に垂直な方向における前記積層体の断面において、前記内部電極本体部の形状が、M字形状である請求項1〜5のいずれか1項に記載の積層セラミックコンデンサ。
  7. 前記外部電極は、外部電極を構成する導電成分の比率が相対的に高く空隙率が相対的に低い緻密部を有しており、
    前記外部電極のうち前記内部電極層と接触する部分には、前記緻密部が連続的に形成されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の積層セラミックコンデンサ。
  8. 前記導電成分の連続性は、線カバレッジである請求項1〜7のいずれか1項に記載の積層セラミックコンデンサ。
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