JP2016142329A - 摩擦ダンパー - Google Patents

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Abstract

【課題】摩擦材の局所的な摩耗を防止し減衰力を維持できる摩擦ダンパーを提供する
【解決手段】相対移動したときの摩擦力により制振作用を得る第1及び第2の板体6、7と、これら第1及び第2の板体6、7を、互いに接近させる方向に締結する締結部材8と、該締結部材8と前記第1又は第2の板体6、7の間に介装され、該締結部材の押圧力を前記第1又は第2の板体6、7に伝達する、第1及び第2の支圧板5、4とを備え、前記第1又は第2の支圧板5、4の対向する面の一方に、前記相対移動する方向に延びる凸条4aを備える、摩擦ダンパー1を提供する。
【選択図】図2

Description

本発明は、摩擦ダンパーに関するものである。
建築構造物においては、地震や強風により発生する建物の揺れを抑制するために、制振ダンパーが広く用いられている。
制振ダンパーとしては、各種のものが提案されているが、このうち特に摩擦ダンパーは、構造が簡単で安価に提供でき、しかも安定して制振作用が得られる利点がある。
従来、ボルトにより接合された二部材間の摩擦力を利用した摩擦ダンパーとして、図10に示すものが知られている(例えば以下に示す特許文献1、特許文献2)。図10における摩擦ダンパー90は、中板91の両側に摩擦材92、添板93、皿ばね94などが、中板91を挟んで対称的に設けられ、これらを貫通するボルト95で締めつけられる構造となっている。中板91あるいは添板93のいずれかに長穴が設けられており、これによって、中板91と添板93の相対移動が可能となっている。
建築構造物に地震力が作用して、中板91と添板93の間に相対移動が生じたときに、添板93は摩擦材92の間で移動して摩擦力が発生し、これにより相対移動が抑制される。摩擦力は、ボルト95の締結による押圧力で調整される。皿ばね94は、相対移動に伴う摩擦材92の摩耗によりボルト95の押圧力が減少するのを低減する。
特許第3714077号公報 特開2009−68668号公報
上述したような従来の摩擦ダンパーにおいては、摩擦材92に生じる面圧力はボルト95に近くなるほど大きくなるため、ボルト95近傍における摩擦材92の摩耗は、他の部位に比べると激しくなる。特に地震などの振動により、中板91と添板93との相対的な滑動が激しく発生した場合、摩擦材92が一様に摩耗せず、ボルト95近傍の摩擦材92が局所的に摩耗する。これにより、相対移動が繰り返されると、摩擦材92が局所的に損傷し、ダンパー性能が低下する。
また、従来の摩擦ダンパーにおいては、摩擦材が摩耗して厚みが減るので、摩擦材の厚みが減ってもボルトによる押圧力の変動を小さくするために、皿ばねを使用している例もある。しかし、特に建物用の摩擦ダンパーに使用される皿ばねとしては、一般的に販売されているものでは耐荷重が不足するため、特注品を使用する必要があり、製造コストが高くなる。
本発明の課題は、摩擦材の局所的な摩耗を防止し減衰力を維持できる摩擦ダンパーを提供することである。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。すなわち、本発明は、相対移動したときの摩擦力により制振作用を得る第1及び第2の板体と、これら第1及び第2の板体を、互いに接近させる方向に締結する締結部材と、該締結部材と前記第1又は第2の板体の間に介装され、該締結部材の押圧力を前記第1又は第2の板体に伝達する、第1及び第2の支圧板とを備え、前記第1又は第2の支圧板の対向する面の一方に、前記相対移動する方向に延びる凸条を備える、摩擦ダンパーを提供する。
このような構成によれば、摩擦材に一様な面圧力を与えることができるため、摩擦材の局所的な摩耗を抑制し、製造当初の減衰力を維持することができる。
前記凸条は、前記第1又は第2の支圧板の、前記相対移動する前記方向に直交する幅方向の中央部に設けられてもよい。
このような構成によれば、摩擦材に与える面圧力の一様性を更に高めることが可能となる。
前記第1の支圧板には穴が形成され、前記第2の支圧板は、前記第1の支圧板の、前記穴を挟んで両側にそれぞれ配置され、前記穴内に、前記締結部材を構成するボルトが挿通されてもよい。
このような構成によれば、第1の支圧板からの圧力を均等に分散させて第2の支圧板の各々に伝えることができるため、摩擦材に与える面圧力を低減し、摩擦材の摩耗を抑制することが可能となる。
前記第1の板体は金属製の摩擦板であり、前記第2の板体は金属製の滑り板であり、前記凸条は前記摩擦板側に設けられた前記第2の支圧板に有り、前記摩擦板の、前記相対移動する前記方向に直交する方向の幅が、前記第2の支圧板の幅に略合致させた構成とされてもよい。
このような構成によれば、摩擦板や滑り板は金属製であり、摩耗がほとんどなく、厚さの変化が生じにくいため、皿ばねを使用する必要がなくなり、摩擦ダンパーを低コストで製造することが可能となる。
また、摩擦板の幅と第2の支圧板の幅が略合致させた構成となっている。これにより、摩擦板は第2の支圧板から受ける面圧力をそのまま滑り板にかけることが可能となり、効果的な面圧力の伝達が可能である。
摩擦ダンパーは、中板を備えてなり、該中板を中央に位置させて、前記中板の一方の面側に一組の前記第1及び第2の支圧板、及び、前記第1及び第2の板体が積層されるとともに、他の面側にも、他の第1及び第2の支圧板、及び、他の第1及び第2の板体が積層され、前記第1及び第2の支圧板、前記第1及び第2の板体、前記中板、前記他の第1及び第2の支圧板、前記他の第1及び第2の板体が、前記締結部材により締結されてもよい。
このような構成によれば、中板の両面において同様な構造を有しているため、中板の一方の面に位置する摩擦材が他方の面に位置する摩擦材より局所的な摩耗が進行してダンパー性能が低下することがなくなり、製造当初のダンパー性能をより長く維持することができる。
摩擦ダンパーは、中板を備えてなり、該中板を中央に位置させて、前記中板の一方の面側に一組の前記第1及び第2の支圧板、及び、前記第1及び第2の板体が積層されるとともに、他の面側には、皿ばねと、他の第1及び第2の板体が積層され、前記第1及び第2の支圧板、前記第1及び第2の板体、前記中板、前記皿ばね、前記他の第1及び第2の板体が、前記締結部材により締結されてもよい。
このような構成によれば、摩擦材の摩耗により摩擦材の厚みが減っても、ボルトによる押圧力の変動を小さくすることができる。
本発明によれば、摩擦材の局所的な摩耗を防止し、安定した減衰力を維持できる摩擦ダンパーを提供することが可能となる。
好ましい様態では、摩擦ダンパーを、安価に製造することが可能となる。
本発明の実施形態として示した摩擦ダンパーの斜視図である。 前記実施形態として示した摩擦ダンパーの正面図である。 前記実施形態として示した摩擦ダンパーの分解斜視図である。 前記実施形態として示した摩擦ダンパーにおける、第2の支圧板の斜視図である。 前記実施形態として示した摩擦ダンパーの実験における比較例の正面図である。 前記実施形態として示した摩擦ダンパーの実験に用いた試験装置の正面図である。 前記実施形態として示した摩擦ダンパーの実験結果を示す写真である。 前記実施形態として示した摩擦ダンパーの各部材の寸法を説明する正面図である。 本発明の別の実施形態として示した摩擦ダンパーの正面図である。 従来の摩擦ダンパーの断面図である。
以下、本発明について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態として示した摩擦ダンパー1を示す。図2は、摩擦ダンパー1の正面図である。
摩擦ダンパー1は、相対移動したときの摩擦力により制振作用を得る滑り板6及び摩擦板7と、これら滑り板6及び摩擦板7を互いに接近させる方向に締結するボルト8及びナット9と、ボルト8又はナット9と摩擦板7の間に介装され、ボルト8及びナット9の押圧力を摩擦板7に伝達する、第1の支圧板5及び第2の支圧板4とを備えている。第2の支圧板4は、第1の支圧板5に対向する面に、相対移動する方向に延びる凸条4aを備えている。
摩擦ダンパー1は、更に、添板3及び中板2を備えている。
この摩擦ダンパー1は、中板2を中心として、中板2の、図2における紙面上方向に、添板3、第2の支圧板4、及び第1の支圧板5が、この順に積層されている。また、中板2の紙面下方向にも、添板3、第2の支圧板4、及び第1の支圧板5が、この順に積層されている。
中板2と添板3との間の各々には、中板2側に滑り板6が介装され、添板3側に摩擦板7が介装されている。
中板2、添板3、及び第1の支圧板5にはそれぞれ長穴2a、穴3a、5aが形成されている。長穴2aの開設される方向は、中板2と添板3が相対移動を行う方向である。第2の支圧板4は、添板3と第1の支圧板5の、それぞれの穴3a、5aを挟んで両側に配置されている。この状態で、図2において紙面上方向に位置する第1の支圧板5の上方から、紙面下方向に位置する第1の支圧板5までの、各部材の長穴2a、穴3a、5a内に、ボルト8の雄ネジ部8aが挿通されている。その後、雄ネジ部8aの先端にナット9を螺着し、ボルト8を締めることで、中板2、滑り板6、摩擦板7、添板3、第2の支圧板4、及び、第1の支圧板5が、互いに接近する方向に押圧状態で固定、圧着された構造となっている。
次に、図3を用いて、各部材の詳細を説明する。
中板2は矩形の板状の部材である。中板2は、SS400などの一般構造用圧延鋼材や、SM490などの溶接構造用圧延鋼材などで形成されるが、これに限られない。上記のように、中板2には長穴2aが形成され、この長穴2aをボルト8の雄ネジ部8aが挿通する。
以下、図3の、中板2に対し紙面上方向の部材に関して説明するが、紙面方向下部の部材に関しても、上部と同様の構成であってよい。
滑り板6は矩形の板状の部材である。滑り板6は金属、特にステンレスなどで形成されるが、これに限られない。2枚の矩形の滑り板6が、滑り板6の長さ方向が中板2の長穴2aと平行になるように、長穴2aの両側にそれぞれ配置され、中板2に接合されている。
摩擦板7は矩形の板状の部材である。摩擦板7は金属、特に焼結金属系摩擦材や金属系摩擦材などで形成されるが、これに限られず、例えば各種材料からなるブレーキ材を用いてもよい。摩擦板7は、各滑り板6に対応して用意され、各々の一方の面が、ボルト8及びナット9により各部材が締結された後は滑り板6の各々と圧着し、かつ摩擦板7の長さ方向が中板2の長穴2aと平行になるように、後述の添板3の穴3aの両側にそれぞれ配置されている。摩擦板7の他方の面は、添板3に接合されている。
添板3は矩形の板状の部材である。添板3は、SS400などの一般構造用圧延鋼材や、SM490などの溶接構造用圧延鋼材などで形成されるが、これに限られない。上記のように、添板3には穴3aが形成され、この穴3aをボルト8の雄ネジ部8aが挿通する。上記のように、添板3の一方の面には2枚の摩擦板7が接合されている。
添板3の他方の面には、第2の支圧板4が配置されている。第2の支圧板4は矩形の板状の部材である。第2の支圧板4は、SS400などの一般構造用圧延鋼材や、SM490などの溶接構造用圧延鋼材などで形成されるが、これに限られない。
第2の支圧板4は、各摩擦板7に対応して用意され、第2の支圧板4の長さ方向が中板2の長穴2aと平行になるように、添板3の穴3aを挟んで、それぞれ配置されている。第2の支圧板4の、中板2と添板3が相対移動する方向に直交する方向の幅は、摩擦板7の同方向の幅とほぼ同じであり、第2の支圧板4と摩擦板7は、添板3の幅方向における位置が同じになるように配置されている。第2の支圧板4の平面形状が、摩擦板7の平面形状とほぼ同じであってもよい。
第2の支圧板4の一方の面には、図4に示すように、中板2と添板3が相対移動する方向に直交する幅方向の中央部に、第2の支圧板4の長さ方向と平行な凸条4aが設けられている。
第1の支圧板5は矩形の板状の部材である。第1の支圧板5は、SS400などの一般構造用圧延鋼材や、SM490などの溶接構造用圧延鋼材などで形成されるが、これに限られない。第1の支圧板5の一方の面には、穴5aを挟んで、各第2の支圧板4の凸条4aが当接するように、第2の支圧板4が配置されている。
第1の支圧板5の他方の面から、穴5aにボルト8の雄ネジ部8aが挿入される。雄ネジ部8aは順に、添板3の穴3a、中板2の長穴2a、及び、図3の紙面下方向に位置する添板3の穴3a、第1の支圧板5の穴5aを挿通し、ナット9で螺着されている。ボルト8は摩擦接合用高力六角ボルト、構造用トルシア形高力ボルト、溶融亜鉛めっき高力ボルトを使用してもよいが、これに限られない。
上記のように構成された摩擦ダンパー1において、中板2に図1にAで示される方向に、また、添板3に、Aとは反対の、Bで示される方向に、それぞれ力が作用した場合の作用を説明する。
中板2と添板3のそれぞれに逆方向に作用した力により、中板2は、添板3に対して相対的に移動する。ボルト8の雄ネジ部8aは、中板2の移動方向に開設された長穴2aを挿通しているため、中板2はボルト8の雄ネジ部8aに阻害されずに移動可能である。ボルト8及びナット9の締結による押圧力、及び該押圧力により発生する部材間の摩擦力が、この相対移動を制限する。この摩擦力は、滑り板6は中板2に接合されており、また、摩擦板7は添板3に接合され、添板3は、ボルト8及びナット9によって、第1の支圧板5と結合されているため、滑り板6と摩擦板7との界面で生じる。
ボルト8及びナット9の締結力による押圧力は、ボルト8の頭部8bから第1の支圧板5を経て、2つの第2の支圧板4のそれぞれに分散して伝達される。各第2の支圧板4はその凸条4aで第1の支圧板5と接しているため、各第2の支圧板4は第1の支圧板5から伝達された圧力を、凸条4aで集約して受ける。第2の支圧板4の凸条4aは、上記のように、第2の支圧板4の幅方向の中央部に設けられているため、凸条4aに集約された圧力は、凸条4aから添板3に向かって広がりながら伝達される。第2の支圧板4の幅は、摩擦板7の幅とほぼ同じであり、結果として、ほぼ一様な面圧力が、摩擦板7に伝達される。
摩擦板7に作用する面圧力は上記のようにほぼ一様であるため、中板2と添板3の相対移動により滑り板6と摩擦板7との界面で生じる摩擦は、摩擦板7の局所的な部位に偏らず、摩擦板7の全域において一様に発生する。本作用が、中板2の両方の面側において同様に発生する。これにより、摩擦板7の局所的な摩耗が抑制され、製造当初の減衰性能を維持することができる。
また、摩擦材の局所的な摩耗が抑制される結果、摩耗が少なく、厚さの変化が生じにくいため、皿ばねを使用する必要がなくなり、摩擦ダンパーを低コストで製造することが可能となる。
上記のように構成された摩擦ダンパー1は、建築構造物のブレースと柱との間などに介装されて、地震力が与えられたときに制震ダンパーとして作用する。
次に、上記のように構成された摩擦ダンパー1を用いて、第2の支圧板4の有無による摩擦板7の摩耗の様子の相違を、実験により観察した結果について説明する。
図5は、本実験における摩擦ダンパー1との比較例である、摩擦ダンパー10である。摩擦ダンパー10は、図2に示す第2の支圧板4を有さない。すなわち、摩擦ダンパー10においては、第1の支圧板5は第2の支圧板4を介さず、添板3に直接、圧接する。第2の支圧板4の有無以外については、摩擦ダンパー10は摩擦ダンパー1と同じ構成を有する。
この摩擦ダンパー10と、上記の実施形態で説明した摩擦ダンパー1とを、それぞれ試験装置20に設置して、結果を比較した。図6は、上記の摩擦ダンパー10を試験装置20に設置した図である。試験装置20は、板体21と2つの支持部材22を備え、これらに摩擦ダンパー10が設置される。摩擦ダンパー10の中板2の、摩擦ダンパー10とは反対側の端部は、支持部材22に接続される。また、摩擦ダンパー10の添板3は同様に、板体21を介して、他の支持部材22に接続される。二つの支持部材22に対して、図6に矢印で示す方向で、圧縮と引張を繰り返すことにより、摩擦ダンパー10の滑り板6と摩擦板7との界面に摩擦を生じさせる。
上記の実施形態で説明した摩擦ダンパー1に関しても、同様に試験装置20に設置して実験を行った。
図7に実験結果を示す。図7(a)は、試験装置20に摩擦ダンパー10を設置した場合の、滑り板(写真上部)と摩擦板(写真下部)の表面の様子を示す。図7(b)は、試験装置20に、上記の実施形態で説明した摩擦ダンパー1を設置した場合の、滑り板(写真上部)と摩擦板(写真下部)の表面の様子を示す。
図7(a)の摩擦板は、その紙面方向上部が局所的に擦れて摩耗しているが、図7(b)の摩擦板は、その全域が均等に擦れている。すなわち、上記の実施形態で説明した摩擦ダンパー1においては、摩擦材の局所的な摩耗が抑制され、製造当初の減衰力を維持することができる。
上記の実施形態で説明した摩擦ダンパー1について、寸法関係の一例を図8に示す。図8において、各寸法の単位はmmである。各部の寸法は図8に示すとおりであるが、これに限られない。主な寸法関係について記すると、凸条4aの高さ、凸条4aの幅、第2の支圧板4の凸条4aの基部までの高さ、第2の支圧板4の幅の比率が、2:6:14:60となっている。このような比率を有することにより、凸条4aから添板3を介して摩擦板7へ十分に応力が広がるため、摩擦板7の局所的な摩耗を効果的に抑制することが可能となる。
次に、図9に、別の実施形態を示す。
別の実施形態における摩擦ダンパー30においては、図2において中板2の紙面下方向に積層されていた第2の支圧板4、及び第1の支圧板5の代わりに、皿ばね31を備えている。その他の構成は、図2などに示される上記の実施形態の摩擦ダンパー1の構成と同じである。
摩擦ダンパー30においては、上記の実施形態で説明した摩擦ダンパー1と同様に、摩擦板7の局所的な摩耗が抑制され、製造当初の減衰性能を維持することができる。更に、摩擦ダンパー30は、皿ばね31を備えているため、相対移動に伴う摩擦材の摩耗により摩擦材の厚みが減っても、ボルト8及びナット9の締結力による押圧力の変動を小さくすることができる。
なお、上記の実施形態で説明した摩擦ダンパー1、30においては、図2、9に示される、第2の支圧板4の凸条4aの形成は、第2の支圧板4の材料となる矩形プレートの表面を切削するなどして形成してもよいが、矩形プレートに凸条の部分を溶接接合するなどして制作してもよい。
凸条4aの高さや幅は、作用する応力で過剰に変形しない範囲でできるだけ低く、狭いほうが望ましいが、これに限られない。また、凸条4aの断面形状は、各図に示すように矩形でよいが、台形形状、円弧形状、または楕円形状であってもよい。
中板2、滑り板6、摩擦板7、添板3、第1の支圧板5、及び第2の支圧板4の重ねる順序は、図2、9に示すとおりであってよいが、摩擦板7に一様に面圧力が作用する構成になっていれば、これに限られない。
図2の摩擦ダンパー1においては、中板2の双方の面側に、滑り板6、摩擦板7、添板3、第1の支圧板5、及び第2の支圧板4の組が積層されているが、中板2の片方の面のみが当該構造を有するものであってもよい。
図2の摩擦ダンパー1においては、第1の支圧板5の代わりに、第2の支圧板の各々の凸条に接触できる程度の大きさの、皿ばねを使用してもよい。また、第1の支圧板5と皿ばねを併用してもよい。
上記の摩擦ダンパー1、30においては、凸条4aは第2の支圧板4に設けられているが、第1の支圧板5の、第2の支圧板4に対向する面に、凸条が設けられ、該凸条によって第2の支圧板4を押圧してもよい。
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明したが、当該技術分野における通常の知識を有する者であればこれから様々な変形及び均等な実施の形態が可能であることが理解できるであろう。
よって、本発明の権利範囲はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲で定義される本発明の基本概念を用いた当業者の様々な変形や改良形態も本発明に含まれる。
1、30 摩擦ダンパー
2 中板
3 添板
4 第2の支圧板
5 第1の支圧板
6 滑り板
7 摩擦板
8 ボルト
9 ナット
31 皿ばね

Claims (6)

  1. 相対移動したときの摩擦力により制振作用を得る第1及び第2の板体と、
    これら第1及び第2の板体を、互いに接近させる方向に締結する締結部材と、
    該締結部材と前記第1又は第2の板体の間に介装され、該締結部材の押圧力を前記第1又は第2の板体に伝達する、第1及び第2の支圧板とを備え、
    前記第1又は第2の支圧板の対向する面の一方に、前記相対移動する方向に延びる凸条を備える、摩擦ダンパー。
  2. 前記凸条は、前記第1又は第2の支圧板の、前記相対移動する前記方向に直交する幅方向の中央部に設けられる、請求項1に記載の摩擦ダンパー。
  3. 前記第1の支圧板には穴が形成され、前記第2の支圧板は、前記第1の支圧板の、前記穴を挟んで両側にそれぞれ配置され、前記穴内に、前記締結部材を構成するボルトが挿通される、請求項1または2に記載の摩擦ダンパー。
  4. 前記第1の板体は金属製の摩擦板であり、前記第2の板体は金属製の滑り板であり、前記凸条は前記摩擦板側に設けられた前記第2の支圧板に有り、前記摩擦板の、前記相対移動する前記方向に直交する方向の幅が、前記第2の支圧板の幅に略合致させた構成とされている、請求項1から3のいずれか一項に記載の摩擦ダンパー。
  5. 中板を備えてなり、
    該中板を中央に位置させて、前記中板の一方の面側に一組の前記第1及び第2の支圧板、及び、前記第1及び第2の板体が積層されるとともに、他の面側にも、他の第1及び第2の支圧板、及び、他の第1及び第2の板体が積層され、
    前記第1及び第2の支圧板、前記第1及び第2の板体、前記中板、前記他の第1及び第2の支圧板、前記他の第1及び第2の板体が、前記締結部材により締結される、請求項1から4のいずれか一項に記載の摩擦ダンパー。
  6. 中板を備えてなり、
    該中板を中央に位置させて、前記中板の一方の面側に一組の前記第1及び第2の支圧板、及び、前記第1及び第2の板体が積層されるとともに、他の面側には、皿ばねと、他の第1及び第2の板体が積層され、
    前記第1及び第2の支圧板、前記第1及び第2の板体、前記中板、前記皿ばね、前記他の第1及び第2の板体が、前記締結部材により締結される、請求項1から4のいずれか一項に記載の摩擦ダンパー。
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