JP4360272B2 - 摩擦ダンパ - Google Patents

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Description

本発明は、互いに相対的に変位する一対の部材間に取付けられて部材間の変位エネルギを摩擦により吸収して当該変位を可及的速やかに減衰させる摩擦ダンパ、特に、事務所ビル、集合住宅、戸建住宅、橋梁等の構造物に地震等で生じる振動エネルギを吸収して当該振動を可及的速やかに減衰させる摩擦ダンパに関する。
構造物に地震等で生じる横揺れ等の振動を早く減衰させるダンパとしては、粘性体の粘性変形を用いたもの、鉛、鋼棒等の塑性変形を用いたもの、滑り部材の摩擦を用いたもの等が知られている。
特開2003−278828号公報
粘性体を用いるダンパでは、粘性体の充填作業に多くの時間を要する上に漏出を防止するためにしっかりとしたシールを施す必要があり、鉛、鋼棒等を用いるダンパでは、鉛による環境汚染の虞がある上に、鉛、鋼棒等の両端を互いに相対的に変位する一対の部材の夫々にしっかりと保持することが要求される。
一方、滑り部材を用いるダンパでは、滑り部材の摩耗による特性劣化の虞がある上に、滑り部材の滑り層が剥離されてこれによっても特性劣化が生じる虞がある。
そこで本出願人は、上記のような問題点を好ましく解決できて簡単な構成であってしかも摩耗及び滑り層の剥離を極力低減できて、而して長期に亘って安定な減衰特性を得ることができる特許文献1に記載されているような摩擦ダンパを提案したが、提案に係る摩擦ダンパでは、大きな振動エネルギを吸収するために多数本のロッドを用いると装置が大型化し、しかも、摩擦面圧を調節する場合には各ロッドに対して調節手段を設けることになり、これによっても装置が大型化すると共に構造が複雑となり、必ずしも満足し得るものではない。
本発明は、前記諸点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、大型化を招来することなしに大きな振動エネルギを吸収できるように容易に構成でき、しかも、簡単な構成でもって摩擦面圧の調節を行うことができる摩擦ダンパを提供することにある。
本発明の摩擦ダンパは、少なくとも一枚の一方の摩擦板と、一方の摩擦板に摩擦接触する少なくとも一枚の他方の摩擦板と、両摩擦板の摩擦接触部位を囲繞している角型筒体と、一方の摩擦板への他方の摩擦板の摩擦面圧を調節する調節手段とを具備しており、ここで、角型筒体の一つの矩形内面からこの矩形内面に対面する一方又は他方の摩擦板の板面を離反させるようになっている調節手段は、一方又は他方の摩擦板の板面に摺動自在に摩擦接触する押圧板と、この押圧板と角型筒体の矩形内面との間に配されているナット部材と、矩形内面側で角型筒体を貫通していると共にナット部材に共に螺合された複数の押圧ボルトとを具備しており、複数の押圧ボルトの夫々の先端部は押圧板に当接するようになっており、複数の押圧ボルトの夫々は、矩形内面からこの矩形内面に対面する一方又は他方の摩擦板の板面を離反させるように一方又は他方の摩擦板を押圧板を介して当該押圧板に当接した先端部で押圧するようになっている。
斯かる摩擦ダンパによれば、互いに摩擦接触する摩擦板を用いるために大きな振動エネルギを吸収する場合には摩擦板の枚数を増やしてしかもこれらの摩擦板を相互に重ね合わせればよい結果、大きな振動エネルギを大型化を招来することなしに吸収できるように容易に構成できる上に、調節手段が角型筒体の一つの矩形内面からこの矩形内面に対面する一方又は他方の摩擦板の板面を離反させるようになっているために、相互に重ね合わされて互いに摩擦接触する摩擦板の各摩擦面圧を調節手段によりまとめて調整できる結果、摩擦接触する二枚の摩擦板毎に調節手段を設けなくてもよく、而して、簡単な構成をもって摩擦面圧の調節を行うことができる。
本発明の摩擦ダンパにおいて、各摩擦板としては、エキスパンドメタル若しくは金網からなる基材の網目に樹脂を充填被覆した板、金属板単体、樹脂板単体又はそれらの少なくとも二つの複合板体でもよく、角型筒体としては、両摩擦板の摩擦接触部位を完全に囲繞できるような、例えばJIS G 3466で規定される一般構造用角型鋼管を好ましい例として挙げることができるが、これに代えて、両摩擦板の摩擦接触部位を完全ではないが大略囲繞できるような、例えばJIS G 3350の一般構造用軽量形鋼で規定されるリップ溝形鋼でもよい。このように本発明においては、両摩擦板の摩擦接触部位は、角型筒体に必ずしも完全に囲繞されている必要はなく大略囲繞されていればよいのである。
本発明の好ましい態様の摩擦ダンパでは、上述の通り、調節手段は、矩形内面からこの矩形内面に対面する一方又は他方の摩擦板の板面を離反させるように一方又は他方の摩擦板を押圧する複数の押圧ボルトを有している。本発明に対する参考例としての好ましい態様の摩擦ダンパでは、調節手段は、平坦面及び傾斜面を有していると共にその平坦面で角型筒体の一つの矩形内面に接触している一方の楔部材と、平坦面及び傾斜面を有していると共にその平坦面で一方又は他方の摩擦板の板面に接触している他方の楔部材と、この両楔部材を介して矩形内面からこの矩形内面に対面する一方又は他方の摩擦板の板面を離反させるように一方の楔部材の傾斜面を他方の楔部材の傾斜面に押圧させる押圧ボルトとを有している。
本発明の摩擦ダンパによれば、押圧ボルトの操作でもって簡単に両摩擦板の摩擦面圧を調節でき、しかも、参考例の摩擦ダンパによれば、楔部材の平坦面を介して摩擦板の摩擦面圧を調整するために、押圧ボルトによる集中荷重を避けることができ、而して、両摩擦板に均等な摩擦面圧を与えることができる。
参考例の摩擦ダンパにおいて、一方の楔部材は、その平坦面で角型筒体の一つの矩形内面に直接的に接触していてもよいが、これに代えて、スペーサ等を介してその平坦面で角型筒体の一つの矩形内面に間接的に接触していてもよく、同様に、他方の楔部材も、その平坦面で一方又は他方の摩擦板の板面に直接的に、場合により摺動自在に接触していてもよく、これに代えて、スペーサ等を介してその平坦面で一方又は他方の摩擦板の板面に間接的に接触していてもよい。
参考例の摩擦ダンパでは、調節手段は、一方の楔部材の傾斜面を他方の楔部材の傾斜面に弾性的に押圧させるべく弾性手段を更に具備しており、斯かる弾性手段を有していると摩擦板の摩擦面の過度の接触を避けることができる。
本発明によれば、大型化を招来することなしに大きな振動エネルギを吸収できるように容易に構成でき、しかも、簡単な構成でもって摩擦面圧の調節を行うことができる摩擦ダンパを提供することができる。
次に本発明の実施の形態を、図に示す好ましい例に基づいて更に詳細に説明する。なお、本発明はこれら例に何等限定されないのである。
図1から図3において、本例の摩擦ダンパ1は、少なくとも一枚、本例では四枚の長尺の摩擦板2〜5と、摩擦板2〜5の摩擦面としての短冊状の板面8及び9に同じく摩擦面としての短冊状の板面10及び11で長手方向Xに関して摺動自在に摩擦接触する少なくとも一枚、本例では三枚の長尺の摩擦板12〜14と、両摩擦板2〜5及び12〜14の摩擦接触部位を囲繞している角型筒体20と、摩擦板2〜5への摩擦板12〜14の摩擦面圧を調節する調節手段21と、摩擦板2〜5の一端部を互いに相対的に変位する一対の部材の一方の部材、例えば建物の対向する一対の縦柱のうちの一方の縦柱の上部に取付けるための取付け手段22と、摩擦板12〜14の一端部を互いに相対的に変位する一対の部材の他方の部材、例えば建物の対向する一対の縦柱のうちの他方の縦柱の下部に取付けるための取付け手段23と、摩擦板12〜14の一端部を角型筒体20に固定するための固定手段24とを具備している。
摩擦板2〜5において、摩擦板2は、その板面8で角型筒体20の一つの矩形内面31に長手方向Xに関して摺動自在に摩擦接触しており、摩擦板5は、その板面9で長尺の押圧板32の摩擦面でもある押圧面33に長手方向Xに関して摺動自在に摩擦接触しており、摩擦板2〜5の夫々は、その長手方向Xの一端部が角型筒体20の外側に配されていると共に角型筒体20の内側において角型筒体20の一端部まで長手方向Xに関して伸びている。
摩擦板12〜14の夫々は摩擦板2〜5の夫々の間に配されており、摩擦板12〜14において中央の摩擦板13は、他の摩擦板12及び14並びに摩擦板2〜5の夫々の厚みt1よりも若干大きな厚みt2を有しており、摩擦板12〜14の夫々は、その長手方向Xの一端部が角型筒体20の外側に配されていると共に角型筒体20の他端部まで長手方向Xに関して伸びている。
長手方向Xの両端が開放された角型筒体20は、摩擦面としての矩形内面31に加えて、矩形内面31に対面する矩形内面35と、互いに対面する一対の矩形内面36とを有している。摩擦板2〜5及び摩擦板12〜14の夫々は、矩形内面36の夫々に対して隙間をもって配されているが、これに代えて、一対の矩形内面36のうちの少なくとも一方に長手方向Xに関して摺動自在に摩擦接触して配されていてもよく、この場合には、矩形内面36及び各矩形内面36に対面する摩擦板12〜14及び摩擦板2〜5の夫々の側面も摩擦面となる。
調節手段21は、押圧板32に加えて、押圧板32と角型筒体20の矩形内面35との間に配されている長尺のナット部材37と、矩形内面35側の角型筒体20を貫通していると共にナット部材37に螺合された複数の押圧ボルト38と、各押圧ボルト38に螺合されている固定用のナット39とを具備しており、ナット部材37の先端部は押圧板32に当接するようになっている。
調節手段21は、長手方向Xに関して二列に並んだ各押圧ボルト38を回転させてナット部材37からの各押圧ボルト38の突出量を変化させ、各押圧ボルト38の先端部の押圧板32への押付け力を変化させて、摩擦板2〜5への摩擦板12〜14の板面8及び9並びに板面10及び11での摩擦面圧を増大する場合には、押圧板32を角型筒体20の矩形内面31に向かって押圧し、角型筒体20の矩形内面35から当該矩形内面35に対面する摩擦板5の板面9を離反させるようになっている。このように複数の押圧ボルト38は、矩形内面35から当該矩形内面35に対面する摩擦板5の板面9を離反させるように押圧板32を介して摩擦板5を押圧するようになっている。摩擦面圧の調節後は、ナット39を回転させて各押圧ボルト38がそれ以上回転しないようにする。
取付け手段22は、角型筒体20の外側で摩擦板2の一端部と摩擦板3の一端部との間及び角型筒体20の外側で摩擦板4の一端部と摩擦板5の一端部との間に夫々配されていると共に厚みt1を有したスペーサ板45及び46と、角型筒体20の外側で摩擦板3の一端部と摩擦板4の一端部との間に配されていると共に厚みt2を有したスペーサ兼取付け板47と、摩擦板2〜5及びスペーサ兼取付け板47の夫々の一端部及びスペーサ板45、46を貫通する複数のボルト48と、各ボルト48に螺合すると共に各ボルト48と協働して摩擦板2〜5及びスペーサ兼取付け板47の一端部及びスペーサ板45、46を締め付ける複数のナット49と、摩擦板3及び4の夫々の一端部及びスペーサ兼取付け板47を貫通する複数のボルト50と、各ボルト50に螺合すると共に各ボルト50と協働して摩擦板3及び4の夫々の一端部並びにスペーサ兼取付け板47を締め付ける複数のナット51とを具備しており、スペーサ兼取付け板47は、建物の対向する一対の縦柱のうちの一方の縦柱の上部に取付けるためのボルトが挿通される複数の挿入孔52を有している。
取付け手段23は、角型筒体20の外側で摩擦板12の一端部と摩擦板13の一端部との間及び角型筒体20の外側で摩擦板13の一端部と摩擦板14の一端部との間に夫々配されていると共に厚みt1を有したスペーサ板55及び56と、摩擦板13の一端部57と、摩擦板12〜14及びスペーサ板55、56の夫々の一端部を貫通する複数のボルト58と、各ボルト58に螺合すると共に各ボルト58と協働して摩擦板12〜14及びスペーサ板55、56の一端部を締め付ける複数のナット59とを具備しており、摩擦板13の一端部57は、建物の対向する一対の縦柱のうちの他方の縦柱の上部に取付けるためのボルトが挿通される複数の挿入孔60を有している。
固定手段24は、角型筒体20の矩形内面31と摩擦板12の一端部との間に配されていると共に厚みt1を有したスペーサ板65と、摩擦板14の一端部と押圧板32の一端部との間に配されていると共に厚みt1を有したスペーサ板66と、矩形内面31側の角型筒体20、スペーサ板55、56、65、66、摩擦板12、13の一端部及び押圧板32の一端部の夫々を貫通する複数のボルト67と、各ボルト67に螺合すると共に各ボルト67と協働して矩形内面31側の角型筒体20、スペーサ板55、56、65、66、摩擦板12、13の一端部及び押圧板32の一端部を締め付ける複数のナット68とを具備しており、各ボルト67を回転させることができるように矩形内面35側の角型筒体20は切欠き69を有している。
以上の摩擦ダンパ1は、取付け手段22を介して建物の一方の縦柱の上部に、取付け手段23を介して建物の他方の縦柱の下部に夫々取付けられて例えばブレースダンパとして用いられる。地震等で建物の両方の縦柱が例えば傾き振動して摩擦ダンパ1において摩擦板2〜5と角型筒体20及び摩擦板12〜14との間にその長手方向Xの相対的な位置変位が生じると、摩擦板2〜5と摩擦板12〜14とのその板面8及び9と板面10及び11とでの摩擦、摩擦板2と角型筒体20とのその板面8と矩形内面31とでの摩擦並びに摩擦板5と押圧板32とのその板面9と押圧面33とでの摩擦による発熱で縦柱の傾き振動エネルギが吸収され、而して、摩擦ダンパ1により縦柱の傾き振動が可及的に速やかに減衰される結果、地震等による建物の振動もまた速やかに減衰される。
上記の例の摩擦ダンパ1では、互いに摩擦接触する摩擦板2〜5及び12〜14を用いるために大きな振動エネルギを吸収する場合には摩擦板の枚数を増やしてしかもこれらの摩擦板を相互に重ね合わせればよい結果、大型化を招来することなしに大きな振動エネルギを吸収できるように容易に構成できる上に、調節手段21が角型筒体20の一つの矩形内面35から当該矩形内面35に対面する摩擦板14の板面10を離反させるようになっているために、相互に重ね合わされて互いに摩擦接触する摩擦板2〜5及び12〜14の各摩擦面圧を調節手段21によりまとめて調整できる結果、摩擦接触する二枚の摩擦板毎に調節手段を設けなくてもよく、而して、簡単な構成でもって摩擦面圧の調節を行うことができる上に、押圧ボルト38の操作でもって簡単に摩擦板2〜5と摩擦板12〜14との摩擦面圧を調節できる。
ところで上記の例の摩擦ダンパ1では、四枚の摩擦板2〜5と三枚の摩擦板12〜14とを用いると共に調節手段21を押圧板32及び押圧ボルト38等から構成したが、これに代えて、図4から図8に示すように、五枚の摩擦板2〜6と四枚の摩擦板12、13、15及び16とを用いてもよく、参考例として調節手段21を複数の楔部材71及び72並びに押圧ボルト73等から構成してもよい。
即ち、図4から図8に示す摩擦ダンパ1は、五枚の長尺の摩擦板2〜6と、摩擦板2〜6の摩擦面としての短冊状の板面8及び9に同じく摩擦面としての短冊状の板面10及び11で長手方向Xに関して摺動自在に摩擦接触する四枚の長尺の摩擦板12、13、15及び16と、両摩擦板2〜6並びに12、13、15及び16の摩擦接触部位を囲繞している角型筒体74と、摩擦板2〜6への摩擦板12、13、15及び16の摩擦面圧を調節する調節手段21と、摩擦板2〜6の一端部を建物の一方の縦柱の上部に取付けるための取付け手段22と、摩擦板12、13、15及び16の一端部を建物の他方の縦柱の下部に取付けるための取付け手段23と、摩擦板12、13、15及び16の一端部を角型筒体74に固定するための固定手段24とを具備している
摩擦板2〜6において、摩擦板2は、その板面8で角型筒体74の一つの矩形内面31に長手方向Xに関して摺動自在に摩擦接触しており、摩擦板5は、その板面9で長手方向Xに並んだ一つおきの楔部材71の夫々の摩擦面であって押圧面でもある平坦面75に長手方向Xに関して摺動自在に摩擦接触しており、摩擦板3と摩擦板4との間に配された中央の摩擦板6は、摩擦板2〜5の夫々の厚みt1よりも若干大きな厚みt2を有しており、摩擦板2〜6の夫々は、その長手方向Xの一端部が角型筒体74の外側に配されていると共に角型筒体74の内側において角型筒体74の一端部まで長手方向Xに関して伸びている。
摩擦板12、13、15及び16の夫々は摩擦板2〜5の厚みt1と実質的に同一の厚みt1を有して摩擦板2〜6の夫々の間に配されていると共にその長手方向Xの一端部が角型筒体74の外側に配されていると共に角型筒体74の他端部まで長手方向Xに関して伸びている。
長手方向Xの両端が開放された角型筒体74は、角型筒体20と同様に、摩擦面としての矩形内面31に加えて、矩形内面31に対面する矩形内面35と、互いに対面する複数の矩形内面36とを有している。本例でも、摩擦板2〜6並びに摩擦板12、13、15及び16の夫々は、矩形内面36の夫々に対して隙間をもって配されているが、これに代えて、上記と同様に一対の矩形内面36のうちの少なくとも一方に長手方向Xに関して摺動自在に摩擦接触して配されていてもよく、この場合には、矩形内面36及び各矩形内面36に対面する摩擦板2〜6並びに摩擦板12、13、15及び16の夫々の側面も摩擦面となる。
図4から図8に示す調節手段21は、長手方向Xに関して直列に配された複数の楔部材71と、直列に配された複数の楔部材71の長手方向Xの両端に配された楔部材72と、楔部材71及び72を貫通した複数の押圧ボルト73と、複数の押圧ボルト73の夫々の先端部に螺合したナット76と、押圧ボルト73の先端部側の楔部材72の一方の垂直壁面77と各ナット76との間に配された弾性手段としてのコイルばね78とを具備しており、各楔部材71は、平坦面75と、一対の傾斜面81と、一対の傾斜面81で開口すると共に押圧ボルト73が余裕をもって、即ち隙間をもって貫通する複数の貫通孔82とを具備して二等辺三角柱体の形状を有しており、楔部材72は、一対の垂直壁面77と、傾斜面83と、一方の垂直壁面77と傾斜面83とで開口すると共に押圧ボルト73が貫通する複数の貫通孔84とを具備して直角三角柱体の形状を有しており、直列に配された複数の楔部材71において、一つおきの一方の楔部材71は、その平坦面75で角型筒体74の矩形内面35に長手方向Xに関して摺動自在に接触しており、一つおきの他方の楔部材71は、その平坦面75で摩擦板5の板面9に長手方向Xに関して摺動自在に摩擦接触しており、これら一方及び他方の楔部材71において相互に隣接する楔部材71は、互いにその傾斜面81で長手方向Xに関して摺動自在に接触しており、押圧ボルト73の膨大部側の楔部材72は、その傾斜面83で、直列に配された複数の楔部材71のうちの長手方向Xの一方の端部に配された楔部材71の一方の傾斜面81に長手方向Xに関して摺動自在に接触しており、押圧ボルト73の先端部側の楔部材72は、その傾斜面83で、直列に配された複数の楔部材71のうちの長手方向Xの他方の端部に配された楔部材71の他方の傾斜面81に長手方向Xに関して摺動自在に接触しており、摩擦板2〜6への摩擦板12、13、15及び16の板面8及び9並びに板面10及び11での摩擦面圧を増大する場合には、押圧ボルト73は、その締付回転で、一方及び他方の楔部材71を介して矩形内面35から当該矩形内面35に対面する摩擦板5の板面9を離反させるように、コイルばね78及び長手方向Xの両端の楔部材72を介して一方の楔部材71の傾斜面81を他方の楔部材71の傾斜面81に弾性的に押圧させるようになっている。摩擦面圧の調節後は、楔部材72の夫々をボルト85により角型筒体20に固定して各楔部材71が長手方向Xに移動しないようにする。
取付け手段22は、角型筒体20の外側で摩擦板2の一端部と摩擦板3の一端部との間及び角型筒体20の外側で摩擦板4の一端部と摩擦板5の一端部との間に夫々配されていると共に厚みt1を有したスペーサ板45及び46と、角型筒体20の外側で摩擦板3の一端部と摩擦板6の一端部と間に配されている摩擦板6の一端部86と、摩擦板2〜5及びスペーサ板45、46の夫々の一端部並びに摩擦板6の一端部86を貫通する複数のボルト48と、複数のボルト48の夫々に螺合すると共に複数のボルト48と協働して摩擦板2〜5及びスペーサ板45、46の夫々の一端部及び摩擦板6の一端部86を締め付ける複数のナット49と、摩擦板3及び4の夫々の一端部並びに摩擦板6の一端部86を貫通する複数のボルト50と、複数のボルト50の夫々に螺合すると共に複数のボルト50と協働して摩擦板3及び4の一端部並びに摩擦板6の一端部86を締め付ける複数のナット51とを具備しており、摩擦板6の一端部86は、建物の対向する一対の縦柱のうちの一方の縦柱の上部に取付けるためのボルトが挿通される複数の挿入孔52を有している。
取付け手段23は、角型筒体20の外側で摩擦板12の一端部と摩擦板15の一端部との間及び角型筒体20の外側で摩擦板13の一端部と摩擦板16の一端部との間に夫々配されていると共に厚みt1を有したスペーサ板55及び56と、摩擦板15の一端部と摩擦板16の一端部との間に配されていると共に厚みt2を有したスペーサ兼取付け板87と、摩擦板12、13、15及び16の夫々の一端部、スペーサ板55、56及びスペーサ兼取付け板87を貫通する複数のボルト58と、複数のボルト58の夫々に螺合すると共に複数のボルト58と協働して摩擦板12、13、15及び16の夫々の一端部、スペーサ板55、56及びスペーサ兼取付け板87を締め付ける複数のナット59と、摩擦板15及び16の夫々の一端部並びにスペーサ兼取付け板87を貫通する複数のボルト88と、複数のボルト88の夫々に螺合すると共に複数のボルト88と協働して摩擦板15及び16の夫々の一端部並びにスペーサ兼取付け板87を締め付ける複数のナット89とを具備しており、スペーサ兼取付け板87は、建物の対向する一対の縦柱のうちの他方の縦柱の上部に取付けるためのボルトが挿通される複数の挿入孔60を有している。
固定手段24は、角型筒体74の矩形内面31と摩擦板12の一端部との間に配されていると共に厚みt1を有したスペーサ板65と、角型筒体74の矩形内面35と摩擦板13の一端部との間に配されているスペーサ板90と、矩形内面31側及び矩形内面35側の角型筒体74、スペーサ板55、56、65、90、摩擦板12、13、15及び16の夫々の一端部及びスペーサ兼取付け板87を貫通する複数のボルト67と、複数のボルト67の夫々に螺合すると共に複数のボルト67と協働して矩形内面31側及び矩形内面35側の角型筒体74、スペーサ板55、56、65、90、摩擦板12、13、15及び16の夫々の一端部及びスペーサ兼取付け板87を締め付ける複数のナット68とを具備している。
図4から図8に示す摩擦ダンパ1も、例えば取付け手段22を介して建物の一方の縦柱の上部に、取付け手段23を介して建物の他方の縦柱の下部に夫々取付けられてブレースダンパとして用いられる。地震等で建物の両方の縦柱が例えば傾き振動して摩擦ダンパ1において摩擦板2〜6と角型筒体74及び摩擦板12、13、15、16との間にその長手方向Xの相対的な位置変位が生じると、摩擦板2〜6と摩擦板12、13、15、16とのその板面8及び9と板面10及び11とでの摩擦、摩擦板2と角型筒体74とのその板面8と矩形内面31とでの摩擦並びに摩擦板5と複数の楔部材71のうちの一つおきの楔部材71とのその板面9と平坦面75とでの摩擦による発熱で縦柱の傾き振動エネルギが吸収され、而して、図4から図8に示す摩擦ダンパ1により縦柱の傾き振動が可及的に速やかに減衰される結果、地震等による建物の振動もまた速やかに減衰される。
図4から図8に示す摩擦ダンパ1でも、互いに摩擦接触する摩擦板2〜6、12、13、15及び16を用いるために大きな振動エネルギを吸収する場合には摩擦板の枚数を増やしてしかもこれらの摩擦板を相互に重ね合わせればよい結果、大きな振動エネルギを大型化を招来することなしに吸収できるように容易に構成できる上に、調節手段21が角型筒体74の一つの矩形内面35から当該矩形内面35に対面する摩擦板5の板面9を離反させるようになっているために、相互に重ね合わされて互いに摩擦接触する摩擦板2〜6、12、13、15及び16の各摩擦面圧を調節手段21によりまとめて調整できる結果、摩擦接触する二枚の摩擦板毎に調節手段を設けなくてもよく、而して、簡単な構成をもって摩擦面圧の調節を行うことができる上に、押圧ボルト73の操作でもって簡単に摩擦板2〜6と摩擦板12、13、15及び16との摩擦面圧を調節でき、しかも、楔部材71及び72の楔効果でもって楔部材71の平坦面75を介して摩擦板2〜6、12、13、15及び16の摩擦面圧を調整するために、押圧ボルト73による集中荷重を避けることができ、而して、摩擦板2〜6と摩擦板12、13、15及び16とに均等な摩擦面圧を与えることができる。
本発明の実施の形態の好ましい例の正面断面図である。 図1に示す例の底面図である。 図1に示すIII−III線矢視断面図である。 本発明の実施の形態の他の好ましい例の正面断面図である。 図4に示す例の底面図である。 図4に示すVI−VI線矢視断面図である。 図4に示す例の楔部材の斜視図である。 図4に示す例の他の楔部材の斜視図である。
符号の説明
1 摩擦ダンパ
2、3、4、5、12、13、14、15 摩擦板
20 角型筒体
21 調節手段

Claims (2)

  1. 少なくとも一枚の一方の摩擦板と、一方の摩擦板に摩擦接触する少なくとも一枚の他方の摩擦板と、両摩擦板の摩擦接触部位を囲繞している角型筒体と、一方の摩擦板への他方の摩擦板の摩擦面圧を調節する調節手段とを具備しており、角型筒体の一つの矩形内面からこの矩形内面に対面する一方又は他方の摩擦板の板面を離反させるようになっている調節手段は、一方又は他方の摩擦板の板面に摺動自在に摩擦接触する押圧板と、この押圧板と角型筒体の矩形内面との間に配されているナット部材と、矩形内面側で角型筒体を貫通していると共にナット部材に共に螺合された複数の押圧ボルトとを具備しており、複数の押圧ボルトの夫々の先端部は押圧板に当接するようになっており、複数の押圧ボルトの夫々は、矩形内面からこの矩形内面に対面する一方又は他方の摩擦板の板面を離反させるように一方又は他方の摩擦板を押圧板を介して当該押圧板に当接した先端部で押圧するようになっている摩擦ダンパ。
  2. 一方又は他方の摩擦板は角型筒体に固定されている請求項1に記載の摩擦ダンパ。
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