JP2016141655A - ピエゾ式噴霧器用の居住空間処理剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】無機系薬剤の揮散性に優れ、防カビ効果の持続性が高いピエゾ式噴霧器用の居住空間処理剤を提供する。
【解決手段】本発明のピエゾ式噴霧器用の居住空間処理剤は、下記(A)成分と、(B)成分と、(C)成分とを含有し、(B)成分/(C)成分で表される質量比が0.1〜1.0である。
(A)成分:遷移金属を含有する無機系薬剤
(B)成分:沸点が70℃以上、150℃未満である有機溶剤
(C)成分:沸点が150℃以上、250℃未満である有機溶剤
【選択図】なし

Description

本発明は、ピエゾ式噴霧器用の居住空間処理剤に関する。
浴室の天井や壁の上部などの手が届きにくいところは、スプレー式の塩素系カビ取り剤による手入れが困難であり、細菌、カビ等の微生物が繁殖しやすい場所である。
また、居住空間には、浴室等の水周り以外の様々な場所(例えば玄関、窓サッシ、押入れ、クローゼットなど)にも微生物が繁殖しやすい。しかし、このような場所は水で洗剤を容易に洗い流すことができず、塩素系カビ取り剤による手入れが困難である。
さらに、微生物は様々な場所に繁殖するため、除菌スプレー等を拭きかけるだけの局所的な対応では防カビ効果としては不十分であり、使い勝手も悪い。
そのため、これら居住空間の様々な場所の微生物を除去し、繁殖を予防することで、清潔な空間を手軽に維持できる方法が望まれている。
このような要望に対し、防カビ効果の高い銀等の無機系薬剤(抗菌剤)を空間全体に手軽に噴霧する方法として燻煙タイプの防カビ剤が提案されているが、居住空間の様々な場所で使用することを考慮すると、煙の量を抑えて、または煙を出さないように防カビ処理する方法も求められている。
近年、ピエゾ式噴霧器により薬液を空間に噴霧する方法が提案されている。ピエゾ式噴霧器は、ピエゾ(圧電)素子を使用した超音波振動により薬液を霧化させる装置であり、手動のスプレー式に比べて楽に使用でき、しかも薬液をより微粒化できる。また、ピエゾ式噴霧器は、加熱蒸散型の噴霧装置に比べて煙の量が少ない。
ピエゾ式噴霧器を用いた空間処理剤として、例えば特許文献1には、害虫防除剤としてトランスフルトリン等の有機薬剤と、沸点が150〜250℃の有機溶剤とを含有するピエゾ式噴霧器用薬液が開示されている。
また、特許文献2には、殺虫成分と、エチレングリコール系溶剤やプロピレングリコール系溶剤等の有機溶剤とを含有する殺虫液を、ピエゾ式噴霧器を用いて空間内に蒸散させる匍匐害虫駆除方法が開示されている。
また、特許文献3には、芳香成分と金属イオンをエチレンビニルアセテート共重合体に担持させた担持体を沸点が200℃未満の水性溶剤に浸漬または分散させた消臭・芳香剤を、超音波式噴霧器を用いて噴霧する方法が開示されている。
特開2007−70349号公報 特開2009−143868号公報 特開2009−165686号公報
しかしながら、有効成分として銀等の無機系薬剤をピエゾ式噴霧器で噴霧する場合、特許文献1、2に記載の技術では無機系薬剤の揮散性が悪く、防カビ効果を十分に発揮できなかった。また、防カビ効果の持続性にも課題があった。
また、特許文献3に記載の技術は、空間の芳香や消臭には効果を発揮できるものの、無機系薬剤の揮散性、および防カビ効果の持続性に課題があった。
本発明は上記事情を鑑みてなされたものであり、無機系薬剤の揮散性に優れ、防カビ効果の持続性が高いピエゾ式噴霧器用の居住空間処理剤を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討した結果、沸点の異なる2種類の有機溶剤を特定の比率で併用することで、無機系薬剤の揮散性および拡散性が良好となり、しかも無機系薬剤が対象面に十分に付着することにより防カビ効果を持続できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の態様を有する。
[1] 下記(A)成分と、(B)成分と、(C)成分とを含有し、(B)成分/(C)成分で表される質量比が0.1〜1.0である、ピエゾ式噴霧器用の居住空間処理剤。
(A)成分:遷移金属を含有する無機系薬剤
(B)成分:沸点が70℃以上、150℃未満である有機溶剤
(C)成分:沸点が150℃以上、250℃未満である有機溶剤
[2] 下記(D)成分をさらに含有する、[1]に記載のピエゾ式噴霧器用の居住空間処理剤。
(D)成分:非イオン界面活性剤。
[3] 前記(D)成分が、HLBが2以上、16未満の非イオン界面活性剤を1種以上含む、[2]に記載のピエゾ式噴霧器用の居住空間処理剤。
[4] (C)成分/(D)成分で表される質量比が10〜700である、[2]または[3]に記載のピエゾ式噴霧器用の居住空間処理剤。
本発明によれば、無機系薬剤の揮散性に優れ、防カビ効果の持続性が高いピエゾ式噴霧器用の居住空間処理剤を提供できる。
本発明に用いるピエゾ式噴霧器の一実施形態を示す断面図である。 [実施例]における殺カビ効果の評価方法を説明する概略図である。 [実施例]における防カビ効果の持続性の評価方法を説明する概略図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、本発明において「防カビ」とは、カビの繁殖を防ぐことはもちろんのこと、カビ以外の微生物(例えば細菌など)の繁殖を防ぐことを意味する。加えて、「防カビ」には、カビやカビ以外の微生物(例えば細菌など)を減らすことも含まれる。以下、カビやカビ以外の微生物を減らすことを特に「殺カビ」ともいう。
本発明のピエゾ式噴霧器用の居住空間処理剤(以下、単に「空間処理剤」という。)は、以下に示す(A)成分と、(B)成分と、(C)成分とを含有する液体の組成物である。また、空間処理剤は、以下に示す(D)成分をさらに含有する液体の組成物であることが好ましい。
<(A)成分>
(A)成分は、遷移金属を含有する無機系薬剤である。(A)成分を用いることで、防カビ効果を奏する。防カビ効果を奏することで、微生物の増殖による臭気を抑制でき、消臭効果も奏する。
ここで、「遷移金属を含有する無機系薬剤」とは、遷移金属の単体およびその化合物(遷移金属化合物)からなる群より選ばれる少なくとも1種を有効成分とする薬剤のことである。
遷移金属の単体としては、例えば銀、亜鉛、銅、ニッケルなどが挙げられる。
遷移金属化合物としては、例えば遷移金属の酸化物、遷移金属イオンと対イオンとの塩などが挙げられる。塩としては、塩化物塩、硝酸塩、硫酸塩、グルコン酸塩、スルホン酸塩、炭酸塩、蟻酸塩、酢酸塩等が挙げられる。
(A)成分としては、防カビ効果、消臭効果に優れることから、銀、亜鉛、銅、またはこれらの化合物が好ましく、銀または銀化合物がより好ましい。
また、(A)成分としては、遷移金属の単体または遷移金属化合物を担体に担持させたもの(以下、「担持体」ともいう。)を用いてもよい。
担体としては、例えばゼオライト、シリカ・アルミナ、シリカゲル、低分子ガラス、リン酸カルシウム、ケイ酸塩、酸化チタン等が挙げられる。
担持体としては、例えば、遷移金属の単体や、酸化銀、硝酸銀、硫酸銅、塩化亜鉛等の遷移金属化合物を担持したゼオライト系無機抗菌剤、シリカ・アルミナ系無機抗菌剤、シリカゲル系無機抗菌剤、酸化チタン系無機抗菌剤、ケイ酸塩系無機抗菌剤などが挙げられる。(A)成分としてこのような担持体を用いることで、処理面に均一に燻煙することが可能となり、安定した防カビ効果を発揮できる。
(A)成分の形態は特に限定されないが、対象空間の広さ等を勘案して決定できる。(A)成分は、粒子が微細であるほど(A)成分の効果を十分に発揮できると共に、広域に拡散される。一方、(A)成分の粒子は、小さすぎると拡散した後に落下しにくくなり、対象空間の下方における(A)成分の効果の発現までに時間を要する。
例えば(A)成分が担持体である場合、(A)成分の体積平均粒子径は、0.01〜10μmが好ましく、0.01〜1μmがより好ましく、0.01〜0.1μmがさらに好ましい。
なお、体積平均粒子径は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置により求められる値をいい、次のようにして測定できる。(A)成分を固形分1質量%となるように蒸留水に分散して試料とする。この試料をレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置に投入し、装置内で超音波により分散した後、レーザーを照射して粒度分布を測定する。体積頻度の累積が50%(体積)となる径を平均粒子径とする。
(A)成分は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
空間処理剤における(A)成分の含有量は、(A)成分中の有効成分の種類や有効成分濃度、空間処理剤に求める機能に応じて決定される。
(A)成分の含有量は遷移金属の単体に換算した量として、空間処理剤の全質量100質量%中、0.001〜1.0質量%が好ましく、0.05〜0.1質量%がより好ましい。(A)成分の含有量が0.001質量%以上であれば、防カビ効果が十分に得られる。一方、(A)成分の含有量が1.0質量%を超えても、それ以上の効果の向上は期待できない。
また、(A)成分が担持体である場合、(A)成分の含有量は担持体として、空間処理剤の全質量100質量%中、0.01〜5質量%が好ましく、0.1〜2質量%がより好ましい。(A)成分の含有量が0.01質量%以上であれば、防カビ効果が十分に得られる。一方、(A)成分の含有量が5質量%以下であれば、ピエゾ式噴霧器の目詰まりによる噴霧力の低下を抑制できる。
<(B)成分>
(B)成分は、沸点が70℃以上、150℃未満である有機溶剤である。(B)成分を用いることで、ピエゾ式噴霧器を使用した際の(A)成分の揮散性および拡散性が良好となり、処理空間全体で均一な防カビ効果を発現できる。(B)成分の沸点が70℃未満であると、(B)成分が自然蒸散して空間処理剤の濃度が高くなり過ぎ、ピエゾ式噴霧器の目詰まりが起こりやすくなり、持続的な噴霧力が低下する恐れがある。
(B)成分における有機溶剤の沸点は、75℃以上が好ましく、120℃以下が好ましい。
(B)成分としては、例えばエタノール、2−プロパノール、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノイソプロピルエーテルなどが挙げられる。この中でも、エタノールが好ましい。
(B)成分は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
空間処理剤における(B)成分の含有量は、空間処理剤の全質量100質量%中、10〜50質量%が好ましく、10〜30質量%がより好ましい。(B)成分の含有量が上記範囲内であれば、(A)成分の揮散性および拡散性がより良好となり、防カビ効果がより高まる。特に、(B)成分の含有量が10質量%以上であれば、(A)成分の揮散性および拡散性がより良好となる。一方、(B)成分の含有量が50質量%以下であれば、天井や壁等の対象面に対する(A)成分の付着性を良好に維持でき、防カビ効果の持続性がより高まる。
<(C)成分>
(C)成分は、沸点が150℃以上、250℃未満である有機溶剤である。(C)成分を用いることで、空間処理剤中での(A)成分の分散性が向上する。また、噴霧後の(A)成分の対象面に対する付着性および広がり性が向上し、処理空間全体で均一に防カビ効果を持続できる。(C)成分の沸点が250℃を超えると、(A)成分の揮散性や拡散性が低下し、防カビ効果を十分に発揮できない。また、対象面に(C)成分が付着したときの対象面への影響(例えば変色など)が懸念される。
(C)成分における有機溶剤の沸点は、160℃以上が好ましく、220℃以下が好ましい。
(C)成分としては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールジアセテート、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコール、イソパラフィン系炭化水素(具体的には、中央化成株式会社製の「ネオチオゾール」、出光興産株式会社製の「IPソルベント」等)などが挙げられる。この中でも、プロピレングリコールが好ましい。
(C)成分は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
空間処理剤における(C)成分の含有量は、空間処理剤の全質量100質量%中、45〜80質量%が好ましく、50〜75質量%がより好ましい。(C)成分の含有量が上記範囲内であれば、(A)成分の対象面への付着性がより良好になり、防カビ効果の持続性がより高まる。特に、(C)成分の含有量が45質量%以上であれば、(A)成分の天井や壁等での付着性がより向上し、防カビ効果の持続性がより高まる。一方、(C)成分の含有量が80質量%以下であれば、(A)成分の拡散性を良好に維持できる。
また、空間処理剤における(C)成分の含有量は、(B)成分/(C)成分で表される質量比が0.1〜1.0となる量であり、0.2〜0.5となる量が好ましい。質量比が上記範囲内であれば、(A)成分の揮散性および拡散性が向上する。加えて、噴霧後の(A)成分の対象面に対する付着性および広がり性が向上し、防カビ効果の持続性が高まる。特に、質量比が0.1以上であれば、(B)成分による(A)成分の揮散性および拡散性が向上する。また、(A)成分が対象面へ均一に付着し、防カビ効果を十分に発揮できる。一方、質量比が1.0以下であれば、(C)成分による(A)成分の対象面への付着性が向上し、防カビ効果の持続性が高まる。
<(D)成分>
(D)成分は、非イオン界面活性剤である。(D)成分を用いることで、対象面での(A)成分の均一な広がり性がより向上し、防カビ効果(特に殺カビ効果)がより向上し、防カビ効果の持続性もより高まる。
(D)成分としては、HLBが2以上、16未満の非イオン界面活性剤(以下、「(D1)成分」ともいう。)、HLBが2未満の非イオン界面活性剤(以下、「(D2)成分」ともいう。)、HLBが16以上の非イオン界面活性剤(以下、「(D3)成分」ともいう。)などが挙げられる。これらの中でも、空間処理剤中での(A)成分の分散性がより向上する点で、(D1)成分が好ましい。
ここで、本願におけるHLBは有機概念図におけるIOB×10で示される。
前記有機概念図におけるIOBとは、前記有機概念図における有機性値(OV)に対する無機性値(IV)の比、すなわち「無機性値(IV)/有機性値(OV)」をいう。
前記有機概念図とは、藤田穆により提案されたものであり、その詳細は、“Pharmaceutical Bulletin”,1954,vol.2,2,pp.163−173、「化学の領域」、1957、vol.11,10,pp.719−725、「フレグランスジャーナル」、1981、vol.50,pp.79−82などで説明されている。すなわち、全ての有機化合物の根源をメタン(CH)とし、他の化合物は全てメタンの誘導体とみなして、その炭素数、置換基、変態部、環などにそれぞれ一定の数値を設定し、そのスコアを加算して有機性値及び無機性値を求める。そして、これらの値を、有機性値をX軸、無機性値をY軸とした図上にプロットしていくものである。この有機概念図は、「有機概念図−基礎と応用−」(甲田善生著、三共出版、1984)などにも示されている。
(D1)成分のHLBは2以上、16未満であり、2〜12が好ましく、6〜12がより好ましい。HLBが2以上であれば、空間処理剤中での(A)成分の均一分散性がより向上し、浴室などの処理空間全体への防カビ効果がより高まる。一方、HLBが16未満においても、(A)成分の均一分散性がより向上する。また、浴室のような高湿度環境下での防カビ効果の持続性もより高まる。
(D1)成分としては、例えばHLBが2以上、16未満のソルビタン脂肪酸エステル類、グリセリン脂肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸類、ショ糖脂肪酸エステル、エチレングリコール脂肪酸エステル類、プロピレングリコール脂肪酸エステル類、グリセリンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン(POE)−ソルビタン脂肪酸エステル類、POE−グリセリン脂肪酸エステル類、POE−プロピレングリコール脂肪酸エステル、POE−アルキルエーテル類、POE・ポリオキシプロピレン(POP)−アルキルエーテル類、アルカノールアミドなどが挙げられる。これらの中でも、多価アルコールの脂肪酸エステルまたはそのエチレンオキサイド付加物が好ましく、常温で液体のソルビタン脂肪酸エステルまたはポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、エチレングリコール脂肪酸エステルがより好ましい。
ソルビタン脂肪酸エステルとしては、例えば、モノオレイン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタンが挙げられる。グリセリン脂肪酸エステルとしては、例えば、モノカプリル酸グリセリル、モノイソステアリン酸グリセリル等が挙げられる。エチレングリコール脂肪酸エステルとしては、例えば、ジラウリン酸エチレングリコール等が挙げられる。
これら(D1)成分は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(D2)成分としては、例えばカプリン酸セチル、パルミチン酸セチル、ステアリン酸ステアリルなどが挙げられる。
(D3)成分としては、例えばポリオキシエチレン(30EO)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(50EO)ラウリルエーテルなどが挙げられる。
これら(D2)成分、(D3)成分は、それぞれ1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(D)成分は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
空間処理剤における(D)成分の含有量は、空間処理剤の全質量100質量%中、0.1〜3.0質量%が好ましく、0.5〜2.0質量%がより好ましい。(D)成分の含有量が0.1質量%以上であれば、空間処理剤中での(A)成分の均一分散性および防カビ効果の持続性がより向上する。一方、(D)成分の含有量が3.0質量%以下であれば、ピエゾ式噴霧器の目詰まりを抑制でき、より十分な揮散性が得られる。
(D)成分における(D1)成分の含有量は、(D)成分の全質量100質量%中、60〜100質量%が好ましく、80〜100質量%がより好ましい。(D1)成分の含有量が60質量%以上であれば、空間処理剤中での(A)成分の均一分散性がさらに向上する。
また、空間処理剤における(D)成分の含有量は、(C)成分/(D)成分で表される質量比が15〜800となる量が好ましく、30〜200となる量がより好ましい。質量比が上記範囲内であれば、(A)成分の揮散性および拡散性がより向上する。加えて、噴霧後の(A)成分の対象面に対する付着性および広がり性が向上し、防カビ効果の持続性がより高まる。特に、質量比が15以上であれば、(A)成分の揮散性および拡散性が向上する。また、(A)成分が対象面へ均一に付着しやすくなり、防カビ効果を十分に発揮できる。一方、質量比が800以下であれば、(A)成分の対象面への付着性が向上し、防カビ効果の持続性が高まる。
<任意成分>
空間処理剤は、本発明の効果を損なわない範囲内であれば、水や香料成分などの任意成分を含有してもよい。
空間処理剤が水を含有する場合、水の含有量は、空間処理剤100質量%中、0.1〜10質量%が好ましい。
空間処理剤が香料成分を含有していれば、使用時における香りの付与、空間処理剤の臭気のマスキングを付与することができる。
香料成分は特に限定されないが、使用できる香料原料のリストは、様々な文献、例えば「Perfume and Flavor Chemicals」,Vol.I and II,Steffen Arctander,Allured Pub.Co.(1994)、「合成香料 化学と商品知識」、印藤元一著、化学工業日報社(1996)、「Perfume and Flavor Materials of NaturalOrigin 」,Steffen Arctander,Allured Pub.Co.(1994 )、「香りの百科」、日本香料協会編、朝倉書店(1989)、「Perfumery Material Performance V.3.3」,Boelens Aroma Chemical Information Service(1996)、「Flower oils and Floral Compounds In Perfumery」,Danute Lajaujis Anonis,Allured Pub.Co.(1993)等に記載されている。
<使用方法>
空間処理剤は、(A)成分と(B)成分と(C)成分と、必要に応じて(D)成分および任意成分とを混合して調製した後、ピエゾ式噴霧器に充填して使用すればよい。
ピエゾ式噴霧器への空間処理剤の充填量は、処理対象の空間の広さや処理面(対象面)の面積等を勘案して決定され、例えば、処理対象の空間1m当たりの(A)成分の量が、遷移金属の単体濃度として、0.02〜20mgとなる量が好ましく、0.2〜5mgとなる量がより好ましい。
ピエゾ式噴霧器としては特に制限されず、従来公知のピエゾ式噴霧器を用いることができる。
以下、ピエゾ式噴霧器の一実施形態について、図1を用いて説明する。ただし本発明におけるピエゾ式噴霧器は本実施形態に限定されるものではなく、容器の形状等を適宜変更することができる。
図1は、ピエゾ式噴霧器の一実施形態を示す断面図である。
この例のピエゾ式噴霧器10は、空間処理剤Aを収容する容器11と、棒状の吸液芯12と、超音波振動子13と、超音波発振機14とを具備している。
吸液芯12は、その上端が容器11の上部開口から突出し、下端が容器11内の空間処理剤Aに浸漬しており、容器11の上部開口に嵌め込まれた芯支持体15により支持されている。また、吸液芯12の上端は、接合片16を介して超音波振動子13に接続されている。
吸液芯12の材質としては表面張力の大きな材質が好ましく、例えばスポンジ、フェルト、綿、多孔質材などが挙げられる。特に、超音波を印加した際にのみ吸液機能を発揮し、超音波を印加しないときは密栓的に機能する点で、多孔質材が好ましく、その中でも炭素質微粉末と結着剤との混合物からなる成形体がより好ましい。
接合片16の材質としては、金属、セラミックなどが挙げられる。
芯支持体15の材質としては、特に制限されない。
超音波発振機14は、超音波振動子13および電源(図示略)に接続されている。電源としては電池などが挙げられる。
図1に示すピエゾ式噴霧器10を用いた空間処理剤の使用方法は、以下の通りである。
まず、容器11に所定量の空間処理剤Aを収容し、吸液芯12の上端にまで空間処理剤Aを十分に吸収させる。この状態で超音波発振機14を作動させ、超音波発振機14から超音波振動子13へ信号を送り、超音波振動子13および接合片16を超音波振動させる。これにより、吸液芯12の上端に対し、空間処理剤Aの表面張力以上、かつ粘度以上の超音波振動エネルギーを与え、空間処理剤Aを吸液芯12から空気中に蒸散させる。
超音波発振機14の周波数は30〜500kHzが好ましい。
また、空間処理剤Aの蒸散は連続的でもよいが、駆動と停止とが交互に行われる間欠蒸散でもよい。
1回の駆動により蒸散される空間処理剤Aの液量は0.01〜1μLが好ましい。
なお、図1に示すピエゾ式噴霧器10において、接合片16を設けず、吸液芯12の上端と超音波振動子13とが直接接触していてもよい。
また、送風機を用いて空間処理剤の拡散性を高めてもよいが、消費電力を抑える観点では、送風機を用いることなく空間処理剤を蒸散させることが好ましい。
また、ピエゾ式噴霧器としては市販品を用いることもでき、例えばオムロンヘルスケア株式会社製の「メッシュ式ネブライザNE−U22」などが挙げられる。
また、ピエゾ式噴霧器としては、例えば特開平6−320083号公報、特開平7−24374号公報、特開平7−256170号公報などに記載の噴霧装置を用いてもよい。
<作用効果>
以上説明した本発明の空間処理剤は、ピエゾ式噴霧器により薬液((A)成分)を空間に噴霧するので、煙の量を抑えて、または煙を出さないようにしつつ、居住空間の様々な場所の微生物を除去し、繁殖を予防できる。
加えて、本発明の空間処理剤は、上述した(A)成分と(B)成分と(C)成分とを含有するので、(A)成分の揮散性および拡散性が良好となり、処理空間全体で均一な防カビ効果を発現できる。また、噴霧後の(A)成分の対象面に対する付着性および広がり性が向上し、処理空間全体で均一に防カビ効果を持続できる。
本発明の空間処理剤は、細菌、カビ等の微生物を抑制することが要求される居住空間の処理に用いられる。
本発明の空間処理剤の処理対象としては、例えば浴室、洗面所、キッチン、トイレ、玄関、リビング、窓サッシ、押入れ、クローゼットなどが挙げられる。
本発明の有用性の観点から、本発明の空間処理剤は、防カビ用として特に好適である。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[使用原料]
(A)成分として、以下に示す化合物を用いた。
・A−1:水溶性銀系(酸化銀)抗菌剤(株式会社J−ケミカル製、「CF−01」、銀含量2.5質量%)
・A−2:銀担持シリカ・アルミナ系無機抗菌剤(日揮触媒化成株式会社製、「ATOMY BALL−(UA)」、体積平均粒子径15nm、銀含量0.075質量%、担持体濃度1.5質量%)
・A−3:グルコン酸亜鉛・3HO(扶桑化学工業株式会社製、「ヘルシャスZn」、亜鉛含量12.8質量%)
(B)成分またはその比較品として、以下に示す化合物を用いた。
・B−1:エタノール(試薬特級、純正化学株式会社製、沸点78.37℃)
・B−2:プロピレングリコールモノメチルエーテル(東邦化学工業株式会社製、「ハイソルブMP」、沸点120℃)
・B−3:エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート(東邦化学工業株式会社製、「MCアセテート」、沸点145℃)
・B−4:n−ヘプタン(沸点36℃)
(C)成分またはその比較品として、以下に示す化合物を用いた。
・C−1:プロピレングリコール(試薬特級、純正化学株式会社製、沸点188.2℃)
・C−2:ジエチレングリコールジメチルエーテル(東邦化学工業株式会社製、「ハイソルブMDM」、沸点162℃)
・C−3:トリエチレングリコールモノメチルエーテル(東邦化学工業株式会社製、「ハイモールTM」、沸点249℃)
・C−4:テトラエチレングリコールジメチルエーテル(東邦化学工業株式会社製、「ハイソルブMTEM」、沸点275℃)
(D)成分として、以下に示す化合物を用いた。
・D1−1:モノオレイン酸ソルビタン(花王株式会社製、「エマゾールO−10V」、HLB9)
・D1−2:モノラウリン酸ソルビタン(花王株式会社製、「エマゾールL−10V」、HLB12)
・D1−3:ジラウリン酸エチレングリコール(日本エマルジョン株式会社製、「EMALEX EG−di−L」、HLB2)
・D1−4:モノオレイン酸ソルビタン(エチレンオキシド平均20モル付加物)(花王株式会社製、「エマゾールO−120V」、HLB14)
・D2−1:カプリン酸セチル(日本エマルジョン株式会社、「EMALEX CC−10、HLB1)
・D3−1:ポリオキシエチレンラウリルエーテル(エチレンオキシド平均30モル付加物)(日本エマルジョン株式会社製、「EMALEX730」、HLB16)
任意成分として、水および表1に示す香料組成物を用いた。
Figure 2016141655
[評価]
<殺カビ効果の評価>
まず、図2に示すように、容積96Lのアクリル製チャンバー(40×40×60cm)20内の天井面の2ヶ所(中央と、4隅のうちの1隅)に、下記の方法*1で作製した供試用スライドガラス(菌を接種したスライドガラス)21、22を、菌を接種した面を床側に向けて取り付けた。
つぎに、各例で作製した噴霧装置23をチャンバー20の中央床面に置き、空間処理剤を8時間噴霧した(噴霧処理)。
噴霧処理後、チャンバー20内の空気を排気し、供試用スライドガラス21、22を回収した。
供試用スライドガラス21、22から下記の方法*2で回収した菌液を、計測可能な濃度となるように生理食塩水で適宜希釈したものを、ポテトデキストロース寒天培地に塗抹接種して、25℃にて5日間培養した後、目視により、形成されたコロニー数を計測した。計測したコロニー数と菌液の希釈倍率から生菌数を求め、その値を「処理後の菌数」とした。
別途、噴霧処理していない未処理の供試用スライドガラスから回収した菌液を、計測可能な濃度となるように生理食塩水で適宜希釈したものを、ポテトデキストロース寒天培地に塗抹接種して、25℃にて5日間培養した後、目視により、形成されたコロニー数を計測した。計測したコロニー数と菌液の希釈倍率から生菌数を求め、その値を「未処理菌数」とした。
上記の結果から、下記の評価基準に従い、殺カビ効果と、殺カビ効果の均一性を評価した。
(*1:供試用スライドガラスの作製方法)
ポテトデキストロース寒天培地(Difco社製)の斜面培地にて25℃、1週間培養したCladosporium cladosporioides HMC1064(浴室分離菌)を、滅菌した0.05%Tween80(関東化学株式会社製)水溶液にて約10CFU/mLの胞子液を調製した。ついで、該胞子液をスライドガラス(松浪硝子工業株式会社製、白縁磨No.2、76×26mm)に0.1mL接種し、室温にて一晩静置した後に乾燥し固定した。
(*2:スライドガラスから菌の回収方法)
菌を接種したスライドガラス(松浪硝子工業株式会社製、白縁磨No.2、76×26mm)とSCDLP培地(日本製薬株式会社製)10mLを、滅菌プラスチックシャーレ(アズワン株式会社製)に入れ、コンラージ棒(日水製薬株式会社製)で撹拌し、スライドガラスから菌を抽出した。
(評価基準)
{殺カビ効果:天井中央}
天井面の中央に設置した供試用スライドガラス21について、求めた菌数を常用対数(log)に変換し、未処理の菌数から処理後の菌数を差し引いた値(log(未処理菌数)−log(処理後の菌数))を求め、その値を殺カビ効力とした。その値から、下記の基準で殺カビ効果を判定した。
〈判定基準〉
◎:殺カビ効力が4以上。
○:殺カビ効力が2以上4未満。
△:殺カビ効力が1以上2未満。
×:殺カビ効力が1未満。
{殺カビ効果の均一性:天井中央と隅での差}
天井面の隅に設置した供試用スライドガラス22についても、前記と同様に、log(未処理菌数)−log(処理後の菌数)を求め、その値を殺カビ効力とした。
天井中央の殺カビ効力と天井隅の殺カビ効力との差(中央と隅の差)を算出し、その値から、下記の基準で殺カビ効果の均一性を判定した。
〈判定基準〉
◎:中央と隅の差が1未満。
○:中央と隅の差が1以上2未満。
△:中央と隅の差が2以上3未満。
×:中央と隅の差が3以上。
<防カビ効果の持続性の評価>
まず、図3に示すように、容積96Lのアクリル製チャンバー(40×40×60cm)30内の天井面の中央に、2枚のスライドガラス(松浪硝子工業株式会社製、白縁磨No.2、76×26mm)31、32を並べて取り付けた。
つぎに、各例で作製した噴霧装置33をチャンバー30の中央床面に置き、空間処理剤を8時間噴霧した(噴霧処理)。
噴霧処理後、チャンバー30内の空気を排気し、2枚のスライドガラス31、32を回収した。
回収したスライドガラス31、32を、スライドガラス31、32の噴霧処理面が暴露された条件にて、実験室内で放置した。室内に放置された場合の防カビ効果の持続性を確認するため、スライドガラス31は実験室内で1日放置し、スライドガラス32は実験室内で1週間放置した。
つぎに、ポテトデキストロース寒天培地(Difco社製)の斜面培地にて25℃、1週間培養したCladosporium cladosporioides HMC1064(浴室分離菌)を、50%に希釈し滅菌したポテトデキストロース液体培地を用いて、約10CFU/mLの胞子液を調製した。
放置後のスライドガラス31、32に、胞子液を0.1mL接種した。
胞子液を接種したスライドガラス31、32に、1cm×1cmに切断したフィルム(JIS Z 2801(抗菌加工製品の抗菌性試験方法・抗菌効果)に記載のフィルム)を、胞子液を覆う様にかぶせて、25℃、相対湿度98%以上の条件にて1週間培養した。
培養後、スライドガラス31、32から上記の方法*2で菌を回収し、計測可能な濃度となるように生理食塩水で適宜希釈したものを、ポテトデキストロース寒天培地に塗抹接種して、25℃にて5日間培養した後、目視により、形成されたコロニー数を計測した。
上記の結果から、下記の評価基準に従い、殺カビ効果の持続性を評価した。
(評価基準)
実験室内に1日放置したスライドガラス31から回収された菌から形成されたコロニー数(G1)に対する、実験室内に1週間放置したスライドガラス32から回収された菌から形成されたコロニー数(G2)の割合を下記数式により算出し、その値を防カビ効果の持続率とした。その値から下記基準で防カビ効果の持続性を判定した。
防カビ効果の持続率(%)=(コロニー数(G1)/コロニー数(G2))×100
〈判定基準〉
◎:防カビ効果の持続率が80%以上。
○:防カビ効果の持続率が60%以上80%未満。
△:防カビ効果の持続率が40%以上60%未満。
×:防カビ効果の持続率が40%未満。
[実施例1〜26、比較例1〜7]
<空間処理剤の製造>
表2〜5に示す組成の空間処理剤を以下の手順で製造した。表2〜5中の各成分の配合量の単位は質量%である。(A)成分の量は、空間処理剤100質量%中の遷移金属の単体濃度(質量%)である。なお、実施例10において、空間処理剤100質量%中の担持体濃度は、0.1質量%である。
また、水の「バランス」は、空間処理剤全量が100質量%となる量である。
表2〜5に示す組成に従い、水以外の各成分を混合し、全量が100質量%となるように水を加えてさらに混合し、空間処理剤を調製した。
<噴霧装置の作製>
得られた空間処理剤を用い、以下のようにして噴霧装置を作製した。
「グレード 消臭パフパフ」(ジョンソン株式会社製)の容器に空間処理剤5gを充填し、噴霧装置を作製した。
得られた噴霧装置を用いて、殺カビ効果および防カビ効果の持続性を評価した。結果を表2〜5に示す。
Figure 2016141655
Figure 2016141655
Figure 2016141655
Figure 2016141655
表2〜4から明らかなように、各実施例の空間処理剤は、いずれも殺カビ効果が良好で、殺カビ効果の均一性が高かった。この結果より、各実施例の空間処理剤は、(A)成分(無機系薬剤)の揮散性に優れることが示された。また、各実施例の空間処理剤は、防カビ効果の持続性も良好であった。
特に、殺カビ効果や、防カビ効果の持続性は、HLBが2以上、16未満の非イオン界面活性剤を配合した場合に優れていた。
一方、表5から明らかなように、(A)成分を含まない比較例1の空間処理剤は殺カビ効果が低く、防カビ効果の持続性も低かった。
(B)成分を含まない比較例2の空間処理剤は、殺カビ効果の均一性が低く、(A)成分の揮散性に劣るものであった。
(B)成分の代わりに沸点が36℃のn−ペンタン(B−4)を用いた比較例3の空間処理剤は、殺カビ効果の均一性が低く、(A)成分の揮散性に劣るものであった。また、防カビ効果の持続性も低かった。
(C)成分を含まない比較例4の空間処理剤は、殺カビ効果の均一性が低く、(A)成分の揮散性に劣るものであった。また、防カビ効果の持続性も低かった。
(C)成分の代わりに沸点が275℃のテトラエチレングリコールジメチルエーテル(C−4)を用いた比較例5の空間処理剤は、殺カビ効果の均一性が低く、(A)成分の揮散性に劣るものであった。
(B)成分/(C)成分で表される質量比が0.06である比較例6の空間処理剤は、殺カビ効果の均一性が低く、(A)成分の揮散性に劣るものであった。
(B)成分/(C)成分で表される質量比が1.38である比較例7の空間処理剤は、殺カビ効果の均一性が低く、(A)成分の揮散性に劣るものであった。また、防カビ効果の持続性も低かった。
10:ピエゾ式噴霧器
11:容器
12:吸液芯
13:超音波振動子
14:超音波発振機
15:芯支持体
16:接合片
20:チャンバー
21:供試用スライドガラス
22:供試用スライドガラス
23:噴霧装置
30:チャンバー
31: スライドガラス
32: スライドガラス
33:噴霧装置
A:空間処理剤

Claims (4)

  1. 下記(A)成分と、(B)成分と、(C)成分とを含有し、(B)成分/(C)成分で表される質量比が0.1〜1.0である、ピエゾ式噴霧器用の居住空間処理剤。
    (A)成分:遷移金属を含有する無機系薬剤
    (B)成分:沸点が70℃以上、150℃未満である有機溶剤
    (C)成分:沸点が150℃以上、250℃未満である有機溶剤
  2. 下記(D)成分をさらに含有する、請求項1に記載のピエゾ式噴霧器用の居住空間処理剤。
    (D)成分:非イオン界面活性剤。
  3. 前記(D)成分が、HLBが2以上、16未満の非イオン界面活性剤を1種以上含む、請求項2に記載のピエゾ式噴霧器用の居住空間処理剤。
  4. (C)成分/(D)成分で表される質量比が10〜700である、請求項2または3に記載のピエゾ式噴霧器用の居住空間処理剤。
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