JP7341045B2 - 硬表面の汚れ付着抑制方法 - Google Patents

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Description

本発明は、硬表面の汚れ付着抑制方法に関する。
鉄道車両や商業施設等の天井や壁等の内装、エアコンディショナー(以下、「エアコン」ともいう。)やエアコンのルーバー等の備品等(以下、総じて「内装品」ともいう。)、硬質な素材の物品等の表面(以下、「硬表面」ともいう。)には黒ずみ等の汚れが付着する場合がある。これらの汚れの原因となる物質として、鉄粉や泥、埃、煤煙等の無機粒子が挙げられる。すなわち、黒ずみは、無機粒子が硬表面に付着して形成された無機粒子汚れである。黒ずみ等の汚れは、美観を損ねるため、低減することが求められる。
例えば、特許文献1には、特定のカチオン界面活性剤と、特定のノニオン界面活性剤とを含有する硬質表面用防汚洗浄剤が提案されている。特許文献1の発明によれば、プラスチックコンテナを硬質表面用防汚洗浄剤を水で100倍に希釈した洗浄液に浸漬し、硬質表面に付着した堆積汚れの除去と、プラスチックコンテナ使用の際に発生する埃、泥、黒ずみ等の表面への付着の軽減とを同時に行うことが図られている。
特開2001-40393号公報
しかしながら、エアコンの吹き出し口やエアコンのルーバー等は、高所にあるため掃除をしにくく、複雑な構造物であるため掃除をするべき箇所が多く、掃除に手間がかかる。加えて、内装品等を洗浄液に浸漬して洗浄することは煩雑である。
さらに、特許文献1に記載された組成物では、無機粒子汚れに対する汚れ付着抑制効果は充分ではない。
そこで、本発明は、掃除の手間を軽減でき、汚れ付着抑制効果により優れる硬表面の汚れ付着抑制方法を目的とする。
本発明は、以下の態様を有する。
[1](A)成分:有機発泡剤を含む燻煙剤組成物を加熱してガスを発生し、硬表面を有する対象物に前記ガスを接触させる、硬表面の汚れ付着抑制方法。
[2]前記燻煙剤組成物が、(B)成分:静電気防止剤をさらに含有する、[1]に記載の硬表面の汚れ付着抑制方法。
[3]前記(A)成分/前記(B)成分で表される質量比が、4~40である、[2]に記載の硬表面の汚れ付着抑制方法。
[4]前記(B)成分が、界面活性剤である、[2]又は[3]に記載の硬表面の汚れ付着抑制方法。
[5]前記(B)成分が、オキシプロピレンとオキシエチレンとの共重合型ノニオン界面活性剤である、[4]に記載の硬表面の汚れ付着抑制方法。
[6]鉄道車両用、車両用、船舶用、航空機用、又は商業施設用である、[1]~[5]のいずれか一項に記載の硬表面の汚れ付着抑制方法。
[7]間接加熱方式の燻煙装置を利用して前記燻煙剤組成物を加熱する、[1]~[6]のいずれか一項に記載の硬表面の汚れ付着抑制方法。
[8]前記間接加熱方式の燻煙装置における発熱剤と前記燻煙剤組成物との前記発熱剤/前記燻煙剤組成物で表される質量比が2.5~7.0である、[7]に記載の硬表面の汚れ付着抑制方法。
本発明の硬表面の汚れ付着抑制方法によれば、掃除の手間を軽減でき、汚れ付着抑制効果により優れる。
実施例において使用した評価室の斜視図である。
本明細書において、無機粒子汚れとは、金属粉、泥、埃、煤煙等の無機粒子が硬表面に付着して形成された汚れをいう。金属粉としては、車輪、線路、ブレーキパッド、工事現場等から発生する鉄粉等が挙げられる。煤煙には、ススやカーボンが含まれる。無機粒子汚れの原因となる物質としては、このほか、大気中に含まれるチリ、排気ガス、アスファルト道路に含まれるピッチ、タール、油煙、煙草の煙等が挙げられる。
無機粒子の大きさは特に限定されないが、例えば、0.01μm~10μmである。
これらの無機粒子が付着し得る硬表面を有する対象物としては、例えば、鉄道車両、バス等の車両、船舶、飛行機等の交通機関や輸送機関の内装及び内装品、ショッピングモールや映画館等の商業施設、倉庫、事務所等の建造物の内装及び内装品、公共施設や一般家庭における浴室、トイレ、食堂、リビング等の内装及び内装品が挙げられる。
内装としては、例えば、天井、壁、窓、床、扉、換気口、換気扇等が挙げられる。内装品としては、例えば、エアコン等の電気機器、机や椅子等の家具、ロッカーや棚等が挙げられる。
鉄道車両、車両、船舶、航空機、又は商業施設等は、広い面積を有するため、本発明の効果がより顕著に得られる。このため、本発明の硬表面の汚れ付着抑制方法は、鉄道車両用、車両用、船舶用、航空機用、又は商業施設用とすることが好ましく、鉄粉等が付着しやすいことから鉄道車両用とすることが特に好ましい。
本明細書において、硬表面とは、硬質な素材の物品等の表面をいう。硬質な素材としては、例えば、金属、ガラス、プラスチック、陶磁器、木材等が挙げられる。
[燻煙剤組成物]
本発明の硬表面の汚れ付着抑制方法に係る燻煙剤組成物は、(A)成分を含有する組成物である。
≪(A)成分≫
(A)成分は、有機発泡剤である。(A)成分としては、加熱により熱分解して多量の熱を発生するとともに、炭酸ガスや窒素ガス等(以下、総じて「発泡ガス」ともいう。)を発生するものが用いられる。
(A)成分としては、例えば、アゾジカルボンアミド、p,p’-オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、N,N’-ジニトロソペンタメチレンテトラミン、アゾビスイソブチロニトリル等が挙げられる。
(A)成分としては、上記の中でも、分解温度が低く、発泡ガスの発生量が多い点で、アゾジカルボンアミドが好ましい。
(A)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(A)成分の含有量は、(A)成分の種類や、他の成分の粒子径等を勘案して決定できる。
(A)成分の含有量は、燻煙剤組成物の総質量に対して、50~90質量%が好ましく、60~85質量%がより好ましい。(A)成分の含有量が上記下限値以上であると、汚れ付着抑制効果をより高められる。(A)成分の含有量が上記上限値以下であると、(A)成分の分解物の飛散量が少なくなる。
≪任意成分≫
本実施形態の燻煙剤組成物は、(A)成分以外の任意成分を含有してもよい。
任意成分としては、例えば、(B)成分(静電気防止剤)、除菌剤、殺虫剤、結合剤、賦形剤、発熱助剤、安定剤、効力増強剤、酸化防止剤、賦香剤等が挙げられる。
任意成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
<(B)成分>
(B)成分は、静電気防止剤である。本実施形態の燻煙剤組成物は、(B)成分を含有することで、静電気によって無機粒子が硬表面に付着することを抑制できる。このため、汚れ付着抑制効果をより高められる。
(B)成分としては、公知の静電気防止剤を用いることができる。これらの中でも界面活性剤が好ましい。
界面活性剤としては、例えば、ノニオン界面活性剤((B-1)成分)、カチオン界面活性剤((B-2)成分)、アニオン界面活性剤等が挙げられる。
((B-1)成分)
(B-1)成分は、ノニオン界面活性剤である。(B-1)成分としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル類、グリセリン脂肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸類、ショ糖脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル類、グリセリンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン(POE)付加型ノニオン界面活性剤等が挙げられる。POE付加型ノニオン界面活性剤としては、例えば、POE-ソルビタン脂肪酸エステル類、POE-グリセリン脂肪酸エステル類、POE-プロピレングリコール脂肪酸エステル類、POE-アルキルエーテル類、POE・ポリオキシプロピレン(POP)-アルキルエーテル類、アルカノールアミド類、オキシプロピレンとオキシエチレンとの共重合型ノニオン界面活性剤等が挙げられる。
((B-2)成分)
(B-2)成分は、カチオン界面活性剤である。(B-2)成分としては、例えば、アルキルトリメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、アルキルアミン塩等が挙げられる。
((B-3)成分)
(B-3)成分は、(B-1)成分及び(B-2)成分以外の界面活性剤である。(B-3)成分としては、例えば、アニオン界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。
アニオン界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、POE-アルキルエーテル硫酸塩、α-オレフィンスルホン酸塩、高級アルコール(炭素数8~20のアルコール)の硫酸エステル塩等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えば、アルキルベタイン型、アルキルアミドベタイン型、イミダゾリン型、アルキルアミノスルホン型、アルキルアミノカルボン酸型、アルキルアミドカルボン酸型、アミドアミノ酸型、リン酸型両性界面活性剤等が挙げられる。
(B)成分としては、(B-1)成分及び(B-2)成分から選ばれる1種以上の界面活性剤が好ましく、POE付加型ノニオン界面活性剤がより好ましく、オキシプロピレンとオキシエチレンとの共重合型ノニオン界面活性剤がさらに好ましい。
オキシプロピレンとオキシエチレンとの共重合型ノニオン界面活性剤としては、下記式(I)で表されるトリブロック型ノニオン界面活性剤が好ましい。トリブロック型ノニオン界面活性剤は、エチレンオキシド(EO)がプロピレンオキシド(PO)で挟まれた構造を有する。
-O-(PO)-(EO)-(PO)-R ・・・(I)
式(I)中、R及びRはそれぞれ独立して、水素原子又は炭素数1~6の炭化水素基を表わし、両者とも水素原子が好ましい。
fはPOの平均繰返し数(平均付加モル数)を表し、5~150の数が好ましく、10~30の数がより好ましい。
gはEOの平均繰返し数(平均付加モル数)を表し、5~250の数が好ましく、5~30の数がより好ましい。
hはPOの平均繰返し数(平均付加モル数)を表し、5~150の数が好ましく、10~30の数がより好ましい。また、f+g+h=20~500であることが好ましい。
トリブロック型ノニオン界面活性剤の市販品としては、例えば、BASFジャパン株式会社製の「Pluronic(登録商標)RPE1740」、「Pluronic(登録商標)RPE2525」等が挙げられる。
(B)成分の含有量は、燻煙剤組成物の総質量に対して、2~30質量%が好ましく、4~20質量%がより好ましい。(B)成分の含有量が上記数値範囲内であると、汚れ付着抑制効果を特に高められる。
(A)成分/(B)成分で表される質量比(以下、「(A)/(B)比」ともいう。)は、2~40が好ましく、3~30がより好ましい。(A)/(B)比が上記数値範囲内であると、(A)成分と(B)成分とを併用することによる相乗効果が見られ、汚れ付着抑制効果を特に高められる。
<除菌剤>
本実施形態の燻煙剤組成物は、除菌剤を含有することで、除菌、殺菌、抗菌、防カビ、抗カビ等の微生物抑制効果、消臭効果や防臭効果を発揮できる。除菌剤は、燻煙剤の目的に応じて、適宜選択できる。本明細書において、除菌剤とは、例えば、除菌剤、殺菌剤、抗菌剤、防カビ剤、抗カビ剤等として作用する成分をいう。これらの成分としては、有機系薬剤、銀系化合物等を使用できる。有機系薬剤、銀系化合物等としては、従来から、燻煙剤に用いられているものを使用できる。
有機系薬剤としては、例えば、3-メチル-4-イソプロピルフェノール(IPMP)、3-ヨード-2-プロピニルブチルカーバメイト(IPBC)、ジデシルジメチルアンモニウムクロリド、o-フェニルフェノール(OPP)、安息香酸ナトリウム、グルタルアルデヒド、ポリヘキサメチレンビグアニジン塩酸塩等が挙げられる。有機系薬剤としては、IPMP、IPBC、ジデシルジメチルアンモニウムクロライドが好ましい。
銀系化合物としては、例えば、有効成分として、除菌、殺菌、抗菌、防カビ、抗カビ、消臭作用を持つ銀単体;酸化銀;塩化銀、硝酸銀、硫酸銀、炭酸銀、スルホン酸銀等の無機銀塩;蟻酸銀、酢酸銀等の有機銀塩等の銀化合物を含むものが挙げられる。
また、除菌剤としては、上記の銀化合物をゼオライト、シリカゲル、低分子ガラス、リン酸カルシウム、ケイ酸塩、酸化チタン等の物質(以下、担体ということがある)に担持させたもの(以下、担持体ということがある)であってもよい。
担持体としては、例えば、銀単体、酸化銀、無機銀塩、有機銀塩等の銀化合物を担持したゼオライト系抗菌剤、シリカゲル系抗菌剤、酸化チタン系抗菌剤、ケイ酸塩系抗菌剤等が挙げられる。
除菌剤としては、上記の中でも、除菌剤由来の臭気をより低減しやすい観点から、銀単体、酸化銀、硝酸銀等の無機銀塩又はこれらを担体に担持させた銀含有無機薬剤が好ましい。銀含有無機薬剤の中でも、銀化合物をゼオライトに担持させたゼオライト系抗菌剤がより好ましい。ゼオライト系抗菌剤を用いることで、燻煙処理時及び燻煙処理後における除菌剤由来の臭気をより低減できる。
除菌剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
除菌剤の形態は、特に限定されず、硬表面を有する対象物が存在する空間(以下、対象空間ともいう。)の広さ等を勘案して決定できる。銀系化合物を用いる場合は、粒子が微細であるほど、煙化率を高めやすい。加えて、銀系化合物の粒子が微細であるほど、除菌剤が、対象空間内の広域に拡散され、汚れ付着抑制効果をより向上しやすい。一方、銀系化合物の粒子が小さすぎると、除菌剤が拡散した後に落下しにくくなり、対象空間の下方における除菌剤の効果の発現までに時間を要する。なお、煙化率とは、燻煙剤組成物中の除菌剤の総質量に対する煙化した除菌剤の質量の割合をいう。
例えば、除菌剤として銀系化合物を用いた場合、銀系化合物の体積平均粒子径は、0.01~1000μmが好ましく、0.5~100μmがより好ましく、1~5μmがさらに好ましい。本実施形態の燻煙剤組成物においては、このような比較的大きな粒子径の除菌剤であっても、煙化して拡散することができる。ここで、「煙化」とは、除菌剤を対象空間に拡散できる状態にすることを意味する。
なお、体積平均粒子径は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(LA910、株式会社堀場製作所製)により求められる値をいい、次のようにして測定できる。
除菌剤を固形分が1質量%となるように蒸留水に分散して試料とする。この試料をレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置に投入し、装置内で超音波によって分散後、レーザーを照射して粒度分布を測定する。体積頻度の累積が50体積%となる粒子径を体積平均粒子径とする。
除菌剤の含有量は、除菌剤の種類や有効成分濃度、燻煙剤に求める機能に応じて決定できる。
除菌剤が銀系化合物の場合、除菌剤の含有量は、燻煙剤組成物中の銀濃度が0.001~0.5質量%となる量が好ましく、0.05~0.1質量%となる量がより好ましい。除菌剤の含有量が上記数値範囲内であると、除菌剤の効果をより高められる。除菌剤の含有量が0.001質量%未満であると、微生物に対する除菌剤の効果が低下する。除菌剤の含有量が0.5質量%を超えても、除菌剤の効果が飽和し、コストが増大する。加えて、除菌剤の含有量が0.5質量%超であると、相対的に他の成分の含有量が少なくなり、(A)成分や(B)成分の飛散率が低下するおそれがある。
除菌剤がIPMP等の有機系薬剤の場合、除菌剤の含有量は、燻煙剤組成物の総質量に対して、1~30質量%が好ましく、1~20質量%がより好ましい。除菌剤の含有量が上記数値範囲内であると、除菌剤の効果をより高められる。除菌剤の含有量が1質量%未満であると、微生物に対する除菌剤の効果が低下する。除菌剤の含有量が30質量%を超えても、除菌剤の効果が飽和し、コストが増大する。加えて、除菌剤の含有量が30質量%超であると、相対的に他の成分の含有量が少なくなり、(A)成分や(B)成分の飛散率が低下するおそれがある。
<殺虫剤>
本実施形態の燻煙剤組成物は、殺虫剤を含有することで、微生物抑制効果を高められる。殺虫剤としては、例えば、ピレスロイド系化合物が挙げられる。ピレスロイド系化合物としては、例えば、メトフルトリン、トランスフルトリン、3-フェノキシベンジルクリサンテマート(フェノトリンともいう。)、d・d-Tシフェノトリン、シフェノトリン、アレスリン、ピナミンフォルテ、バイオアレスリン、d-T80-フタルスリン、レスメトリン、3-フェノキシベンジル(1RS,3RS;1RS,3SR)-3-(2,2-ジクロロビニル)-2,2-ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、フェンバレレート、フェンプロパトリン、エンペントリン、ベンフルスリン、テフルスリン、テラレスリン、エトフェンプロックス等が挙げられる。
殺虫剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
燻煙剤組成物が殺虫剤を含有する場合、殺虫剤の含有量は、燻煙剤組成物の総質量に対して、1~30質量%が好ましく、1~20質量%がより好ましい。殺虫剤の含有量が上記下限値以上であると、殺虫剤の効果をより高められる。殺虫剤の含有量が上記上限値以下であると、コストを抑制でき、殺虫剤以外の成分の含有量を確保でき、(A)成分や(B)成分の飛散率を維持しやすい。
<結合剤>
本実施形態の燻煙剤組成物は、結合剤を含有することが好ましい。燻煙剤組成物が結合剤を含有すると、顆粒成形性が向上する。燻煙剤組成物は、粉状(粉末状)、粒状(顆粒状)、錠剤状のいずれの形状であってもよい。燻煙剤組成物が顆粒状であると、粉末状の場合に比べ、燻煙剤組成物が密になり、より熱が伝わりやすく効率的に昇温するため、煙化率を高めやすい。煙化率を高めると、対象空間により多くの成分を揮散できるため、汚れ付着抑制効果をより向上しやすい。このため、燻煙剤組成物は、顆粒状であることが好ましい。
結合剤としては、例えば、セルロース類(カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等)、デンプン系高分子化合物(デンプン、スターチ等)、天然系高分子化合物(アラビアゴム、ゼラチン等)、合成系高分子化合物(ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等)等が挙げられる。
本明細書において、「高分子化合物」とは、質量平均分子量が1000以上の化合物をいう。質量平均分子量は、標準物質をポリエチレングリコールとして、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により求められる。
燻煙剤組成物が結合剤を含有する場合、結合剤の含有量は、燻煙剤組成物の総質量に対して、3~8質量%が好ましい。結合剤の含有量が上記下限値以上であると、設置から燻煙開始までの時間をより長くすることができ、燻煙開始時に使用者が被煙することを防ぎやすい。結合剤の含有量が上記上限値以下であると、良好な燻煙性能(噴出力)が得られやすい。
<賦形剤>
賦形剤としては、例えば、無機鉱物(クレー、カオリン、タルク、石英、水晶等)等が挙げられる。
燻煙剤組成物が賦形剤を含有する場合、賦形剤の含有量は、燻煙剤組成物の総質量に対して、2~45質量%が好ましく、10~30質量%がより好ましい。賦形剤の含有量が上記下限値以上であると、顆粒成形性が向上し、燻煙性能がより安定になる。賦形剤の含有量が上記上限値以下であると、充分な燻煙性能(噴出力)が得られやすい。
<発熱助剤>
発熱助剤としては、例えば、酸化亜鉛、メラミン等が挙げられる。
<安定剤>
安定剤としては、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドキシアニソール、没食子酸プロピル(プロピル-3,4,5-トリヒドロキシベンゾエート)、エポキシ化合物(エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油等)等が挙げられる。
<効力増強剤>
効力増強剤としては、例えば、ピペロニルブトキシド(5-[2-(2-ブトキシエトキシ)エトキシメチル]-6-プロピル-1,3-ベンゾジオキソール)、S-421(ジ(2,3,3,3-テトラクロロプロピル)エーテル)等が挙げられる。
<酸化防止剤>
酸化防止剤としては、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、トコフェロール等が挙げられる。
<賦香剤>
賦香剤としては、各種香料が挙げられる。香料は、燻煙剤組成物を使用した際の香りの付与、燻煙剤臭気のマスキングを付与することができる。香料成分は特に限定されないが、使用できる香料原料のリストは、様々な文献に記載されている。
これらの文献としては、例えば、「Perfume and Flavor Chemicals 」,Vol.Iand II,Steffen Arctander,Allured Pub.Co.(1994)、「合成香料 化学と商品知識」、印藤元一著、化学工業日報社(1996)、「Perfume and Flavor Materials of Natural Origin 」,Steffen Arctander,Allured Pub.Co.(1994 )、「香りの百科」、日本香料協会編、朝倉書店(1989)、「Perfumery Material Performance V.3.3」,Boelens Aroma Chemical Information Service(1996)、「Flower oils and Floral Compounds In Perfumery」,Danute Lajaujis Anonis,AlluredPub.Co.(1993)等が挙げられる。
これら任意成分の含有量は、燻煙剤組成物の総質量に対して、10~50質量%が好ましく、10~40質量%がより好ましく、10~30質量%がさらに好ましい。
(A)成分と、これら任意成分との合計量は、燻煙剤組成物の総質量を100質量%として、100質量%を超えない。
[燻煙剤組成物の製造方法]
本発明の硬表面の汚れ付着抑制方法に係る燻煙剤組成物は、粉状、粒状、錠剤等の固形製剤として調製できる。燻煙剤組成物の製造方法としては、目的とする剤形に応じて、公知の製造方法が用いられる。例えば、粒状の製剤とする場合は、押出し造粒法、圧縮造粒法、撹拌造粒法、転動造粒法、流動層造粒法等の、公知の造粒物の製造方法により製造できる。
押出し造粒法による製造方法の具体例として、燻煙剤組成物の各成分を、ニーダー等により混合し、必要に応じて適量の水を加えて混合し、得られた混合物を任意の開孔径を有するダイスを用い、前押出しあるいは横押出し造粒機で造粒する方法が挙げられる。得られる造粒物をさらにカッター等で任意の大きさに切断し、水分除去のための乾燥を行ってもよい。
乾燥方法は、例えば、従来公知の乾燥機を用いた加熱乾燥法が挙げられる。
乾燥温度は、特に限定されないが、香料等の揮発を抑制する観点から、50~80℃が好ましい。
乾燥時間は、乾燥温度に応じて適宜決定される。
乾燥後の燻煙剤組成物の水分の含有量は、特に限定されないが、5質量%以下が好ましく、2質量%以下がより好ましく、0質量%であってもよい。水分の含有量が上記上限値以下であると、(A)成分の揮散率を良好にしやすい。
水分の含有量は、例えば、乾燥後の燻煙剤組成物をすりつぶし、105℃、20分の条件にて、水分計で測定することができる。水分計としては、(株)島津製作所製の水分計「MOC-120H」が挙げられる。
[燻煙剤組成物の使用方法]
本発明の燻煙剤組成物の使用方法、すなわち、本発明の硬表面の汚れ付着抑制方法は、(A)成分を含む燻煙剤組成物を加熱してガスを発生する工程(加熱工程)と、硬表面を有する対象物にガスを接触する工程(接触工程)と、を有する。
<加熱工程>
加熱工程は、(A)成分を含む燻煙剤組成物を加熱してガスを発生する工程である。燻煙剤組成物を任意の温度に加熱すると、(A)成分が分解し、窒素ガス等のガスを発生する。発生したガスは、対象空間内に拡散する。
燻煙剤組成物を加熱する方法は特に限定されず、公知の方法を採用できる。例えば、金属製容器、セラミック製容器等の容器に本実施形態の燻煙剤組成物を収容し、密閉した対象空間内で、直接的又は間接的に燻煙剤組成物を加熱する方法が挙げられる。
燻煙剤組成物を加熱する際の加熱温度は、200℃~700℃が好ましく、250℃~600℃がより好ましい。加熱温度が上記数値範囲内であると、燻煙剤組成物を充分に飛散でき、対象物を充分に燻煙できる。
燻煙剤組成物を加熱する場合、直接的に加熱するよりも間接的に加熱する方が、燻煙時の(A)成分や(B)成分に由来する臭気を低減しやすく、燻煙剤組成物の燃えカス等による汚染を低減しやすい。このため、燻煙剤組成物を間接的に加熱することが好ましい。
燻煙剤組成物を直接的に加熱する方法としては、例えば、特開2002-199834号公報に記載の点火具を有する燻煙発生装置を用いて加熱する方法が挙げられる。
燻煙剤組成物を間接的に加熱する方法としては、例えば、燻煙剤組成物を燃焼させることなく、(A)成分が熱分解し得る温度まで燻煙剤組成物に熱エネルギーを供給する方法が挙げられる。燻煙剤組成物を間接的に加熱する方法としては、間接加熱方式の燻煙方法に通常用いられる公知の加熱方法を採用できる。
燻煙剤組成物を間接的に加熱する方法として、より具体的には、例えば、水と接触して発熱する物質(発熱剤)と水とを接触させ、その反応熱を利用して燻煙剤組成物を加熱する方法(i)、鉄粉と酸化剤(塩素酸アンモニウム等)との混合による酸化反応、又は金属と該金属よりイオン化傾向の小さい金属酸化物もしくは酸化剤との混合による酸化反応により発生する熱を利用して燻煙剤組成物を加熱する方法(ii)等が挙げられる。なかでも、実用性の点から、方法(i)が好ましい。
上記方法(i)としては、例えば、特開2013-146240号公報に記載の間接加熱方式の燻煙装置を利用して燻煙剤組成物を加熱する方法が挙げられる。間接加熱方式の燻煙装置としては、例えば、有底筒状の外容器と該外容器内に設けられた有底筒状の内容器とを備え、前記内容器内には発熱剤が充填された加熱部と、燻煙剤組成物が充填された被加熱部とが伝熱部を介して設けられ、前記外容器に水を入れることによって前記発熱剤を発熱させて前記燻煙剤組成物を蒸散する燻煙装置が挙げられる。
水と接触して発熱する物質(発熱剤)としては、例えば、酸化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化アルミニウム、塩化カルシウム、塩化鉄等が挙げられる。なかでも、発熱剤としては、実用性の点から、酸化カルシウムが好ましい。
発熱剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
発熱剤と燻煙剤組成物との質量比(以下、「発熱剤/燻煙剤比」ともいう。)は、2.5~7.0が好ましく、2.5~3.5がより好ましい。発熱剤/燻煙剤比が上記下限値以上であると、汚れ付着抑制効果を充分に発揮できる。発熱剤/燻煙剤比が上記上限値以下であると、燻煙剤組成物を収容した燻煙剤製品の使用性を向上できる。
<接触工程>
接触工程は、硬表面を有する対象物に加熱工程で発生したガスを接触する工程である。接触工程では、加熱工程で拡散したガスが、対象物に接触する。これにより、硬表面に無機粒子が付着することを抑制でき、汚れ付着抑制効果を付与できる。
接触工程においては、ガスと対象物との接触効率を高める観点から、対象空間を密閉することが好ましい。
接触工程における燻煙処理時間は、特に限定されないが、例えば、30分間~120分間が好ましく、60分間~90分間がより好ましい。燻煙処理時間が上記下限値以上であると、汚れ付着抑制効果をより高められる。燻煙処理時間が上記上限値以下であると、一定時間により多くの対象物を処理できるため、燻煙処理の効率をより高められる。ここで、燻煙処理時間とは、燻煙を開始してから、対象空間の密閉を解除するまでの時間をいう。
なお、燻煙処理時間が上記上限値超であっても、燻煙処理の効率が低下する場合があるものの、汚れ付着抑制効果の低下や、対象物への不具合は特にない。
燻煙剤組成物の使用量は、対象空間の容積に応じて適宜設定すればよく、1m当たり0.1~2.4gが好ましく、1m当たり0.4~2.0gがより好ましい。燻煙剤組成物の使用量が上記数値範囲内であると、汚れ付着抑制効果をより高められる。
燻煙剤組成物の使用量は、対象空間の表面積に応じて適宜設定してもよい。この場合、燻煙剤組成物の使用量は、1m当たり0.03~0.7gが好ましく、1m当たり0.1~0.6gがより好ましい。燻煙剤組成物の使用量が上記数値範囲内であると、汚れ付着抑制効果をより高められる。
上述の通り、本発明の硬表面の汚れ付着抑制方法は、加熱工程と接触工程とを有するため、燻煙剤組成物中の(A)成分が分解し、発生したガスが対象空間に拡散し、対象物と接触する。このため、対象物の硬表面に無機粒子が付着することを抑制できる。
本発明の硬表面の汚れ付着抑制方法は、燻煙によって対象物の硬表面を処理するため、容易に汚れ付着抑制効果を付与できる。
本発明の硬表面の汚れ付着抑制方法は、容易に汚れ付着抑制効果を付与できるため、広い面積を有し掃除の負担が大きい、鉄道車両用、車両用、船舶用、航空機用、又は商業施設用として特に有用である。
本発明の硬表面の汚れ付着抑制方法は、上述の実施形態には限定されない。
上述の実施形態では、燻煙剤組成物を加熱してガスを発生するための容器の数については特に言及していないが、燻煙剤組成物を加熱してガスを発生するための容器の数は1個でもよく、2個以上であってもよい。
上述の実施形態では、硬表面を有する対象物に加熱工程で発生したガスを接触させる回数については特に言及していないが、硬表面を有する対象物に加熱工程で発生したガスを接触させる回数は、1回でもよく、2回以上でもよい。
以下、実施例を示して本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の記載によって限定されるものではない。
各実施例及び比較例で使用した原料、測定・評価方法は、以下の通りである。
なお、実施例1、3~8は参考例である。
[使用原料]
≪(A)成分≫
A-1:アゾジカルボンアミド、商品名「ビニホール(登録商標)AC#3-K7」、永和化成工業(株)製。
≪任意成分≫
<(B)成分>
((B-1)成分)
B-1-1:オキシプロピレンとオキシエチレンとの共重合型ノニオン界面活性剤、商品名「Pluronic(登録商標)RPE1740」、BASFジャパン(株)製。
B-1-2:アルキレンオキシド付加型ノニオン界面活性剤、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20EO)、商品名「ノニオンLT-221L」、日油(株)製。
B-1-3:ソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタンモノオレート、商品名「エマゾール(登録商標)O-10V」、花王(株)製。
((B-2)成分)
B-2-1:ジデシルジメチルアンモニウム、商品名「リポカード(登録商標)210-80E」、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製。
B-2-2:塩化ドデシルトリメチルアンモニウム、商品名「リポカード(登録商標)12-37W」、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製。
((B-3)成分)
B-3-1:アニオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム(3EO)、商品名「テイカポール(登録商標)NE1230」、テイカ(株)製。
B-3-2:両性界面活性剤、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン(35%溶液)、商品名「SWANOL(登録商標)AM-301」、日本サーファクタント工業(株)製。
ジプロピレングリコール:試薬、関東化学(株)製。
銀担持ゼオライト系無菌抗菌剤:商品名「ゼオミック(登録商標)AJ10N」、銀含量2.5質量%、体積平均粒子径2.5μm、結晶性ゼオライト、(株)シナネンゼオミック製。
ZnO:酸化亜鉛、「日本薬局方 酸化亜鉛」、平均粒子径0.6μm、真比重5.6g/cm(20℃)、堺化学工業(株)製。
HPMC:ヒドロキシプロピルメチルセルロース、商品名「メトローズ(登録商標)60SH-50」、信越化学工業(株)製。
香料:表3に記載の香料組成物。
クレー:商品名「NK-300」、昭和KDE(株)製。
水:イオン交換水。
<発熱剤>
酸化カルシウム:商品名「酸化カルシウムCaH」、吉澤石灰工業(株)製。
<性能評価に用いた成分>
鉄粉:鉄粉末、試薬、富士フィルム和光純薬(株)製。
カーボン:カーボンブラック、試薬、米山薬品工業(株)製。
[実施例1~30]
<燻煙剤組成物の製造>
室温(20℃)条件下において、表1~2に示す組成に従い、各成分をニーダー(S5-2G型、株式会社モリヤマ製)で攪拌して混合した後、組成全量を100質量部として10質量部の水を加えて混合し、混合物を得た。得られた混合物を直径2mmの開孔を有するダイスの前押し出し造粒機(EXK-1、株式会社不二パウダル製)を用い造粒し、造粒物を得た。得られた造粒物をフラッシュミル(FL300、株式会社不二パウダル製)により長さ2~5mmに切断し、70℃に設定した乾燥機(RT-120HL、アルプ株式会社製)により2時間乾燥させ、顆粒状の燻煙剤組成物を得た。
<燻煙装置の製造>
底面に不織布を用い略円筒状の本体からなる筐体に酸化カルシウム25gを充填し加熱部とした。上記筐体内に設けられた有底円筒状の内容器に各例の燻煙剤組成物4gを充填し間接加熱方式の燻煙装置を作製した。
[比較例1~4]
<比較例の組成物の製造>
室温(20℃)条件下において、表2に示す組成に従い、1Lガラスビーカーにイオン交換水を入れた後、(B)成分を加えて、マグネチックスターラーを用いて、撹拌し、混合して分散させ、液体組成物を得た。比較例4では、イオン交換水に代えてジプロピレングリコールを用いて液体組成物を得た。
<汚れ付着抑制効果の評価>
得られた燻煙剤組成物又は液体組成物を用いて、以下の汚れ付着抑制効果の評価を行った。結果を表1~2に示す。表中、「組成物」の単位は、「質量%」であり、純分換算量を示す。表中「-」は、その成分が含まれていないことを示す。表中、クレー又は水の含有量「バランス」は、燻煙剤組成物又は液体組成物に含まれる全配合成分の合計の配合量が100質量%となるように加えられる残部を意味する。
(1)燻煙処理(実施例1~30、比較例4)
図1に示すように、密閉可能な評価室100(L1=L2=1600mm、H1=2000mm)を対象空間として用意した。評価室100の床102に内装品として5cm角のプラスチック板20を設置した。評価室100の床102の略中央部に、23mLの水を入れた給水用プラスチック容器10を設置した。
各例に従って作製した間接加熱方式の燻煙装置に燻煙剤組成物4gを充填し、この燻煙装置を給水用プラスチック容器10に入れて燻煙を開始し、評価室100を密閉した。発煙が開始してから60分後に評価室100内の空気を排気し、プラスチック板20を回収した。回収したプラスチック板20に鉄粉0.2g又はカーボン0.2gをそれぞれ均一に振りかけた後、プラスチック板20を裏返し、鉄粉又はカーボンを振りかけた面と反対側の面から振動を与えた。振動を与えた後のプラスチック板20に残った鉄粉の量又はカーボンの量を、燻煙処理を行わずに鉄粉又はカーボンを振りかけたプラスチック板(未処理のプラスチック板)と目視で比較し、下記評価基準に基づいて汚れ付着抑制効果を評価した。
《評価基準》
5:汚れの付着がほとんどない。
4:汚れの付着がわずかに認められる。
3:汚れの付着が認められるが、未処理のプラスチック板よりも汚れの付着が明らかに少ない。
2:汚れの付着が認められるが、未処理のプラスチック板と比べて、汚れの付着がわずかに少ない。
1:未処理のプラスチック板と同程度の汚れの付着が認められる。
なお、評価室100において、燻煙剤組成物中の(B)成分がプラスチック板20に付着する質量は、以下のようにして算出できる。
燻煙剤組成物100質量%に対して、(B)成分の含有量が10質量%の場合、
・評価室100の内側の表面積:1.6m×1.6m×2(天面+床面)+1.6m×2.0m×4(壁4面)=17.92m
・プラスチック板20の表面積:0.05m×0.05m=0.0025m
・(B)成分の付着量:4g×10/100×0.0025m/17.92m=0.0000558g。
(2)噴霧処理(比較例1)
比較例1の液体組成物500gをスプレー容器に充填し、内装品として5cm角のプラスチック板に、(B)成分の付着量が燻煙処理の場合と同程度となるように、0.5g噴霧し、25℃、60%RHの環境下で24時間乾燥させた。乾燥後のプラスチック板に、鉄粉0.2g又はカーボン0.2gをそれぞれ均一に振りかけた後、プラスチック板を裏返し、鉄粉又はカーボンを振りかけた面と反対側の面から振動を与えた。振動を与えた後のプラスチック板に残った鉄粉の量又はカーボンの量を目視で確認し、燻煙処理の場合と同様に、汚れ付着抑制効果を評価した。
なお、噴霧した際に、液体組成物中の(B)成分がプラスチック板に付着する質量は、以下のようにして算出できる。
液体組成物100質量%に対して、(B)成分の含有量が0.01質量%の場合、
・(B)成分の付着量:0.5g×0.01/100=0.00005g。
(3)塗布処理(比較例2~3)
(B)成分の付着量が燻煙処理及び噴霧処理の場合と同程度となるように、内装品として5cm角のプラスチック板に、比較例2の液体組成物0.5gをスポイトで塗布した。その後、噴霧処理の場合と同様の条件でプラスチック板を乾燥させ、噴霧処理の場合と同様の処理を行い、プラスチック板に残った鉄粉の量又はカーボンの量を目視で確認し、燻煙処理の場合と同様に、汚れ付着抑制効果を評価した。比較例3の液体組成物についても同様の評価を行った。
なお、塗布した際に、液体組成物中の(B)成分がプラスチック板に付着する質量は、以下のようにして算出できる。
液体組成物100質量%に対して、(B)成分の含有量が0.01質量%の場合、
・(B)成分の付着量:0.5g×0.01/100=0.00005g。
Figure 0007341045000001
Figure 0007341045000002
Figure 0007341045000003
表1~2に示すように、本発明を適用した実施例1~30は、鉄粉又はカーボンの汚れに対する汚れ付着抑制効果の評価が「3~5」で、無機粒子汚れに対する汚れ付着抑制効果に優れていた。
これに対し、(A)成分を含有せず、噴霧や塗布により硬表面を処理した比較例1~3は、鉄粉又はカーボンの汚れに対する汚れ付着抑制効果の評価が「1」だった。
燻煙による処理を行ったものの、(A)成分を含有しない比較例4は、鉄粉又はカーボンの汚れに対する汚れ付着抑制効果の評価が「1」だった。
これらの結果から、本発明によれば、汚れ付着抑制効果により優れることが分かった。
10 給水用プラスチック容器
20 プラスチック板
100 評価室
102 床

Claims (8)

  1. (A)成分:有機発泡剤と、(B)成分:下記式(I)で表されるトリブロック型ノニオン界面活性剤を含む界面活性剤と、を含む燻煙剤組成物を加熱してガスを発生し、硬表面を有する対象物に前記ガスを接触させる、硬表面の汚れ付着抑制方法。
    -O-(PO) -(EO) -(PO) -R ・・・(I)
    式(I)中、R 及びR はそれぞれ独立して、水素原子又は炭素数1~6の炭化水素基を表わし、POはプロピレンオキシドであり、EOはエチレンオキシドであり、fはPOの平均繰返し数を表し、5~150の数であり、gはEOの平均繰返し数を表し、5~250の数であり、hはPOの平均繰返し数を表し、5~150の数である。
  2. 前記R 及び前記R が水素原子である、請求項1に記載の硬表面の汚れ付着抑制方法。
  3. 前記(A)成分/前記(B)成分で表される質量比が、4~40である、請求項1又は2に記載の硬表面の汚れ付着抑制方法。
  4. 前記(B)成分の含有量が、前記燻煙剤組成物の総質量に対して2~30質量%である、請求項1~3のいずれか一項に記載の硬表面の汚れ付着抑制方法。
  5. 前記硬表面に無機粒子が付着することを抑制する、請求項1~4のいずれか一項に記載の硬表面の汚れ付着抑制方法。
  6. 鉄道車両用、車両用、船舶用、航空機用、又は商業施設用である、請求項1~5のいずれか一項に記載の硬表面の汚れ付着抑制方法。
  7. 間接加熱方式の燻煙装置を利用して前記燻煙剤組成物を加熱する、請求項1~6のいずれか一項に記載の硬表面の汚れ付着抑制方法。
  8. 前記間接加熱方式の燻煙装置における発熱剤と前記燻煙剤組成物との前記発熱剤/前記燻煙剤組成物で表される質量比が2.5~7.0である、請求項7に記載の硬表面の汚れ付着抑制方法。
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