JP6726533B2 - 間接加熱型燻煙剤組成物、及び間接加熱型燻煙装置 - Google Patents
間接加熱型燻煙剤組成物、及び間接加熱型燻煙装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6726533B2 JP6726533B2 JP2016112599A JP2016112599A JP6726533B2 JP 6726533 B2 JP6726533 B2 JP 6726533B2 JP 2016112599 A JP2016112599 A JP 2016112599A JP 2016112599 A JP2016112599 A JP 2016112599A JP 6726533 B2 JP6726533 B2 JP 6726533B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- component
- heating type
- indirect heating
- smoke
- agent
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Apparatus For Disinfection Or Sterilisation (AREA)
- Disinfection, Sterilisation Or Deodorisation Of Air (AREA)
- Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
Description
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、低温環境下でも濃い煙を発生することができる間接加熱型燻煙剤組成物を提供することである。
すなわち本発明は、以下の態様を有する。
[1]下記(A)〜(C)成分を含有し、
成分(B)/成分(C)で表される質量比が4〜1400である間接加熱型燻煙剤組成物。
成分(A):薬剤。
成分(B):有機発泡剤。
成分(C):水溶性無機塩。
[2]前記成分(C)がアニオン部とカチオン部とを含み、
前記アニオン部がSO4 2−、CO3 2−、Cl−、SiO3 2−、及びNO3 −からなる群から選択される少なくとも1種であり、
前記カチオン部がNa+、K+、Zn2+、Mg2+、及びCa2+からなる群から選択される少なくとも1種である、[1]に記載の間接加熱型燻煙剤組成物。
[3]さらに成分(D)として界面活性剤を含有し、
成分(D)/成分(C)で表される質量比が0.1〜160である、[1]又は[2]に記載の間接加熱型燻煙剤組成物。
[4]筒状の本体、底部、及び蓋部を備える筐体と、
前記筐体内に発熱剤が収容されてなる加熱部と、
前記筐体内に設けられ前記加熱部の上方に位置する金属製の燻煙剤容器とを備え、
前記燻煙剤容器に[1]〜[3]のいずれか一項に記載の間接加熱型燻煙剤組成物が充填されてなる、間接加熱型燻煙装置。
成分(A)は薬剤である。成分(A)を用いることで、殺菌、抗菌、防カビ、抗カビ等の微生物抑制効果や、消臭効果、殺虫効果等を発揮できる。
無機系薬剤としては、例えば、有効成分として、抗菌・殺菌・防カビ・抗カビ・消臭作用を持つ銀単体;酸化銀;塩化銀、硝酸銀、硫酸銀、炭酸銀、スルホン酸銀塩等の無機銀塩;蟻酸銀、酢酸銀等の有機銀塩等の銀化合物を含むものが挙げられる。
中でも、成分(A)としては、成分(A)由来の臭気をより低減する観点から、銀単体、酸化銀、硝酸銀等の無機銀塩又はこれらを担体に担持させた銀含有無機薬剤が好ましい。特に銀化合物を担持したゼオライト系抗菌剤が好ましい。無機薬剤を用いることで、燻煙処理時及び燻煙処理後における成分(A)由来の臭気をより低減できる。
これらの成分(A)は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
例えば、成分(A)として銀系化合物を用いた場合は、体積平均粒子径は、0.01〜1000μmが好ましく、0.5〜100μmがより好ましく、1〜5μmがさらに好ましい。本発明の間接加熱型燻煙剤組成物においては、このような比較的大きな粒子径の成分(A)であっても、煙化して拡散することができる。ここで、「煙化」とは、成分(A)を対象空間に拡散できる状態にすることを意味する。
なお、体積平均粒子径は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(LA910、株式会社堀場製作所製)により求められる値をいい、次のようにして測定できる。成分(A)を固形分1質量%となるように蒸留水に分散して試料とする。この試料をレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置に投入し、装置内で超音波によって分散後、レーザーを照射して粒度分布を測定する。体積頻度の累積が50%(体積)となる径を体積平均粒子径とする。
一方、有機系薬剤(IPMP等)の場合、成分(A)の含有量は、間接加熱型燻煙剤組成物の総質量に対し、1〜30質量%が好ましく、1〜20質量%がより好ましい。成分(A)の含有量が上記数値範囲内であれば、成分(A)による効果が充分に得られやすい。
成分(B)は、有機発泡剤である。成分(B)としては、加熱により熱分解して多量の熱を発生すると共に、炭酸ガスや窒素ガス等(以下、総じて発泡ガスという)を発生するものが用いられ、例えば、アゾジカルボンアミド、p,p’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、アゾビスイソブチロニトリル等が挙げられる。中でも、分解温度、発泡ガスの発生量等の観点から、アゾジカルボンアミドが好ましい。これら成分(B)は加熱により成分(A)と発泡溶融し、成分(B)の熱分解ガスの作用によって成分(A)を煙化できる。
これらの成分(B)は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
成分(C)は、水溶性無機塩である。水溶性無機塩とは、20℃の水100mLに5g以上が透明に溶解する無機塩を意味する。水溶性無機塩は該条件を満たすものであれば特に限定されず、無機塩の水和物も含まれる。
成分(C)はアニオン部とカチオン部とを含み、アニオン部がSO4 2−、CO3 2−、Cl−、SiO3 2−、及びNO3 −からなる群から選択される少なくとも1種であり、カチオン部が、Na+、K+、Zn2+、Mg2+、及びCa2+からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
成分(C)としては、例えば、Na2SO4、K2SO4、ZnSO4、MgSO4、Na2CO3、K2CO3、NaCl、KCl、ZnCl2、MgCl2、CaCl2、Na2SiO3、K2SiO3、NaNO3、KNO3、Zn(NO3)2、Mg(NO3)2、Ca(NO3)2又はこれらの水和物等が挙げられ、硫酸亜鉛七水和物(ZnSO4・7H2O)、炭酸ナトリウム(Na2CO3)、ケイ酸ナトリウム(Na2SiO3)、硫酸マグネシウム七水和物(MgSO4・7H2O)、塩化ナトリウム(NaCl)、塩化カルシウム(CaCl2)が好ましく、硫酸亜鉛七水和物、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウムがより好ましい。
これらの成分(C)は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
比重は気相置換法等の一般的な測定方法によって求めることが出来る。
成分(C)の含有量を上記数値範囲内であることにより、低温環境下であっても燻煙処理時に濃い煙が発生し、使用者が実効感を得ることができる。
B/C比が上記数値範囲内であることにより、低温環境下であっても燻煙処理時に煙の濃い煙が発生し、使用者が実効感を得ることができる。
本発明の間接加熱型燻煙剤組成物は、上記成分(A)〜(C)の他に、任意成分として、界面活性剤(以下、成分(D)ともいう)を含んでいてもよい。
成分(D)としては、例えば、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤が挙げられる。
陽イオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルトリメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、アルキルアミン塩等が挙げられる。
非イオン性界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル類、グリセリン脂肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸類、ショ糖脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル類、グリセリンアルキルエーテル、POE−ソルビタン脂肪酸エステル類、POE−グリセリン脂肪酸エステル類、POE−プロピレングリコール脂肪酸エステル、POE−アルキルエーテル類、POE・ポリオキシプロピレン(POP)−アルキルエーテル類、アルカノールアミド類、オキプロピレンとオキシエチレンの共重合型非イオン界面活性剤類等が挙げられる。
これらの成分(D)は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
多価アルコールの脂肪酸エステル又はそのエチレンオキサイド付加物としてはソルビタン脂肪酸エステル類、POE−ソルビタン脂肪酸エステル類、グリセリン脂肪酸エステル類がより好ましい。例えば、モノオレイン酸エステル、モノラウリン酸エステル、モノカプリル酸グリセリル等が挙げられる。
オキプロピレンとオキシエチレンの共重合型非イオン界面活性剤類としては、式(I)で表わされる、EOがPOで挟まれたトリブロック型非イオン界面活性剤が好ましい。
R1−O−(PO)f−(EO)g−(PO)h−R2 ・・・(I)
式(I)のR1およびR2はそれぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜6の炭化水素基を表わし、両者とも水素原子が好ましい。fはPO(オキシプロピレン基)の平均繰返し数(平均付加モル数)を表し、5〜150の数が好ましく、10〜30の数がより好ましい。gはEO(オキシエチレン基)の平均繰返し数(平均付加モル数)を表し、5〜250の数が好ましく、5〜30の数がより好ましい。hはPOの平均繰返し数(平均付加モル数)を表し、5〜150の数が好ましく、10〜30の数がより好ましい。また、f+g+h=20〜500であることが好ましい。市販品としては、例えばBASFジャパン株式会社製の「PluronicRPE1740」、「PluronicRPE2525」などが挙げられる。
D/C比と上記数値範囲内とすることにより、低温環境下であっても燻煙処理時に煙の濃い煙が発生し、使用者が実効感を得ることができる。
成分(D)以外の任意成分としては、例えば、香料、結合剤、賦形剤、発熱助剤、安定剤、効力増強剤、酸化防止剤等が挙げられる。
成分(D)以外の任意成分は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
香料としては、特に限定されず、例えば、以下の文献に記載された香料等が挙げられる。
「Perfume and Flavor Chemicals」,Vol.Iand II,Steffen Arctander,Allured Pub.Co.(1994)、
「合成香料 化学と商品知識」、印藤元一著、化学工業日報社(1996)、
「Perfume and Flavor Materials of Natural Origin」,Steffen Arctander,Allured Pub.Co.(1994 )、
「香りの百科」、日本香料協会編、朝倉書店(1989)、
「Perfumery Material Performance V.3.3」,Boelens Aroma Chemical Information Service(1996)、
「Flower oils and Floral Compounds In Perfumery」,Danute Lajaujis Anonis,Allured Pub.Co.(1993)等。
結合剤としては、例えば、セルロース類(カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等。)、デンプン系高分子化合物(デンプン、スターチ等。)、天然系高分子化合物(アラビアゴム等。)、合成高分子化合物(ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等。)等が挙げられる。
本発明の間接加熱型燻煙剤組成物が賦形剤を含有する場合、賦形剤の含有量は、間接加熱型燻煙剤組成物の総質量に対し、2〜45質量%が好ましく、10〜30質量%がより好ましい。賦形剤の含有量が下限値以上であれば、顆粒成形性が向上し、燻煙性能がより安定になる。賦形剤の含有量が上限値以下であれば、充分な燻煙性能(噴出力)が得られやすい。
安定剤としては、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドキシアニソール、没食子酸プロピル、エポキシ化合物(エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油等。)等が挙げられる。
効力増強剤としては、例えば、ピペロニルブトキサイド、S−421等が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、トコフェロール等が挙げられる。
成分(A)〜(C)、任意成分の含有量の合計は100質量%を超えない。
本発明の間接加熱型燻煙剤組成物は、粉状、粒状、錠剤などの固形製剤として調製される。
間接加熱型燻煙剤組成物の製造方法としては、目的とする剤形に応じて、公知の製造方法が用いられる。例えば、粒状の製剤とする場合は、押出し造粒法、圧縮造粒法、撹拌造粒法、転動造粒法、流動層造粒法等、公知の造粒物の製造方法が用いられる。
間接加熱型燻煙剤組成物は、成分(A)〜(C)、及び任意成分を混合することにより得られる。
押出し造粒法による製造方法としては、以下の工程を含む方法が挙げられる。まず、間接加熱型燻煙剤組成物の各成分を、ニーダー等により混合する。必要に応じて適量の水を加えて混合してもよい。このときの水の量は、水以外の各成分の合計100質量部に対して5〜15質量部であることが好ましい。続いて、得られた混合物を任意の開孔径を有するダイスを用い、前押出しあるいは横押出し造粒機で造粒する。該造粒物をさらにカッター等で任意の大きさに切断し、水分除去のための乾燥を行ってもよい。
乾燥方法は、例えば、従来公知の乾燥機を用いた加熱乾燥法が挙げられる。
乾燥温度は、特に限定されないが、香料等の揮発を抑制する点から、50〜80℃が好ましい。
乾燥時間は、乾燥温度に応じて適宜決定される。
乾燥した後の間接加熱型燻煙剤組成物の水分含量は、特に限定されないが、間接加熱型燻煙剤組成物の総質量に対し、5質量%以下が好ましく、2質量%以下がより好ましく、0質量%であってもよい。水分含量が5質量%以下であると成分(A)の揮散率が良好である。
本発明の間接加熱型燻煙剤組成物を用いた燻煙方法は、公知の方法を採用できる。例えば、金属製容器、セラミック製容器等の容器に本発明の間接加熱型燻煙剤組成物を収容し、密閉した対象空間内で、間接的に燻煙剤を加熱することによって燻煙する方法が挙げられる。
燻煙剤を間接的に加熱することで、直接的に加熱するよりも、燻煙時の成分(A)や成分(B)に由来する臭気の低減や、燻煙剤の燃えカス等による屋内汚染を低減しやすい。
対象空間としては、特に限定されず、例えば、浴室、居室、押入れ、トイレ等が挙げられる。
具体的には、例えば、水と接触して発熱する物質と水とを接触させ、その反応熱を利用して燻煙剤を加熱する方法(i)、鉄粉と酸化剤(塩素酸アンモニウム等。)との混合による酸化反応、又は金属と該金属よりイオン化傾向の小さい金属酸化物もしくは酸化剤との混合による酸化反応により発生する熱を利用して燻煙剤を加熱する方法(ii)等が挙げられる。なかでも、実用性の点から、方法(i)が好ましい。
成分(A)が銀を含む場合は、銀濃度に換算して空間1m3あたり0.03mg以上となる量で用いることが好ましく、0.25〜3mgとなる量がより好ましい。
燻煙処理時間(燻煙開始後、対象空間の密閉を解除するまでの時間)は、特に限定されないが、1時間以上が好ましく、2時間以上がより好ましい。
燻煙装置10は、図1に示すように、筐体12と、筐体12の内部に設けられた加熱部20と、筐体12の内部に設けられた燻煙剤部32とで概略構成されている。筐体12は略円筒状の本体14と、底部16と、本体14の上部に設けられた蓋部18とで構成されている。筐体12内には、燻煙剤容器30が設けられ、燻煙剤容器30に間接加熱型燻煙剤組成物が充填されて燻煙剤部32が形成されている。
本体14の材質は蓋部18と同じである。
本発明の間接加熱型燻煙剤組成物は、特に居室や浴室用の微生物制御用(防カビ、抗カビ等)の燻煙剤として好適である。なかでも、浴室用防カビ燻煙剤であることが好ましい。
各例の間接加熱型燻煙剤組成物の組成(含有量(質量%))を表2〜4に示す。
表中、空欄の配合成分がある場合、その配合成分は配合されていない。
表中、「バランス」は、間接加熱型燻煙剤組成物に含まれる全配合成分の合計の配合量が100質量%となるように加えられる残部を意味する。
本実施例において使用した原料は下記の通りである。
・A−1:銀担持ゼオライト系無機抗菌剤(商品名:ゼオミックAJ10N、体積平均粒子径2.5μm、真比重2g/cm3(20℃)、嵩比重0.4g/cm3(20℃)、銀含量2.5質量%、株式会社シナネンゼオミック製)。
・A−2:2−イソプロピル−5−メチルフェノール(IPMP)(商品名「ビオゾール」、大阪化成株式会社製)。
・B−1:アゾジカルボンアミド(商品名「ダイブローAC.2040(C)」、大日精化工業株式会社製)。
・C−1:硫酸亜鉛七水和物(ZnSO4・7H2O、純正化学株式会社製、比重:2.0)。
・C−2:炭酸ナトリウム(Na2CO3、和光純薬工業株式会社製、比重:2.2)。
・C−3:ケイ酸ナトリウム(Na2SiO3、和光純薬工業株式会社製、比重:1.4)。
・C−4:硫酸ナトリウム(Na2SO4、関東化学株式会社製、比重:2.7)。
・C−5:硫酸カリウム(K2SO4、関東化学株式会社製、比重:2.7)。
・C−6:硫酸マグネシウム(MgSO4、関東化学株式会社製、比重:2.7)。
・C−7:硫酸マグネシウム七水和物(MgSO4・7H2O、和光純薬工業株式会社製、比重:1.7)。
・C−8:塩化ナトリウム(NaCl、関東化学株式会社製、比重:2.2)。
・C−9:塩化カルシウム(CaCl2、関東化学株式会社製、比重:2.2)。
・C’−1:炭酸マグネシウム(MgCO3、純正化学株式会社製、成分(C)の比較品)。
・D−1:界面活性剤:H−O−(PO)14−(EO)24−(PO)14−H (合成品)。
(合成方法)
プロピレングリコール(1モル)と触媒量の水酸化カリウムとをオートクレーブに仕込み、オートクレーブ内を窒素で置換した後、減圧下で脱水を行った。
ついで、オートクレーブ内の温度を120℃、圧力を0.3MPa以下に維持しつつ、プロピレンオキシド(14モル)を導入し、攪拌しながら反応させ、PO付加体を得た(一段階目)。
引き続き、オートクレーブ内の温度を150℃、圧力を0.3MPa以下に維持しつつ、エチレンオキシド(24モル)を導入し、攪拌しながら反応させ、PO−EO付加体を得た(二段階目)。
引き続き、オートクレーブ内の温度を120℃、圧力を0.3MPa以下に維持しつつ、プロピレンオキシド(14モル)を導入し、攪拌しながら反応させた後(三段階目)、冷却し、酢酸にてpH=6〜8に調整し、上記界面活性剤を得た。
得られた界面活性剤の質量平均分子量をGPCにより測定したところ、2800であった。
・酸化亜鉛:日本薬局方 酸化亜鉛、堺化学工業株式会社製、平均粒子径0.6μm、真比重5.6g/cm3(20℃))。
・ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC):商品名「メトローズ60SH−50」、信越化学工業株式会社製。
・クレー:商品名「MK−300」、昭和KDE株式会社製。
・酸化カルシウム:商品名:CAg、吉澤石灰工業株式会社製。
・香料:表1に示す香料組成物。
<空間処理剤の製造>
表2〜4に示す組成に従い、20℃の条件下において、成分(A)、成分(B)、成分(C)、成分(D)、酸化亜鉛、HPMC、クレー、及び水(成分(A)〜(C)及び任意成分(酸化カルシウム以外)の合計100質量部に対し10質量部の水)をニーダー(S5−2G型、株式会社モリヤマ製)で攪拌混合し、混合物を得た。
得られた混合物を直径2mmの開孔径を有するダイスの前押し出し造粒機(EXK−1、株式会社不二パウダル製)を用い造粒し造粒物を得た。得られた造粒物をフラッシュミル(FL300、株式会社不二パウダル製)により長さ2〜5mmに切断し、70℃に設定した乾燥機(RT−120HL、アルプ株式会社製)により2時間乾燥し、粒状の燻煙剤を得た。得られた燻煙剤について、燻煙した際の煙の濃さを評価した。
(1)燻煙装置の作成
「ルックお風呂の防カビくん煙剤」(ライオン株式会社製)の容器を用意し、容器内の燻煙剤容器内に実施例又は比較例の間接加熱型燻煙剤組成物1gを収容し、さらに同容器内の加熱剤収容部に酸化カルシウム37gを収容し、燻煙装置を作製した。
(2)評価装置の作成
煙の濃さの評価には、図2及び3の評価装置100を使用した。
図4は評価装置100に使用されるアクリル製チャンバー4を表す。
密閉可能な容積96Lのアクリル製チャンバー4(幅40cm×奥行40cm×高さ60cm)内の背面部分に、44ポイントの第一の黒円1を印刷した紙を、黒円の中心が高さ50cm、チャンバーの右端から10cmになるように貼り付けた。
さらに、図2に示すように、チャンバー4から後方に50cm離れた位置に44ポイントの第二の黒円2を貼った板を立て、チャンバー4の正面から見た時に、黒円の中心が高さ50cm、チャンバーの右端から20cmになるように設置した。さらにチャンバー4から1m離れた位置に44ポイントの第三の黒円3を貼った板を立て、チャンバー4の正面から見た時に、黒円の中心が高さ50cm、チャンバーの右端から30cmになるように設置した。このように、図3に示すように、チャンバー4の正面から3つの黒円を視認できるようにした。
(3)煙の濃さの評価
間接加熱型燻煙剤組成物を充填した燻煙装置を、5℃にて12時間冷却した。図4に示すように、上記チャンバー4内に5℃の水23g入れたプラスチック容器5を中央に設置し、冷却した燻煙装置10を速やかにプラスチック容器5の中に設置し、燻煙を開始した。燻煙開始後すぐにチャンバー4を閉じた。
煙の勢いが最大の時(燻煙開始から約2分後)に、チャンバーを正面から見た時に、煙の向こう側の第一の黒円、第二の黒円、第三の黒鉛の見え方を目視で判定し、以下の評価基準に従い評価した。評価結果を表2〜4に併記する。
・◎◎◎:煙の向こう側に、第一の黒円、第二の黒円、第三の黒円がいずれも視認できない。
・◎◎:煙の向こう側に、第二の黒円、第三の黒円が視認できず、第一の黒円は灰色に濁って見える。
・◎:煙の向こう側に、第三の黒円が視認できず、第一の黒円、第二の黒円は灰色に濁って見える。
・○:煙の向こう側に、第一の黒円、第二の黒円、第三の黒円がいずれも灰色に濁って見える。
・△:煙の向こう側に、第二の黒円、第三の黒円が灰色に濁って見え、第一の黒円ははっきりと視認できる。
・×:煙の向こう側に、第一の黒円、第二の黒円、第三の黒円がいずれもはっきりと視認できる。
これに対し、B/C比が本願発明の数値範囲外である比較例1〜2は、煙の濃さが不充分であった。
成分(C)の代わりに水不溶性無機塩を用いた比較例3は、煙の濃さが不充分であった。
成分(C)を含まない比較例4は、煙の濃さが不充分であった。
成分(B)を含まない比較例5は、煙の濃さが不充分であった。
これらの結果から、本発明を適用することで、低温状態でも濃い煙を発生することができることが判った。
20 加熱部
30 燻煙剤容器
32 燻煙剤部
1 第一の黒円
2 第二の黒円
3 第三の黒円
4 チャンバー
5 プラスチック容器
100 評価装置
Claims (4)
- 下記(A)〜(C)成分を含有し、
成分(B)/成分(C)で表される質量比が4〜1400である間接加熱型燻煙剤組成物。
成分(A):薬剤。
成分(B):有機発泡剤。
成分(C):20℃の水100mLに5g以上が透明に溶解する水溶性無機塩。
但し、前記成分(C)がアニオン部とカチオン部とを含み、
前記アニオン部がSO 4 2− 、CO 3 2− 、Cl − 、及びSiO 3 2− からなる群から選択される少なくとも1種であり、
前記カチオン部がNa + 、K + 、Zn 2+ 、Mg 2+ 、及びCa 2+ からなる群から選択される少なくとも1種である。 - 前記成分(C)がNa 2 SO 4 、K 2 SO 4 、ZnSO 4 、MgSO 4 、Na 2 CO 3 、K 2 CO 3 、NaCl、KCl、ZnCl 2 、MgCl 2 、CaCl 2 、Na 2 SiO 3 、K 2 SiO 3 、及びこれらの水和物からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の間接加熱型燻煙剤組成物。
- さらに成分(D)として界面活性剤を含有し、
成分(D)/成分(C)で表される質量比が0.1〜160である、請求項1又は2に記載の間接加熱型燻煙剤組成物。 - 筒状の本体、底部、及び蓋部を備える筐体と、
前記筐体内に発熱剤が収容されてなる加熱部と、
前記筐体内に設けられ前記加熱部の上方に位置する金属製の燻煙剤容器とを備え、
前記燻煙剤容器に請求項1〜3のいずれか一項に記載の間接加熱型燻煙剤組成物が充填されてなる、間接加熱型燻煙装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016112599A JP6726533B2 (ja) | 2016-06-06 | 2016-06-06 | 間接加熱型燻煙剤組成物、及び間接加熱型燻煙装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016112599A JP6726533B2 (ja) | 2016-06-06 | 2016-06-06 | 間接加熱型燻煙剤組成物、及び間接加熱型燻煙装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017218400A JP2017218400A (ja) | 2017-12-14 |
JP6726533B2 true JP6726533B2 (ja) | 2020-07-22 |
Family
ID=60656807
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016112599A Active JP6726533B2 (ja) | 2016-06-06 | 2016-06-06 | 間接加熱型燻煙剤組成物、及び間接加熱型燻煙装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6726533B2 (ja) |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS58135801A (ja) * | 1982-02-08 | 1983-08-12 | Dainippon Jiyochiyuugiku Kk | 「くん」煙殺虫体 |
JPS60130501A (ja) * | 1983-12-17 | 1985-07-12 | Earth Chem Corp Ltd | 燻蒸用薬剤組成物 |
JP5903335B2 (ja) * | 2012-05-30 | 2016-04-13 | ライオン株式会社 | 間接加熱方式用の燻煙剤及び間接加熱方式の燻煙装置 |
JP6014423B2 (ja) * | 2012-08-30 | 2016-10-25 | ライオン株式会社 | 燻煙剤及び燻煙装置 |
-
2016
- 2016-06-06 JP JP2016112599A patent/JP6726533B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2017218400A (ja) | 2017-12-14 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5903334B2 (ja) | 燻煙剤及び燻煙装置 | |
JP5903335B2 (ja) | 間接加熱方式用の燻煙剤及び間接加熱方式の燻煙装置 | |
JP5647815B2 (ja) | 間接加熱方式用燻煙剤組成物、間接加熱方式燻煙装置及び燻煙方法 | |
JP2017225356A (ja) | 間接加熱型燻煙装置 | |
JP2014210714A (ja) | 燻煙剤組成物 | |
JP2010280577A (ja) | 燻煙剤組成物及び燻煙装置 | |
JP6207083B2 (ja) | 顆粒状の燻煙剤組成物 | |
JP6726533B2 (ja) | 間接加熱型燻煙剤組成物、及び間接加熱型燻煙装置 | |
JP6014423B2 (ja) | 燻煙剤及び燻煙装置 | |
JP6945337B2 (ja) | 加熱型燻蒸剤組成物 | |
JP6489696B2 (ja) | 間接加熱型燻煙剤組成物 | |
JP6688703B2 (ja) | 燻煙剤組成物 | |
JP6621324B2 (ja) | 燻煙剤および燻煙装置 | |
JP6850669B2 (ja) | 燻煙剤組成物 | |
JP2019048772A (ja) | 燻煙剤組成物 | |
JP5891289B2 (ja) | 浴室用防カビ燻煙剤組成物 | |
JP6635589B2 (ja) | 防カビ燻煙剤組成物 | |
JP6741489B2 (ja) | 燻煙剤組成物の製造方法 | |
JP7341045B2 (ja) | 硬表面の汚れ付着抑制方法 | |
JP7149814B2 (ja) | 除菌剤組成物 | |
JP6614961B2 (ja) | 燻煙剤および燻煙装置 | |
JP7437112B2 (ja) | 自噴式殺虫キット、自噴式殺虫剤組成物、自噴式殺虫装置及び殺虫方法 | |
JP7482722B2 (ja) | 燻煙方法、燻煙装置及び燻煙装置ユニット | |
JP2023064833A (ja) | 抗菌又は抗ウイルス処理方法 | |
JP2022016925A (ja) | 加熱蒸散剤 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20181019 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20190226 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20200210 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20200218 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20200414 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20200602 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20200629 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6726533 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |