JP2023064833A - 抗菌又は抗ウイルス処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の技術では、壁、床、天井等に、予め付着しているカビ等の低減又は不活化により、カビ発生の抑制を図っているものの、空間処理を施した後に付着するカビ等は考慮されていない。衛生を目的とした空間処理においては、新たに付着したカビ等の微生物の繁殖抑制(抗菌)、又は、新たに付着したウイルスの不活化(抗ウイルス)の効果を高めたいという要望がある。上記事情を鑑み、本発明は、抗菌効果又は抗ウイルス効果の向上を図る。【解決手段】有機発泡剤(A)を含有する燻煙剤組成物を加熱して、処理対象空間内に煙状物を拡散する燻煙処理を1回又は2回以上施す燻煙工程を有し、前記燻煙工程は、累計で処理対象空間における直径3μm以上の粒子の数が100万個以上/Lの有効状態を60分間以上とすることよりなる。【選択図】なし

Description

本発明は、抗菌又は抗ウイルス処理方法に関する。
浴室等のカビ発生防止を目的とし、燻煙剤組成物を加熱し、生じた煙状物で室内に空間処理を施す方法がある。
例えば、特許文献1には、実質的に防カビ剤を含有せず、アゾジカルボンアミド等の有機系発泡剤を含む燻煙剤組成物を加熱反応させ、発生する煙によりカビの発生を抑制させる燻煙防カビ方法が提案されている。特許文献1の発明によれば、有機系発泡剤を加熱して発生する成分によって、カビ発生の抑制を図っている。
特開2016-202868号公報
しかしながら、従来の技術では、壁、床、天井等に、予め付着しているカビ等の低減又は不活化により、カビ発生の抑制を図っているものの、空間処理を施した後に付着するカビ等は考慮されていない。衛生を目的とした空間処理においては、新たに付着したカビ等の微生物の繁殖抑制(抗菌)、又は、新たに付着したウイルスの不活化(抗ウイルス)の効果を高めたいという要望がある。
そこで、本発明は、抗菌効果又は抗ウイルス効果に優れる、抗菌又は抗ウイルス処理方法を目的とする。
本発明は以下の態様を有する。
<1>
有機発泡剤(A)を含有する燻煙剤組成物を加熱して、処理対象空間内に煙状物を拡散する燻煙処理を1回又は2回以上施す燻煙工程を有し、
前記燻煙工程は、累計で処理対象空間における直径3μm以上の粒子の数が100万個以上/Lの有効状態を60分間以上とする、抗菌又は抗ウイルス処理方法。
<2>
前記燻煙工程は、前記燻煙処理を2回以上施し、かつ、7日間以内に、前記有効状態を60分間以上とする、<1>に記載の抗菌又は抗ウイルス処理方法。
<3>
前記燻煙処理は、前記煙状物を前記処理対象空間の天井に到達させる、<1>又は<2>に記載の抗菌又は抗ウイルス処理方法。
<4>
前記燻煙処理は、前記処理対象空間の単位容積に対する前記燻煙剤組成物の使用量を2200mg/m以上とする、<1>~<3>のいずれかに記載の抗菌又は抗ウイルス処理方法。
本発明の、抗菌又は抗ウイルス処理方法によれば、抗菌効果又は抗ウイルス効果をより高められる。
間接加熱方式の燻煙装置の一例を示す断面図である。 実施例に用いた評価室の模式図である。
本発明の抗菌又は抗ウイルス処理方法は、有機発泡剤を含有する燻煙剤組成物で処理対象空間内に燻煙処理を施す。燻煙処理を施すことで、処理対象空間において、燻煙処理後に付着した微生物の繁殖を抑制し(抗菌効果)又はウイルスを不活化する(抗ウイルス効果)。
(燻煙剤組成物)
<有機発泡剤>
燻煙剤組成物は、有機発泡剤(A)((A)成分)を含有する。(A)成分は、加熱により熱分解して多量の熱を発生し、炭酸ガスや窒素ガス等(以下、総じて「発泡ガス」ということがある)を発生する化合物である。燻煙剤組成物は、(A)成分を含有することで、発泡ガスを噴出して発泡ガスを拡散し、処理対象空間に燻煙処理を施す。
(A)成分としては、例えば、アゾジカルボンアミド(ADCA)、p,p’-オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、N,N’-ジニトロソペンタメチレンテトラミン、アゾビスイソブチロニトリル等が挙げられる。中でも、発泡ガスの発生量の観点からは、(A)成分としては、ADCAが好ましい。
これらの(A)成分は、1種単独でもよいし、2種以上の組み合わせでもよい。
(A)成分の含有量は、特に限定されないが、燻煙剤組成物の総質量に対して、50~90質量%が好ましく、60~85質量%がより好ましい。(A)の含有量が上記下限値以上であると、増殖抑制効果をより高められる。(A)成分の含有量が上記上限値以下であると、(A)成分の分解物の飛散量が少なくなり、処理対象空間の汚染を低減できる。
<殺菌性薬剤>
燻煙剤組成物は、殺菌性薬剤(B)((B)成分)を含有してもよい。燻煙剤組成物は、(B)成分を含有することで、増殖抑制効果をより高め、あるいは他の機能を発揮できる。
(B)成分としては、有機系薬剤、銀化合物等、従来の燻煙剤組成物に用いられている薬剤を用いることができる。
(B)成分としては、例えば、殺菌剤、抗菌剤、除菌剤、防カビ剤、抗カビ剤、除ウイルス剤、抗ウイルス剤、消臭剤等として作用するものが挙げられる(但し、(A)成分を除く)。
(B)成分としては、有機系薬剤、銀系薬剤等、従来の燻煙剤組成物に用いられている薬剤を用いることができる。
有機系薬剤としては、例えば、2-イソプロピル-5-メチルフェノール(IPMP)、3-ヨード-2-プロピニルブチルカーバメイト(IPBC)、o-フェニルフェノール(OPP)、メトキサジアゾン等が挙げられ、IPMPやIPBCが好ましい。
銀系薬剤としては、銀化合物又は銀化合物を担持した担持体等が挙げられる。
銀化合物としては、例えば、有効成分として、抗菌、殺菌、除菌、防カビ、抗カビ、除ウイルス、抗ウイルス又は消臭作用を持つ銀単体、無機銀塩、有機銀塩等物を含む薬剤が挙げられる。無機銀塩としては、例えば、酸化銀、塩化銀、硝酸銀、硫酸銀、炭酸銀、スルホン酸銀塩等が挙げられる。有機銀塩としては、蟻酸銀、酢酸銀等が挙げられる。
担持体としては、銀化合物をゼオライト、シリカゲル、低分子ガラス、リン酸カルシウム、ケイ酸塩、酸化チタン等の物質(以下、担体ということがある)に担持させたものが挙げられる。担持体としては、例えば、銀単体、酸化銀、無機銀塩、有機銀塩等の銀化合物を担持したゼオライト系抗菌剤、シリカゲル系抗菌剤、酸化チタン系抗菌剤又はケイ酸塩系抗菌剤等が挙げられる。
銀系薬剤を用いることで、燻煙処理時及び燻煙処理後における(B)成分由来の臭気をより低減できる。
これらの(B)成分は、1種単独でもよいし、2種以上の組み合わせでもよい。
(B)成分として銀系薬剤を用いる場合、(B)成分の体積平均粒子径は、0.01~1000μmが好ましく、0.5~100μmがより好ましく、1~5μmがさらに好ましい。体積平均粒子径が上記上限値以下であれば、煙化率が高まり、(B)成分の効果をより良好に発揮できる。平均粒子径が上記下限値以上であれば、拡散した後に、適度に落下して、処理対象空間の下方における(B)成分の効果の発現までに時間を短縮できる。 なお、体積平均粒子径は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(LA910、株式会社堀場製作所製)により求められる値をいい、次のようにして測定できる。(B)成分を固形分1質量%となるように蒸留水に分散して試料とする。この試料をレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置に投入し、装置内で超音波によって分散後、レーザーを照射して粒度分布を測定する。体積頻度の累積が50%(体積)となる径を平均粒子径とする。
有機系薬剤(IPMP等)の場合、(B)成分の含有量は、燻煙剤組成物の総質量に対し、1~30質量%が好ましく、1~20質量%がより好ましい。(B)成分の含有量が上記数値範囲内であれば、(B)成分による効果をより高められる。
銀系薬剤の含有量は、燻煙剤の総質量に対する銀濃度が0.001~0.5質量%となる量が好ましく、0.05~0.1質量%となる量がより好ましい。銀濃度が上記下限値以上であると、(B)成分による効果をより高められる。銀濃度が上記上限値を超えても、(B)成分の効果が飽和する。
<非イオン性界面活性剤>
燻煙剤組成物は、非イオン界面活性剤(C)((C)成分)を含有してもよい。燻煙剤組成物は、(C)成分を含有することで、増殖抑制効果をより高められる。
(C)成分としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル類、グリセリン脂肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸類、ショ糖脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル類、グリセリンアルキルエーテル、POE(ポリオキシエチレン)付加型非イオン性界面活性剤アルカノールアミド類、等が挙げられる。POE付加型非イオン界面活性剤としては、POE-ソルビタン脂肪酸エステル類、POE-グリセリン脂肪酸エステル類、POE-プロピレングリコール脂肪酸エステル、POE-アルキルエーテル類、POE-ポリオキシプロピレン(POP)-アルキルエーテル類、オキプロピレンとオキシエチレンの共重合型非イオン界面活性剤類等が挙げられる。
(C)成分としては、POE付加型非イオン界面活性剤が好ましく、オキシプロピレンとオキシエチレンの共重合型非イオン界面活性剤類がより好ましい。
(C)成分の市販品としては、例えばBASFジャパン株式会社製の「PluronicRPE1740」、「PluronicRPE2525」等が挙げられる。
(C)成分の含有量は、燻煙剤組成物の総質量に対して、例えば、2~30質量%が好ましく、4~20質量%がより好ましい。(C)成分の含有量が上記範囲内であれば、増殖抑制効果をより高められる。
<任意成分>
任意成分としては、例えば、殺虫剤、結合剤、賦形剤、発熱助剤、安定剤、効力増強剤、酸化防止剤、賦香剤等が挙げられる。
任意成分は、1種単独でもよいし、2種以上の組み合わせでもよい。
殺虫剤としては、ピレスロイド化合物等が挙げられる。ピレスロイド化合物は、例えば、メトフルトリン、トランスフルトリン、フェノトリン、d・d-Tシフェノトリン、アレスリン、ピナミンフォルテ、バイオアレスリン、d-T80-フタルスリン、レスメトリン、3-フェノキシベンジル(1RS,3RS;1RS,3SR)-3-(2,2-ジクロロビニル)-2,2-ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、3-フェノキシベンジルクリサンテマート、フェンバレレート、フェンプロパトリン、エンペントリン、ベンフルスリン、テフルスリン、サイフェノトリン、テラレスリン、エトフェンプロックス等が挙げられる。
殺虫剤は1種単独で用いられてもよく、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
燻煙剤組成物は、結合剤を含有すると、顆粒への成形性が向上する。
結合剤としては、例えば、セルロース類(カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等)、デンプン系高分子化合物(デンプン、スターチ等)、天然系高分子化合物(アラビアゴム等)、合成高分子化合物(ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等)等が挙げられる。
燻煙剤組成物が結合剤を含有する場合、結合剤の含有量は、燻煙剤組成物の総質量に対して、3~8質量%が好ましい。結合剤の含有量が上記下限値以上であれば、設置から燻煙開始までの時間をより長くすることができ、燻煙開始時に使用者が被煙することを防ぎやすい。結合剤の含有量が上記上限値以下であれば、燻煙性能(噴出力)をより高められる。
賦形剤としては、例えば、無機系鉱物質(クレー、カオリン、タルク、石英、水晶等)等が挙げられる。
燻煙剤組成物が賦形剤を含有する合、本賦形剤の含有量は、燻煙剤組成物の総質量に対して、2~45質量%が好ましく、10~30質量%がより好ましい。賦形剤の含有量が上記下限値以上であれば、顆粒成形性が向上し、燻煙性能がより安定になる。賦形剤の含有量が上記上限値以下であれば、噴出力をより高められる。
発熱助剤としては、例えば、酸化亜鉛、メラミン等が挙げられる。
安定剤としては、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドキシアニソール、没食子酸プロピル、エポキシ化合物(エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油等。)等が挙げられる。
効力増強剤としては、例えば、ピペロニルブトキサイド、S-421等が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、トコフェロール等が挙げられる。
燻煙剤組成物は、植物油、鉱油、シリコーン油等の油性成分を実質的に含まないことが好ましい。油性成分の含有量は、燻煙剤組成物の総質量に対して、1質量%以下が好ましく、0.5質量%以下がより好ましい。
香料は、燻煙処理による香りの付与、燻煙処理時における燻煙剤臭気のマスキング効果等によって、嗜好性、実効感等を向上させる役割を果たす。
香料としては、特に限定されず、例えば、以下の文献に記載された香料等が挙げられる。
「Perfume and Flavor Chemicals」,Vol.Iand II,Steffen Arctander,Allured Pub.Co.(1994)、
「合成香料 化学と商品知識」、印藤元一著、化学工業日報社(1996)、
「Perfume and Flavor Materials of Natural Origin」,Steffen Arctander,Allured Pub.Co.(1994 )、
「香りの百科」、日本香料協会編、朝倉書店(1989)、
「Perfumery Material Performance V.3.3」,Boelens Aroma Chemical Information Service(1996)、
「Flower oils and Floral Compounds In Perfumery」,Danute Lajaujis Anonis,Allured Pub.Co.(1993)等。
燻煙剤組成物が香料を含有する場合、香料の含有量は、燻煙剤組成物の総質量に対し、0.05~2質量%が好ましく、0.1~1質量%がより好ましく、0.2~0.8質量%がさらに好ましい。香料の含有量が上記下限値以上であれば、保存後においても燻煙剤の香り立ちが良好になり、燻煙後の香り立ちも良好となる。香料の含有量が上記上限値以下であれば、燻煙処理によって、より適度な香り立ちを付与できる。
<燻煙剤組成物の製造方法>
発明の燻煙剤組成物は、粉状、粒状、錠剤等の固形製剤として調製される。
燻煙剤組成物の製造方法としては、目的とする剤形に応じて、公知の製造方法が用いられる。例えば、粒状の製剤とする場合は、押出し造粒法、圧縮造粒法、撹拌造粒法、転動造粒法、流動層造粒法等、公知の造粒物の製造方法が用いられる。
燻煙剤組成物は、を混合することにより得られる。
押出し造粒法による製造方法としては、(A)成分と、必要に応じて(B)成分、(C)成分又は任意成分とをニーダー等により混合し、必要に応じて適量の水を加えて混合し、得られた混合物を任意の開孔径を有するダイスから押し出す。押出し造粒法に用いられる装置としては、前押出し造粒機、横押出し造粒機等が挙げられる。
押出し造粒法で得られた造粒物をカッター等で任意の大きさに切断し、水分除去のための乾燥を行ってもよい。
乾燥方法は、例えば、従来公知の乾燥機を用いた加熱乾燥法が挙げられる。
乾燥温度は、特に限定されないが、香料等の揮発を抑制する点から、50~80℃が好ましい。
乾燥時間は、乾燥温度に応じて適宜決定される。
乾燥した後の燻煙剤組成物の水分含量は、特に限定されないが、5質量%以下が好ましく、2質量%以下がより好ましく、0質量%でもよい。水分含量が5質量%以下であると(A)成分をより良好に発泡できる。
(抗菌又は抗ウイルス処理方法)
本発明の抗菌又は抗ウイルス処理方法は、燻煙剤組成物で処理対象空間内に燻煙処理を施す燻煙工程を有する。
<燻煙工程>
本実施形態の燻煙工程は、燻煙剤組成物を加熱して、処理対象空間内に煙状物を拡散する燻煙処理を施す。
処理対象空間としては、特に限定されず、例えば、鉄道車両、バス、船舶、飛行機等の交通機関や輸送機関、ショッピングモール、映画館、スーパー銭湯等の大浴場施設等の商業施設、倉庫、事務所、施設又は家庭における浴室、トイレ、食堂、リビング等が挙げられる。
燻煙工程は、処理対象空間における直径3μm以上の粒子の数(有効粒子量)が100万個以上/L(処理対象空間の容積)の有効状態を60分間以上とする工程である。有効状態を60分間以上とすることで、優れた増殖抑制効果を得られる。
有効状態に維持する時間(有効時間)は、60分間以上であれば特に限定されないが、90分間以上が好ましく、120分間以上がより好ましい。有効状態の時間が上記下限値以上であれば、優れた増殖抑制効果を得られる。有効時間の上限は、特に限定されないが、実質的に180分間以下である。
有効粒子量は、例えば、パーティクルカウンター(GT-526S、柴田科学社製)で測定できる。
有効粒子量は、燻煙処理に用いる燻煙剤組成物の量により調節できる。
燻煙工程における燻煙処理の回数は、1回又は2回以上である。燻煙工程における燻煙処理の回数の上限は、特に限定されないが、5回以下が好ましい。燻煙工程における燻煙回数が上記上限値以下であれば、増殖抑制効果をより高められる。
燻煙工程においては、1回の燻煙処理で有効時間を達成してもよいし、2回以上の燻煙処理の累積で有効時間を達成してもよい。累積で有効時間を達成する例としては、1回目の燻煙処理での有効状態が30分間、2回目の燻煙処理での有効状態が10分間、3回目の燻煙処理での有効状態が20分間で、累計60分間の有効状態とする燻煙工程が挙げられる。
2回以上の燻煙処理で有効時間を達成する場合、燻煙処理1回当たりの有効状態は、10分間以上が好ましく、20分間以上がより好ましく、30分間以上がさらに好ましい。燻煙処理1回当たりの有効状態の時間が上記下限値以上であれば、増殖抑制効果をより高められる。
2回以上の燻煙処理で有効時間を達成する場合には、最初に有効状態になった時から、有効時間を達成するまでの期間を7日間以内とするのが好ましく、5日間以内とするのがより好ましく、3日間以内とするのがさらに好ましい。上記期間内に有効時間を達成することで、増殖抑制効果をより高められる。
燻煙工程において、燻煙処理を2回以上行う場合、燻煙処理同士の間隔は、7日間以内が好ましく、5日間以内がより好ましく、3日間以内がさらに好ましい。上記期間内に燻煙処理を施すことで、増殖抑制効果をより高められる。
燻煙処理においては、煙状物を処理対象空間の天井に到達させることが好ましい。煙状物を処理対象空間の天井に到達させることで、発泡ガスを処理対象空間内に速やかに拡散して、処理対象空間を速やかに有効状態にできる。煙状物の到達高さは、燻煙剤組成物の量等により調節できる。
燻煙処理においては、サーキュレータ等の送風装置を用いて、処理対象空間内を攪拌してもよい。処理対象空間内を攪拌することで、処理対象空間内を速やかに、かつ、より確実に有効状態にできる。
≪燻煙処理≫
燻煙処理は、燻煙剤組成物を加熱し、(A)成分を発泡させ、生じた煙状物を処理対象空間に拡散する。
なお、1回の燻煙処理は、燻煙剤組成物から煙状物が発生し始めてから、処理対象空間の煙状物を排気するまでの間である。燻煙処理に後述する燻煙装置を用いる場合、燻煙装置から煙状物が噴出し始め、煙状物の噴出が停止し、煙状物が処理対象空間内に充満した状態を経た後、処理対象空間の煙状物を排気して、処理対象空間内の空気を燻煙処理開始前の状態とするまでの間を1回の燻煙処理とする。
燻煙処理の方法は、従来公知の方法を採用できる。
例えば、金属製容器、セラミック製容器等の容器に、燻煙剤組成物を収容し、密閉した対象空間内で、直接的又は間接的に燻煙剤組成物を加熱する方法が挙げられる。
燻煙剤組成物の加熱温度は、例えば、200℃~700℃が好ましく、250℃~600℃がより好ましい。
燻煙剤組成物を間接的に加熱する方法としては、燻煙剤組成物を燃焼させることなく、(A)成分が熱分解し得る温度まで燻煙剤組成物に熱エネルギーを供給できるものであればよく、間接加熱方式の燻煙方法に通常用いられる公知の加熱方法を採用できる。
間接加熱方式の燻煙方法としては、例えば、水と接触して発熱する物質と水とを接触させ、その反応熱を利用して燻煙剤を加熱する方法(i)、鉄粉と酸化剤(塩素酸アンモニウム等。)との混合による酸化反応、又は金属と該金属よりイオン化傾向の小さい金属酸化物もしくは酸化剤との混合による酸化反応により発生する熱を利用して燻煙剤を加熱する方法(ii)等が挙げられる。中でも、実用性の点から、方法(i)が好ましい。
水と接触し発熱する物質としては、酸化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化アルミニウム、塩化カルシウム、塩化鉄等が挙げられる。中でも、水と接触して発熱する物質としては、実用性の点から、酸化カルシウムが好ましい。
間接加熱方式の燻煙装置(間接加熱式燻煙装置)の一例について、図1を用いて説明する。
図1の間接加熱式燻煙装置(単に「燻煙装置」ということがある)10は、筐体12と、筐体12の内部に設けられた加熱部20と、筐体12の内部に設けられた燻煙剤部32とで概略構成されている。筐体12は略円筒状の本体14と、底部16と、本体14の上部に設けられた蓋部18とで構成されている。筐体12内には、燻煙剤容器30が設けられ、燻煙剤容器30に燻煙剤組成物が充填されて燻煙剤部32が形成されている。
蓋部18は、貫通孔を有するものであり、メッシュ、パンチングメタル、格子状の枠体等が挙げられる。蓋部18の材質は、例えば、金属、セラミック等が挙げられる。
本体14の材質は、蓋部18の材質と同様のものが挙げられる。
燻煙剤容器30は、燻煙剤部32を充填する容器として機能すると共に、加熱部20で生じた熱エネルギーを燻煙剤部32に伝える伝熱部として機能するものである。燻煙剤容器30は、例えば金属製の容器等が挙げられる。
加熱部20は、特に限定されず、燻煙剤部32の煙化に必要な熱量を考慮して適宜決定できる。加熱部20としては、上述した水と接触して発熱する物質を充填して形成したものが好ましく、酸化カルシウムを充填して形成したものが特に好ましい。加熱部20は、鉄粉と酸化剤とを仕切り材で仕切って充填して形成してもよく、金属と該金属よりイオン化傾向の小さい金属酸化物又は酸化剤とを仕切り材で仕切って充填して形成してもよい。
底部16は、加熱部20の機構に応じて適宜決定すればよい。例えば、加熱部20が水と接触して発熱する物質(酸化カルシウム等。)により構成されている場合、底部16には不織布や金属製のメッシュ等を用いることができる。底部16を不織布や金属製のメッシュとすることで、底部16から水を加熱部20内に浸入させて反応熱を発生させ、燻煙剤組成物を加熱できる。
燻煙剤部32における燻煙剤組成物の量は、処理対象空間の容積を勘案して決定する。燻煙剤組成物の量は、燻煙剤組成物の質量(mg)/処理対象空間の体積(m)で表される燻煙量(使用量)で2200mg/m以上が好ましく、2500mg/m以上がより好ましく、3000mg/m以上がさらに好ましい。燻煙量が上記下限値以上であれば、処理対象空間内をより容易に有効状態できる。燻煙量の上限値は、特に限定されないが、実質的に10000mg/m以下である。
燻煙装置10を用いた燻煙方法では、まず燻煙装置10を対象空間内に設置する。次いで、加熱部20の機構に応じて加熱部20を発熱させる。例えば、酸化カルシウムを充填した加熱部20が設けられている場合、底部16を水に浸漬する。加熱部20が発熱すると、燻煙剤容器30を介して燻煙剤部32が加熱される。加熱された燻煙剤部32の燻煙剤組成物は、(A)成分の熱分解によって発泡ガスを生じ、発泡ガスが蓋部18の貫通孔から筐体12外へ噴出する。この際、発泡ガスと共に、(B)成分、(C)成分等が煙化し、蓋部18の貫通孔から噴出する。これにより、処理対象空間内に、発泡ガスが拡散して、処理対象空間内が発泡ガスで満たされる。加えて、発泡ガスが処理対象空間の天井面、床面、内壁及び処理対象空間内の設置物(総じて、「被処理面」ということがある)に接触し、接触した表面に増殖抑制効果を付与する。
燻煙剤を直接的に加熱する方法としては、例えば、特開2002-199834に記載の方法が挙げられる。直接加熱式の燻煙装置としては、上部に開口した収納容器に燻煙剤組成物が充填され、収納容器の上部に点火具を保持し、燻煙処理時に発生する煙を外部に噴出する噴煙孔を有する噴煙板が収納容器の開口部に装着されている燻煙装置が挙げられる。
<その他の処理>
燻煙工程は、燻煙処理に加え、排気処理を施してもよい。排気処理は、燻煙処理後に、処理対象空間内の空気を入れ替える処理である。排気処理を施すことで、処理対象空間内の空気を浄化できる。
本発明において、燻煙工程を繰り返し行ってもよい。燻煙工程を繰り返し行うことで、増殖抑制効果をさらに高め、増殖抑制効果をより長期に維持できる。
燻煙工程を繰り返し行う場合、燻煙工程同士の間隔は、7日間以内が好ましく、5日間以内がより好ましく、3日間以内がさらに好ましい。燻煙工程同士の間隔が上記上限値以下であれば、増殖抑制効果を維持し、増殖抑制効果をより高められる。
本発明の抗菌又は抗ウイルス処理方法は、処理対象空間に燻煙処理を施し、有効状態を特定の時間維持する燻煙工程を有する。本発明の抗菌又は抗ウイルス処理方法は、本発明の燻煙工程を有することで、被処理面に発泡ガス中の成分が作用し又は付着する。このような被処理面は、抗菌効果又は抗ウイルス効果を奏する。
以下、実施例を示して本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の記載によって限定されるものではない。
(使用原料)
<(A)成分:有機発泡剤>
・A-1:ADCA(アゾジカルボンアミド)。
<(B)成分:殺菌性薬剤>
・B-1:銀担持ゼオライト系無機抗菌剤(株式会社シナネンゼオミック製、商品名「ゼオミックAJ10N」、銀含量2.5質量%、平均粒子径約2.5μm)。
・B-2:IPMP(3-メチル-4-イソプロピルフェノール、大阪化成株式会社製)。
<(C)成分:非イオン性界面活性剤>
・C-1:POE・POPブロックポリマー(BASFジャパン株式会社製、商品名「Pluronic RPE1740」、ポリオキシエチレングリコールの両末端に酸化プロピレンを重合したポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロック共重合体、エチレンオキシドの平均重合度は約27、その両末端のプロピレンオキシドの平均重合度はそれぞれ約14、平均分子量は約2650)。
・C-2:ソルビタンモノオレエート((商品名「エマゾールO-10V」、花王株式会社製、融点:13℃)。
<任意成分>
・結合剤:ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)(商品名:メトローズ60SH-50、信越化学工業株式会社製)。
・発熱助剤:酸化亜鉛(日本薬局方 酸化亜鉛、平均粒径0.6μm、真比重5.6g/cm(20℃)、堺化学製。
・賦形剤:クレー(商品名:NK-300、昭和KDE株式会社製)。
<加工助剤>
・水:水道水。
(製造例)
<燻煙剤組成物>
≪燻煙剤組成物α≫
A-1成分75質量部と、結合剤4質量部と、賦形剤2.5質量部と、発熱助剤1質量部と、をニーダーで混合し、これに水10質量部を加え、混合して、混合物とした。
得られた混合物を直径3mmの開孔を有するダイスの前押し出し造粒機(EXK-1、株式会社不二パウダル製)を用い造粒し造粒物を得た。得られた造粒物をフラッシュミル(FL300、株式会社不二パウダル製)により長さ2~5mmに切断し、70℃に設定した乾燥機(RT-120HL、アルプ株式会社製)により2時間乾燥させ、顆粒状の燻煙剤組成物αを得た。
≪燻煙剤組成物β≫
さらに、B-1成分0.075質量部と、C-2成分8質量部とを加え、混合した以外は、燻煙剤組成物αと同様にして、燻煙剤組成物βを得た。
≪燻煙剤組成物γ≫
B-1成分0.075質量部に代えて、B-2成分10質量部を加え、混合した以外は、燻煙剤組成物βと同様にして、燻煙剤組成物γを得た。
≪燻煙剤組成物δ≫
C-2成分8質量部に代えて、C-1成分8質量部を加え、混合した以外は、燻煙剤組成物βと同様にして、燻煙剤組成物δを得た。
≪燻煙剤組成物ε≫
C-2成分8質量部に代えて、C-1成分8質量部を加え、混合した以外は、燻煙剤組成物γと同様にして、燻煙剤組成物εを得た。
<燻煙装置>
≪燻煙装置(大)≫
表に記載の燻煙剤組成物(α~ε)20gを充填して燻煙剤部とし、酸化カルシウム50gを充填して加熱部とし、図1の燻煙装置10と同様の燻煙装置(大)を作製した。
≪燻煙装置(中)≫
表に記載の燻煙剤組成物(α~ε)5gを充填して燻煙剤部とし、酸化カルシウム50gを充填して加熱部とし、図1の燻煙装置10と同様の燻煙装置(中)を作製した。
≪燻煙装置(小)≫
表に記載の燻煙剤組成物(α~ε)2.5gを充填して燻煙剤部とし、酸化カルシウム50gを充填して加熱部とし、図1の燻煙装置10と同様の燻煙装置(小)を作製した。
(実施例1-1~1-7、1-10~1-12、1-14、比較例1-1~1-2、実施例2-1~2-9、2-14~2-16、3-1~3-7、3-12~3-14)
<試験用プラスチック板の作製>
図2に示すように、1818タイプ(メーターモジュール用)の浴室とほぼ同体積の密閉可能な評価室(床面から天井面までの高さ:約2m)100の床隅に、消毒用エタノールで拭いて無菌化したプラスチック板(FRP板、50mm×50mm)110を設置した。
評価室100には、天井102の隅部に第一のパーティクルカウンター130を設置し、床104の隅部に第二のパーティクルカウンター132を設置した。
表に示す燻煙装置の組み合わせに従って、燻煙装置を評価室100内に設置した。例えば、「缶数(大+中+小)」が「1+1+0」と記載されている場合は、燻煙装置(大)を1個、燻煙装置(中)を1個の計2個の燻煙装置を評価室100の床104の略中央に設置した。床104上に設置された皿に水を入れる。
皿に燻煙装置を乗せ、煙状物を噴出させる。この時、評価室100を密閉した。
煙状物の噴出開始5分後から表中に記載の処理時間が経過した後、評価室100内の空気を排気した。
なお、表中の「繰り返し数」は、燻煙処理の回数である。「繰り返し数」が2以上である場合、煙状物を噴出させ排気するまでの処理(燻煙処理)を2回以上行ったことを示す。「繰り返し数」が2以上である場合、「缶数」は1回の燻煙処理に用いられる燻煙装置の数である。
こうして、プラスチック板に燻煙処理を施して、各例の試験用プラスチック板とした。
この間、第一のパーティクルカウンター130及び第二のパーティクルカウンター132で、評価室100内における粒子径3mm以上の粒子の数を測定した。第一のパーティクルカウンター130及び第二のパーティクルカウンター132のうち、測定した粒子の数(処理時間における粒子数)の少ない方を下記評価基準に従って分類した。
≪評価基準≫
◎◎◎:170万個/L以上。
◎◎:150万個/L以上、170万個/L未満。
◎:120万個/L以上、150万個/L未満。
〇:100万個/L以上、120万個/L未満。
△:50万個/L以上、100万個/L未満。
×:50万個/L未満。
<評価方法>
≪メチロバクテリウム(Methylobacterium)の増殖抑制効果(抑制効果)≫
トリプトソイ寒天(Difco社製)の平板培地にて30℃、3日間培養したMethylobacterium radiotolerans NBRC15690を、滅菌した0.05%Tween80(関東化学製)水溶液にて約10CFU/mLの菌液を調製した。次いで、滅菌プラスチックシャーレ(アズワン社製)に入れた各例の試験用プラスチック板に菌液0.4mLを滴下し、フィルム(40mm×40mm)で菌液を覆った。その後、プラスチック板を30℃・95%RHの環境で24時間、静置した。その後、滅菌プラスチックシャーレにSCDLP培地(日本製薬社製)10mLを入れ、滅菌したピペットの先端でプラスチック板から細菌を洗い出した。
対照として、燻煙処理を施していないプラスチック板にて同様の操作を行った。
プラスチック板から回収した菌液を、計測可能な濃度となるように生理食塩水で適宜希釈し、これをポテトデキストロース寒天培地に塗抹接種して、30℃にて5日間培養した後、目視により、形成されたコロニー数を計測した。計測したコロニー数と菌液の希釈倍率から生菌数を求め、その値を「処理後の菌数」とした。
上記の結果から、下記式(s1)により増殖抑制効果(抑制活性値)を算出した。得られた抑制活性値を下記評価基準に従って分類した。
抑制活性値=(対照の生菌数の常用対数値)-(燻煙処理した際の生菌数の常用対数値)・・・(s1)
[評価基準]
◎◎◎:抑制活性値4以上。
◎◎:抑制活性値が3.5以上4未満。
◎:抑制活性値は3以上3.5未満。
○:抑制活性値2以上3未満。
△:抑制活性値が1以上2未満。
×:抑制活性値が1未満。
≪ヒトコロナウイルスの増殖抑制効果(抑制効果)≫
滅菌プラスチックシャーレ(アズワン社製)に入れた各例の試験用プラスチック板に0.1mLのヒトコロナウイルス(ヒトコロナウイルス229E ATCC VR-740)液を滴下し、フィルム(40mm×40mm)で覆った。25℃・95%RHの環境で24時間、静置した。その後、試験片上のウイルスをイーグル培地0.9mLで10回ピペッティングして洗い出した。
洗い出し液をイーグル培地で10倍段階希釈して各希釈液を96穴プレートに培養したMRC-5細胞に接種して、TCID50法(ベーレンス・ケルバー法で感染価計算)にてウイルス感染価を測定した。
上記の結果から、下記式(s2)により増殖抑制効果(抑制活性値)を算出した。得られた抑制活性値を、メチロバクテリウムの評価基準に従って分類した。
抑制活性値=(対照の感染価の常用対数値)-(燻煙処理した際の感染価の常用対数値)・・・(s2)
≪カビに対する増殖抑制効果(抑制効果)≫
ポテトデキストロース寒天(Difco社製)の平板培地にて25℃、5日間培養したカビ(Cladosporium cladosporioies NBRC6348)を、滅菌した0.05%Tween80(関東化学製)水溶液にて約10CFU/mLの菌液を調製した。次いで、滅菌プラスチックシャーレ(アズワン社製)に入れた各例の試験用プラスチック板に菌液0.4mLを滴下し、フィルム(40mm×40mm)で菌液を覆った。その後、試験用プラスチック板を25℃・95%RHの環境で7日間、静置した。その後、滅菌プラスチックシャーレにGPLP培地(日本製薬社製)10mLを入れ、滅菌したピペットの先端でプラスチック板からカビを洗い出した。
対照として、燻煙処理をしていないプラスチック板にて同様の操作を行った。
プラスチック板から回収した菌液を、計測可能な濃度となるように生理食塩水で適宜希釈し、これをポテトデキストロース寒天培地に塗抹接種して、25℃にて5日間培養した後、目視により、形成されたコロニー数を計測した。計測したコロニー数と菌液の希釈倍率から生菌数を求め、その値を「処理後の菌数」とした。得られた抑制活性値を、メチロバクテリウムの評価基準に従って分類した。
(実施例1-8、1-9、1-13、2-10~2-13、2-17、3-8~3-11、3-15)
表に記載の仕様に従い、各例の試験用プラスチック板を調製した。
ティッシュペーパーを2枚重ねて4つに裁断し、それぞれ4つ折りしてイオン交換水を0.5g滴下した。得られたティッシュペーパーを用いて、100gの荷重をかけて、各例の試験用プラスチック板を1方向に1回、拭いた(水拭き)。水拭きをしていない各例の試験用プラスチック板の抑制活性値と水拭きした各例の試験用プラスチック板の抑制活性値を比較し、下記式(s3)に従い効果維持率を算出した。得られた効果維持率を下記評価基準に従って分類した。
効果維持率(%)=[(水拭きした場合の抑制活性値)/(水拭きしていない抑制活性値)]×100・・・(s3)
[効果維持率の評価基準]
◎◎◎:効果維持率が95%以上。
◎◎:効果維持率が90%以上95%未満。
◎:効果維持率が75%以上90%未満。
〇:効果維持率が50%以上75%未満。
△:効果維持率が25%以上50%未満。
×:効果維持率が25%未満。
Figure 2023064833000001
Figure 2023064833000002
Figure 2023064833000003
表1~3に示すように、本発明を適用した実施例は、抑制効果が「〇」~「◎◎◎」であった。実施例1-8、1-9、1-13、2-10~2-13、2-17、3-8~3-11、3-15において、効果維持の評価が「〇」~「◎◎◎」であった。
以上の結果から、本発明を適用することで、優れた増殖抑制効果を発揮できることを確認できた。

Claims (4)

  1. 有機発泡剤(A)を含有する燻煙剤組成物を加熱して、処理対象空間内に煙状物を拡散する燻煙処理を1回又は2回以上施す燻煙工程を有し、
    前記燻煙工程は、累計で処理対象空間における直径3μm以上の粒子の数が100万個以上/Lの有効状態を60分間以上とする、抗菌又は抗ウイルス処理方法。
  2. 前記燻煙工程は、前記燻煙処理を2回以上施し、かつ、7日間以内に、前記有効状態を60分間以上とする、請求項1に記載の抗菌又は抗ウイルス処理方法。
  3. 前記燻煙処理は、前記煙状物を前記処理対象空間の天井に到達させる、請求項1又は2に記載の抗菌又は抗ウイルス処理方法。
  4. 前記燻煙処理は、前記処理対象空間の単位容積に対する前記燻煙剤組成物の使用量を2200mg/m以上とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の抗菌又は抗ウイルス処理方法。
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