JP6225354B2 - 燻煙剤 - Google Patents
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Description
特許文献2には、2種類の有機薬剤(3−ヨード−2−プロピニルブチルカーバメートおよびイソプロピルメチルフェノール)と、アゾジカルボンアミドとを含有する燻煙剤組成物が開示されている。
特許文献3には、銀を含有する薬剤と、アゾジカルボンアミド等の燃焼剤とを含有する燻煙剤組成物が開示されている。
[1] (A)成分:銀または銀化合物と、(B)成分:燃焼剤と、(C)成分:沸点が150〜300℃の溶剤と、を含有し、前記(C)成分の含有量が5〜35質量%である、燻煙剤。
[2] (B)成分/(C)成分で表される質量比が0.5〜20.0である、[1]に記載の燻煙剤。
本発明の燻煙剤は、以下に示す(A)成分、(B)成分、および(C)成分を含有する。
なお、本発明において「防除」とは、細菌、カビ等の微生物を殺菌すること、または微生物の増殖を抑制することであり、いわゆる殺菌、抗菌、防カビ、抗カビ、除菌等の概念を含む。
(A)成分は、銀または銀化合物である。(A)成分を用いることで、(A)成分を気化することなく燻煙の処理対象である室内(対象空間)に拡散することができる。加えて、(A)成分は微生物防除効果を奏する。微生物防除効果を奏することで、微生物の増殖による臭気を抑制でき、消臭効果も奏する。加えて、殺虫効果なども発揮できる。
銀とは、銀単体のことである。
一方、銀化合物としては、例えば酸化銀;塩化銀、硝酸銀、硫酸銀、炭酸銀、スルホン酸銀等の無機銀塩;蟻酸銀、酢酸銀等の有機銀塩などが挙げられる。
(A)成分は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
例えば、(A)成分の体積平均粒子径は、0.01〜1000μmが好ましく、0.5〜100μmがより好ましく、1〜5μmがさらに好ましい。本発明の燻煙剤においては、このような比較的大きな粒子径の(A)成分であっても、煙化して拡散することができる。ここで、「煙化」とは、(A)成分を対象空間に拡散できる状態にすることを意味する。
なお、体積平均粒子径は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置により求められる値をいい、次のようにして測定できる。(A)成分を固形分1質量%となるように蒸留水に分散して試料とする。この試料をレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置に投入し、装置内で超音波によって分散後、レーザーを照射して粒度分布を測定する。体積頻度の累積が50%(体積)となる径を平均粒子径とする。
(B)成分は、燃焼剤である。(B)成分は、加熱あるいは燃焼による熱分解ガスの作用により、(A)成分を煙化させる成分である。
これらの中でも、アゾジカルボンアミド、ニトロセルロースが好ましい。アゾジカルボンアミドは、分解温度が約200℃と低く、(A)成分を揮散させるのに好適であり、しかも大量の熱分解ガスを発生させ、拡散性に優れる。一方、ニトロセルロースは、外部からの熱が供給されると分解して発熱(燃焼)し、外部からの熱の供給がなくなっても燃焼が継続する自己燃焼継続性を有する。
例えば、(B)成分としてアゾジカルボンアミドを用いる場合、アゾジカルボンアミドの含有量は燻煙剤の全質量100質量%中、50〜80質量%が好ましく、60〜70質量%がより好ましい。アゾジカルボンアミドの含有量が50質量%以上であれば(A)成分を効率よく拡散できる。アゾジカルボンアミドの含有量が多くなるほど(A)成分の拡散性は向上する傾向にある一方で、アゾジカルボンアミドの分解物(残渣)が増え、分解物が飛散して対象空間内を汚す場合がある。よって、アゾジカルボンアミドの含有量は80質量%以下が好ましい。
アゾジカルボンアミドとニトロセルロースを併用する場合、ニトロセルロースの含有量が12質量%を超えると、ニトロセルロースの発熱量にアゾジカルボンアミドから供給される熱量が加わり、燻煙時に急激に発煙したり、アゾジカルボンアミドの分解物やニトロセルロースが飛散して対象空間を汚したりする場合がある。
(C)成分は、沸点が150〜300℃の溶剤である。(C)成分は、(A)成分および(B)成分と併用することにより、微生物防除効果を向上させる成分である。
グリコール系溶剤としては、下記一般式(I)で表される化合物、下記一般式(II)で表される化合物などが挙げられる。一方、グリコールエーテル系溶剤としては、下記一般式(III)で表される化合物などが挙げられる。
HO−R1−OH ・・・(I)
HO−(R2O)n−H ・・・(II)
R3O−(R4O)m−H ・・・(III)
R1における2価の脂肪族炭化水素基の炭素数は2以上であり、2〜18が好ましく、2〜4がより好ましく、3〜4がさらに好ましい。R1としては、プロピレン基が特に好ましい。
R2における2価の脂肪族炭化水素基の炭素数は2以上であり、2〜18が好ましく、2〜4がより好ましく、2〜3がさらに好ましい。R2としては、エチレン基、プロピレン基が特に好ましく、エチレン基が最も好ましい。すなわち、R2Oとしては、オキシエチレン基、オキシプロピレン基が特に好ましく、オキシエチレン基が最も好ましい。
nはR2Oの総平均繰返し数(総平均付加モル数)を意味し、2以上であり、2〜14が好ましく、2〜4がより好ましい。
R3における炭化水素基の炭素数は1以上であり、1〜6が好ましく、2〜4がより好ましい。
R4における2価の脂肪族炭化水素基の炭素数は2以上であり、2〜18が好ましく、2〜4がより好ましく、2〜3がさらに好ましい。R4としては、エチレン基、プロピレン基が特に好ましく、エチレン基が最も好ましい。すなわち、R4Oとしては、オキシエチレン基、オキシプロピレン基が特に好ましく、オキシエチレン基が最も好ましい。
mはR4Oの総平均繰返し数(総平均付加モル数)を意味し、1以上であり、1〜14が好ましく、2〜4がより好ましい。
なお、カッコ内の数値は、沸点である。
なお、カッコ内の数値は、沸点である。
なお、カッコ内の数値は、沸点である。
燻煙剤は、各種添加剤をさらに含有してもよい。添加剤としては、燃焼助剤、安定化剤、結合剤、賦形剤、香料、色素などが挙げられる。
燃焼助剤としては、例えば酸化亜鉛、酸化マグネシウム、尿素、メラミン、メラミン誘導体(工業用メラミン、硝酸メラミン、メラミンホルマリン樹脂等)などが挙げられる。
安定化剤としては、例えばソルビタン脂肪酸エステル、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸プロピル、エポキシ化合物(エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油等)などが挙げられる。
結合剤としては、セルロース系化合物(メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースとそのCa塩およびNa塩、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等)、デンプン系化合物(デンプン、α化デンプン、デキストリン、ヒドロキシプロピルスターチ、カルボキシメチルスターチNa塩等)、天然物系化合物(アラビアゴム、アルギン酸Na、トラガント、ゼラチン等)、合成高分子系化合物(ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム等)等が挙げられる。
賦形剤としては、例えばクレー、タルク、珪藻土、カオリン、ベントナイト、ホワイトカーボン、炭酸カルシウムなどが挙げられる。
これら添加剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
燻煙剤は、(A)成分、(B)成分、(C)成分、および必要に応じて任意成分を所定量となるように混合し、粉状、粒状、錠剤等の固形製剤として調製される。固形製剤は、目的とする剤形に応じて、公知の製造方法を用いて調製することができる。例えば、粒状の製剤とする場合は、押出し造粒法、圧縮造粒法、撹拌造粒法、転動造粒法、流動層造粒法等、公知の造粒物の製造方法により製造できる。
押出し造粒法による製造方法の具体例としては、燻煙剤の各成分を、ニーダー等により混合し、さらに適量の溶媒を加えて混合し、得られた混合物を一定面積の開孔を有するダイスを用い、前押し出しあるいは横押し出し造粒機を用い造粒する。該造粒物は、さらにカッター等を用いて一定の大きさに切断し乾燥してもよい。なお、乾燥を行う場合には(C)成分の沸点を考慮した温度、すなわち(C)成分の沸点よりも低い温度で乾燥を行う。溶媒としては以下に例示するものが挙げられるが、例えば溶媒として水を用いる場合には、60〜90℃程度の温度で乾燥することが好ましい。
これら溶剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、溶媒は、造粒時に混合、練り込む以外にも、造粒後に噴霧、浸漬させて保持させることもできる。
燻煙剤の使用方法としては、一般的な燻煙剤の使用方法と同様の方法を用いることができる。具体的には、金属製容器、セラミック製容器等の任意の容器に燻煙剤を収容し、燻煙剤を間接的または直接的に加熱して使用される。
間接的に加熱する方法としては、例えば、金属製の容器に燻煙剤を収容し、この金属製の容器を介して燻煙剤を加熱する方法が挙げられる。
加熱方法としては、従来公知の方法を用いることができ、例えば、水と接触して発熱する物質を水と接触させ、その反応熱を利用する方法;鉄粉と酸化剤(塩素酸アンモニウム等)とを混合し、または金属と前記金属よりイオン化傾向の小さい金属酸化物もしくは酸化剤とを混合し、その酸化反応熱を利用する方法等が挙げられる。中でも、実用性の観点から、水と接触して発熱する物質を水と接触させ、その反応熱を利用する方法(水式)が好ましい。
水と接触して発熱する物質としては、酸化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化アルミニウム、塩化カルシウム、塩化鉄等が挙げられる。中でも、酸化カルシウムが好ましい。
本発明においては、特に、本発明の燻煙剤を、空間1m3当たり、銀濃度に換算して0.03mg以上となる量で用いることが好ましく、0.25〜3mgとなる量がより好ましい。
以上説明した本発明の燻煙剤は、上述した(A)成分と、(B)成分と、特定量の(C)成分とを含有するので、微生物防除効果に優れる。よって、本発明の燻煙剤であれば、薄膜状の汚染物を形成する微生物に対してはもちろんのこと、例えば排水口のヌメリなどのように、厚みのある汚染物を形成する微生物に対しても防除効果を十分に発揮できる。
上記効果が得られる理由としては以下のことが考えられる。すなわち、(A)成分と、(B)成分と、特定量の(C)成分とを併用することで、燻煙時の(A)成分の拡散性が向上し、また処理面へ付着した(A)成分が燻煙後もその場に留まりやすくなるため(残存性の向上)、(A)成分の微生物防除効果がより発現しやすくなり、厚みのある汚染物を形成する微生物に対しても防除効果を十分に発揮できると考えられる。
本発明の燻煙剤の処理対象としては、密閉可能であれば特に限定されず、例えば浴室、洗面所、キッチン、トイレ、リビング、押入れ等が挙げられる。
本発明の有用性の観点から、本発明の燻煙剤は、浴室の防除用として特に好適である。
(A)成分として、以下に示す化合物を用いた。
・A−1:銀担持ゼオライト系無機抗菌剤(株式会社シナネンゼオミック製、「ゼオミックAJ10N」、体積平均粒子径2.5μm、銀含量2.5質量%)
・A−2:銀担持ゼオライト系無機抗菌剤(株式会社シナネンゼオミック製、「ゼオミックLB10N」、体積平均粒子径7.5μm、銀含量1.5質量%)
・A−3:銀担持シリカ・アルミナ系無機抗菌剤(日揮触媒化成株式会社製、「ATOMY BALL−(UA)」、体積平均粒子径15nm、銀含量0.07質量%)
・B−1:アゾジカルボンアミド(大日精化工業株式会社製、「ダイブローAC.2040(C)」)
・B−2:ニトロセルロース(T.N.C.INDUSTRIAL CO.,LTD.製、「TV綿」)
・C−1:プロピレングリコール(ダウ・ケミカル社製、沸点187℃)
・C−2:ジプロピレングリコール(沸点233℃)
・C−3:1,10−デカンジオール(沸点297℃)
・C’−1:エタノール(試薬特級、純正化学株式会社製、沸点78.4℃)
・C’−2:ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(東邦化学工業株式会社製、「ハイモールPM」、沸点310℃)
・ZnO:酸化亜鉛(日本薬局方 酸化亜鉛、堺化学工業株式会社製、平均粒子径0.6μm、真比重5.6g/cm3(20℃))
・HPMC:ヒドロキシプロピルメチルセルロース(信越化学工業株式会社製、「メトローズ60SH−50」)
・クレー:昭和KDE株式会社製、「NK−300」
<微生物防除効果の評価>
(1)耐カビ評価A(薄膜状のカビ)
まず、図1に示すように、1818タイプ(メーターモジュール用)の浴室とほぼ同体積の密閉可能な評価室(床面から天井面までの高さ:約2m)10の床面の1ヶ所(4隅のうちの1隅)に、下記の方法*1で作製した供試用プラスチック板(菌を接種したプラスチック板)11を、菌を接種した面を天井側に向けて取り付けた。また、評価室10の中央床面に、加熱装置12を設置した。ここで、加熱装置12は、ホットプレート上にアルミニウム箔を敷いたものである。
つぎに、各例の燻煙剤5gを加熱装置12のアルミニウム箔上に載せ、350℃に設定したホットプレートで加熱した。燻煙剤からの発煙開始10分後に、ホットプレートでの加熱を停止した。発煙開始90分後に、評価室10内の空気を排気し、供試用プラスチック板11を回収した。
供試用プラスチック板11から下記の方法*2で回収した菌液を、計測可能な濃度となるように生理食塩水で適宜希釈したものを、ポテトデキストロース寒天培地に塗抹接種して、25℃にて5日間培養した後、目視により、形成されたコロニー数を計測した。計測したコロニー数と菌液の希釈倍率から生菌数を求め、その値を「処理後の菌数」とした。
別途、未処理の供試用プラスチックから回収した菌液を、計測可能な濃度となるように生理食塩水で適宜希釈したものを、ポテトデキストロース寒天培地に塗抹接種して、25℃にて5日間培養した後、目視により、形成されたコロニー数を計測した。計測したコロニー数と菌液の希釈倍率から生菌数を求め、その値を「未処理菌数」とした。
上記の結果から、下記の評価基準に従い、薄膜状のカビに対する防除効果を評価した。
ポテトデキストロース寒天(Difco社製)の斜面培地にて25℃、1週間培養したPhoma sp.(浴室分離菌)を、滅菌した0.05%Tween80(関東化学株式会社製)水溶液にて菌数が約106CFU/mLの胞子液を調製した。
ついで、該胞子液をプラスチック板(FRP板、50mm×50mm)に0.5mL接種し、室温にて一晩静置した後に乾燥し固定し、供試用プラスチック板を作製した。
なお、プラスチック板上の菌(カビ)は薄膜状であり、菌数は約106CFU/プラスチック板である。
菌を接種したプラスチック板と、GLP培地(日本製薬株式会社製)10mLを滅菌プラスチックシャーレ(アズワン株式会社製)に入れ、滅菌したピペットの先端で攪拌し、プラスチック板から菌を抽出した。
床の隅に設置したプラスチック板について、求めた菌数を常用対数(log)に変換し、未処理の菌数から処理後の菌数を差し引いた値(log(未処理菌数)−log(処理後の菌数))を求め、その値を防除効力とした。その値から、下記の基準で薄膜状のカビに対する防除効果を判定した。
〈判定基準〉
◎:防除効力が4以上。
○:防除効力が2以上4未満。
△:防除効力が1以上2未満。
×:防除効力が1未満。
下記の方法*3で作製した供試用プラスチック板を用いた以外は、耐カビ評価Aと同様にして防除効力を求め、薄膜状の酵母に対する防除効果を評価した。判定基準は耐カビ評価Aと同様である。
ポテトデキストロース寒天(Difco社製)の平板培地にて25℃、2日間培養したRhodotorula rubra HIC3420(浴室分離菌、ヌメリ原因微生物)を、滅菌した0.05%Tween80(関東化学株式会社製)水溶液にて菌数が約106CFU/mLの懸濁液を調製した。ついで、該懸濁液をプラスチック板(FRP板、50mm×50mm)に0.5mL接種し、室温にて一晩静置した後に乾燥し固定し、供試用プラスチック板を作製した。
なお、プラスチック板上の菌(酵母)は薄膜状であり、菌数は約106CFU/プラスチック板である。
下記の方法*4で作製した供試用プラスチック板を用いた以外は、耐カビ評価Aと同様にして防除効力を求め、厚みのあるカビに対する防除効果を評価した。判定基準は耐カビ評価Aと同様である。
ポテトデキストロース寒天(Difco社製)の斜面培地にて25℃、1週間培養したPhoma sp.(浴室分離菌)を、滅菌した0.05%Tween80(関東化学株式会社製)水溶液にて菌数が約106CFU/mLの胞子液を調製した。ついで、該胞子液をプラスチック板(FRP板、50mm×50mm)に0.5mL接種し、室温にて一晩静置した後に乾燥し固定した。胞子液をプラスチック板に0.5mL接種し、室温にて一晩静置する操作をさらに2回繰り返し、供試用プラスチック板を作製した。
なお、プラスチック板上の菌(カビ)は厚みがあり、菌数は約108CFU/プラスチック板である。
下記の方法*5で作製した供試用プラスチック板を用いた以外は、耐カビ評価Aと同様にして防除効力を求め、厚みのある酵母に対する防除効果を判定した。判定基準は耐カビ評価Aと同様である。
ポテトデキストロース寒天(Difco社製)の平板培地にて25℃、2日間培養したRhodotorula rubra HIC3420(浴室分離菌)を、滅菌した0.05%Tween80(関東化学株式会社製)水溶液にて菌数が約106CFU/mLの懸濁液を調製した。ついで、該懸濁液をプラスチック板(FRP板、50mm×50mm)に0.5mL接種し、室温にて一晩静置した後に乾燥し固定した。懸濁液をプラスチック板に0.5mL接種し、室温にて一晩静置する操作をさらに2回繰り返し、供試用プラスチック板を作製した。
なお、プラスチック板上の菌(酵母)は厚みがあり、菌数は約108CFU/プラスチック板である。
<燻煙剤の製造>
表1〜4に示す組成の燻煙剤を以下の手順で製造した。表1〜4中の各成分の配合量の単位は質量%である。(A)成分の量は、燻煙剤100質量%中の銀濃度(質量%)である。クレーの「バランス」は、燻煙剤全量が100質量%となる量である。
室温(20℃)条件下において、表1〜4に示す組成に従い、各成分をニーダー(株式会社モリヤマ製、「S5−2G型」)で攪拌混合した後、組成全量を100質量部として10質量部の水を加えて混合し混合物を得た。得られた混合物を直径2mmの開孔を有するダイスの前押し出し造粒機(株式会社不二パウダル製、「EXK−1」)を用いて造粒し、造粒物を得た。得られた造粒物をフラッシュミル(株式会社不二パウダル製、「FL300」)により長さ2〜5mmに切断し、70℃に設定した乾燥機(アルプ株式会社製、「RT−120HL」)により2時間乾燥させ、顆粒状の燻煙剤を得た。
得られた燻煙剤について、微生物防除効果を評価した。結果を表1〜4に示す。
一方、表4から明らかなように、(A)成分を含まない比較例1の燻煙剤は、薄膜状および厚みのあるカビ、酵母のいずれに対しても防除効果を発揮できなかった。
(C)成分の含有量が4質量%または36質量%である比較例2〜7の燻煙剤は、薄膜状のカビや酵母に対しては防除効果を発揮できたが、厚みのあるカビや酵母に対しては十分な防除効果を発揮できなかった。
(C)成分の代わりに沸点が78.4℃のエタノール、または沸点が310℃のポリエチレングリコールモノメチルエーテルを用いた比較例8、9の燻煙剤は、薄膜状のカビや酵母に対しては防除効果を発揮できたが、厚みのあるカビや酵母に対しては十分な防除効果を発揮できなかった。
11:プラスチック板
12:加熱装置
Claims (1)
- (A)成分:銀または銀化合物と、
(B)成分:燃焼剤と、
(C)成分:プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコールおよび1,10−デカンジオールからなる群より選択される1種以上の溶剤と、を含有し、
前記(C)成分の含有量が5〜35質量%であり、
(B)成分/(C)成分で表される質量比が1.0〜20.0である、燻煙剤。
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