JP2016106979A - 表皮材止着用クリップ - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な操作でクッション材内のワイヤに係止可能で、作業効率が良い表皮材止着用クリップを提供する。【解決手段】表皮材32の端縁に設けられた係止用端部材42に係止する係止部11と、クッション材30の溝34内に設置されたワイヤ36に係止されるフック部19と、ワイヤ36をフック部19に誘導するガイド部18を備える。フック部19は、係止部11の下方側に位置し、係止部11から下方に延出する延出部17と、延出部17の先端から側方に延びる第1フック片20と、第1フック片20と反対側に延びる第2フック片21を備える。ガイド部18は、係止部11または延出部17に設けられ、第1フック片20の上方に位置する。第1フック片20の先端部20bとガイド部18の間は、ワイヤ36が挿通される第1挿通口22となり、第2フック片21の先端部21bとガイド部18の間は、ワイヤ36が挿通される第2挿通口25となる。【選択図】図1

Description

この発明は、椅子や座席等の表面を覆う表皮材の止着に用いられる表皮材止着用クリップに関する。
従来、室内で利用される椅子や車両の座席等では、座面や背当てなど人体に触れる部分にクッション材や柔軟なパッドを設置し、その表面を表皮材で被覆したものが多用されている。このような表皮材の固定には様々な構造が採用されており、表皮材を固定しつつ外観的に隠蔽できる構造として、クッション材の溝内にワイヤを配置し、表皮材の端縁の所定位置毎にクリップを配列し、これらのクリップをワイヤに係合させて表皮材を止着する構造が知られている。
例えば、特許文献1,2に開示されている表皮材止着用クリップは、表皮材に取り付けられた係止用端部に係着させるチャック部と、クッション材の溝内に設けられたワイヤに掛けられて係止されるフック部とを有している。前記フック部は、互いに横並び状に対向配置されたガイド片とフック片とを有し、これらの間にワイヤが差し込まれることで、ガイド片がフック片との間の隙間を広げるように外側に撓み、さらに差し込むと、同隙間内に差し込まれたワイヤにフック片が掛けられて係止する構成となっている。
その他に、ワイヤにフックが掛けられて表皮材を固定する構成として、特許文献3に示すフック部材がある。これは、フックの上部に設けられた開口部に、弾性変形可能な片持ち状の閉鎖片が設けられたものである。また、特許文献4に示すように、表皮材に取り付ける吊込材の両側に、同形状の一対の係止爪が設けられたフックを備えたものも提案されている。
特開2012−235911号公報 WO2012/017986号公報 USP4691416号公報 実開平7−16659号公報
上記背景技術の特許文献1,2に開示された表皮材止着用クリップは、ガイド片が長く延出しているため、ワイヤに係合させ難いものである。即ち、表皮材止着用クリップが傾いた状態でワイヤに近づけると、ガイド片とフック片が近接して下方に延出しているため、ワイヤがガイド片の外側に位置してしまい、フック片にワイヤがかからない場合があった。このような場合、フック片の姿勢を直して再度挿入する必要があり、フック片の係止作業が面倒なものであった。さらに、フック片にワイヤが挿入可能な範囲が狭く、正確に入れるために、周囲のクッション材等を押し広げて変形させ、ワイヤが見えるようにする必要があり、作業性が悪く、作業が容易ではなかった。特に、表皮材止着用クリップを指で押してワイヤに掛けようとすると、ガイド片が下側に位置するように傾きやすく、ワイヤがガイド片の外側に位置することが多くなり、ワイヤがフック片に係合しにくいものであった。
特許文献3に開示されたフック部材は、フックの上部に係止用の開口部が設けられているため、ワイヤの係止と解除を行うためにフックをワイヤの下方まで押し下げなければならず、力が必要であり使いにくいものである。さらに、開口部は閉鎖片で閉鎖されているため、フック部材をワイヤから外す際は閉鎖片を開いた状態で保持しながら操作するため、作業しにくいものである。
特許文献4に開示された係止爪は、特許文献3に開示されたフック部材と同様に、フックの上部に係止用の開口部が設けられているため、ワイヤの係止を行うためにフックをワイヤの下方まで押し下げた後に、フックを上に引き上げることで係止させようとするものであるが、ワイヤの位置が見え難いために、ワイヤがフックに係合し難い。
この発明は、上記背景技術の問題点に鑑みてなされたものであり、簡単な操作でクッション材内等にあるワイヤに係止することができ、作業効率が良好な表皮材止着用クリップを提供することを目的とする。
本発明は、表皮材の端縁に設けられた係止用端部材に係止する係止部と、クッション材の溝内に設置されたワイヤに係止されるフック部と、前記ワイヤを前記フック部に誘導するガイド部が設けられ、前記表皮材を前記クッション材に取り付ける表皮材止着用クリップであって、前記フック部は、前記係止部の下方側に設けられ、前記フック部には、前記係止部に対して下方に延出する延出部と、この延出部の延出方向の先端から側方に延びる第1フック片と、前記第1フック片と反対側に延びる第2フック片が設けられ、前記ガイド部は、前記係止部または前記延出部に設けられ、前記第1フック片及び前記第2フック片に対して上側に位置し、前記第1フック片の先端部と前記ガイド部の間は、前記ワイヤが挿通される所定間隔の第1挿通口となり、前記第2フック片の先端部と前記ガイド部の間は、前記ワイヤが挿通される所定間隔の第2挿通口となる表皮材止着用クリップである。
前記ガイド部の、前記第1挿通口に向かう部分は、第1上ガイド面を形成し、前記第1フック片の、前記第1挿通口に向かう部分は、第1下ガイド面を形成し、前記第1上ガイド面と前記第1下ガイド面の間隔は、前記第1挿通口に向かって徐々に狭くなるように形成され、前記ガイド部の、前記第2挿通口に向かう部分は、第2上ガイド面を形成し、前記第2フック片の、前記第2挿通口に向かう部分は、第2下ガイド面を形成し、前記第2上ガイド面と前記第2下ガイド面の間隔は、前記第2挿通口に向かって徐々に狭くなるように形成されているものである。
前記第1フック片の前記延出部の延出方向の端部には、前記延出部から側方に向かうに従って上方に傾斜する傾斜面が形成され、前記第2フック片の前記延出部の延出方向の端部には、前記延出部から側方に向かうに従って上方に傾斜する傾斜面が形成されているものである。
前記第1上ガイド面と前記第1下ガイド面は、その延長線が互いに80°〜120°の角度で交差する位置に設けられ、前記第2上ガイド面と前記第2下ガイド面は、その延長線が互いに80°〜120°の角度で交差する位置に設けられているものである。
また、前記第1フック片と前記第2フック片、及び前記ガイド部は、前記延出部の延出方向の中心線を中心とする左右対称の形状に形成されている。そして、前記第1フック片と前記第2フック片は、前記ワイヤから外すための治具を係止可能に設けられたものである。前記第1フック片と前記第2フック片には、前記ワイヤを保持する保持空間が設けられ、前記保持空間の底部に、前記治具が嵌合される治具用溝部形成されているものでもよい。
本発明の表皮材止着用クリップは、簡単な操作でクッション材内等にあるワイヤにフック部を容易に係止することができ、確実に表皮材をクッション材に取り付けることができる。係止作業の際には、表皮材止着用クリップを指で上から押し込んで表皮材止着用クリップが傾いても、傾いた状態で容易且つ確実にワイヤをフック部に掛けることができ、作業効率が良い。また、フック部の、ワイヤを入れる挿通口に向かって、一対のガイド面が、互いに延長線が交差するように導入通路が形成されているため、正確なワイヤの位置決めが不要であり、広い範囲でワイヤをガイドすることができ、確実に挿通口にワイヤが誘導されて係止することができる。
また、第1上ガイド面と第2上ガイド面の先端部は、第1フック片または第2フック片の先端部よりも側方に延出し、ワイヤを保持空間にて係止する位置まで容易且つ確実に案内することができ、しかも係止状態でワイヤの移動範囲を少なくでき、係止が維持されやすい。
この発明の第一実施形態の表皮材止着用クリップの斜視図である。 この発明の第一実施形態の表皮材止着用クリップの右側面図である。 この発明の第一実施形態の表皮材止着用クリップの使用方法を示す斜視図である。 この発明の第一実施形態の表皮材止着用クリップの使用方法を示す正面図である。 この発明の第一実施形態の表皮材止着用クリップの使用方法を示す正面図である。 この発明の第一実施形態の表皮材止着用クリップの拡大断面図である。 この発明の第一実施形態の表皮材止着用クリップをワイヤに取り付ける工程を示す正面図である。 この発明の第一実施形態の表皮材止着用クリップをワイヤに取り付ける工程を示す拡大断面図である。 この発明の第一実施形態の表皮材止着用クリップをワイヤに取り付ける工程を示す拡大断面図である。 この発明の第一実施形態の表皮材止着用クリップをワイヤから外す治具を示す斜視図である。 この発明の第一実施形態の表皮材止着用クリップをワイヤから外す工程を示す正面図である。 この発明の第二実施形態の表皮材止着用クリップの正面図である。 この発明の第三実施形態の表皮材止着用クリップの正面図である。 この発明の第三実施形態の表皮材止着用クリップの使用状態を示す拡大正面図である。 この発明の第四実施形態の表皮材止着用クリップの正面図である。 この発明の第五実施形態の表皮材止着用クリップの正面図である。 この発明の第六実施形態の表皮材止着用クリップの正面図である。
以下、この発明の実施形態について図面に基づいて説明する。なお、この表皮材止着用クリップ10の説明において、図3に示す互いに直交するXYZ軸方向を基準として、方向を示す。ここでは、X軸方向を前後方向とし、例えば後述するクッション材30の溝34の深部にあるワイヤ36の延在方向に一致し、若しくは、表皮材32の端縁に沿う方向に一致する。さらに、後述する係止用端部材42の端縁に沿う方向に一致する。また、係止用端部材42をクッション材30の溝34に挿入して、ワイヤ36に係止する方向を上下方向とし、上下方向は、X軸方向と直交するZ軸方向であり、クッション材30の深さ方向と一致する。さらに、クッション材30上に張られた後述する表皮材32の外部表面に対して垂直な方向に一致する。また、前後方向であるX軸方向、及び上下方向であるZ軸方向と直交する方向をY軸方向とし、左右方向と称する。この左右方向に平行な方向を側方ともいう。
図1、図2はこの発明の第一実施形態を示すもので、この実施形態の表皮材止着用クリップ10は、合成樹脂で一体に形成されたものであり、一対の係止爪12を有し、係止爪12は互いに対向して形成されるアーム部12dを有し、アーム部12dの基端部(係止爪12の基端部でもある)は、係止爪基部14の上面14a(係止爪基部14の一面とも言う)の両側から一体に形成され、係止爪12は上面14aから図1において上方に突出し、上方へ行くにつれて互いの左右方向の間隔が広がるように形成されている。この係止爪12と係止爪基部14とで係止部11が形成される。係止爪12の先端部12aはそれぞれ内側、つまり互いに向かい合って近づく方向に向けて屈曲されている。先端部12aは、それぞれ係止爪基部14の反対側端部に位置し、かつ係止用端部材42を係止する係止面12bを有し、係止面12bは、係止爪基部14の上面14aとほぼ平行に形成されている。この一対の係止爪12と係止爪基部14とで囲まれる空間に、係止用端部材42が収容されて係止される。
一対の係止爪12のアーム部12dの互いに対向する内側面12cには、ストッパ16が設けられている。ストッパ16は、係止爪12の互いに向き合う方向に交差するX軸方向である厚み方向の中間の位置に設けられた突起であり、係止爪12の係止面12bから内側面12cの上部にかけて設けられている。
係止爪基部14の、上面14aと反対側の下面14b(係止爪基部14の他面とも言う)には、下面14bの、一対の係止爪12が向かい合う方向の両端部から延出したガイド部18が一体に形成されている。ガイド部18は、下面14bから下方に一対の辺が突出し、下面14bから離れるにつれて互いに広がる方向に延出し、ほぼ中間付近で互いに近づく傾斜に折り曲げられて菱形状に形成されている。ガイド部18の、下面14bと反対側にはフック部19が設けられている。
フック部19には、ガイド部18の菱形の下端に位置する角部から係止部11の下面14bに対してほぼ直角に下方に延出する延出部17が設けられ、延出部17の延出方向である上下方向の下端部から、左右方向の一方に突出する第1フック片20が設けられている。第1フック片20は、延出部17に連続する部分は延出部17から離れるに従い上方に向かって延出し、途中で折り曲げられて先端部20bがガイド部18近傍に達する形状である。第1フック片20と延出部17の間はU字状の溝部となり、後述するワイヤ36または治具46が挿通される保持空間20aとなっている。第1フック片20の、保持空間20aの内側面には、第1フック片20の先端部20bの近傍に、ワイヤ36または治具46を係止する係合突起20cが設けられ、係合突起20cは、保持空間20aの内側面から半球状に突出して形成されている。第1フック片20の、保持空間20aと反対の外側面は、延出部17に連続する傾斜面20dと、傾斜面20dに連続し折り曲げられてガイド部18に向かう当接面20eであり、傾斜面20dと当接面20eは平面で形成され互いに異なる角度で連続している。第1フック片20の先端部20bは細くなり丸められて形成されている。なお、傾斜面20dは平面状に限らず、下方に凸状または上方に凹状の曲面状であってもよい。
ガイド部18と第1フック片20の先端部20bの間の隙間は、ワイヤ36又は治具46が挿通される第1挿通口22となる。第1挿通口22は、ワイヤ36又は治具46の直径よりも小さく設定されている。ガイド部18の、第1フック片20の先端部20bに対面する下側面は、保持空間20aの底部に向かって傾斜する第1上ガイド面23となる。第1フック片20の当接面20eも、第1挿通口22に向かって傾斜する第1下ガイド面24となる。
第1上ガイド面23、第1下ガイド面24により、図6に示すように、第1挿通口22に向かってその間隔は徐々に狭くなり、互いに80°〜120°程度、好ましくは90°よりも僅かに大きい角度αで交差する2面からなる三角形状の導入通路が形成される。また、第1上ガイド面23は、第1フック片20の先端部20bの延長線と交差し、一方の係止爪12側と延出部17側の左右方向外側に延びて、左右方向外側に位置し、保持空間20aの上方に位置する。これにより、ワイヤ36または治具46を挿入した際に、ワイヤ36又は治具46を保持空間20aに円滑に案内する。さらに、左右方向であるY軸方向と第1上ガイド面23との角度は、第1下ガイド面24とY軸方向との角度よりも小さい。これにより、第1上ガイド面23にワイヤ36が当たりやすく、第1下ガイド面24の角度が相対的に大きいことにより、取り付け時の表皮材止着用クリップ10の傾斜角度が小さくても、ワイヤ36が、保持空間20aに入りやすいものである。また、係合突起20cは係止状態にあるワイヤ36または治具46が不容易に移動することを抑制し、安定した係止を維持する。
フック部19の延出部17の下端部には、第1フック片20と反対方向の左右方向に突出する第2フック片21が設けられ、第2フック片21は延出部17を中心線として第1フック片20と左右対称の形状に設けられている。第2フック片21は、延出部17に連続する部分は延出部17から離れるに従い上方に向かい、途中で折り曲げられて先端部21bガイド部18近傍に達する形状である。第2フック片21と延出部17の間はU字状の保持空間21aとなり、第2フック片21の、保持空間21aの内側面には係合突起21cが設けられている。第2フック片21の、保持空間21aと反対の外側面は、延出部17に連続する傾斜面21dと、傾斜面21dに連続し折り曲げられてガイド部18に向かう当接面21eである。第2フック片21の先端部21bは細くなり丸められて形成されている。
ガイド部18と第2フック片21の先端部21bの間の隙間は、ワイヤ36又は治具46が挿通される第2挿通口25となる。第2挿通口25は、ワイヤ36又は治具46の直径よりも小さく設定されている。ガイド部18の、第2フック片21の先端部21bに対面する下側面は、保持空間21aの底部に向かって傾斜する第2上ガイド面26となる。第2フック片21の当接面21eも、第2挿通口25に向かって傾斜する第2下ガイド面27となる。
第2上ガイド面26、第2下ガイド面27も、図6に示すように、第2挿通口25に向かってその間隔は徐々に狭くなり、互いに80°〜120°程度、好ましくは90°よりも僅かに大きい角度αで交差する三角形状の導入通路が形成される。また、第2上ガイド面26は、第2フック片21の先端部21bの延長線と交差し、他方の係止爪12側と延出部17側の左右方向外側に延びて、左右方向外側に位置し、保持空間21aの上方に位置する。これにより、ワイヤ36または治具46を挿入した際に、ワイヤ36又は治具46を保持空間21aに円滑に案内する。さらに、左右方向であるY軸方向と第2上ガイド面26との角度は、第2下ガイド面27とY軸方向との角度よりも小さい。これにより、第2上ガイド面26にワイヤ36が当たりやすく、第二下ガイド面27の角度が相対的に大きいことにより、取り付け時の表皮材止着用クリップ10の傾斜角度が小さくても、ワイヤ36が、保持空間20aに入りやすいものである。また、係合突起21cは係止状態にあるワイヤ36または治具46が不容易に移動することを抑制し、安定した係止を維持する。
次に、この実施形態の表皮材止着用クリップ10の使用方法について図3〜図9に基づいて説明する。表皮材止着用クリップ10は、車両用の座席のクッション材30の表面の所定位置に表皮材32を張るために用いられる。ここで、クッション材30と表皮材32について説明する。クッション材30は、座席の形状に成形された発泡ポリウレタン等の合成樹脂フォーム材である。クッション材30には表皮材止着用の溝34が形成され、溝34内には、ワイヤ36が設置されている。ワイヤ36は金属製の線材であり、クッション材30の成形時にインサート成形で組み込むことができる。
表皮材32は、図3、図5に示すように、クッション材30の表面を覆う合成樹脂シート等であり、クッション材30の溝34に対応する部位に縫合部38を有する。縫合部38は、一対の表皮材32端縁を中表となるように合わせ、係止用テープ40を重ね合わせて縫合したものである。係止用テープ40の、縫合部38と反対側の辺縁40aには、係止用端部材42が一体に設けられている。
係止用端部材42は、合成樹脂で作られ、係止用テープ40の一方の辺縁をインサート成形することで係止用テープ40に装着され、係止用テープ40の長手方向に沿って一定の形状で形成されている。係止用端部材42の断面形状は、図3〜図5に示すように、係止用テープ40を挟んで左右対称で、辺縁40aを埋設する部分は略V字状のV字部42aであり、表皮材32側の部分は表皮材32側に膨出した膨出部42bであり、V字部42aと膨出部42bの中間には、表皮材止着用クリップ10の係止爪12先端部12aが差し込まれて係止される凹部42cが形成されている。V字部42aには、係止用テープ40の長手方向に沿って等間隔に係止溝44が形成されている。係止溝44は、表皮材止着用クリップ10のストッパ16が差し込まれる幅と深さに設定されている。
クッション材30に表皮材32を張る際には、まず、表皮材32に取り付けられた係止用テープ40の係止用端部材42の任意の位置に、表皮材止着用クリップ10を取り付ける。表皮材止着用クリップ10は、係止用端部材42の長手方向に沿って複数個が互いに所定間隔に取り付けられる。取り付けは、一対の係止爪12の間に係止用端部材42のV字部42aを押し込むと、一対の係止爪12が弾性変形して広がり、V字部42aが通過すると、係止爪12の弾性変形が復元し、一対の係止爪12の先端部12aが凹部42cに差し込まれて係止され、抜けることがない。この時、係止用端部材42の係止溝44には、係止爪12のストッパ16が差し込まれ、表皮材止着用クリップ10は、係止用端部材42の長手方向に移動することがなく、所定の位置で止まる。
次に、表皮材止着用クリップ10を取り付けた表皮材32を目的のクッション材30に取り付ける工程について、表皮材止着用クリップ10の第1フック片20にワイヤ36と取り付ける場合を例として説明する。図7に示すように、表皮材止着用クリップ10を取り付けた表皮材32の縫合部38を、目的のクッション材30の溝34に一致させ、表皮材止着用クリップ10のフック部19をワイヤ36に当てて指等で押す。この時ワイヤ36が第1挿通口22に一致するように、表皮材止着用クリップ10を左右に動かすと良い。この状態で、表皮材止着用クリップ10をさらに押し込むと、ワイヤ36は、第1フック片20の第1挿通口22側の第1上ガイド面23と第1下ガイド面24の間に導かれる。さらに表皮材止着用クリップ10を押してクッション材30の溝34に深く差し込むと、ワイヤ36は第1上ガイド面23または第1下ガイド面24に沿って、第1挿通口22に誘導される。第1挿通口22はワイヤ36の直径よりも小さく、そのままではワイヤ36が通過できないが、さらにこの状態で表皮材止着用クリップ10を上方から押し付けると、第1フック片20が弾性変形して第1挿通口22がワイヤ36の直径まで広がり、第1挿通口22を通過して保持空間20aに入る。ワイヤ36が通過した後、第1フック片20の弾性変形が復元し、第1挿通口22が狭い状態に戻り、ワイヤ36が抜けることを防ぐ。さらに係合突起20cがワイヤ第1挿通口22付近に突出して形成されているため、確実にワイヤ36の抜け落ちを防止する。これにより、表皮材止着用クリップ10がワイヤ36に係止され、表皮材止着用クリップ10に取り付けられた表皮材32は、端縁部が溝34に潜り込んだ状態で、クッション材30の表面に取り付けられる。
また、図8に示すように、表皮材止着用クリップ10を指先に保持して取り付ける際に、ワイヤ36が第1挿通口22よりも図面上の右にあり、表皮材止着用クリップ10が傾いていて、ワイヤ36が第1フック片20の傾斜面20dに当たるときでも、係止部11を押圧することにより、表皮材止着用クリップ10は図面上において反時計方向に回動するように移動し、ワイヤ36は傾斜面20dから第1下ガイド面24にガイドされて第1挿通口22に誘導され、二点鎖線で示すワイヤ36の位置にくる。この状態で表皮材止着用クリップ10を上方から押し付けることにより、第1上ガイド面23に沿ってワイヤ36が第1挿通口22に向かい、ワイヤ36に押されて第1フック片20がガイド部18から離れるように弾性変形して第1挿通口22が広がり、ワイヤ36が保持空間20aに入り係止される。
また、図9に示すようにワイヤ36が第1挿通口22よりも図面上の左にある時は、ワイヤ36はガイド部18の第1上ガイド面23に当たり、さらに押圧して、表皮材止着用クリップ10を第1上ガイド面23に沿って左に移動させることにより、ワイヤ36を第1挿通口22付近に一致させ、上記と同様の動作でワイヤ36を保持空間20aに入れて係止することができる。
なお、ここでは第1フック片20にワイヤ36を係止する場合を例として説明するが、第2フック片21にワイヤ36を係止してもよく、上記と同様の工程で係止される。
表皮材止着用クリップ10をワイヤ36から外す時は、図10に示す治具46を使用する。ここで、治具46について説明する。治具46は、一方向に長い棒状の保持部48が設けられ、保持部48の一方の端部48aに、扁平な四角柱状の差込部50が設けられている。差込部50は、保持部48の長手方向に平行に側方に突出し、突出する方向に交差する断面形状は一方向に長い長方形である。差込部50の先端部には、係止部材52が設けられている。係止部材52は、差込部50の長方形の短い辺の近傍に取り付けられる一対の棒状の支持部52aと、一対の支持部52aの先端同士を結ぶ棒状の係止部52bが設けられている。係止部52bは断面円形の円柱状であることが好ましいが、真円である必要はなく、楕円や三角形やそれ以上の多角形であってもよい。一対の支持部52aを結ぶ係止部52bの方向は、表皮材止着用クリップ10に治具46が係止した状態にて、表皮材止着用クリップ10がワイヤ36に係止した状態でのワイヤ36の延びる方向に一致し、もしくは、表皮材止着用クリップ10の前後方向、つまりX軸方向に一致する。また、一対の支持部52aの間隔は、第1フック片20又は第2フック片21の前後方向、つまりX軸方向の寸法よりも大きく形成され、かつ係止部52bと差込部50の先端との寸法は、第1挿通口22、第2挿通口25から保持空間20a,21aの底部までの深さよりも長く形成される。これにより、治具46の係止部52bが保持空間20a,21aに係止した状態で、表皮材止着用クリップ10が係止部52bを中心に回転するときに、支持部52aに干渉することなく、円滑に回転し、ワイヤ36から外すことができる。差込部50は、係止部52bに交差する一方向に緩やかに湾曲している。
次に、表皮材止着用クリップ10をワイヤ36から外す工程について、表皮材止着用クリップ10の第1フック片20にワイヤ36が取り付けられている場合を例として説明する。図11に示すように、治具46をクッション材30の溝34の、表皮材止着用クリップ10のワイヤ36と反対側に差し込み、ワイヤ36が係合されていない第2フック片21の第2挿通口25に、係止部材52の係止部52bを押しつける。第2挿通口25は係止部52bの直径よりも小さく、そのままでは係止部52bが通過できないが、さらにこの状態で治具46を上方から押し付けると、第2フック片21が弾性変形して第2挿通口25が係止部52bの直径まで広がり、第2挿通口25を通過して保持空間21aに入る。係止部52bが通過した後、第2フック片21の弾性変形が復元し、第2挿通口25が狭い状態に戻り、係止部52bが抜けることを防ぐ。これにより、治具46が表皮材止着用クリップ10に係止され、さらに係合突起21cが第2挿通口25付近に突出して形成されているため、確実に係止部52bの抜け落ちを防止する。
次に、治具46を引き上げる。ここで、治具46を引き上げる方向は、表皮材止着用クリップ10の上下方向、つまりZ軸方向に一致し、クッション材30の溝34の深さ方向にも一致する。クッション材30の溝34の深さ方向の底面から、係止用端部材42が溝34に挿入される方向と反対方向と、ここでの治具46の引き上げる方向は一致する。治具46を引き上げる時、図11に示すように治具46の係止部52bは保持空間21a内に係合突起21cにより保持されて外れないため、表皮材止着用クリップ10には、係止部52bの動きに伴って、ワイヤ36を中心に反時計回りに回転するようにモーメントが作用する。ワイヤ36は、第1挿通口22に位置し、更に表皮材止着用クリップ10を引き上げると、ワイヤ36が係合突起20cに当たり、第1フック片20が開く方向に力が作用する。これにより、第1フック片20が弾性変形し、やがてワイヤ36が第1挿通口22を通過して、表皮材止着用クリップ10はワイヤ36から外れ、表皮材32がクッション材30から外れる。治具46は、表皮材止着用クリップ10をワイヤ36から外した後も保持空間21aに係止された状態であるが、第2フック片21を外側に開くことにより容易に手で外すことができる。従って、図11のように、表皮材止着用クリップ10が傾いているときの治具46が保持空間21aに係止される力は、ワイヤ36が保持空間20aに係止される力よりも強く、しかも手等で容易に外すことができるものであることが好ましい。
なお、ここでは第2フック片21に治具46を係止して表皮材止着用クリップ10をワイヤ36から外す場合を例として説明したが、第2フック片21にワイヤ36が係合されている場合は、第1フック片20に治具46を係止して、同様の工程で表皮材止着用クリップ10をワイヤ36から外す。
この実施形態の表皮材止着用クリップ10によれば、簡単な操作でクッション材30のワイヤ36に係止することができ、容易且つ確実に表皮材32をクッション材30に取り付けることができる。特に、表皮材止着用クリップ10を指で保持して、第1フック片20又は第2フック片21の一方を押してクッション材30の溝34に差し込むと、表皮材32に引っ張られる力に抗して押し下げるために表皮材止着用クリップ10全体が傾く場合がある。しかし、傾いた状態でも第1挿通口22又は第2挿通口25が下方を向き、第1挿通口22、第2挿通口25に向かう第1上ガイド面23、第1下ガイド面24または第2上ガイド面26、第2下ガイド面27との三角形状の導入通路が下方に向かって広がって形成されているため、表皮材止着用クリップ10を、おおよそ第1挿通口22又は第2挿通口25付近でワイヤ36に押し付けるだけで容易にワイヤ36に係止することができる。ワイヤ36が第1挿通口22、第2挿通口25からずれていても、図8、図9に示すような広い範囲に押し付けて、表皮材止着用クリップ10を左右に動かすだけで、ワイヤ36は第1上ガイド面23、第1下ガイド面24または第2上ガイド面26、第2下ガイド面27に誘導されて第1挿通口22、第2挿通口25に一致するため、係止作業が簡単である。さらに、正確に位置決めする必要がないため、クッション材30の溝34内で簡単に操作することができ、例えばクッション材30を押して変形させてワイヤ36が見えるようにする必要がなく、弱い力で効率よく作業を行うことができ、熟練が不要で、誰にでも簡単に取り付けることができる。
また、この実施形態の表皮材止着用クリップ10をワイヤ36から外すときは、簡単な構造の治具46を使用して簡単な操作で外すことができ、作業効率が良い。ワイヤ36から外す治具46の操作に際して、クッション材30が邪魔にならず、クッション材30の溝34内で簡単に操作することができるため、クッション材30を押して変形させ、治具46が見えるようにする必要がなく、弱い力で効率よく作業を行うことができる。表皮材止着用クリップ10をワイヤ36から外す際は、治具46を、上方から第1挿通口22、第2挿通口25に当てて差し込むだけで保持空間20a,21aに係止され、差し込みやすく外れることがなく、取り付けが容易である。そして、治具46を一方向に引き上げるだけで表皮材止着用クリップ10がワイヤ36の軸周りに回転し、ワイヤ36が、第1フック片20又は第2フック片21の、弾性変形により広がった第1挿通口22、第2挿通口25から容易に外れ、簡単に係合を解除することができる。従って、特定の方向にひねる等の難しい操作が不要であり、誰にでも簡単に行うことができる。
フック部19は係止爪12の係止爪基部14にガイド部18を介して接続されるため、ワイヤ36からフック部19、係止爪12、係止用端部材42、係止用テープ40、表皮材32に至る止着の荷重伝達経路は直線的にすることができ、表皮材32の確実な止着を行うことができる。フック部19は、左右に対称形状の第1フック片20と第2フック片21が形成されているため、第1フック片20と第2フック片21のいずれにもワイヤ36または治具46を係合することができ、係止用端部材42に表皮材止着用クリップ10を取り付ける際に、左右の方向をそろえる手間がかからず、作業効率よく取り付けることができる。
次に、この発明の第二実施形態について図12に基づいて説明する。なお、ここで、上記実施形態と同様の部材は同様の符号を付して説明を省略する。この実施形態の表皮材止着用クリップ54は、ガイド部56が、係止爪基部14と一体にブロック状に形成されている。ガイド部56は、係止爪基部14の上面14aと反対側の面であり、延出部17に連続し、延出部17に連続する部分が上面14aから離れるように三角形状に形成されている。ガイド部56の、第1フック片20側の斜辺は、保持空間20aの底部に向かって傾斜する第1上ガイド面58となる。第1フック片20の当接面20eは、上記実施形態と同様に第1挿通口22に向かって傾斜する第1下ガイド面24となる。第1上ガイド面58、第1下ガイド面24は、第1挿通口22に向かってその間隔は徐々に狭くなり、上記実施形態と同様の三角形状の導入通路が形成される。また、第1上ガイド面58は第1フック片20の先端部20bの延長線を超えて延出部17側に位置するようにし、保持空間20aの上方に位置する。これにより、ワイヤ36または治具46を挿入した際に、ワイヤ36又は治具46を保持空間20aに円滑に案内する。
ガイド部56の、第2フック片21側の斜辺は、保持空間21aの底部に向かって傾斜する第2上ガイド面60となる。第2フック片21の当接面21eは、上記実施形態と同様に第2挿通口25に向かって傾斜する第2下ガイド面27となる。第2上ガイド面60,第2下ガイド面27は、第2挿通口25に向かってその間隔は徐々に狭くなり、三角形状の導入通路が形成される。また、第2上ガイド面60は第2フック片21の先端部21bの延長線を超えて延出部17側に位置するようにし、保持空間21aの上方に位置する。これにより、ワイヤ36または治具46を挿入した際に、ワイヤ36又は治具46を保持空間21aに円滑に案内する。
この実施形態の表皮材止着用クリップ54によれば、上記実施形態と同様の使用方法であり、同様の効果を有するものである。ガイド部56が中空の構造ではなく係止爪基部14と一体のブロック状であるため、強度が高い。これにより、高い強度で表皮材32をクッション材30に取り付けることができ、耐久性も高めることができる。
次にこの発明の第三実施形態について図13、図14に基づいて説明する。なお、ここで、上記実施形態と同様の部材は同様の符号を付して説明を省略する。この実施形態の表皮材止着用クリップ62は、第1フック片20の保持空間20aの底部に、治具46の係止部52bが嵌合される治具用溝部64がX軸方向に沿って形成されている。治具用溝部64は、円筒の一部が保持空間20a内周面に連通し、保持空間20aに連通する開口部64aは治具用溝部64の直径より狭い幅に設定されている。第2フック片21にも、治具用溝部64と同形状の治具用溝部66が開口部66aで連続して設けられている。
この実施形態では、表皮材止着用クリップ62をワイヤ36から外す際に使用する治具46の係止部52bは、ワイヤ36の直径よりも細いものである。治具用溝部64,66の直径は、係止部52bをわずかなゆとりを有して嵌合する長さに設定されている。
次に、表皮材止着用クリップ62をワイヤ36から外す工程について、表皮材止着用クリップ62の第1フック片20にワイヤ36が取り付けられている場合を例として説明する。上記実施形態と同様に、治具46をクッション材30の溝34の、表皮材止着用クリップ62のワイヤ36と反対側に差し込み、ワイヤ36が係合されていない第2フック片21の第2挿通口25に、係止部材52の係止部52bを差し込む。係止部52bは第2挿通口25よりも細いため、第2フック片21を弾性変形させることなく第2挿通口25を通過して、保持空間21aに入り、保持空間21aに形成された開口部66aに当る。開口部66aは係止部52bの直径よりも小さく、そのままでは係止部52bが通過できないが、さらにこの状態で治具46を上方から押し付けると、第2フック片21が弾性変形して開口部66aが係止部52bの直径まで広がり、開口部66aを通過して図14に示すように治具用溝部66に入る。係止部52bが通過した後、第2フック片21の弾性変形が復元し、開口部66aが狭い状態に戻り、係止部52bが抜けることを防ぐ。これにより、治具46が表皮材止着用クリップ62に係止される。
次に、治具46を引き上げると、表皮材止着用クリップ62は、係止部52bの動きに伴ってワイヤ36を中心に反時計回りに回転し、ワイヤ36は第1挿通口22に位置し、ワイヤ36が先端部20bに当たり、第1フック片20が開く方向に力が作用する。これにより、第1フック片20が弾性変形し、やがてワイヤ36が第1挿通口22を通過して、表皮材止着用クリップ62はワイヤ36から外れる。これにより、表皮材32がクッション材30から外れる。治具46は、表皮材止着用クリップ62をワイヤ36から外した後も治具用溝部66に係止された状態であるが、第2フック片21を外側に開くことにより容易に手で外すことができる。従って、表皮材止着用クリップ62が傾いているときの治具46が治具用溝部66に係止される力は、ワイヤ36が保持空間20aに係止される力よりも強く、手で容易に外すことができるものであることが好ましい。
なお、ここでは第2フック片21の治具用溝部66に治具46を係止して表皮材止着用クリップ10をワイヤ36から外す場合を例として説明したが、第2フック片21にワイヤ36が係合されている場合は、第1フック片20の治具用溝部64の開口部64aに治具46を係止し、同様の工程で表皮材止着用クリップ62をワイヤ36から外す。
この実施形態の表皮材止着用クリップ62によれば、上記実施形態と同様の使用方法であり、同様の効果を有するものである。治具46の係止部52bが第1挿通口22、第2挿通口25よりも細く差し込みやすいため、治具46を取り付ける作業効率を高めることができる。
次にこの発明の第四実施形態について、図15に基づいて説明する。なお、ここで、上記実施形態と同様の部材は同様の符号を付して説明を省略する。この実施形態の表皮材止着用クリップ68は、係止爪基部14の下面14bに延出部17が連続して形成され、延出部17の長手方向の途中には、第1フック片20の突出方向に突出する板状のガイド部70が設けられている。ガイド部70は、延出部17に連続する部分は延出部17に対してほぼ直角であり、途中で折り曲げられて先端部70aが係止爪12の先端部12a側に延びた形状である。
ガイド部70の、第1フック片20側の面は、延出部17に連続する第1ガイド面基端部70bと、第1ガイド面基端部70bに連続し折り曲げられて先端部12a側に向かう第1ガイド面先端部70cとから成り、第1上ガイド面73を形成している。第1ガイド面基端部70bと第1ガイド面先端部70cによる第1上ガイド面73は平面で形成され、互いに交差して連続している。第1ガイド面基端部70bの延出部17に連続する部分は、保持空間20aの底部に向かって湾曲している。第1フック片20の当接面20eは、上記実施形態と同様に第1挿通口22に向かって傾斜する第1下ガイド面24となる。第1上ガイド面73と第1下ガイド面24は、第1挿通口22に向かってその間隔は徐々に狭くなり、三角形状の導入通路が形成される。また、第1上ガイド面73は、第1フック片20の先端部20bの左右方向の外側に位置し、第1ガイド面基端部70bが保持空間20aの上方に位置する。これにより、ワイヤ36または治具46を挿入した際に、ワイヤ36又は治具46を保持空間20aに円滑に案内する。
延出部17の長手方向に途中には、第2フック片21の突出方向に突出する板状のガイド部72が設けられ、ガイド部72は延出部17を中心線としてガイド部70と左右対称の形状に設けられている。ガイド部72は、延出部17に連続する部分は延出部17に対してほぼ直角であり、途中で折り曲げられて先端部72aが係止爪12の先端部12a側に延びた形状である。
ガイド部72の、第2フック片21側の面は、延出部17に連続する第2ガイド面基端部72bと、第2ガイド面基端部72bに連続し折り曲げられて先端部12a側に向かう第2ガイド面先端部72cとから成り、第2上ガイド面77を形成している。第2ガイド面基端部72bと第2ガイド面先端部72cによる第2上ガイド面77は平面で形成され、互いに交差して連続している。第2ガイド面基端部72bの延出部17に連続する部分は、保持空間21aの底部に向かって湾曲している。第2フック片21の当接面21eは、上記実施形態と同様に第2挿通口25に向かって傾斜する第2下ガイド面27となる。第2上ガイド面77と第2下ガイド面27は、第2挿通口25に向かってその間隔は徐々に狭くなり、三角形状の導入通路が形成される。また、第2上ガイド面77は、第2フック片21の先端部21bの左右方向の外側に位置し、第2ガイド面基端部72bが保持空間21aの上方に位置する。これにより、ワイヤ36または治具46を挿入した際に、ワイヤ36又は治具46を保持空間21aに円滑に案内する。
この実施形態の表皮材止着用クリップ68によれば、上記実施形態と同様の使用方法であり、同様の効果を有するものである。さらに、第1ガイド面基端部70b、第1ガイド面先端部70c、第2ガイド面基端部72b、第2ガイド面先端部72cを長く設けることができ、ワイヤ36を広い範囲で案内することができる。これにより、ワイヤ36への取り付けが容易となり、より作業効率を高めることができる。
次にこの発明の第五実施形態について図16に基づいて説明する。なお、ここで、上記実施形態と同様の部材は同様の符号を付して説明を省略する。この実施形態の表皮材止着用クリップ74は、係止爪基部14の下面14bに延出部17が連続して形成されている。係止爪基部14の、上面14aと反対側の下面14bの両端部であって、一対の係止爪12の基端部に、ガイド部76,80が各々設けられている。
ガイド部76は、第1フック片20側に突出して設けられ、下面14bから下方に突出し下面14bから離れるにつれて延出部17から離れる方向に延出し、途中で先端部76aが延出部17に近づく方向に折り曲げられて、縦断面がくの字形状に形成されている。ガイド部76の、折り曲げられた部分と先端部76aの間の部分は、第1フック片20側の面は第1上ガイド面78であり、第1上ガイド面78の先端部76a側は保持空間20aの底部に向かって傾斜している。第1フック片20の当接面20eは、上記実施形態と同様に第1挿通口22に向かって傾斜する第1下ガイド面24となる。第1上ガイド面78,第1下ガイド面24は、第1挿通口22に向かってその間隔は徐々に狭くなり、三角形状の導入通路が形成される。
また、第1上ガイド面78は、第1フック片20の先端部20bの延長線より延出部17側に位置するようにし、保持空間20aの上方に位置する。これにより、ワイヤ36または治具46を挿入した際に、ワイヤ36又は治具46を保持空間20aに円滑に案内する。
ガイド部80は、第2フック片21側に突出して設けられ、ガイド部80は延出部17を中心線としてガイド部76と左右対称の形状に設けられている。ガイド部80は、下面14bから下方に突出し下面14bから離れるにつれて延出部17から離れる方向に延出し、途中で先端部80aが延出部17に近づく方向に折り曲げられて、断面がくの字形状に形成されている。ガイド部80の、折り曲げられた部分と先端部80aの間の部分は、第2フック片21側の面は第2上ガイド面82であり、第2上ガイド面82の先端部80a側は保持空間21aの底部に向かって傾斜している。第2フック片21の当接面21eは、上記実施形態と同様に第2挿通口25に向かって傾斜する第2下ガイド面27となる。第2上ガイド面82、第2下ガイド面27は、第2挿通口25に向かってその間隔は徐々に狭くなり、三角形状の導入通路が形成される。
また、第2上ガイド面82は第2フック片21の先端部21bの延長線を超えて延出部17側に位置するようにし、保持空間21aの上方に位置する。これにより、ワイヤ36または治具46を挿入した際に、ワイヤ36又は治具46を保持空間21aに円滑に案内する。
延出部17の、長手方向の途中には、一対の突起84が第1上ガイド面78、ガイド部80の突出方向と同じ方向に突出して形成されている。突起84は、第1フック片20、第2フック片21の先端部20b、先端部21bに対向する位置に突出して設けられ、三角形状に形成され、第1挿通口22,第2挿通口25を狭くしている。
延出部17の先端部には、第1フック片20の傾斜面20dと第2フック片21の傾斜面21dの間に、凹部86が設けられ、傾斜面20d,21dを区切っている。
表皮材止着用クリップ74をワイヤ36に取り付ける時は、表皮材32に取り付けた表皮材止着用クリップ74をクッション材30の溝34に一致させ、表皮材止着用クリップ74のフック部19をワイヤ36に当てて指等で押す。ワイヤ36が第1挿通口22に一致するように、表皮材止着用クリップ10を左右に動かすと良い。この状態で、表皮材止着用クリップ10をさらに押し込むと、ワイヤ36は第1フック片20の傾斜面20dに沿ってガイドされ、第1挿通口22側の第1上ガイド面78、第1下ガイド面24に導かれる。傾斜面20dと傾斜面21dの間には凹部86が設けられて区切られているため、手の感触でワイヤ36が凹部86に当たっているときに窪みを感じてわかり易く、傾斜面20dに当たるように移動させて正確にワイヤ36に当てる。
この実施形態の表皮材止着用クリップ74によれば、上記実施形態と同様の使用方法であり、同様の効果を有するものである。ワイヤ36を第1挿通口22に当てる時、傾斜面20dと傾斜面21dの間には凹部86が設けられて区切られているため、手の感触でワイヤ36が凹部86に当たっているときに窪みを感じてわかり易く、傾斜面20d又は傾斜面21dに当たるように移動させて正確にワイヤ36に当てることができる。第1挿通口22付近には保持部48が突出して形成されているため、より確実にワイヤ36の抜け落ちを防止することができる。
次にこの発明の第六実施形態について図17に基づいて説明する。なお、ここで、上記実施形態と同様の部材は同様の符号を付して説明を省略する。この実施形態の表皮材止着用クリップ88は、下面14bの、一対の係止爪12が向かい合う方向の両端部に設けられ下面14bから下方に一対の辺が突出し下面14bから離れるにつれて互いに広がる方向に延出し、約中間付近で互いに近づく傾斜に折り曲げられて菱形状に形成されたガイド部90が設けられている。ガイド部90の、下面14bと反対側にはフック部19が設けられている。
ガイド部90の、第1フック片20の先端部20bに対面する下側面は、保持空間20aの底部に向かって傾斜する第1上ガイド面92となり、第1上ガイド面92は第1フック片20の先端部20bに向かって中央部分が膨出する曲面で形成されている。第1フック片20の当接面20eも、第1挿通口22に向かって傾斜する第1下ガイド面94となり、外側に向かって膨出する曲面で形成されている。第1上ガイド面92、第1下ガイド面94は、第1挿通口22に向かってその間隔は狭くなり、略三角形状の導入通路が形成される。第1上ガイド面92、第1下ガイド面94は各々湾曲面で形成されているため、第1挿通口22に近づくにつれて急に狭くなっている。また、第1上ガイド面92は第1フック片20の先端部20bの延長線を超えて延出部17側に位置するようにし、保持空間20aの上方に位置する。これにより、ワイヤ36または治具46を挿入した際に、ワイヤ36又は治具46を保持空間20aに円滑に案内する。
ガイド部90の、第2フック片21側の先端部21bに対面する下側面は、保持空間21aの底部に向かって傾斜する第2上ガイド面96となり、第1上ガイド面92と同様に外側に向かって膨出する曲面で形成されている。第2フック片21の保持空間21aも、第2挿通口25に向かって傾斜する第2下ガイド面98となり、第1下ガイド面94と同様に外側に向かって膨出する曲面で形成されている。第2上ガイド面96、第2下ガイド面98は、第2挿通口25に向かってその間隔は狭くなり、略三角形状の導入通路が形成される。第2上ガイド面96、第2下ガイド面98は各々湾曲面で形成されているため、第2挿通口25に近づくにつれて急に狭くなっている。また、第2上ガイド面96は第2下ガイド面98の先端部20bの延長線を超えて延出部17側に位置するようにし、保持空間20aの上方に位置する。これにより、ワイヤ36または治具46を挿入した際に、ワイヤ36又は治具46を保持空間20aに円滑に案内する。
この実施形態の表皮材止着用クリップ88によれば、上記実施形態と同様の使用方法であり、同様の効果を有するものである。第1上ガイド面92、第1下ガイド面94、第2上ガイド面96、第2下ガイド面98は、各々円弧で形成されているため、第1挿通口22、第2挿通口25に近づくにつれて急に導入通路が狭くなる形状であり、確実にワイヤ36を第1挿通口22、第2挿通口25に誘導することができる。
なお、この発明の表皮材止着用クリップは、上記実施の形態に限定されるものではなく、細部形状や寸法等、適宜変更することができる。表皮材止着用クリップの材質や表面の仕上げ、色彩等は自由に選択することができる。表皮材止着用クリップは、一対の係止爪の互いに向かい合う方向に交差する厚み方向の幅は、係止爪と係止爪基部をガイド部とフック部よりも比較的広くし、ガイド部とフック部は係止爪と係止爪基部よりも狭くしたが、これらは同じ幅であってもよく、或いは逆でもよい。ただし、ガイド部やフック部は、変形性能を確保するために幅を狭くする方が好適である。係止爪の先端部を面取りした形状に形成したが、矩形状でもよい。ただし、面取りした形状により係止用端部材との引っ掛かりを軽減することができる。一対のガイド部と、一対のフック片は延出部を中心線とする対称形としたが、対称形でなく異なる形状でもよい。
10,54,62,68,74,88 表皮材止着用クリップ
11 係止部
12 係止爪
14 係止爪基部
17 延出部
18,56,70,72,76,80,90 ガイド部
19 フック部
20 第1フック片
20a,21a 保持空間
20b,21b 先端部
20d,21d 傾斜面
20e,21e 当接面
21 第2フック片
22 第1挿通口
23,58,73,78,92 第1上ガイド面
24,94 第1下ガイド面
25 第2挿通口
26,60,77,82,96 第2上ガイド面
27,98 第2下ガイド面
30 クッション材
32 表皮材
34 溝
36 ワイヤ
42 係止用端部材
46 治具
64,66 治具用溝部

Claims (7)

  1. 表皮材(32)の端縁に設けられた係止用端部材(42)に係止する係止部(11)と、クッション材(30)の溝(34)内に設置されたワイヤ(36)に係止されるフック部(19)と、前記ワイヤ(36)を前記フック部(19)に誘導するガイド部(18,56,70,72,76,80,90)が設けられ、前記表皮材(32)を前記クッション材(30)に取り付ける表皮材止着用クリップ(10,54,62,68,74,88)であって、
    前記フック部(19)は、前記係止部(11)の下方側に設けられ、前記フック部(19)には、前記係止部(11)に対して下方に延出する延出部(17)と、この延出部(17)の延出方向の先端から側方に延びる第1フック片(20)と、前記第1フック片(20)と反対側に延びる第2フック片(21)が設けられ、
    前記ガイド部(18,56,70,72,76,80,90)は、前記係止部(11)または前記延出部(17)に設けられ、前記第1フック片(20)及び前記第2フック片(21)に対して上側に位置し、
    前記第1フック片(20)の先端部(20b)と前記ガイド部(18,56,70,72,76,80,90)の間は、前記ワイヤ(36)が挿通される所定間隔の第1挿通口(22)となり、
    前記第2フック片(21)の先端部(21b)と前記ガイド部(18,56,70,72,76,80,90)の間は、前記ワイヤ(36)が挿通される所定間隔の第2挿通口(25)となることを特徴とする表皮材止着用クリップ。
  2. 前記ガイド部(18,56,70,72,76,80,90)の、前記第1挿通口(22)に向かう部分は、第1上ガイド面(23,58,73,78,92)を形成し、
    前記第1フック片(20)の、前記第1挿通口(22)に向かう部分は、第1下ガイド面(24,94)を形成し、
    前記第1上ガイド面(23,58,73,78,92)と前記第1下ガイド面(24,94)の間隔は、前記第1挿通口(22)に向かって徐々に狭くなるように形成され、
    前記ガイド部(18,56,70,72,76,80,90)の、前記第2挿通口(25)に向かう部分は、第2上ガイド面(26,60,77,82,96)を形成し、
    前記第2フック片(21)の、前記第2挿通口(25)に向かう部分は、第2下ガイド面(27,98)を形成し、
    前記第2上ガイド面(26,60,77,82,96)と前記第2下ガイド面(27,98)の間隔は、前記第2挿通口(25)に向かって徐々に狭くなるように形成されている請求項1記載の表皮材止着用クリップ。
  3. 前記第1フック片(20)の前記延出部(17)の延出方向の端部には、前記延出部(17)から側方に向かうに従って上方に傾斜する傾斜面(20d)が形成され、
    前記第2フック片(21)の前記延出部(17)の延出方向の端部には、前記延出部(17)から側方に向かうに従って上方に傾斜する傾斜面(21d)が形成されている請求項2記載の表皮材止着用クリップ。
  4. 前記第1上ガイド面(23,58,73,78,92)と前記第1下ガイド面(24,94)は、その延長線が互いに80°〜120°の角度で交差する位置に設けられ、
    前記第2上ガイド面(26,60,77,82,96)と前記第2下ガイド面(27,98)は、その延長線が互いに80°〜120°の角度で交差する位置に設けられている請求項2記載の表皮材止着用クリップ。
  5. 前記第1フック片(20)と前記第2フック片(21)、及び前記ガイド部(18,56,70,72,76,80,90)は、前記延出部(17)の延出方向の中心線を中心とする左右対称の形状に形成されている請求項1記載の表皮材止着用クリップ。
  6. 前記第1フック片(20)と前記第2フック片(21)は、前記ワイヤ(36)から外すための治具(46)を係止可能に設けられた請求項1記載の表皮材止着用クリップ。
  7. 前記第1フック片(20)と前記第2フック片(21)には、前記ワイヤ(36)を保持する保持空間(20a,21a)が設けられ、前記保持空間(20a,21a)の底部に、前記治具(46)が嵌合される治具用溝部(64,66)形成されている請求項6記載の表皮材止着用クリップ。
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