JPH0716659U

JPH0716659U - 車両用シートにおける表皮の吊込構造

Info

Publication number: JPH0716659U
Application number: JP5168193U
Authority: JP
Inventors: 光昭大脇
Original assignee: Tachi S Co Ltd
Current assignee: Tachi S Co Ltd
Priority date: 1993-08-30
Filing date: 1993-08-30
Publication date: 1995-03-20

Abstract

(57)【要約】【目的】発泡体製パッドの表面に表皮を被覆し、表皮の
一部をパッドの表面に吊込むことにより、表皮をパッド
の表面に接合してなる車両用シートにおいて、表皮をパ
ッドに簡単に吊込み得るようにすることである。【構成】発泡体製パッド（１）の凹溝（１１）底部内
に、係止孔（３Ａ）が、凹溝（１１）内に露出するよう
に係止体（３）を埋設し、この係止体（３）に、表皮
（５）の裏面に設けた吊込材（４）を係止することを特
徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、自動車用シート（座席）などの車両用シートにおけるシートの表面を構成する表皮の発泡体パッドに対する吊込に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

自動車用シートにおけるシートクッション（座部）、シートバック（背凭部）は、その着座部は中央に対してその左右が上方又は前方に隆起するように形成して、着座性を向上させている。そして、シートクッション等はその略外形形状にモールド成形した発泡体製（ウレタンフォーム）パッドに表皮を被覆することにより形成している。

【０００３】従って、シートクッション等のパッドにおける着座部は、中央に対してその左右が隆起するように形成している。従って、表皮をパッドの中央に対して浮き上がることのないように被覆するために、表皮の裏面側に、表皮に縫着する吊袋とこの吊袋内に挿通した線材からなる吊込材を設け、この吊込材をパッドの中央と左右との境界に沿って設けた凹溝内に挿込んで、凹溝内に埋設したインサートワイヤに多数のホッグリングで一体に結着している。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

従って、以上の従来品は、表皮に縫着した吊込材の吊袋内に吊込材の線材を挿通した後、その吊込材を多数のホッグリングで結着することにより、表皮を吊込む構造のため、作業性が頗る悪い不具合があった。そこで、本考案は斯様な従来品の不具合を除去することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

以上の目的を達成するための本考案は、表面に凹溝を有しこの凹溝の底部内に係止体を凹溝に沿って埋設してなる発泡体製パッドと、このパッドを被覆し裏面側に前記凹溝内に挿込む長尺状の吊込材を一体に縫着してなる表皮とからなり、前記パッドの係止体には長手方向に複数の凹溝内に露出する係止孔を設け、前記吊込材には、前記係止体の係止孔内に挿込み、係止する係止爪を設けてなることを特徴とする。以上の吊込材は、長さ方向に折曲可能な材質構造のものが望ましく、斯様な吊込材を使用することにより表皮を曲線状に吊込むことが可能となる。

【０００６】

【作用】

パッドを表皮で被覆し、表皮側の吊込材における係止爪を係止体の係止孔内に挿込むことにより、吊込材は係止体に係止されて、表皮はパッドの凹溝に沿って吊込まれる。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。図１は、本案構造を採用した自動車用シートを示し、そのシートクッション（ＳＣ）の着座面には表皮（５）の吊込みによって形成された装飾用のパターン（イ）（イ）が着座面の中央における平坦部とその左右の隆起部との境界に沿って曲線状に形成されている。図中（ロ）は直線状のパターンを示す。

【０００８】以上のパターン（イ）（イ）は、シートクッション（ＳＣ）の略外形形状にモールド成形した発泡体製パッド（１）に設けた凹溝（１１）内に、表皮（５）の接ぎ合わせ部分を、吊込材と共に挿し込んで吊込むことにより形成される。そして、凹溝（１１）は、パッド（１）の略平坦状の中央部（１Ａ）と、この中央部の左右に設けた隆起状側部（１Ｂ）との境界に沿って形成され、この凹溝内（１１）内に、切欠部（１２）が設けてある。

【０００９】図２は、表皮（５）の吊込個所を示し、表皮（５）（５）の接ぎ合わせ部分に沿って、軟質合成樹脂材からなる長尺状の吊込材（４）が一体に縫着され、この吊込材（４）の係止爪（４１Ａ）（４１Ａ）が、パッド（１）の凹溝（１１）の底部内に埋設した切欠部（１２）によって外部に露出した係止体（３）に係止することにより、離脱不能に吊込材（４）が係止体（３）に固定されて、表皮（５）は吊込まれる。

【００１０】図３、４は、本案に使用するパッド（１）を示し、パッド（１）の表面左右には曲線状に凹溝（１１）（１１）が設けてあり、この凹溝（１１）（１１）の底部内に係止体（３）が凹溝（１１）に沿って埋設され、この係止体（３）における係止孔（３Ａ）に対応する部分にパッドの一部を切欠して形成した切欠部（１２）が設けてあり、この切欠部（１２）により係止孔（３Ａ）が凹溝（１１）内に露出するように形成されている。

【００１１】図５は、表皮（５）の裏面に一体に縫着した吊込材（４）を示し、吊込材（４）は表皮（５）の接ぎ合わせ個所に一体に縫着したプレート状に基部（４２）と、この基部（４２）と一体で前記係止体（３）に係止される矢尻状の係止爪（４１Ａ）（４１Ａ）とから構成されている。

【００１２】図６は、前記係止体（３）を示し、図示する係止体（３）は、全体が前記凹溝（１１）の形状に沿って折曲されるようにワイヤより形成され、ワイヤをＵ字状に折曲させ、折曲させた一方側に、他方側に接合する凹部（３０）と、他方側との間に係止孔（３Ａ）を形成する凸部（３１）とが形成されている。そして、この凸部（３１）とこの凸部（３１）が対向する他方側とがパッド（１）の凹溝（１１）の切欠部（１２）内に露出するように、また、凹部（３０）とこの凹部（３０）が当接する他方側がパッド（１）内に埋設されるように形成されている。

【００１３】斯して、図５に示す裏面に吊込材（４）を縫着した表皮（５）で、図３、４に示すパッド（１）を被覆した後、表皮（５）の吊込材（４）における係止爪（４１Ａ）（４１Ａ）をパッド（１）の凹溝（１１）の底部内に埋設した係止体（３）における係止孔（３Ａ）に挿込むことにより、表皮（５）は吊込材（３）の基部（４２）と共に、パッド（１）の凹溝（１１）内に吊込まれる。そのため、表面が凹凸状パッド（１）に表皮（５）が浮き上がることのないように張設することができる。

【００１４】

【考案の効果】

本考案によれば、表皮でパッドを被覆した後、表皮に設けた吊込材をパッドの凹溝底部内に埋設した係止体に挿込むことにより、表皮の一部はパッドに吊込まれるため、表皮のパッドに対する吊込みが簡単になり、作業性を向上し得る。

【００１５】更に、吊込材を軟質合成樹脂材で成形することにより、表皮を曲線状の凹溝内に沿って吊込むことができ、シートの表面に曲線状の装飾用パターンを形成できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本案構造を採用した自動車用シートの部分切欠
斜視図である。

【図２】図１のIIーII線に沿える部分省略断面図であ
る。

【図３】本案構造に使用するパッドの斜視図である。

【図４】図３のIVーIV線に沿える断面図である。

【図５】本案に使用する表皮の部分切欠斜視図である。

【図６】本案に使用する係止体の平面図である。

【符号の説明】

１パッド３係止体４吊込材５表皮１１凹溝４１Ａ係止爪

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】表面に凹溝を有しこの凹溝の底部内に係
止体を凹溝に沿って埋設してなる発泡体製パッドと、こ
のパッドを被覆し裏面側に前記凹溝内に挿込む長尺状の
吊込材を一体に縫着してなる表皮とからなり、前記パッドの係止体には長手方向に複数の凹溝内に露出
する係止孔を設け、前記吊込材には、前記係止体の係止孔内に挿込み、係止
する係止爪を設けてなる車両用シートにおける表皮の吊
込構造。