JPH0529459U - 車両用シートの面状ヒータ取付構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】面状ヒータを組み込み、表皮と吊込袋で吊込ん
でなる車両用シートにおいて、部材の共用化を図ること
である。 【構成】吊込袋で（３）の一部に切溝を設けて取付部
（３３）を形成し、この取付部（３３）に面状ヒータ
（４）を固定したことを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は自動車用シート（座席）などの車両用シート内に内蔵する面状ヒータ の取付構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来の自動車用シートには、表皮とクッション体との間に面状ヒータを介在さ せると共に表皮の裏面側に吊込袋を縫着し、該吊込袋をクッション体の表面に設 けた凹溝内に喰い込ませてクッション体の凹溝内のインサートワイヤにホッグリ ングで結着しているものがある。 図６に示すように以上の面状ヒータ（４）は、発熱線の上下両面を基布で挟持 し、この基布の一端を、表皮（１Ａ）（１Ｂ）の裏面に縫着した取付布（ａ）に 、タッグピン（５）などで固定して、シートの使用による面状ヒータの移動を防 止している。 図６において、図中（３）は内部に芯線（３１）を挿通する吊込袋で、この吊 込袋（３）は前記取付布（ａ）と共に縫糸（６）によって、表皮の身頃（１Ａ） と額縁（１Ｂ）との接ぎ合わせ個所に一体に縫着され、表皮の身頃（１Ａ）、額 縁（１Ｂ）はいずれも表布地（１１）、発泡体製ワディング（１２）、裏基布（ １３）の三部材からなる積層体で構成されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従って、前記面状ヒータを固定するには、あらかじめ表皮の裏面側に取付布に 縫着しなければならない。 ところが、自動車用シートにはヒータを組込む必要のない仕様のものがある。 この場合は、表皮に面状ヒータ取付用の取付布を縫着する必要がなく、前記取付 布が不要となる。 そのため、表皮には、面状ヒータ取付用の取付布を縫着する必要があるものと 、取付布が不要のものの二種類を用意する必要があった。 そこで、本考案は、ヒータ組込用仕様のシートと、ヒータを組込まない仕様の シートの表皮を共用化できるようにすることを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

以上の目的を達成するための本考案は、表皮を吊込む布製の吊込袋をその先端 部より縫着部方向に設けた切溝によって、取付部を形成し、この取付部に面状ヒ ータを固定してなることを特徴とするものである。

【０００５】

【作用】

クッション体と表皮との間に介在する面状ヒータは、表皮と一体でクッション 体に固定される吊込袋の取付部に取付けられるので、シートの使用によって移動 （ズレ）することがなく所定位置に固定される。

【０００６】

【実施例】

図１、２は本考案に係る構造を示し、面状ヒータ（４）は、シートクッション （ＳＣ）の着座部内の表皮の身頃（１Ａ）とクッション体（２）との間に内蔵さ れ、左右両端は表皮（１Ａ）（１Ｂ）を吊込む吊込袋の一部からなる取付部（３ ３）にタッグピン（５）によって固定されている。 以上の吊込袋は表皮の身頃（１Ａ）と額縁（１Ｂ）（１Ｂ′）との接ぎ合わせ 個所に沿って縫着され、吊込部（３２）と、前記取付部（３３）とから構成され ている。 そして、吊込部（３２）はその内部にワイヤなどの芯線（２２）が挿通され、 芯線（２２）と共にクッション体（２）に設けた凹溝（２１）内に喰い込まれて ホッグリング（７）によってクッション体（２）に埋設したインサートワイヤ（ ２２）に結着されている。

【０００７】 図３は、表皮（１Ａ）（１Ｂ）でクッション体（２）を被覆する前の状態を示 し、面状ヒータ（４）はあらかじめ、表皮（１Ａ）（１Ｂ）側に固定されている 。 面状ヒータ（４）は発熱線（４１）を被覆部（４２）（４２）で被覆してなる 従来周知のものである。 面状ヒータ（４）をタッグピン（５）によって固定する吊込袋（３）の取付部 （３３）は吊込袋（３）と一体で、吊込袋（３）は縫糸（６）によって表皮（１ Ａ）（１Ｂ）の裏面側に縫着されている。

【０００８】 以上の取付部（３３）の形成方法を、図４、５に示す。 まず、布地を略Ｕ字状に折曲させて、その先端部から縫着部方向に一定の間隔 で多数の切溝（３ａ）…を設け、多数の取付部（３３）…と吊込部（３２）…を 交互に設けて、縫糸（６）によって表皮（１Ａ）（１Ｂ）に縫着する。 次に、図５に示すように、各取付部（３３）…を折曲させて、夫々タッグピン （５）で面状ヒータ（４）に縫着する。然る後、袋状の各吊込部（３２）…内に ワイヤからなる芯線（３１）を挿通することにより、図３に示すように吊込袋（ ３）と面状ヒータ（４）を有する表皮（１Ａ）（１Ｂ）が得られる。

【０００９】 この吊込袋（３）の吊込部（３２）は、クッション体（２）の凹溝（２１）内 に喰い込まれて、インサートワイヤ（２２）にホッグリング（７）で一体に結着 され、これによって面状ヒータ（４）は表皮の身頃（１Ａ）の内側に固定される 。

【００１０】 なお、以上の吊込袋（３）付の表皮（１Ａ）（１Ｂ）を、ヒータを内蔵しない シートクッションに使用する場合には、図５に示す状態で、吊込袋（３）をクッ ション体（２）のインサートワイヤ（２２）に結着しても良いが、各取付部（３ ３）…を折曲させずに、各吊込部（３２）と同方向に向けて、吊込部（３２）内 を挿通する芯線（３１）を各取付部（３３）…内にも挿通して、各取付部（３３ ）…及び吊込部（３２）をホッグリング（７）でインサートワイヤ（２２）に結 着するのが望ましい。

【００１１】

【考案の効果】 本考案によれば、表皮と一体でクッション体側に固定される吊込袋の取付部に 面状ヒータが固定されるため、シートの使用によって表皮とクッション体との間 に介在する面状ヒータが移動（ズレ）することなく、シートの所定位置に固定さ れる。 加えて、面状ヒータは表皮の吊込材に固定しているため、前記従来の如く、面 状ヒータを固定するための専用の部材を使用する必要がない。そのため、ヒータ 仕様と、ヒータを組込まない仕様のシートにも、同一の表皮を使用でき、部材の 共用化を図れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る車両用シートの斜視図である。

【図２】図１におけるIIーII線断面図である。

【図３】本考案の分解断面図である。

【図４】本考案に使用する吊込袋の形成方法を示す斜視
図である。

【図５】本考案に使用する吊込袋に面状ヒータを取付け
た状態の部分斜視図である。

【図６】従来の面状ヒータの取付状態を示す断面図であ
る。

【符号の説明】

１Ａ、１Ｂ 表皮 ２ クッション体 ３ 吊込袋 ４ 面状ヒータ ３２ 吊込部 ３３ 取付部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 表皮とクッション体との間に面状ヒータ
   を介在させると共に表皮の裏面側に吊込袋を縫着し、該
   吊込袋をクッション体の表面に設けた凹溝内に喰い込ま
   せて固定してなる車両用シートにおいて、 前記吊込袋には、間隔をあけて先端部から縫着部方向に
   多数の切溝を設けて多数の吊込部と、取付部とを交互に
   設け、 前記各吊込部はその内部に芯線を挿通して前記クッショ
   ン体に結着し、 前記各取付部は前記面状ヒータに固定してなることを特
   徴とする車両用シートの面状ヒータ取付構造。