JPH0529460U - 車両用シートの面状ヒータ取付構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】面状ヒータを組み込み、トリムカバーを吊込材
で吊込んでなる車両用シートにおいて、部品の共用化を
図ることである。 【構成】トリムカバー（１Ａ）を構成する裏基布（１
３）に面状ヒータ（４）を直接固定することにより、ヒ
ータ内蔵仕様とヒータを内蔵しないシートにおけるトリ
ムカバーの共用化を図っている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は自動車用シート（座席）などの車両用シート内に内蔵する面状ヒータ の取付構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来の自動車用シートには、表皮とクッション体との間に面状ヒータを介在さ せると共に表皮の裏面側に吊込材を固定し、該吊込材をクッション体の表面に設 けた凹溝内に喰い込ませて固定してなるものがある。 以上の面状ヒータは、図４に示すように発熱線の上下両面を基布で被覆し、こ の基布の一端を、トリムカバー（１Ａ）（１Ｂ）の裏面に縫着した取付布（ａ） に、タッグピン（４）などで固定して、シートの使用による面状ヒータ（４）の 移動を防止している。 なお、トリムカバー（１Ａ）（１Ｂ）は、表皮（１１）、発泡体製ワディング （１２）、裏基布（１３）の三層から構成され、トリムカバー（１Ａ）（１Ｂ） を構成する身頃（１Ａ）と額縁（１Ｂ）との接ぎ目に沿って吊込材（１３）が、 前記取付布（ａ）と共に一体に縫着されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従って、前記面状ヒータを固定するには、あらかじめトリムカバー（１Ａ）（ １Ｂ）の裏面側に取付布（３）に、縫着しなければならない。 ところが、自動車用シートにはヒータを組込む必要のないものがある。この場 合には、前記取付布（ａ）が不要となる。 そのため、トリムカバーには、面状ヒータ取付用の取付布（ａ）を縫着する必 要のものと、取付布（ａ）が不要のものの二種類を用意する必要があった。 そこで、本考案は、ヒータ組込用仕様のシートと、ヒータを組込まない仕様の シートの表皮を共用化できるようにすることを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

以上の目的を達成するための本考案は、トリムカバーを構成する裏基布に面状 ヒータを固定してなるもので、この固定はタッグピンなどで行い、裏基布を表皮 、ワディングに積層して一体に縫着する前に、裏基布に面状ヒータを固定するの が望ましい。

【０００５】

【作用】

クッション体との間に介在する面状ヒータは、トリムカバーを構成する裏基布 に取付けられているので、シートの使用によって移動（ズレ）することがなく所 定位置に固定される。

【０００６】

【実施例】

以下、本考案は一実施例を図面に基づいて説明する。 図１、２は、面状ヒータ（４）を内蔵した自動車用シートを示し、シートクッ ション（ＳＣ）の着座部を構成するトリムカバーの身頃（１Ａ）の内側に面状ヒ ータ（４）が、トリムカバー（１Ａ）を構成する裏基布（１３）にタッグピン（ ５）によって固定され、トリムカバーの身頃（１Ａ）とクッション体（２）との 間に介在している。 トリムカバーの身頃（１Ａ）、額縁（１Ｂ）（１Ｂ′）は表皮（１１）、ワデ ィング（ウレタンフォームのスラブ材）（１２）、裏基布（１３）の三部材を積 層したものであり、その適宜個所で三部材は一体に縫着されている。

【０００７】 以上のトリムカバーの身頃（１Ａ）を構成する裏基布（１３）には、身頃（１ Ａ）を額縁（１Ｂ）に縫糸（６）によって接ぎ合わせる前に、面状ヒータ（４） はタッグピン（５）によって固定されている。 トリムカバー（１Ａ）（１Ｂ）はその接ぎ合わせ個所に沿って袋状の吊込材（ ３）が一体に縫着され、この吊込材（３）の先端は吊込材（３）内に挿通した芯 線（３１）と共にモールド加工した発泡体製クッション体（２）に設けた凹溝（ ２１）内に喰い込まれて、ホッグリング（７）によってクッション体（２）に埋 設したインサートワイヤ（２２）に、一体に縫着される。

【０００８】 図３は、クッション体（２）に被覆する前のトリムカバー（１Ａ）（１Ｂ）を 示し、トリムカバーの身頃（１Ａ）の裏基布（１３）には、タッグピン（５）に よって面状ヒータ（４）の端部が固定されている。 面状ヒータ（４）は、発熱線（４１）を基布（４２）（４２）で被覆した従来 周知のものである。 なお、図示するものは、トリムカバーの一方の額縁（１Ｂ）と身頃（１Ａ）と の接ぎ合わせ部分の面状ヒータ（４）を示しているが、他方の額縁（１Ｂ′）と 身頃（１Ａ）との接ぎ合わせの面状ヒータ（４）も同様な構造である。

【０００９】

【考案の効果】

本考案によれば、トリムカバーの裏基布面状ヒータが固定されるため、シート の使用によってトリムカバーとクッション体との間に介在する面状ヒータが移動 （ズレ）することなく、シートの所定位置に固定される。 そして、面状ヒータはトリムカバーの裏基布に固定しているため、前記従来の 如く、面状ヒータを固定するための専用の部材を使用する必要がない。そのため 、ヒータ仕様と、ヒータを組込まない仕様のシートにおいても、同一のトリムカ バーを使用できる利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案を採用する自動車用シートの斜視図であ
る。

【図２】図１におけるIIーII線断面図である。

【図３】本考案の要部を示す断面図である。

【図４】従来の面状ヒータの取付状態を示す断面図であ
る。

【符号の説明】

１Ａ、１Ｂ トリムカバー ２ クッション体 ４ 面状ヒータ １３ 裏基布

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 表皮、発泡体製ワディング、裏基布の三
   層から構成するトリムカバーと、このトリムカバーによ
   って被覆されるクッション体との間に、面状ヒータを介
   在させてなる車両用シートにおいて、 前記面状ヒータはトリムカバーの裏基布に一体に固定し
   てなることを特徴とする車両用シートの面状ヒータ取付
   構造。